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原木なめこ「日高の沢味」のブランド化戦略

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原木なめこ「日高の沢味」のブランド化戦略
原木なめこ「日高の沢味」のブランド化戦略
■建設企業の概要
工藤設備工業 株式会社
代表者:代表取締役 工藤 正史
所在地:沙流郡日高町富川北6丁目7番15号
電 話:01456-2-1775
FAX:01456-2-4775
URL:http://www.kudo-setubi.com/
資本金:10,000千円
従業員:7名
事業内容:昭和49年創業、昭和63年2月
設立。一般管工事、土木工事、水
道施設工事を手がける。平成17
年から「なめこ」の栽培に着手。
商品化した「日高の沢味」
新分野の事業概要
■新事業の概要
・先代が行っていた椎茸栽培のノウハウを活かし、
天然栽培に近い原木なめこの生産に成功。大き
さは一般のなめこの5倍以上あり、風味、食感
も一般のなめこをはるかにしのぐ。平成20年
度より「日高の沢味」として地元、北海道及び
本州でブランド化を進め、高級食材として販路
拡大を図る。
■新たな取組
・農産物の生産においては、必ず規格外となる商
ビニールハウス栽培
品が生じるため、これらの規格外品をどのよう
に販売するかが急務であるが、当社はこれらのノウハウを持っていないことから社外の専門家に
相談しており、平成22年度は加工品の製造販売を検討している。
■新分野進出の背景・きっかけ
・日高地域では、基幹産業である一次産業の低迷が続き、公共投資の減少により業況が悪化する建
設業界においても、新事業展開を検討する中で、新たな特産物づくりなど地元の資源を見いだし、
付加価値を高める事業を模索していた。
・平成15年より門別町(現日高町)商工会工業部会でナラタケの栽培を始めたが、環境や栽培方
法の問題で失敗。しかし、日高地方は、キノコの原木栽培に適した森林資源が豊富な地域であり、
また、キノコ栽培は広大な土地の確保を必要とせず参入しやすいことから、その後、先代社長が
椎茸栽培を行っていた沢で独自に数種類のキノコの試験栽培を始めた。3年の試験栽培を経て、
平成20年度より「日高の沢味」事業を本格的に開始した。
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・きのこの栽培は、現在は菌床栽培が一般的だが、古くから行われていた原木栽培を再現し、天然
栽培に近いという付加価値のある最上級品として評価される製品を生産することに成功した。
■新分野進出の際の課題・障害とそれを克服した方法・取組
・商品の信用力を付け、販路を確保することが課題であった。市場への出荷では、採算が合わない
ため、ブランド化に向け、信用のある道内や東
京の有名店との取引の開拓に専念し、取引実績
を作って行った。現在北海道物産展への独自出
展を通じ、一般消費者の認知度を高めていると
ころ。
■経営資源の活用
・社長所有の山で先代社長が椎茸栽培を行って
いたことから、その栽培のノウハウを活用。
・現在、なめこ栽培に適した湿気の高い沢を利
路地栽培の原木なめこ
用し栽培している。原木に散水し乾燥を防ぐ
配管システムなどの栽培環境は、本業の資
材、人材を活用し整備。
・新たに、顧客の要求により通年栽培をするためにハウスでの栽培を実施している。
■新分野進出の体制
・平成19年、本格的になめこ栽培を行う部門として、農林事業部門を設立。従業員は、新たに2
名雇用し、現在7名である。
・今後の事業展開の状況によっては、新たな雇用も考えている。
・平成20年に(独)中小企業基盤整備機構北海道支部中小企業ベンチャー総合支援センターの紹
介で平野アドバイザーよりアドバイスを受ける。
・道立林産試験場より原木キノコの栽培方法の指導を受ける。
・日高森づくりセンターより菌糸の製造などの指導を受ける。
■国・道・市町村等の支援制度の活用
・町のホームページ、観光パンフレットに掲載
・平成20年度
国土交通省の「建設業の新分野進出・経済革新モデル構築支援事業」を活用
■成果と今後の展望
・平成21年2月∼11月
生産量
820キログラム
売上高
150万円
収益の状況
20万円
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