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「相互の業務理解」…D~F グループ

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「相互の業務理解」…D~F グループ
「相互の業務理解」…D~F グループ
グループとしての結論
① ケアマネと医療職の接点として居宅療養管理指導がある。この制度を活用して職種間の連携や地域
包括ケアシステムにつなげて行きたい。具体的には職種間の連携が図れるようなフローチャート等
や留意点などが記載されたマニュアルを作成するところまでを目標としたい。
~連携例~
医師:医師会では、一つの情報共有ツールとして、糖尿病連携パスを作成し、糖尿病連携手帳を活用
することで病病・病診・診診連携をより円滑に行えるシステムづくりをしている。この手帳を
目にした際には、活用を促してほしい。
歯科医師:歯科医師の往診は規制が緩和されている。往診の可否については、まずは窓口に相談する。
相談先にはケアプラン等の情報を提供することにより、スムーズな対応が図れる。
初回訪問は状態把握の為、治療ではなく相談がメインとなる。
ケアマネが自歯と義歯の状態等を予め確認しておくと、歯科医師との連携が円滑に出来る。
義歯の作成について、保険を適応して義歯を作成するためには前回の義歯作成から6ヶ月
以上の期間が必要という制約があり、その間に紛失等した場合は混合診療(保険及び保険
外対応)ができない。日常的に義歯を管理することで円滑な医療サービスが提供できる。
歯科の領域で、徐々に介護保険を利用した訪問歯科診療の実施が増えている。
薬剤師:薬剤師会では残薬チェックが大きな課題となっている。患者、家族からの相談対応と合わせ、
医療従事者、ケアマネと情報共有することで残薬を減らして行きたい。
またお薬手帳を活用すれば、医療連携のツールの一つとして機能する。
麻薬の残薬回収について、家族が薬局に返納するか、関係者から薬局に連絡を入れることで、
関係機関の連携により速やかな回収ができる。
かかりつけ薬局との連絡をケアマネの業務に組み込んでもらえると、より連携できる。
薬剤師会では、まだ居宅療養管理指導で自宅に訪問するケースは少ないが、近くの薬局へ気
軽に相談してくれれば、必要に応じて主治医と連携して薬の調整をするなど、服薬管理の部
分で協力ができる。
家族、ケアマネ、看護師等と薬剤師が連携することで、病院に詳細の連絡や問い合わせがで
き、情報が共有できれば残薬を減らしていくことにも繋がる。
② 高齢化が進み、介護を要する方が増え、介護者をしている方の高齢化も進み、キーパーソンとして
の機能を果たせなくなってきている。
③ 在宅支援をしていく専門職種は様々だが、今回の会議の様に多職種が一同に会して一つのテーマに
ついて議論を交わすことは、顔の見える関係や互いの業務理解、信頼関係を構築する上でとても有
効な機会だと思う。このように在宅支援のネットワークがより強い絆で結ばれていく事が、在宅支
援ネットワークの肝になる。
医師の意見
【現状】○ケアマネは質が問われる時代になっている、以前は自分で患者のケアマネジメントも行って
いたが、今は自分の中でケアマネを区分けしている。
○薬の回数や量が増えると管理ができずリスクが高くなるため、極力減らすようにしている。
○糖尿病患者に関して、茅ヶ崎・寒川の医師会で糖尿病患者連携パスを創り、糖尿病手帳を開
発した。手帳には眼科や内科の他に歯科や服薬状況などの医療情報が記入できる。これを利
用する事で糖尿病患者がどのような治療を受けているのか、各医師が共通に認識できる。
○100 歳の独居の方で月に1回は受診に来ていたので、気にしていなかったが、ある月受診に
こなかったため、ケアマネに確認すると、通院できない状態であった事がわかり、訪問看護
をすぐに開始出来た。受診時以外の情報はほとんどなく、ケアマネからの情報はとても貴重。
【課題】○在宅での服薬状況は医師では把握できず、家族や本人からの話が事実であるという前提で検
査値の把握や処方をしているが、実態は服薬管理ができていない状況の方も増えていると聞
いているので、支援者がいれば情報を共有していくようにしたい。
【提案】○最近は認知症の患者さんが増え、全体の1割以上を占めている。市立病院など、各病院での
勉強会が増えているが、高齢者虐待のケースを聴きたい。
歯科医師の意見
【現状】○往診の算定条件が、常時寝たきり、ほぼ寝たきり状態であったのが、寝たきりに近い状態に
緩和され、患者の体調によっても往診が可能になった。その他 16km以内との制限もある
が、市内は範囲内
○訪問診療を希望する際、まずかかりつけ医に確認して欲しい。
(かかりつけ医はカルテで事前
予測ができる)対応できない、又はかかりつけ医がいない場合、歯科医師会の事務局
(54-0991)で相談できる。ケアマネ等からの相談も可能、プランや家族の応対可能な時
間帯などの情報もあれば尚良い。
○勉強して最近は介護保険の請求をしているが、今までは介護保険での請求をしていなかった。
医療保険と介護保険の違いもまだ歯科医師には浸透していない事が多く、利用されていない
ケースが多い。介護保険の訪問は、要支援 2~要介護 5 の方が対象。500 単位請求できる。
現状として歯科医師会で介護保険対応をしている医院は全体の 5~6%とほとんどない。
○義歯安定剤は効果的、義歯の保管について、夜ははずして義歯洗浄剤につけるのが通常、自
歯が何本かある場合は粘膜を傷つけることがあるため、夜間も装着していることがある。
○使用していない古い義歯は過去の治療の際の参考として保管しておくと良い。
(保管時は乾燥
させても良い)
○義歯を装着していない人がいたら理由を確認して欲しい。1~2 カ月で入らなくなる場合も
ある。
○義歯作成後6ヶ月は新しい義歯を作る費用が保険外となり、混合診療(保険と保険外)が適用
できない。
○自歯と義歯でケア方法が変わる。義歯の有無を家族に確認して欲しい。女性の場合、言わな
いこともあることを想定して、要支援状態になったら何気ない会話で確認して欲しい。
【課題】○診療にあたっては現状把握が必要なため、初回は相談対応と見て欲しい。噛み合わせは入れ
歯か口腔かによって、嚥下も食事形態によって見立てが変わる。すべての道具を持って行け
れば良いが、細い路地で診療車が入れないところもあるので難しい。
○茅ヶ崎と寒川で変死・孤独死者は年間 300 人いるが、地域で連携して少しでも減らしてい
きたい。
【提案】○歯科での手術時など、医師と相談しながら服薬調整をしている。各職種間の共通言語がある
と良い。
○今はケアマネへの報告は郵送しているが、往診後にリアルタイムで連携ができると良い。
薬剤師の意見
【現状】○日常として、ケアマネや外来の看護師などから連絡を受けて薬を調べることはある。在宅の
場合は患者の家族が取りにくる場合に効能を質問されることがある。
○国家プロジェクトとして去年の4月から薬局で残薬チェックをしている。薬剤師会では全国
規模で 500 億のロスを減らすことを前提として、なぜ残薬がでるのかを傾聴している。患
者は残薬を罪だと思い、言わない場合もある為、おかしいことではなく先生も怒らない、薬
代も安くなるなどの利点も伝え、なぜ薬が必要なのか理解してもらえるようにしている。
○お薬手帳は医療連携のために非常に重要、記録として残したいので常に持参して欲しい。例
えば、飲み始めた時期を確認することで、副作用が出る時期もわかる。不整脈の方で血流を
促すワーファリンが処方されている場合、歯科医が出血しやすい状態であることを把握でき
ず、歯科治療後に「出血が止まらない」と患者から相談されることもある。また抗生物質の
効能に誤差が生じる場合もある。
○居宅療養管理指導で訪問する場合、
「家族の手が足りない」という理由でも利用可能であるが、
単に届けるだけでは相互作用の確認や残薬のチェックには繋がらないので、ケアマネの協力
も得たい。
○薬の受け渡しを玄関先ですることが多かったが、最近は、訪問看護師やヘルパーと一緒の訪
問も増えている。指示書があっても訪問していない薬局もあり、また訪問が夜間帯になって
しまうことも多い。
○自分のところでは、まだ居宅療養管理指導を請求した実績はない。
○薬に関する不安や飲み合わせの心配などは、近くの薬局へ気軽に相談してほしい。必要に応
じて主治医に相談し、飲み合わせや一包化、服薬管理の相談など受けている薬局は多い。
○介護保険で、居宅療養管理指導を請求する時は、利用者との契約が必要となり、なかなか広
がっていないのが実情。医療保険を適用する場合には、契約は不要で算定ができる。
○服薬管理の不安がある場合、居宅療養管理指導の算定回数にとらわれずに、回数を増やして
訪問することもあるので、薬局と相談してほしい。
【提案】○薬剤師は一つの領域に限った専門家ではないが、小児から高齢まで幅広く勉強しているので、
食事と薬の相性などは、忙しくて時間の取れない医師よりは相談対応することができる。
訪問看護師の意見
【現状】○悪性腫瘍で麻薬が処方されている方で、病院では薬が管理されているが、在宅で亡くなった
場合の残薬の取り扱いなど、在宅では残薬管理がされていないようにおもう。悪用などの心
配もあるので、残薬チェックの連携システムが必要でないか、薬局が亡くなったという情報
を知らない場合もあるかもしれない。看護師からも連絡する必要があるのかもしれない。
→残った麻薬は、ご家族から薬局にお持ちいただくか、関係者から薬局に連絡してほしい。
○薬剤師の方が在宅訪問していることを知らなかった。訪問看護を初めてまだ日が浅いので、
今日は色々な話が聞けて勉強になった。
○服薬内容の確認は、お薬手帳だけでなく、一緒に発行されるお薬の写真と効能が説明書きで
書かれている者を一緒に確認するようにしている。最近はジェネリックなど、薬の名前が増
えてきていて覚えきれない。その都度効能や何の薬かをチェックするには重宝している。
【課題】○院外薬局で軟膏を調合する等の依頼をしたが、前例が無かった為か調合出来なかった。
→保険薬でない試薬を院内製剤で調合していると、町の薬局で取り扱えない場合あり。
また、薬品の在庫や取り扱いがなく取り寄せが必要な為、すぐに対応することが難しい場
合もある。
○日頃関わっている方の多くは、薬が大量に余っていても受診の時に「ちゃんと飲んでいる」
と医師に伝えるため、薬が効いてないと判断され別の新しい薬を処方されたり、同じ薬を処
方されてくることが多く、家には薬が山になっている事もある。
○老老介護が増え、主介護者も認知症や支援を必要としているケースなど、介護者のレスパイ
トも必要。
【提案】○残薬は看護師としても注意しているが、毎回30日分処方されることが気になるので、服薬
管理ができていないなど、場合によっては先生に伝わるようにチェックが入らないか。
→薬剤師が訪問していれば把握できるが、家族やケアマネから処方した薬局へ連絡調整をす
ることで解決できることもある。状況に応じて薬剤師から病院に詳細連絡や問い合わせが
できるので、情報共有ができれば残薬を減らしていくことにも繋がると思う。
○ケアプランにも、かかりつけ薬局を組み込んでもらえると、より連携できるのではないか。
○在宅支援をしていく上では、チームとして本人や家族の事について共通の認識をしていく必
要性がある。その一つとしてフェイスシートはとても有効なツールだと思う。
介護支援専門員の意見
【現状】○訪問歯科は、医療保険(歯科受診)と介護保険(訪問歯科)の同月請求は出来るのか?
⇒できる
○訪問歯科は誰に依頼すればいいのか?⇒かかりつけの歯科医に相談してほしい
○最近は、医療保険の改正で、まだ完治していない状況で在宅へ戻るケースも少なくない
○これからは、地域医療を中心とした地域包括ケアシステムの実現が重要な役割を担ってくる
と思う。
○利用者や家族はひとりひとり様々で、それぞれの持つ力を引き出せる支援をしたいと思う。
【課題】○ご利用者様の自宅にある、飲み残しの薬の処理に迷ってしまうことがある。
○服薬管理や自宅での生活状況に関して、本人や家族が受診時に主治医に伝えることが出来て
いるのか、不明瞭な事が増えてきている。(飲み残しの薬があふれている事もある。)
○家族の介護力や家族と本人との関係性が在宅介護の大きなウエイトを占めている。最近は家
族との関係性が悪く、支援困難となるケースも少なくない。家族の介護力に頼った日本の制
度は徐々に困難になってきており、家族だけでは支えきれない方を支援できるような体制に
していかなければならない。
【提案】○今日のように他職種の方が定期的に集まることが大切、他職種が集まり連携をすることで良
い介護や看護ができる。今後も継続することが必要。
地域包括支援センターの意見
【現状】○居宅と包括の仕事の違いに戸惑いを感じている。包括では、地域との連携を主に考えている。
○個人情報について、FAX送付する際は、誤送信に配慮し、個人が特定されないように加工
することで、情報のやり取りは可能だと思うが、より確実なのは、郵送だと思う。
○居宅と包括の違いについて、居宅は要介護 1~5 の方を主に担当して毎月 1 回は訪問してい
る。包括は、要支援 1~2 を主に担当して、それ以外にも二次予防対象者、介護保険対象外
の地域に住む方々の様々な相談を受けている。訪問は 3 カ月に 1 回が基本。
○要支援の方は給付限度の単位数が少ない為、どうしても訪問看護を重宝して便利屋さんとし
て(服薬管理やリハビリ、介護指導、病状観察など)使いたくなってしまう。
⇒訪問看護としては本望。
【課題】○少子高齢化が進み、今後は入院期間が短縮し、病院で最期を迎えるのは困難な時代になる。
今までは、病院で対応できたケースも在宅医療に移行することが増え、医療依存度が高くて
も在宅で介護サービスを利用して生活をしている状況が見られる。そのため、医療と在宅の
連携は更に重要になってくる。
【提案】○本人・家族にとって、介護はとても負担なこと。私たち支援者が負担軽減の方法について本
人屋家族へ情報提供をする事で、本人や家族に余裕が生まれ、負担感が軽減されると思う。
○在宅支援の専門職が、今回の会議の様に一同に会して一つのテーマについて議論を交わすこ
とは、顔の見える関係や互いの業務理解、信頼関係を構築する上でとても有効と思う。その
中でお互いの関係がより強い絆で結ばれていくことが、在宅支援ネットワークの肝になる。。
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