...

3D - 室蘭工業大学

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

3D - 室蘭工業大学
模擬講義
講義室
講
師:
建設システム工学科
斎藤
N403
和夫
都市交通システムを計画する
−それは人のトリップ(移動)から組み立てられる−
歴史家へルマン・シュライバーは著書「道の文化史」で「道は人間の最もすばらしい
創造の一つである。道は数千年間を通じて人間とともに発展し、人間を助けてその生活
の領域を征服し拡大し、他の民族の生活領域と連絡する役目を果たした」と述べていま
す。交流という人間の本質的な活動に伴って生じる人や物や情報の行き来が「交通」で
あり、その交通を支える技術的・制度的仕組みが「交通システム」と呼ばれています。
今日、都市における交通は、通勤・通学のみならず、豊かで快適な都市生活を営む上
で欠かすことができない都市の装置といえます。この装置としての交通システムを計画
するためには、人の交通行動(これをパーソントリップといいます)を基にして、将来
のニーズを予測し、徒歩、自転車、自動車、電車(LRT)、鉄道、地下鉄、新しい交
通システムなど、各種の交通手段を組合せてシステムを構成していきます。このような
各種の交通手段を別個に計画すると相互の関係が
不明確になり、都市交通全体の中におけるそれぞ
れの役割が発揮できなくなる恐れがあります。
そこで、人の交通行動を科学的に分析し、人がある場所(起点)から別の場所(終点
)へトリップする過程で、どのような交通手段利用するかという観点から、全体の交通
需要を適切に分担する方法で都市交通システムを計画することが考えられています。
そして、この計画は明確な都市交通戦略に基づいて組み立てられているのです。
模擬講義
講義室
講
師:
機械システム工学科
新井
A304
隆景
ACCESS TO SPACE
(ロケットからスペースプレーンへ,その技術的背景について)
衛星放送,気象予報,GPSなど,宇宙環境を工学的に利用し
た機器の恩恵を我々は受けています。さらに,国際宇宙ステー
ションの活動も本格化し,宇宙環境利用も実験段階から実用段
階へ移行しつつあります。このような状況の中で,宇宙輸送シ
ステム(宇宙へ行く手段)はどのような発達をするのでしょうか.
我々は,25年後の宇宙輸送システムはロケットではなく飛行
機のような乗り物(宇宙飛行機:スペースプレーン)になると
予想しています。なぜなら,現在のロケットシステムには,安
全性,運用性,費用の面で問題があるからです.それらを一挙
に解決しようとして,世界各国はスペースプレーンの開発にし
のぎを削っています.その開発のキーポイントは,有翼機体と
ジェットエンジンの使用です.すなわち,宇宙工学の技術に飛
行機(航空工学)の技術を融合させることが必要です.この講
義では,スペースプレーン開発の背景,現在の状況(世界,日
本),技術的問題点,大学の役割(室蘭工業大学等)などにつ
いて分かりやすく説明します。
現在まで,使い切りロケットの成功率は約95%で,これまで20回に1回の割合で失敗して
きました.このシステムを飛行機と同じ安全性まで高めるのはどのようにすればよいので
しょうか.その答えのひとつがスペースプレーンです.スペースプレーン開発には工学の
あらゆる技術が必要となります.その中でも,機械工学の果たす役割は大きく重要です.
一番上の写真はスペースシャトルの打ち上げの様子です.煙がすごいですね.騒音ももの
すごく大きいです.このような打ち上げは人口密集地域の近くではできません.2番目のイ
ラストは25年後の空港の想像図です.左上にある機体がスペースプレーンです.すなわち,
スペースプレーンも一般の空港で離発着するようになると考えられています.そのために
は環境にも考慮して開発しなければなりません.
25年後,皆さんは中堅技術者として社会の第一線で活躍していると思います.スペース
プレーン開発に参加しませんか.室蘭工業大学機械システム工学科は全国でも稀な航空工
学と宇宙工学を融合したカリキュラム(航空宇宙コース)を展開しています.
ISAS
NAL
将来の宇宙輸送システム構想
NASA
模擬講義
講義室
講
師:
情報工学科
佐賀
N401
聡人
3Dグラフィックスと情報工学
情報化社会といわれる時代の歩みとともに成長してきた高校生にとって、情報技術
(IT) は生活に密着したごく身近な技術だと思います。パソコン、ゲーム、インターネ
ット、携帯電話など、数々のディジタル機器に囲まれて生活している現在、「情報」は
ある意味で最も具体的にその応用を感じることのできる工学分野の一つかもしれませ
ん。
しかし、ここで改めて学問体系としての「情報工学」を考えたとき、その姿をイメー
ジするのは難しいのではないでしょうか。特に、本学情報工学科の低学年次のカリキュ
ラムには「線形代数」、「解析」、「情報数学」、「情報理論」、「論理回路論」、「線
形システム論」、「データ構造とアルゴリズム」などといった情報工学の基礎となる科
目が並んでいますが、これらがどうITに役立つのか、すぐに答えられる人は多くない
でしょう。
そこで本講義では、情報工学科の学生による卒業研究で開発された3Dグラフィック
ス応用システムを具体的例題としてとりあげることにし、その研究開発に際していかに
情報工学に関する体系的知識が必要とされたかを概観することで、学問としての情報工
学の姿の一端を捉えたいと思います。
模擬講義
講義室
講
師:
電気電子工学科
佐藤
N405
孝紀
未来を拓くプラズマテクノロジー
―発生のメカニズムと超微細加工および環境修復技術への応用―
物質を熱すると、固体→液体→気体と変化すること(物質の三態)はよく知られてま
すが、気体を非常に高い温度まで加熱すると第四番目の状態「プラズマ」になることは、
あまり知られていないかもしれません。プラズマ状態では、気体分子から電子が飛び出
し、分子はイオンと電子に分かれ、それらはビュンビュンと飛び交っているのです。蛍
光灯、プラズマテレビなどは人工的に作られたプラズマで、太陽、オーロラ、雷(稲妻)
などは自然界のプラズマであるというと、プラズマがちょっとは身近なものに感じられ
てきたことでしょう。
プラズマを人工的に作る場合、平板
電極を用意して、そこに高電圧を加えま
す。そうすると、右図のような赤紫色に
光るもの=「プラズマ」が現れます。こ
のとき、気圧を低下させていくと、細い
線状のプラズマから、広がったプラズマ
へ変化します。「プラズマ中にはどんな
粒子が存在するの?」、「プラズマはな
ぜ光るの?」などの疑問が生まれて来る
ことでしょう。この講義の前半では、プ
ラズマ発生のメカニズムを、実験を交え
ながら解き明かします。
シリコンウェハー(中央部の円形)上に
作られた集積回路
白枠:電極
240hPa
40hPa
電極間に発生した放電プラズマ
(気圧:240hPa(上), 40hPa(下))
後半では、プラズマを使った最先端
テクノロジーを紹介します。IT社会を
支えるコンピュータの回路の集積度は
年々上がり続けています。現在は1ミ
クロン(=1ミリの1000分の1)以下の幅
で集積回路が作られていて、この微細
加工技術にプラズマは必要不可欠です。
また、最悪の化学物質であるダイオキ
シンをプラズマで分解・無害化する技
術にも大きな期待が寄せられています。
これらの最先端技術にプラズマがどの
ように関係しているかを解説します。
模擬講義
講
講義室
師:
材料物性工学科
桑野
壽(くわの
N404
ひさし)
日用品のモノづくり術
―元素の活かし方―
私たちは毎日色々なモノを使って生活しています。でも、そのモノがどんな材料で、ど
のようにして作られ、なぜそのような形をしているか、あなたは考えたことがありますか。
たとえば硬貨(コイン)、アルミ箔、ハサミ、金属バット、ゴルフクラブなどなど。
<コイン> 500円と100円は銀色でよく似た色をしているので、
同じ材料で作られているとわかります。しかし、10円は赤茶色、
5円は黄褐色で500円や100円とは違った色をしています。でも、
これらのコインはいずれも銅(Cu)がベースになっているのです。
色が違うのは銅に加えられている元素の種類と量のせいなので
す。また5円、50円には穴が開けてありますが、これはなぜでし
ょう。コインの素材と形について、この講義では考えてみます。
<アルミ箔> 1円はアルミニウムで作られています。現代では
1円をもらって喜ぶ人はいませんが、昔はアルミニウムは銀より
も高い貴金属だったのです。アルミニウムの色が銀に似ている上
に、手に入りにくいためなのです。ではどうして、最近はアルミ
が簡単に手に入るのでしょう。それはなぜかというとーーー(あ
とは講義に続きます)。 1円硬貨をどんどん薄くして0.02ミリ
アルミ箔の表裏
(20ミクロン)の厚さにするとアルミ箔になります。アルミ箔の
片面はピカピカと光っているのに、反対の面は光っていません。その理由は作り方に隠さ
れているのです。
<金属バット> 野球にはバットがつきものです。金属バット
はアルミニウムでできています。アルミニウムは本来アルミ箔
を作ることができるくらい軟らかいのです。しかしドイツの
Duren市に住む科学者がアルミニウムに銅やマグネシウムを加
えたものを、しばらく研究室の中にほっぽりだしておいたとこ
ろ、数日後には以前より倍以上も硬くなっていることに気づき
ました。パンやもちは日にちが経つと硬くなるのはよくありま
すよね。金属も日が経つと硬くなるのです。この材料は街の名前とアルミニウム
(Aluminium)をくっつけてジュラルミン(Duralumin)と名付けられました。飛行機やロ
ケットが急速に発展したのはひとえにジュラルミンの発見のおかげなのです。講義ではジ
ュラルミンの作リ方を学びます。
<ゴルフクラブ> ジュラルミンよりも強いのは、ゴルフク
ラブフェース、眼鏡フレームなどに使われているチタンです。
チタンが無ければ宇宙ステーション建設も惑星探査も不可能
です。ギリシャ神話によると大地の神ガイアと宇宙の神ウラ
ノスの間に生まれたのがタイタンです。タイタンはオリンポ
スの神々との戦いに破れて地中深く埋められてしまったので
す。1800年頃、ドイツの学者が地中から発見した元素を、タ
イタンにちなんでチタンと名付けました。長年の地中暮らしで酸素がこびりついたタイタ
ンは、発見されてから100年程経ってやっとアメリカで酸素が取り除かれてチタンとなって
再生されました。しかし、高温にすると再び酸素が結合して元に戻りやすいので、真空中
でチタンを溶かして流し込む技術が開発され、そのお陰でゴルフクラブや眼鏡フレームが
簡単に作れるようになってきました。
模擬講義
講義室
講
師:
応用化学科
見城
N307
忠男
水素と空気から電気をつくる
燃料電池の話
― 未来のクリーン発電技術―
現在、日本の電気の大部分は、石油や石炭を燃やしてお湯を沸かし、その時発生す
る高温の蒸気でタービンを回してつくっています。このような方法で発電すると、燃料
のエネルギーの、高々40∼50%しか電気になりません。
やすと、大量の炭酸ガスや有害ガスが空気中に放出されます。
また、これらの燃料を燃
燃料を燃やす代わりに
ウランの核分裂エネルギーによって発電する原子力発電もありますが、使用済みの核燃
料の処理方法にまだ問題があります。
これらの問題を解決するため、水素と空気中の酸素から直接電気を作る燃料電池発
電が注目されています。この方法には、途中に湯を沸かしたり、タービンを回したりと
いう操作が入らないため、理論的には水素のエネルギーの80∼90%を電気に変える
ことが出来ます。
水素と酸素が反応して出来る物は水だけですので、燃料電池は、非
常にクリーンな発電技術です。
水素や空気のような気体を用いて、なぜ電池ができるのか不思議に思うかもしれま
せんが、それには、細かい粉末状の白金の上に、水素や酸素を吸着させて反応させます。
そこには難しい色々な技術的なノウハウがあり、世界中の研究者が性能向上に向けてし
のぎを削っています。日本は燃料電池作製技術では先進国の一つです。
最近、燃料電池を発電だけでなく、自
動車の動力源に使おうとする試みが多くの
自動車メーカーによってなされています。
右の図は自動車用の燃料電池に使われよう
としている固体高分子膜型燃料電池の概略
図です。自動車用燃料電池が実用化すれば、
地球の温暖化の防止や、環境保全に大変役
立つのですが、水素の供給をどのようにす
るか、燃料電池本体の値段がまだ高い、な
ど、解決せねばならない問題が残っていて、
若い研究者の挑戦を待っています。
固体高分子膜型燃料電池の構造
体験学習・実験
建設システム工学科
実験室
A008
海の波のシミュレーション
−魚と鳥の眼で波の秘密に迫ろう−
下の絵は皆さんご存知、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」です。とぐろを巻いて波が砕け
る様子をリアルに表現しています。このように波が砕けるとき、水の中ではどんな現象
が起こっているのでしょうか。この体験学習では下の写真に示すように、実験水路のガ
ラス面を通して「魚の眼」で、波のメカニズムを観察していただきます。
飛行機の窓から海を見ると、個々の波は、長さも進む方向が異なることがわかります。
日本経済を支える港の防波堤や、高波から生命や財産を守るための堤防を築くためには、
こうした波の性質を知る必要があります。体験学習の後半では、水泳プールのような実
験水槽に場所を移し、観測デッキの上から「鳥の眼」で、複雑に変化する波の様子をご
覧いただきます。
葛飾北斎の描いた波
体験学習・実験
建設システム工学科
実験水路で再現した波
研究室
Y604
CAD・コンピューターグラフィックス(CG)の体験
建築設計では、数多くの図面を描くとともに模型などによってシミュレーションやプ
レゼンテーション(表現)を行います。しかし近年では、コンピューターを用いてこれ
らのことを行うことが一般的になりつつあります。つまりCADによって図面を描き、ま
た模型を作成する代わりにCGによって建築空間を疑似体験するということが可能にな
ってきているのです。
この体験学習では、学生の
作品を中心として、CAD・CG
とはどのようなものかを見
学してもらうとともに、簡単
な図形や素材の表現など、実
際にパソコンを操作して体
験してもらいます。
またCAD・CG以外にも、建
築図面や模型などを展示し
ますので、建築の設計に興味
ある人は眺めるだけでも楽
しめる内容となっています。
体験学習・実験
機械システム工学科
実験室
C211
スペースプレーンの飛行シミュレーションにチャレンジ
−スペースプレーンの大気圏内飛行および大気圏外飛行のメカニズム−
近年、スペースシャトルの次の世代の宇宙輸送機(スペースプレーンSpace Plane:宇
宙飛行機)の開発構想がさかんに議論されています。わが国も下図のような二段式スペ
ースプレーンの開発を目指しています。スペースプレーンは、離陸・上昇や大気再突入・
帰還・着陸の際には、翼によって空気の力を上手く引き出して飛びます。ですから、そ
の開発には飛行機と共通の「航空技術」が必須です。一方、大気圏外に出たスペースプ
レーンは人工衛星や宇宙船と同様に万有引力によっ
て運動しますから、「宇宙技術」も必要です。つまり、
スペースプレーンの開発のためには、航空と宇宙の両
面をしっかりと研究する必要があるのです。このよう
な航空と宇宙の両面にわたる教育・研究を展開してい 日本が開発を目指している
るのは北海道では室蘭工業大学機械システム工学科だ 二段式スペースプレーン
けです。
この体験学習では、機械システム工学科でスペースプレーンの概念設計に使っている
飛行経路計算プログラムを使って、皆さん一人一人がスペースプレーンの飛行をコンピ
ュータで模擬計算します。まずは、高校の物理の復習を兼ねて、万有引力による人工衛
星の運動を計算します。そのあと、スペースプレーンの大気再突入飛行を調べます。計
算結果からスペースプレーンの飛行メカニズムを考えてみましょう。
体験学習・実験
機械システム工学科
実験室
A001他
機械システム工学科ラボツアー
機械システム工学科は熱流体工学講座,生産基礎工学講座,設計制御工学講座,
航空基礎工学講座の4つの講座(教官の所属組織で,研究分野に相当)から構
成されています.その中から,いくつかの研究室,実験室を見学し,実験装置
に触れてみましょう。「超音速風洞(マッハ4)」「小型ジェットエンジン」,
「バイオリアクターの流れの可視化装置」,「倒立振子」等が皆さんをお待ち
しています。この見学を通して,機械システム工学科が扱っている学問や産業
の範囲を理解してください。きっと大学進学の参考になると思います。
バイオリアク
ター内の流れ
倒立振子
マッハ4の流れ
(超音速風洞)
ターボジェット
エンジン
体験学習・実験
情報工学科
学生計算機実験室
R201
動かせる3Dグラフィックス
−仮想現実設計言語VRMLの学習と
インタラクティブ仮想空間の利用−
無限の広がりを持つコンピ
ュータ内の仮想空間の利用は、
無限の可能性を秘めています。
ゲームの世界はその典型例で
すが、インターネットを介し
て益々応用分野が広がりつつ
あります。目指すは、スーパ
ーリアル(超写実)。現実感
「ものづくり室蘭展02」に出品したゲーム「3D迷路」(左)とその実物
(右)。ゲームはCAD(設計)データを基にVirtoolsを使用して数日で完成
を越えた物理現象、環境条件
した。実物は、CADデータから積層整形により作製した。
をも可能にします。つまり、
月面での野球さえ擬似体験可能です。さて、この体験学習では、VRML(Virtual Reality
Modeling Language)というコンピュータ言語を学習し、仮想空間内に実際に3D物体
を作成し、自在に動かしてみます。また、数あるWebサイトの幾つかを訪問し、VRML
の機能を体験します。最新の仮想空間構築ツールであるVirtoolsやJava3Dによる作品
の紹介、ゲーム体験も予定しています。仮想の世界を、一緒に探検してみましょう。
体験学習・実験
情報工学科
学生計算機実験室
R201
体感する3Dグラフィックス
−VR/MRシステムによる3次元CG空間の体感と
立体CG図形手書き作成システムの紹介−
まずごく簡単な3次元CGプログラムを参加者
各自に作成してもらい、CGプログラミング手順の
概要を理解してもらいます。つぎに、グラフィック
スワークステーション、100インチの大画面、およ
び立体視用液晶シャッターメガネを利用した仮想
現実(Virtual Reality, VR)システムを用いること
で、作成したCGが目の前に立体的に広がる3次元
空間として知覚される様を参加者全員に体感して
もらい、人が立体空間を知覚する仕組みについて学
VRシステムを利用した立体CG水族館
びます。さらに、より高度な没入型VRシステムを
応用した最新の研究の例として、現実空間とCG空間を融合する複合現実感(Mixed
Reality, MR)システムや、CG空間の中に完全に入り込んで立体CG図形を手書き感覚で
デザインしてゆくシステムのデモンストレーションを行います。ここでは人が描画とい
う表現手段を通じていかにコンピュータに意思を伝えられるかといった深い問題につ
いても考えます。
体験学習・実験
電気電子工学科
実験室
E105
あなたの知らない低温(-200℃)の世界
−液体窒素を使った実験−
私たちの生活している常温(17℃)の世界は、実は約300K(ケルビン:絶対温度)という物理
的には物凄い高温の世界です。ですから物質を低温に冷やしていくと、熱雑音により今まで隠
されていた色々な性質が明らかになってきます。
窒素(N2)は空気の78%(体積分率)を占める気体で
すが、空気を冷却し、酸素と分離することによってほぼ
純粋な液体として取り出すことができます。1気圧での
液体窒素の沸点は-195.8℃(77.4K)で、これは土星や
天王星の表面温度に相当する低温です。約-200℃で
は私たちは普段見ることのできない光景を目にすること
ができます。「バナナで釘が打てる」のは有名ですね!
では「酸素が青色の液体で、磁石にくっつく」ことを知っ
ていますか?「ウィスキーが柔らかい氷」となり「超伝導体の上に磁石が浮遊(上図)」する
-200℃の世界!今日は液体窒素を使って物質を冷やし、常温では見ることのできない不思議
な世界へとご案内いたします。
体験学習・実験
電気電子工学科
実験室
A320
光が創る未来のIT社会
−光通信の原理と実際−
現在、電話やFAX、インターネットなど情報を伝送するためにいろいろなところで光
通信が使われています。今では各家庭に光ファイバが引かれ、音声や映像をはじめとす
る大容量のデータのやり取りができるようになってきています。この体験学習では,実
際に声や音楽を発光ダイオード(LED)、半導体レーザ(LD)を用いた光ファイバ通信によ
って送る実験を皆さんに体験してもらいます。
声や音楽などの情報をレーザ光に乗せて送ることを考えてみましょう。例えば図1の
場合、CDプレイヤーから音楽が電気信号として取り出されます。その電気信号に処理(増
幅)をして半導体レーザ(LD)を駆動すると、LDから出る光は電気信号の強弱に応じて
明るさが変わります。CDプレイヤーの代わりにマイクを使っても同じように電気信号→
光に変えることができます。光に変換された信号は光ファイバを使って遠くへ送ること
ができます。信号を受け取る側では、
光ファイバから出てきた光の明暗を
電気信号の強弱に変えます。そのため
CD Player
Speaker
の装置を光検出器(PD)といいます。 電気信号
光
光
♪♪
この電気信号を増幅してスピーカを
♪
光ファイバ
LD
PD
鳴らすと元の声や音楽を聞くことが
電気信号
できます。このような光通信の仕組み
図1. 光通信の実験
を、光源にはLED, 検出器には太陽電
池を使って学んでみませんか。
体験学習・実験
電気電子工学科
ロボティクスワールド
実験室
C212
遊び・制御・発見
日本は世界で最も進んだロボットを作り、最も多く使いこなしている国といえますが、この技術
をさらに発展させて、これから直面する就労人口の激減にも対処しようという計画が進んでいま
す。屋外重・軽作業の補助、看護の補助、日常生活の補助など、工場の中だけでなく、人と関
わり合うところにも積極的にロボットを活用しようというのです。
プロジェクトがスタートして5年、やっと机を共同で運ぶところまできたのはテレビでおなじみ
ですね。生活補助用では掃除ロボットが実用化され始めました。メンタルな部分でも人と関わ
るべきだという意見も出てきて、ソニーのアイボに代表されるような自律ホームロボットも関心を
集めています。しかし、人がストレスを感じずに付き合えるロボットに
なるまでには、解決すべき問題がまだまだ山積みの状態です。
このコースでは、映像によるロボット研究の紹介の他に、実際に
移動ロボットを動かしてもらい、ゲームを楽しみながら指示した通り
に動かすことと自律的に動かすことの難しさの違いを体験していた
だきます。ロボットを操作する過程でいろいろな発見に出会うと思い
ますが、「ロボットの研究の本質は人の研究・社会の研究」である
ことに気が付いたとしたなら、迷わずこの道にお進み下さい。あなた
私の仲間10台が体験
学習のお供をします。
は日本の将来を救う人になるかも知れません。
体験学習・実験
電気電子工学科
実験室
Y404
コンピュータを作ろう
コンピュータの心臓部をプロセッサとい
います。このプロセッサを1チップに構成し
たものをマイクロプロセッサといいます。現
在のパソコンやTVゲーム機には一つ以上
のマイクロプロセッサが搭載され、自動車や
家電製品の制御にもマイクロプロセッサが
組み込まれています。
マイクロプロセッサは
日本のビジコン社が電
卓のために米インテル
社に開発を発注したの
が世界で最初の発明と
され、日本人の嶋正利
氏が発明者の一人とさ
れています。この体験
学習では1個500円くら
いのマイクロプロセッサを使って、実際にTV
ゲーム機(ブロック崩し)を作成し、遊んで見
ましょう。きっと新しい発見があるはずです。
このコースでは実験部品と場所の制限のため上
限を24名にさせていただきます。
体験学習・実験
材料物性工学科
実験室
K702
結晶から電気を取り出してみよう
ある種の結晶の特定の方向に
力を加えると電気分極が生じ、
結晶表面に電荷が生じます。こ
の現象を圧電効果といいます。
圧電効果を応用した製品は身近
に多く存在しますが、圧電効果
という現象を知らずに使ってい
ることが多いことでしょう。そ
こで本体験学習では圧電効果を
生じるロッシェル塩や水晶の結
晶(写真)を使って、実際に圧電効
果を利用した"圧電素子"を作製
し、圧電効果を体験してもらい
ます。圧電素子に圧力を加えて
人工水晶結晶
蛍光管を光らせて実際に力が
電気に変換されていることを体験してもらいます。また逆に、圧電素子に電圧を加える
と圧電素子にひずみが生じます。この性質を利用してスピーカーを作製して実際に音を
鳴らす実験も行います。
体験学習・実験
材料物性工学科
実験室
K152
材料の悲鳴を聞いてみよう
あまりにも痛いと,人間はついつい声をだしてしまいますね.材料も同じなのです.
痛いと声を出すんです.材料の声はとても小さいため,人間の耳には聞こえないだけな
のです.ところで,「材料の声」とはいったい何でしょう?基本的には人間の声と同じ
ように「音波」です.材料が大きな力を受けると,内部に小さな「割れ」ができたりし
ますが,このときに「AE波」と呼ばれる波を放ちます.このAE波が材料の声の正体で
す.AE波はまさに地震波と同じで,材料の表面を揺らします.特殊なセンサーでこの
揺れを捉えることにより,材料の声を聞くことができるのです.
不思議なことに,破壊が近づくと,材料の声は悲鳴のように聞こえます.AE波の数
が急に増え,また,その振幅が大きくなるからです.人間と
同じように材料も身の危険を知らせるのです.現在,材料の
声を聞き,悲鳴の大きさなどから,破壊を予知したり防止し
たりする技術が多くの分野で進んできています.
この体験学習では,材料を押したり引っ張ったりして,材
料の声を聞いてもらいます.材料も痛いと大きな悲鳴をあげ
ることがわかると思います.あなたも材料の痛みを知ってみ オシロスコープで捉え
ませんか?
たAE波の例
体験学習・実験
応用化学科
生化学実験室
H210
野菜のDNAを取り出そう
ゲノム研究の最初の一歩は「ゲノムの抽出」すなわちDNAを取り出すことです。その
ためには①植物体を破砕する(ミキサー)②細胞を壊す(界面活性剤)③タンパク質、
膜成分を取り除く(熱処理など)④DNAを沈殿させる(エタノール沈殿)作業が必要で
す。研究ではさらに精製、分析が必要になり、通常1日以上かかるものなのですが、④
のステップだけを時間があれば他のステップにチャレンジしましょう。手品のようにビ
ーカーの緑色の液体からパッとDNAの白い束があらわれてきます。
遺伝子工学で使う材料は大腸菌がトップで多くの微生物が使われ,目的によっては動
物細胞,植物細胞と多種多様です。この体験実験ではブロッコリー,カリフラワー,エ
ノキ,ホウレンソウなどにチャレンジしてください。
体験学習・実験
応用化学科
実験室
H414
化学結合とはなんだろう?
−原子や分子の中の電子の運動状態を、理論と計算機を使ってミクロな視点か
ら調べてみよう−
私達の周辺には、多様な性質を持った物質が数多く存在しています。生命体さえも細か
く観れば小さな原子や分子の集まりです。化学者は、このような原子・分子の性質を基
礎に多様な物質を扱っています。例えば物質を人工的に合成する時、材料となる物質の
原子や分子を組立てなおし、全く新たな性質を持った分子を作ったりします。まるで化
学者は、ミクロな原子・分子の世界の建築家のようだと言えるでしょう。ところで、こ
のようなミクロな原子・分
子の世界における基本法則
とは何でしょうか?それは
20世紀に新しく創造され
た量子論という力学です。
この新しい力学理論を使っ
て教科書の中にある化学結
合というものについて考え
てみましょう。
ベンゼン分子(C6H6)の最高被占軌道
オープンラボラトリー
機械システム工学科・設計制御工学講座
大学会館多目的ホール(お昼休み時間中)
室蘭工業大学から全道に展開中の道内大学生対抗ロボット・ト
ライアスロン,学内プレ大会を開催します.ロボット・トライア
スロンとは,自走式小型ロボットがスラローム,ライントレース,
風船割りの3種目からなるコースを走破する競技です.昨年は,
札幌と室蘭で大会を開催し,5大学から20チームが集まり熱戦
を繰り広げました.
機械システム工学科機械情報コースでは,平成17年度より「機
械情報設計法」という科目の中でこのロボットの製作を実施予定
で,既に今年度から試行しています.学内プレ大会には,そこで
製作されたロボットの他,学内の関係団体からも出場がある予定
です.
Fly UP