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マニフェスト730全文(PDF)

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マニフェスト730全文(PDF)
チ—ム理念
湘南地域に住む人々にサッカーを通して、夢と希望と勇気の空間を提供する
湘南のサッカー
湘南スタイル
攻撃的で走る意欲に満ち溢れたアグレッシブで痛快なサッカー
誇られるクラブ・湘南ベルマーレを目指して VISION 2016
MANIFESTO 4745
平成 28 年 4 月 24 日
*経営の安定化のために
「2 年間通期での収支の均衡」
VISION2004
親会社を持たない市民クラブとして 4 年間経営をしてきました。
残念ながら安定経営を確立するにいたっていないのが現状です。クラブ
経営の基本になる年間予算は 1 月 30 日の決算期の 2 ヶ月以上前、開幕
の 4 ヶ月前の 11 月末には次年度の選手契約の意思決定をするために決
めなければなりません。したがってスポンサーの継続契約、年間シート
の販売などまったく未確定のうちに親会社のないクラブは収入に関し
て希望的な目標を設定し赤字覚悟でチーム編成を進めなければなりま
せん。このように私たちは不確定要素の多い予算作成をしなければなら
ないのが現状です。したがってシーズンの開幕に向け大口のスポンサー
の撤退などが発生した場合、計画予算の執行は不可能になり突然の経営
危機を招くこととなります。このような経営危機を回避するためには広
く浅く収入を確保することが大切です。クラブの収入源の 3 本柱は、
入場料収入、広告料収入、リーグ分配金。現在この比率が 25%、57%、
18%となっていますがこれを 33%、49%、18%と広告収入に依存する割
合を 50%以下にしていく必要を感じています。これは入場者増をはか
り入場料収入の割合を上げるということですが具体的には昨年 4,731
人/22 試合であった平均入場者数を 6,000 人まで引き上げたいと考えて
います。
また広告料収入に関してはできるだけ安定予算を設定できるよう長
期契約を獲得できる企業側のメリットも十分考慮したインセンティブ
契約などの形態をすすめ複数の大型スポンサー獲得を目指します。
選手・スタッフ人件費、試合運営費、チーム経費などの強化にかかわ
る経費は 4 年間おおむね全体予算の 65%を確保してきましたが今後も
この状態を維持していきます。
2 期 4 年間の経営経験から当クラブの最大の懸案事項は予想外の債務
を発生した場合の経営対応と責任にあります。プロ球団の経営は予算規
模を小さくすれば安定するものではなく、逆に魅力なきチームととられ
た場合は大幅な収入減をもたらし赤字幅が大きくなる場合も考えられ
ます。このリスクに対応する考え方を株主、経営陣の皆さんそしてサポ
ーターの皆さんと話し合い市民クラブと呼ばれる当クラブのあり方を
明確にしていきたいと考えます。その方向性が明確にならない限り真の
「身の丈にあった経営」は見えてこないはずです。
-1-
VISION2005
収支は 143 万円の経常利益となり最低限の目標は達成することがで
きましたが、入場料者数は 2004 シーズンの目標とした1試合 6,000 人
に届かず1試合平均 4,691 人で終了しました。これは 2003 シーズンの
4,731 人と大きく変わりませんでした。したがってマニフェストで方針
とした広告収入依存型から脱却するための目標の収入割合、(入場料収
入、広告料収入、リーグ分配金)33%、49%、18%にはるかに及ばな
い 20%、58%、22%という結果になりました。引き続き平均入場 6,000
人を目指し、広告料収入が 50%以下となるよう努力してまいります。
2005 年シーズンの予算は前年度より 12%強下げた厳しい予算とな
っています。資本金の残が 8,000 万あまりしかないことを考えますとよ
り縮小した予算を組むこととしました。クラブハウス移転に伴う一般管
理費の節減が 5,000 万近く想定されていることも予算を低くできたひ
とつの大きな要因といえます。その他あらゆる項目に関して削減をし今
年度の予算を組んでいます。したがってシーズン中の補強等を想定した
場合できるだけ早い時期に収入予算数字を達成し、予算外の入場料収入、
広告料収入を確保するよう努力する必要があります。
今シーズンの予算では大型、中型の広告料収入が幸い継続でき、期中
に債務超過に落ち入る危険性は少なくできましたが、いずれにしろクラ
ブの経営安定のためには早い時期での増資をおこなうことが必要と考
えています。資本金の残が 8,000 万ということは大型のスポンサーが何
らかの理由により突然撤退した場合シーズン中に債務超過になる可能
性が緊急的に発生するわけです。したがって億単位の増資が必要と考え、
実現のためにあらゆるタイミングでも対応できるように準備を進めて
いく考えです。
また増資以外でも経営を安定させるためにどういった手法が可能で
あるか株主、経営陣の皆さんと引き続き模索していく必要があると考え
ています。
VISION2006
最終収支は経常利益が 180 万円となりわずかではありますが 3 期続けて 黒字を確保することができました。しかしながらひとつの目標にあげてい
る入場料収入、広告料収入、リーグ分配金の割合は 23%、58%、19%と
前年の 20%、58%、22%に対し入場料が若干の上昇を見せたにとどまり
引き続き広告料収入が売り上げの柱となっています。平均入場者は目標の
6000 人にわずかに届かない 5,746 人となりました。1 試合平均 1,055 人の
-2-
増加になりますが動員推進のための割引等の影響もあり入場料収入の増
加は残念ながら大きなものではありませんでした。
2005 年シーズンは約 12%下げた予算規模でスタートいたしましたが予
定通り一般管理費の削減が進まず、またシーズン当初の好成績もあり予算
外の選手補強をおこなったため最終決算は前年比約 5%のダウンの決算
となりました。この費用増加は移籍金収入等で補い収支均衡をはたしてい
ます。
2006 シーズン予算においては 2005 年予算より 8.7%アップした過去 2
番目に大きな予算を組みました。昨年は結果こそ躍進というわけではあり
ませんでしたが、作られつつある戦力を維持し、外国人補強とスタッフ補
強の費用を強化しました。J1 より予算 20 億規模の 3 チームが降格してき
た上、仙台の大型補強、下位順位であった鳥栖、横浜 FC の責任企業によ
る予算の大型化等を勘案すると、できる限りの強化費確保を優先的に考え
浮上しかけた流れを切らないようにするための予算といえます。
しかしながら財政状態は依然厳しい状況であるため、以前より検討して
いた増資をおこなう計画を進めたいと考えます。増資は本拠地移転のため
予想外の経費が発生するため、また慢性的な秋口の資金繰りのための借り
入れ対策を目的としておこないたいと考えます。
また今回の増資を契機に積極的な資本増強案をすすめる必要があると
考えます。日本サッカー協会と J リーグから発せられた将来構想委員会の
構想によると J2 リーグは 2010 年をめどに 18 チームに増加され、準加盟
クラブを募るという方法で更なる下部リーグの設立と入れ替え戦の実施
が現実的なものとなってきました。神奈川県という 4 球団を抱える地域性
を考えるとこのままの規模を維持するという施策では安定経営は望めず、
将来 3 部リーグでの定着ということも想定されます。そうなれば逆にブラ
ンドの失墜となり経営危機を招くこととなりかねません。収支均衡を目指
すこともクラブとして大切ですが、2010 年に向けリスクを恐れず、積極
的な現状からの発展策等を検討し実行することが新たな経営方針のテー
マだと考えます。
VISION2007
最終収支は経常損失が約1億4千万円となり4年ぶりに赤字決算とな
りました。大幅な赤字の原因は収入においては背中スポンサー確定の遅れ
などによる広告宣伝料の減収、入場料収入の減収等により大きく収入を減
らしました。支出増の大きな原因は昨年のマニフェストに記述いたしまし
たように横浜 FC、鳥栖など J2 チームの強化予算の拡大化に対し外国人
-3-
獲得予算を増やしました。それにかかわる外国人経費が予定より増加した
ものです。残念ながら監督辞任という結果になりシーズン途中の監督交代
をすることになり、体制再生のため更なる補強、合宿費など予算外の費用
が増えたことも大幅赤字の要因になっています。
また毎年の課題にしています入場料収入、広告料収入、リーグ分配金の
割合は例年とほぼ同様の 21%、59%、20%となりました。一昨年1試合
平均 5746 人まで増やした平均入場も平均 5365 人と減少してしまいまし
た。集客のできないクラブは結果として成功できていなことは間違いなく、
今後計画的な事業施策を考えていかなくてはなりません。昨年秋より「ベ
ルマーレ12」という顧客管理システムをスタートさせました。約 2000
万の経費がかかりますが前向きな投資としてすすめます。また HP でのグ
ッズ販売なども前向きな営業策として開始いたします。
また強化費についても外国人の再考はいたしましたが赤字を受けての
大幅な予算ダウンはせず、逆に昨年の失速の原因となっていますリーグワ
ースト2位の失点対策として、J1 で実績のあるベテラン選手及び DF を
中心に補強をおこない18年度当初予算と同等の予算としました。
従いまして総予算は約7億8千万円と過去7年間の実績中で見ますと
中位に位置する予算となりました。引き続き予算が大型化する J2 リーグ
の中で昇格を目指せる体制を優先いたします。
昨年の増資により昨期は資金の借り入れをすることなく期を過ごすこ
とができましたが今期に関しては大幅な赤字、大掛かりな戦力ダウンを行
わなかったことから資金繰りおよび増資も含め資本対策が必要になって
きます。例年のマニフェストの記載しておりますように抜本的な経営の変
化を模索しなければならない年になると考えております。
【ベルマーレの将来の経営環境の変化に関して】
昨年の J リーグ将来構想委員会において 2010 年までに J2 リーグが 18
チームなることが現実的になりました。目標達成のため JFL からの昇格
基準が 2 位以内か 4 位以内に変更がされています。現在の JFL リーグは
大型の予算を持つ本田、佐川急便がプロ入りしない方向を宣言しています。
この 2 強は常に 4 位以内入る可能性が強いため、2010 年に向け 2008 年
に 2 チーム、2009 年に 2 チーム、2010 年に1チームが J2リーグに参入
することが合理的に推測されます。その後全国では下記に記述しましたよ
うに J リーグ入りを目指すクラブが年々増加しています。従いまして 18
チームが確定した後、J3 とも言うべきリーグが下部に設定される可能性
が高く、早ければ 2011 年より入れ替えが発生すると予測されます。将来
-4-
構想委員会の議論の方向性はプロ化しないチームを別にしても新たな 3
部リーグの設立は可能と推察され、また本田、佐川が永遠にプロ入りしな
いとは限らず、また参入を目指すところにはすでにベルマーレ以上の予算
規模で経営が可能なクラブも含まれています。
◆準加盟クラブ(2007 年現在)
熊本、鳥取、栃木、岐阜など 4 チーム
◆J 参入を目指しているクラブ(2007 年現在)
盛岡、福島、高崎、長野、富山、金沢、町田、滋賀、岡山、高松、長崎、
沖縄、北九州など全国で 30 チームとも言われている。 以上の状況を踏まえクラブとしては将来の方向性を想定しながら経営
の舵取りをしなくてはなりません。
縮小を想定しますと現在の 7~8 億円規模を 5 億円以下の規模にして存
続を最優先に経営することになります。しかしながら昇格を目指さなけれ
ば 3 億の収入確保は可能と想定できますが、それ以上に経費がかった場
合は赤字幅が増加し悪循環に陥る可能性が高いと思われます。また J リ
ーグ入りを目指すクラブの当初予算の目標値が年間予算 3 億に設定され
指導されている状況を考えますと経営の悪化及び成績の低迷により3部
リーグができた場合降格の可能性が高くなると推測されます。
拡大を目指すことを想定しますと過去の昇格実績を考慮し 10 億円規模
の予算の組める経営策を目指す必要があります。そのためには資本の増強
など資金対策が不可欠になります。資金があれば必ず強くなるわけではあ
りませんが、高額ではなくても継続的な安定予算がチームの計画的な強化
に及ぼす影響は大きく、クリークアンドリバー(鳥栖)、レオック(横浜
FC)などの責任企業の存在でクラブ経営がよい方向に変化した実例を見
ても責任企業のあり方を考慮しなければならない時期に来ていると考え
ます。少なくとも 3 部への降格リスクは少なくなります。
J リーグの将来像が明確になった今、プロ球団 5 球団という神奈川県の
状況下では、永代に渡っての存続をはたすためには保守的な経営では乗り
切れない可能性が増えていると考えています。生き残るためには積極的な
経営策への転換を検討し実行するときであると考えます。
VISION2008
最終収支は経常利益が 294 万円となり 2 期続けての赤字決算を回避す
ることができました。しかし入場者数は平均4676人と大きく下げて
しまいました。この要因は2年間(05、06 年)続けた動員策の優待券や
招待券が広く市場に出回りチケット単価を下げる現象が顕著になったた
-5-
め昨年は基本的に優待券、招待券の発券量を絞り、チケットの価値の向上を
図りながらの運営をいたしました。その結果平均入場者が約 700 人減でした
が収入は 1,300 万円増加いたしました。今年の課題の一つはこの減った 700
人のお客様に、昨年より導入しました「ベルマーレ 12」顧客管理システムや
新たな動員策のもとスタジアムに足を運んでいただくことにあります。また
入場料、広告料、分配金の収入 3 本柱の比率は 23%、59%、18%と例年と
ほぼ同じ比率になり懸案である入場料比率のアップは実現できていません。
集客増なくして経営の成長も望めません。昨年チームは湘南ベルマーレとし
て初めての昇格争いに絡み、選手も 90 分間集中を切らすことなく走り続け
るチームへと成長いたしました。今年はこの成長を J リーグの 11 ミリオン
プロジェクトのもと的確に集客増につなげなくてはならない勝負の年と認識
しています。
昨年の事業費が 9 億 7 千万と大きく伸びている要因は強化費の増加にあり
ます。特に昨年は勝利給やプレミアムの設定を細かくいたしました。結果と
して各選手の奮闘もありかなりの増額となりました。またシーズン途中の外
国人の補強や経費がかかったことにあります。今年のシーズンに臨むに当た
り、ようやく結果を残しだしたチームのさらなる成長と J1 昇格のために強
化費は昨年度より削ることなく望んでいます。外国人選手の残留のためには
強化費の現状維持は最低限の条件であったことはご理解いただきたいと思い
ます。
また昨年はスポンサーおよび主要株主の残念な事件もあり検討していた増
資等資本策が実行できず経営的に厳しい状況になりました。しかしながら収
入の新たな柱としてスクールや総合型スポーツクラブ、施設開発管理のノウ
ハウを権利として売買する事業を立上げました。産業能率大学様の多大なご
理解をいただき移籍金収入と共にサッカー収入の増額を図りました。今期も
積極的に権利事業を進め収入の新たな柱としていきたいと考えています。
【昇格と存続のため急がれる資本増強策】
数年来申し上げていますように J リーグ将来構想委員会により決定された
J2リーグチーム増加策は着実に進行し、今年 2 チームを増やし 15 チーム
となりました。早ければ 2009 シーズンにも 18 チームとなり J3 リーグが現
実味を増してきます。したがって 2010 シーズンに向け J1 復帰と存続のため
引き続きあらゆる策を考え積極的な予算を組んでいきたいと考えます。その
中で上記しましたように、昨年より検討してきた増資策が進行できない現実
もあり、新たな資本増強対策を考え早急に実行していかなければなりません。
また、金融商品取引法の改正により 2000 年に行った多くの皆様にご支援い
-6-
ただくような増資策が難しくなっています。そのような経営環境の中、新た
な試みとして「湘南ベルマーレ持株会」を設立いただき、多くの皆様のご支
援をお願いし、夏前に増資を行いたいと検討を重ねております。その上に将
来の責任企業となりうる法人を模索し再度の増資を行い今シーズンの強化費
を補い、来シーズンにむけ的確な強化策を進行させたいと思います。昨年よ
り J リーグの各チームの経営内容に関する決算が開示されましたが、J1昇
格を狙うには最低 5 億円の強化費を維持することが現実的な数字として浮か
び上がってきています。
また資本増強策の遂行とともに経営をより力強く推進させるため執行役員
制を導入したいと考えます。これにより業務の執行体制をより確実にし、J1
復帰に向けた積極的な経営を押し進めていきたいと考えています。
VISION2009
最終収支は経常損失として約 1 億 3 千万円となり大幅な赤字決算となりま
した。大口ユニフォームスポンサーの撤退や同じくユニフォームスポンサー
の倒産など予期せぬ事態が続き、景気の後退もあり代わるスポンサー獲得が
できませんでした。またチームはシーズンを通して成績が向上し昇格に届く
順位で健闘を続けました。したがって強化費に対する節減はシーズン中行わ
ず、逆に 3 人の外国人選手の大きな怪我に対する対応、補強など緊急的な費
用が継続的に発生しました。総事業費は 10 億 6 千万円と過去最高額を計上
しました。債務超過の心配がありましたが初夏に行った、持株会の設立、増
資、及び昨年来第 4 の収入の柱としている権利売買としてのスポーツクラブ
の命名権の売買、そして移籍金収入により最悪の事態は回避できました。1
試合の入場数は 5,993 人と前年比 28%増となり、これはリーグの中でも 5 番
目に良い伸び率になります。しかしながら総入場者数は 125,865 人で 33 チ
ーム中 26 番目となり今後に課題を多く残しています。毎年報告しています
入場料、広告料、分配金の収入比率は 24%、57%、19%と大きく改善はさ
れておりません。試合数が 3 試合少なくなった上で収入が前年を越えたこと
は前進ですが、全体収入も伸びていますので大きく比率は変わらないという
ことです。昨年も報告しましたが昇格するチームは必ず入場者数が上がりそ
の収益で補強を重ね結果を出します。景気が停滞している現在、昇格のため
には当然、クラブ存続のためにも競技場へ足を運んでいただくための事業策
をさらに細かくしていきます。1 昨年より導入しました「ベルマーレ12」
顧客管理システムを J リーグ 11 ミリオンプロジェクトのもとリーグ施策の
「ワンタッチパス」と連動させより細かい対応を目指しています。しかし、
リーグの対応不足で多くのご迷惑をおかけしクラブの顧客管理も対応が遅れ
-7-
てしまい成果を上げることができていません。一日も早く改善し当初目的と
した作業ができよう進めていきます。そして引き続き 30%増の平均入場者数
を目指していきたいと思います。また大きな収入の柱である広告収入に関し
ては大口スポンサーの獲得が容易でない時代背景も考えサポートコーポレー
ションなどお付き合いいただきやすい内容のものも増やしていきます。現在
約 200 社の皆様にご支援いただいていますがこれを今期中に 300 社以上にし
たいと思います。この中には我々が「トレードビジネス」と呼ぶ広告看板だ
けでなくスポンサー企業様のプラスになる事業を開発紹介あるいは営業し、
その対価をベルマーレがいただく施策も含まれています。いずれにしろ今ま
でやってこなかったあらゆる可能性を追求し収入アップを目指します。一方
引き続き昇格を目指すチームですがこれ以上の強化費のアップは現時点では
不可能と判断し、選手層の若返りという課題と共に約 15%強化費を下げてい
ます。ただし勝利プレミアムなどは維持していますので試合数増により結果
を出せば想定以上に費用が増えるかもしれません。
【昇格争い維持のための引き続きの増資策と移籍金問題】
リーグ環境の変化を想定し 3 年間続けてきた予算規模拡大による強化策は
結果を出し「昇格」に手の届くところまでやってきました。しかし、責任企
業のないクラブが 9~10 億規模の予算を組むこと相当なリスクがあることは
事実です。引き続き増資策と責任企業の発掘を進めなければ経営が安定する
ことは難しくなるばかりです。また、若手の育成や再生に真剣に取り組み 2
年間続けて数千万円からの移籍金収入をあげてきましたが急なリーグのルー
ル変更が騒がれ移籍金が撤廃されよとしています。これによりクラブ間の格
差が広がることは確実で、特に J2 クラブは生き残りをかけた経営を模索す
る時代に突入しかけています。
VISION2010
監督、スタッフ、選手の健闘により 11 年ぶりの J1 復帰を果たすことがで
きましたが経営の成績は 2 期連続の赤字となってしまいました。総事業費は
11 億 9,300 万円と過去最高となり最終収支は経常損失が 1 億 1,290 万円とな
りました。費用の増加は多くが強化費の増加でここ数年継続してきたインセ
ンティブに関してシーズン 51 試合という新しい試合環境の中で正確な予算
立案ができませんでした。また怪我人発生による予算を超えての緊急補強費
の増加。そして昇格を決めて発生した昇格ボーナスなどが大きく影響してい
ます。
入場料、広告料、分配金の比率は 28%、55%、16%となり若干の改善が見
-8-
られました。入場料は目標には届きませんでしたが総額 1 億 9 千万円を超え
総入場者 189,088 人、平均入場者数も 7,273 人となりました。これは J1の
1999 年シーズンの平均入場数とほぼ同数です。広告収入は長引く不況の影響
を受け大変な苦戦になりユニフォーム空きスペースを埋めることができずこ
れも大きな赤字を生んだ原因でもあります。シーズン末には大幅な費用増に
より厳しい資金繰り状態になり債務超過になる可能性が高くなりましたが中
小企業スポーツ機構(株)の資金援助および事業協力により最悪の事態を回
避することができました。
今シーズンは厳しい状況下ですが J1残留のため約 13 億円の予算を組み
ました。この予算を達成し黒字化を目指すためには平均入場者 11,000 人、
広告収入 4 億 2 千万の達成が不可欠になります。スポンサー企業は一昨年の
約 200 社から 275 社に増えましたが今期は 350 社を目標とします。そのため
には昨今の契約形態で中心的になってきている製品拡販、地域貢献、福利厚
生などを盛り込んだパートナーシップ契約などお互いがメリットとなる内容
の契約を増やしていきます。
「ベルマーレ 12」の会員は 10,157 名から 12,871 名に拡大しました。会員
数の更なる増加を目指すとともに無料会員をいかに有料会員に移行していた
だくかという課題も解決しなくてはなりません。
強化費に関しては今後の経営を考えると大きな増加をすることはせず に昇格を果たし契約更新する選手のベースアップを優先にした範囲の強化費
増加策になっています。補強のためには目標入場者数の達成など収入増が実
現されないことには厳しい状況になると想定されます。
また引き続き中小企業スポーツ機構(株)との事業協力を進めながら経営
の安定を目指します。
【J1 定着、移籍制度の変更に対応する独自の選手契約策等】
昨シーズンより急遽導入された「移籍金制度撤廃」により中小のクラブは
選手契約に関して非常に不利な状況に置かれました。安易に複数年契約を結
ぶことは経営上難しくなり、かといって多くの選手と単年度契約を結べば違
約金収入がなくなりやはり経営を圧迫します。そんな状況下で少しでも選手
がチームにとどまれる判断ができるよう独自の契約形態を模索する必要性を
感じています。資金面ではビッグクラブとの競争に対抗できない状況でも契
約中の福利厚生的な対応や引退後のライフケア、セカンドキャリアの準備な
ど独自の契約策を早期に整備する予定です。これにより計画的に選手の獲得
と定着を進めることができれば戦力の安定化を進めることができ J1での定
着も現実的なものとなるでしょう。
-9-
VISION2011
最終収支は経常損失 5,298 万円となり 3 期続けての赤字決算となってしま
いました。総事業費は約 13 億 4,200 万円と前年度より約 1 億 5,000 万円の
増加となっています。予算に対して大きく減ってしまった収入は J リーグ分
配金で約 7,000 万円の減収となりました。分配金の予算案は長く J1 リーグ
にいなかったため 2008 年度の J1 リーグの分配金の実績を基に算定しました
が、リーグ自体の収入も減り結果的に大きな減収となってしまいました。
入場料、広告料、分配金の比率は 36%、43%、21%となり懸案であった
入場料の比率が上がりました。しかし総入場者数 229,466 人、平均入場者数
10,430 人は目標より低く J1 他クラブに比べてもかなり低い数値となってし
まいました。アウェイサポーター数の増加に比べホームサポーター数の増加
が進まなかったことは敗戦数が多かったことは別とし営業施策に問題があっ
たと反省しています。総スポンサー数は 362 社と 175 社増えました。残念な
がら一昨年からご支援いただいた日本振興銀行傘下の中小企業スポーツ機構
(株)の経営が不安定になり夏以降のスポンサー拡大策が思うように進みま
せんでした。
今シーズンは 1 年での J1 復帰を目指し闘っていきますが経営的には引続
き厳しい状況に変わりません。分配金での減収が 1 億円、2009 年実績で入場
料収入を想定すると約 1.億 7,000 万円の減収、同じ尺度で広告料収入 1 億
2,000 円の減収を想定し総事業費は 3 億 9,000 万円下げた 9 億 6,000 万円強
の予算を組んでいます。支出では強化費を 6 億 5,000 万円から約 1 億 7,000
万円を下げた 4 億 8,000 万円としました。これは移籍金制度の変更により弊
社も 13 名の主力選手と複数年契約をしております。残りの選手数を A 契約
最低年俸で試算し、監督・コーチ、移籍金の償却などを足していった昇格を
狙うのにギリギリの強化費であります。その他試合運営費、チーム経費、一
般管理費等で 2 億円近い削減をしなければなりません。
そんな状況下、予想を絶する大災害が発生し経営的にはかなり厳しい事態
となっています。サッカーが出来る環境に感謝し被災した方々への想いを忘
れずにクラブを何とか守っていく所存です。
【移籍金制度変更に伴う選手契約・経営戦略】
一昨年からの移籍金制度の変更によりクラブ経営は新たな経営戦略を迫ら
れています。予算の少ないクラブは多くの複数年契約を結ぶことは難しくな
りますが、かといって主力選手、若い選手に対しては複数年契約をしなけれ
ば違約金なしで他クラブへ移籍することになってしまいます。昨季は DF の
移籍によりまとまった収入があったことも事実です。現在ベルマーレは継続
- 10 -
的に育成に力を注いだ結果、年代別の日本代表クラスに 4 名の選手を輩出し
ています。しかしこの選手たちと必ず長期契約を結ぶことが出来るかは分か
りません。また継続的な選手育成はコーチの配置など長い間、そのための経
費を相当積み上げた上で可能になるものです。一方、移籍金を取ることはで
きませんが今期の期限付き移籍による契約選手のように即戦力で J1 から実
力のある選手を獲得することも可能です。湘南のサッカーチームとして根を
張り成功するために育成に力を入れてきましたが現行ルールをもとに経営を
考えると難しい判断を迫られます。経費を下げるには期限付き移籍による獲
得選手を使うことが経営リスクを下げることにつながります。しかし、それ
が果たしてベルマーレにとって正しい判断なのでしょうか?
VISION2012
最終的な当期純損失は約 1 億 3,000 万円となり 4 期連続での赤字決算とな
り、湘南ベルマーレ誕生以来、初めて約 8,200 万円の債務超過になってしま
いました。12 年間、何度も債務超過の危機を回避してきましたが残念な結果
となり責任を感じております。3 つの主要な原因があります。1 つ目は収入
面で、東日本大震災の影響もありスポンサー収入、特にユニフォームスポン
サーが背中の「産業能率大学」以外確保することができなかったこと。2 つ
目は J2 降格により 2009 年並みの入場者数しか確保できなかったことにより
大幅な減収となったこと。3 つ目は支出面で、複数年契約の 13 選手の契約金
を減らすことができない状況で、J1 シーズンからの大幅なコストカットは難
しかったことにあります。一期での大幅な支出カットが困難な環境でも、前
向きに 1 年での J1 復帰を見据えて作った予算では、ユニフォームスポンサ
ーをすべて決めてギリギリの黒字という内容でした。従ってその上に胸、袖、
パンツが空欄のままとなったことで大きな赤字を発生してしまいました。約
3 億 2,000 万円の営業損失を(株)アスリートパートナーズ(旧名 中小企
業スポーツ機構(株))が保有していたサッカースクール権利を転売すること
などにより約 1 億 9,000 万円の特別利益を計上し、赤字額を減少させました。
入場料、広告料、分配金の比率は 35%、46%、19%と前年並みになりまし
たが、これは入場者が増加したのではなく広告料が減少したために前年同様
となっていて入場料収入を増加させるという目標に対し根本的な解決になっ
ていません。
今シーズンの予算は債務超過の早期の解消も視野に入れ、さらに前年に比
べ約 2 億円削減した予算を組みました。総事業費 8 億 2,000 万円で黒字必達
を目指します。強化費は前年から約 1 億円以上下げ 3 億 6,500 万円となりま
すが外国人選手等の移籍金償却などが減少していますので決して昇格を狙え
- 11 -
ない強化費ではありません。また競技場使用料も窮地を行政にご理解をいた
だき以前の減免額を適応していただくなどで極力経費の削減を進めています。
いずれにしましても、昨年から空白になっている胸、パンツのスポンサー確
保が急務となっており速やかに獲得し補強費の捻出も視野に入れていく所存
です。
【クラブライセンス制度への対応】
本年度から J リーグクラブライセンス制度が経営に大きな影響を及ぼして
きます。この制度は、競技場や強化体制、財務などクラブ経営に必要な資源
や状況を審査するもので、十分でない場合、クラブはリーグに参加するため
に必要となるライセンスを取得できません。従ってリーグ戦に参加できなく
なるという厳しいルールです。このいくつかの条件の中で特に私たちに影響
がある項目は財務状況です。大きく 2 つのクリアしなければならないハード
ルがあります。1 つは 3 期連続の赤字を出すとライセンスが発行されないと
いうルール。これは今年度 2012 年の期から 3 年、すなわち 2014 年の期まで
3 年間赤字が続くとライセンスが発行されません。過去は問いませんので 3
期のうちに黒字を達成できれば問題ありません。しかしライセンスに関係な
く、4 期連続で赤字となっていますのでクラブの安定経営のためには今期中
には黒字化しなければなりません。もうひとつが債務超過の問題。やはり 3
年後の 2014 年の決算が債務超過の場合、やはりライセンスが取得できなく
なります。従って、約 8,200 万円の債務超過をなくすためには毎年 2,700 万
円ほどの利益を計上しなければなりません。しかし計画通りに進まないこと
が多々ありますので増資なども含め早期の債務超過解消策が必要であると考
えています。
VISION2013
当期純利益は約 382 万円となり 4 期続いた赤字決算から脱却することができ
ました。約 8200 万円の債務超過に関しましては 2 回の増資で大変多くの皆
様のご支援をいただきました。1 億 1000 万円の新株発行ができ 1 年で債務
超過を解消できたことは、クラブをご支援いただく皆様の情熱の表れであり
心から感謝申し上げます。かろうじて赤字脱却、及び債務超過の解消をいた
しましたが経営的には引き続き厳しい環境であることは変わらない状況です。
昨シーズンは成績が好調にもかかわらずユニフォームスポンサーが決まらず、
夏にトラストテック様、秋口に日本端子様のスポンサードが決定するという
難しい営業状況でした。また黒字化達成のため 1 月 27 日に 20 周年記念試を
開催し多くのスポンサーの皆様、来場いただいた皆さま、そして多くのOB
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選手の協力を得て収入増を達成しました。従って記念試合がない通年では赤
字で終わっていた可能性が高いことになります。入場料、広告料、分配金の
比率は 34%、52%、14%でしたが広告料が伸びたのも記念試合によるもの
です。またJ1シーズン開幕に胸スポンサーが決まらなかった状況はJリー
グの地上波等での露出低下の原因は想定できるものの抜本的な営業体制の見
直しおこなう必要を強く感じています。リーグは 40 チームの時代に突入し
より競争が激しくなっていきます。親会社のないクラブがユニホームスポ
ンサーを取得できないということは、私達も 2011 年度で経験したような、
単年度での大幅な赤い字及び債務超過を発生することの危険が大です。ライ
センス制度によれば 2014 年度以降の債務超過はライセンスの取得が不可能
になることになります。安定的なスポンサー確保はイコール責任企業の出現
という従来の課題と重なりますがこれは相手があってのことですので想定を
して事業活動はできません。従って私たちは市民クラブとして集客増とスポ
ンサー確保と言う旧来からの課題に地道に立ち向かうことからは逃げること
はできません。以上のような経営環境下、抜本的な事業体制の変化を求めて
大倉強化部長をゼネラルマネージャーとして事業全体の管理をさせることと
しました。長期にわたり習慣的に行われてきたことも 1 から再検証し組織体
制の強化を進め安定経営を目指していきます。
【クラブライセンスと資本策】
移籍金撤廃、クラブライセンス制度導入と小クラブには大変厳しい経営環境
となっています。現在皆様の増資への支援で 3,000 万円強の資本を残してい
ますが単年度の赤字で簡単に債務超過になってしまう可能性も含んでいます。
過去に何度か移籍金収入により経営は助けられましたが、現在はその移籍金も
以前ほど多くは設定できない状況です。そのような環境下でも資本増強をしな
ければなりません。当然ですが第一には入場者を増やし黒字決算を続け資本を
増やすことです。しかし並行して様々な可能性を探り活動しなければなりませ
ん。責任会社の模索も必要ですし。移籍金を生める組織づくりも大切です。欧
州に見られる中堅の育成型クラブは若手選手を育てチームを強くし、チャン
スをつかんだ選手は送り出す。それによって移籍金を確保し次の育成資金と
する。このような手法は移籍金制度のあった時代よりはるかに難しくなりま
したが、資本増強策の一つでもありそれを可能にしたクラブが生き残ること
になるでしょう。今後もクラブ存続に大切な施策です。そのためには厳しい
経営環境でも育成環境の充実への先行投資も怠ってはなりません。
- 13 -
VISION2014
最終的な決算は当期純損失が 1,195 万円となり再び赤字決算となってしま
いました。大きな原因は 2 つの減収にあります。ひとつは早期に JI シーズン
を闘う上でのユニフォーム胸スポンサーが決まらず開幕を迎えてしまったこ
と。開幕 3 試合後に株式会社トライテラス様のご厚情にあずかり、ご支援を
受けることになりました。もうひとつは 4、5 月の最も季節が良く、また集客
が大きく予想された川崎や FC 東京などのホームゲーム 4 試合が大雨となり、
予算比で 4,000 万円ほどのマイナスを作ってしまったことにあります。夏以降
はゲーム内容も向上し 1 万人を超える試合が続きましたが春先のマイナスを
吸収するまでは至りませんでした。平均入場者数は 2010 年の 10,603 人より
少ない 9,778 人となってしまいました。残念ながら J1 チーム最少人数です。
入場料、広告料、分配金の比率は 32%、 46%、22%でした。親会社のない
クラブはやはり入場者数が上向かなければ経営を安定化することはできませ
ん。神奈川県は J3 の 2 クラブが加わり J クラブ 6 クラブ時代に突入しました。
このように競争が増した環境の中だからこそ入場者数の向上は大きな意味
を持ちます。お客様が来場しやすく、また観戦しやすい環境が必要です。雨天
時の対策として屋根の設置や駐車場対策など、待ったなしの状況と考えていま
す。
今シーズンは開幕時からすべてのユニフォームスポンサーも決まり、J2 降
格をしたにもかかわらず多くのクラブパートナー様に継続をいただいていま
す。開幕戦が雨でしたが、ホーム 3 試合を消化した時点で目標平均入場者数
7,800 人に対して 7,540 人と若干のマイナスで推移しています。しかし 2012
年 J2 の年間平均は 6,852 人ですので 700 人のお客様が増加している数字でも
あります。昨年来、GMの大倉のもとで 1 年かけて再検証し描きなおした営業
策と共に、組織一体となって経営改善を進め黒字化を進めていきたいと思いま
す。
【ライセンス制度と債務超過回避策】
1,195 万円の赤字により資本も債務超過に対し 2,000 万円位の残となってし
まいました。今年度の決算により 3 期赤字、および債務超過のクラブにはラ
イセンスが発給されなくなります。決算期は来年 1 月末ですが今年の夏ごろ
の数字の推移から「合理的に推察し」3 期連続になるか債務超過になるかを判
断し 9 月の末にライセンスを出すか決めるとのことです。少し解りにくいで
すが、実際の決算数字でなく、約 6 か月前の半期の状況で決めてしまうこと
になります。良し悪しは別として、半期の状況で収入減、あるいは経費増で
2,000 万を超えるマイナスが推察されれば対策を夏までにしてくださいとい
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うことです。対策とは資本策です。債務超過にならないだけの資本を増強しな
さいということです。したがって役員会、評議会でもこの情報共有をしており
緊急の対策をしなければならないことも想定しています。
いずれにしても、毎年このような対策を続けるのではなく、一度大きな資本
対策考えなければいけないと考えています。
VISION2015
チームが史上最速でJ1昇格を決め、J2優勝を果たし当期純利益は 199
万円の黒字を計上しました。わずか 3 敗という快進撃に一部報道でも増加し
た勝利給による経営苦を心配されましたが、多くのお客様にご来場いただいた
ことや追加のスポンサーフィーや新規スポンサーを獲得でき、多くのご支援で
赤字を回避できました。しかし本業だけの数字は厳しく皆様からのチーム強化
募金や営業外収入によりなんとか黒字化できたのが実情です。入場料、広告料、
分配金の比率は 29%、58%、12%ですが入場料は約 10%、広告料は約 38%、
2012 年の J2 シーズンより伸びています。1 試合平均 6,852 人だった入場者は
8,478 人と約 1,500 人増加しました。またスポンサーの伸びが顕著であったの
はシーズン初めからユニフォームスポンサーがすべて決まっていたこと、サポ
ートコーポレーションをはじめ中小の広告を営業部隊が日々こまめに動きス
ポンサーを増加させたことがあげられます。またグッズ収入が 166,178 千円
を売り上げ、分配金収入を超える収入の柱となってきました。昨年より導入し
た外部業者による販売管理がうまく機能した結果と言えます。
今シーズンは平均 10,500 人を目標にしています。開幕から 5 試合で 3 試合
が満席状態になり入場者は順調に増加しています。しかし平日開催のナビスコ
カップや雨天、台風時の開催を想定しますと、常に満席に近い状況を目標にし
ておく必要があると感じます。スポンサーもユニフォームは全て埋まった状態
で開幕を迎えることができましたが、少しでも収入をあげ夏場の補強が可能に
なるような売り上げを目指したいと思います。
約 2,200 万円あまりが純資産ですので大きな赤字を出せば再度債務超過にな
りライセンスが出なくなります。資本対策も常に念頭にしっかりした経営をし
てまいります。
【ライセンス制度での関連企業の取り扱い】
今ライセンス制度では来年からアカデミーなど育成等をおこなっているJ
クラブ別法人に関し、その法人の財務内容も審査の対象にする計画です。ベル
マーレの NPO 法人やセレッソ大阪の一般社団法人などが対象です。ベルマー
レに関しては総合型スポーツラブとしてサッカー以外のスポーツ振興を積極
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的に行っているので他クラブとは状況が異なります。従いましてJリーグ事務
局には活動内容のサッカーに該当する部分だけの審査とすることをお願いし
ています。本来Jリーグの理念に沿って設立され、他競技や地域のスポーツ振
興を非営利で行ってきた法人が経営審査の対象となることに大きな違和感を
覚えます。いずれにしろ NPO 法人も経営は安定してなければなりませんので、
理念を失うことなく健全な経営を心掛けてまいります。
VISION2016
湘南ベルマーレとして、史上初めて J1残留を果たすことができました。当
期純利益は 492 万円で 2 年続けて黒字を確保できました。勝ち点 48 は残留の
ために想定した勝点を大きく上回りましたが、広告料・入場料の増加および移
籍金の収入により黒字化を果たしました。入場料、広告料、分配金の比率は
30%、52%、18%で、入場者は1試合平均 8,478 人から 11,268 人、リーグ戦
に限ると 12,208 人と過去最高の数字を残しました。チームの躍進にも押され
スポンサー料も増加、グッズ収入も分配金収入と並び 186,243 千円と安定的に
増収しています。
今シーズンから水谷尚人新社長が経営の陣頭指揮を執ります。14 年間、ベ ルマーレとともに歩んできた経験は、引き続きベルマーレの成長と安定をリー
ドすることになります。
入場者平均は 11,200 人を目指していますが、集客を見込める対戦カードと
集客にブレーキがかかる対戦カードが予測されます。14,000 人を超える試合
はほぼ満席状況になり発売をコントロールする必要が発生し増収機会の損失
となっています。また、遠方チームの場合に発生する空席をいかにホーム観客
で埋めるかを対策し増収を目指します。ユニフォーム胸スポンサーは三栄建築
設計様と複数年契約を結びました。新たに背中裾も日本端子様に決まり、ユニ
フォームは 4 カ所全てが埋まりました。ここ数年、毎年の大きな課題であった
ユニフォームスポンサーの獲得は安定してきました。
【株式会社三栄建築設計の大株主(筆頭株主)による経営、強化策の安定化】
今年1月の増資により三栄建築設計様に 6,800 株を取得いただき 33.36%の筆
頭株主となっていただきました。湘南ベルマーレ誕生から 16 年、市民クラブと
いうプライドを持ちながら皆様の浄財で成長をさせていただきました。しかしな
がら、過去の経営危機の経験から、近年一層厳しくなるライセンス制に対応して、
更なる育成、強化を増進させることは大変難しくなっています。ベルマーレのク
ラブ理念、チーム強化策に賛同いただき応援いただける企業を探し続けてきた結
果、大株主(筆頭株主)としてご支援を得ることができました。今後は経営、強
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化を様々な角度から相談させていただき経営を応援いただきます。しかし損失補
填企業ではありませんので引き続き J1 定着のためしっかりした経営をしていく
所存です。
*強化・魅力あるチームづくり 「剛く TSUYOKU・常にひたむきに・昇格争いに絡むチ-ム」
VISION2004
J1 復帰を目指し 4 年のシーズンを終えてしまいました。J リーグのチーム
である我々が常に J1 復帰を目指すことは当然の義務です。しかし予算規模に
限度のあるクラブが次々に選手を移籍により確保しシーズンに臨むことには
限度があります。行き過ぎた強化投資が一瞬にして経営破たんを招くことは
世界中のクラブで毎年起きている事実でもあります。したがって 33 名の在籍
選手(現在は期限付き移籍の選手は 0)の強化と下部組織選手の育成による
チームづくりが私たちの強化策の基本になります。そこには当然プロ選手の
自由意志の元に移籍等が発生することは避けられませんが、ここでも入りと
出のバランスが(実力的にも収支的にも)均衡になるようにすることが重要で
す。ベルマーレが J リーグ昇格時に演じていた破天荒なサッカーを懐かしみ
期待されることは理解しますが、現在のサッカーで同じように機能するのか
はなんともいえません。昨年の成績は残念ながら J リーグ 26 位です。この位
置から少しでも上を目指すにはひたむきに勝利を目指し、臆することなく相
手に臨むことから再出発する必要があると感じています。選手一人一人が「剛
く(TSUYOKU)」なり、勝った負けたの結果を別にして来場したお客様に感動
を与えられるようなひたむきなチームを作らなければならないと考えます。
その個々のひたむきさが技術も精神も成長させ昇格争いを常にし、J1 昇格後
も結果を残せるチームを作り出すに違いありません。ただプロの世界が気持
ちだけでうまくいくはずはなく、近々から中期にわたる強化方針とプランを
再検証する必要があるのも事実です。早い段階で現在の問題点を洗い出しそ
れに向けた改善策を進め新たな策を練り、常に昇格争いを演じるベルマーレ
をお見せしたいと考えます。まず今年は開幕前にお話したように 4 位以内を
目指します。現況に気落ちせずシーズン最後まで粘り強く挑み、この目標を
必ず達成するという気持ちが私たちには今必要です。そして再検証した方針
とプランそして今シーズンのチーム状況の下、現在から中期、長期にわたる
チームづくりを考えできるだけ早い時期に実行していきます。同時にシーズ
ンの成功及び失敗が次年度に正確に反映される組織づくりが重要と考えます。
どんなにチーム状況や経営状況が悪くても勝ち点が常に毎年最低 15%の上
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昇を達成できるチームづくりを目指していきたいと考えます。
VISION2005
「TSUYOKU・常にひたむきに・昇格争いに絡むチーム」を目指す上で、
まず昨シーズンの開幕時の目標であった 4 位以内を想定できない状況となっ
た第 2 クール終了時(7 月上旬)監督の交代に踏み切りました。シーズン中
の監督交代のため大きなリスクを背負うことを覚悟の上での決断でしたが第
3 クールにはいり望月監督代行が責任ある仕事を果しこの難しい時期を乗り
切り、チームは少しずつ可能性を感ずるようになってきました。そしてこの
2 ヶ月の間に監督人選をおこないました。複数の候補から・ベルマーレに縁
のある人・ひたむきなチームを作る情熱のある人・監督経験のある人等の理
由から当時なでしこジャパン監督の上田栄治氏にアテネ大会終了後、就任要
請をいたしました。契約を 2 年 5 ヶ月の長期とした理由は 2 年続けて成績の
低迷を招いたチームを立て直すのは簡単な仕事ではないと考え、また出身ク
ラブでもあるベルマーレ再建にかける情熱を上田氏に強く感じ長期の契約と
いたしました。9 月の監督就任後はすぐに結果は出ませんでしたが今シーズ
ンに向け十分な経験と準備をすることができたことは間違いありません。
シーズン中の監督交代という難しい仕事を遂行した後、水谷強化部長より
2 年間の成績低迷の責任をとりたいとの申し出があり強化部長を交代するこ
ととしました。後任の人選は日本リーグもしくは J リーグでプレーした経験
を有するもの。海外でのサッカー経験があり語学に堪能な人物等の条件から
C 大阪の大倉智氏が強化部長に就任しました。大倉氏は現役をアメリカのリ
ーグで終え、スペインのヨハンクライフ大学を卒業した後 C 大阪で強化部長
として活躍していました。独特の経歴がクラブに新たな変化をもたらすと期
待しています。
大倉強化部長、上田監督のもと今シーズンに向けての選手との契約交渉で
は全員に「チーム理念」
「目指すサッカースタイル」
「選手に求める姿勢」
「選
手の義務」
「目標と達成」
「05 年チームコンセプト」の 6 項目に関し相互で確
認をして同意できる選手と契約をいたしました。また補強に関しては監督か
らのリクエストを中心に強化部長がチームづくりを進めました。チームはま
だスタートしたばかりで完成品ではありませんが強化部長、監督の「戦う意
識の向上」という強い意志のもとチームは新たな成長を遂げると信じていま
す。チームの目標はあくまでも J1 昇格です。2 年続けて 10 位のチームには
高いハードルといわれるかもしれませんが指揮官の揺ぎ無い意志がそこにあ
り、ひたむきに戦うことを誓ったクラブとしては中位の順位目標は意味がな
いと思われます。クラブ一丸となって目標達成のため邁進していきます。
- 18 -
VISION2006
2005 シーズンは第 1 クールで躍進し上位争いをしましたがその後成績は
下降線をたどり最終的に7位という結果で終了しました。2 年間続けての 10
位という結果からすると最悪の状態を抜け出して次の一歩を踏み出すための
土台に足が届いたといった感じのシーズンでした。この一歩を着実に踏み出
すためクラブは 2006 年シーズンに向けて思い切ったチーム編成に取り組み
ました。「TSUYOKU・常にひたむきに・昇格争いに絡むチーム」を実現す
るため、長くチームに在籍した選手も例外にすることなく目的達成のための
チーム編成をドライに敢行しました。目的達成のためには、ここ数年続いた
怪我人を想定した 35 名前後の編成ではチーム内での優良な競争原理が働か
ないと判断し 1 ポジションに基本的に 2 名とし 30 名以下の編成としました。 また、選手に対する監督コーチ陣の管理や指導をより緊密なものとするた
めにも人数を絞ったチーム編成がより有効と考えました。選手の負傷により
戦力に穴が開いた場合は期限付き移籍による補強で対応します。30 名以下の
チーム編成に関しては提携先でもあるオサスナのコーチ陣や昨年以来交流を
続けているミュンヘン 1860 のコーチにも同じ指摘を受けたこともあり、 「闘う」チーム作りにはやらなくてはならない選択の一つといえます。
また今シーズンはかつてない厳しいシーズンが予想されます。J1 からは
20 億規模の予算で臨む 3 チームが降格し、鳥栖、横浜 FC は親会社の出現
により予算規模を大幅に拡大してきています。僅差で昇格争いから落ちた仙
台、札幌も更なる補強をしてきています。クラブは昨年来のつかみかけた流
れをさらに確実なものとするため強化費予算を拡大しました。主に外国人経
費の増加、フィジカルコーチをはじめとする
スタッフの増強などでチーム力の増進を図りたいと考えます。厳しい予算
のなかですが目標達成のために必要な投資と考えています。プロ球団として、
お客様に納得のいく結果という商品をお持ち帰りいただくにはリスクも覚悟
で商品作りをしなければなりません。
今シーズンの目標も J1 昇格であることは変わりません。昇格争いに絡み
ながら終盤まで緊張感あふれる試合を続けていければ自ずから結果はついて
くるものと考えています。昨年は勝ち点を 36 から 54 に 18 ポイント上げま
したが、同じ勝ち点を上積みできれば甲府が記録した 68 ポイントを上回る
ことができます。長い J2 シーズンを最後まで辛抱強く、諦めず、いかに前
向きに闘えるかが大切です。
ベルマーレにとって J1 昇格は単なる目標ではなく宿命であると考え、ク
ラブ一丸となって闘っていきます。
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VISION2007
2006 シーズンはヴェルディやヴィッセルに競り勝つなど順調なスターを
切れたように見えましたが、一方で水戸や鳥栖に敗戦するなど不安要素を抱
えての戦いとなって行きました。徳島戦の大勝(5-0)後の山形戦を落としア
ジエルの離脱もあり 8 連敗と完全に調子を崩してしました。愛媛戦後に上田
監督から辞意が伝えられクラブとして留意に努めましたが意思が固く菅野コ
ーチに後を引き継ぎシーズンを戦うこととしました。菅野監督就任後チーム
は夏場にかけ調子を取り戻しましたがシーズン後半再度の連敗を記録し 11
位という過去最悪の結果となってしまいました。
上田監督就任後、強化部として確認していたことは昇格を目指すにあたり
引き分けが多ければ可能性は薄くなるということでした。決着をつける試合
運びをすること。すなわち点を取らなければ勝てませんので得点力の向上を
課題に闘ってきました。確かにが外国人補強の成果もあり 2003・2004 シー
ズンより得点力は上がりましたが決着をつけに行く過程での失点が増えリー
グワースト 2 位の失点が最終成績に大きく影響しました。
今シーズンを迎えるにあたり補強の課題は当然 DF ということになります。
そして前述しましたが J1 リーグでの経験が豊富な DF を獲得すること、高
評価の外国人選手との契約の更新、現有勢力(期限付き移籍選手の復帰)の
流失防止を念頭にチーム作りをしました。そして昨年の 30 名以下のチーム
作りを進めチーム内での競争原理を維持することので長いシーズンを勝ち抜
こうとした考え方を継続しますが、昨年は当初問題が生じた場合は(梅田の
離脱、CB の補強等)シーズン中に期限付き移籍による獲得で補強をする予
定が機能せず、結果再度の外国人補強をすることになりました。この経験か
ら基本的に1ポジション2ボックスの考え方は変えませんが特に DF に関し
ては多めの補強をし選手数が30を超えたチームとなっています。今後若手
選手に関しては JFL への期限付き移籍や海外への勉強も含め成長できるチ
ャンスを準備していきたいと考えています。
今シーズン、菅野監督が大きなテーマにあげている「リバウンドメンタリ
ティ」にクラブとしても注目をしています。失敗した後、敗戦した後、いか
に気持ちを切り替えて臨めるかということはクラブが再生して以来抱えてい
る大きなテーマです。一昨年記録した勝ち点 54 から当初マニフェストで申
し上げた年々最低 15%のアップは少なくとも成し遂げなければなりません。
そして「リバウンドメンタリティ」が改善され 4 クールを通して平均的に勝
ち点を上げることができるようになれば確実にチーム力は上がり、昇格争い
に加わり、昇格を見据えることがでます。
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以下に整理しました「チーム理念」と「FUTURE2015」を記載しました。
VISION2008
2006 シーズンの反省から守備を重視して行われた補強策は功を奏し、リー
グワースト 2 位の失点はリーグ最少失点から 3 位と改善されました。得点も
72 点と同数ですがリーグ 4 位となり、結果勝ち点も J2 降格後最高の 77 を
獲得しました。可能性は低くなっていましたが昇格争いに終盤まで絡めたの
も事実です。いろいろな意味でチームとして成長を実感出来る 1 年でした。
特に監督が大きなテーマにあげていた「リバウンドメンタリティ」の改善が
進んだことがチーム力を底上げした大きな理由であったと評価しています。
実際連敗は数を減らし連勝が増加したことは長いシーズンを闘う上でチーム
の大きな自信となっていったことは事実です。J2 リーグの過去のデータを検
証すると、下位に低迷していたチームが成績を向上させ、次の年に大きく順
位を下げたチームはその後も昇格を実現出来ていません。2 年あるいは 3 年、
そのチーム力を維持し成長させることが出来たチームが昇格をつかみ取って
います。過去の新潟や仙台、甲府がその良い例です。したがって今季の強化
費は厳しい財政状況の中、昨季同等を維持し主力選手の残留に努めました。
2 名の選手を移籍で失いましたが主力選手は残留し再度 J1昇格を目指しま
す。1ポジション 2 ボックスの基本的考え方は変えずに FW と MF に厚みを
持たせた補強を行いました。選手数は昨季と同様の 34 名(1 名高校生)でポ
ジション別のバランスも昨季と同様です。また、ユースからの若手の選手は
引き続き JFL への期限付き移籍でさらに実戦経験を積ませ精神的成長を期
待します。
試合が 3 回戦制になり試合数が大きく減るので一概に勝ち点を比べ目 標を置くことは難しいですが昇格には昨季並の勝ち点が必要であると考えて
います。昨年の勝ち点 77 から試合数が減る割合を引くと勝ち点 68 となりこ
れに毎年最低 15%の勝ち点の積み増しを乗じると 78 という目標がはじき出
されます。数字の目標も大切ですがどんな相手にも自分たちのサッカーを一
戦一戦しっかりするということがさらに重要だと考えます。昨年の昇格組と
残留組の大きな違いは直接対決の成績ではなく、下位チーム相手に確実に勝
っているかどうかという結果によっています。しかし JFL から昇格してきた
2 チームも多くの J リーガーを抱えてシーズンに臨むわけですから簡単に勝
てる相手ではありません。いかに長いシーズンを通して厳しい試合を確実に
闘っていき「リバウンドメンタリティ」をしっかりコントロールしていける
か。昨季チームが身につけた「ハードワーク」というカラーを引き続き実践
していけるかなど積み上げて来た実績を自らの自信に変え闘い続けることが
- 21 -
出来れば結果はついてくると考えます。混戦が予想される今シーズンは、ど
のような厳しい状況でもあきらめない精神力が勝負を分けることになるでし
ょう。
VISION2009
クラブ史上初めて最終戦まで昇格を争いましたが残念ながら夢を現実にす
ることはできませんでした。例年最終順位は勝ち数というより負け数の少な
い順位で並びます。15 敗は前年 17 敗よりは少ないですが試合数が 6 試合少
ないことを考えると納得のいく結果とは言えません。そして私たちの最大の
悩み事は監督人事でした。菅野監督は外国人主力選手が怪我で戦列を去った
夏場、実に巧みなチームコントロールで 11 戦負けることなく昇格を引き寄
せました。しかし、2 ヵ月半ぶりの仙台戦敗戦後の 9 試合を 3 勝 6 敗と負け
越しシーズンは終わりました。ここまでチームを成長させてくれた菅野監督
には感謝の気持ちでいっぱいです。様々な要因で菅野監督とも話し合い指揮
官を代えることにしました。結果、OB でもある反町監督を招聘することが
でき、若返りと限られた費用環境という課題と昇格を引き続き狙うという目
標を共有しシーズンを戦うこととなりました。監督人事が最終節まで及んだ
こともあり選手構成は大倉部長が中心になって行いました。そういったこと
もあり厳しい予算ではありますが、監督就任後に反町監督の要望も取り入れ
寺川、野澤、田原の 3 選手を獲得しました。総勢 33 名は前年とほぼ同じで
すが試合数 51 を考えると必要な人数かと思われます。引き続き下部組織か
ら昇格した選手は JFL への期限付き移籍をさせます。また今季初めてパラグ
アイの日系ベルマーレへ FW の菅野選手を留学させました。サッカー漬けの
毎日は必ず彼を成長させます。コーチ陣は監督交代によりカルロスフィジカ
ルコーチ以外全員代わることとなりました。長年、育成部門の長を務め若手
育成に奔走してくれた曺コーチがトップコーチに昇格、現役引退を決意した
加藤望もコーチとして新たなスタートを切りました。
J2 は 18 チームとなり試合数も 51 試合になります。したがって一概に昨
年と勝点を比較してものは言えませんが JFL 昇格組が 3 チームあることなど
勘案すると勝ち点 100 を目指す闘いとなると思われます。シーズンを通して
負け数を減らすこと、勝たなければならない下位のチームには絶対負けない
ことが大切です。昨年 3 クール目の昇格ライバルとの直接対決をことごとく
競り負けてしまいました。この事実が同じ過ちを繰り返さない経験則として
選手たちにしみ込んでいるに違いありません。長いシーズン再び「リバウン
ドメンタリティ」を思い起こし、ハードワークを忘れることなく闘い続けれ
ば必ずゴールが見えてくる違いありません。今年から、3 位は自動昇格にな
- 22 -
ります。試合数が増えたため最後まで予断を許さない展開が続きます。どん
なシーズンの展開になろうと「あきらめない」精神力の強さが紙一重の結果
をもたらします。
VISON2010
昨シーズン、反町監督はここ数年で強化されてきた走力や精神力にさらに
磨きをかけ短期のうちにチームをまとめあげ見事なスタートダッシュを決め
ました。監督就任後少ない時間で補強を進めた寺川、野澤、田原選手ら昇格
経験組はシーズン中レギュラーとして定着し、既存戦力に新戦力の村松選手
などがシーズンを通じて信頼関係を高めていったことが紙一重の昇格を勝ち
取った大きな要因です。予想どおり昇格ラインは勝ち点 100 となりわずかに
足りませんでしたが勝ち点 98、28 勝 11 分 11 敗で 3 位ながら悲願の J1 昇
格を果たすことができました。10 回の終了間際での得点といい、最終戦の水
戸戦での逆転劇といい監督がやろうとしているサッカーを選手がよく理解し、
またプレーで表現できたことの集大成が結果になり表れたものだと思います。
J1シーズンは全ての相手の技量が上がると覚悟して臨むことになります。
主力であったほとんどの選手と契約を更新できたことは大変うれしいことで
すが 18 番目に昇格を決めたチームであることよく認識してシーズンに挑む
ことが大切と考えます。17 位、16 位と一歩一歩、上位を倒していくことが
大切です。昨年のようにはいきません。連敗、あるいは勝ちきれない状況が
出てきたときにいかに辛抱強く戦えるかが J1に残れるか否かということに
なるでしょう。費用に限度のあるクラブですが、新居、馬場、小澤や新人の
三平など、十分ではありませんが効率的な補強ができたと考えます。この補
強組が昨年の補強組のごとく定着してくれればまた一つ階段を上れることに
なるでしょう。
アジエルを始め多くの怪我人が出ていますが秋口でなくてよかったと前向
きにとらえワールドカップのインターバルを生かしチーム体制を整えていき
ます。
また昨シーズンは出番の少なかった若い選手は複数の J2、地域リーグチー
ムに期限付移籍をさせました。年齢的にどのカテゴリーであっても公式戦に
出場することが重要な世代であります。サテライトリーグのなくなる今シー
ズン、チーム内で使われるチャンスが少ないのであればクラブにも本人のた
めにもなりません。
J1 残留のラインは勝ち点 40 と設定しています。ただし数字に振り回され
ては難しい坂道がさらに急になるだけです。確かにスタートで勝ち点を稼げ
ればそれにこしたことはありませんが、昨年来反町監督が言っているように
- 23 -
「12 月にどこにいるか」ということが全てです。あきらめずに繰り返した結
果が 12 月 5 日に偶然でも奇跡でもない必然的な結果をもたらしました。常
に前向きに考えシーズンを戦える環境づくりを心がけていきたいと思います。
J1 に昇格した今年から、プロフェッショナルな選手の質の向上として選手
の評価基準も再考していきます。当然ですがプロ選手としての評価は試合で
あり勝敗であります。その評価は監督であり強化部が行うことは従来通りで
す。ただそれだけでは本質的に強くてサポーターに愛されるチームは生まれ
ないと思います。新たに考えたいのはステークホルダーにどれだけ貢献でき
たかということやホームタウンや地域に対しどれだけ貢献できたかというこ
とです。これは義務ではなくあくまでも自主性の問題であり加点主義の評価
ということになります。プロの選手であり社会人としてもリスペクトされる
選手になり得るかということです。そういった選手が多いチームは試合でも
サポーターを納得させるプレーができるはずです。当然応援する人も増える
でしょう。また選手の将来のためにも重要なことであると考えます。
VISON2011
11 年ぶりの J1 シーズンは大変厳しい 1 年となりました。J2 リーグ 3 位か
らの昇格では簡単なシーズンにはならないと覚悟をしての戦いでしたが 1 年
で降格となってしまいました。第 1 の原因は怪我人の多さでした。もともと
選手層が厚くないチームでレギュラークラスが長期離脱した場合、J1 リーグ
では控え組が良い成長を見せても結果は残念ながらついてきません。2009
年の先発メンバーで 1 試合も戦うことが出来なかったことはクラブの大きな
反省点です。前年の 50 試合を越える試合をほぼ固定メンバーで闘った事実
を考慮すると欧州で進んでいる「身体を休める」ことを優先としたフィジカ
ル準備というものができなかったと言えるかもしれません。また、悲願の J1
昇格を現実にするためベテランの補強を優先し平均年齢が高くなっていたこ
とも事実です。技術的なことも含め「昇格」をすべての優先順位の先頭にお
いてきたことでその先にある J1 で闘う風景に目が届いていませんでした。
この点も新たな昇格レースの中ではしっかりした基準を持ってチーム作りを
進めていかなければなりません。
今シーズンの昇格ラインは勝ち点 70 においています。札幌、ジェフ千葉、
FC 東京、東京 V、横浜 FC、京都、大分の元 J1 チームはすべて昇格ライバ
ルです。昨今上昇基調にある徳島、鳥栖、そして栃木も要注意チームになる
でしょう。今シーズンのチーム作りは反町監督就任以来、初めてとなるディ
フェンスの構築からのアプローチをしています。これは正に昇格の先の風景
を念頭に入れたチーム作りでもあります。いずれにしましても、簡単に勝て
- 24 -
るチームはなく、また絶対勝てないチームはないリーグ戦を再認識しなけれ
ばなりません。3 歳近い若返りを図ったチームは最初から安定的な戦いが出
来ないかもしれません。巻、佐々木など即戦力の補強をしました。生え抜き
の若手を復帰させています。スタメンも昨年と比べると半分以上の選手が変
わるかもしれません。昨年の反省に立ち再度チームを強化するには当然のこ
とと理解していただき再び「12 月の最終戦にどこにいるのか」という視点で
最後までチームを鼓舞していただきたいと思います。
またプロフェッショナルな選手の質の向上にも引続き取り組んでいきます。
クラブと選手が地域やステークホルダーに貢献し、また愛されリスペクトさ
れることが大切であることに変わりはありません。
VISION2012
1 年での J1 復帰を目指し「昇格と世代交代」という二つのテーマを立てて
シーズンに臨みました。そのために反町監督を慰留し、即戦力として佐々木、
巻、大井選手などを期限付き移籍で獲得。ここ数年かけて育成してきた生え
抜きの若い選手を融合させ昇格して J1 に定着できるチーム作りを目指しま
した。アジエルや田原の長期の離脱などもあり結果は大変残念なものになっ
てしまいました。この結果をふまえ上田、菅野、反町監督と受け継いできた
進化を継承し「世代交代で昇格」という新たなテーマを実現するために曺コ
ーチに監督を引き受けてもらいました。
曺監督は 2005 年からベルマーレに育成のフットボールアカデミーのリー
ダーとして 4 年、反町監督のもとでトップチームコーチとして 3 年を過ごし
ました。現役時代はベルマーレの選手ではありませんが、クラブ生え抜き中
の生え抜きです。鎌田や古林、菊池、猪狩選手などを成長させてきました。
トップのコーチになってからは反町監督と選手たちのパイプ役とし坂本や山
口選手たちと歓喜と落胆の 3 年間を過ごしています。クラブとすれば存続危
機から 12 年、当時存続を後押ししていただいた皆さんに J1 昇格という一つ
の約束を果たすことはできましたが、地域の子どもを育て地域に愛される強
いチームをつくるというその先の約束を果たさないわけにはいきません。そ
のために曺監督のもとベルマーレのベテラン選手、ベルマーレの生え抜き選
手、そして新加入の補強選手によりこの 12 年の成果を新シーズンにぶつけ
たいのです。チームスローガン「GET3 to J1」は Growth(選手の成長)、
Energy(躍動感)、Together(一体感)を意味しています。J1 昇格は目的で
はなく結果です。1 試合 1 試合を全力で闘い、勝ち点 3 をとり、結果 J1 へ昇
格する。“夏場にこのサッカーで続きますか?”と言う人がたくさんいます。
監督は選手に「今日競技場に足を運んでくれた皆さんが喜んでくれるサッカ
- 25 -
ーを全力でやりなさい」と話しています。夏になっても同じことを選手と共
有しているはずです。今シーズンの J2 は J1 経験チームが 9 チームもありま
す。鳥栖に続けと栃木や徳島、愛媛、北九州を含め必ず混戦になります。週
末の競技場のために 27 人が集中して練習を行う。そして今日の競技場のサ
ポーターのために精一杯走る。サッカー選手として 1 日 1 日を無駄にしない
シーズンが過ごせれば Best6 と昇格は見えてくると信じています。
VISION2013
債務超過による存続危機という報道がされる中、曺監督は自らベルマーレで
育成指導した鎌田や猪狩、菊池などを中心に、自らが過去に指導した経歴を持
つ選手たちを集めチームを編成しました。開幕戦の対京都戦では先発 11 人中
5 名(馬場、菊池、古林、遠藤、鎌田)が育成組織出身という 2000 年の湘南
ベルマーレ誕生以来夢に描いていた風景が13年の時を経て実現しました。戦
前の評価は決して高くない中、開幕戦を逆転で勝利すると 10 戦を 8 勝 1 分け
1 敗と首位を堅持しました。その後 8 戦勝利なし、昇格を目の前に 3 連敗など
大きな荒波を乗り越え成長し、3 年ぶり 3 回目の昇格を 11 月 11 日町田戦に
て
決めました。「世代交代で昇格」という最も難しい課題を克服したチームには
感謝の気持ちでいっぱいです。
2013 年シーズンに向かってチームはベテランというより若手中心に補強を
しました。2010 年の昇格は長年の悲願達成のために、2007 年シーズンより経
験あるベテランや中堅を中心にチームを作ってきた結果でもありました。しか
し残念ながら高齢化したチームは経験値のアドヴァンテージを生かせず J1 の
高い壁に跳ね返され、また多くの怪我人もだしてしまいました。
その上、主力選手が長期離脱しJ2時のベストメンバーも組めないという悪
循環にはまりチーム自体の立て直しをする余裕もなく降格をしてしまいまし
た。「世代交代で昇格」をテーマにしたのはこの反省からです。資金力に勝る
ビッグクラブであればシーズン中の補強である程度修正可能ですが私たちは
そうはいきません。私達がJ1で定着するための可能性は若い選手が伸び白を
持って昇格し日々成長しながらシーズンを闘うという手法しかないと判断し
たのです。そのことを表現したのが「RISING」という今年のスローガンです。
J1 を経験した選手は 2 割もいません。その分経験値は低くなりますが経験値
でしのげるほどJ1は甘くありませんし、時に経験値はマイナス要因を生み出
すことも間違えありません。曺監督のもと選手たちの可能性を信じて闘ってい
くシーズンであることをご理解いただき応援ください。4 回リードをして 1 回
は逆転され 3 回は追いつかれました。これが J1 の厳しさですが先制点をとれ
- 26 -
ているのも事実です。日々成長し、日々失敗し、その経験を肥やしに闘ってい
き常に下を見ずに闘える1年であれば来年の J1 も見えてきます。
VISION2014
湘南になって 2 度目の J1シーズンは残念ながら再び 1 年で終わってしまい
ました。しかし 2010 年のシーズンと比べると価値は 3 勝から6勝、引き分け
は同じ7、負けは 24 敗から 21 敗、得点は 31 点から 34 点、そして失点は 82
失点から 62 失点と数字は向上しています。ナビスコカップでも 2 勝を挙げて
います。平均年齢 23 歳台の若いチームは開幕当初は J1 のスピードとフィジ
カルの強さに戸惑いを見せましたが、ゲームをこなすごとに自信をつけ湘南ス
タイルを変えることなく挑み続けました。15 位にはなれず降格しましたが現
場は非常によく健闘したと思います。甲府との大きな違いは夏場の補強にあり
ました。パトリック選手、ジウシーニョ選手を補強した甲府に対し我々はキリ
ノを失うことになりました。これは資金力を含め、経営的にチームをバックア
ップできなかったともいえチームには申し訳なかったと思っています。
降格はしてしまいましたが選手は日ごとに成長した事実は間違いなく、湘南
スタイルが進化していることが見て取れました。ハン グギョン選手、高山選
手、大野選手は卒業していきましたが、それはベルマーレのサッカーが評価さ
れた結果でもあり J1 のフィールドで必ず活躍してほしいと願っています。昨
シーズン、最後まで JI の優勝争いを演じた 2 チームで石原と中町が躍動する
姿はクラブにとって大きな誇りでもあります。
永木をはじめチームに残った選手はしっかりと J1 の残像を胸に今シーズン
を闘います。また新加入した選手はいち早く湘南スタイルに融合し、監督の言
う「深化」を確実に成し遂げ 1 年で J1 に復帰したいと考えます。スピード、
球際の強さなど J1 の基準を多くの選手が感覚値として持ち続けながら戦えば、
それがチームのスタンダードになり新加入の選手たちの成長も著しく早くな
ります。私たちは今シーズン「過去最強のベルマーレ」を目指すことを共有し
ています。それが結果として表れれば J1 での定着も可能になり、それができ
なければ J2 でのシーズンを長く過ごすことになるかもしれないという危機感
を持っています。若い選手たちが、厳しくとも、苦しくとも最後まで戦いきり、
勝利をもぎ取り、夢を実現し世界に大きく羽ばたいていく。そんな未来が湘南
スタイルの深化の先に必ずあると信じて闘っていきたいと思います。残りの長
いシーズンに安易な道は残されていません。より厳しい局面が訪れそれを乗り
越えてこそ真の勝者になれる、そんなシーズンであると考えています。
- 27 -
VISION2015
31 勝 8 分 3 敗。勝ち点 101。開幕 14 連勝。史上最速昇格。2014 年、数々
の記録を打ち立て湘南ベルマーレは J2 優勝を果たしました。湘南になって初
めてのタイトル確保です。1 年での再昇格を目指しましたが、これほどの結果
を出せたのは現場の努力の賜です。開幕からの連勝中もJ1 での悔しい残像を
常に思い出し、ブレることなく J1 で再び戦うことを真剣に目指した選手達を
心から尊敬をすると同時に感謝しています。「縦の美学」をサッカー界に発信
しながら挑んだシーズンでしたが、気がつけば次第にメディアの表現にも「縦
に速く」というワードが散見するようになりました。1年後の昨今、特に日本
代表にハリルホジッチ新監督が就任してから、今までベルマーレの周りで飛び
交っていた言葉が日本サッカー界で日々発せられるようになっています。
「縦」
「速」「球際」「厳」「走」等はここ数年、曺監督が常に発していた言葉です。 早くゴールに向かう姿勢は反町前監督が就任前にドイツ視察から学んでき
たテーマでした。その後さらに曺監督により「走」や「縦」「厳」がバージョ
ンアップされ今のサッカーが成り立っています。それは強化部や指揮官が常に
強くなるために学ぼうとしてきた行動の積み重ねであり、本気で日本のサッカ
ーを強くしよう、選手を必ず成長させようという真っ直ぐな思いがあって成り
立ったのです。
そして今シーズンこの湘南スタイルが J1 で通用するのかと日本中が懐疑心
で見守っています。この監督、この選手達がどこまでやるのかと。その答えを
結果として私達は出さなければなりません。何人かの選手はビッグクラブから
のオファーを断ってクラブに残りこのサッカーに懸けています。何人かの選手
は再起をかけて湘南に入団してきました。当然湘南スタイルで結果を出せると
いう自信を持って。開幕後、過去 2 回の J1 に比べ明らかに闘えている試合が
続いています。「過去最強のベルマーレ」を目指した J2 シーズンは終わりま
した。今年はこれが「最強のベルマーレ」であることの証明の年です。より強く
より巧く闘う相手にどう挑んでいくのかある程度はっきりしています。
個の成長がどれだけ果たせるのかによって結果が変わってくるでしょう。こ
こ数年、選手自らの成長が結果をもたらしてきたことは間違いありません。補
強した外国人選手が結果をもってきてくれたわけではありません。引き続きシ
ーズンを通じ日々の練習から成長を引き出せるようにクラブ全体でチームを
バックアップしていかなければなりません。今シーズの内容と結果が将来のク
ラブの行き先を決めていく大切なシーズンです。
VISION2016
湘南ベルマーレ史上最高の成績を残しました。13 勝 9 分 12 敗、勝点 48、
- 28 -
年間総合 8 位という結果です。これは年間予算、約 15 億円のベルマーレは平
均予算約 30 億円の J1 リーグにおいて相当大きなインパクトを残しました。
日本中が懐疑的に思っていた湘南スタイルは間違いなく J1 リーグで大きな
存在感を示し J リーグに新たな風を吹かせました。監督、スタッフ、選手達
を心から誇りに思います。毎年、ブレることなく強化のための理念を目先の
結果に振り回されず積み上げて来た結果でもあります。一方でこの躍進は新
たなハードルをクラブに突きつけました。シーズン末に J1 のビッグクラブか
ら多くの移籍オファーが届き、スタメンの半分近くの選手が移籍することと
なりました。
プロフェッショナルリーグに所属する以上、発生した移籍はこれからも
続く現象でありクラブとして J1に定着し次のステップに進むための「成
長痛」と考えています。中田英寿がセリエ A で活躍し、ハン・グギョンがワ
ールドカップ・ブラジル大会のピッチで躍動した事実もクラブの大きな財産
であることは間違いありません。遠藤航がリオ五輪で躍動し世界に飛び出す
ことがベルマーレの育成、強化の大きな追い風になると信じます。
そして今シーズン、やはり多くのオファーが来た曺監督が続投を決めてく
れました。クラブの代表として監督にお願いしたことは、この湘南スタイル
を引き続き進化させ、育成組織を含めクラブの揺るぎないフットボールスタ
イルとして確立させることです。多くの自ら育てた選手がクラブを去るなか、
簡単ではなくなった「深化」を一丸となってサポートし成し遂げようという
クラブの方針を伝え続投を依頼しました。J クラブが 6 つ存在しサッカー大
国になりつつある神奈川県で、小クラブである私たちがさらに J1 に定着し成
長して行くためには、目先の勝利も必要ですが揺るぎないスタイルが重要で
す。シーズン序盤、苦しい闘いが続いていますがスタメンが半分以上も変わ
った中で引き続き昨年のスタイルを進化させようという選手達と新たなサッ
カー人生をかけ、必死に日々の練習からスタイルを吸収しようとする移籍し
て来た選手達が表現し続ける湘南のサッカーをブレることなくしっかり支え
ていきます。J1に住み続けるための成長痛は1つや2つではないと覚悟
しています。
- 29 -
チーム理念
湘南地域に住む人々に、サッカーを通して夢と勇気と希望の感動空間を提供する
目指すサッカー
攻撃的で走る意欲に満ち溢れたアグレッシブで痛快なサッカー
選手に求める7訓
1.
夢と目標をもつこと(自己実現と挑戦)
2.
100%の集中力で練習を行うこと(本質を見失わない)
3.
強いフィジカルコンディション(心技体)を自ら作る努力をすること
4.
謙虚さと思いやりをもって行動すること
5.
常に明るく元気良くすること
6.
ファンに対して暖かく接すること(地域共存意識、社会貢献)
7.
自分のため、チームのため、クラブのため、地域のために行動する
選手獲得基準
1.
フィジカルは強い選手ですか?(体)
2.
チームの為に行動できるメンタルはありますか?(心)
3.
ボールコントロールの技術は高いですか?(技)
4.
将来、J1リーグで通用するポテンシャルですか?(可能性)
チームの「
定義」
チームは、監督個人の表現手段ではない。
チームには、蓄積してきた経験やノウハウがあり、それを生かしな
がら継続していくことが重要である。だからこそ、クラブとして、
「目指すサッカー」や「理念」といったぶれない軸が大切である。
チームは生もの、チームは計画通りにはいかない。
だからこそ、
「負け方」
(チームフィロソフィーに通ずる)が重要で
ある。(バイエルン・ミュンヘン
ヘーネスGM)
- 30 -
VISION2007
湘南ベルマーレ FUTURE 2015
1.J1リーグに存在する
2.登録選手中、半分以上はユース出身選手
NI
KKEI
BELLMARE
トップ
3.キャプテンがユース出身選手(中心選手)
1.19から21までの強化育成
産業能率⼤学
2.ユース選手の受け皿
3.21歳時、プロ選択
サッカー部
4.勉学との両立
U18
U17
U16
U15(⾺⼊/⼩⽥原)
U14
U13
U12
普及・スクール
*
底辺拡⼤
2,000⼈
U15以下は、NPO法人の管轄
【進捗事項】
1.2006年、SC(スクール)生が、前年より200人増の700人となる。
2007年は目標を900人としている。
2.
「FUTURE2010」
(中期計画)の作成
3.3P(POTENTIAL PLAYERS PROJECT)プロジェクトの実施
昇格目標:2007年2人、2008年2人、2009年1人、2010年3人
4.産業能率大学サッカー部との強化関係(コーチの派遣等)
5.日系ベルマーレの運営と活用
- 31 -
*育成 規律・姿勢を重んじた選手育成 「計画的な育成システムの確立」
VISION2004
今後の強化策を推し進める上で「育成」は大きなテーマです。今までのど
ちらかというと「自由」な個々の自主性に任せていた育成方針から、規律・
姿勢を重んじ「厳しさ」を持ち合わせた育成方針に変革をさせていきたいと
考えます。この「厳しさ」とは「厳しくしごく」といった意味ではなく、当
たり前の社会人になるための規律・厳しさをサッカーを通して覚えさせ、し
いてはそのサッカーに対する姿勢が個人の技術や精神力の向上にプラスとな
るような循環を生むことができればと考えます。過去の下部組織より昇格し
た選手に見られる問題点として、技術はいい物を持ちながら精神的な弱さ、
不安定さを感じさせることが多く見受けられました。そんな過去の経緯を再
考して新たな育成方針とシステム・プランを再構築したいと考えます。
現在 NPO 法人が運営する下部組織には約 800 人の子供たちが在籍します。
このなかからトップチームに進める子はほんの一握りの子供ということにな
ります。残念ながらほとんどの子供たちはサッカー選手としてではなく社会
に出て行くことになります。そんな地域の子供たちに socialeducation とし
て接することは地域の熱意で存続できたクラブとしては当然の地域貢献のひ
とつと考えます。
㈱湘南ベルマーレ
NPO 法人湘南ベルマーレスポーツクラブ
- 32 -
VISION2005
育成システムの見直しは組織の再構築からはじめ強化部長を中心に
コーチ全員がミーティングを重ね新しい育成をスタートしています。
育成理念 サッカーを通して、健全な青少年を育成する
指導者のミッション 私達は、サッカーを通して、健全な青少年を育てることを第一に考え、その
中からトップアスリートとなりうる人材を発掘します
育成の目標 1.トップチームで闘えるプロ選手を育てる
2.地域を構成する一員(団体)として、健全な青少年を育成する
(例)「そこに落ちているゴミを拾える人間」
育成チームスローガン S E A
S-SPIRIT E-energy A-aggressive
戦う気持ち、真面目さ エネルギッシュに 攻撃的、積極的
VISION2006
育成、普及部門では当初テーマにあげていた「規律・姿勢を重んじた選
手育成」が成果をあげつつあり、強化部長を中心としてスタートした新し
い育成システムは着実に結果を出しつつあると思われます。
ユースチームは好成績を残しプリンスリーグ入りを果しました。ジュニ
アユースも大神チームとオエステが良好な競争関係を作り出し高円宮杯
では神奈川県大会で優勝をすることができました。
一方残念ながらユースチームからのトップチームの昇格選手はなしと
いう結果になりました。多くのサポーターの方から「ベルマーレは市民ク
ラブとして生え抜きの選手であるユース選手を積極的にトップチームへ
上げるべきだ」等のご意見をいただきました。クラブとしては下部組織上
がりの選手を積極的に昇格をさせたいのはやまやまなのですが、強化部の
「将来下部組織出身の生え抜きの選手がキャプテンマークをつけチーム
を統率する」といった将来像を実現するためにも今回は昇格を見送りまし
- 33 -
た。精神的に強いチームを作る。闘うチームをつくるという理念からする
と下部組織出身者には比較的「優しい選手」が多いという傾向があります。
しかしトップチームに入ると強豪高校や名門大学サッカー部で大勢の競
争の中で厳しくもまれてきた選手たちとポジションを争うことになりま
す。そこで大切になるのが精神力だといえます。少々無理をして昇格をさ
せても数年をめどに成長が確認できなければプロ球団である以上、解雇を
言い渡さなければなりません。技術はいい物を持っていながら精神的な壁
に当たり成長できない例はサッカー界では珍しい話ではないのです。それ
であれば大学サッカーあるいは社会人リーグといったところで環境の違
う競争の世界を経験し次のステップを目指すということは決して遠回り
ではありません。そして私たちもクラブチームでありながらも強い精神力
を持つことができる育成システムの確立を急がなければと考えています。
また、その育成システムを確立するために必要なのがアマチュアチーム
といえます。このアマチュアチームを持つためには活動拠点となるグラウ
ンドが必要であるなどなかなか条件が合わず実現に時間がかかっていま
した。今年になり産業能率大学サッカー部をこの強化プランの受け皿とし
て活用することで合意がされ、現在コーチをベルマーレより派遣しすでに
チームは強化活動を始めています。後に触れますが施設面でも多大な協力
をいただき強いベルマーレのユースも含めた活動拠点となりそうです。も
う少し育成に時間をかけて成長を見極めたい選手たちを昇格か卒業かの
ふるいにかけることなく育成できることは大きなアドヴァンテージとな
りえると考えています。
VISION2007
「計画的な育成システムの確立」を掲げて3年を迎えた昨年、育成普及
部門は確実な進歩を印しています。ユースチームは初参戦した関東プリ
ンスリーグで並み居る強豪チームと互角以上の戦いを続け総合2位とい
う成績で大躍進を果たしました。続く全日本ユース選手権ではベスト1
6という結果を残し、中心的な選手であった猪狩選手と林選手がトップ
チームに昇格しました。全日本ユース選手権で惜しくも敗れた名古屋グ
ランパス戦は90分間全員がピッチを走り続け、あと一歩のところまで
相手を追い込みました。最後の挨拶を終え倒れこんだ選手たちは私たち
クラブの目指す方向を垣間見せてくれ感動すら覚えました。ジュニアユ
ースチームも高円宮杯と JFA PREMIER CUP の神奈川大会で優勝、
関東大会へと駒を進めています。横浜 F・マリノス、川崎フロンターレ
などを打ち破っての2度の優勝は高く評価をされています。
- 34 -
アマチュアチームの受け皿としてスタートした産業能率大学サッカー
部との提携は順調に推移し引き続き鳥飼コーチが新たに就任した坂下監
督のもと強化を進めています。人工芝のピッチが整備されユースチーム
もこのグラウンドをお借りしチームの活動拠点になっています。今後さ
らに大学チームとの良好な強化育成策が進められていく予定です。
また昨年パラグアイに設立された NIKKEI BELLMARE との提携も
具体的に開始します。特に厳しい条件でサッカーを戦うことにより得ら
れるメンタリティーの向上などを目的に若い選手の交流を進めます。
そして昨年の結果に満足することなく、さらなる成長を目指し新たに
指導者としての今シーズンの指針を策定しました。
育成部門指導者としての心構え
OPEN MIND(意見を言う、聞く勇気を持とう)
O:思いやり(気配り)
P:プラン(長いスパン)
E:エネルギッシュさ(自発的に勉強する姿勢)
N:熱意(あきらめない、向き合う)
育成全員で選手を育てる当事者意識を持とう
VISION2008
下部組織にとって 2007 年シーズンは歴史的な成果の出たシーズンでした。
今年で 40 年を迎えるクラブ史上初めてジュニア、Jr ユース、ユースの各カ
テゴリーが地区予選を勝ち抜き全国大会へと駒を進めました。2004 年より育
成システムの改革を始め 4 年目にしてたどり着いた成果はさらに今後の選手
育成に大きな自信となる結果でした。
今シーズンも同じ方針のもと選手育成を進めてまいりますが、2 つの大き
な変更点がございます。一つは 6 年間「湘南ベルマーレオエステ」という名
称で二宮、小田原地区で活動していた Jr ユースチームを組織及び名称変更い
たします。チーム名は「湘南ベルマーレ小田原」となり、小田原出身でベル
マーレ OB 選手でもある山本富士雄氏にスパーバイザーに就任していただき
地域に密着した強化と活動を展開していきます。
もう一つの変更点は今まで選手育成部門として「下部組織」と表現してき
た育成及び普及活動を「ベルマーレフットボールアカデミー」と名称変更し
- 35 -
ます。育成と普及部門があることは変わりありませんが「べルマーレフット
ボールアカデミー」では単に技術だけでなく幅広く選手育成に取り組む育成
策を検討していきます。
この「アカデミー」では 900 人を超える子ども達を育成することに なりますが今年はホームタウン東部の茅ヶ崎、藤沢エリアでの拠点づく りも進めていきたいと考えています。
VISION2009
昨年組織変更した「ベルマーレフットボールアカデミー」は浅野哲也コー
チをアカデミーダイレクターに育成、普及そして地域のサッカーチームとの
コミュニケーションの発展をテーマに活動を続けています。
これまでの成果として事業内容を紹介するとコーチは総勢 25 名。このう
ち元 J リーガーが 9 名、海外チーム経験者 4 名など経歴豊かなコーチ陣構成
となっています。フットサル選手やビーチサッカーの選手が指導者の中にい
るのもベルマーレらしさです。使用施設は 8 箇所におよび、サッカースクー
ルは 10 箇所で行われています。指導を受ける子供たちは 1,000 人を超えま
した。さらに活動を広げ FUTURE2015 の実現に向けて歩を進めていきます。
地域のサッカー指導者とのコミュニケーションの場として「アカデミーカ
ンファレンス」を開催しています。2 月にはフィンランド代表監督バクスタ
ー氏を講師にコーチングに関する講演を行いました。今後はさらに回数を増
やし開催していきます。このような活動から地域の子どもの情報も吸収でき
るようにしていきたいと思います。ホームタウンの地域サッカー界でのベル
マーレアカデミーの活動と評価が今後の選手育成に大きくかかわってくるこ
とになり重視をしていきます。
現在、ベルマーレはこのアカデミー出身のアンダー日本代表を 3 名輩出し
ています。ビーチバレーの白鳥、楠原に続き、ロンドンオリンピックのピッ
チにベルマーレアカデミー出身者が立つことも夢ではありません。
VISION2010
新年度のベルマーレフットボールアカデミーは、新たなダイレクターとし
て元神奈川大学サッカー部監督の大森酉三郎を招聘しました。大森ダイレク
ターはホームタウン茅ヶ崎の出身で県サッカー協会をはじめ様々な人脈を持
っておりベルマーレの地域密着の育成、普及活動をさらに拡大をしていきま
す。神奈川県には 4 つの J リーグクラブがあり育成部門において独自のメソ
ッドを造り上げて行くことを重視していきます。その変革の一つとしてアカ
デミーは今年の小学 6 年生を最後にジュニアチームを終了させます。ジュニ
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アチーム活動は、ホームタウンの皆様にお任せをし、我々はスクールの選抜
クラス、スーパークラスの充実を図ります。特にジュニア世代のフットサル
技術の向上を指導に取り入れます。F リーグ得点王のボラなど F リーグの選
手も直接指導に参加します。またこれまでの指導指針に加え、ライフスキル
の向上というテーマでサッカー技術だけではない育成のあり方を構築して行
きます。
また新たに南足柄に地域の協会の支援を受けながらジュニアユースチーム
を 立 ち 上 げ ま し た 。 古 林 将 太 の 出 身 地 で も あ り 、 こ れ を 契 機 に ホ ー ム タ ウ ン で は あ り ま せ ん が 県 北 西 部 の 育 成 活 動 に 力 を 入 れ て い き た い と 考えています。
好評をいただいている「ベルマーレフットボールアカデミーカンファレン
ス」はさらに充実した内容で開催していきます。地域の指導者の皆様との良
好なコミュニケーションは今後も重要と考えます。
学校
学校の予習
家庭の手伝い
学校の復讐
フットボールの準
備
プレイヤーとして
のライフスタイル
家庭
フットボール
家庭 の手 伝い
け
フッ ト ボ ールの 後片 付
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VISION2011
ベルマーレフットボールアカデミーは大森ダイレクターの下「ライフスキ
ル」をテーマに着実に活動の輪を広げています。今年よりジュニアのチーム
活動を終了しスクール中心のジュニア活動となりました。GK、FW クラスや
コンディショニングに加えランニングなど様々な内容のクラスを増やし充実
させていきます。また、引続きジュニア世代のフットサル技術の向上を指導
に取り入れていきます。
移籍金制度の変更により、地道に活動し苦労を重ねて地域の子どもを育て
る小クラブの経営戦略は曲がり角を迎えています。J1 チームの中にも多くの
資本をトップチームに向け育成は J リーグのルールであるがゆえ行い、トッ
プチームの選手はスカウティングにより全国から連れてくるチームが散見さ
れます。また前述しましたように欧州の弱小クラブが選手育成の能力を武器
にチーム経営を支えるといった我々が目指した一つの経営の形が難しくなっ
てきています。今後のアカデミーの考え方をしっかり整理しなければならな
い時期なのかもしれません。しかし育成のための費用をどこまで捻出し続け
るかという経営的な議論はあるとしても、ベルマーレの歴史と存在価値から
すれば地域の子どもを育てそこから J リーガーを誕生させるということは止
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めるわけにはいかないことと理解しています。またそう賛同いただけると信
じ経営的問題を解決しこれまで以上の育成活動が出来るよう地域とのパイプ
を太くしたいと考えています。
VISION2012
ベルマーレフットボールアカデミーのダイレクターはクラブ生え抜きの高
橋和幸が務めます。ベルマーレ平塚の選手時代からベルマーレ一筋の高橋コー
チのもと 14 名の育成コーチ、15 名の普及コーチが新たな遠藤航や菊池大介を
生み出していきます。
アカデミーでは現在 FUTURE 2015 実現のためにフットサルの指導も取り
入れ「ベルマーレメソッド」の確立を急いでいます。その柱となる「アカデミ
ー育成 6 年間指導計画」には「指導者として最も重要なことは、選手が何を
感じているかを感じる情熱と努力である」と書かれています。
アカデミー出身のトップチームの選手は馬場、猪狩、鎌田、菊池、古林、遠
藤選手と 6 名にもなり開幕の京都戦では先発 11 人中 5 名がアカデミー出身選
手でした。他チームでは臼井、茂庭、磯崎、永里、鶴見、美尾、養父(やぶ)
などが活躍しています。神奈川県にはマリノスをはじめ 4 つの J リーグチー
ムが存在しています。ホームタウンの子どもたちがマリノスやフロンターレに
行ってしまう状況が存在し続ければ、本当に湘南で愛され地域に密着したクラ
ブにはなりえません。新たなクラブライセンス制度など小規模なクラブには大
変難しい環境になってきました。育成にはかなりの費用がかかります。アカデ
ミーのコーチ人件費だけでも約 8,000 万円かかっています。しかし経営が厳し
いからと言って育成の規模を小さくすることでクラブの将来性が担保される
のでしょうか。今シーズの序盤の何戦かを終え想うところは「継続は力なり」
ということです。今期の経営内容とチームの結果を勘案し育成に関しては再考
を求められるかもしれませんが、周りの意見がどうあろうとも 12 年の継続が
ベルマーレの理念を大きく育てているという現実は変えようがないのです。
VISION2013
今シーズンも河野諒祐選手がトップチームと契約し馬場、猪狩、鎌田、菊池、
古林、遠藤と 7 名になりました。他チームでプレーする育成出身選手も 6 名存
在し、湘南ベルマーレ誕生から 23 名がJリーガーとしてプレーしています。
平塚時代を含めると 37 名のJリーガーを生み出したことになります。この数
字は 40 クラブのリーグの中では胸の張れる数字であり今後さらに育成強化に
力を入れ育成の湘南という色をしっかり出していきたいと考えます。
今年からベルマーレフットボールアカデミーのダイレクターは昨年のトップ
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チームコーチ浮島敏が就任し更なる育成組織の充実を目指します。浮島コーチ
は前所属チームでも教え子がブンデスリーガーに移籍するなど選手育成に十
分な実績があります。引き続き FUTURE2015 後の指導計画や「ベルマーレメ
ソッド」を今年中に形にします。またスペインよりGK育成のスペシャリスト
としてジョアンコーチを招聘しました。GKはFWと同じく一人で局面を変え
てしまうポジションであり、世界のサッカーでこのポジションがクラブの要で
もあります。今日までの育成の結果、残念ながらGKを育成できていないとい
う結論に達し重要課題と位置付けジョアンに任せることとしました。これには
コーチも育てるという側面もあります。今後も私達は独自の人脈で直接欧州や
南米のサッカー先進国とコンタクトをとりオンリーワンのアカデミーを確立
していきたいと思います。
また育成組織の充実には資金が必要なことは間違えなく、その対策の一つと
して育成基金の設立を考え研究しています。クラブライセンス制により小クラ
ブにとって先行投資がしにくくなるなか育成資金の安定的な確保が新たな課
題となっています。
VISION2014
ベルマーレフットボールアカデミーは「ベルマーレメソッド」を多くの人に
理解していただき、また共有するため、多くの人がかかわり、書籍「縦の美学」
を発行しました。
J3 が始まり 51 クラブ時代、神奈川は 6 クラブがひしめきます。そんな環境下
で今まで以上に選手を育てるにはしっかりとした指導方針とサッカーに対す
る強化の考え方をしっかり発信することが重要になってきます。当然、時代と
ともにサッカーは変わり、指導方法も変わっていきます。過去、現在、未来を
常に考えながら生き物のように変わるサッカーに対処していかなければなり
ません。だからこそ、この「縦の美学」が起点となりベルマーレのオンリーワ
ン育成が成長できるのだと思います。ぜひご一読ください。
今年はアカデミー卒業者の何人かが他クラブに期限付き移籍をしていますが
所属チームで柱となり成長してフットボール人生を充実したものにしてもらい
たいと思います。いつの日かその経験がベルマーレアカデミーの知恵と力にな
ります。
またアカデミーをより充実した育成機関として成長させるためにお金の問題
は避けて通れません。年間約 1 億円かかるこの部分を厳しい経営の中で継続し
てきたからこそ今日があります。より皆様のお力添えをいただけるよう「暴れ
ん坊基金」を設立しました。育成はコーチだけ行うのでなくクラブを取り巻
く皆さんと共に選手を育てる。そんなクラブが本当の市民クラブだと思います。
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VISION2015
ベルマーレフットボールアカデミーは 2007 年に発表した「FUTURE2015」
の目標であった底辺拡大 2,000 人を達成しました。U-15 は藤沢、平塚、小田
原で活動し、スクールは今年から湘南台校が開校し 14 拠点になります。辻堂
のアスレティックセンターでは長年の課題でもあった女子の U-15 スクールも
スタートしました。ホームタウンが広域化しているベルマーレにとって普及活
動はクラブのライフラインでもあります。2020 年には 2,500 人を目標として
引き続き底辺拡大による地域密着を進めていきます。
一方「FUTURE2015」で目標にしていた登録選手中、半分以上をユース出
身選手にすることはできませんでした。現在、菊池、古林、遠藤、岡﨑の 4 名
がトップチームに所属しています。仮に移籍した馬場、鎌田、河野などがいて
も 7 名ですので 14~15 名にはまったく届かないことになります。新たな目標
ではもう少し現実的なターゲット、例えば在籍選手は当然ですが移籍して現役
を続ける選手などサッカー界全体も加味しながら設定したいと思います。
目標ではありませんでしたがアカデミー出身の遠藤航がリオデジャネイロ
オリンピック出場を目指す U-22 日本代表のキャプテンであるという事実は後
輩たちを勇気づける素晴らしい事実です。1 次予選の厳しい連戦で一人だけ 3
試合先発出場したことはクラブとして誇りに思います。怪我だけは心配でした
が。ビッグクラブに集まる優秀な才能を差し押さえての代表での評価は、ベル
マーレフットボールアカデミーの評価でもあると思います。
引き続き「縦の美学」を聖書に育成の成果を向上させたいと思いますが、環
境整備や遠征などかかる経費も増加していきます。「暴れん坊基金」などを充
実させご支援をいただきながら第 2、第 3 の遠藤を育てていきたいと思います。
VISION2016
2016 年よりフットボールアカデミーと強化部体制の再構築をしました。強
化部は一個人が多くの采配を振る組織からアカデミーやスカウト、経営者、監
督が協議しながらスタイルを継続できるようする強化に対する役員会として
「テクニカルボード」をつくりました。クラブのサッカー文化、フィロソフィ
ー、スタイルを守り、より発展させて行くための判断を行うことを目的として
います。予算、選手、スタッフ選定、評価、施策策定など 15 におよぶ項目を
定期的に確認、協議しながらベルマーレの強化を進めます。リーダーはフット
ボールアカデミーのダイレクターである浮島敏コーチが就任しトップからジ
ュニアユースまで一貫した強化策を推し進めます。
古林将太、遠藤航は移籍をしてしまいましたが、アンダークラスの日本代表
に齊藤未月や石原広教が選出され活躍していることは遠藤以下の世代からな
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かなか代表クラスが出て来なかった悪い流れを止めたと言えます。齊藤はナ
ビスコカップ第 4 節の磐田戦で先発出場をしプロ選手に混じり遜色ないプ
レーをしていました。菊池大介や遠藤が 17 歳でデビューをした時のことを思
い出します。今後、今季加入した神谷優太や彼らに続く若い世代の選手達
はテクニカルボードの中でトップ選手と同じように評価され成長を促す
ことになります。
育成には費用がかかります。「暴れん坊基金」などで皆様のご支援を引
き続きお願いしながらクラブフィロソフィーを貫いていきたいと考えていま
す。
*新たな活動拠点づくりと移転
「4 つのクラブハウス」
VISION2004
湘南ベルマーレは2000年の発足以来ベルマーレ平塚時代同様に活動拠
点を平塚市大神においてきました。強化の環境を最大限に優先するため(株)
フジタより賃貸をし 5 年目を迎えています。しかしながらここにかかる経費
は年間予算の約 10%に達し経営を圧迫しているのも事実であります。今後平
塚市と交渉を重ねナイジェリアキャンプ地で新設された馬入公園サッカー場
を活動の拠点にできないか模索をしていきます。
(平塚市は 2002FIFA ワー
ルドカップ記念事業に本年度も申請を予定しておりこれに伴いグランドの増
設および改修がおこなわれる可能性があります)
また、ホームタウンの広域化に伴い活動を 7 市 3 町に拡大しましたが、十
分成果が上がっていないことも事実です。小田原ではベルマーレオエステと
名づけたジュニアユースチームが 3 年目を迎え地域に定着しつつあります。
このような活動をさらに推し進めるにはたとえ規模は小さくとも活動拠点を
複数化する必要があります。ホームタウンを 4 つのエリア【南(平塚・本拠
地として)西(小田原、二宮、大磯、隣接市町)東(藤沢、茅ヶ崎、寒川、
隣接市町)北(厚木、伊勢原、秦野、隣接市町)】に大きく区別し少なくとも
4 箇所の拠点作りを進めたいと考えます。そのために下記に列記する 3 つの
活動により拠点確保をすすめたいと考えます。
○私たちは、ホームタウンの各市町、体協やサッカー協会と連携し公共の
施設にクラブ拠点を構え、管理業務等の委託業務を受けたいと考えています。
スポーツに関する知識とノウハウが高いクラブが管理を手がけることにより
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市民がより使いやすく、そしてより高いレベルのスポーツ指導が定着し市民
に親しまれる運営をしていくことができると考えます。スポーツクラブスタ
ッフが常勤することにより施設の利用時間もより長く市民に開放することが
でき、また芝生グランドの利用内容もより行き届いたものとなり市民の利用
に対してより有益な結果を生むこととなると思います。生涯スポーツが大き
な課題の昨今私たちのノウハウで地域スポーツの活性化のお手伝いをさせて
いただきたいと考えています。清水市はサッカー施設 J ステップの管理委託
業務を清水エスパルスに委託し、より行き届いた運営を確立しています。我々
も全国に先駆け行政と民間団体と市民の協力による公共施設の有効利用の最
善例を目指したいと考えています。ヨーロッパによく例が見られる公共施設
の運営受託や公設民営化への積極的参加を平塚市はもとよりホームタウンの
他都市に働きかけていきます。
○行政との受託事業を模索しながら同時に民間企業とのコラボレーション
事業もすすめます。スポンサーや地元企業とフットサル場&スクールの事業
開発を進めたいと考えます。遊休地を抱えた地域企業と民間デベロッパーと
協働し私たちの運営ノウハウとブランドをミックスしたアミューズメントフ
ィールドの開発を進めます。
○J リーグの理念の一つでありますスポーツの振興を底辺で後押しする活
動に自然芝のグラウンドを奨励する事業があります。
Mr.ピッチはまさにこのためのキャラクターであることはご存知かと思
います。ベルマーレもこの活動をホームタウン内で広く進めるため 4 月 29
日みどりの日を「ベルマーレの日」とし、自然芝の普及活動を進めたいと考
えます。幼稚園や施設などに芝生の種や芝をプレゼントし子どもたちに緑の
グラウンドを体感してもらいます。また自然芝の最大の問題である管理運営
に関して活動を支えるボランティアグループを立ち上げみどりのネットワー
クづくりを進めます。28 の J リーグホームタウン都市のなかでもっとも子ど
もたちが自然芝のグラウンドでスポーツができる環境作りを目指します。
VISION2005
現在の活動拠点大神グラウンドは昨年㈱フジタより学校法人に売却がされ
10 月よりクラブハウスの一部は使用できなくなり駐車場内に立てられたプ
レハブ棟を併用して活動を続けています。学校法人のご理解により建物及び
グラウンドは 2 年間の使用が許されています。この期限の切れる平成 18 年 9
月をめどにクラブは移転をしなければなりません。そんな状況下、昨年申請
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をいたしましたワールドカップ記念事業の「モデル的地域スポーツ環境整備」
の助成金の交付を受けることが決定し、懸案であった馬入ふれあい公園への
拠点の移動が現実的な話となってきました。しかし今回の助成でグラウンド
の確保は進みましたがクラブハウスに関しては別途考えていかなくてはなり
ません。遅くても今年中には何らかの対策案を発表できるよう今後は平塚市
と協議を続けながら新たな拠点のあり方を模索していきます。
またホームタウンの広域化にともなう 4 つの拠点作りでは、拠点づくりの
1 つの手法として公共施設の指定管理者制度による管理受託に関して積極的
にノウハウを蓄積し総合型スポーツクラブ事業と協業させ新たな事業の柱と
したいと考えています。
民間事業者とのコラボレーション事業としては今年の 7 月秦野市にスポン
サー企業と共にベルマーレのブランドでフットサル場をオープンさせます。
今まで活動が行き届いていないエリアでの新たな拠点となり地域に密着した
活動ができると期待しています。今後さらにオエステの活動拠点の確保や設
立を予定しているアマチュアチームの活動拠点づくりなどを 7 市 3 町の中で
進めてまいります。
自然芝の普及活動は小学校のグラウンドの芝生化を支援し、管理、使用
などをアドバイスしていきます。今年度中に芝生化を予定している小学校で
具体的な活動を始めます。また昨年、4 月 29 日みどりの日を「ベルマーレの
日」としましたがみどりの日が 5 月 4 日に変わるのを受け「ベルマーレの日」
も 5 月 4 日と変更いたします。
VISION2006
活動拠点である大神は今年 9 月末をめどに移転をしなければなりません。
馬入ふれあい公園サッカーグラウンドへの移転はすでに周知の事実ですがい
まだに滞在するクラブハウスのめどは立たず、残念ながら数箇所に分散して
活動することが現実的となってきています。またグラウンドも市民との共有
を前提とした使い方になるため今後ご理解を関係各方面にいただかなくては
なりません。
新たな活動拠点となるサッカー場は平塚市の指定管理者として NPO 法人
湘南ベルマーレスポーツクラブが 4 月より施設管理を始めています。市民と
のより効率よい使用管理を進めチームの活動に支障をきたすことがないよう
にしたいと考えています。
ホームタウンの広域化にともなう 4 つの拠点作りでは昨年 7 月に秦野市内
にフットサル場がオープンし活動をスタートしました。また今年 6 月には藤
沢駅前に江ノ電と共同でフットサル場をオープンさせる予定です。長い間活
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動の拠点を持てなかったところだけに今後の活動に期待が持てます。また 9
月にも別の場所にて施設運営の計画が進んでいます。また産業能率大での活
動も始まるため、今年は大神、馬入、秦野、藤沢、伊勢原は活動拠点になり、
そのほか二宮、厚木、鎌倉などでも育成、普及活動を活性化していきます。
自然芝のグラウンド作りは昨年平塚市内の勝原小学校、富士見小学校、松
ヶ丘小学校で選手、監督、スタッフも参加し芝張りがおこなわれ、その後、
先生、PTA、地域の皆さんに守られ緑の芝生は子供たちと一緒に成長してい
ます。
今年も 5 月 4 日みどりの日の前日ホームゲーム開催日に「ベルマーレの日」
として緑の芝生教室を開催します。多くの人々に緑のグラウンドの重要さを
訴えていきます。
VISION2007
多くの皆さんにご心配をかけ、またご支援をいただいた移転は大神より馬
入ふれあい公園及び隣接地に移ることにより当面の活動に支障のないように
することができました。現在の使用状況は下記の通です。
◎トップチームの使用状況
グラウンド
自然芝 2 面
ロッカールーム
管理棟 2 階
マッサージ
1 階シャワールーム内
トレーニングジム
アリーナ内控え室
ミーティングルーム
アリーナ内会議室
食堂
民有地内別棟建物
監督、コーチ、スタッフ
民有地内別棟建物
馬入公園内には JFA の記念事業の予算を使い新プレハブ棟が完成(約 200
平米・4 部屋)し現在は物置と多目的ルームとして設定されています。う
ち1部屋をミーティングルーム兼食堂として借用中ですが今後さらに使用
できるよう行政に希望を出していきます。
今シーズンについてはこの新プレハブ棟を有効利用していきます。ただし、
グラウンドを含め公共の施設ですので市民との効率の良い共有を進め、よ
り良い共有によりクラブが評価されるよう努力することも重要だと指導し
ています。並行して従来通り市民共用の便益型クラブハウスの実現を目指
し、クラブ内に担当をおき行政と引き続き話し合いを続けていきます。
また、
「新たな活動拠点づくり」は順調に進み現在、平塚馬入、秦野フット
サル場、藤沢フットサル場、伊勢原産業能率大学を活動拠点に事業を進め
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ています。今シーズンは小田原に F リーグ(フットサル)参戦による新た
な拠点作りを進めます。普及活動のサッカースクールは上記活動拠点以外
に鎌倉と厚木(2 箇所)を加え 7 箇所となっています。
馬入ふれあい公園における指定管理業務は順調に推移しています。昨年は
通常業務以外に施設有効利用の市民向け事業とし未就学児向けのオープン
フィールド(人工芝)を試験的にはじめたところ大変好評でした。今期は
自然芝グラウンドを含め地域の幼稚園、保育園を招き幼児を中心にオープ
ンフィールド進める予定です。自然芝の上で子供たちが自由に遊べる時間
と空間の提供を計画中です。
VISION2008
皆様のご援助のもと馬入公園内および近隣に移転し 2 年が過ぎようとし
て い ま す 。 私 た ち が 要 望 し て い ま す 「 市 民 共 用 の 便 益 型 ク ラ ブ ハ ウ ス 」 は 実 現 の 目 処 が た っ て い ま せ ん が 引 き 続 き お 願 い を 続 け て いきます。賃貸の期限が終わります隣地事務所棟の利用は引き続き利用が
出来るよう地権者様に内諾を頂いております。現在の利用状況は下記の通
りです。
グラウンド ロッカールーム マッサージルーム トレーニングルーム 食堂 監督、スタッフルーム 会社 自然芝 2 面
新プレハブ棟 2 階
管理棟シャワールーム
新プレハブ棟 1 階
新プレハブ棟 2 階
隣地民有地内建物
隣地民有地内建物
現在、馬入が活動拠点の中心地になっていますが、産業能率大学サッカー
場が第 2 の活動拠点となりトップチームをはじめユースチームの拠点とな
っています。
「新たな拠点づくり」としましては秦野、藤沢のフットサル場
のほかフットサルクラブの拠点として大井町のズックフットサルベースで
も活動をはじめました。また湘南ベルマーレ小田原の拠点が夏頃には完成
します。今年はホームタウン東部の茅ヶ崎、藤沢エリアでの拠点拡充を目
指し活動していきます。
また、指定管理業務では馬入ふれあい公園サッカー場に加え新たに湘南
ひ ら つ か ビ ー チ パ ー ク と 大 磯 運 動 公 園 の 指 定 管 理 業 務 を 行 う こ と に な り ま し た 。 海 岸 で は ビ ー チ サ ッ カ ー ス ク ー ル 、 大 磯 - 46 -
で も サ ッ カ ー ス ク ー ル を ス タ ー ト さ せ ま す 。 馬 入 で は ソ フ ト ボ ー ル の 安 藤 監 督 、 ビ ー チ パ ー ク で は 川 合 GM 、 そ し て 大 磯 で も ス ク ー ル コ ー チ が 指 定 管 理 業 務 に 従 事 し て い ま す 。 ヨ ー ロ ッ パ の ス ポ ー ツ クラブに少しだけ近づくことができたと思っています。
VISION2009
馬入移転時よりご心配をおかけしているクラブハウス問題は依然解決
しておりません。当初より行政にお願いしてきました「市民共用の便益
型クラブハウス」の実現を目指していきます。
現在お借りしている民有地に関しましては地権者にご理解をいただ
き、さらに 2 年間の契約更新をさせていただきました。そして、産業能
率大学様にも引き続きご理解をいただきユースを中心に練習場等様々な
施設利用をさせていただいております。
また、指定管理業務は小田原市の上府中運動公園の業務を受注するこ
とができフットサルチームの選手を中心とした管理体制を検討中です。
更なる活動拠点の確保を目指して行きますが、特に昨年から申し上げて
います東部、藤沢、茅ヶ崎での拠点拡充が必要と考えています。
今後、最も重要になる競技場の問題も積極的に対策を検討していかな
くてはなりません。J リーグからは内々に競技場に関する要望が出てお
り、昇格時の問題とは別の考え方で対処していかなければ、将来開催自
体に影響が出ると危惧しています。
VISION2010
指定管理業務は新たに開成町の開成水辺のスポーツ公園が加わりまし
た。南足柄のジュニアユースと共に県北西部の活動拠点として地域密着の
活動を進めて行きます。現在、馬入ふれあい公園、ひらつかビーチパーク、
大磯運動公園、小田原上府中運動公園と 5 箇所になり地道ながらホームタ
ウン活動が広がっています。 また長年の懸案であった東部での拠点として茅ヶ崎に亀井工業ホール
デ ィ ン グ ス と の 共 同 事 業 と し て 、 湘 南 ベ ル マ ー レ 茅 ヶ 崎 フ ッ ト
サルクラブをオープンいたしました。フットサルコート 3 面の広さ
が あ り サ ッ カ ー の 指 導 も 可 能 で あ り 今 後 は サ ッ カ ー 協 会 と も 協 力
し茅ヶ崎を中心とした東部のサッカー普及を展開して行きます。
引き続き産業能率大学での活動も多大なご支援をいただており、今後も
活動拠点の拡充を進めブランド定着をめざします。
本 拠 地 の 馬 入 ふ れ あ い 公 園 で の 便 益 型 ク ラ ブ ハ ウ ス の 問 題 や 平 塚
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競技場の整備問題などは今後も行政と協議を続けてまいります。昇格を果
た し リ ー グ の ル ー ル 上 設 置 が 必 要 と さ れ た 大 型 映 像 装 置 に 関 し て は 対 応 を 進 め て い た だ い て お り 秋 口 に は 設 置 さ れ る と 思 い ます。
VISION2011
10 市町のホームタウンに拠点作りを進めてきました。結果とし昨年
オープンしました茅ヶ崎フットサルクラブなどホームタウンで多くの活
動拠点を確保し様々な活動を通じ、各地域とのつながりを確実に広げて
います。茅ヶ崎では鍼灸治療も可能な「ベルマーレ茅ヶ崎コンディショ
ニングセンター」もオープンし今後各地に展開していく予定です。また、
ホームタウン東部、特に藤沢北部エリアでの活動推進の拠点を探してい
きます。指定管理業務の受注などを通じ引続きベルマーレの拠点作りは
拡大をしていきます。
しかしクラブの活動拠点のあり方を再度検証すれば、やはりクラブの
本店である馬入でのクラブハウスのあり方をはじめ、大型映像装置は完
成したもののホームスタジアムである平塚競技場の整備の推進にあると
考えます。馬入ふれあい公園での市民と共有できる便益型のクラブハウ
スの再提唱は必要不可欠で toto を積極的に利用した競技場の再整備も
実現しなければなりません。昨季 J1 リーグを戦い各スタジアムを訪問し
て改めた感じたことです。
VISION2012
湘南ベルマーレとして生まれ変わりホームタウンを 10 の街に拡大し
て以来、おらが街のチームとして認めてもらうために私たちは活動拠点
を増やしてきました。現在スクールは馬入、及川、厚木南、秦野、鎌倉、
伊勢原、藤沢、大井、大磯、茅ヶ崎、上府中、開成と 12 箇所。今年中に
は人工芝化された藤沢の秋葉台が増え 13 箇所になります。ジュニアユー
スチームは馬入、小田原、南足柄の 3 箇所。指定管理業務が馬入ふれあ
い公園、湘南ひらつかビーチパーク、開成水辺スポーツ公園、上府中公
園の 4 箇所。
産業能率大学とのコラボレーション事業も 5 年目を迎え大学キャン
パスを使ってのスポーツ振興が進んでいます。井原コーチが監督を務め
る平塚学園サッカー部も育成が成果を求められるところまで来ています。
茅ヶ崎コンディショニングセンターは昨シーズンまでトップチームを支
えていた飯盛トレーナーも従事し多い日では 80 人を超えるお客様をお
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迎えしています。茅ヶ崎フットサルクラブにはクラブハウスの新築が予
定されていて更なる活動拠点となりそうです。若干スタートしています
女子サッカーの普及も OB の上田元監督、菅野元監督のアドバイスをい
ただき特に受け皿の少ないジュニアユースの活動を考えていきたいと思
います。
皆様のご理解でここまで活動拡大をすることができましたが、やはり
最大の懸案事項は本拠地のクラブハウス問題です。引き続き民活での整
備も含め行政と協議を進めていきます。またライセンス制度導入により
競技場の屋根の設置が求められる可能性が高いため、災害時の防災公園
としての機能を持ったソーラーパネルのある屋根の提案をしていきたい
と考えています。
VISION2013
本年2月に本社を従来のプレハブから隣接地の4F ビルに移動させま
した。本来公園内のクラブハウス構想があり、あくまでも仮設であったプ
レハブは昨今の豪雨時には雨が吹き込むなどの被害もあり移転を模索して
いました。新施設はスポンサーでもある㈱トモニアスが購入しリホームさ
れ、私たちが借りるという形になっています。1F には茅ケ崎に続きコンデ
ィショニングセンターがはいり下部組織の選手の対応まで可能にしました。
もちろん一般のお客様も利用できます。2F は選手食堂がありユースの選手
も食事がとれます。3F が会社機能、4F がトップチームスタッフとなりク
ラブ間の人の交流が良好になりました。今後も選手のために浴室などの施
設やトレーニングルームなども十分でためクラブハウス新設に向け行動し
ていきます。
茅ケ崎フットサルクラブにもクラブハウスが新設されました。更衣室、
シャワールーム、広めのミーティングルームなども完備し今後は育成組織
の講習なども開催でき茅ケ崎の育成拠点となっていきます。指定管理業務
も4月から中井運動公園がスタートし昨年の大和を加え6か所になります。
積極的にスポーツイベントの誘致などをしていきたいと考えています。
今季中に藤沢エリアへ新規の活動拠点を確保したく活動していきます。
江ノ電さんの協力で運営しています藤沢フットサルクラブは 1 面のみの
ためキャパがいっぱいになりかけています。秋葉台公園は毎日の活動が不
可能なため茅ケ崎のような施設が必要と考えています。また施設確保が実
現すれば女子サッカーの育成関連の活動が可能になります。
再び J1 に復帰して改めて競技場の改修に関しては急務であると感んじ
ています。皆様の後押しも受けながらJリーグ事務局とも協議し競競技場
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の改修に向け世論の賛同を得たいと考えます。
VISION2014
長年の懸案事項でもあった藤沢の拠点がこの 4 月に稼働しました。
辻堂駅から車で 5 分ほどの場所にフットサルコート 4 面、クラブハウスを
備え、トレーニングルームと治療院のベルマーレコンディショニングセン
ターの機能も備えます。ここには U-15 の新チームが誕生しトップコーチ
も務めた浮氣コーチが指導をします。グラウンドはサッカーだけではなく
バレーボールも可能で昼間は近隣住民をターゲットに健康づくり教室など
も行います。また近いうちに女子のスクールも視野に入れ、JFA のなでし
こ広場の申請を行う予定です。湘南地区の子どもたちが 2020 年東京オリ
ンピック出場を目指し、スポーツに親しむ場所にしたいと思います。総合
型スポーツクラブの湘南ベルマーレが初めて手掛ける、少し小さいですが
悲願のスポーツクラブです。したがって施設名称も「湘南ベルマーレアス
レティックセンター」としました。ここでの新たなスポーツ振興として小
田原スポーツマーケティングがオリンピック競技となるラグビーのセブン
ズ(7 人制)を立ち上げる予定です。リーグ戦はありませんので将来のオ
リンピックを目指すアスリートの受け皿と考えています。また、セブンズ
を応援することにより同じ競技場を使用するため競技場の必要性をラグビ
ー界とともに行政に訴えていけるとも考えています。
そして、拠点づくりでは多くの成果を上げてきましたが、最大の拠点で
あるホームスタジアムに大きな問題を抱えています。ライセンス制の問題
からも早期のスタジアム改修をお願いしていかなければなりません。入場
者数問題は 18,500 人から 15,100 人と現地調査を踏まえリーグに修正をお
願いし、かろうじて J1 ライセンスが発給される 15,000 人をクリアしてい
ます。しかし屋根の増設や立見席の個席化など問題は山積みで、ライセン
ス基準が厳しくなることも予定されている現在、対応が急務です。そんな
中、昨年からサポーターの有志の皆様が続けてくださっている署名活動が
良好な影響になり平塚市が今年度の予算に調査費を計上してくれました。
見やすいスタジアムは経営にも大きく影響します。引き続き皆様の後押し
をよろしくお願いいたします。
VISION2015
7 月上旬、皆様から寄付もいただき建設の決まった温浴施設のあるクラ
ブハウスが完成します。馬入移転後からの懸案事項であり、選手のために
最低限用意すべき施設でした。速く、そして厳しく走り続ければ体への負
- 50 -
担も大きいわけで、少しでも良い体のケアをしたいという欲求はプロとし
て当然のことです。皆様の浄財でこのクラブハウスを着工できたことに改
めて感謝します。
最初は 4 つのクラブハウスというテーマでこの章はスタートしましたが、
現在 U-15 が 3 か所、スクールが 14 か所、コンディショニングセンターが
5 か所と順調にベルマーレの支店が増加しています。現在の最大の懸案事
項は支店ではなく本拠地中の本拠地、ホームスタジアムにあります。すで
に今年は 3 度の満員を数えていますが、これは素直にうれしい反面コンビ
ニでいう「機会の損失」にあたると危機感を持っています。一つには今後
のクラブの J1 定着のために拡大予算を考えていくと、同じ規模のクラブに
も入場料収入で太刀打ちできない。したがって同規模のクラブと強化費で
差をつけられてしまう。もうひとつは 15,000 人を超える発表がないのは安
全面を考慮し入場数をコントロールするからですがそれが実際 15,000 人
入れていないのだからライセンス違反ではないかと疑問を持たれることで
す。水戸ホーリーホックは新スタジアムを持ちながらも震災の影響もあり
入場者数のハードルを超えられず J1 ライセンスが発給されていません。
この問題に関しては平塚市も昨年度に調査費を確保し、スタジアム改修
検討委員会を設置し J リーグ事務局も参加し協議を重ねてきています。
近々に内容について発表されると思いますので市民の皆さんのご意見をい
ただきたいと思います。
また、馬入の人工芝のグラウンドが施設され相当の年数がたち人工芝が
固まり子どもたちが怪我をする事例が増えています。昨年には日本サッカ
ー協会の公認も期限切れになっており一部の公式大会をひらくことができ
ません。こちらも早々の改修が必要であり協議をしていきます。
VISION2016
長年の懸案事項だった馬入ふれあい公園サッカー場の人工芝は平塚市に
より予算が確保され今シーズン中に張り替え工事が始まります。しか
し工期が 5 ヶ月と長いため長期にわたってアカデミーやスクールの活動
が継続できなくなる可能性が高く対応に苦慮しています。相当数の子ども
達の活動に影響が出ないように代替え地などを探さなければなりません。
活動が休止してしまうと NPO 法人の経営に大きな損害が発生ることになり
ます。
そして最大の懸案事項であるスタジアムの改修ですが最上段に個席の
椅子が設置されました。それ以上のスタンドに関する今シーズン中の改修
はなくなりました。いずれにしろどのような改修をどのような期間で
- 51 -
するかも確定しないため平塚市にお願いを続けていきます。藤沢のある
団体では藤沢に専用の球技場ができないか調査、活動を始められていま
す。大変ありがたい活動です。J リーグでは現在 10 を越える専用の球技
場の検討がなされています。2019 年のラグビーワールドカップに向
け、他競技とも連携して活動をしていきたいと考えます。昨年のホームゲ
ームでは 6 試合で 14,000 人以上の入場を記録しました。安全のための対応
等を考えれば 15,000 人の入場は困難であり早期の改修が不可欠であると
考えます。
茅ヶ崎市柳島に PFI 方式で建設予定の陸上競技場は着工になりました。
湘南ベルマーレスポーツクラブも SPC(特別目的会社)の共同事業体に
名を連ね、完成後 20 年間管理運営を行います。日本のスポーツ施設として
は前例のない試みで、この柳島の事業には全国の目が向けられています。
いかに優良なスポーツ施設として機能させるかがベルマーレの新たな挑戦
になります。
秋口にオープン予定のららぽーと平塚では何らかの共同事業ができな
いか現在折衝中です。ベルマーレとショッピングセンターがスポーツを
通じて他の都市ではできないコラボレートができるのではないかと考えて
います。
*サポーター 後援会 ホームタウン「対話」
VISION2004
サポーターとの対話の場をつくっていきたいと考えます。年 3 回、開 幕前の 3 月、シーズン折り返しの 7 月、閉幕後の 12 月に開催をしたいと
考えます。当然クラブとしては話せることと話せないことがありますがサ
ポーターの皆さんの声を聞く場としていきたいと思います。サポーターの
皆さんとの距離が離れないようにすることが大切だと考えます。また競技
場内に来場者のご意見を聞く箱を設置し対応可能なものに関しては順次対
応していきます。競技場に関しては駐車場や、託児所、飲食など多くのご
意見をいただいています。直接的なご意見をいただくことにより行政との
対話も進めていきたいと考えます。
また湘南ベルマーレになってから活動が途絶えていました後援会に関
して地域の方々に再結成を呼びかけお願いしていきたいと考えています。
1999 年は多くの熱意が「5000 人の会」や「市民後援会」などを立ち上げ、
ご支援をいただきました。
2000 年からは皆様の活動を「サポーターズクラブ」へひとつに統一
- 52 -
いただきました。しかし本来サポーターズクラブと後援会は「してもらう」
と「してあげる」で根本的な大きな違いを抱えています。今回新たな後援
会づくりをしていただき、支援いただいている皆様と対話を増やしていき
たいと考えています。
当然ですがホームタウンの行政の方々との対話も推し進めなければな
りません。行政との対話の窓口であったホームタウン推進協議会の開催を
再開し、ホームタウンでの情報拡大を図るためにも自治体の広報活動には
キャラクターやロゴの無償開放を進めます。またご支援いただく商店街や
団体にも一定の条件での開放を進める予定でいます。ホームタウンでのポ
スターやフラッグの掲出、自治体の広報誌や地域情報誌での露出を積極的
に高めホームタウンでの対話の活性化に努めます。
VISION2005
サポーターとの定期的な対話の場をつくるためスタートしたクラブカ
ンファレンスはすでに 3 回を数え次回はシーズン折り返しの 7 月下旬を予
定しています。回を追うごとに新しさが失われていくため今後は新しい趣
向も入れ中身のある充実した対話の場にしたいと考えています。また競技
場内に皆さんの意見をいただく箱として設置した YELL BOX には昨シー
ズン 652 通もの応援メッセージやご意見をいただきました。対応できるも
のは順次対応させていただいています。今シーズンもたくさんのご意見を
いただければと思います。
後援会については現段階では再結成はされておりませんが、引き続き後
援会の復活を皆さんにお願いしていきたいと考えています。7 市 3 町のホ
ームタウンでそれぞれの町から声が上がればそれぞれのスタンスでお願い
ができれば幸いです。ホームタウン推進協議会も再開をお願いし行政との
対話を増やしていかなくてはなりません。
行政や日ごろご支援いただいている商店街、団体へのキャラクターやロ
ゴの無償開放については今シーズン平塚の紅谷パールロードで装飾フラッ
グにキングベルがいったものがお目見えする予定でいます。こういったこ
とでキャラクターが街並みで多く見られるようにすることは私たちのこれ
からの課題です。
VISION2006
サポーターの皆さんとの対話の場「クラブカンファレンス」はすでに
定着していますが、より価値のある議論ができる場にしていかなければ
なりません。昨年からはより経営の内容について数字をあげて説明をし
- 53 -
ていますが、今後は強化の方針などもよりわかりやすく議論できる環境
を模索していかなければいけません。競技場内の YELLBOX やメールを
通して皆さんのご意見をシーズン中もいただいておりますが更なるコミ
ュニケーションの手法を考えたいと思います。
また今年より平塚のラジオ局・FM湘南ナパサで「ベルマーレホルダ
ースタジアム」というオフィシャル情報番組をスタートしました。サッ
カーだけにとどまらず、クラブのスポーツ情報なども取り入れた情報発
信をしていきます。
後援会については残念ながらまだ結成をするに至っておりません。
ソフトボールに関しては厚木市を中心として後援会が結成されクラブ経
営のバックアップをいただいております。サッカーに関しても同様の支
援をいただけるようお願いを続けていきます。また、ビーチバレー、ソ
フトボール、トライアスロンを取り入れたファンクラブづくりも今後展
開をしていきます。
ご支援いただいている団体等へのロゴの無償提供はベルマーレの 提
供したロゴで応援フラッグを製作いただいたうえ商店街に配布いただき
街をベルマーレ色で埋めるキャンペーンに発展しています。
更にロゴ、キャラクターが街で見かけられるよう企画提案してまいりす。
VISION2007
2004 年から始めた「クラブカンファレンス」は 9 回を数えました。
昨年のシーズン末と今年のシーズン初めのカンファレンスには強化部
長が出席しシーズンの検証や強化のビジョンをお話しました。すべてを
お話しすることはできませんが可能な範囲で強化の考えや反省を伝える
ことができたかと考えています。また、将来の経営の方向性なども伝え、
サポーター皆さんの考えを聞く場所としても有効な場所として機能して
きていると考えています。今後もクラブとサポーターの貴重な対話の場
所として継続をしていきます。
昨年から平塚 FM ナパサでスタートしましたオフィシャル情報番組
「ホルダースタジアム」は今シーズンも引き続き継続していきます。平
塚以外でこの情報番組を伝える手段について考えていきます。
また、街でベルマーレがさらに見え、皆さんの親近感が増すよう続けて
ますロゴ、キャラクターの無償提供活動ですが、今シーズンはごみを減
らす運動への協力としてマイバック(買い物袋)運動へ参加します。今
年中に街のあちこちでキングベルのマイバックが見られるようにしたい
と考えています。
- 54 -
長年の懸案事項の後援会の設立は引き続きお願いを続け、価値の高い
後援会が誕生しご支援がいただけるようになれば幸いです。
VISION2008
年 3 回開催されているクラブカンファレンスは直接顔を見ながら対話
のできる場として定着をしてきました。シーズン後は監督も参加をする
という形になってきたことは、継続してきたひとつの成果であると思い
ます。4 年間継続してきた反省点としては限られた時間のなかで行われ
るためひとつの大切な議論、たとえば過去であればクラブハウス移転問
題などを深く掘り下げて議論することができません。今年はシーズン中
にテーマを絞った対話の場を作っていきたいと考えています。
結果の出だしたチームをホームタウン内で更に認識してもらうため
に各ホームタウン行政との関係をより良好にしていきます。開催の途切
れているホームタウン推進協議会を行政にお願いし、行政との対話の場
として再開したいと考えています。昨年フットサルを小田原でスタート
したことは小田原市との今までにない関係構築を可能にしました。ホー
ムタウン内の拠点作りが進み、また延べ 73,000 人を越える小学生とふれ
あった小学校体育巡回授業の活動は各行政との信頼関係を着実に積み上
げてきています。存続危機の時代とは環境は大きく変わっている今、よ
り一層の協力関係を模索していきます。その中から新たなホームタウン
の拡大など検討することも出てくると考えています。
キャラクターの無償提供活動として平塚市内の小学校の新入学生がラ
ンドセルにつける交通安全の黄色のカバーにキングベルを使用していた
だきました。キャラクターの無償提供活動はホームタウンの皆さんから
のご提案をいただき公益性の高い事業には積極的に展開していきたいと
思います。
VISION2009
長年の懸案である後援会については、設立をお願いし待っているだけで
はこの結果の出ている時期を逃すとさらに設立は難しくなると考え、新た
な策を検討しています。それはジュビロ磐田の支援団体「連絡協議会」を
参考にした組織です。我々は仮称「ベルマーレ・パワーズ」と呼び設立準
備を始めます。これは既存の団体、たとえば法人会や JC、ライオンズ、ロ
ータリークラブなどに参加していただきベルマーレ支援のための情報交換、
支援活動をしていただこうというものです。当然団体に所属していないサ
ポーターのためにも複数人で団体登録できるようにしベルマーレを応援い
- 55 -
ただける方すべての方が参加できる形態にいたします。「ベルマーレ 12」
の稼動により私たちは 1 万人を超えるサポーターの皆様と連絡パイプを作
らせていただきました。
「パワーズ」はこの法人、団体版とお考えください。
この組織内に各部会を設置し検討の場を作り、市民の声として行政等との
対話の場をより有効に機能させていきたいと思います。たとえばスタジア
ム部会は競技場の要望を検討するなど、応援部会はスタジアム全体がより
一層盛り上がるようクラブと策を凝らすなどです。活動が密になればカン
ファレンスなどで議論しきれずに過ぎてしまっている案件などもより深く
対話し検討できるはずです。また行政 10 都市による協議会などへのアプロ
ーチもよりスムーズに進みます。この団体を通じて延べ 85,000 人を超えた
小学生巡回授業の活動など地域でより認知していただけます。また MARE
などより有効に機能させることも可能です。ベルマーレを縁にこのネット
ワークを大きくすることにより各団体、法人の情報も共有し、各活動、商
品の PR などができればベルマーレの持つ潜在的なマーケットがより拡充
し大きな価値を創造できると期待しています。
VISION2010
クラブ全体の大きな組織変革として、(株)湘南ベルマーレと NPO 法 人湘南ベルマーレ SC の 2 組織の経営を監督、助言する団体として「湘南
ベルマーレスポーツ評議会」を設立しました。J1 元年の今年はスピーディ
な経営とホームタウン広域都市でしっかり根の張る活動をしなければなり
ません。現実的に来場者調査は来場者の 7 割以上が平塚市民であることを
示しており湘南エリアからの集客がうまくいっておりません。広域活動は
指定管理業務やスクール事業などで着実に前進をしておりますが活動と支
援、来場がうまくつながっていないのが現状です。
評議員は長くベルマーレの役員をお務めいただき経緯をご存知の皆さ
んと 10 のホームタウン都市から参加をお願いしました。会長を河野太郎氏
に務めていただきます。評議会は予算や増資など重要事項に関し諮問し役
員会及び理事会に答申を行います。また各ホームタウンでの活動や施策を
監督いただき良好な活動が進むよう助言していただきます。
昨年独自に立ち上げる形でスタートした「ベルマーレ・パワーズ」は十
分な準備と体制作りが出来ないままスタートしたためうまく機能せず皆様
にご迷惑をおかけました。現在評議会の活動とリンクできるよう再整備し
わかりやすい形で皆様の賛同を受けられるよう準備をしています。
サポーターの広域化や協議会的な活動なども皆さんと相談し進めていきた
いと考えます。
- 56 -
VISION2011
昨季よりスタートした評議会は各ホームタウンの財界等から様々な有
識者の方々にご参加いただき有意義な経営アドバイスと意見交換を続けて
います。さらに多くのご指導をいただきホームタウンでの活動が活性化で
き、経営的な広がりを持てるように継続していきたいと考えます。
同じく昨年、伊勢原サポーターズクラブ・ビオーニャが設立され大変積
極的に活動されクラブにとっても大変な追い風となっています。今年に入
り藤沢でも同じような活動が動き出しておりクラブとしては有難い限りで
す。厚木ではソフトボールを支える後援会が長く活動しています。小田原
のフットサルも支援団体 FAO がチームの地域活動を応援しています。長
年申し上げていますが、一方的に作った後援会では機能が上がりません。
皆さんの賛同で動き出した会がさらに増えることを願っています。
クラブカンファレンスも 21 回を数えました。緊張感を持って持続できる
よう開催のあり方も考えていかなければいけないと感じています。私が主
役のカンファレンスではなくサポーターが主役のカンファレンスが望まし
いと考えています。
VISION2012
ベルマーレ・スポーツ評議会は各ホームタウンの有識者の皆様に引き続
きご指導をいただきながら運営されています。特に債務超過の現在、毎月
の収支等の状況は評議会の代表者に随時報告され、役員会と評議会が連動
しながら情報を共有し様々な事項に対処しております。 ライセンス制度導入後は財務やインフラ整備など様々な課題が投げ かけられることが予想されますのでホームタウン各市町の有識者の皆様の
お知恵をお借りしながら解決していきます。
伊勢原、藤沢、フットサルの小田原、ソフトボールの厚木などの街で動
き出した皆様の後援会の動きに対してクラブとしてしっかり情報交換を続
け更なる組織拡大や活性化を一緒に進めていきたいと考えています。一つ
一つの皆様の支援活動が増え、様々な集まりに応援いただければ地域との
会話も増えしっかりした根をホームタウンにはれると信じています。
クラブカンファレンスも 24 回を数えました。今後は各ホームタウンに出
向き後援いただいている皆様とプチカンファレンスなるものも開催してい
きたいと思います。
VISION2013
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クラブカンファレンスは昨年からサポーターの皆さんを交えて新しい
形を探りたいと言ってきましたが、その最初の組織作りの候補を募集しま
した。この後選考を経て夏のカンファレンスに向かい準備を進めます。
またサポーターの皆さんとの信頼関係の強化も大切ですが、同等に 10
都市の行政の支援体制の強化はこれから先の競争時代を生き抜くため には 大変重要な案件です。今年の開幕前、初めて 10 都市の市長、町長を
集め意見交換会が開催されました。この後具体的な活動や支援のキャッチ
ボールがされていくと期待しています。
2010 年よりスタートした4For プロジェクトは選手会主導で様々な活
動が動き出しました。For myself ・選手のため、For team ・チームの
ため、For club・クラブのため、そして For community 地域のための 4
つのテーマで選手会が動き始め、選手の学校訪問 「ベルせん」が地域で
高く評価されています。これは少し JFA の夢センに近いものですがより選
手たちの自主性が現れます。この他にもサッカー教室や施設訪問など様々
な活動を増やしています。この活動を継続していきホームタウンの密着度
を向上させていきたいと考えます。
VISION2014
クラブカンファレンスは昨年1年をかけて新たな形でより皆さんと距
離を近くする開催のあり方を模索してきました。そして 10 市町のホームタ
ウンで個々に開く事となり「エリアカンファレンス」と名付け、藤沢でス
タートしました。このエリアカンファレンスでは通常のカンファレンスの
ように事前質問を受け付けたり、こちらも資料を作ったりしません。皆さ
んとの会話を重視し基本的には質問を中心に進められます。10 市町のホー
ムタウンにはそれぞれの状況や事情があり、まさにその町の事情にあわせ
た問題解決や問題提起ができ充実した空間を作れています。藤沢の後、小
田原、伊勢原で開催をしてきました。それぞれのホームタウンから新しい
風が吹いてくる時代になりつつあります。
また競技場問題で熱心に署名活動をしていただき、大きな成果となって
いますが、こういった個別の問題に関してもエリアカンファレンスのよう
に対応できればより情報共有が進み信頼関係が確かなものになると感じ
ています。
VISION2015
クラブカンファレンスは今年の開幕で 34 回を数えました。一昨年から
始めたエリアカンファレンスは評価されながら昨年は開催ができませんで
- 58 -
した。地域での情報も吸収でき価値ある内容でしたので今年は再開できる
ように調整していきます。カンファレンスでも必ず質問に出るスタジアム
の問題は喫緊の案件でもあり皆さんの意見もお聞きし、また情報も共有し
ていきたいと思います。従ってこの件に関してはテーマカンファレンスと
して「スタジアムカンファレンス」と称して別途開催したいと考えていま
す。試合前後に時間を絞っての開催を考えています。
また、開幕戦で 10 市町の市長、町長にお集まりいただき意見交換会が開
催されました。短い時間でしたが各ホームタウンで引き続き更なるご支援
がいただけるよう話し合いをもちました。話で終わるのではなく実行に移
せるようクラブのホームタウン担当が協議を続けています。
VISION2016
37 回を数えたクラブカンファレンスは大変多くの方にご参加をいただい
ています。一方、エリアカンファレンスや昨年開催を模索したスタジ
アムカンファレンス等は開催ができませんでした。今年、水谷社長のアイ
ディアで「女性だけのカンファレンス」なども考えられています。年 3
回のカンファレンスとの連動はともかく、ニーズやテーマの違いもあり
様々な会話が行き来できる空間を作ることを再度検討して行きたいと思い
ます。
また、以前からご意見をいただいていますホームタウンの拡大は現実的
な活動に踏み込んで行く時期に来ていると感じています。フットサルチー
ムの活動エリア 2 市 8 町や指定管理業務によりスクール等を展開し
ている市町等が増えており活動とエリアが整合性を持てるようにする必
要も感じます。現ホームタウンの市町からもご意見をいただき慎重に進
めたいと考えています。
*NPO 法人 スポーツのコミュニティーづくり
「組織拡大化・体協、サッカー協会などとの連携」
VISION2004
2002 年にスタートした NPO 法人湘南ベルマーレスポーツクラブはサ
ッカーのジュニアユース以下の下部組織、ビーチバレー、トライアスロン
の 3 競技 5 種目(サッカー、バレー、スイム、ラン、バイク)でヨーロッ
パに見られる総合型スポーツクラブを目指して活動しています。J リーグ
のチームとしては新しい形で多くの注目を集め 3 年目のシーズンを迎えて
います。そのなかで特に小学校巡回授業は好評でこの短期間にホームタウ
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ン内の小学校で述べ 26,000 人の子どもと交流しました。今期よりさらなる
地域密着を進めるため体協やホームタウンのサッカー協会との連携をより
いっそう進める計画です。地域団体より理事を派遣していただき文字どお
り地域に密着したスポーツクラブをより活性化していきます。
新たに活動対象年齢も子どもからシニア層に拡大しウォーキング講座
や子どもの足裏重心測定など医大やヘルスケア企業と連携して健康をテ
ーマとした事業をホームタウンの人々に提供していきます。医学の専門大
学の協力を受け高齢者の医者通いを、体育館通いに変え湘南ベルマーレス
ポーツクラブのもと湘南をスポーツをとおした予防医学の街にしていき
たいと考えています。適度なスポーツと医学的なアドバイスをアレンジす
ることにより高齢者が体を動かすことが楽しくなるような講座を継続的
におこないたいと考えています。
戦後ドイツでは将来国民にかかる医療費と予防医学の観点で全国にス
ポーツ施設を整備する事業費を比較し、最終的には国民が気軽にスポーツ
に参加できる環境作りを進めたほうが国の出費が低く抑えられ健康で豊か
な国づくりができると判断しました。そして全国に総合型スポーツクラブ
が整備されていきます。(ゴールデンプラン)
私たちが考えるスポーツクラブの目標もここにあります。市民が気軽に
スポーツを楽しむ環境管理と、根性でスポーツをするのではなく楽しくス
ポーツに親しむための優良な指導をベルマーレが市民に提供をし、健康で
医療費のすくない高齢化時代に適応した湘南を生み出すお手伝いをしたい
と考えています。
VISION2005
組織の拡大では競技の拡大として新たにソフトボールをスタートさせ
ました。シドニーオリンピックメダリストで「世界一のショートストッパ
ー」といわれた安藤美佐子選手を中心に 12 名の監督選手が集まり日本リー
グ入りと地域でのソフトボールの底辺拡大を目標に活動しています。ソフ
トボールの盛んな厚木市をフランチャイズとし、選手は支援いただけるス
ポンサー企業で働きながら練習を続け多くの人に支えられながら新しい挑
戦をしています。また会員の拡大という視点では別紙[目指す全体像]にあ
りますように 2009 年までにスクール生を 2,000 人に増やし底辺拡大をは
かるアクションプランを作り順次行動に移しています。
サッカー協会や体協とはワールドカップ記念事業の助成金申請活動を
通して常に協力体制と信頼関係を築いてまいりました。今後はサッカーの
拠点となります馬入ふれあい公園での活動を通して更なる協力体制が築き
- 60 -
上げられるものと確信しています。
シニア層でのスポーツの振興活動は昨年度実施しましたベルマーレウ
ォーキングが大変好評で毎回 100 名近い参加者が集まりました。今シーズ
ンはメインスポンサーでもあります三共さんと東海大学医科学研究所の協
力で年 12 回のウォーキング講座を開催することとなりました。またストレ
ッチングやエクササイズによる生活習慣病予防や健康づくりのためのシニ
ア体力アップ講座なども計画しています。スポーツを通じての健康づくり
をさらに推し進めます。
VISION2006
昨年スタートしたソフトボールチームは 2 回の全国大会出場など着実
に結果を残し今年より日本リーグの 2 部入りを果たしました。
選手が地元企業で働きながら午後 4 時以降ソフトボールでクラブチー
ム活動をするというこの新しい試みは厚木を中心とする皆様の熱烈なご支
援の順調に推移しています。日本リーグ入りした今年が成果を問われる大
切な 1 年になりそうです。
ビーチバレーは昨年よりアテネ五輪代表の楠原千秋選手を迎え入れ
女子チームもスタートしました。男女チームとも今年より北京オリンピッ
クに向けたポイントとが加算されていきます。12 月には中東でディフェン
ディングチャンピオンとなりますアジア大会が予定されています。
トライアスロンチームも同じく北京に向けてスタートが切られてい
ます。とくに高木美里は今年すでに世界選手権で 9 位に入り好調を維持
しています。またトライアスロンチームが主催する各種スポーツ講座が
盛況で引き続き高齢者から子供まで愉しめるプログラムを作っていきた
いと考えます。
ビーチサッカーはここ数年の活動が日本協会からも評価され鳥飼コー
チが日本代表チームのコーチに就任しました。今後も関東のビーチサッ
カーの中心地となれるよう活動を拡大していきます。
スクール生を 2,000 人に増やすアクションプラン達成のために今年よ
りサッカースクールをより多くの場所で開催するようにします。
賛助会員をつくりメンバーの拡大を図っていきたいと考えています。
VISION2007
総合型スポーツクラブを目指し活動している NPO 法人湘南ベルマー
レスポーツクラブはその活動を高く評価されつつあります。各カテゴリ
ーのスポーツはトップチームの活動、地域での普及活動を献身的に、か
- 61 -
つ継続的にこなしスポーツの振興を推し進めています。
ビーチバレー、トライアスロンは来年の北京オリンピックに向け出場
権を取るための最後の年になっていきます。ソフトボールは昨年日本リ
ーグ2部リーグ入りを果たし最終節まで1部昇格争いを演じました。全
日本クラブ選手権では優勝を果たしています。今年は大幅にメンバーを
若返らせ昇格に再度挑みます。
昨年、鳥飼コーチが日本代表監督を務めワールドカップでベスト 8 の
成績を残したビーチサッカーは今年も湘南エリアを中心に活動を進めワ
ールドカップに出場できるレベルの選手育成も視野に入れ普及を図って
いきます。
また今年から始まる全国フットサルリーグ・F リーグに参戦をします。
ホームタウンの小田原市にあります小田原アリーナをホームスタジアム
とし今年の 9 月より半年間、初代王者を目指し戦っていきます。チーム
は湘南エリアで活動し、全国優勝の経歴のあるロンドリーナより主力選
手十数名が移籍しベルマーレの選手としてプレーします。J リーグから
は唯一の参戦となります。
3 年目にはいる「健康づくり教室」は今年より介護予防事業を視野
に入れた活動をしていきます。J リーグと共同で事業化を進めます。
7 年目に入る小学生体育巡回授業はすでに延べ 6 万人を超える小学生
にスポーツの楽しさを教えてきました。1 年目に巡回授業に参加した子
どもたちはそろそろ高校を卒業します。続けることの大切さを実感しま
す。
VISION2008
オリンピックイヤーを迎えビーチバレーチームの楠原と白鳥が世界ラ
ンクで北京オリンピック出場圏内に辛うじて入っています。残り 3 ヶ月
のワールドツアーの成績で結果が出ます。北京への出場がかなえば J リ
ーグでは夏のオリンピック初の出場という快挙を成し遂げます。
(冬季ト
リノオリンピックで新潟の皆川選手が回転に出場)出場がかなえばプロ
クラブ(球団)として初めて NPO を立ち上げ総合型スポーツクラブを目
指したベルマーレの理念が再度全国に発信され昇格争いをする選手にも
良い刺激を与えられると思います。
発足以来 J リーグの理念のもと補助金をいただいてきたビーチバレ
ーチームにとっても恩返しできる最高の舞台となります。
昨年 J リーグで唯一 F リーグに参戦したベルマーレはスタート時 の好調を維持できず終盤の連敗により不本意な成績でシーズンを終えま
- 62 -
した。参入前に予定していたスポンサーの撤退など十分な準備ができず
結果を残すことができませんでした。現在新シーズンにむけて大幅な強
化体制変更を行っています。良い意味での脱「前チーム」といえるかも
しれません。
ソフトボールは組島監督が退任し安藤が選手兼監督として若いチ ームを引っ張ります。北京オリンピックでオリンピック競技から外れて
しまうソフトボールは今後各チームの活動が難しくなる事態も予想され
ます。安藤を中心とした活動によりソフトボール界に少しでも貢献でき
ればと考えています。
トライアスロンは残念ながらオリンピック出場はかないませんでし
た。しかしスタッフ、選手は「健康づくり教室」など地域密着活動で大
きな成果を出しています。新たに指定管理業務を行う湘南ひらつかビー
チパークや大磯運動公園でも健康をテーマに活動をしていくことになり
そうです。
VISION2009
NPO 法人設立 8 年目にして大変な成果を残しました。ビーチバレー
チームの北京オリンピック出場です。白鳥、楠原の 2 名が J リーグのク
ラブより夏のオリンピックに出場したことは J リーグ初の快挙です。記
者会見も J リーグ事務局で開催するほど高く評価していただきました。
長い間リーグよりスポーツ振興の補助金をいただいたビーチバレーチー
ムにとっては良い恩返しができたといえるでしょう。他にもトライアス
ロンチームの中島 GM がコーチとして、ソフトボール安藤監督が解説者
として北京オリンピックに参加しました。総合型スポーツクラブとして
活動してきたベルマーレがその理念と活動内容を社会に大きく訴えるこ
とができ、そして評価された年でした。そのビーチバレーチームは白鳥
はロンドンを再び目指すことを決断し、楠原が海外ツアー引退を決め退
団することとなりました。草野、尾崎など若手の育成を次のオリンピッ
クを見据え行うこととなります。
ソフトボール、トライアスロンは残念ながらオリンピックには届きま
せんでしたがさらに地域に密着した活動を充実させていきます。ソフト
ボールは安藤監督の 2 年目となりより新しい選手も加入し結果が求めら
れるでしょう。ソフトボールの 2016 年開催のオリンピック復活活動も忘
れてはいけません。トライアスロンチームは競技力向上は当然ですが、
最も得意とする健康づくり教室、リレー駅伝開催などより参加型のスポ
ーツイベント作りを行っていきます。
- 63 -
昨年シーズンなかなか結果の伴わなかったフットサルチームは今後
運営形態を変更していかなくてはいけないと考えています。団体競技の
ため経費が増加しておりそれに見合う収入増が図れていません。F リー
グ自体が将来のプロ化を見据えているのも事実で、今の NPO 法人の中で
の運営はもともと法人を立ち上げた趣旨との違いもあり検討が必要です。
今期内に解決しなくてはいけません。
VISION2010
F リーグ参戦のフットサルチームはボラ選手の加入により攻撃力を増
しましたがシーズンを通して安定せずリーグでは 8 位と不本意な結果に
終わりました。しかし、続く全日本選手権では躍進し決勝戦まで進みま
したが残念ながら準優勝に終わりました。しかしながら今シーズンにつ
ながる結果でした。フットサルチームに関しては以前からの懸案事項で
あった別法人化を 5 月に進めます。興行として入場料収入がある以上
NPO 法人の性格と合わない部分もあります。今後は法人を小田原におき
さらなる地域活動を行い収支均衡と強化を進めます。NPO 法人の傘下で
あることは変わりません。
ビーチバレーは草野選手が浅尾選手とペアを組むことになり移籍しま
した。渡辺は日本バレーボール協会ビーチバレー強化スタッフに就任し
新たな挑戦を始めます。したがって選手はロンドンを目指す白鳥と尾崎
になります。
ソフトボールは安藤監督のもと再び日本リーグ 2 部を戦いますがフ
ットサル同様ホームタウン厚木で根を張った活動を増やし後援会にバッ
クアップをいただきながらの活動になります。
トライアスロンチームはチーム内にロードレースチームを立上げ、活
動の幅を広げます。平塚競輪場で恒例となりつつあるバイシクルフェス
の盛況をみると今後のバイク競技の可能性が感じられます。
景気後退の影響で各競技財政的に厳しい状況を迎えていますが、地域
活動を通じそれぞれの持ち味で対応を進めていきます。
VISION2011
NPO 法人は特定非営利活動を重ねてきました。その中で指定管理業
務など社会的に重い責任をもつ事業も増えています。ソフトボール、フ
ットサルは団体競技として様々な経費が膨らみ NPO 法人の中では経営
的に厳しくなっていたのも事実です。そのような状況で NPO の経営改善
のためにもフットサル、ソフトボールの経営独立化を進めしっかりした
- 64 -
基盤を作っていきたいと考えます。
フットサルチームは昨年 NPO 法人から分社し(株)小田原スポー ツ
マーケティングとして活動をはじめました。支援団体 FAO(フットサル
アカデミー小田原)の応援の下、様々な地域活動を広げついに小田原ア
リーナを満杯のサポーターで埋めるところまできました。さらなる強化
と活動により F リーグで結果を出して欲しいと思います。
ソフトボールはチーム名を新に「湘南ベルマーレ厚木」とし経営的に
も後援会のバックアップで活動をしていくこととなります。厚木でより
密な活動を行い結果を出していくことになります。
ビーチバレー・白鳥は新たなペアと共にロンドンオリンピックを目指
しスタートしました。大変難しい状況ですが北京オリンピック出場を決
めた奇跡の逆転劇を忘れず邁進してもらいたいと思います。
トライアスロンから生まれたサイクルロードチームはトライアスロ
ンの様々な教室とも連携し自転車教室など一般の方も気軽に参加できる
イベントを用意していきます。
VISION2012
日本経済の停滞はJリーグにも及んでいますが、それ以外のスポーツ
はより厳しい風が吹いています。こんな時代であるからこそクラブチー
ムとして活動し地域に愛され支えられるクラブを実践しなければなりま
せん。
ソフトボールは厚木の後援会の皆さん、そしてフットサルは FAO(フ
ットサルアカデミー小田原)の皆さんのお世話になり、活動を維持する
ことができています。地域の皆さんのニーズに応えながら着実な活動を
続けることが大切です。ロードレースチームはバイクブームによる林道
での接触事故が激増しているのを憂慮し林道でのバイクのマナーキャン
ペーンを行政と共に行おうとしています。茅ヶ崎コンディショニングセ
ンターはトライアスロンチームの中島 GM のノウハウで運営され評価を
受けています。こういった活動はベルマーレの財産でもあり今後拡大し
ていきたいと考えています。
ロンドンオリンピックの年になりました。北京オリンピックに続きビ
ーチバレーの白鳥選手がアジア最終予選に挑みます。北京オリンピック
出場時のペアである朝日健太郎選手と組み、ライバルである中国とアジ
ア枠を争います。ベルマーレの総合型スポーツクラブの原点でもあるビ
ーチバレーの出場権確保を願っています。
- 65 -
VISION2013
NPO 法人は 2002 年の認証より 11 年を過ぎましたが、これまでの活
動を再検証し本来の設立趣旨である総合型スポーツクラブとして湘南地
域のスポーツ振興をすすめる活動を中心にしていきます。
2005 年から湘南ベルマーレ厚木女子ソフトボール後援会の支援で運
営されてきたソフトボールチームは、新年度の 4 月 1 日より厚木ソフト
ボールクラブと名称変更し、厚木市ソフトボール協会と湘南ベルマーレ
厚木女子ソフトボール後援会の運営で日本女子ソフトボール 2 部リーグ
を戦うこととなりました。8 年の間、厚木の皆さんのご支援で活動して
きましたが団体競技だけに経営管理、運営およびチーム管理の難しさも
多く十分な結果も残せずに今日に至っています。フットサルチームは本
年も㈱小田原スポーツマーケティングの運営と FOA の支援のもと引き
続き F リーグを戦います。同じ考え方で団体競技であるソフトボールも
地元厚木の皆さんに引き続きお願いして競技活動が継続できる形を優先
しました。フットサルは J リーグと同じ日本サッカー協会傘下ですので
引き続きベルマーレの名称で活動しますが、ソフトボールは統括競技団
体も違うため商標管理等の問題もありチーム名からは外れました。地域
でのスクール活動等は引き続き応援してまいります。
昨年ビーチバレー白鳥選手が奇跡のロンドンオリンピック出場を果
たし、今年度からはビーチバレーの強化委員長に就任しました。今後は
ベルマーレに籍を置きながら日本のビーチバレーの強化育成のために尽
力していきます。ビーチバレーも振興、育成活動が主体となっていきま
す。
今まではトップチームの競技活動が優先でしたが、今後は各種スポー
ツクリニックやコンディショニングセンターなどの特色を生かし地域の
参加者優先、また子供の育成活動を中心としたスポーツクラブを目指し
ます。
VISION2014
2020 年の東京オリンピック開催が決まり総合型スポーツクラブとし
て活動を続けてきた NPO 法人は新たな夢ができました。サッカー、ビー
チバレー、トライアスロン、サイクルロードで東京オリンピック出場を
目指します。このホームタウン・湘南の子どもたちを育て五輪の大舞台
に立つためのサポートをしたいと思います。特に、マイナー競技に関し
ては、子どもたちはどこで競技を学べるかもわからず才能とチャンスが
無駄になってしまっています。開催国には出場国枠がありますので、5
- 66 -
年後の 2019 年ごろまでに日本の上位の結果を残せばオリンピックへの
出場が叶います。セブンズを小田原スポーツマーケティングが活動支援
するのも、セブンズには国内リーグがなく練習すらできない環境への応
援と湘南地域の子どもたちの東京オリンピックへ懸け橋になることが目
的です。昨年より NPO 法人は運営の難しさから団体競技の撤退を決めま
したので、リーグもなく指導が中心になりますが ODM での活動としま
した。将来国内リーグが発足する場合、その時の状況で活動方針を決め
たいと考えています。J リーグ 51 クラブの中でサッカー以外でオリンピ
ック出場という成果を上げたのはアルビレックス新潟とベルマーレだけ
です。東京オリンピックへの挑戦を含め活動の中心は地域スポーツの振
興と若手、子どもたちの育成をさらに推し進めることに変わりはありま
せん。その拠点としてミニ総合型スポーツクラブ、湘南ベルマーレアス
レティクセンターをオープンしました。レッズランドとはいきませんが
この施設で大きな成果を残し、社会に私たちの活動を評価いただき、将
来ベルマーレランドの実現を目指したいと思います。
VISION2015
「第 31 回全日本宮古島トライアスロン大会」で戸原開人選手が優勝しま
した。日本トライアスロン界の代名詞ともいえるこの伝統ある大会で 3
年目の戸原選手が参加者 1,474 人の頂点に立ったことは地道に選手育成
を継続してきたトライアスロンチームにとって大きな勲章と言えます。
サイクルロードチームも今シーズンはロジャーズレーシングチーム
と合併し、レモネード社をスポンサーにレモネード・ベルマーレレーシ
ングチームとして新たな挑戦を始めました。監督には欧州での豊富なレ
ース経験をもつ宮澤崇史が就任し闘っていきます。
辻堂のアスレティックセンターでは長年の懸案であったサッカー女子
のスクールをスタートしました。なでしこスーパークラスとして活動の
受け皿の少ない中学生クラスの指導を行ってています。当面はノジマス
テラなど神奈川県内でなでしこリーグ入りを見据える強豪クラブに入団
できるようしっかりとした育成を目指していきます。
ODM 傘下で活動をスタートしたラグビーのセブンズは男子、女子のチ
ームが一歩一歩、確実な活動を始めています。
すでに実績のあるビーチバレーを含めこれらの複数競技で 2020 年の
東京オリンピックに一人でも多くの選手が到達できるようにスポーツク
ラブとして情報発信を増やし応援者を増やしていきたいと思います。
2020 へ向けての我々の活動が社会に認知され評価されれば総合型スポ
- 67 -
ーツクラブとして次のステップが見えてくると考えます。
オリンピック、ワールドカップとは距離がありますが F リーグも小田
原の後援会組織 FAO の献身的な支援によって少しずつ結果が出ていま
す。昨年は F リーグオーシャンカップの小田原でのセントラル開催を成
功させチームも 3 位に食い込みました。引き続き地域に密着した活動で
強化を計っていきます。
VISION2016
今年のリオデジャネイロオリンピックが終了するといよいよ 2020 年東京大会への機運が高まります。湘南ベルマーレ、そしてスポーツク
ラブから東京へ多くの若きアスリートを出場させたいと考えます。サッ
カー、ビーチバレー、トライアスロン、ロードレース、セブンス、これ
らオリンピック競技に該当する種目から一人でも多くのホームタウン・
湘南の若いアスリートとチャンスを共有します。今年中に何らかの形で
我々のこの東京に向けた活動を社会に向け宣言します。この地域での東
京に向けての挑戦は間違いなく地域の人々のスポーツ参加を増加させ総
合型スポーツクラブである湘南ベルマーレの価値を限りなく高めるチャ
ンスであると考えます。設立より 14 年積み上げた経験は他スポーツク
ラブでは持ち得ないものであり、まさにその経験を地域のために使う時
期になったのです。
スポーツクラブの経験を地域に還元し地域の活性化に寄与する事例と として中井町で新たな活動をすることになりそうです。昨年、中井町ま
ちづくり戦略会議のメンバーとして人口流入促進と人口減回避の議論を
してきました。ベルマーレとしてはスポーツに親しみやすい環境で町民
の健康維持や子どもの育成環境の充実に運動公園を活用する等の提案を
しました。これが採択され今年より様々なスポーツ施策を実施していく
ことになります。この提案が実績を残せばスポーツクラブの活動はさら
に広がり地域の行政と新時代の提携を進めることができると考えます。
総合型スポーツクラブとして一歩大きく前進できると信じます。
水谷理事長の社長就任により、フットサルクラブの運営会社である小
田原スポーツマーケティングはより本拠地、小田原の皆さんによって経
営、ご支援いただく形になっていきます。小田原におけるフットサルチ
ームの活動が一層地域密着で進められることは大変ありがたく、今後も
協力を密にし F リーグの発展に挑戦していきます。
- 68 -
*独自性・IDENTITY
「アカデミー ・海外提携 ・GM 養成」
VISION2004
28 チームのJリーグのチームの中で常に新しいことにチャレンジし独
自性のあるクラブ作りをすすめていきます。
2002 年にスタートした NPO 法人湘南ベルマーレスポーツクラブの
地域スポーツ振興は着実に実績を積み上げています。目標とする地域総
合型スポーツクラブづくりが湘南ベルマーレの地域活動の根幹になりつ
つあります。
2004 年 4 月 11 日からは産業能率大学との提携による「スポーツビ
ジネス実践講座」がスタートしました。関係各方面より高い評価をいた
だき、授業自体も学生が教室に入りきれないほどの盛況振りです。中、
長期にわたり講座を続けインターシップの受け入れなどでさらなる地域
密着の経営を推し進めたいと考えます。
6 月に発表が予定されている海外クラブとの提携はサッカー先進国
のクラブとの交流により、育成、経営に関しノウハウを吸収することを
目的としています。経営環境の似たクラブとの提携を新たなクラブ成長
のステップにしたいと考えています。
上記のような独自性のなかからベルマーレのスタッフは常に将来、
ゼネラルマネージャーとして活躍できるような知識と能力の向上を課
題とした行動をさせ、個々の資質向上を進めていきます。この成果がク
ラブ経営の安定化を推し進めると考えています。
VISION2005
常に新しいことにチャレンジするクラブとして昨年は産業能率大学
と提携し日本で初めて J リーグチームと大学による「講座」を始めまし
た。大変大きな反響をいただき今年も 2 年目の講座をスタートしており
ます。
6 月にはベルマーレとしても初めてとなる海外クラブとの提携をいた
しました。スペイン 1 部リーグのオサスナです。若手の選手育成に大き
なノウハウを持ちトップ所属選手の半分近くが下部組織か輩出されると
いうクラブで、今ベルマーレがもっとも学ばなければならないものを持
っているクラブといえます。また今シーズンは総合型スポーツクラブの
海外のクラブと提携を結ぼうと検討中です。
GM 養成に関しては昨年度から始まりました日本サッカー協会の GM
- 69 -
養成講座に NPO 法人事務局長の鳥飼を受講させ 8 ヶ月の研修を経て第 1
期生として卒業をしております。今後馬入ふれあい公園サッカー場にて
NPO 法人湘南ベルマーレスポーツクラブ・ゼネラルマネージャーとして
活躍してもらうこととなります。
そして今年新たな試みとし NGO 団体ピースウインズ・ジャパンと提
携しました。ベルマーレは親善大使として被災地の子どもたちにサッカ
ーボールを贈ったり、復興支援の協力をします。小さな協力でもプロの
サッカークラブとして困難な状況にある人々に夢や希望を与えることが
できると信じています。
VISION2006
産業能率大学の講座はサッカーチームのコラボレーション強化も始ま
りより内容の濃いものにしていきます。学生とベルマーレスタッフが協
働で新しいスポーツビジネスの実践の場をつくっていきます。
スペインのオサスナとは現在契約の更新作業を進めています。今後は
より具体的な提携作業を検討していきたいと考えます。ミュンヘン 1860
は昨年以来良好な関係が続き本年も親善試合が開催できるかもしれませ
ん。
昨年提携しましたピースウインズ・ジャパンとは大津波の被害を受け
たインドネシアのバンダアチェへ選手 2 名と共に足を運び被災地でサッ
カーの普及活動をしてまいりました。今後も世界の被災地での子どもた
ちの心の復興活動に参加をしていきます。
VISION2007
産業能率大学との提携事業では大学の授業から人材育成へとさらに協
力体制を強くいたしました。大学サッカー部の強化プログラムやユース
チームの活動援助などを通じ人材育成を進めるものです。
また独自性のある事業として南米パラグアイでサッカーチーム
NIKKEI BELLMARE の設立に協力し提携しました。今後選手の交流
や子供のサッカー留学などを積極的に展開して他のクラブにない育成技
術や情報の習得を進めます。チームは現在パラグアイ地方2部リーグで
シーズンを戦っています。
長年クラブがお世話になっているライターの川端康生氏と平塚商工会
議所青年部の協力を得て「スポーツマスコミ塾」を開講しました。川端
氏とクラブの間で、地域に密着して活動するクラブはその情報を伝えて
くれる担い手の育成も大切な事業であるという考えがとまとまり開講し
- 70 -
ました。平塚商工会議所青年部の協力はこういった講座に協力すること
は地域でのニート対策の一歩だという考えからです。スポーツを通じて
新たな協力関係が構築できたいい例だと考えています。
VISION2008
産業能率大学との提携に関しては、今年度新たに大学施設を利用し、
ベルマーレコーチ陣が指導を行う総合型スポーツクラブ事業をスタート
さ せます。地域と大学の交流がより深まり大学とベルマーレのこれま
での活動がより高く評価されるためにも大切な事業であると考えていま
す。
NIKKEI BELLMARE はパラグアイ FA の組織変更もあり地方2部リ
ーグから全国4部リーグに入ることができました。一昨年予定したユー
スチームの遠征がデング熱病の発生で延期されてから実質的な選手交流
が進んでいませんが早期に実施したいと考えています。
昨年秋よりスタートしたフリーペーパー情報誌「MARE」は現在発行
部数 7 万部、設置場所 500 箇所を超えました。プロ球団が 5 チームとい
うスポーツ情報激戦区の神奈川県および関東圏では新聞等への記事掲出
は大変厳しい状況です。この状況はたとえ昇格しても劇的に良好になる
ことは難しいと考え、自ら情報を地域に売り込む手段としてはじめまし
た。可能な限り設置場所を増やしていきます。皆さん御協力よろしくお
願いします。
VISION2009
産業能率大学との様々な提携事業は大変良好に推移しています。大学
キャンパスを使った総合型クラブ事業は 2 年目を迎えます。より価値の
ある 活動にしていくため地域より広く参加を募って活きたいと考えて
います。昨年始めましたベルマーレ育成年代の子供たちの学業サポート
事業「SuRaLa」の参加者は少人数ですが成績は確実に伸びているようで
す。
また、総合型スポーツクラブのメリットをより広げた活動をするため
に 5~6 歳児をターゲットにしたスポーツ教室・託児所的な事業ができな
いか検討中です。事業ノウハウのある法人と連携し幼児のスポーツ教育
をベルマーレの新たな特色としたいと考えています。
NIKKEI BELLMARE にはついにトップチームの菅野選手が留学しス
ペイン語とサッカー漬けの毎日を送っています。さらに若い年齢層の選
手育成に役立てたいと考えています。海外との提携は今後も前向きに検
- 71 -
討していきたいと考えています。
昨年、中田英寿氏も参加し設立された「持株会」ですが、新たなかた
ちでクラブを応援してくださる皆様のために特別に交流できる場をつく
りご意見をいただいていきたいと考えています。経営の厳しい昨今参加
いただいた皆様の貴重なご意見をクラブ経営に反映していきたいと思い
ます。
VISION2010
NPO 法人設立以来の組織変革を行います。
(株)湘南ベルマーレと NPO
法人湘南ベルマーレ SC の両法人を監督、助言する団体「湘南ベルマー
レ・スポーツ評議会」を設立します。オランダの PSV など歴史あるクラ
ブは経営を迅速に行う役員会とは別に経営を監督、助言する団体を持っ
ています。クラブの歴史を汚すことのないよう、クラブの方針が大きく
曲げられることのないよう監督をしています。湘南ベルマーレの活動も
多岐に渡りまた経営判断はより迅速さを求められるようになっています。
一方経営方針が優先しすぎてベルマーレの将来とホームタウンのスポー
ツ文化が間違った方向にいかないよう監督をお願いするものです。した
がって評議員にはベルマーレの歴史を理解され役員を歴任された方と各
ホームタウンからの代表者で構成されます。各予算、借り入れ、増資な
ど重要案件は評議会に諮問され各法人が答申をうけることになります。
会長には元代表取締役会長の河野太郎氏が就任し、専務として株式会社
の経営を詳しく報告できるよう左伴が就任します。
湘南 ベルマ ーレ・ スポー ツ評議 会
NPO 湘南ベルマーレ SC
株式会社 湘南ベルマーレ
理事会
取締役会
VISION2011
湘南ベルマーレ茅ヶ崎コンディショニングセンターを開設しました。馬
入クラブハウス問題で提案していた市民共有の便益型クラブハウスとはこ
のコンディショニングセンターです。スポーツ公園内で身体に悩みのある
人が気軽に利用できる施設。サッカー少年も健康づくり教室に来ているお
- 72 -
ばあちゃんも相談できる施設があれば便利ではないか。そしてその分野は
正にベルマーレの得意とする分野でもあります。残念ながら馬入では実現
できずにいますが、昨年茅ヶ崎にフットサル場をオープンさせた亀井工業
ホールディングスがこの考えに賛同下さり北茅ヶ崎に完成しました。今後
各ホームタウンに広げていく予定です。
また今期中に農業法人と提携を始めます。子どもたちへの教育の一環と
しての農業参加やアマチュア選手の収入対策、選手のセカンドキャリア対
策としてホームタウンでベルマーレの農業を展開していきます。
VISION2012
今年から文部科学省からの助成を受け、開成町の小学校の体育の授業の
補佐に年間を通じてコーチを派遣することになりました。日本でも実験的
な試みですがしっかりとした成果を上げてスポーツ選手のセカンドキャリ
アの道を確立できればと考えています。サッカーをはじめスポーツ選手、
コーチのセカンドキャリアやパートタイム就労の確保は、今後スポーツク
ラブが確実な発展を遂げていくうえで重要になります。40 代、50 代にな
ってもしっかり生活ができる背景がなければスポーツの世界で生き抜くこ
とができません。アカデミーの高橋厳一コーチは仲間の理解を得てスポン
サーでもある横浜医療専門学校に通うことになりました。サッカー指導の
知識とトレーナーとしての知識は必ずや本人やクラブのプラスになるはず
です。
昨季から準備を進めている農業法人との提携は様々な条件を解決し、今
期中には具体的に動くことになります。ここでもアマチュア選手の雇用や
アカデミーの教育の一環として活動ができればと考えています。
また、昨年の東日本大震災後に活動した「KIDS GUARD SHONAN」は
昨年 6 回にわたり地域の皆様のご協力のもと被災地の子どもたちを湘南の
地に招待することができました。スマトラ沖地震の 1 年後、ボールを届け
に選手と共に被災地であるバンダアチェに行きました。当時、彼らの最大
の危機感は時間と共に「忘れられてしまうこと」だと話していたのを思い
出します。復興には想像より長い時間がかかるものです。ベルマーレとし
ては特に放射能汚染にさらされてしまった福島の子どもたちに今後も同様
の活動を長く続けていく所存です。
VISION2013
日本のサッカー界では他チームとの提携は初めてのケースとなります
が福島ユナイティドと提携しました。東日本大震災後に活動した「KIDS
- 73 -
GUARD SHONAN」は地域の皆様のご協力のもと被災地の子どもたちを
湘南の地に招待することを中心に復興活動を支援してきました。この活動
の延長線として前所属選手の時埼監督が率いるチームの J リーグ入りを支
援します。私達は 1999 年の存続危機来多くの困難を乗り越えてきた経営
ノウハウがあり福島のリーグ入りを支援できます。FUKUSHIMA という
言葉は世界中で原発事故の代名詞として広がってしまいました。いつの日
か福島ユナイテッドが日本やアジアのサッカーフィールドで活躍する日が
来れば世界中が FUKUSHIMA の安全性を認識し本当の意味での復興が達
成されると思います。福島ユナイティドとの提携の継続により私達も復興
支援を忘れずに継続することができます。またサッカー的にも選手の行き
来による相互の強化及び育成を進めることが可能です。今年より 23 歳以下
の選手の下部カテゴリーへのレンタル移籍は移籍可能期間(移籍ウインド)
の制約なしに何時でも移動が可能になりました。現在トップチームで活躍
する菊池、古林選手も草津へのレンタル移籍を経て大きく成長しました。
すでに今シーズン新人として契約した白井康介選手を福島にレンタル移籍
させています。サテライトリーグもなくなった現在、若い選手は練習試合
でない本番の試合に出て、初めて成長するという事実をしっかり見据えて
強化をしていかなくてはなりません。
VISION2014
福島ユナイティド FC が J3 に無事に参入し、さらに栗原監督の就任はベ
ルマーレに戻ってきてくれたようで嬉しく感じます。昨年は吉濱、白井を
期限付き移籍させ、今年は猪狩、河野、田村、村岡、安東を期限付き移籍
させました。成績は苦戦していますし、各選手もなかなか出場機会をつか
めないようですが、ブレずに頑張ってもらいたいと思います。湘南から行
けば出場できるということではいけません。
福島ユナイテッドは独立したサッカーチームであり関係は両チームの成
果を目指す提携であり下請けではありません。提携とは 50:50 でなけれ
ばなりません。栗原監督のもとでベルマーレと違う環境を経験し、考え自
ら行動することでしか成長はないのです。
また、引き続き「KIDS GUARD SHONAN」の趣旨のもと福島と子
ども達を応援していきます。
藤沢のアスレティックセンターに続き、湘南台駅前にもコンディショニ
ングセンターをオープンします。この 2 施設はスポンサーでもある
TOMONIUS 様の資金援助で実現しました。また TOMONIUS 社は東京で
のコンディショニングセンターを展開しますが、ベルマーレの名称は使用
- 74 -
できないので「バランスピット」というブランドで活動していきます。1
月の福島ユナイテッドとの試合でユニフォーム胸スポンサーとしてロゴが
掲出されています。バランスピットはトライアスロンチームの中島 GM の
コンセプトで展開されますがクラブには経営的リスクは全く存在しません。
また、ビーチバレー、ビーチサッカーの拠点であり指定管理業務を受け
ている湘南ひらつかビーチパークが 4 月 1 日より命名権を取得し「湘南ベ
ルマーレひらつかビーチパーク」となりました。来年には圏央道も全線開
通し人の流れ、物の流れが変わります。多くの観光客は 134 号線で江の島
方面と伊豆方面に分かれますが、西を目指す人々はこの海岸公園・湘南ベ
ルマーレを現地であるいは地図上で目にすることになります。湘南ベルマ
ーレの幅広い地域活動を全国に PR できればと思っています。当然、この
場所からビーチバレー選手が白鳥、楠原に続き 3 度目のオリンピックに出
場してくれることを願っています。
VISION2015
ベルマーレは昨年秋、今シーズンのユニフォーム胸スポンサー(株)エ
ナリスと共同で電力関連会社「湘南電力」を設立しました。これは一部電
力自由化に伴いエナリス社が電力をより安く提供できるスキームに則り湘
南電力と法人がご契約いただくと一部が強化費として湘南ベルマーレに還
元できるというものです。その額は現状では大きな額ではありませんが親
会社を持たない私達が将来に向けさらに事業規模を大きくしていくためま
た広く浅くホームタウンの皆さんにお支えいただくための一つの策とお考
えください。2017 年には個人の契約も自由化になります。キリンの自動販
売機で飲料を購入するように電力も湘南電力と契約いただくと日々の育成
強化費が増加して行くことになります。時間のかかるストーリーですが時
間がかかるからこそ今始めていると理解いただきご協力をお願いします。
「SHONAN BELLMARE SPIRIT BOOK」という会社案内を発行しま
した。これは以前の「Dream with BELLMARE」をリニューアルしたも
のです。Dream の発行から 10 年が経ち理念、過去、現在地、将来を再検
証し大倉社長のもと再編集しました。クラブスローガンは「たのしめてる
か。」ベルマーレに関連するすべての人たちがこのスローガンに向かい何が
できるんだろう。高い能力をもちプレーする人、スポーツに参加する人、
観戦しベルマーレを応援する人、プロを夢見て汗を流す子どもたちと支え
る両親。経営を支援してくださる方々。皆様の夢を実現することがベルマ
ーレの成功につながる。そんな未来と想いをこの SPIRIT BOOK に詰め込
みました。
- 75 -
3 月よりテレビ神奈川で「Spirit ベルマーレ TV」をスタートさせまし
た。少ない予算の中でも他クラブには制作のできないオンリーワンのサッカ
ー番組をめざしていきたいと思います。
VISION2016
2013 年秋から株式会社エナリスと共同で設立した湘南電力は大変多くの
法人の皆様から契約をいただき活動しています。一部は強化費としてベル マーレに還元されており、引き続き皆様のご支援をお願いします。今年 からは個人の契約も自由化されました。大変多くの大手企業が参入して いることから十、分な準備をするため秋以降、湘南電力として個人のお客様 の対応ができるようにしていきます。
今年は東日本の震災から5年を数えます。「KIDSGUARDSHONAN」も 5 年が
経過したということになります。「KIDSGUARDSHONAN」の延長線として 2013
年に福島ユナイテッド FC と提携をし、様々な事業を展開してきました。 私たちは震災後の支援の大切なキーワードは「福島を忘れない」というこ
とだと強く認識しこれらの事業を進めてきました。復興にはまだ長い道のり
なのに社会から忘れられてしまっては復興に時間がかかってしまうからです。 震災後はチームが現地に行くよりチームや子どもに来てもらい広く福島県
以外の皆さんに福島を忘れないでいてもらうことを優先してきました。その
一方で J1に昇格できたベルマーレの試合を多くの福島の子ども達に見ても
らい、福島ユナイテッドが目指しているトップリーグの世界を見せたいとい
う考えもありました。福島のスタジムには照明がありませんので土日のデー
ゲームしか可能性はありません。そんな中、1月の今年のカレンダー発表に
より移動の可能性のある試合が見えてきました。6 月 5 日のナビスコカップ
対神戸戦です。曺監督の福島で何らかの活動をしたかったという想いも重な
り J リーグ、神戸とも協議を進め実現することとなりました。すでにシーズ
ンシートも販売済みで、経費もかなり増額になるため内部でも危惧する声は
ありましたが、今年できなければ二度とできないかもしれないという想いも
あり開催を決定させていただきました。プロリーグで大資本に翻弄される小
クラブでも複数で協力できれば、声を掛け合えば溜め息の出るような急坂も
登って行けると信じます。いつの日か、震災により外でボールを蹴れずにい
た子が、福島で成長し湘南で結果を出し日の丸を背負ってワールドカップの
地に立つことができれば世界中の人々は FUKUSHIMA は元気に復興したん だと理解するでしょう。この開催はそんな夢物語の1合目なのです。ぜひ福
島まで足をお運びいただき、応援して下さい。最後になりましたが開催変更
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により多くの方に多大なご迷惑をおかけしています。心からお詫び申し上げ
ます。
(株)湘南ベルマーレ&NPO 法人 湘南ベルマーレスポーツクラブのミッション
私たちの活動と活躍が湘南市民の大きな財産となることを目指し経営の安定をはかって
いきたいと考えています。そして私たちはベルマーレの存在意義、そして我々のミッションを
あらためて考えてみました。
時代はものすごいスピードで変わろうとしています。その速さに人々はついていけず、街
のあちこちで歪みや叫びがあがっています。過去に例のなかった少年犯罪や少子高齢化
により生み出された社会問題。途切れるまもなく目にするテレビゲームのコマーシャルや、
感情のないインターネットの世界にはまり、抜け出せない子供たち。夢中になる世界を間違
え、残念な事件を起こしています。他に問題を探せばきりがありません。近い将来、各都市
にとって人口減は大きな問題となりふりかかってくるでしょう。東京を中心とする首都圏では
土地の下落により再開発が進みより便利で低廉な住居が多数供給されはじめました。高齢
化時代を迎え都心ではより優良な医療サービスが発展し利便性とあいまって高齢者の都心
回帰が始まっているといわれています。
また、今までの地方都市の雇用の大きな柱でもあった大手産業の工場施設も、最近では
よりコストの安い中国など海外に移転を進めています。このような要因から私たちの街の人
口問題も決して安心できるものではないと考えます。地域商業の活気・地域工業の発展・交
流の盛んな街づくり・これらを推し進め達成するには、人口が減り行く日本でいかに我々の
街が他都市より魅力的な要素を持てるかにかかっているのではないかと考えます。
他都市の持てない魅力を私たちが成功することにより生み出すことができないでしょう
か?気軽にスポーツに参加することで健康維持が進み「スポーツで健康な街」を確立できま
す。種目別の縦割りのスポーツ振興から、総合型の横の交流の盛んなスポーツ振興が「コミ
ュニティーの会話が盛んな街」を作り、年齢別のスポーツ参加から年齢の垣根を越えたスポ
ーツ参加が学校教育では解決できない問題を取り払い「少年犯罪の少ない街」を生み出し
ます。そして、プロ球団の存在が子供や家族の夢を育み通勤には遠いけど私は湘南に住
む。なぜなら「ベルマーレを通し、スポーツを通し友達が増えていくから」「家族でいい汗の
かける街だから」「ここに住んだら子供が部屋にこもらなくなった」そう言ってもらえるホームタ
ウンにすることができると信じています。
湘南ベルマーレの J リーグでの活躍が市民の話題の中心となり、その市民が湘南ベルマ
ーレスポーツクラブの活動に参加し健康で会話の多い活気ある街を生み出す。この魅力あ
る街づくりは全国3300余の市町村でわずかの J クラブのある都市だけが許される施策なの
です。この貴重な財産を湘南市民と共に分かち合い成長させ、強くし、次の世代に受け渡
していくことが私たちの大きな使命であると考えています。
2004年4月
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