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かごしま産業おこし挑戦基金による支援事業計画

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かごしま産業おこし挑戦基金による支援事業計画
地域中小企業応援ファンド
かごしま産業おこし挑戦基金による支援事業計画
1
鹿児島県の産業振興政策における「かごしま産業おこし挑戦基金」の位置づけ
本県では,概ね10年後を見据え,本県が目指す将来の社会像を明らかにする
とともに,今後,継続的に又は新たに取り組んでいくべき課題,その取組の方向
性等を盛り込み,県民とともにふるさと鹿児島の未来を拓いていくための県政の
基本的な方向性を示す「かごしま将来ビジョン」(以下「将来ビジョン」とい
う。
)を平成20年3月に策定した。
この将来ビジョンでは,挑戦すべき課題の1つとして,「新時代に対応した戦
略的な産業おこし」を掲げ,取り組みの方向性としては新産業戦略の展開として
重点業種(自動車・電子・食品関連産業)に対する企業誘致活動の推進や振興,
地域特性を生かした新たな産業の創出等を設定(参考1)しており,東アジア諸国
に近接するという地理的優位性を生かし,本県が我が国のアジア戦略の最前線と
(参考2)
して,交流・連携の拠点として発展することを目指している。
また,平成23年3月に取りまとめた「かごしま製造業振興指針」(以下「振
興方針」という。)において,本県製造業の現状や取り巻く環境の変化を踏まえ
た6つの振興方針を定めており,その中で,農商工等連携への積極的な取組を支
援する「地域資源を生かした新産業育成」や商品開発支援や販路開拓支援による
「オンリーワンの技術によるキラリと光る企業の育成」,今後成長が期待される
産業分野(環境・新エネルギー,健康・医療,バイオ関連産業)への参入支援を
行う「新成長分野への参入・企業誘致の推進」,海外商談会等への出展支援等を
行う「アジアへの販路開拓支援」に取り組むこととしている。
「かごしま産業おこし挑戦基金」(以下「基金」という。)は,本県の自動車・
電子・食品・成長産業関連の戦略的産業振興分野及び地域資源活用・農商工等連
携分野,新事業開拓分野に係る中小企業の新事業創出等の取組を支援し,地域の
活性化を図るものであり,将来ビジョンや振興方針に掲げた取組の方向性などに
合致するものである。
本計画は,県内中小企業の新事業創出の取組を支援する基金により実施する支
援事業の具体的な展開方向と支援方策を明らかにするため策定するものである。
なお,基金の管理運営主体は,本県において中核的な産業支援機関としての役
割を担う公益財団法人かごしま産業支援センター(以下「センター」という。)
とする。
1
取組の方向性
(参考1) 鹿児島将来ビジョン(平成20年3月策定)
将来のイメージ
(参考2) 鹿児島将来ビジョン(平成20年3月策定)
2
鹿児島県産業の概況と中小企業振興策の取組の方向性
本県の産業構造について,平成17年度の県内総生産の構成比は,一次産業が産
業全体の4.5%,二次産業が18.8%,三次産業が76.7%を占め,全国の構成比と
比較して一次産業が3倍以上のウエイトを占める一方,二次産業のうち特に製造
業が全国平均の約6割と低い点が特徴的である。
本県の製造業を業種別製造品出荷額等で見ると,豊富で多様な農畜水産物を背
2
景にした食品関連産業(食料,飲
産業区分別県内総生産(名目)の構成比(%)
【鹿児島県・全国】
料)が約5割,昭和40年代以降,
エレクトロニクス,メカトロニク
1985年
ス関連の先端技術産業が立地した
鹿児島県
ことなどから半導体等の電子関連
第1次産業
8.4
全国 3.1
22 . 9
35 . 1
第2次産業
第3次産業
68.7
61.8
産業が約2割を占めている。
また,本県には,さつまいも,
黒豚をはじめとする特色ある産
2005年
鹿児島県 4.5 1 8 . 8
76.7
品,全国有数の生産量を誇る農林
全国 1.4
水産物や本格焼酎,薩摩焼等の特
色ある鉱工業品及びこれらに係る
2 6. 4
72.2
注)構成比は帰属利子等控除前の県内総生産を100%として算出。
資料:内閣府「国民経済計算年報」,県企画部「県民経済計算」
技術,さらに桜島や離島等の優れ
た観光資源など地域資源が数多く存在し,これらを有効に活用することで,新事
業分野の展開を図っている企業も見られる。
このように,食品関連産業や電子関連産業が本県の製造業を牽引してきており,
今後ともこれらの産業の一層の強化を図りながら,今後九州域内での波及効果が
期待される自動車関連産業の裾野を拡大する方策を講ずる必要がある。
また,地球環境問題や少子高齢化・人口減少社会時代への対応として,今後,
環境関連製品への投資や医療・健康産業等への事業展開が見込まれることから,
これらの新成長産業への本県企業の新たな事業参入等を支援する必要がある。
さらに,地域資源,人材,これまで培われた技術力などをより一層活用するこ
とにより,新技術・新商品の開発,新たなサービスなど新事業を創出し,産業振
興と地域の活性化を図る必要がある。
なお,基金を設置するにあたっては,多種多様な本県の地域資源の活用や農林
漁業者との連携により新事業開拓に取り組む企業の創出を促進するとともに,自
動車,電子,食品,成長産業関連の有望な中小企業を集中的に支援し,その経営
基盤の強化を図り,事業化の進展を促進していく。
3
製造品出荷額・従業者数の推移【鹿児島県】
22,000
製造品出荷額等(億円)
従業員数(百人)
839
1,050 従
業
1,000 者
数
950
900
百
人
)
850
777 780 772 770
12,000
1,100
)
億 14,000
円
1,150
(
(
20,145
19,801
19,363
20,000
18,412
1
8
,
9
3
7
18,333
製
18,547
17,883
18,113
造
17,592
品 18,000
出
荷
額 16,000
等
891
892
880
877
1,200
754
800
750
10,000
700
1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006
注)2006年は速報値。
(年)
資料:県企画部「鹿児島県の工業」
製造品出荷額(業種別構成比)
3
支援重点分野
将来ビジョンにおいて,挑戦すべき課題としている「新時代に対応した戦略的
な産業おこし」や振興方針の取組の方向性を踏まえ,支援重点分野を次の3つと
する。
(1)
戦略的産業振興分野
自動車・電子・食品,成長産業(環境・新エネルギー,健康・医療,バイ
4
オ関連産業)関連の有望な技術シーズ等を有するか,若しくはその市場に新
たに参入する意思を持つ中小企業を集中的に支援し,国内外での事業展開が
図れる中核的企業を創出する。
(2)
地域資源活用・農商工等連携分野
多種・多様な本県の地域資源のより効果的な活用や新たな地域資源の開発,
農林漁業者との連携による新商品・新サービスの開発に向けて中小企業等が
行う研究開発,試作品製作,販路開拓などを支援し,起業化や新事業の創出
を促進する。
○
地域資源の考え方
基金で位置づける地域資源は,中小企業による地域産業資源を活用した事
業活動の促進に関する法律」(平成19年法律第39号)に基づき,経済産業
大臣をはじめとする関係主務大臣から認定を受けた「地域産業資源活用事業
の促進に関する基本的な構想」(以下「基本構想」という。)で特定した地域
産業資源を原則とするが,必要に応じてその対象を拡大することができる。
(3)
新事業開拓分野
新分野への新たな参入や開発した試作品・新製品等の新市場開拓を目指す
中小企業等が行う調査・研究や製品企画,販路開拓などを支援し,新分野・
新市場への参入を促進する。
4
助成対象
(1)
助成対象者
ア
戦略的産業振興分野
自動車・電子・食品・成長産業(環境・新エネルギー,健康・医療,バ
イオ関連産業)関連の有望な技術シーズ等を有するか,若しくはその市場
に新たに参入する意思を持つ,国内外での事業展開を目指す県内に本店を
有する中小企業
イ

地域資源活用・農商工等連携分野
地域資源活用起業家支援事業
本県の地域資源を活用し,県内において起業化を目指す中小企業等

地域資源活用・農商工等連携支援事業
本県の地域資源を活用するか,農林漁業者との連携により新事業の創
出に取り組む県内に本店を有する中小企業等
ウ
新事業開拓分野
新分野への新たな参入や開発した試作品・新製品等の新市場開拓を目
指す県内に本店を有する中小企業等
エ
上記アからウの中小企業等を支援する事業を行うセンター
5
(2)
助成対象事業
ア
戦略的産業振興分野(中核的企業創出プログラム事業)

経営計画作成等支援
経営計画の作成やこれに基づく個別の取組について,これまで単独で
派遣していた専門家派遣と異なり,複数の専門家で構成する支援チーム
からハンズオンで指導・助言を受けるために要する経費

経営計画実施支援
経営計画の実施状況を踏まえ,目標達成に向けて実施する研究開発,
人材育成,専門家指導,マーケティング支援事業等
これらの支援事業がパッケージングされた事業に要する経費
イ
地域資源活用・農商工等連携分野

地域資源活用起業家支援事業
地域資源を活用し,県内において起業化を目指す中小企業等が創業や
新事業の創出に向けて実施する研究開発,試作品製作,販路開拓等に要
する経費

地域資源活用・農商工等連携支援事業
地域資源のより効果的な活用や新たな地域資源の開発,農林漁業者と
の連携により互いの経営資源を活用した新商品,新サービスの開発に向
けて中小企業等が行う研究開発,試作品製作,販路開拓等に要する経費
ウ
新事業開拓分野

新事業参入調査支援事業
中小企業等が新分野参入・新市場開拓のために行う調査・研究及び製
品企画等に要する経費

新市場開拓調査支援事業
中小企業等が研究・開発した試作品・新製品等の新分野・新市場への
参入可能性の調査や販路開拓等に要する経費
エ
産業支援機関支援プログラム
センターが中小企業等に対して実施する支援事業に要する経費
5
助成対象の選定・支援方法
(1)
助成対象の選定
ア
戦略的産業振興分野,地域資源活用・農商工等連携分野
基金の運営管理者であるセンターにおいて公募し,県,大学,経営・技
術の専門家等で構成する審査委員会での審査結果を踏まえて助成対象を選
定する。
イ
新事業開拓分野
6
基金の運営管理者であるセンターにおいて公募し,同センター内に設置
する助成検討会での審査結果を踏まえて助成対象を選定する。
ウ
センターが実施する支援事業へ助成する場合
センターが自ら事業を実施する場合は,公募によらず助成事業を実施で
きるものとする。
(2)
支援方法
ア
中小企業及びセンターが行う4−(2)の助成対象に対し,助成金を交付す
る。
イ
センターを中核的支援機関とし,債務保証,低利融資など既存の支援機
能も活用しながら,大学,公設試験研究機関及びその他の産業支援機関と
連携し,総合的な支援を行う。
6
事後的に評価可能な事業成果に係る目標
(1)
短期目標
ア
戦略的産業振興分野
助成金の最終交付を受けてから3年以内に事業化した事業所
年1件
(平成26年度以降)
イ
地域資源活用・農商工等連携分野,新事業開拓分野
助成金の交付又は最終交付を受けてから4年以内に事業化(起業化)し
た事業所
ウ
年4件(平成23年度以降)
産業支援機関支援プログラム
支援完了事業者の満足度
(2)
支援事業に対する肯定的評価80%以上
長期目標
ア
戦略的産業振興分野
助成対象企業の平成30年度における付加価値額増加率が,事業化を達成
した年と比較して,平均6%増加すること
イ
地域資源活用・農商工等連携分野
助成対象企業の平成30年度における売上高の増加率(中小企業者は総売
上高,農林漁業者は当該農林水産物の売上高)が,事業化を達成した年と
比較して,中小企業者は平均3%,農林漁業者は平均2%増加すること
ウ
新事業開拓分野
助成対象企業の平成30年度における付加価値額増加額が,事業化を達成
した年と比較して,平均3%増加すること
7
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