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(ECoG)法を用いた霊長類における色・顔・文字の知覚と想起

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(ECoG)法を用いた霊長類における色・顔・文字の知覚と想起
平成23年度
新潟大学長
新潟大学プロジェクト推進経費研究成果報告書
殿
申 請
者
所 属
医歯学系(医)
代表者氏名
谷川 久
印
本年度の交付を受けたプロジェクト推進経費について,下記のとおり報告いたします。
プロジェクトの種目:助成研究 B
プロジェクトの課題:皮質脳波(ECoG)法を用いた霊長類における色・顔・文字の知覚と想起の脳内
メカニズムの解明
プロジェクトの代表者:所属 医歯学系(医) 職名 助教 氏名 谷川 久
分担者 2 人
プロジェクトの成果:
本プロジェクトは、脳神経科学の新しい研究手法である広範囲皮質脳波(ECoG)法をサルとヒトの
両方に適用し、霊長類における色・顔・文字の知覚と想起の脳内メカニズムを解明することを目的
としている。また同時に、これらの脳内メカニズムの基盤となる神経連絡を解剖学的に明らかにす
ることも目指している。以下にサルとヒトにおけるプロジェクトの研究経過と成果を報告する。
・サルにおける色・顔の知覚と想起の脳内メカニズム(谷川)
すでに128極の
A
B
ECoG 電極シートを下側
頭葉皮質に設置してあ
るサルBと電極未設置
のサルLに対して、あ
る風景画から特定の色
(赤・緑・青のいずれ
か)を想起し、続いて
提示された視覚刺激の
中から、想起された色
で色づけされた図形を選
択する課題(色想起課題)
ル下側頭葉皮質の皮質脳波変化の地図。
(A)色づけされた視覚刺激の提示によっ
を学習させた。その後、
て引き起こされた皮質脳波変化。
(B)ある風景画を提示した後の遅延期間(2 秒) 電極設置済みのサルBに
中の皮質脳波変化。サルは風景画と対連合学習された色刺激を選択することを要
おいて、まず赤・緑・青
求される。カラーは、刺激提示前からの変化量-10mV〜+10mV を示す。
で色づけされた視覚刺激
を提示中の下側頭葉皮質
の皮質脳波活動を記録した。その結果、それぞれの色の刺激を提示中の脳波電位が色特異的な空間
パターンを持っていることが示された(図1A)
。このことは、色の情報が下側頭葉皮質の複数の部
位において分散的に処理されていることを示唆している。また機械学習アルゴリズムの一つである
(注)報告書は2枚以上とする。別紙による場合も同じ。
図1 広範囲ECoG電極(128極、3.75 mm X 1.75 mm)を使って計測されたサ
-1-
サポートベクターマシンを用いて、各試行での脳活動から、その時提示されている色を解読させた
ところ、チャンスレベルより有意に高い解読成績が得られた。このことは、どのような色や顔・文
字を知覚・認識しているのかを脳神経活動だけで解読できるようするブレーンマシンインターフェ
イス技術の確立に向けた大きな前進である。次に色想起課題の遅延期間中の下側頭葉皮質の皮質脳
波活動を記録した。その結果、色刺激提示時と同様に、想起色に特異的な脳波活動が計測された(図
1B)
。皮質脳波の時間周波数成分についても解析も行い、刺激色に特異的な空間パターンを示す周
波数バンドがあることを見いだした。また想起に関しては、刺激に非特異的な強いδ波の応答が想
起中に観察された。現在、サルに顔・文字想起課題を学習させており、記録を行う予定である。
・色・顔に選択的に応答する部位間の神経連絡の解析(谷川)
上記実験が終了後、同定された色・顔に選択的に応答する部位に、神経連絡を解剖学的に明らか
にするための神経軸索トレーサーを注入する予定である。
・ヒトにおける顔・文字の知覚の脳内メカニズム(長谷川・川嵜)
てんかん治療目的で ECoG 電極を数週間留置した患者から被験者の志望者を募り、亀山脳外科部長
(院長)の協力・管理のもと臨床共同研究を進めた。極間 5mm で配置した ECoG 電極シートを設計し
動物実験と同様の手続きで、FFA 野(顔処理関連領域)
、LO 野(物体処理関連領域)を含む側頭後頭
葉下面と前頭葉の皮質脳波記録を行い、顔と文字のそれぞれに選択的に応答する脳部位を同定した。
その結果、従来の解釈とは異なり、顔に選択的に応答する部位と文字に選択的に応答する部位は明
瞭に区分されておらず、むしろ皮質上で混合して分布する傾向を持つことが明らかになった。この
成果は学術論文として投稿中である。
図2 6人のてんかん患者に留置された
ECoG 電極から皮質脳波を計測し、その
周波数成分分析に基づいて、顔および文
字に選択に応答した脳部位を同定した。
それぞれ、赤と緑のドットで図示してい
る。
・なお、代表者(谷川)は平成 23-24 年度科研費研究活動スタート支援「皮質脳波(ECoG)法を用いた
色と顔の知覚と想起の脳内メカニズ ムの解明」を獲得した。
プロジェクト成果の発表(論文名,発表者,発表紙等,巻・号,発表年等)
(別紙可)
谷川 久 (2012) 内因性光計測法を用いたサル第4次視覚野の機能構造の解明. 日本神経回路学会
誌 19, 2012, p16-27
Matsuo T*, Kawasaki K*, Osada T, Sawahata H, Suzuki T, Shibata M, Miyakawa N, Nakahara K,
Iijima A, Sato N, Kawai K, Saito N, Hasegawa I (2011) Intrasulcal electrocorticography in
macaque monkeys with minimally invasive neurosurgical protocols. Frontiers in Systems
Neuroscience 5:34. doi: 10.3389/fnsys.2011.00034, * equal contribution
-2-
収支決算書
単位:円
配分額: 2,000,000 円
費目別収支決算表
設備備品費
消耗品費
724,920
旅
1,096,945
費
謝金・賃金
46,920
そ の 他
0
131,215
合
計
2,000,000
設備備品費内訳
設備備品名
仕様・型式等
数 量
刺激作成装置
MacBook Air 13 インチ
PXI ボード
解析装置
色彩輝度計
計
低コスト M シリーズ DAQ NI PXI-6225
単
価
金
額
1
147,000
147,000
一式
187,110
137,445
253,365
187,110
137,445
253,365
724,920
HP Pavilion Desktop PC h8-1190jp
ColorCAL Ⅱ
1
1
消耗品費内訳
品
目
数 量
単
価
金
額
ソフトウェア、ライセンス(MATLAB、MSoffice)
一式
308,525
308,525
手術、工作消耗品
一式
311,153
311,153
試薬類
一式
242,097
242,097
解析装置周辺機器(ケーブル、コネクタ等)
一式
133,467
133,467
試薬棚、ワゴン
一式
101,703
101,703
1,096,945
計
旅
費 内訳
事
項 ・ 出張先
回 数
単
価
金
額
3/1 電極ワイヤボンディング作業実施旅費(東京都)
1
18,000
18,000
3/21-22 サル電極留置手術補助旅費精算(東京都)
1
28,920
28,920
46,920
計
謝 金 ・ 賃 金
内訳
事
項
員 数
単
価
金
額
0
計
そ
の 他 内訳
事
項
員 数
リード線実装
ナノテクネット装置の利用料金
モンキーチェア、ラック改造
単
価
金
額
一式
17,640
17,640
1
26,750
26,750
一式
86,825
86,825
131,215
計
-3-
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