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Week 10
Chapter 10 スプレッドシートの基本 この Chapter では、スプレッドシートの基本について学習します。スプレ ッドシート（Spreadsheet）とは、一般的に表計算ソフトと呼ばれる種類 のソフトウェアです。主に、数値データの集計や分析に使われることが多 いですが、単純な表を作成して Word に貼り付けたり、住所録や顧客情報 管理のためのデータベースとして活用されることもあります。Excel は大 学における学びの場面だけでなく、ビジネスシーンでも頻繁に使用されま す。 ■Excel の基本操作を学ぶ 画面構成とセルの基本操作を理解しましょう ■Excel を使った表計算処理機能を学ぶ 計算処理の基礎を理解しよう 95 Chapter10 STEP1 Excel の基本操作を学ぶ ここでは、スプレッドシートソフトである Excel の基本操作について学びましょう。 Mission「画面構成とセルの基本操作を理解しよう」 ここでは、Microsoft Excel という表計算ソフトの基本操作をマスターします。 ■Excel の起動と画面構成 Excel を起動するには、【スタートボタン】→【プログラム】→【Microsoft Office】 →【Microsoft Office Excel 2007】を選択します。 Excel 2007 のアイコン 起動直後には、以下のような画面が表示されます。 ① 列（A，B，C…） ② 行（1，2，3…） セル ③ ここが Point「部分名称と処理機能を対にすると憶えやすい！」 例えば、上記の場合だと、 ①数式バーに数式や関数を入力し、さまざまな処理を実行します ②選択したセルは「アクティブセル」と呼びます ③画面下部に「ワークシートタブ」が表示され、切り替えながら作業をするこができます 96 STEP1 Excel の基本操作を学ぶ ■セルの基本操作 Excel の操作には、若干の慣れが必要です。セルやその周辺の細かい部分をマウスで操作 するため、基本をしっかり学んでおきましょう。 セルへの入力と移動 セルをクリックして、文字や数値を入力します。 アクティブセルを移動するには、周囲の太線部分を セルに文字を入力 マウスで操作します。 セル・行・列の選択 セルや行・列を選択するには、下記の場所をクリックします。 セルの選択 列の選択 行の選択 連続した複数セルや複数行・複数列の同時選択 セルの真ん中や、行番号・列番号の真ん中をドラッグすると、複数のセルや行列を同時 に選択することができます。 複数のセルを選択 複数の列を選択 複数の行を選択 97 Chapter10 セルのコピーと貼り付け セルを右クリックすると「コピー」や「貼り付け」を行うことができます。 コピーしたセルを貼り付ける 列の幅や行の高さの変更 行番号や列記号の仕切り部分をマウスで調整します。 列の幅の変更 行の高さの変更 複数の行の高さを揃える・複数の列の幅を揃える 事前に複数行・複数列を同時選択して、幅や高さを変更すると、まとめてサイズを整え ることができます。 複数列を同時選択 98 列番号の高さを 上下に動かす 同じ高さになる 同じ幅になる 複数行を同時選択 行記号の幅を左右に動かす STEP1 Excel の基本操作を学ぶ ■さまざまなセル書式の編集 文字の書式の変更 セルの内部の文字は、Word と同様にリボンやコマンドボタンを使って変更します。文字 装飾に関連したコマンドボタンは、主に「ホーム」タブにあります。セル内部の字を大き くすると、完全に表示しきれない場合があるので注意しましょう。 文字色の変更 セル背景色の変更 罫線 アクティブセルの範囲に各種罫線を設定する場合は、罫線ボタンから選択します。 罫線スタイルの選択 99 Chapter10 セルの結合と中央揃え 表などを作成する際に便利なのが「セルを結合して中央揃え」です。複数のセルを選択 した状態で、セルの結合と中央揃えボタンをクリックすることで、複数セルをひとつに結 合することができます。 結合して中央揃え 結合後、セルの中を右揃えへ変更 オートフィル Excel にはオートフィルという便利な機能が用意されています。連続した文字や数値、セ ．．．．． ルのパターンなどを一括して自動的に入力します。オートフィルを使うには、パターン性 ．．． のあるアクティブセルの右下部分をドラッグします。 （マウスの形が変化することに注目し ましょう）。 曜日などの定型的なパターンは、最初のセルだけでオートフィルができます。 オートフィルで連続した時間のコピー セルの内容を消すには セルの内容（入力した文字や数値）だけを 消すには、マウスで右クリックして【数式と 値のクリア】を選びます。 100 STEP1 Excel の基本操作を学ぶ セルそのものを削除するには、右クリックして【削除】を選びます。この場合、削除した後に その他のセルをどのように再配置する（ずらす）か、確認画面が表示されます。 削除後の再配置を指定 条件付き書式 条件付き書式とは、条件に当てはまるセルに対して書式を設定する機能です。条件付き 書式で設定したものは、これまでに学んだセルの書式設定などで元に戻すことはできませ ん。この書式を消すには、条件付き書式の設定を削除する必要があります（実際の操作に ついては、講師の指示に従ってください）。 条件付き書式の設定 101 Chapter10 Challenge「Excel の基本操作をマスターしよう」 (1) 次のような「市松模様」を、Excel に作成してください。ただし、可能な限り最小限の 操作手順で完成させてみましょう。 (2) これまで学んできた Excel のセル書式の使い方を活用して、あなたの今学期の時間割 を上記のような表にしてみましょう。 (3) どんなパターンでオートフィルが活用できるか、いろいろと試してみましょう。 ①月曜日…火曜日…水曜日… ②１番…５番…９番…１３番… ③０号…５号…１０号…１５号… ④田中…鈴木…田中…鈴木… ⑤一位…二位…一位…二位… (4) 次の文章に表現されている情報を、Excel を使って表にしましょう。罫線や、セル中央 揃えを使って、見やすい表を作ってください。 『あるサークルの東京支部には、巨人ファンが 70 名、阪神ファンが 30 名います。 同じサークルの大阪支部には、巨人ファンが 15 名、阪神ファンが 85 名います。 』 (5) 次の文章に表現されている情報を、Excel 2007 を使って表にしましょう。その後、 Excel の『条件付き書式』の機能を使ってセルごとを分かりやすく色分けし、表に書か れた数字の特徴について考察してみましょう。 『あるサークルの東京支部には、巨人ファンが 70 名、中日ファンが 20 名、阪神ファン が 30 名います。同じサークルの名古屋支部には、巨人ファンが 10 名、中日ファンが 100 名、阪神ファンが 10 名います。大阪には巨人ファンが 15 名、中日ファンが 15 名、阪神ファンが 90 名います。』 102 STEP2 Excel を使った表計算処理機能を学ぶ STEP2 Excel を使った表計算処理機能を学ぶ ここでは、Excel の主たる利用目的である「計算処理」の基礎および「グラフ作成」の基 礎について学習します。 Mission「計算処理の基礎を理解しよう」 ■四則演算記号と計算式の入力 一般的に、コンピュータで四則演算を行うには、次の記号を半角で用います。 ■和（足し算）⇒ +（プラス） ■差（引き算）⇒ -（マイナス） ■積（かけ算）⇒ *（アスタリスク） ■商（わり算）⇒ /（スラッシュ） Excel では、セルや計算バーに計算式を入力する際、必ず始めに「=（イコール）」を入力 します。計算結果を表示するには、Enter キーやチェックマークをクリックします。 入力した計算式を自動計算 ■自動で合計を求める方法（オートサム） 生活の中で、もっとも頻繁に行う計算は「合計」です。Excel には 「オートサム」と呼ばれるコマンドボタン（Σボタン）があり、範囲 選択したセルの合計を簡単に計算することができます。 ここが Point「あなたが入力したデータは数値？それとも文字列？」 Excel は、あなたが入力した情報を基に，どのようなデータが入力されたか、文字列、数 値、数式、日付、時間などのデータの種類（データタイプ）を自動認識してくれます。ま た，データの種類に合わせてセルにデータをどのように表示するか（表示形式）も自動設 定して表示してくれます。入力したデータを文字列として表示させたい場合は最初に「 ’ （クオーテーション）」を入れましょう。 103 Chapter10 Let’s Try「Excel で計算してみよう」 (1) 53＋98×3÷6 の計算結果はいくつになるでしょう (2) 1,880 円の商品を買うと、消費税はいくらになるでしょうか。計算式を入力して計算 してみましょう (3) 6 から 15 までの整数を、ひとつずつ合計するといくつになるでしょう。オートフィル の機能と組み合わせて、計算してみましょう Let’s Try「グラフ作成の基礎を理解しよう」 数字の特徴を一目で理解するためには、グラフが効果的です。Excel では、目的に合わせ たグラフを簡単につくることができるようになっています。次の表を参考にしながら、棒 グラフを作成してみましょう。 (1) 表を作成し、範囲選択した後に【挿入】をクリックします (2) グラフの種類が表示されるので、【縦棒】を選びます (3) グラフが表示されました (4) グラフをクリックすると、グラフツールが表示され、【デザイン】タブで色などを変更 できます 104 STEP2 Excel を使った表計算処理機能を学ぶ Let’s Try「実際のデータをグラフにしてみよう」 次のような表を作成しグラフにしてみましょう。どのようなことがわかるでしょうか。 グラフを見て、どのような特徴があるか考えてみましょう。 チェック リスト この Chapter では以下のことを学習しました。理解度の確認のため、できること、わか ったことに☑をつけましょう。 □ Excel がどんなソフトか理解できた □ 「セル」 「行」「列」の位置がわかった □ 「ワークシートタブ」の位置がわかった □ セル・複数セルの移動ができた □ 「罫線」を引くことができた □ 「セル結合」ができた □ オートフィルができた □ 計算式の入力方法がわかった □ オートサム（∑）ができた □ データを基にグラフを作成することができる 課題 総務省統計局「日本の統計 2007」のデータを基に、日本の人口（年齢別や男女別）を自 分なりにグラフで表してみましょう。 ●参考 URL： http://www.stat.go.jp/data/nihon/zuhyou/n0200400.xls 105 106