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第7回 レタッチの概念、PhotshopCSの概要、RAW現像
友 山 ク ラ ブ デ ジ タ ル 勉 強 会 第7回 2010/11/11 レタッチ - 1 レタッチの概念 Photoshop CS の概要 RAW現像 レタッチ (retouch) = 「修整作業」 • 銀塩写真の修整技術 – 現像・焼付時の化学変化をコントロール • フィルム現像時: 増感、減感、など • 焼付時: 露光時間、現像時間、薬剤配合、液温調整、など – 部分的な画像修整・加工 • 焼付時: トリミング、部分焼き込み・覆い焼き、マスキング、多重露光、 色フィルター、など • 原版修整: 鉛筆でしわ隠し、など • デジタル写真の「修整」技術 – 画像処理ソフトを使い、銀塩写真の修整に相当する作業を行う • デジタル写真の「加工」技術 – 画像処理ソフトを使い、画像の変形、パターン化、合成などを行う 2 RGB=光の三原色 Red 「色相環」 復 習 しきそうかん 第2回 Yellow Magenta 明るい 色は RGBの混ざり具合で決まる! 光が多い Blue Green 暗い 光が少ない Cyan R.G.B の明るさを個別に調整すれば 画像の色・明暗をコントロールできる! = レタッチ 明るさの階調: 256段階 0~255 (=28) (8ビットコーデイングの場合) 表現できる色の数: 16,777,216色 3 デジタル撮影の 概念 光→電子 変換素子 カメラ内蔵の画像処理エンジン (CCD,CMOS) デジタルデータ 復習 カメラ内で画像処理 を加えないデータ (10100101…) R 光 デジタル 情報化 G 増幅 デジタル 情報化 B 増幅 デジタル 情報化 1画素 (Pixel) ← ← 増幅 4288 画素 → 画素→ 2848 例:ニコン D300 V 4288 × H 2848 =12,2133,224 画素 この図は概念を示すもので、 実現の方法は様々。 R A W カメラ内自動画像処理 インター フェイス ホワイトバランス 露出調整 記憶媒体 (メモリー カード) 色調・彩度 コントラスト シャープネス etc. JPG データ圧縮 カメラ内で画像 処理を加えた データ 4 何故RAWで撮影? • JPGで撮影した場合のデメリット – 作品作りをカメラ内蔵ソフトに依存 → • 内蔵ソフトが撮影データを解析 → WB、明度、彩度、コントラスト、シャープネス等を最適に調整 パソコン閲覧・小判プリントに適した作画 (クッキリ感強調) – JPGデータをレタッチする場合の不都合 • 非可逆圧縮による画質劣化が不可避 • レタッチソフトはRAWからの作業が前提、 JPGからの作画は作業性が悪い 出血大サービス! 現像無料 プリント 1枚 8円! • RAW = 撮像素子の各画素から取り出した RGB値の生(ナマ)データ (撮影済・未現像フィルムの「潜像」に相当) • RAW現像 → レタッチ = RAW 撮影 +レタッチ = 「デジタル暗室」で作品作り! 暗室 手作業 RAW現像+レタッチで 暗室作業の楽しさを取り戻そう! 5 レタッチソフト RAW現像からレタッチまで、一貫作業できるソフト RAWデータ: カメラメーカー、モデル毎に異なる非標準の信号 – 汎用ソフトでは再生できない • ファイルに表示される拡張子の例: • Nikon: .nef Canon: .crw RAW現像 + 簡易レタッチ (初心者用、作品作りには不十分) – デジカメ購入時に添付されるメーカー提供の無償ソフト • Canon: ZoomBrowser EX、Digital Photo Professional など • Nikon: View NX など • メーカーが提供する有償ソフト – メーカーの特徴を打ち出した高度なレタッチソフト • Nikon: Capture NX など • サードパーテイが提供する有償ソフト – メーカー・モデルを問わず使える汎用ソフト (アップデートが必要) • カメラメーカーからRAWデータのアルゴリズム提供を受けて開発 – 超高機能、特定機能、使い勝手等に特徴のあるソフト • Adobe Photoshop CS など 6 「Adobe Photoshop CS」 • 米国Adobe社が提供するデジタル画像処理ソフト • 画像修整・加工ソフトの 「業界標準」 (プロ用) – 高機能 (画像処理はほぼ何でも可能)・ 高価格(10万円~) – 現在は第5版(CS-5)の日本語版が流通 • フル機能版 CS-5 Extended と 通常版(CS-5) あり (自然写真を扱う場合は通常版の機能で足りる) – ウェブデザインのツールとしても業界標準 • Photoshop Elements は機能限定版 – 高度な部分補正、画像加工しなければ、Elementsの機能でも足りる? • 画像ブラウザー 「Adobe Bridge」 と一体で使用 – Adobe Bridge は Photoshop CS に同梱 • 正しいライセンス登録が必須 (パソコン1台にPhotoshop CS 1本) – 登録→自動更新→RAW現像に必要な最新ソフトが提供される 7 Photoshop CSを使ったレタッチ作業の流れ 撮影済データ(RAW) の取り込み 記憶媒体をパソコンにつなぐと Adobe Bridgeが自動的に立ち上がる → 保存フォルダーを指定 → 撮影日毎のフォルダを自動的に作成 → 取り込み開始 RAW現像 Adobe Bridge上の画像をクリック → Photoshop が立ち上がり、RAW現像画面が出る → RAW現像画面で基本的な補正を行う 露出補正、ホワイトバランス補正など → OKでRAW現像終了 → RAWデータ+補正データ(隠しファイル)が保存される。 レタッチ Bridge上で現像済み画像(マーク付き)をクリック → Photoshopが立ち上がり、現像済の画像が出る → レタッチツールを使って画像を最適化 → 保存方式 (.psd .tiff .jpg など) を選んで保存 8 取り込み→RAW現像→レタッチ の流れ 例 RAW撮影 元データ RAW現像後 レタッチ後 (コントラスト調整) 作品 (WB再調整、トリミング) ( × デジタル画像加工例 × ) 明度ダウン・赤カブリ生成 明度ダウン・雲消去、月合成 人物合成 9 RAW現像時の留意点 • 作業開始前に確認すること: – Photoshop デフォルト(既定の設定)のパラメーターを確認 • 色空間(sRGB or Adobe RGB)をカメラの設定と一致させる • 何ビットで処理? 標準:8bit、16bit:高画質(超重くなる) – モニターのキャリブレーションは? • モニターのWBや輝度が不正確では「補正」が無意味 – 一般モニターの傾向: 色温度・明度が高い (クッキリ感を強調) – 処理前・処理後データを収容するフォルダーを準備 • オリジナルの撮影データを必ず残す (後日ゼロからやり直し可能な状態) • 撮影時のイメージに合わせて露出、色調を補正 – RAW現像時の補正は WB と 露光 に留める • レタッチ段階でも補正可能だが、RAW現像時の方が作業性が良い – 上記以外の補正・微調整は現像後・レタッチ段階の方がやりやすい • 銀塩写真でも 「現像」=素材作り(フィルム)、 「焼付・引伸」=作品作り 10 ヒストグラム(度数分布図)= 色や階調を客観的に確認するツール ハイライト 部分 シャドウ 部分 復習 Red画素 階調分布 Green画素 階調分布 出現した画素の度数 RGB全チャンネルの 階調の分布 Blue画素 階調分布 0 ← 階調 → 255 R.G.Bの階調を個別に調整できる 11 絵の調子 ⇒ ヒストグラムに現れた特徴を読む習慣を! ノーマル 明るい ハイキー ローキー レタッチ = 階調分布を意図的に変化させる 暗い RGBを同量で変化 → 明度、コントラスト RGBを個別に変化 → 彩度 レタッチソフト = 分布を変化させるツール 12 RAW現像の実際 • 露出補正 – ヒストグラムが0~255に拡がるように露光量を補正 → レタッチ時にバランス良くメリハリの効いた画面を作りやすい – 白とび軽減、黒レベル、補助光効果も使うと便利だが、フラット化に注意 • WB補正 – 「気分」で補正すると錯覚に陥りやすい ( → 補正は控えめに) • 自然写真では光線状態による「色カブリ」発生が自然の状態、 厳密にWBを出すと不自然な絵になるので要注意 • 過度な「色カブリ効果」の追及(赤出し)も不自然な絵になりがち – 厳密なWBが必要な場合 (商業写真、人口光線での撮影など) • • • • グレイチャートを写し込んで撮影。無い場合は絵の中にグレイ点を探す グレイ点のRGB値をスポイトで測定 (出来れば 明、暗 2点以上で) グレイ点のRGB値が均等になるようにWB調整スライドを左右 ±5程度でOK。 ±5に入らない場合は色カブリ調整スライドも左右 • ほど良いところで「OK」 → 現像終了、レタッチ画面が開く 13 RAW現像の例 • 例1 露出不足補正 • 例2 露出オーバー補正 • 例3 シャドゥ部を押す補正 • 例4 青カブリ(日陰)補正 • 例5 赤カブリ(人工光)補正 • 例6 意図的な赤カブリ生成 14 今日はここまで、お疲れ様でした! 次回 (1月 日): レタッチ 第2回 レイヤーの概念 トーンカーブの使い方 ビギナー専用! ベテランはご遠慮ください。 15