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VMware 編 コピーデータストレージによるデータ管理 第2版

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VMware 編 コピーデータストレージによるデータ管理 第2版
VMware 編 コピーデータストレージによるデータ管理 〜効率的なデータ保護と即時アクセスの実現〜 第2版 White Paper 2013 年 11 月 アクティフィオジャパン [email protected] 目次 はじめに ................................................................................................................................................ 3 背景 ........................................................................................................................................................ 3 VMware データ管理プロセスの仮想化 ............................................................................................. 3 コピープロセスの仮想化 .................................................................................................................... 5 デ ィ ス カ バ リ ................................................................................................................................................... 5 デ ー タ キ ャ プ チ ャ ........................................................................................................................................... 5 独 立 型 vRDM デ ィ ス ク お よ び pRDM デ ィ ス ク の 保 護 オ プ シ ョ ン ........................................................... 7 保存処理の仮想化 ................................................................................................................................ 7 変 更 デ ー タ の グ ロ ー バ ル 重 複 除 外 お よ び 圧 縮 .......................................................................................... 7 コ ピ ー デ ー タ 用 ス ト レ ー ジ の 仮 想 化 ........................................................................................................... 8 レプリケーションプロセスの仮想化 ............................................................................................... 8 バ ッ ク ア ッ プ レ プ リ ケ ー シ ョ ン ................................................................................................................... 8 Dedup-­‐Async レ プ リ ケ ー シ ョ ン (DAR) ............................................................................................................. 9 ReadyVM .......................................................................................................................................................... 10 リストア/リカバリプロセスの仮想化 ......................................................................................... 10 マ ウ ン ト ......................................................................................................................................................... 11 ク ロ ー ン ......................................................................................................................................................... 12 リ ス ト ア ......................................................................................................................................................... 12 フ ァ イ ル お よ び オ ブ ジ ェ ク ト の リ ス ト ア ................................................................................................ 12 アクティフィオについて .................................................................................................................. 12 2 はじめに アクティフィオ Copy Data Storage (CDS) は、物理環境と仮想環境のためのコピーデータ管理に
仮想化技術を応用しました。CDS は極めてシンプルな統合ソリューションで、費用を大幅に削減
しながら、バックアップ、DR、データベースのコピーを必要とするアプリケーション開発などの
ために、本番環境のコピーデータを効率よく管理することができます。 アクティフィオ CDS は、VMware 環境の保護においても独自のメリットを提供します。アクテ
ィフィオ CDS のリソースを活用することで、本番環境の ESX サーバーにコピーデータを保存する
必要はなくなり、重複除外、圧縮、レプリケーションなどの関連する処理で本番系システムに負
荷を与えることはありません。また、VM や ESX サーバーなどのハードウエアを新たに追加する必
要のないターンキーソリューションとして利用できます。専用の高可用性のエンタープライズク
ラスのハードウエアを採用し、効率の高いブロックレベルのプロトコルの Fibre Channel、iSCSI を
使用することで高速、高性能なデータ・アクセスを可能にします。 このドキュメントは、VMware 環境においてアクティフィオ CDS がどのようにして上記のメリ
ットを実現しているのかを記述しています。 背景 Actifio™ は、コピーデータ管理のために最適化されたストレージシステムを業界で初めて開発
し、目的別の IT インフラやデータ管理アプリケーションを複数運用する必要をなくしました。デ
ータ・ストレージ分野では、本番データの保存がディスクから SSD に、コピーデータの保存はテ
ープからディスクへ移行するなど大きな変化がみられていますが、データの管理方法は、ここ 20
年間変わっていません。VMware 環境におけるデータ管理でよく見られるアプローチは、複雑で
高価なインフラを個別に導入することです。保護用、DR 用、事業継続用、テスト開発用、分析用、
コンプライアンス用など、アプリケーションそれぞれに個別のツールが必要です。さらに、それ
ぞれのツールが別々にコピーデータを作成し管理しているのが実情です。 アクティフィオ Copy Data Storage (CDS) は、データ管理の仮想化によって、VMware 向けにポリ
シーに基づくソリューションを提供し、ストレージ、ネットワークおよびサーバーのインフラか
らデータ管理を切り離します。その結果、極めてシンプルな統合ソリューションによって、デー
タ管理にかかるコストを最大で 90%削減し、効率的に本番環境のコピーデータを管理し、バック
アップ、災害復旧、テスト、開発など、本番環境のデータを必要とするアプリケーションに対応
します。 VMware データ管理プロセスの仮想化 本番環境のコピーデータの管理を仮想化するのは、アクティフィオが開発した Virtual Data Pipeline(VDP)テクノロジーです。重複をなくし、一意のデータを複数のデータ管理アプリケー
ションで目的を変えながら使用することができます。VM から「変更されたデータ」のコピーを効
率的に取り込み、データを書き戻すことなく複数のアプリケーションがアクティフィオ CDS デー
タに直接アクセスできるようにしています。 3 図 1: ア クティフィオ CDS Architecture 1. コピー機能: 効率が高く、拡張性に優れたデータの取り込み -­‐ 変更差分を用いたブロックレベルの増分スナップショット 2. データ保存機能:ストレージの機種に依存しない独立したコピーデータを複数フォーマットで保持 -­‐ 即時アクセスのためのスナップショットプール、長期保存のための重複除外(Dedup)プールなど 3. データ転送機能レプリケーション:Dedup Async™によりネットワーク帯域を圧縮 4. リストア/リカバリ機能:アプリケーションの整合性に配慮した即時マウント機能 -­‐ オブジェクト間の時間的関係や相関関係を維持 アクティフィオ Copy Data Storage (CDS) は、データ管理の基本であるコピー、保存、レプリケ
ーション、リストアを仮想化します。これは、収集済みの変更差分データをもとに、任意の一時
点(point-­‐in-­‐time)のデータイメージを仮想コピーとして瞬時に作成するテクノロジーです。これ
により、バックアップソフトウエアや DR、リカバリ、事業継続、テスト、開発のためのデータ管
理ツールをすべて、このひとつのソリューションで置き替えることが可能になり、検索、コンプ
ライアンス、分析ツールのプラットフォームとしても使用できます。その結果、運用を簡素化し、
必要なインフラを低減することから、設備投資と運用コストを大幅に削減することができます。 データ管理に仮想化技術を導入することで、アクティフィオは、データ管理を、ストレージ、
ネットワークおよびサーバーインフラから切り離し、アプリケーションと SLA を重視したソリュ
ーションを提供します。図 1 では、このソリューションを様々なアプリケーション環境に適用で
きることを示していますが、このドキュメントでは、アクティフィオ CDS がどのように VMware
環境へ適用できるかを詳細に説明します。まず、次のセクションでは VMware 環境において、コ
ピー、保存、レプリケーション、リストアを仮想化する技術の詳細を説明します。 4 コピープロセスの仮想化 ディスカバリ アクティフィオ CDS は、まず VMware 環境の詳細なディスカバリ(検出)を行います。vCenter
にクエリをかけ、ESX サーバーおよび各サーバーで稼働する VM のリストを取得します。VM は
VM 名称と UUID で管理し、管理者は、SLA 保護テンプレートを使用して個々の VM または VM の
グループを管理することが可能です。アクティフィオ CDS と vCenter は、標準的なネットワーク
で接続します。通常はポート 443(SSL)を使用します。 データキャプチャ アクティフィオ CDS は、ブロックレベルでデータを管理するため、効率性を高く維持すること
ができます。スナップショットテクノロジーを採用することで、VM 上の仮想ディスクの内容を、
アプリケーションレベルの整合性を保ちながらブロックレベルで素早く捉えます。ここでは、
VMware の 3 つのテクノロジー、VMware Snapshots、VMware Tools、Changed Block Tracking (CBT)を
活用しています。 アクティフィオ CDS は、VMware vSphere (バージョン 4.0 またはそれ以降)と完全に統合されて
います。vCenter にクエリをかけ、VM が稼働している ESX サーバーを特定し、VM snapshot を開始
します。アクティフィオ CDS が VMware snapshot を起動する際、ゲスト OS にインストールされて
いる VMware Tools software によって、VM のゲスト OS に対してアラートが通知され、ゲスト OS
は snapshot が実行されることを認識します。これにより、下記の二つのメリットが生まれます。 1. アプリケーション・コンシステンシー VMware Tools は、OS tools を活用することができます。例えば Microsoft の Volume Shadow Copy Service (VSS)を使用して、ホストファイルシステム、データベース、Microsoft Exchange
や SharePoint といったアプリケーションで、アプリケーション・コンシステンシーを提供
することができます。VMware Tools は、OS にインストールされている VSS writer を呼び出
し、snapshot が実行される前にファイル・システム、データベース、アプリケーションの
メモリー内のデータをディスクに書き込み、アプリケーション・コンシステンシーを保証
します。 2. Snapshot 前後に有効な機能 VMware Tools は、pre/post スクリプトの機能も提供しています。これは、VMware Tools を
介して直接アプリケーション・コンシステンシーを提供していない OS やアプリケーション
をサポートするもので、例えば、この機能を使用して snapshot 実行前に自社で開発したア
プリケーションを一旦停止することや、データベース(Oracle, PostgreSQL 等)のオンライ
ンバックアップモードへの移行が可能となります。 アクティフィオ CDS に snapshot データをコピーする際に、アクティフィオは、vStorage API for Data Protection の Changed Block Tracking (CBT)と呼ばれる機能を活用し、真の意味での incremental-­‐
forever アーキテクチャで本番システムの変更データを取り込みます。例えば、アクティフィオが
1 時間ごとに変更を収集するとすれば、変更ブロックの最後の一時間分が本番 VM からアクティフ
ィオ CDS にコピーされます。 VM の初回バックアップでは、アクティフィオ CDS の内部に VM の仮想ディスク用のステージ
ングディスクが作成されます。thin provisioning や VMware Changed Block Tracking を使用し、空で
はないブロックのみを取り込むため、ステージングディスクで消費する容量は最低限に抑えられ
ます。 5 アクティフィオ CDS は、2 つのアーキテクチャで、本番 VM からアクティフィオ CDS に変更デ
ータブロックを取り込みます。 1. イーサネットネットワーク(IP) アクティフィオは、VMware API コールで直接変更ブロックを取り込みます。データは、お
客様の IP ネットワークを使用して ESX サーバーとアクティフィオ CDS 間で直接やり取りし
ます。 2. ストレージエリアネットワーク (Fibre Channel) VM 環境が、Fibre Channel SAN を使用してデータストアに接続されている場合、アクティフ
ィオは、変更ブロックをストレージネットワーク経由でコピーすることができます。アク
ティフィオ CDS は、ESX サーバーは介さずに、Fibre Channel 経由でデータストアから直接変
更ブロックをコピーしますので、お客様の IP ネットワークに負荷をかけることもありませ
ん。ストレージシステム間でデータをコピーすることが、データセンター内で最も効率良
いデータ転送の手段です。 VMware データ管理におけるアクティフィ
アクティフィオ CDS は、VMware スナップショッ
オ CDS による仮想化のメリット トで保護できる VMDK および非独立型 vRDM(仮想
互換モード)のディスクタイプについて、アプリケ
ーション・コンシステントなコピーを提供すること
ができます。独立型 vRDM および pRDM(物理互換
モード)ディスクの保護に関するオプションについ
てはこの後のセクションをご覧ください。 ここでは、アクティフィオ CDS が VMware 環境か
らデータをコピーする際の流れをまとめます。 1. vStorage API を介して VM の VMware スナップ
ショットを作成します。VMware Tools によっ
てアプリケーション・コンシステンシーを確
保します。 2. VMware CBT を使用し、前回以降に変更され
たブロックを特定します。 3. 変更ブロックの内容をアクティフィオ CDS system へコピーします。 4. vStorage API を介して VMware スナップショ
ットを削除します。 • VM にエージェントをインストールす
•
•
•
•
る必要はありません。 バックアップウィンドウを最低限に抑
えます。データのコピーにはバックア
ップではなくスナップショットを使用
します。 Incremental forever (無限増分) 初回のフルコピー以降、すべてのバッ
クアップは「フル」ではなく「増分」
で行います。 スナップショットは任意のストレージ
に保存でき、高価な tier 1 ストレージ
をスナップショットから解放します。 VMware スナップショットで陥りがち
な問題を回避します。高価な tier 1 ス
トレージには変更差分を置かず、スナ
ップショットはコピー後すぐに削除し
て、本番環境の ESX サーバーの性能に
影響を与えません。 増分バックアップを重複除外した後に
圧縮し、長期にわたり最適なかたちで
データを保存します。 •
このアプローチは、VMware スナップショットを
活用し、アクティフィオ CDS system に増分データの
みを転送することでアプリケーションレベルの整合
性を保った point-­‐in-­‐time コピーを効率よく作成する
ことを可能にしました。大量データのコピーや ESX サーバー上の肥大した VMware スナップショ
ットを削除する際に発生する性能問題に悩まされることもありません。 アクティフィオ CDS は、増分ブロックのみを取り込むため、ESX 環境やストレージシステムに
大きな負荷を与えることがありません。また、VMware スナップショトも、変更ブロックをコピ
ーしている間のほんの短い間のみ維持し、その後すぐに削除されます。この方法では、オリジナ
6 ルの VMDK や vRDM に書き戻す必要のある変更ブロックが少なくて済むため、スナップショット
削除の際の VMware 内部でのパフォーマンスへの影響を最小限にとどめることができます。 独立型 vRDM ディスクおよび pRDM ディスクの保護オプション 独立型 vRDM ディスクおよび pRDM ディスクについては VMware スナップショットを実行する
ことができません。RDM タイプと VMware スナップショットの取得可否については下記の表をご
覧ください。 表 1:RDM タイプと VMware スナップショットの取得可否 互換モード vRDM(仮想互換モード)
pRDM(物理互換モード)
独立型 VMware スナップショット 独立型
非独立型
-
取得不可
取得可
取得不可
アクティフィオ CDS では、これらのタイプのディスクの保護のために、下記の二つの方法を提
供しています。 1. インバンドでの保護 アクティフィオ CDS のストレージ仮想化機能を活用し、ESX サーバーと SAN データストア
間のデータパス上にアクティフィオ CDS を設定することで、ディスク上のアプリケーショ
ンをインバンドで保護することができます。この方法によりストレージの使用を最小限に
抑え、高いパフォーマンスを維持することが可能になります。 2. ファイル・レベルでの保護 VM に Actifio Connector を導入することで、任意のタイプの仮想ディスク上でアプリケーシ
ョン・コンシステンシーを維持しながらファイル・システムを保護することができます。
この場合は、ゲスト OS で iSCSI イニシエータを有効にする必要があり、VMDK および非独
立型 vRDM の通常の保護機能と一緒に使用することができます。 保存処理の仮想化 アプリケーションの整合性を保った変更ブロックがアクティフィオ CDS に取り込まれると、次
に、最新の二つのスナップショット間で変更部分のグローバル重複除外と圧縮をブロックレベル
で行います。つまり、アクティフィオ CDS が管理する物理および仮想サーバーすべてから、新た
に取り込まれたデータを重複除外し、圧縮してからディスクに書き込みます。グローバル重複除
外および圧縮機能を使用することで下記のメリットが得られます。 1. グローバル重複除外と圧縮により、データをディスクに長期間にわたり経済的に保存する
ことができます。 2. 重複除外と圧縮により、データはサイト間の転送に最適な状態になります。 変更データのグローバル重複除外および圧縮 アクティフィオ CDS は、スナップショットとして取り込んだ最新の 2 つのデータ間で変更のあ
ったブロックのみを処理します。この処理は、アクティフィオ CDS システム内で行われ、ユーザ
ーの本番環境からデータ管理のプロセスの全てを取り去ります。CDS は、特許技術である
7 progressive data processing アルゴリズムを使用して重複除外を行い、ストレージ容量の消費を抑え
ます。 コピーデータ用ストレージの仮想化 アクティフィオ CDS は、ストレージ容量を削減するだけでなく、圧縮したデータを保存するス
トレージの機種を問いません。ユーザーは、SLA の要件にマッチしたストレージを選択すること
ができ、ベンダーや本番ストレージの機種を考慮する必要はありません。多くのユーザーが既存
のストレージにコピーデータを保存し、場合によっては、さらに低価格なストレージ・デバイス
を選択しています。これによりストレージにかかるコストを一層削減することが可能になります。 レプリケーションプロセスの仮想化 地理的に分散している環境では、レプリケーションが、効率的にデータ管理を行う上での一番
のボトルネックになります。アクティフィオは、堅牢かつ効率的で拡張性のあるデータレプリケ
ーション技術を実装することで、ネットワークの負荷を低減し、専用の WAN 高速化装置(WAN accelerator/optimizer)を不要にしました。 アクティフィオ CDS は、グローバル重複除外と圧縮機能を活用して、サイト間で効率的にデー
タのレプリケーションを行うことができます。アクティフィオ CDS は、重複除外したデータを二
つの方法でレプリケーションします。バックアップレプリケーションおよび Dedup-­‐Async レプリ
ケーション(DAR)です。 バックアップレプリケーション バックアップのレプリケーションのプロセスは、コピープロセスと保存プロセスで取り込んだ
データを重複除外のプロセスにより一意のデータとして取り込み保存したところから始まります。
このワークフローによってデータのレプリケーションに必要な帯域幅を最小限に抑えます。独自
技術によって重複除外を認識するレプリケーションプロトコルを使用することにより、リモート
アクティフィオ CDS システムに必要なブロックを1度だけ送信することが可能で、最も効率のよ
いデータレプリケーションを行います。 このアーキテクチャは、WAN 帯域幅を最も効率良く使用します。例えば、1GB のサービスパッ
クを 100 の Windows VM に適用する場合を考えると、Actifio テクノロジーを使用することで、レ
プリケーションのトラフィックは 100GB を大きく下回ります。 まず、100GB の変更分は、シングルインスタンス機能を使用し各サーバーに書き込まれた共通
の 1GB のブロックに集約されます。 次に、このブロックには、以前のパッチや既存の Windows のバイナリなどから既に dedup レポ
ジトリに存在する部分が含まれることが考えられるため、サービスパックの 1GB 分のブロックを
重複除外し、例えば 600MB まで削減することも可能です。残りの 400MB はすでにレポジトリに
存在しているわけです。 最後に、600MB の新ブロックは、圧縮機能により例えば 300MB まで圧縮されてから送信しま
す。つまり、Actifio のグローバル重複除外テクノロジーによって 100GB を WAN に送りだすのでは
なく、300MB のデータを送信することになります。また、リモートサイトでローカルデータの保
護機能を使用している場合、そのサイトで重複除外のプールに必要なデータがすでに存在してい
ることも考えられ、その場合データは送信されません。 8 Dedup-­‐Async レ プリケーション(DAR) プライマリストレージのレプリケーション手法は、Dedup-­‐Async レプリケーション(DAR)と呼ば
れる Actifio のみが提供している業界初の機能です。これは、業界で最も効率良くデータをレプリ
ケーションする方法で、帯域幅の要件を低減しながら、従来の同期型・非同期型レプリケーショ
ンと同等の RTO を可能にします。 Dedup-­‐Async レプリケーション(DAR)は、非同期型のデータレプリケーションですが、サイト間
で重複除外した上で、圧縮したデータをネットワーク経由で転送します。Dedup-­‐Async プロトコル
は、下記のワークフローで処理し、サイクルタイムも短縮します。 1.
2.
3.
4.
物理・仮想サーバーのスナップショットを実行します。 前回サイクルから変更されたブロックに対し重複除外を行い圧縮します。 新たに圧縮されたグローバルで一意のデータブロックを DR サイトへ転送します。 DR サイトで受け取ったデータブロックを解凍(rehydrate)し、フェイルオーバーに備えます。 このアプローチは、非同期型ストレージレプリケーションのメリットをすべて享受しながら、
従来のレプリケーション技術で必要だった帯域幅のごく一部のみを使用します。また、アプリケ
ーションの整合性を保った形で、レプリケーションコピーを DR サイトに持たせることができます
から、業務再開時における整合性のチェックも必要なく、リカバリにかかる時間を短縮できます。 また、バックアップのレプリケーションと Dedup-­‐Async レプリケーション(DAR)で共通のビット
ストリームを活用することにより、効率性をさらに高めます。従来の技術では、プライマリスト
レージおよびバックアップレプリケーションはそれぞれ独立して帯域幅を確保していましたが、
アクティフィオ CDS では、この二つの機能は同じ帯域幅を使用します。例えば、Dedup-­‐Async レプ
リケーション機能でプライマリストレージのブロックをレプリケーションする場合、その後バッ
クアップレプリケーションの際には、それらのブロックはすでに DR サイトに存在しているので含
める必要はありません。つまり、プライマリストレージとバックアップは、グローバル重複除外
され圧縮された同じデータストリームを使用してレプリケーションされるのです。 図 2:Dedup-­‐Async レ プリケーション(DAR)のアーキテクチャ 9 Actifio の Dedup-­‐Async アーキテクチャによって、サイト間のデータの流れを中断することなく、
DR およびフェイルオーバーのテスト用の仮想コピーデータを作成することができます。Dedup-­‐
Async 機能によって、仮想サーバー(および物理サーバー)の DR テストを、データレプリケーシ
ョンを中断することなくいつでも行うことができ、ストレージ容量を追加する必要もありません。
データの仮想コピーイメージは DR サイトで作成され、テストや分析にすぐに使用することができ
ます。また、Dedup-­‐Async 機能は、高度な増分フェイルバック機能を備えており、DR サイトへフ
ェイルオーバーした後の、プライマリサイトへのサービスのリストア作業を大幅に削減します。 ReadyVM ReadyVM は、Dedpup-­‐Async レプリケーション(DAR)のオプション機能で、リモートサイトの仮
想サーバーのデータストアに直接データレプリケーションを行うことで、DR サイトへフェイルオ
ーバーした時に本番ストレージの領域ですぐに業務を再開できる機能です。 ReadyVM は、Dedup-­‐Async レプリケーション(DAR)と同様に下記のワークフローで処理されます
が、最後のステップで DR サイトで受け取ったデータは、vStorage API を使ってリモートサイトの
データストアに差分で反映されます。 1.
2.
3.
4.
物理・仮想サーバーのスナップショットを実行します。 前回サイクルから変更されたブロックに対し重複除外を行い圧縮します。 新たに圧縮されたグローバルで一意のデータブロックを DR サイトへ転送します。 DR サイトで受け取ったデータブロックを解凍(rehydrate)し、vStorage API を使ってリモート
サイトのデータストアに書き込み、フェイルオーバーに備えます。 図 3:Ready VM のアーキテクチャ リストア/リカバリプロセスの仮想化 アクティフィオ CDS は、従来の「リストア」プロセスを必要とせず、アプリケーションが
point-­‐in-­‐time のデータを直接使用できるようにする独自の機能をもっています。アクティフィオ
CDS は、インテリジェントなストレージサブシステムであり、過去のある時点のアプリケーショ
ンデータのイメージを瞬時に再現することができ、アプリケーションは、従来のストレージシス
10 テムにアクセスするように、Fibre Channel または iSCSI で効率的にデータにアクセスすることがで
きます。 この独自の技術によって、アプリケーションは、直接過去のデータにアクセスすることができ、
これまで必要だった「リストア」の時間やデータの書き戻しをなくし、非常に低コストでアプリ
ケーションの可用性を大きく高めることができます。システム内に保存されているアプリケーシ
ョンの整合性を保ったデータは、Actiofio CDS に接続しているシステムならどこからでもアクセス
することができます。ソフトウエアの障害で VM をリカバリする場合や、誤って削除したファイ
ルを回復する場合、テスト開発用に本番データの仮想コピーを使用する場合などに有効に活用で
きます。 アクティフィオ CDS に保存されているデータにアクセスする方法は 3 つあります。マウント、
クローン、リストアです。 マウント マウント機能は最も頻繁に使用されているアクセス方法です。アクティフィオ CDS の先進的な
ストレージアレイアーキテクチャを使って保存されているデータの仮想コピーを、直接活用する
方法です。アクティフィオ CDS は、過去のデータイメージを保持しており、さらに、それらに対
して直接 IO 処理が行えますので、データをコピーする必要はありません。Fibre Channel、iSCSI な
ど効率的なブロックレベルのプロトコルを使用して、データの仮想コピーを、どのシステムにで
も、瞬時にマウントさせることができます。 データのコピー処理をなくすことで、どんなに大きいデータに対してでも、仮想・物理サーバ
ーを問わず瞬時にアクセスすることができます。データはコピーされるのではなくマウントされ
るので、2TB のデータも 2GB のデータも同じ秒単位の時間内でアクセスすることができます。デ
ータの種類、大きさに関わらず、仮想コピーを、ファイル/フォルダーレベルのリカバリ、テスト
開発、VM 環境のリカバリなどに活用することができます。 アクティフィオ CDS は、VM の仮想ディスクの複数の point-­‐in-­‐time コピーを、物理ホスト、既
存の VM、もしくは、新たに作成する VM にマウントすることができます。アクティフィオ CDS は、
Fibre Channel または iSCSI で、任意のデータセットの仮想コピーを、任意の ESX サーバーに認識さ
せることができます。アクティフィオ CDS は、ESX サーバーに対して、SCSI バスをリスキャンし
て新しい仮想ディスクを検出するよう指示します。 既存の物理ホスト、または VM へ仮想ディスクをマウントする際は、ユーザーが任意のホスト
を選択します。VM については、新しいディスクは vRDM として追加され、独立型に設定されます
ので、この VM は、その後のバックアップには含まれません。Actifio Connector をホストにインス
トールしておきますと、OS レベルでドライブをリスキャンし、新たに追加されたディスクを利用
可能にします。 新しい VM を作成する際、ユーザーは、VM の名称、vCenter サーバー、ESX サーバーおよびデ
ータストアを指定します。アクティフィオ CDS は、point-­‐in-­‐time イメージの仮想コピーを使用して
VM を作成し、vRDM で非独立型として認識させ、必要ならばアクティフィオ CDS が VM に保護を
かけることができるようにします。VM は、自動的に vCenter に登録されますが、ネットワーク IP
の衝突を避けるため、仮想ネットワークインターフェースは、一時的に無効になっています。デ
ータストアを指定するのは、VM の構成と vRDM マッピングファイルを持たせるためだけで、デー
タストアのスペースはほとんど消費しません。 さらに、同じ point-­‐in-­‐time コピーを使用して、複数の仮想コピーを作成し、それぞれを異なる
サーバーにマウントすることも可能です。これにより、同じデータのコピーを使用して、複数の
開発・テスト用サーバーを平行して運用することが可能になり、オリジナルのバックアップをリ
11 スクに晒すことなく、それぞれのコピーが別々にストレージ容量を消費することもありません。
それぞれのマウントは、ストレージ・レベルのスナップショットを使用して変更内容を蓄積しま
すので、元データのイメージは変更しません。新たに発生する変更部分のみを保存することによ
って、ストレージ容量の消費を最小限に抑えるというメリットが生まれます。 クローン クローンは、データの独立したコピーを作成する機能で、テスト/開発、監査、コンプライアン
ス、データウエアハウス、科学捜査、e ディスカバリ、ユーザー検収テストなど様々な用途に利
用されます。クローン機能を使用して、仮想サーバーまたは物理サーバーは、アクティフィオ
CDS が格納しているアプリケーションの整合性を保った仮想コピーから、環境内のストレージに
対してコピーしたデータを利用することができます。例えば、Exchange の VM のクローンを作成
し、6 カ月前の状況を再現する新しい VM を起動して、e ディスカバリに使用することが可能です。 クローンの作成は、新しい VM にマウントすることと似ていますが、仮想ディスクは、ユーザ
ーが指定する ESX サーバーの一つまたは複数のデータストアの中に新たに作成される VMDK ファ
イルにコピーされます。 リストア リストア機能によって、本番データを、データを収集した時点と全く同じ状態に戻すことがで
きます。VM をリストアする場合、アクティフィオ CDS は、本番の VM をパワーダウンし、仮想デ
ィスクをすべて削除します(すべてのデータは失われます。)そして、データを収集した時点と
同じデータで新しい仮想ディスクを作成します。 リストアは、データへのアクセス方法としては使用頻度が最も少ない方法です。マウント機能
を使用すればコピー処理が発生しないため、より早くデータにアクセスできます。例えば Storage vMotion を使用することで、後日 VM を適切な構成下に移行することも可能です。 ファイルおよびオブジェクトのリストア ボリュームレベルで情報をリストアする以外に、アクティフィオ CDS は、保存されているデー
タについて、アプリケーションごとに時間関係を確認しながら、複数のオブジェクトフォーマッ
トで情報を回復できるようにします。Windows systems のファイルレベル・リカバリや、Microsoft SharePoint/Exchange のオブジェクトレベル・リカバリもこれに含まれます。このリカバリ方法は
仮想マシン、物理サーバー両方に対応しています。 アクティフィオについて アクティフィオ(ActifioTM)は、次世代型のコピーデータ管理を実現します。 アクティフィオの CDS は、従来の仕組みと比べて劇的に低いコストでデータへの即時アクセス
を実現する業界初のコピーデータ管理ソリューションです。 アクティフィオは、データ保護の仕組みを統合し仮想化することで、アプリケーション志向の
ソリューションを生み出し、ストレージ、ネットワーク、サーバのインフラからデータ管理を切
り離すことを可能にしました。アクティフィオは、22 カ国の IT 部門とサービス・プロバイダーを、
ベンダーロックインとデータ爆発の課題から解放してきました。 アクティフィオは米マサチューセッツ州ウォルサムに本社を構え、世界中にオフィスを持って
います。詳細情報については、http://www.actifio.com/ja をご覧になるか、
[email protected] までメールをお願いします。 12 
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