...

第4節 刑法犯少年

by user

on
Category: Documents
19

views

Report

Comments

Transcript

第4節 刑法犯少年
第1部 青少年の現状
2 出会い系サイトに関連した児童の
犯罪被害と携帯電話等の利用
3 学校非公式サイトの状況
誹謗・中傷,猥褻情報などの有害情報発信源と
平成19年中,
「出会い系サイト」を利用して犯
なるおそれのある学校非公式サイトに関して,文
罪被害に遭った児童は1,100人で,罪種別では,
部科学省の「青少年が利用する学校非公式サイト
「児童買春・児童ポルノ法」違反が592人(53.8%)
に関する調査」より,青少年が利用する学校非公
と最も多く,次いで青少年保護育成条例違反が
式サイトのウェブサイト数(一般的な中高生が利
388人(35.3%)となっている。また,殺人,強
用する学校非公式サイトのポータルサイトから,
姦等の重要犯罪の被害に遭った児童は36人で,依
サイト数を調査)については,サイト・スレッド
然として深刻な状況が続いている。
数38,260件(平成20年1月∼3月現在)が確認さ
また,「出会い系サイト」を利用して犯罪の被
れ,書き込み内容(調査地域を限定し,学校非公
害に遭った児童1,100人のうち,アクセス手段と
式サイト約2,000件に書き込まれた内容について
して携帯電話を使用したものは,1,062人(96.5%)
調査)については,誹謗・中傷(「キモイ」,「う
となっている。
ざい」等の32語が含まれる)50%,わいせつ(性
器の俗称など12語が含まれる)37%,暴力を誘発
(
「死ね」,「消えろ」,「殺す」等20語が含まれる)
27%が確認されている。
第4節 刑法犯少年
1 刑法犯少年
平成19年の刑法犯少年
多くなっている(第1-3-18図)
。
※9
は,10万3,224人(前
平成19年の刑法犯少年のうち初発型非行(万
年比9,593人(8.5%)減)
,刑法犯少年の人口比(同
引き,自転車盗,オートバイ盗及び占有離脱
年齢層の人口千人当たりの検挙人員をいう。)は
物横領の4罪種をいう。)で検挙した者の数は7
13.8(1.0減)であり,成人と比較して人口比で5.5
万4,949人で,刑法犯少年総数に占める割合は
倍となっている(第1-3-17図)。
72.6%(0.7ポイント減)となっている。
また,刑法犯総検挙人員に占める少年の割合は
28.2%で,前年に比べ1.2ポイント減少した。
平成19年の触法少 年( 刑 法 ) の 補 導 人 員は,
また,平成19年に凶悪犯で検挙した刑法犯
少 年 は1,042人 で, 前 年 に 比 べ128人(10.9 %)
減少した。罪種別にみると,強盗が757人と最
1万7,904人(前年比883人(4.7%)減),
触法少年(特
も多いが,前年に比べ135人(15.1%)減少し
別法)は608人(前年比146人(31.6%)増)であっ
た。殺人の検挙人員は62人で,前年に比べ7人
た(第1-3-4表)
。触法少年(特別法)について年
(10.1%)減少し,強姦の検挙人員は121人で,
次推移をみると,平成13年以降増加傾向にある。
(1)罪種別
刑法犯少年を罪種別にみると,窃盗犯が最も
前年に比べ15人(14.2%)増加した。
平成19年に粗暴犯で検挙した刑法犯少年は
9,248人で,前年に比べ569人(5.8%)減少した。
※9 1 刑法犯少年とは,「刑法」(明40法45),「盗犯等ノ防止及処分ニ関スル法律」(昭5法9),「暴力行為等処罰ニ関スル法律」(大15法60),「決闘罪
ニ関スル件」
(明22法34),「爆発物取締罰則」
(明17太政官布告32),「航空機の強取等の処罰に関する法律」(昭45法68),「火炎びんの使用等の処
罰に関する法律」
(昭47法17),
「航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律」
(昭49法87),
「人質による強要行為等の処罰に関する法律」
(昭
53法48),
「流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法」(昭62法103),「サリン等による人身被害の防止に関する法律」
(平7法78),
「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律」(平11法136),「公職にある者のあっせん行為による利益等の処罰に関する法律」(平12
法130)
,
「公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金の提供等の処罰に関する法律」(平14法67)に規定する罪(交通事故に係る業務上(重)過失致
死傷,危険運転致死傷を除く。)で警察に検挙された14歳以上20歳未満の者をいう。
2 特別法犯少年とは,上記1以外の罪(交通事故に係る業務上(重)過失致死傷,危険運転致死傷や「道路交通法」(昭35法105),「自動車の保管
場所の確保等に関する法律」(昭37法145)等の道路交通関係法令に規定する罪を除く。)で警察に検挙された14歳以上20歳未満の者をいう。
44
第3章 青少年の安全と問題行動
第4節 刑法犯少年
最も多い。
次いで16歳,14歳の順となっており,14歳から
部
初発型非行について年次推移をみると,平成
1
等学校への移行年齢でもある15歳が最も多く,
第
罪種別では,傷害による検挙人員が5,583人で
16歳までの年齢層で刑法犯少年全体の65.1%を
占めている(第1-3-19図)
。
12年以降緩やかな上昇傾向にあったものの,平
成15年以降は再び減少傾向にある。
刑法犯少年を学職別にみると,高校生が4万
(2)年齢別
2,430人(41.1%)で最も多く,次いで中学生が
3万556人(29.6%)となっている。
刑法犯少年を年齢別にみると,中学校から高
■ 第 1-3-17 図 刑法犯少年の検挙人員,人口比の推移
(%)
20.0
14 歳∼19 歳検挙人員
20 歳以上検挙人員
14 歳∼19 歳人口比
20 歳以上人口比
第3章
(万人)
50
18.0
16.0
40
14.0
12.0
30
10.0
8.0
20
6.0
4.0
10
2.0
0
昭和
24
30
35
40
45
50
55
60
平成
元
5
10
15
0.0
19
(年)
(注)
1 検挙人員とは,交通業過を除く刑法犯(ただし,昭和 40 年以前は盗品等に関する罪,住居侵入罪を除く。)で検挙した 14 歳から 19 歳までの少
年をいう。
2 人口比とは,14 歳から 19 歳までの少年人口 1,000 人当たりの検挙人員をいう。
3 検挙人員には,未遂・予備を含む。
資料:警察庁調べ
■第 1-3-4 表 触法少年及びぐ犯少年の補導人員の推移
区分
年
触法少年(刑法) 触法少年(特別法)
ぐ犯少年 平成 9 年
10 年
11 年
12 年
13 年
14 年
15 年
16 年
17 年
18 年
19 年
26,125
26,905
22,503
20,477
20,067
20,477
21,539
20,191
20,519
18,787
17,904
254
294
282
285
214
280
355
401
407
462
608
1,676
1,888
1,557
1,887
1,811
1,844
1,627
1,657
1,508
1,482
1,379
(注) 1 触法少年とは,刑罰法令に触れる行為をした 14 歳未満の者をいう。
2 ぐ犯少年とは,性格,行状等から判断して,将来,罪を犯し,又は刑罰法令に触れる行為をするおそれのある 20 歳未満の者をいう。
3 補導人員には,未遂・予備を含む。
資料:警察庁調べ
45
第1部 青少年の現状
■第 1-3-18 図 刑法犯少年の包括罪種※ 10 別検挙人員の推移
(人) 157,385
160,000
141,721
144,404
141,775
138,654
140,000
総数
凶悪犯
粗暴犯
窃盗犯
その他
初発型非行
134,847
132,336
123,715
119,033
120,000
112,817
104,644
97,900
99,768
102,134
104,180
86,561
77,903
80,000
103,224
100,136
91,626
100,000
91,696
81,260
83,300
82,656
81,512
74,949
76,637
71,147
62,637
60,000
46,324
40,000
20,000
38,099
17,321
2,197
0
平成 10
36,993
15,930
2,237
11
32,622
19,691
2,120
12
36,851
18,416
2,127
13
45,187
40,535
15,954
1,986
14,356
2,212
14
15
11,439
1,584
16
40,669
10,458
1,441
17
39,193
9,817
1,170
18
58,150
34,784
9,248
1,042
19 (年)
(注) 初発型非行とは,万引き,自転車盗,オートバイ盗及び占有離脱物横領の 4 罪種をいう。
資料:警察庁調べ
■第 1-3-19 図 刑法犯少年の年齢別検挙人員の推移
(人)
40,000
35,000
36,848
34,169
33,387
25,000
29,276
33,331
34,102
33,041
31,639
31,932
24,596
25,865
24,666
24,833
23,535
28,821
25,274
24,194
16,802
13,613
11,853
平成10
14,700
11
9,918
12
13
20,132
17,785
16,125
15,365
12,846
12,524
11,390
11,107
9,963
20,664
14,362
12,364
11,062
23,325
22,651
19,547
15,505
23,786
24,895
22,404
22,288
17,456
15,778
26,017
26,944
20,470
15,000
5,000
31,668
21,993
22,298
20,000
10,000
31,553
29,953
24,536
17 歳
18 歳
19 歳
35,100
31,985
30,000
14 歳
15 歳
16 歳
37,416
10,610
11,376
9,240
14
15
16
17
18
19 (年)
資料:警察庁調べ
※10 包括罪種とは,刑法犯を「凶悪犯(殺人,強盗,放火,強姦)」,
「粗暴犯(暴行,傷害,脅迫,恐喝,凶器準備集合)」,
「窃盗犯(窃盗)」「知能犯(詐
欺,横領(占有離脱物横領罪を除く。)
,偽造,汚職,背任,「公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律」に規定する罪)」
,「風
俗犯(賭博,わいせつ)」,
「その他の刑法犯(公務執行妨害,住居侵入,逮捕監禁,器物損壊等上記に掲げるもの以外の刑法犯)」の6種に分類したもの。
46
第3章 青少年の安全と問題行動
第4節 刑法犯少年
1
第
2 道路交通法違反等
(2)道路交通法違反
平成19年に,道路交通法違反のうち,無免許,
(1)自動車運転過失(業過)致死傷等
最高速度超過などの車両の運転に関する違反で
で検挙した少年は2万8,742人で,前年に比べ
検挙した少年は37万1,572人で,前年に比べ2万
3,855人(11.8%)減少した(第1-3-20図)。
5,539人(6.4%)減少した(第1-3-20図)。また,
部
平成19年に自動車運転過失(業過)致死傷等
平成10年の81万7,139人と比べると,44万5,567
人(54.5%)減少している。
■第 1-3-20 図 道路交通法違反に係る少年の検挙人員の推移
817,139
40,000
35,000
(人)
道路交通法違反(人)
900,000
自動車運転過失(業過)致死傷等(人)
800,000
761,745
37,120
37,602
40,447
641,802
30,000
40,218
40,137
37,711
610,842
38,025
700,000
34,717
32,597
570,626
520,248
25,000
600,000
28,742
491,126
455,634
397,111
20,000
371,572
500,000
400,000
15,000
300,000
10,000
200,000
5,000
100,000
0
平成 10
11
12
13
第3章
(人)
45,000
14
15
16
17
0
19 (年)
18
(注) 「自動車運転過失(業過)致死傷等」とは,「自動車運転過失致死傷」及び「交通事故に係る業務上(重)過失致死傷」をいう。
資料:警察庁調べ
第5節 問題行動(薬物乱用,非行,いじめ,家出,自殺等)
1 薬物乱用
平成19年に覚せい剤事犯で検挙した青少年
は3,209人で,前年に比べ31人(1.0%)増加し,
大麻事犯で検挙した青少年は1,570人で,前年
■ 第 1-3-21 図 覚せい剤,大麻及びMDMA
等合成麻薬事犯検挙者総数に占める青少年
の割合の推移
(%)
100.0
に比べ43人(2.8%)増加した。また,MDMA
等合成麻薬事犯で検挙した青少年は186人で,
前年に比べ55人(22.8%)減少したが,検挙者
80.0
74.1
67.6
60.0
総数に占める割合をみると62.8%となってお
り,大麻事犯とともに高い水準で推移している
大麻
MDMA
覚せい剤
71.0
68.0
66.0
29.5
29.9
16
17
61.7
66.7
69.1
65.1
62.8
27.4
26.7
40.0
(第1-3-21図)。
33.9
20.0
0
平成 15
18
19 (年)
資料:警察庁資料より推計
47
Fly UP