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冷戦『〝における東南アジア地域紛争の要因と争点

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冷戦『〝における東南アジア地域紛争の要因と争点
冷戦 後 にお け る東 南 ア ジア地域 紛 争の要 因 と争 点29
冷 戦 後 に お け る東 南 ア ジア地 域 紛 争 の要 因 と争 点
館
野
和
之
カニ ズ ム に 深刻 な重 荷 と な って い る。 そ して,
は じめ に
そ の 窮 状 に 紛 争 や テ ロの 災 厄 が さ らに追 い 打
ラ
第2次 世 界 大 戦 前,世
界 はかっ てない貿易
ち を か け る。
り
の拡 大 を経 験 した 。世 界恐 慌 と大 戦 の混 乱 は,
そ の 果 実 を 一 時 的 に 破 壊 し尽 く した が,戦
の 困 難 な 時 期 を経 た 後,今
後
日の 世 界 は 大 戦 前
経 済,政
合 い,時
治,社 会 の プ ロ セ ス が 相 互 に 絡 み
に相 互 に強 化 しあ う と 貧 しい者 の 生
活 の 欠乏 状 態 は 悪 化 す る。 そ の 結 果 が 貧 困 で
夜 の 絶 頂 期 を 凌 駕 して 発 展 を 続 け て い る。 紆
あ る。 病 気,暴 力,悪
余 曲折 は あ ろ う と も グ ロ ーバ リズ ム は もは や
ロー ル不 可 能 な要 因 に 脆 弱 な 人 々は よ りい っ
押 し戻 せ な い潮 流 で あ り,世 界 の 一 人 あ た り
そ う貧 しさ を 痛 感 す る。 生 活 は 停 滞 し,地 域
天 候,天
災 な どコン ト
ラ
の 所 得 は 平 均 す る と 過 去 最 高 額 に 達 した 。 各
社 会 の エ リー ト層 に対 して交 渉 す る立 場 は ま
国 の 連 携,技
間 の生 活 状 態
す ます 弱 ま っ て い る 。 しか し,な に よ り も貧
は歴 史 上 か っ て ない ほ ど改善 され た 。過 去
しさ に う ち ひ しが れ た ラ トビア の 女 性 の 言 葉
100年 間 で,人 類 は 有 史 以 来,空
は,貧
術 力 の 向 上 で,人
前 の 繁栄 を
実 現 した の で あ る 。 そ れ に も か か わ らず,貧
困 の 別 の 相 を か い ま見 せ る。(IBRD,
2001)
困 は 続 い て い る。
世 界 人 口61億 人 の う ち,半 数 近 い28億 人
は1日2ド
ル 以 下 で 生 活 し,12億
人 は1ド
「貧 困 と は 恥 ず か しい こ と,・誰 か に依 存
す る こ と。 誰 か に助 け を 求 め た と き に,無
ラ
ル 以 下 で 生 活 し て い る 。96年 現 在,世
界の
礼 や侮 辱 を受 け,あ る いは 無視 され る こと。」
の
飢 餓 人 口は お よ そ8億 人 と推 計 され た 。 富 裕
国 で は5歳
に1人
に な る前 に 死 亡 す る幼 児 は100人
だ が,最 貧 国 で は5人
良 の 幼 児 は 全 体 の50%に
お り,エ
養不
達 す る。 ボ ツ ワ ナ
や ジ ン バ ブ エ な どHIV/AIDS流
で は 成 人 の4人
に1人,栄
行 の 中心 地
に1人 が ウ ィル ス に感 染 して
イズ 孤 児 は 地 域 の公 的 機 関 の 支援 メ
確 か に世 界 レベ ル で は 史 上 空 前 の 繁 栄 を 謳
歌 して い る。 しか し,そ の 光 に 気 を と られ る
あ ま り,貧
し く悲 惨 な 現 実 か ら 目 をそ らす べ
き で は な い 。 助 け を 求 め られ て い る に も か か
わ らず,無
視 を した り 目 を背 け て は な らな い
の で あ る。 そ して,戦 争 は 貧 困 者 の リス クを
30
極 大 にす る。 貧 困 か ら紛 争 や 騒 乱,内
戦や暴
目す る ア プ ロー チ を採 用 す る 。 第1章
では冷
力 が 必 ず しも生 じるわ け で は な い。 しか し,
戦 後 の 紛 争 の 力 学 に つ い て,第2章
戦 乱 は 間 違 い な く貧 困 を生 産 す る。 そ して,
源 と 紛 争 の関 連 に っ い て 考 察 を 加 え る。 最 後
そ う して 生 まれ た 貧 困 が 新 た な紛 争 を 呼 び,
に,今 後 の研 究 の 課 題 を 示 す こ と と した 。
悲 劇 は再 生 産 され て い くの で あ る。 こ う した
負 の 連 鎖 を断 ち切 るた め,何
に も ま して暴 力
の 発 現 を 予 防 す る こ とが 急 務 と な って い る。
は 特 に資
本論 の叙 述 は,文 献 調査 によ るfactfindi㎎s
に考 察 を 加 え る と い う 伝 統 的 ス タ イル を採 っ
て い る。 参 考 文 献 は,主
と して近 年 蓄 積 され
て き た 生 産 的 な研 究 業 績 に 依 存 した 。 国 際 機
1.本
論の 目的と分析対 象
関 の レポ ー トも多 く参 照 した が,そ
で は,わ れ わ れ は どの よ う な危 機 に 対 処 す
べ き か。 紛 争 を 予 防 し,解 決 す る に は,そ
の
してNGOの
れ に もま
現 地 活 動 を 通 して 生 み 出 さ れ た
実 際 的,か っ 徹 底 的 な調 査 を高 く評 価 した い 。
特 性 と ダ イ ナ ミズ ム を よ り一 層 知 る べ きだ ろ
本 論 の 編 集 は,彼
う。 こ う した 紛 争 研 究 は な に も 目新 しい も の
て い る。
らの 努 力 を も と に成 り立 っ
で は な い 。 しか し,暴 力 と悲 惨 の要 因 を探 る
努 力 は 持 続 され ね ば な ら ない 。 本 論 は,冷 戦
後 の 文 脈 の 中 で どの よ う に暴 力 が 発 現 す るか,
第1章
ポス ト冷戦期の紛争
そ の 要 因 と争 点 を 探 る こ と を 目的 と して い る。
1.不
そ して,そ
(1)冷 戦 の 終 結:エ
の成 果 が 危 機 の 予 防 と管 理 に寄 与
す る こ と を願 って や ま な い 。
安定 な世界構造
ー ル大学 の ガデ ィス
(JohnL.Gaddis)教
授 は,「 冷 戦 の 終 焉
に ア ジ ア地 域 で の 血 な ま ぐ さ い衝
は,氷 河 期 の 終 焉 と 同 じ」 だ と 説 明 した 。 確
突 が 頻 発 して い る。 こ の 地 域 で の 紛 争 の要 因
か に,氷 河 期 に は ど こを 見 回 して も一 面 の 銀
は,群 を 抜 く高 い 人 口増 加 率,多 様 な民 族,
世 界 だ が,ひ
豊 富 な資 源 に 集 約 され よ う。 た と え ば,こ れ
大 地 に 根 ざ した 地 形 が 露 わ に な る。 こ の た と
ま で イ ン ドネ シ アで 勃 発 した,あ
るい は激 化
え通 り,冷 戦 終 結 と と も に,冷 戦 期 の 二 極 安
す る 可 能 性 の あ る紛 争 の 多 くは,資 源 開 発 問
定 構 造 の 底 流 に 隠 れ て い た 様 々 な対 立 は 一 挙
題 を 絡 め た 少 数 エ ス ニ シ テ ィー と の 民 族 間 紛
に顕 在 化 した 。
近 年,特
とた び氷 河 が 溶 け て な くな ると,
の
争 で あ る。 そ の 危 機 の諸 相 を 分析 す る と,市
(2)多 極 化 す る政 治:か
っ て 国家 は 民族
場 の グ ロ ーバ ル 化 と政 治 的 マ ー ジ ナ リテ ィー
共 同 体 と して の ア イ デ ン テ ィテ ィを持 ち,安
の狭 間 で 葛 藤 す る多 民 族 国 家 の苦 悩 が 浮 き彫
全 共 同 体,政
りに な る。
同体 の機 能 を持 っ 複 合 共 同体 で あ る とさ れ た 。
治 共 同体,経
済 共 同 体,文
化共
フラ
(加 藤,1998)冷
2.ア
プ ロー チ と参 考 文 献
戦時 まで は世 界 の構成 単
位 は 近 代 国 家 だ った が,二 極 構 造 の 消 滅 は,
暴 力 の 発 現 の 背 後 に は い くつ も の 複 合 的 原
国 家 と い う構 成 単 位 に 執 着 す る必 要 性 を 大 き
因 が あ る が,本 論 で は そ れ らの相 関 関 係 に 着
く減 じて し ま った 。 国 民 国家 の 機 能 は 一 気 に
冷戦 後 にお け る東 南 ア ジア地域 紛 争の 要因 と争 点31
相 対 化 し始 め,世
界 は モ ザ イ ク状 の 多 極 構 造
間 人 で あ り,90年
代 以 降 に 限 れ ば90%を
占
ラ
に な って い る。
め て い る。(Laurance,1999,Sivard,1996,
(3)統 合 さ れ る 経 済:一
方,世
界経 済 は
グ ロ ー バ ル 化 に よ り統 合 が 進 む だ ろ う。IT
UNDP,1994)
しか し,死 者 の 集 計 数 は 暴 力 的 紛 争 の 被 害
革 命 に よ り,世 界 の 経 済 は ネ ッ トワー クで 緊
の 中 で は 断 片 に 過 ぎ な い。 犠 牲 者 の 周 辺 に は
密 に結 合 し,情 報 や 知 識
膨 大 な 負 傷 者 が お り,健 康 や 住 居,農
資 本,商
ビス,人 や 文 化 の 移 動 は,低
に,か
品,サ
ー
コ ス トで 効 率 的
っ 自 由 に実 現 す る。 しか も,こ の 革 命
育,コ
業,教
ミ ュ ニ テ ィー や 国家 の 統 一 性 に対 す る
影 響 は 計 り知 れ な い 。 図1に,ASEAN諸
ラ
は か つ て ない 速 度 で 伝 播 して い る。 グ ロー バ
国 の 国 外 避 難 民 とUNDPの
人間 開発指標 の
ル 化 が 進 展 す れ ばす る ほ ど対 外 貿 易 と 投 資 が
相 関 を 示 した 。 被 検 数 が 少 な い の で 即 断 で き
拡 大 し,個 人 や 企 業 が 活 動 で き る範 囲 も急 速
な いが,緩 や か な負 の相 関 関係 が 認 め られ る。
ゆラ
に 拡 大 す るは ず で あ る。
か た や 世 界 経 済 は 統 合 さ れ,か
たや政治が
ー1 1
o
O
4
0
O
○
5
α
て い る。
8 7 6
0 0 α
只5則 一皇
い ほ どの不 確 実 性 と 不 安 定 性 を は らみ は じめ
国の 難 民総 数 と人 間 開発 指 標
1 9
0
多 極 化 に 向 か う 中,世 界 シ ス テ ム は か つ て な
図1ASEAN諸
との相 関 関係
■
O20405030臨00120140150
国 外避 難 民
2.冷
戦 後の紛争 の諸相
暴 力 的 紛 争 は,た
{Source[UNDP,HumanDevelopmen'Report2002=
ぶん人類 に特有 の現象 な
Deeping[bmocrocytnFragmentedWorld.2002
,UN
DP=NewYork=OxfordUniversi重yPress{OUP}
の だ ろ う 。 人 類 の 歴 史5600年
間 に14500の
戦 争 が あ った とす る調 査 が あ る。(Montagu,
1989)ま
た,別
な 研 究 で は 過 去3400年
平 和 で あ った 時 期 は286年
間 だ け だ った と 主
張 し て い る 。(Burke,1989)20世
る紛 争 の犠 牲 者 は1億3000万
人 に及 び,そ
間 に,
紀 に おけ
∼1億4200万
こに 何 らか の 政 治 的 決 定 に よ る
死 亡 者 も含 め る と,犠
万 ∼2億2600万
牲 者 は 実 に2億1400
人 に上 る と推 定 され る。
(Leitenberg,2001)
争 が 起 き た と伝 え られ,そ
戦 だ った 。(IBRD,2001)紛
に 流 浪 の身 と な った 人 々は,冒
内 で あ るの
頭 で 示 した ラ
トビ ア の女 性 と 同 じ気 持 ち を痛 感 す る こ と に
な る。 家 族 は 分 断 され,兵
隊 に と られ て 兄 弟
が 敵 同士 に分 か れ て闘 う こ とす ら珍 し くな い。
国 内 の 紛 争 は 最 も弱 い 人 々 を打 ち の め す 。 社
会 と経 済 を破 綻 させ,断 続 的 か っ 持続 的 に人 々
の生 命 を脅 かす の で あ る 。
紛 争 が も た らす も の は 個 々人 の悲 劇 だ け で
冷 戦 後 だ け を 見 て み る と,紛 争 の 多 くは貧
困 国 で 起 こ り,1987∼97年
住 み 慣 れ た 家 と土 地 を 捨 て,国
に103の
の85%以
は な い 。 開 発 プ ロ セ ス を 少 な く と も10年
は
武 力紛
後 退 させ る 。 場 合 に よ っ て は30年
上が内
を させ る場 合 す らあ る。(高 橋,2000)現
在,
20ヵ 国 ほ どが 高 烈 度(highintensity)の
紛
争 の 多 くが 「南 」
と 「北 」 で 発 生 して い る。 犠 牲 者 の 大 半 は 民
争 状 態 に あ り,70ヵ
もの後退
国 ほ どが 低 烈 度(low
32
intensity)の
紛 争 状 態 に あ り,さ
ら に30ヵ
以 下 に,3っ
の例 を示す。
国 は政 治 的 な緊 張 か らい っ 紛 争 状 態 に な る か
注 意 を 要 す る と さ れ る。(Jongman,1998)
東 南 ア ジ ア地 域 には,活
(1)ア
動 的 な勢 力 か ら休 眠
中 の 非 国家 主 体 お よ び 民 兵 を 含 め97800名
武 装 勢 力 が 存 在 す る。(表1)政
の
府 と彼 らの
イ デ ンテ ィテ ィと経 済 社 会 的 要 因 の
相関
(a)国
家 の 一 般 的姿:ハ
ロル ド ・ア イ
ザ ックス は,原 初 的 な グル ー プ ・ア イデ ンテ ィ
対 決 が 地 域 紛 争 の 芽 を 育 ん で い る。
テ ィの 要 素 と して 言 語,宗 教,歴
表1反
政府 勢 力お よび 非国 家主 体勢 力 と民兵
の推 計(1999)
的 特 徴 の4つ を あ げ,こ
史 観,身
体
の ア イ デ ンテ ィ テ ィ
が 強 け れ ば 政 治 的 ユ ニ ッ トに な りや す く,国
止
アフリ
ハ ラ102000363501700054000209350
ヨー ロッ'2780042252318074300129505
家 の 基 盤 と な りや す い と指 摘 した 。(lsaccs,
1975)こ
の 政 治 的 ユ ニ ッ トを エ ス ニ ック ・グ
ル ー プ と 見 な す と,世
le3.750150.42593.780234.250
界 に は お よ そ5000も
の エ ス ニ ッ ク ・グ ル ー プ が あ る と さ れ る 。
{Source)llSS,TheMi〃itaryBalance2002/2003,11SS,
London,:()xfordUniversityPress{OUP}
(梶 田,1998)そ
れ が200ほ
どの 主 権 国 家 の
中 で 共 存 して い る の だ か ら,多 民 族 国 家 が 国
ロリ
3.冷
戦 後 の 紛 争 要 因 と争 点
FASIDの
家 の 一 般 的 な姿 で あ る の が む しろ 当 然 だ,と
念 的 に3つ
高橋 所 長 は,紛 争 の 原 因 を概
に 整 理 して い る。 これ にDoucet
の 概 念 を加 え,5っ
の要 因 と争点 を挙 げ る。
高 橋 所 長 は 述 べ て い る。 っ ま り,ほ
とん どの
国 家 は 分 裂 の可 能 性 を秘 め る と い う 緊 張 の も
と に運 営 され て い る ので あ る。(高 橋,2㎜)
ラ
(Doucet,1996,高
(a)イ
橋,2000)
本 主義
デオ ロギ ー と宗 教(共
(b)エ
産 主 義 と資
う した 多 民 族 国 家 で も農 村 社 会 は お お む ね 平
イ ス ラ ム教 徒 とキ リス ト教 徒 間
穏 だ 。 しか し,高 橋 所 長 は こ こ で都 市 化 の 問
な どの 対 立)
(b)ガ
題 を鋭 く指 摘 して い る。 伝 統 的 な 農 村 社 会 か
バ ナ ンス(政 治 的 正 当 性,選 挙 権,
開 発 戦 略,独
(c)ア
立 運 動 な ど を め ぐ る紛 争)
イ デ ンテ ィテ ィ(民 族,文
化,社
会 ・経 済 集 団 間 の 紛 争)
(d)違
法 活 動(イ
リー ガ ル な 人 の 移 動 と
済 ・社 会 的 要 因(貧
ら都 市 に 出 て き た 人 た ち は,た
いて いデ ラシ
ネ と して不 安 定 な状 況 に お か れ るの で,彼
ら
は同 じエ ス ニ ック ・グ ルー プで コ ミュニ テ ィー
を形 成 しが ち だ 。 ひ と た び 経 済 活 動 が 停 滞 す
る と,経 済 の パ イ の 争 奪 戦 が 始 ま る。 こ う な
る と容 易 に エ ス ニ ッ ク ・グル ー プ 間 の 闘争 に,
麻 薬 ・武 器 の 取 引)
(e)経
ス ニ ッ ク グ ル ー プ 間 の軋 鰻:こ
困 ・貧 富 の 格
差 ・資 源 と利 益 を め ぐ る紛 争)
これ ら の 紛 争 の 原 因 も争 点 も,独 立 して 存
そ し て 紛 争 へ と 発 展 して し ま う 。(高 橋,
2000)
(c)都
市 化 と 貧 困,そ
在 す る も の で は な く,相 互 に影 響 を 及 ぼ しあ
所 長 は,都
い,複 雑 で 継 続 的 な 因 果 関 係 を 示 して い る。
部 族 社 会 で あ る 場 合,経
して 紛 争:高
橋
市 化 が進 み,住 環 境 が 劣 悪 で,多
済 成 長 が 人 口増 加
冷戦 後 にお け る東 南 ア ジア地 域紛 争 の要 因 と争 点33
(流 入 プ ラ ス 自然 増)を
2%以
上)場
明 確 に 上 回 る(ほ ぼ
世 界 人 口の 半 分 以 上 が 都 市 部 に 住 む よ う に な
合 に の み 安 定 が 保 た れ る と して
る と予 想 さ れ て い る 。 発 展 途 上 国 に お け る都
い る。(高 橋,2000)こ
EAN諸
の 仮 説 を も と にAS
国 の 人 口動 態 とGNPの
を 調 査 した 。95∼2000年
DP実
実質成 長率
し,社 会 イ ン フ ラ を 整 備 し,福 利 サ ー ビ ス を
の 地 域 のG
充 実 させ な が ら地 域 を 支 援 で き るか が政 府 の
高 率 を 誇 り,
緊 急 課 題 と な る。 この 取 り組 み に失 敗 す る と
で,こ
質 成 長 率 は平 均5.53%の
市 の 人 口爆 発 の た め,い か に して雇 用 を 創 出
都 市 人 口の増 加 率 を カバ ー して安 定 して い る 。
(表2参 照)し
か し,こ の 地 域 の 人 口の 自然
増 加 率 は 極 め て 高 く,同
期 間 で 実 に17.1%
の 危 険 な水 準 に あ る。(UNPD,2002)各
に 首 都 圏 で10%弱
国は 困
難 な状 況 に あ る。
Mal
郡 市人 口「匙{呂:ω
5.59%
3.35%
8■a
3.64%
1.50鴨
2.04鴫
341鵯
平 均
ω=(D昏2覧
704%
601%
759%
355も
17%
64%
50%
.33%
調'ぺ`,,、
馳一一 魑--9、
.04覧
.415も
・{盛
「
』
、丁
蕩
2就 も
33㌔
了o%
.24聡
判足
巽足
不安定
不安定
ヌ∼定
安定
臨 不安定
蔭珊 覧 安定
07%
不安定
739篇
安定
5鷺 βも
安定
済 ・社 会 的
要 因の相 関
(a)麻
薬 資 金 と ガ バ ナ ンス の 低 下:麻
薬 を仮 に 経 済 価 値 の あ る 資 源 と見 なす と,そ
Countries200Jand2CO2,2001-2002,AsianDevelopment
Bonk,OxfordUniversi書yPress〔
て い る こ とが 見 て 取 れ る。 巨 額 な麻 薬 取 引 に
基 づ く裏 金 は 全 世 界 のODAの10倍
わ れ,そ
α 」P[=NewYork〔www.
odb.org/statistics}
と もい
の 世 界 的 な裏 取 引 の 市 場 を マ フ ィア
が 管 理 して い る 。 高 官 層 ま で 麻 薬 資 金 の 賄 賂
潰 け に され て い る と噂 され るア ジ ア 諸 国 に は
ラオ ス,フ
〔Sources}ADB,κeytndidotorDevelopingAsiσnandPocif'c
ィ リ ピン,タ イが 名 を 連 ね て い る。
高 橋 所 長 は これ ら諸 国 は マ フ ィア取 引 に と も
な って 国 家 が 左 右 され か ね ず,紛 争 さえ も引
○ 都 市 人 ロ 成 長 率Sources、UN,WoridUrbonizotion
Prospec's,1996Revis'on.WB,WorldDevelopmen'
き起 こ され か ね ない と警 告 して い る 。(高 橋,
ln(licators2㏄OCD-ROM,
OGDP実
バ ナ ン ス と 違 法 活動,経
の 取 引 が ガバ ナ ンス に深 刻 な ダ メ ー ジを 与 え
国 の人工 動 態 と社 会 的安 定
Mya mar3、17%
Phlli lno3
Slng po「o
Thalb d2.33覧
Vb亀N
m
(2)ガ
の人 口の
高 橋 仮 説 が 正 しけれ ば,ASEAN諸
DMC〔D5励995・2000}
Cambodb504%
lndo 031日401%
Lao DR
く恐 れ は か っ て な い ほ ど高 ま るだ ろ う 。(江
都
純 増 が あ った と した ら,安 定 で き る国 は な い 。
表2A!SEAN諸
治 へ の 不 信 か ら重 大 な 社 会 的 混乱 を招
畑,2001)
市 へ の 具 体 的 な 人 口の 流 入 と 自然 増 加 の 動 態
は 不 明 だ が,仮
き,政
2000)
質 成 長 率Sources・Countrysources.
data1995ADB,AsianDevelopmentOutlook2001.
(b)ミ
data1996-2000ADB、AsiαnDevelopmentOutlook
2002.
(d)加
ャン マ ー 政 府 の ガ バ ナ ンス:麻
薬 生 産 で 違 法 に 潤 った 農 民 が 反 政 府 勢 力 と な
速 す る都 市 化 と 脅 威 の 拡 大:発
り,国 家 の 統 合 を 困 難 に さ せ て い る顕 著 な例
展 途 上 国 に お い て,労 働 の機 会 と富 を 求 め,
が ミ ャ ン マ ー で あ る'。99年,ミ
都 市 部 へ の 人 口流 入 は 加 速 して い る 。 国 連 の
ア フ ガ ニ ス タ ンは 阿 片 の秘 密 生 産 で 世 界 シ ェ
推 計 で は,1990年
ア の95%を
は1日15万
末 の 時 点 で,世
界の人 口
人 都 市 部 に流 入 して い た と い う 。
占め た 。(図2参
ャ ンマ ー と
照)そ
の後,ア
フ ガニ ス タ ンの生 産 は 激減 した が,ミ ャ ンマ ー
特 に ア ジア 地 域 で は 著 しい 人 口集 中 が 起 こ る
は 生 産 規 模 を維 持 し続 け て い る。(ODCCP,
こ と が 確 実 視 さ れ て お り,2015年
2000)
まで に は
図2阿
片 の違 法 生産 シ ェアの 推移
チ モ ー ル は ポ ル トガル 領 で,イ
ン ドネ シ ア 独
⋮⋮ ㎝
立 後 も 植 民 地 で あ り続 け る。74年,ポ
ル ト
㎝
o劉=o印 O一﹂"O﹄
㎝
ガ ル で 独 裁 政 権 が 倒 れ る。 新 政 権 が 植 民 地 の
㎜
Oそ の他
ロ ミャンマー
ロア フガニスタン
㎜
独 立 を 容 認 す る と,当 然 の ごと く独 立運 動 が
㎝
活 発 化 し,「 独 立 派 」 と イ ン ドネ シ ア と の 統
O
ず
紳
ボ
譜
紳
粛
紳
紳 ボ
緯 縛
ず
合 を 容 認 す る 「統 合 派 」 に 分 か れ て激 しい政
ザ
治 的 対 立 が 繰 り広 げ られ た 。
lSource}ODCCP,GlobOllllicitDrugτrends2002,2002,
UhitedN(rtions()「fにefor[ンugControlqndCr加ePrevention,
国 連 は東 チ モ ー ル 自治 権 決 議 を採 択 した 。
ODCCP:NewYork
http=//www.unodc.org/odccp/globol
htmlか
_iUicit_drug_trends,
国 際社 会 か らの 圧 力 に 対 し,イ ン ドネ シ ア政
ら入 手
府 は 内 政 干 渉 で あ る と 反 発 して きた 。 これ 以
ビル マ,タ
イ,ラ
角 地 帯 」 で,現
オ ス の 接 す る 「黄 金 の 三
在,主
降,政
府 の態 度 は硬 化 し,一 挙 に抑 圧 の 度 を
た るケ シ生 産 と密 貿 易
深 め る こ と に な る。 東 チ モ ー ル には イ ン ドネ
は ミ ャ ンマ ー の 少 数 民 族 が 担 って い る と いわ
シ ア軍 が 常 駐 し,家 宅 捜 索,暴 行,逮 捕 監 禁,
れ る 。 近 年,ワ
処 刑 な ど深 刻 な人 権 侵 害 が 頻 発 す る。
族(Wa)は
ミャンマー政府
と の 合 意 に よ り シ ャ ン族(Shan)の
いるタ
多 くのNGOは
イ 国境 に麻 薬 製 造 拠 点 を構 築 した。 シ ャ ン族
発 信 し始 め,国
は 利 権 争 い で ミ ャ ンマ ー 政 府 軍 と ワ族 軍 に激
腐 敗 した ス ハ ル ト政 権 が 倒 れ る と,ハ
し く抵 抗 して い る。 麻 薬 対 策 を強 化 した タ イ
権 は 東 チ モ ー ル の 自治 拡 大 案 を 打 ち 出す 。 再
国軍 が 結 果 的 に シ ャ ン族 軍 を後 援 して い る格
び 独 立 の 動 き が 活 発 化 す る中,「 独 立 派 」 の
好 だ 。 両 民 族 と もケ シ栽 培 で 得 た経 済 力 を テ
武 装 組 織 ブ リテ レ ンと 「統 合 派 」 の 武 装 組 織
コ に そ う簡 単 に は ミ ャ ンマ ー に統 合 され そ う
の衝 突 が 頻 繁 に 発 生 した 。
に な い 。 天 然 資 源 が 紛 争 の 資 金 源 と な る典 型
(b)住
東 チモー ルでの人権 侵害 を
際 的 な注 目 を 集 め た 。98年,
ビ ビ政
民 投 票 に よ る 統 合 案 破 棄:99
例 と も 言 え よ う。 こ う した 少 数 民 族 が 統 合 さ
年,住 民投 票(ReferendumonIndependence)
れ な い 限 り,ミ ャ ンマ ー に は 紛 争 の 種 を抱 き
の 結 果,78.5%が
続 け,民 主 化 へ の 道 の りは 困 難 の度 を深 め て
じ,国 際 社 会 は東 チ モ ー ル を独 立 国 と 認 め た 。
い くだ ろ う。
しか し,今 世 紀 最 初 の 独 立 国 と な った栄 光 の
影 で,そ
(3)ア
イ デ ン テ ィテ ィと ガ バ ナ ン ス の 相
克1東
(a)歴
チモー ルの独立運動
自治拡 大 案 に反 対 票 を投
の船 出 は 困 難 を 極 め た 。 予 想 で きた
と は い え,こ
の 発 表 の 直 後,統
合派 の武装 艮
兵 が 独 立 派 の 住 民 に 対 して,あ
りとあ らゆる
史 的 背 景:オ
ラ ン ダ領 で あ った
暴 行 を 繰 り広 げ た か らで あ る 。 略 奪 ・襲 撃 ・
イ ン ドネ シ ア は,1949年
ハ ー グ協 定 を通 じ
破 壊 行 為 な どで 多 数 の 犠 牲 者 が 生 まれ た 。 統
独 立 を 達 成 す る。 チ モ ー ル 島 の 西半 分 を しめ
合 派 民 兵 の 暴 虐 の背 後 で,国 軍 の 深 い 関 与 は
る 西 チ モ ー ル は オ ラ ン ダの 植 民 地 で あ った た
ま さ に 明 らか で あ る。(ETO,1999)
め,イ
ン ドネ シア と して 独 立 した。 一 方,東
こ の 騒 乱 で 全 人 口 の 実 に75%が
家 を追 わ
冷 戦後 にお け る東 南 ア ジア地 域紛 争 の要 因 と争 点35
れ,25万
人 が 西 チ モ ー ル に 流 出 した 。 現 在,
住 民 の 多 くが 東 チ モ ー ル に帰 還 した が,依
西 チ モ ー ル に と どま っ て い る住 民 は8万
彼 ら の 平 均 寿 命 は48歳
然
とも
現 在,結 核 とマ ラ リア が 蔓 延 して い る と 報 告
さ れ て い る 。 医 療 シ ス テ ム は 完 全 に崩 壊 し,
10万 人 と も い わ れ る 。(ETO-e,2000,
設 備 の67%が
ETO,2001)こ
2000年2月
プ で は,東
の西 チ モー ル の難 民 キ ャン
チ モ ー ル の 統 合 派 民 兵 が 暗 躍 し,
と 驚 くほ ど短 い 。
破 壊 され た か 略 奪 され た 。
で,東
チモ ー ルの 医師 は わず か
30名 程 度 に 過 ぎ な か っ た 。 幼 児 死 亡 率 は
武 器販 売,殺 人,強 盗,暴 行 が横 行 して い る 。
1㎜ 人 にっ き135人 で,西
イ ン ドネ シ ア 当 局 は 取 り締 ま り に消 極 的 で,
ン プ で は,5歳
ま た もや 国 軍 の 関与 が 噂 され て い る。
調 に か か っ て い る と の 報 告 も あ る 。(ETO-
図3チ
c,2000)女
モ ー ル 島 の 難 民 エ リア
ゆぼりゅ
ll〆:1/乱
レノ
…毒 草/∵1や
灘 慨
、 ノ
… ・・
誌 ン/緯
渦
罪、
麗1饗
霧 二i∴
以 下 の 幼 児 の25%は
性 も含 め,PTSD(心
後 ス ト レス 障 害)の
ジゼ
・
チモ ー ルBeluキ
文 盲 率 も 約70%に
ャ
栄養失
的 障害
ケ ア も急 務 だ 。
及 ぶ。 国 も未来 を支 え
る教 育 の重 要 性 は い う ま で も な い。 に も か か
わ らず,深 刻 な教 員 に苦 しん で い る。 東 チモ ー
…
篇{
舞ii'・'・et=一
盆1
ル の 教 員 の大 部 分 は イ ン ドネ シ ア 人 だ った が,
住 民 投 票 の 後 は イ ン ドネ シ ア に 去 っ た 。
(ETO-b,2000)近
年,こ
こ ま で 徹 底 した
破 壊 と悲 惨 は 類 を 見 な い。
{Source}UNHCR,Glob(ゴAppeat2003-UNJHCRmηmor,1
(d)イ
December2002,UNHCRMaps.
http://www.unhcr.ch/cgi-bin/texis/vtx/rsdよ
り入 手
ン ドネ シ ア ・ガ バ ナ ンス へ の 脅威:
世 界 最 大 の 群 島 国 家 で あ る イ ン ドネ シ ア は
2億 人 も の 人 口 を 抱 え る。 た か だ か80万
(c)経
ト:チ
弱
済 ・社 会 イ ン フ ラ へ の イ ン パ ク
の 東 チ モ ー ル の 独 立 に 対 し,こ れ ほ どま で の
モ ー ル 島 は 東 イ ン ド諸 島 の 中 で も最
犠 牲 を払 っ て ま で イ ン ドネ シ ア が 看 過 で き な
も 貧 しい と いわ れ る。 気 候 は厳 し く土 地 は 不
か った の は なぜ か 。 そ れ は,ア チ ェ,カ
毛 で 耕 地 に 向 か な い 。 に もか か わ らず,99
ン タ ン,イ
年 の 騒 乱 で,家 屋,公
独 立 運 動 に 飛 び 火 す る事 態 を 憂 慮 した か らに
の70%が
共 施 設,社
会 イ ンフラ
破 壊 さ れ た 。(ETO-d,2000)現
地 社 会 の雇 用 機 会 は 失 わ れ,失
超 え る 。(ETO-a,2000)基
本 物 価 は4倍
も 上 昇 し,弱 い人 々の 苦 難 に追 い 打 ち を か け
て い る。 国 連 機 関 やUNITAETが
一 時的
な 雇 用 創 出 を 行 って い る が,1900の
求人に
対 し9000人
の 応 募 者 が 殺 到 した と の 報 告 も
あ る 。(ETO,2001)職
リア ン ・ジ ャヤ な どの 国 内 の 分離 ・
他 な らな い 。 い か な る分 離 運 動 自体,イ
業 率 は8割 を
を 得 る闘 い は熾 烈 だ 。
リマ
ネ シ ア の 国 家 と して の統 合 一
ンド
ガ バ ナ ンス そ
の も の に重 大 な 問題 を提 起 して いた ので あ る。
(斉 藤,2001)
で は,こ
う した ガ バ ナ ン ス に挑 戦 す る 非 国
家 主 体 は どの よ う な活 動 状 態 に あ るの だ ろ う
か 。 東 南 ア ジ ア 地 域 の 非 国 家 主 体 を 表3に 示
36
表3東
南 アジ ア地域 にお ける非 国家 主体
A活
起 漁
Ge
イ ン ドネシ ァ Fr
Ac
イ ン ドネシ ァ しa
イ ン ドネシ アOr
マ レー シア 恥
Ma
マ レー シア
盟
klnAcehMerdeka
Aceh
SecurltvDitbMt
繊(略
創般
称)
舅 力
2000
1976
2000
日rJユhad
nlsaSLPapua闘erdeka(OPM)
500
150
】962
ySLan闘ujahideenGrDUp,Kuロpuユa員MUJahideea
ysla(KMM)
1990s
且5002DOO
現
A
Aceh
A
イ ン ドネ シア、Maluku州
イ ン ドネ シア国 内
マ レー シア
A
D
戦中、D活 動を休 止
助
目
的
活
イ ス ラム国家 としてのAceh州 の 独立
Aceh自 由揮動 の武 襲派 組織
1996年
か ら地 下活 動
MaLuku州 か らキ リス ト教徒 の一掃 、イ ス ラム国 家の 建設
西パ プ アの独 立
マ レー シア政 府の 転鞭 お よびマ レー シア.イ ン ドネ シア 、
フ ィ リピン南 部 を統含 した イス ラム国 家 の煙設
マ レー シア 、イ ン ドネシア.
フ ィリピ ン、 シンガ ポール 、 タ
イ
ミャ ンマー 国内
ぐヤ ンマー 西部 中 国
タイ 南部 、マ レー シア 、イ ン ドネシ ア、 フィ リピ ン南部 を続
合 した独 立イ ス ラム国 家の 建般
JemaahIsla隔iah(JD
1995
AllBur㎜StudentDe㎜cratLcFront
1988
苛ヤン マー
ChinNationalAmv(CAN}
1988
ミャン マー
DeロocratLcKarenBuddhLstAmy(D旧A)
1994
ミャン マー
KachlnIndependenceAmy(K【A)
1961
8000
C
ミヤン マー
K日renNatLonalLiberatLon虹my(㎜)
1948
2000
A
ミャンマ ー
ミャンマ ー
Karen目iNationalProRresslvePartyA㎜y(KNPPA)
L948
2000
A
ミャ ンマー ・タイ 国境
ミャ ンマー 北部Kavah州
且964
3000
C
ミヤ ンマー ・タイ 国境
ミャンマ ー
M・nNanDnaLiberau・nハrmy〔
1959
1000
C
ミャ ンマー ・タイ 国境
ミャンマ ー
Nati。naldomocraticAlli呂nceAmy(M)脚
L989
LOOG
C
Shan州 東部 、中国 ・ラオス 国境
且963
700
C
HSLp田 州 の 北部
派)
ミャンマ ー軍 事政権 へ の対決 。(一 部組 殿の 削身 はCo㎝umst
PartyofBurma<CPB>)
P日1aun艮住民 の大幅 な 自治権 拡大
Shan州 の 自由 と民 主化
、
、ヤ ン マ ー
こヤンマ ー
ミヤンマ ミャンマ ー
フ ィ リピン
フ ィ リピン
Mon鍔ThaiAr騨(M↑A)
剛L汽)
p日laun鷹StateLiberat工DnArmy(門
㎞)
ShanStateArmv(SSA)
nk
動中、C休
活 助 地 域
2000
nk
100500
A
A
A
C
1964
3000
C
Shan州 南部
1989
15000
C
Wa丘 陵
AbuSgyyafGroup(ASG)
且991
Revo1UtionaryProletarianAr隣y-AlexBoncヨy廼D
1997
Bn区ade(RPA-ABBl
200
500
A
A
Ban只saMoroAmv
C
フィ リピン 南部
MoroIs且amicLLberatLonFront(M1FL)
且977
11000
C
フィ リピン 南部
フ ィ リピン
MoroIlRfrtGroup
且978
900
A
フィ リピン 南部
フ ィ リピン
No冒Pe。Ple脚sArロy(NPA>
1969
LOOOO
A
民'勲化 と連 紹制
Karen州
の移 行
糖lla髭lill懸
繰
の
武装 継
器 、、
。,ゆ,血 曲_。
織)
自治 権の あ るカ レン州 の堪般.(㎜
共闘 して 闘争 を継概 中)
㈲ 武難
の 武装 派で あ る。DKBAと
の 独 立.(K肛enniProπresivePartyの
武 装 派)
への 抵抗.
潔 罎 である繊 。慨
器i騰
ブイ リピン 南部
フ ィ リピン
nk
仏載。甑
オ島と晒
伽 ㎞,映
㎞、,賦装
にイ。ラ姻 家を賊,㎞
NaUonalLlbemnonFrond際LF)の
マ ニ ラ,フ ィ リピン 中央部
フ ィ リピン
且970s
ぐ
分 派 。De㎜cmtlc区are賦BuddhユstOrganiz昌tionの
織KMLAと
共
し て 闘 争 を 継 税 中)
ミャンマ ー北部 、K㎞er地 方
Unlted胃aSt飢eArmv(UWSA)
ShanStatePro霞ressArmv{SSPA)
独裁 か ら 書ヤンマ ーの 解放
少簸 護講 黎 瓢 搬
ミャ ンマー 、 タイ
分 派)
フ ィ リピン共 産党 の都 市部攻 撃部 隊
稀
論鑛 灘 織 鵬 、フ
穐ィ リピン
。独四
家の燃
般。(㎜Lか らの分 派2001年8月
政府 と和 卑協
ル ソ ン島辺境 部.V5ay日s島 、 ミ
ンダナ オ島
定を 結ぶ)
フ ィ リピン南 部にお け るイス ラ ム独立 国家 の建 股,田NFLか
らの 分派)
フ ィ リピン政府 の転 機。(フ ィ リピン共 産党 の武 装派.1999
年、 フ ィ リピン政府 と アメ リカが 共同 固事演 習 に合意 した
後、 和平 交渉 を打 ち切 る.
〔Sour(二elllSS,TheMilitarソBalance20⊂)2/2003,2002、11SS,OxfordUniversityPress〔OUPl:London
し,そ
の ス テ ー タ ス を 整 理 した 。(IISS,
2002)一
見 して,ミ
ャ ンマ ー軍 事 政 権 へ の 抵
オ ロギ ー対 立 か ら資 源 の 支 配 や 略 奪 を め ぐ る
も の に変 質 して い る と指 摘 して い る。(Klare,
抗 運 動 が 圧 倒 的 に多 い 。100も の 少 数 民 族 を
2∞1)本
抱 え る以 上,当
中 で も,特 に 資 源 と 利 権 を争 点 とす る 紛 争 に
リ ピ ン,イ
然 か も知 れ な い 。 っ いで フ ィ
ン ドネ シ ア も多 くの反 政 府 勢 力 を
章 で は,経
済 ・社 会 的 な紛 争 要 因 の
つ い て 分 析 す る。
抱 え て い る。 た とえ 活 動 を 休 止 して い よ う と
も,政 府 に挑 戦 す る非 政 府 組 織 が 潜 在 的 な 脅
威 であ ることはい うまで もない。
1.資
源 に 対 す る需 要 の 増 加
基 本 的 資 源 に 対 す る 世 界 の需 要 は,今
後数
十 年 間 にわ た っ て増 加 し続 け る だ ろ う 。 そ の
主 な 原 因 は,(a)人
第2章
資源と紛争
世 界 を7っ
済の
拡 大で ある。
サ ミ ュ エ ル ・ハ ン チ ン トン 教 授(Samuel
Hantington)は
口増 加 と,(b)経
あ る い は8つ
主 要 文 明 に グ ル ー プ 分 け し,文
世 界 の 人 口 は1950∼2000年
の
明間の衝 突 こ
ゆ
億 か ら61億 へ と劇 的 に増 加 した 。(図4参
人 口の 増 加 と と も に,人
る基 本 的 物 質(食 料,水,エ
1996)し
木 材,鉱
無 関 係 に 繰 り広 げ られ て い る 資 源 獲 得 競 争 が
ず,道
物,繊
路,下
照)
々が 生 活 に必 要 とす
そ 危 険 な 対 立 を生 む と主 張 した 。(Huntington,
か し,「 文 明 的 」 な 忠 誠 心 と は 全 く
半 ば ま で に26
ネ ル ギ ー,住 居,
維 な ど生 活 必 需 品)の み な ら
水 施 設 な どの 社 会 的 イ ンフ ラ な
ゆ
あ る。 ク レア ー 氏 は,現 代 紛 争 の争 点 が イ デ
どの需 要 増 加 を もた らす 。 これ に と も な い,
冷 戦後 におけ る東 南ア ジア地 域紛 争 の要 因 と争点37
物 資 の 需 要 も増 大 す る こ とが 当 然 予想 され る。
2.資
だが,豊 富 な資 源 に 恵 まれ て い るか らとい っ
(江 畑,2001,Klare,2001)
て,そ
図4地
域 別世 界 人 ロの推 移 と将来 予測
㎜ ㎝㎝ 伽㎜ ㎜伽 ㎝㎜ ㎜
100万 人
う した 国 の 多 くは暴 力 に支 配 され て は
い な い 。 実 は,資 源 に恵 ま れ て い る こ と で,
皮 肉 に も経 済 に 悪 影 響 を 及 ぼ しう る との 説 が
eオ セ7ニ ア
ロア フリカ
Oヨ ー ロッパ
ロ閑ア メリ力
国北ア メリカ
日7ジ ア
ある。
(1)資
剰 に 依 存 す る と,他 の 農 業,製
き な い点 を 指 摘 した 。 この 結 果,経
界 経 済 の 拡 大 と 個 人 の 富 の 増 加 が,
築 資 材,家
電 製 品 な どの
「資 源
集 約 的 」 製 品 へ の 止 め ど な い 需 要 を生 み 出 し
て い る 。90∼2000年
で,鉱
造 業,サ
ービ
ス 部 門 な どに 資 本 や 労 働 力 を実 質 的 に 分 配 で
UnitedNationsPopulationDivision:NewYork
自 家 用 車,建
究 所 の マ イケ ル ・リー ナ ー
氏 は,国 家 の 経 済 運 営 が 特 定 の 自然 資 源 に 過
UNPD,Wo「ldPopulationProspects=τhe2000Revision
Volume1,Comprehensiveτabtes,2001,
事 実,世
源 に 依 存 す る脆 弱 性
WorldWatch研
ぜ諺避譜ぷ評3評 沸紳紳ボ避ず誘ザ沸ドドザ顧ド綜ずド絆
{Sources[
UNSD,PopulationandVitalStotisticsReport2000r
2001,UnitedNationsStatisticsDivision:NewYork
工 業 生 産 は 約4
済構 造 を
多層 化 で きず,人 的 資源 を 開発 で き な くな る。
(Renner,1998)
そ も そ も 世 界 の一 次 産 品 価 格 は 気 ま ぐれ に
乱 高 下 す る。 こ の乱 高 下 に合 わ せ て経 済 が 好
日の 世
況 と不 況 の サ イ ク ル を 繰 り返 す と,計 画 的 か
か に有 史 以 来 空 前 の 繁 栄 を謳 歌 して
っ 戦 略 的 な 開 発 政 策 は と りに く い。 こ の た め
割 の 需 要 増 を 示 し た 。(図5参
界 は,確
源 に依 存 す る経 済 社 会
い る が,裏
を 返 せ ば,こ
照)今
の 物 質 的 繁 栄 こ そ,
近 い将 来 必 ず 起 こ る資 源 の 争 奪 競 争 を 決 定 づ
資 源 な どの 一 次 産 品 に 依 存 す る経 済 は脆 弱 に
な りが ち な構 造 を持 っ て い る。
の
け ているので ある。
図5世
界の鉱 工 業生産 指 数の 推移
(2)分
45
(a)不
裂 しが ち な 社 会
公 正 の 拡 大:鉱
業や森 林伐採 に
鱒
よ る利 益 は,実 業 界 か 政 府 の エ リー ト層,そ
訪
30
して外 国 資 本 が 得 て い る。 一 方,土 地 の 一 方
25
⑳
8一皇 一
一●一口奮
■ 盤票
噛 一製造 魏
・師 ・電気 ・ガス ・ホ 通票
的 な収 用,伝 統 的 な生 活 様 式 の 崩 壊,環
境の
15
荒 廃 な ど,開 発 に と も な う 多 く の重 荷 は 地 域
10
住 民 に課 せ られ る 。 汚 職 が 広 が り,貧 富 の 格
05
00
差 が 拡 大 し,政 府 機 関 は適 正 に 機 能 せ ず,公
1990199419951995tg97199S19992000
.(Source)UNSD,Monthly8ulle'inofStatistics,August
2001,2001,UnitedNationsStatisticsDivision:New
共 財 や 公 的 サ ー ビス の 不 平 等 な分 配 と い った
不 公 正 が 蔓 延 して い る。 国 家 歳 入 の 主 要 な源
York
米 ド ル の 実 質 価 格 に 換 算 し た 付 加 価 値 額http,//unstats,
un.org/unsd/参
泉 が,付
加 価 値 で な く 自然 資 源 を対 象 とす る
照
鉱 区 使 用 料 や 採 掘 権 料 で あ る社 会 で は,不 公
38
正 な 文 化 が は び こ りが ち だ とす る指 摘 も あ る 。
(Soysa,2000)
(b)社
係 が あ る こ とは,多
くの識 者 が 指 摘 して い る 。
イ ン ドネ シ ア ・ア チ ェ州 の 天 然 ガ ス,同 国
会 的 分 裂 の 深 化:こ
う な る と不
イ リア ン ・ジ ャヤ 州 の 金,パ
プ ア ニ ュー ギ ニ
和 の種 が 育 ち,公 的支 出 の 有効 性 は 失わ れ る 。
ア の 銅 な ど,貴 重 な 産 物 の 支 配 権 を め ぐる特
強 力 な グ ル ー プが 他 に 比 べ て所 得 を拡 大 す る
権 階 級 や 武 装 勢 力 の 争 い が長 期 の 内 戦 を も た
た め に 政 治 的権 力 を 使 え ば,経 済 的 歪 み が さ
らす こ と も 少 な くな い。(Renner,2002)こ
らに 生 じる。 連 結 的 社 会 関 係 資 本 の 形 成 や ア
う した 「略 奪 可 能 な 資 源 」 の 多 い 国 で は 「一
カ ウ ン タ ビ リテ ィの 向 上 が 阻 害 され,社
次 産 品 の 少 ない 国 と 比 べ て戦 争 の 可能 性 が4
会的
分 裂 が 深 化 して しま う 。
倍 に も 及 ぶ 」 と の 報 告 も あ る 。(Collier,
2㎜)
3.資
(1)冷
金 源 と な る 資源
戦の終 結 と資金源の枯渇
冷 戦 の 終 結 は,東
(3)イ
西 の 超 大 国 か らの 第3世
ン ドネ シ ア ・ア チ ェ州 の ケ ー ス
(a)ス
ハ ル ト政 権 に よ る搾 取:資
源を
界の政府 あ るいは反政府 組織へ の巨額の軍事
め ぐ る紛 争 の 典 型 例 が イ ン ドネ シ ア の ア チ ェ
支 援 が 打 ち 切 られ た か,減
州 で あ る。 ス マ トラ 島北 端 の 同 州 は 木 材 資 源
額 され た こ と を意
味 す る。 各 勢 力 は,支 配 地 域 内 で,強 要,略
や 鉱 物 資 源 に 富 み,土 地 も肥 沃 だ 。 ス ハ ル ト
奪,取
政 権 が こ の地 を 強 制 的 に 収 用 した 結 果,過
引 の 独 占 的 支 配,麻
薬 の密 売,強 制 労
度
働,人 道 援 助 物 資 の 徴 発 な ど数 多 くの 犯 罪 的
の伐 採 で 森 林 は 消 え 去 り,土 石 流 と洪 水 が 家
手 段 に戦 争 の 資 金 源 を求 め る よ う に な っ て い
屋 や 水 田 を破 壊 した 。
の
る。 な か で も,最
も重 要 な資 金 源 は 天 然 資 源
ア チ ェ州 に は イ ン ドネ シ ア最 大 の ア ル ン ・
の 違 法 な 採 取 と取 引 で あ る。 世 界 銀 行 の ポ ー
ガ ス 田(ArunGusPlant)が
ル ・コ リア ー 理 事(PaulCollier)は,「
代 後 半,液
国
あ る。1970年
化 天 然 ガ ス(LNG)プ
ラ ン トが
ユ に よ っ て は 反 政 府 軍 に と って 資 金 源 と して の
建 設 され る際
見 込 み が 大 き い た め に,他 の 国 よ りは るか に
そ の 後,ガ
紛 争 が 起 こ りや す い 傾 向が あ る」 と強 調 して
は 蝕 まれ,環
い る 。(Collier,2000)
した 不 条 理 に加 え,ジ
数 百 家 族 が 立 ち退 か され た 。
ス と 化 学 薬 品 の 漏 洩 で 住 民 の健 康
境 破 壊 も引 き起 こ さ れ た 。 こ う
ャ ワ人 は製 紙 業 を起 こ
す た め に 「国 内移 住 」 し,先 住 民 の 人 権 を 踏
(2)富
の 源 泉 と して の 資 源
み に じ り続 け た 。 度 重 な る搾 取 に憤 激 した 住
一 部 の 資 源 は 希 少 で あ り,し か も偏 在 して
い る 。 っ ま り,あ る 特 定 の 自然 資 源,す
ち石 油,鉱 物,木
材,そ
なわ
して,今 や 水 さ え も
が 巨 万 の 富 の 源 泉 で あ る。 異 常 な資 源 採 掘 と
武 器 密 輸 や 武 力 闘 争,人
権 侵 害,人
道 に対す
る犯 罪,環 境 破 壊 の そ れ ぞ れ に 密 接 な相 関 関
民 は,76年
に っ い に 決 起 す る 。 そ の 後,凄
惨 を 極 め る ア チ ェ 自 由 運 動(FreeAceh
Moovement-GerakenAcehMerdeka:
GAM)の
(b)ア
武 装 蜂 起 だ った 。
チ ェ 自 由 運 動 蜂 起:最
初 の蜂起
は 政 府 軍 に よ って 難 な く鎮 圧 さ れ た 。1980
冷戦 後 にお け る東 南 ア ジア地域 紛争 の要 因 と争 点39
年 代 後 半 の二 度 目の 蜂 起 で は,政
逮 捕,拷
問,性
争 は 一 般 に避 け られ る こ と。
府軍 による
的 虐 待 が 行 わ れ,1000人
以
(b)第2に,武
力行使の対象 は軍隊や 兵
上 の 民 間 人 が 犠 牲 に な った 。 ス ハ ル ト政 権 崩
士 で は な く,多
壊 後 も,暴
と。
動 で5000人
以 上 の民 間人 が殺 害
さ れ て い る。(IISS,2002)LNG施
設の収
入 は汚 職 に貧 られ て地 域 住 民 に は利 益 が な く,
住 民 の40%は
貧 困 ラ イ ン以 下 の 生 活 を して
い る 。2001年8月,パ
くは 民 間 人 で あ る こ
ー ムオ イ ルの プ ラ ン
テ ー シ ョンで あ るBumiFloraで,2歳
(1)テ
ロの 形 態 を と る 紛 争
内 戦 の 犠 牲 者 の90%が
の 大 き な理 由 は,実
民 間人 であ るこ と
は 紛 争 の 目的 と形 態 が 大
の子
き く変 化 した か らだ 。 イ デ オ ロギ ー に基 づ く
が 犠 牲 に な る最 悪 の 殺 人 事
反 政 府 運 動 な らば で き るだ け 多 くの 住 民 の 支
件 が 起 こ っ た 。 イ ン ドネ シ ア 人 権 委 員 会
持 や 理 解 を 得 よ う と す る。 しか し,抵 抗 な く
ど も を 含 む14人
(KomnasHAM)は,国
軍 兵士 に容疑 をか
資源 を支配 す る こ とが 目的 だ か ら,武 装 グ ルー
け るだ け の 証 言 を得 なが らも,な ん と こ れ を
プは 先 住 民 を 脅 迫 して 服 従 させ るか,テ
もみ 消 した 。 犯 人 は 未 だ 検 挙 され て い な い 。
為 に よ って 住 ん で い る土 地 か ら追 い 出 そ う と
HumanRightWatchは,最
す る 。 「だ か ら こ そ,極
も信 頼 され る
べ き機 関 が 説 明 責 任 を 果 た さ ず,む
しろ 人 権
行 為 を行 う」 と,ロ
端 で 人 目 に っ く残 虐
ン ドン大 学 の マ リー ・カ
の 障 害 と な っ て い る 事 態 を厳 し く批 判 して い
ル ドー 教 授(MaryKaldor)は
る。(HRW-a,2002)人
る。(Kaldor,1999)闘
権 を預 か る も の が
正 義 に優 先 順 位 を与 え な い と き,暴 力 の 終 焉
ロ行
分 析 して い
う正 義 な ど な く,
利 権 と欲 を 満 た す た め の 戦 争 で あ る。
は お ぼ っ か な い。
加 え て ア チ ェの場 合,資 源 収 入 を戦 争 の 資
金 源 と した の は,む
しろ プ ラ ン トを操 業 す る
(2)暴
力 の 刷 り込 み
地 雷 を 無 差 別 に埋 設 して土 地 を居 住 不 能 に
エ ク ソ ン ・モ ー ビル だ った 。(DTE,1998,
した 上,わ
Solomon,2000)ア
ン ドネ シ
また,長
的虐待の
りす る。 飢 餓 を 引 き 起 こす た め だ 。 土 地 か ら
チ ェ住 民 は,イ
ア軍 が 犯 した 殺 人,誘 拐,暴
行,性
ざわ ざ 家 や病 院 を狙 って 砲 撃 す る6
期 にわ た る包 囲 攻 撃 や 封 鎖 を 行 った
共 犯 の か どで エ ク ソ ン ・モ ー ビル を相 手 取 り
追 い立 て るた め,暴
力 で 恐 怖 を 刷 り込 む 。 ま
法 廷 闘争 に 踏 み 切 った 。 国 際 労 働 者 権 利 基 金
さ に テ ロ行 為 そ の も の で あ る 。(Kaldor,
は こ の訴 訟 を受 理 して い る。
1999)各
国 の 政 府 軍 ・反 政 府 勢 力 と も ど も子
ど も を兵 士 に仕 立 て,彼
らへ の 性 的 虐 待 も珍
4.資
源 をめ ぐる 紛 争 の特 質
資 源 を め ぐる紛 争 は 従 来 の 戦 争 と は 異 な っ
て い る。
(a)ま
しい こと で は な い 。 イ ン ドを 除 くと,メ
川流域 と東南 アジア地域 はア ジアでもエ イズ
罹 患 率 が 極 め て 高 い 。(ADB,2002)最
ず,紛 争 の 目的 は 資 源 の略 奪 に有
こ と に,兵 士 がHIVウ
悪な
ィル ス の 保 持 者 で あ
利 な条 件 を 得 る こと で あ り,全 面 戦
コン
ることが多 いとの報告 もある。
40
5.見
え な い兵 士
最 近 の26件
る。 ま た 反 政 府 闘 争 を 繰 り広 げ て い る地 域 の
の 紛 争 で は15歳
以下の 子 ども
武 装 組 織 で は,子
ども兵 が 戦 闘 に 参 加 して い
の 兵 士 も 戦 闘 に加 わ って い る。 東 チ モ ー ル や
ブー ゲ ン ビ リア で は 子 ども が 徴 兵 され,多
く
る。
(b)カ
ン ボ ジ ア:カ
ンボ ジ ア に 子 ど も
の 残 酷 な 戦 闘 に か り 出 され た 。 幸 運 に も戦 闘
兵 は い な い 。 しか し,か っ ての 内戦 時 に子 ど
を 生 き延 び て も,心
も兵 と して 入 隊 し,依 然 と して軍 役 に つ い て
に は深 い 傷 が 残 る 。 そ の
トラ ウ マ は 生 涯 癒 え な い。 家 族 を失 い,就 学
を 断 念 し,経 済 的 機 会 を永 遠 に 剥 奪 さ れ て い
る。(Doucet,1996,IBRD,2001)
い る例 が 報 告 され て い る。
(c)フ
ィ リ ピ ン:子
ど も兵 の 全 廃 に 最
も力 を 注 い で い る の は フ ィ リ ピ ンで あ ろ う 。
反 政 府 組 織 に は子 ど も兵 が い るが,政
(1)入
隊の動機
府軍 に
は 皆 無 だ 。 子 ども が 兵 役 に就 く場 合 は 準 軍 隊
子 ど も が拉 致 され て 強 制 徴 兵 され た り,幼
い が た め に だ ま され て 誘 拐 同 然 に 連 行 さ れ た
に 所 属 す るか 士 官 学 校 に入 学 す る も の と定 め
られ,18歳
以下 の 子 どもの徴 兵 を禁 ず る強
ヨコ
例 は 枚 挙 に い と ま が な い。 深刻 な失 業 率 の も
力 な 立 法 措 置 を 施 し て い る 。(EAPRO,
と で 軍 隊 に職 を求 め た か,家
2002)
計を助け るため
ね に 自発 的 に入 隊 す る も の も あ る。 兵 士 に な っ
た 動 機 は 様 々だ が,彼
家 庭 の 出身 で,暴
らの ほ と ん どが 貧 しい
力 的 社 会 状 況 か ら身 を守 る
た め に軍 隊 に入 る との 主 張 もあ る。(EAPRO,
ミ ャ ンマ ー で は18歳
以 上 の 子 ど も に 自発
的 な入 隊 を す る権 利 を 与 え て い る。 しか し,
18歳 未 満 の 子 ど も が 徴 兵 さ れ て い る こ と は
っ と に知 られ て い る。
り
2002,McCallin,1996)ま
た,ア
ジア太 平
洋 州 の 子 ど も 兵 を 調 査 した ユ ニ セ フ の レポ ー
トに よ る と,12∼14歳
の 少 年 少 女 が,最
も
高 い リス ク に さ らされ て い る と報 告 して い る。
(3)ミ
ャ ンマ ー の 子 ど も兵
(a)世
界 で 最 も子 ど も兵 を 消 費 す る 国:
ミ ャ ン マ ー は 世 界 中 どの 国 よ り も子 ども 兵 が
イ ン タ ビ ュ ー に よ る と 入 隊 した 子 ど も 兵 の
多 い と 考 え られ て い る 。 政 府 軍Tatmadaw
58%が
Kyi部
「自 発 的 」 入 隊 で あ っ た 。(EAPRO,
隊 に は,な
ん と11歳
が 見 られ る。 新 兵 の35∼45%は
2002)
る と推 定 され,350000人
(2)東
(a)イ
以 上の 子 ども兵
南 ア ジ ア 域 内 の 子 ど も兵 士
ン ドネ シ ア:イ
軍 の 中 に18歳
ン ドネ シ ア正 規
未 満 の 子 ど も兵 が 存 在 す る報
告 は ほ とん どな い 。 しか し,政 府 が 後 ろ盾 に
な って い る東 チ モ ー ル の 民 兵 組 織 に は 子 ども
兵 が 存 在 す る 。99年 以 降,独
立 派 と統 合 派
の 双 方 で 子 ども 兵 が 激 しい 紛 争 に参 加 して い
軍 の実 に70000人
も ち ろ ん11歳
子 ども であ
と もいわ れ る政 府
が 子 ど もだ とす る説 も あ る。
の 子 どもの徴兵 な ど明 らか な
ジ ュネ ー ブ条 約 違 反 だ が,徴 兵 官 は 書 類 に 彼
らの年 齢 を18歳 と 書 い た はず で あ る。
(b)子
ど も を 売 る 人 々:兵
た 兵 士 に は,新
10000kyaが
士 を調 達 し
兵 一 人 あ た り に っ き1000∼
支 払 わ れ,15∼50kgの
米 が支給
冷戦 後 にお け る東 南 ア ジア地域 紛争 の要 因 と争 点41
され る。 こ う して兵 隊 だ け で な く,警 察 や 市
い か らだ 。 身 を 守 る知 恵 や 体 験 を 身 にっ け る
民 まで もが こぞ って 子 ど も を 軍 隊 に売 る 。 町
前 に 兵 士 に な った か らで あ る。 しか も,小 柄
中 で 急 増 して い る ス トリー ト ・チ ル ド レンは
で敏 捷 な彼 らは スパ イや 斥 候 と して重 宝 され,
格 好 の 標 的 に な る。
常 に 前 線 に送 られ る の で,戦
(c)勇
Nyuntと
気 の 芽:ま
た,政
府 軍 に はYe
い う シ ス テ ム(「 勇 気 の 芽 」 と い う
意 味 ら しい)が
ある。元来 は軍隊が 国内避難
闘 ライフル など
の 小 型 兵 器 と地 雷 の最 大 の 犠 牲 者 で あ る 。
(b)除
隊 後 の 子 ど も兵:子
ン タ ビ ュー を す る と,彼
ど も兵 に イ
らは 一 様 に教 育 を 受
民 の 子 ども や 孤 児 を 引 き取 る 制 度 だ った が,
け る こ と へ の 強 い願 望 を 示 す 。 しか し,除 隊
今 や 子 ども を 拐 か して 強 制 連 行 す る キ ャ ン プ
後 に学 校 に 入 学 して も勉 強 に 集 中 で き ず,軍
に な って い る。 国 中 の 大 隊基 地 に は この キ ャ
隊 に い た 時 に 経 験 した 麻 薬 や ア ル コ ー ル へ の
ン プが あ り,そ れ ぞ れ50∼200名
依 存 に長 期 に わ た って 苦 しむ 。 彼 らは 悪 夢 に
ぐ らい が 軍
事 訓 練 を 受 け な が ら学 校 に通 う。 家 族 と会 う
さ い な ま れ,怒
りを コ ン トロー ル で き な い。
こ と は厳 禁 で あ る 。 殴 られ るの は 日常 茶 飯 事
また,生
で,マ
ラ リア な どの 病 気 で 命 を 落 とす 子 ども
こ とが 報 告 され て い る。 特 に 残 虐 行 為 の 体 験
は 後 を絶 た な い。 あ る程 度 の 訓 練 を 受 け る と
は トラ ウ マ と な り,運 良 く除 隊 で き て も就 労
SuSaunYay新
の 機 会 は 極 め て 少 な い。 一 般 的 に,政 治 上 の
活 上,し
ば しば 暴 力 的 な反 応 を 示 す
ラ
兵 訓 練 キ ャ ンプ に移 動 して
本 格 的 な訓 練 に 入 る。 体 力 的 に 耐 え られ る よ
劇 的 な展 開 が な い 限 り,子
う に な る16歳
あ る う ち に 戦 う 人 生 か ら解 放 され る こ とは あ
ぐ らい で 戦 闘 に参 加 す る 。 極
め て 組 織 だ っ た 国 の 将 来 の 破 壊 で あ る。
ま り な い 。(EAPRO,2002,McCallin,
1996)
(HRW-b,2002)
ま た,子
(4)見
ど も兵 が 子 ど もで
え な い兵 士
ども で あ ろ う と大 人 で あ ろ う と,
兵 士 は 自 らの 親 族 に 対 して残 酷 な仕 打 ち をす
実 の と こ ろ,世 界 で どの く らい の 子 ど も の
る よ う 強 要 され る。 心 に 深 い 傷 を 負 わ せ て 自
おラ
兵 士 が い る の か は 分 か らな い 。 子 ど もの 徴 兵
分 が 帰 属 して い た コ ミ ュニ テ ィー に戻 れ な く
ラ
自 体,明
らか な ジ ュ ネ ー ブ 条 約 違 反 で あ り,
す るためで ある。
ど の勢 力 で も そ の 存 在 を 認 め た が ら ない 。 し
こ う して,「 万 人 の 万 人 に 対 す る 闘 争 」 と
た が っ て 公 式 記 録 が 一 切 な い 。 こ の た め,彼
ら は 「見 え な い 兵 士(InvisibleSoldier)」
と
呼 ばれ る。(McCallin,1996)
(a)高
もは,時
い死 亡 率:洗
に大 人 以 上 の残 虐 行 為 を 平 然 と行 う。
兵 役 の 環 境 は 劣 悪 で,常
され,家
脳 され や す い子 ど
に 上 官 の虐 待 に さ ら
族 の 元 に返 る こと は まれ で あ る。 な
ぜ な ら,子
ども 兵 の 死 亡 率 は 大 人 よ り断 然 高
い う,ま
さ に ホ ップ ス的 状 況 が 現 出す る。 家
族 さ え も分 断 され,国
の 未 来 は 恐 る べ き速 度
で 奪 われ て い く。 対 象 も 目的 も形 態 も,従 来
と全 く異 な る紛 争 の 中 で 人 々の 基 本 的 人 権 は
躁 躍 さ れ,悲 惨 が増 産 され 続 け る。 そ れ は,
殺 識 性 が 高 く,子 ど もで も 操 作 で き る軽 量 兵
器 が い と もた や す く手 に 入 る こ と で 何 倍 に も
42
増 幅 され るの で あ る。
生産 的活動 に向かわ ない。ハ イ スキルの労働
者 は 国 外 に移 動 し,頭 脳 流 出 も起 こ る。 内 戦
時 に は そ の 国 の 一 人 あ た りの 生 産 高 が 年 間 約
結びにかえて
(1)開
2%以
発 と平 和
く と,一 人 あ た りのGNPは
「開 発 政 策 は 平 和 政 策 で あ る 。」 こ れ は25
年 前,ド
上 低 下 す る。 ま た,内
イ ツの プ ラ ン ト首 相(WillyBrandt)
戦 が15年
も続
お よ そ30%も
低
下 す る と の レポ ー トが あ る。(Collier,1999)
小 型 兵 器 の 蔓 延 が,地 域 の 開 発 を 阻 害 す る と
が,戦 争 を 防 止 し,紛 争 の芽 を 摘 む た め に,
仮 定 して,世
貧 困,不 平 等,不 公 正 と の 闘 い が 不 可 欠 だ と
の 小 型 兵 器 に よ る 死 亡 者 数 とそ の 国 の 人 間 開
述 べ た 言葉 だ 。 こ の 論 理 は今 日で も有 効 で あ
発 指 標(HDI)の
る 。 しか し,現 代 の 開 発 途 上 国 が 直 面 して い
照)明 確 で は な い が,緩 や か な負 の 相 関 が 見
る 問 題 を議 論 す る と き,プ
受 け られ る。
ラ ン ト首 相 の 言 葉
を 真 逆 に 読 ん で,「 平 和 政 策 こ そ 開 発 政 策 で
図6小
界33ヶ 国 の 住 民10万
人 あた り
相 関 を 調 査 した 。(図6参
型 兵器 に よ る死亡 者数 とHD1の 相 関
あ る」 と い うべ き か も しれ な い。 多 くの 国 で,
国 内に 蔓延 す る暴 力 と不 穏 な情 勢 の た め,人 々
一皇
は よ り よ い 未 来 を展 望 す る機 会 さえ も打 ち 砕
か れ て い る 。 平 和 と安 全 を保 障 し,安 心 して
生 活 で き る こ と こ そ,持 続 可 能 な発 展 を 後 押
しす る こ と に な る。
に もか か わ らず,政
ヒ
て い る。 戦 闘用 ラ イ フ ル,ピ
ス トル,手 榴 弾
な どが コ ン トロー ル で き な い ほ ど拡 散,流 通
ロ
ロ
ヨむ ヒ
ら
小 型 兵 器 に よ る10万
治 的 な安 定 と健 全 な 市
民 生活 を創 り出す 上で,大 き な障 害 が横 た わ っ
むの
き ヨヒ
の
る の
ヨ 人 あ た りの 死 傷 者 数
{Sources}CICP,7'hUN∫urveyofCr'meτrendsand
Operat'onsofC臼mlnσ'Jus'tceSソstems98-2000,UN
C汗ficeonDrugGndCrimeCenter「orln雷ernα
舗onolCrime
Prevention;Genevo
UNDP,HumonDevelopmen'Reρor'2002、2002,UNDP:
NewYork
して い る の で あ る 。(SamiFaltas,2001)
冷 戦 後 の 紛 争 を{府瞼 す る と き,小 型 兵 器 と軽
量 兵 器 の 野 放 図 な拡 散 と 循 環 は最 悪 の 現 象 の
一っだ
。 エ ドワ ー ド ・ロ ー レ ン ス 教 授
(EdwardLaurance)は
「武 器 と 貧 困 は 死
を 招 く組 み 合 わ せ で あ る 」 と 述 べ て い る 。
(Laurance,1996)
あ ら ゆ る 紛 争 に は,よ
が あ る。 す な わ ち,経 済 的 な 欠 陥,抑 圧,民
族 的抗 争,イ
紛 争 地 域 で の個 人 の安 全 を 保 障 して あ げ れ ば
深 化 す る こ と は な い。 だ か ら,平 和 と 開 発 へ
型お よび軽量兵器 の脅威
戦 争 は 物 的,人
デ オ ロ ギ ー 的 対 立 だ 。 こう した
根 元 的 原 因 は時 間 をか け て醸 成 され る も の で,
の 第1の
(2)小
く知 られ た 根 本 原 因
的,社 会 資 本 を損 な っ て,
経 済 を 破 壊 す る 。 投 資 は減 少 し,公 的 支 出 は
ス テ ップは,兵
器 の所 有 と乱 用 を 減
ら し,そ の 流 通 を断 ち切 る こ と な の で あ る。
そ の こ とは 社 会 的 に 弱 い 人 々が 味 わ って い る
辛 酸 を 減 退 させ る こ と に 直 結 す る 。
冷戦後 におけ る東 南 アジア地 域 紛争 の要 因 と争点43
そ して,軽 量 兵 器 は 民 間 人 を殺 傷す るだ け
で な く,非 合 法 組 織,警
察,軍 隊 に よ る主 要
な脅 迫 の 道 具 に な っ て い る。 軽 量 兵 器 の プ レ
あ り,鉱 物 や 木 材,食
料 や 麻 薬,あ
る い は密
猟 動 物 と の 交 換 な ど 日常 茶 飯 事 で あ る。
(Renner,1998)
ゼ ンス は 抑 圧 の 象 徴 そ の もの だ 。 兵 器 を 回 収
ラ イ フ ル そ の 他 の小 型 兵 器 と軽 量 兵 器 は,
し,そ の 拡 散 と流 通 を 食 い止 め る こ と は,抑
世 界 の ど こで もた や す く手 に入 る よ う に な っ
圧 の 予 防 を も 意 味 す るの で あ る。 西 部 ア フ リ
て い る。 ロー テ ク で,安 価 で,頑
カ,マ
リの コ ナ レ大 統 領(A.O.Konare)
も簡 単 に使 え る小型 兵 器 は,世 界 各 地 で起 こ っ
は,自
国 の 武 装 解 除 の 経 験 を ふ ま え,「 軍 縮
て い る ほ とん どの 紛 争 で 使 わ れ る殺 独 の 道 具
は 理 想 主 義 や 認 識 の 甘 さか らは 進 展 し な い。
だ 。 そ の 及 ぼ す 破 壊 力 は 大 き く,壊 滅 的 で さ
軍 事 紛 争 を 予 防 す る 最 善 の戦 略 は,暴
え あ る。(SamiFaltas,2001)
力の手
丈 で,し
か
段 を 除去 す る こ と な の だ 」 と語 って い る。
本 論 で は,わ れ わ れ が 予 防 し,解 決 しよ う
とす る紛 争 が どの よ う な性 質 を持 ち,ど
(3)今
後の研 究の課題
今 か ら5年 前,フ
ィ リピ ンの地 方政 治 の リー
のよ
う に 引 き起 こ さ れ て い る の か を分 析 した 。 そ
の成 果 を 踏 ま え,危 機 を 予 防 す る た め に,暴
ダ ー は 武 器 を 手 に入 れ る の は 「市 場 で 魚 を 買
力 の 直 接 手 段 で あ る小 型 お よ び軽 量 兵 器 を ど
う の と同 じ ぐ ら いた や す い」 と 語 った 。 紛 争
の よ う に社 会 か ら排 除 す るか 。 こ う した テ ー
地 域 で は,小
マ が 今 後 の 研 究 課 題 に な ろ う。
型 兵 器 は バ ー タ ー 取 引 の商 品 で
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文 堂.
Note
1)19世
紀 に 確 立 した 自 由競 争 ・自 由 貿 易 の 枠 組 み の 中 で,1925年
ル 以 上 に 達 し,第1次
に 世 界 貿 易 量 は1913年
大 戦 前 の 絶 頂 期 を 大 き く上 回 った 。1925∼29年
の レベ
の 生 産 増 加 率 は19%増
実 績 を 上 げ て い る 。 特 に 合 理 化 を 軸 と す る ア メ リカ の 生 産 力 は 躍 進 し,1924∼29年
「永 遠 の 繁 栄 」 と い わ れ る ほ どの 膨 張 を 経 験 した 。 恐 慌 前 の 世 界 経 済 は,大
加
の 期 間 には
き な構 造 的 不 安 定 要
因 を 抱 え な が ら も 人 類 史 始 ま っ て 以 来 の 空 前 の 発 展 を 遂 げ て い た の で あ る。 しか し,29年9月
ブ ラ ッ ク マ ン デ ー の 相 場 暴 落 に 端 を 発 した 世 界 恐 慌 と,う
さ れ,生
2)2000年
3)も
ち 続 く第2次
大 戦 で,世
界 経済 は 分断
産 力 も 大 幅 に減 退 した 。(山 本,1970)
現 在 で,世
ち ろ ん,こ
界 平 均 の1人
あ た りGNPは$4890ド
ル 。(IBRD,2001)
の 指 標 は 地 域 ご と の 購 買 力 平 価 を 分 析 し な い と一 概 に 貧 困 か 否 か は 即 断 で き な い 。
と り あ え ず 貧 困 線 と して 通 説 と な って い る基 準 を 示 した に 過 ぎ な い 。
4)国
連 食 糧 農 業 機 関(FAO)は,1996年
の 世 界 食 料 サ ミ ッ トで2015年
ま で に 世 界 の8億
餓 人 口 を 半 分 に 減 らす こ と を 誓 約 した 。http://www.fao.org/wfs/index_en.htmを
く最 近 で は,FAOと
世 界 食 糧 計 画(WEP)は
人 規模 の飢 饅 の危 機が 迫 って い ると警 告
し,人 道 的 緊 急 援 助 を 要 請 した 。[SUN]DailyHighlights2002/05/29か
5)世
国 連HPに
参照 。 ご
合 同 で 声 明 を 発 表 。 マ ラ ウ イ ・ジ ン バ ブ エ ・ レ
ソ ト ・ス ワ ジ ラ ン ドと い った 南 ア フ リカ 諸 国 で1000万
そ の ま ま 引 用 。SUNは
∼
sun/を 参 照 。
の飢
らの ボ ステ ィ ングを
掲 載 され る ニ ュ ー ス を 翻 訳 して い る 。http://www.issue.net/
界 銀 行 は 合 衆 国 へ の テ ロ攻 撃 に 端 を 発 す る経 済 状 況 悪 化 に よ り貧 困 が 拡 大 す る 恐 れ が あ る と
警 告 した 。 試 算 に よ る と テ ロの 影 響 に よ る先 進 国 の 経 済 悪 化 の 影 響 を 受 け 途 上 国 の 成 長 率 が5.5
%か
ら2.9%ま
で 低 下 す る模 様 。1000万
人 以 上 が 貧 困 に 陥 る こ と に な り,子
調 へ の 対 策 に も 影 響 が 出 る 。 こ れ に よ り5歳 以 下 の 乳 幼 児 が2∼4万
告 した 。[SUN]DailyHighlights2001/10/01か
ww.issue.net/∼sun/を
6)青
ども の病気 や栄 養 失
人 が亡 くなるだ ろ う とも警
ら の ボ ス テ ィ ン グ を そ の ま ま 引 用 。http://w
参照 。
山 学 院 大 学 の 伊 藤 教 授 は,ガ
デ ィ ス 教 授 の 言 葉 を 引 き な が ら冷 戦 後 の 世 界 を3層
の不 安定 構
造 を と っ て い る と 解 釈 して い る 。(伊 藤,2002)
7)し
か し,冷 戦 の 終 結 後,国
い っ た コ ミ ュ ニ テ ィー が,国
8)こ
家 の 枠 組 み を 超 え る 民 族,宗
教,言
語(文
化),経
済 的結 びつ き と
民 国 家 の 機 能 に 取 って 代 わ る現 象 が 数 多 く散 見 さ れ る。
う した 多 極 的 構 造 を 「新 し い 中 世 」 に な ぞ ら え て 世 界 シ ス テ ム を 説 明 し よ う と す る 試 み は,
(田 中,2002)
9)ITの
自 由 化 は,独
裁 ・専 制 体 制 に と っ て 都 合 の 悪 い 情 報 に 国 民 が 自 由 に ア ク セ ス す る こ と を
意 味 す る 。 しか し,ITの
り を意 味 す る 。ITグ
導 入 と グ ロ ー バ ル 化 が 遅 れ れ ば,そ
ロ ー バ ル 化 は い くっ か の 国 に と っ て ジ レ ンマ で あ る 。ITは
般 市 民 の 影 響 力 と 発 言 力 を 増 す か らだ 。 そ の 普 及 は,政
品,人
10)し
れ は経 済格 差 の増 大 と貧 困の深 ま
府 に よ る 情 報,文
化,価
多 くの国 で一
値 観,資
本,物
間 の 移 動 に 対 す る統 制 力 を 弱 め る 。(江 畑,2001)
か し,そ
う した ボ ー ダ ー レス 化 の 恩 恵 は,主
と し て 経 済 的 強 者 で あ る先 進 圏 か 成 長 至 上 主 義
冷 戦後 に おけ る東南 ア ジア地 域紛 争 の要 因 と争点47
の 中 進 圏 の 一 部 が 享 受 し,混 沌 と した 開 発 途 上 地 域 はIT革
命 と グ ロー バ ル 化 に 乗 り遅 れ,さ
ら
に 貧 困 の 増 大 と不 安 定 化 を も た らす 恐 れ が あ る 。
11)紛
争 の 要 因 は 直 接 的 ・即 時 的 要 因 と,構
造 的 ・潜 在 的 要 因 が あ る。2っ
の要 因 は密 接 に関連 し
て い るが 紛 争 分 析 に は 潜 在 的 要 因 が よ り重 要 で あ る 。 潜 在 的 要 因 を 説 明 し よ う と す る も の に は 大
別 して 構 造 理 論 と 非 構 造 理 論 が あ る 。 そ の 中 で 本 論 は 非 構 造 理 論 の 一 っ に 分 類 され る ヒ ュ ー マ ン
ニ ー ズ 理 論 に 多 くを よ っ て い る 。
こ の 理 論 で は,紛
ズ(needs)に
争 の 要 素 を 立 場(position),利
峻 別 す る 。(Burton,1990)こ
要 で あ り,人
益(interest),価
値 観(value),そ
して ニ ー
れ らの充 足 は人 間 の発 展 や社 会 の安 定 に と って重
間 は 社 会 的 混 乱 と い う 犠 牲 を 払 って も これ ら の ニ ー ズ を 充 足 させ よ う とす る。 あ る
社 会 組 織 が こ れ らの ニ ー ズ を満 た し損 ね た り,他 か ら侵 害 さ れ た と き に 抗 議 行 動 を 起 こ し,暴 力
行 為 が 発 生 す る と 説 明 して い る 。
12)紛
争 に は 必1.主
体(actor),2.争
点(issue),3.手
段(means)が
存 在 し,手 段,争
点
は 主 体 に よ って 限 定 さ れ る 。 手 段 は 争 点 に よ っ て 限 定 され る 。 小 型 兵 器 お よ び 軽 量 兵 器 を 紛 争 の
道 具 に す る メ カ ニ ズ ム は,現
代 の 紛 争 の 争 点 に っ い て 考 察 を し な け れ ば な ら な い 。 ま た,本
紛 争 の 主 体 は 国 家 で あ った が,小
型 兵 器 の 蔓 延 と 拡 散 は亜 国 家 主 体 の 暴 力 を 増 大 さ せ,低
争(LIC-LowIntensityConflicts)が
繰 り返 さ れ て い る。 こ う した 考 察 は(加
来,
烈 度紛
藤,1993)を
参
照 。 本 論 で 取 り上 げ る 争 点 は 主 に 資 源 の 支 配 と 富 の 略 奪 に 焦 点 を 置 い て い る。
13)た
と え ば,カ
ス ピ海 で は ア ゼ ル バ イ ジ ャ ン,ト ル ク メ ニ ス タ ン,ト
と ア メ リカ が 手 を 組 み,ア
ル メ ニ ア,ロ
ル コ と い った イ ス ラ ム 国 家
シ ア と い っ た キ リス ト教 国 と対 峙 して い る。 資 源 の 権 益
が 民 族 ・宗 教 上 の っ な が り を 凌 駕 す るパ タ ー ン は 他 に も見 られ る。(Klare,2002)
14)国
連 人 口 局 『世 界 人 口 の 展 望 』 参 照 。 世 界 人 口年 間7700万
して い る。2050年
15)エ
ま で に は,79億
人 か ら109億
ネ ル ギ ー と 消 費 者 向 け 製 品 の 需 要 増 加 は,工
人,率
に して1.2%の
勢 いで増 加
人 に 達 す る 見 込 み 。(UNPD,2002)
業 化 と経 済 成 長 の ペ ー ス が と りわ け 旺 盛 な ア ジ
ア 太 平 洋 地 域 で 顕 著 だ 。 中 で も特 筆 す べ き は 中 国 の 成 長 ペ ー ス で あ る。(Klare,2002)
16)連
結 的 社 会 関 係 資 本 に っ い て の 解 説 は,(IBRD,2002)を
17)麻
薬 密 売 組 織 が よ り小 さ な リス ク で 大 きな 利 益 を 上 げ る た め に,女
して い る 。 こ と に っ い て,国
参照。
andCrimePrevention)のPinoArlacchi事
務 局 長 は,個
人 の 安 全 を 脅 か す 新 しい 挑 戦 で あ り,
現 代 の 奴 隷 制 で あ る と非 難 した 。[SUN]DailyHighlights2001/11/01か
の ま ま 引 用 。http://www.issue.net/"-sun/を
18)こ
の プ ラ ン トは,イ
19)実
際,武
性 や子 供 の不正 取 引を 拡大
連 薬 物 統 制 計 画(UNDCP:theUNDrugControlProgramme
らのボ ス テ ィ ングをそ
参 照。
ン ドネ シ ア の 石 油 と 天 然 ガ ス 輸 出 収 入 の30%を
生 産 す る。
装 集 団 の い くっ か は 敵 対 勢 力 と 武 器 の 売 買 や 供 給 な どで さ え 協 力 し合 う こ とが 知 られ
て い る。 彼 らに 共 通 の 目的 は 略 奪 を 容 易 に し,平 時 で あ れ ば 犯 罪 と 見 な さ れ る 非 道 な 活 動 さ え も
容 認 さ れ る 状 況 を 創 り 出 し,そ
(Berda1,2000)を
20)反
し て そ の 状 況 を 維 持 す る こ と で あ る 。 こ う し た 指 摘 は,
参 照。
政 府 勢 力に は少女 の子 ども兵 が多 い との調 査が あ る。彼 女た ちは後方 支援 で家 事 な どを担 う
ほ か に,性
的 な サ ー ビス を 提 供 す る場 合 も あ る 。 少 女 を 徴 募 す る 目的 は,HIVに
感 染 してい るお
そ れ の な い 「妻 」 を 提 供 し よ う とす る 意 図 的 な も くろ み だ と す る 説 も あ る 。 ス リラ ン カ で は 少 女
を 自爆 攻 撃 に 使 う 傾 向 が あ っ た 。(McCallin,1996)
21)コ
ン ゴ陸 軍 兵 士 のHIV感
倍 。1991年,WHOは
染 率 は50%。
ジ ンバ ブ エ の 軍 隊 の 感 染 率 は 民 間 青 年 層 の2倍
マ ラ ウ イ の 警 察 官 と 軍 人 の75%が
か ら3
感 染 者 で あ る と 推 測 した 。 米 国 際 戦 略
研 究 セ ン タ ー(CISS)は,ウ
は100%に
22)し
ガ ン ダ 陸 軍 兵 士 の2/3はHIV感
染 者 で,い
か し,最 悪 の 被 害 を 被 って い る の も ま た 子 ど も で あ る。85年
200万 人 の 児 童 が 死 亡 し,1200万
た 子 ど も は1000万
23)ご
人 が 家 を 失 っ た 。100万
∼95年
の10年
間 で,世
界 中で
人 が 孤 児 に な り,精 神 的 な 障 害 を 受 け
人 に 上 る と の 指 摘 も あ る 。(Doucet,1996)
く一 般 的 に は 少 年 兵 と 呼 ぶ と こ ろ だ が,本
論 で は,少
年 兵,少
兵 の 用 語 を 用 い る 。 児 童 兵 と い う 用 語 を 用 い る 場 合 も あ る が,本
出 書 に 多 くの 情 報 を得 て い る の で,翻
24)入
くっ か の 部 隊 で
達 す る と 発 表 し て い る 。(江 畑,2001)
女 兵 を 含 め る 意 味 で,子
ども
論 は ネ ッダ ・バ ル ネ ン報 告 の 訳
訳 を 担 当 した 渡 井 理 佳 子 氏 が 使 用 して い る用 語 を 踏 襲 した 。
隊 す る こ と は 貧 困 か ら抜 け 出 す 道 で あ る と 見 られ て い る が,実
際 に は 貧 困 の 行 き 着 く先 が 入
隊 で あ る と 見 る こ と も で き る。(McCallin,1996)
25)裕
福 な 層 は 子 ど も兵 に と られ る こ と は な い 。 徴 募 に 来 た 兵 を 買 収 で き る か ら で あ る 。 ま た,い
ち早 く 国 外 に 逃 亡 しそ の ま ま 外 国 で 生 活 を 続 け られ る か らだ 。 結 局,社
た ち が さ ら わ れ る か,あ
会 の中 で最下 層 の子 ども
る い は 自発 的 徴 兵 に 応 じ るか して 軍 隊 に 身 を 寄 せ る の で あ る 。
(McCallin,1996)
26)レ
ッダ ・バ ル ネ ン 報 告 書 に よ る と,1998年
歳 未 満 の 子 ど も を 対 象 と す る と,倍
の 時 点 で15歳
未 満 の 子 ど も 兵 は30万
以 上 で あ る と 推 計 され る。 しか し,子
され る 時 点 で す で に 遅 れ た も の に な っ て い る た め,正
人 以 上,18
ど も兵 の 情 報 は,発
衷
確 な 数 を 議 論 す るの は あ ま り実 益 が な い と
指 摘 して い る。(McCallin,1996)
27)ジ
ュ ネ ー ブ 条 約(TheGenevaConventions)の
Protocolof1977)は,15歳
第2追
加 議 定 書(SecondAdditional
に 達 し て い な い 子 ど も の 徴 兵 を 禁 止 して い る 。 日 本 は こ の 追 加 議
定 書 に 加 入 して い な い 。
28)レ
ッダ ・バ ル ネ ン報 告 書 に は 次 の よ う な 記 載 が あ る。
● 子 ど も 兵 は 目に 見 え な い 。 市 民 や 報 道 機 関 の レ ン ズ か ら は 遠 く離 れ た 紛 争 地 域 で 過 ご し て い
る か ら。
● 子 ど も 兵 は 目 に 見 え な い 。 な ぜ な ら彼 ら は 消 え て し ま う か ら 。 殺 さ れ て し ま った た め に,負
傷 した た め に,置
29)紛
き 去 りに さ れ た た め に,多
争 に 子 ど も 兵 を 従 事 させ る と,戦
況 は,時
くは 戦 場 か ら戻 る こ と は な い。(McCallin,1996)
況 は 均 衡 を保 っ 方 向 に 進 ま な い こ とが 証 明 され て い る 。 状
間 と と もに悪化 す る。
30)父
親 の 殺 害 を 強 要 され た 子 ど も 兵 の 報 告 は,(McCallin,1996)を
31)極
度 の 混 乱 や 崩 壊,無
参照 。
意 味 な 暴 力 と 見 られ が ち な 一 連 の 残 虐 行 為 は,異
常 で は あ っ て も一 っ の
論 理 に 基 づ い て 行 わ れ て い る と い う指 摘 が あ る。 デ ビ ッ ド ・キ ー ン 氏(DavidKeen)は
「組 織
的 な 武 力 」 は,「 紛 争 型 の 経 済 」 を 維 持 す る機 能 を 果 た し て お り,政 府 官 僚 や 軍 閥,戦
器 の 密 売 人,不
闘 員,武
法 取 引 を 生 業 と す る 貿 易 商 や 実 業 家 に 利 益 を も た ら して い る と 論 じて い る 。 こ う
した 「武 力 に よ る蓄 財 」 は,社
会 全 体 に は 貧 困 と 生 活 破 壊,死
を も た らす 一 方,特
力 と権 力 の 集 中 を も た らす 。 紛 争 状 態 こ そ が 彼 らの 特 権 的 地 位 を 維 持 し,彼
為 を も 半 ば 合 法 化 す る 。 違 法 な 資 源 採 取 を 通 した 富 へ の 誘 惑 は,よ
張 を 促 して し ま う 。 そ して,し
権 階級 に は財
らの 非 道 で 残 虐 な 行
り強 力 な武 装 集 団 の 勢 力 の 伸
ば しば 無 法 状 態 を 深 刻 化 して 武 力 紛 争 を 長 期 化 す る こ と に な る の
で あ る。(Keen,2000)
32)近
年,マ
で あ る。
リは 成 功 裏 に 武 装 解 除 を 成 功 さ せ,政
治 的 安 定 と 新 た な経 済 発 展 の 緒 に 就 い た ば か り
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