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アハバ-ル・カシオン

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アハバ-ル・カシオン
アハバ-ル・カシオン
JICA シリア事務所
2005年9月22日
第85号
● 特集号
アハバル・ホス通信 第2号
∼支え合って、支えられて、早や120日∼
高橋 克彰(シニア隊員16−シニア)
プログラムオフィサー:UNDP ジャバル・アル‐ホス
ジャバル・アルホスに赴任して、
早4ヶ月以上が経ちました。赴任
当初はプレッシャーとの戦いであ
ったような気もします。小さいな
りにも多くの問題が転がっていた
ような気もします。そして本当に
毎日が濃い日々であったと振り返
ったりもします。しかし、やはり
今までやってくることが出来たの
は、同じ配属先の隊員、JICA
事務所の方々、多くの友人のおか
げであったと本当に思います。
協力隊員として
はじめに私がシリアに赴任した
のは 2001 年 7 月でした。
2年間、
シリアの供給省にてコンピュータ
の指導及び業務効率の向上という
ことで活動を行いました。その後、
戻ってくることはないだろうと思
いきや、2003 年 12 月から 1 年間、
一般短期隊員という形で草の根案
件の構築及び要望調査や事務所ヘ
ルプということでJICA事務所
で働かせて頂きました。
プロジェクトサイトの前でパシャリ
てくることができたと本当に思い
ます。今回はそんな愉快な仲間達
を紹介したいと思います。
まずは高橋朋子隊員。お酒が大
好き、本当に大きな盃、いや懐の
持ち主であります。そんな彼女は
白衣の天使、看護婦の資格を持ち
備える保健師です。
そして菅村隊員。開発学関係の
修士を持ち備える彼女は村落開発
普及員、語学の堪能さもさること
ながら、村人の中にするりと溶け
込んでいく様は目を見張るものが
あります。
最後に大橋隊員。手先の器用さ、
そして家計簿をつけるまめさを持
ち備える彼女は手工芸隊員、器用
さもさることながら、特徴のある
笑い声、そして同期の隊員からマ
キネエと呼ばれたりする、そんな
姉御であります。
そして全員に共通して言えるこ
と、それはよく笑い、よく寝、よ
く食べるということです。本当に、
みんなよく笑ってくれます。笑い
の神様は幸せを呼ぶというのは本
当だなと日々思うばかりです。
そんなジャバル・アルホスの愉
快な仲間と共に支え合って、日々
活動の毎日であります。
感謝の気持ち
また、事務所のバックアップな
しでは、ここまで来れなかったと
思います。なんと言っても岩田調
整員が経理から業務に渡るまでの
全般を事細かに教えてくださり、
所長からもアドバイスを頂き、調
整員二人を混ぜた PCM などなど、
感謝の気持ちでいっぱいでありま
す。今後とも宜しくお願いします。
とおせんぼしないでねー!
とおせんぼしないでねー!
PCMワークショップの後の様子
旧シリア事務所メンバー
そして、ジャバルアルホスへ
まさかないだろうと思いきや、
再々度シリアへシニア隊員、プロ
グラムオフィサーという立場で村
落開発プロジェクトを促進させる
ために来ることとなりました。赴
任当初は、立場も立場、職種も職
種ということでどうなることやら
と不安だらけでしたが、たくさん
の仲間に支えられてここまでやっ
UNDPが作成した簡単なパンフレット(左)と疲労気味の老婆(右)
-1-
● 特集(其の一)
ノアの箱舟?ジャバル・アル-ホス
高橋 朋子(JOCV 16−1)
保健師:UNDP ジャバル・アル‐ホス
ジャバル・アル-ホスにはたくさ
んの動物がいます。動物の大好き
な私は、シリアに来て 1 年たった
今でもかわいい動物たちに出会う
とうれしくなってしまいます。今
回はその愛すべき友人たちを紹介
します。
・ヒツジ(アラビア語でガナム、
複数形はガナマート、以下カッコ
内はアラビア語)
ジャバル・アル-ホスでこの方々
を抜きにしては何も語れません!
−ホントか?
絵などで見るヒツジはかわいい
ですが、ここのヒツジは瞳が横に
なっててこわいです。でもかわい
い☆脂肪の塊であるしっぽは平べ
ったくて丸い座布団みたいです。
バフバフ揺らして歩いています。
活動の行き帰りや移動中、毎日と
言っていいほどヒツジの群れに出
会います。車の中から見ると、ま
るで羊の海みたいです。
・ガチョウ(ワッズ)
それほどよく見かけるわけでは
ありませんが、一度見たら忘れら
れないくらいかわいいのです。拉
致したいくらいです。決して食べ
るためではなく…。
・ロバ(ヒマール)
アラビア語でヒマールというと
馬鹿者というくらい貶められてい
るロバですが、とってもよく働い
ています。
耳が大きくて、まさに「王様の
耳はロバの耳」という感じです。
ずーっと同じ姿勢で立っています。
丸々と太ったガチョウ
羊に交じってロバ君(右端)
次は鳥。
・ニワトリ(ダジャージャ)
ここのニワトリたちはとても立
派です。地鶏の焼き鳥、美味しそ
うだなあ…とつい考えてしまうの
ですが、ホルモン剤で太らせてい
るという噂も。最近はヒヨコが生
まれてますますにぎやかに外を走
り回ってます。
・七面鳥(ヒンディ)
はじめ見たとき、何かと思った
くらい異様な顔つきをしています。
ヤギと一緒に日陰で休んでいます。
このほかにも、ウシ、ウマ、ネ
コ、アヒルなどいろんな生き物が
います。みなさんの活動先にはど
んな動物がいますか?
もちろん牛もいるゾウ
とおせんぼしないでねー!
・ヤギ(マーイザまたはスヒーレ)
ヒツジと同じく偉い?動物です。
今だにヒツジとヤギの鳴き声の区
別がつきません。一度、本当に紙
を食べるかどうか試そうとしたら
職場の人にしかられてしまいまし
た。
・イヌ(ケルブ)
ここのイヌはバカ犬です。日本
のペットのイヌみたいに愛嬌がな
いし、車が来ると待ち構えて、ほ
えながら追っかけています。夏は
死んでいるのかと思うくらい、ぐ
てーっとしています。
講習を受ける女性達
いっぱい食べて大きくなれよ
大事な方を忘れていました
ジャバルアルホスでは美味しい蜂蜜も採れます
-2-
●特集(其の二)
私は傷ついた鳥
菅村裕子(JOCV 16−1)
村落開発普及員:UNDP ジャバル・アル‐ホス
私は傷ついた鳥 皆私を置いて
飛び立っていく…。この詩を書い
たのは、ジャバル・アル-ホスの村
の一つ、アル・ハージブ村のアミ
ーナ。彼女の詩は、ニュースレタ
ー「Development in Al-Hajeb」
1号(アラビア語・英語)に掲載
しました。
ニュースレターの記事を書く女の子
ニュースレター発行へ向けて
ニュースレターを発行してみた
らどうだろう?幾つかの村々で裁
縫のカタログを作ったり、本を作
る中で、女性たちは自分の写真は
勿論、他の村の女性に対しても非
常に興味を持っていることが分か
ってきました。
例えば日本女性が生涯に産む子
供の数を聞くよりも、他の村の女
性たちが書いた生活、家族、学校
などの様子の方がよほど面白いよ
うで、私がサンプルとして持参す
る本やカタログを奪うように見て
は、
「この女性の夢は結婚すること
だって!」と大騒ぎ。
隣村であっても自由に行き来す
ることができない女性にとって、
他の村の女性たちは近くて遠い存
在です。逆に言えば、彼女達は自
分の村だけの狭い世界でストレス
を感じることもしばしばあるよう
です。
詩を書いたアミーナもその1人。
彼女の姉は裁縫が上手く、プロジ
ェクトの裁縫コースを受講した後、
その腕を認められて他の村で裁縫
の先生として教室を担当していま
す。お金を稼ぐことのできる姉に
比べ、私は家族から厄介者だと思
われている…この気持ちを詩とし
て表現してくれたのですが、出来
上がったニュースレターを見せる
と、とても喜んでくれました。
ニュースレターは、当初裁縫カ
タログを作ったアル・ハージブ村
で始める予定だったので、タイト
ルも村の女性に決めてもらった
「Development in Al-Hajeb」に
したのですが、他の村の女性から、
私達も書いてみたい、ジャバル・
アル-ホスで一つのニュースレタ
ーにしてはどうか、という提案が
あったので、次号からはタイトル
を変えようかと計画中。全く興味
を持ってもらえなかったらどうし
ようと思っていただけに、私も書
いてみたいという女性が割合多く
いたことに安心しました。
出来上がった新聞を読む女の子
らってもいいかと尋ねられたので、
どうぞ!とお願いしました。これ
を機会に、少しずつでも字を書く
ことに興味をもってもらえれば、
と思っています。
これから先は
今のところ、とりあえず5号く
らいまでは出せそうなほど記事が
集まっています。最初は1号だけ
で終わってしまったらどうしよう
かと思っていたくらいなので、予
想外に反応が良くて一安心。ただ、
自分の書いた記事はいつ載るの
か?と急かされるのが悩みですが
…。
裁縫教室にてニュースレターを紹介
識字教室にてニュースレターを紹介
無理に書くように促すのではな
く、私も書いてみたい、参加して
みたいと思わせるような紙面にし
ていこうと考えています。まだま
だ始まったばかり。何号まで続け
られるのか?そしてどんな記事が
集まってくるのか?私自身も楽し
みです。
書いてみたいなら、年齢問わず
誰でも OK。内容も問わないこと
としたので、小学生や中学生の女
の子も詩を書いたり、自己紹介文
を書いて渡してくれます。識字教
室に通っている年配の女性も、書
いてみたいと意欲的。字を知らな
い女性が、娘に頼んで代筆しても
絵本を子供に読む様子
裁縫カタログを村人と共に作成中
-3-
●特集(其の三)
講習会開始!!
大橋麻紀(JOCV16−3)
手工芸:UNDP ジャバル・アル‐ホス
手工芸教室開催へ向けて
8 月 1 日、いよいよ私の活動の
第一歩として、手工芸教室を立ち
上げました。場所はマンタールと
いう UNDP のオフィスから程近い
村の一つです。マンタールでは
UNDP が主催するヒヤータ(洋裁)
の講習が行われており、すでに何
度かお邪魔して、村人たちとも交
流をしていました。
参加者と講習会の打ち合わせ
赴任してから今までの約 2 ヶ月
の間は、何よりも自分自身がこの
地に慣れること、そして村人達に
顔を覚えてもらうことに重点を置
いて活動してきました。そんな中
で、村人達と話をしながら、どん
なことに興味があるのか、どんな
ことをやってみたいのかなどを調
査してきました。と同時に、ダマ
スカスやアレッポの市場を回り、
どんな商品があり、売れているの
かなども探ってきました。ご存知
の方も多いと思いますが、この地
方では刺繍が非常に有名です。特
試作品(コースタ、ランチョンマット)
We
are
on
the
WEB.
See
us
on
www.jica.go.jp,
www.jicasr.org
我らがハンムーデ(村人の子供)
刺繍の基本を指導中
にパレスチナ刺繍はお土産として
も良く見られます。そこで、ター
ゲットを外国人に絞ってこのパレ
スチナ刺繍を作ってみようと決め
ました。そしてまずは自分で試作
品をいくつか作り、村人達に見せ
て意見を聞くことから始めました。
今回、この村をターゲットに設
定したのは、自分が作った試作品
であるパレスチナ刺繍を見せたと
ころ反応が良く、一緒にやってみ
たいという人達がいたからです。
講習会初日
そして迎えた初日、最初は 12
名のはずだったのですが、友人な
どから聞きつけてきたのでしょう。
当日には 15 名に増えており、うれ
しい反面、人が多すぎて収拾がつ
かなくなってしまいました。でも
せっかく来てくれたのだからと講
習を始めたのですが、思った以上
にそれは困難で、なかなか思うよ
うに進みません。というのも、こ
この村の女性たちは、ほとんどの
ジャバル・アルホスのしおり
人が小学校へも行っていないか、
行っても中退してしまうという現
状。うるさいぐらいおしゃべりは
しますが、字が読めない、図が読
めない。最初ということで、もち
ろん簡単なステッチを選び、でき
る限り噛み砕いて説明したつもり
だったのですが、図を渡して、同
じ模様を描いていくように言うと、
村人にとってはそれが非常に難し
いようです。
考える事が苦手で、みんないち
いち聞いてくるので、爆発しそう
になる自分を抑えながら、それで
もいらいらしてしまう自分に反省
の日々を過ごしています。結局ク
ラスを二つに分けたり、レベル別
に分けたりと、今は試行錯誤を繰
り返しながら少しずつ進んでいこ
うと思っています。
デザインシートを使いながら指導中
最終的には
最終目標である“売れる商品を
作る”というところまで行くには
まだまだ長い時間がかかりそうで
すが、最終的にはジャバル・アル・
ホスにしかないホスらしい商品を
作ろうと思っていますので、その
ときには是非みなさん買って下さ
いね!!
お知らせ
本ニュースレター配信ご希望の方は当事務所まで氏名、メールアドレス、JICA との関係(所属)を連絡願います。
編集後記
ジャバルアルホスでの最も過酷な季節、夏を乗り越えて、日々活動する協力隊員、どういうわけか他の隊員と違い
日増しに痩せていくような気がしますが、きちんと食事、運動を行い、体調管理には気をつけていって欲しいもの
です。これからも宜しくお願いします。
(K.T)
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