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2014年度(平成26年度)事業報告(PDF)
社会福祉法人 日本ライトハウス 平成26年度 事業報告書 ○ 事業の概括 ○ 法人本部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 A.法人事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 B.募金事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 ○ 視覚障害リハビリテーションセンター ・・・ 8 A.日本ライトハウスきらきら ・・・・・・・・・・・・・ 9 B.日本ライトハウスわくわく ・・・・・・・・・・・・・ 13 C.職業訓練部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 16 D.盲導犬訓練部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 18 E.盲人ホーム部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 21 F.居宅支援センター てくてく ・・・・・・・・・・・・ 22 G.養成部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 26 H.相談室 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27 I.リハセンター共通事業 ・・・・・・・・・・・・・・・ 29 ○ 情報文化センター ・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 A.ネットワーク事業 ・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 B.サービス部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 31 C.製作部 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 33 D.教科用図書製作・供給事業 ・・・・・・・・・・・・・ 34 E.多部数複製利用点字データ製作・供給事業 ・・・・・・ 35 F.メディア製作センター事業 ・・・・・・・・・・・・・ 36 G.厚生労働省委託視覚障害者用図書事業 ・・・・・・・・ 37 H.ボランティア・広報支援事業等 ・・・・・・・・・・・ 38 I.大阪市委託・早川福祉会館点字図書室 ・・・・・・・・ 39 平成26年度 事業の概括 法人は、平成25年度より橋本照夫理事長の下、四つの基本理念、すなわち、①公正・健 全・透明な事業活動の推進、②信頼され、信任を得るサービスの充実、③誠実で包容力の ある温かいサービスの提供、④時代や環境の変化に対応した組織づくりを事業推進の柱に 据え、事業を行ってきた。また、「障害者虐待防止・権利擁護に関する委員会」を再編し、「職 員倫理綱領」を策定し、26年度は、各事業所における「行動規範」を策定して、弾力的な活 力ある事業活動を推進した。 1.法人事業と財政について 平成26年度は、障害者支援施設日本ライトハウスきらきらと障害福祉サービス事業所日 本ライトハウスわくわくの激変緩和措置が廃止となって2年目であり、きらきらの赤字の 改善が大きな課題であった。きらきら利用者を増やすために東西館3階で開始した生活介 護事業も2年目を迎え、なんとか事業を軌道に乗せることができた。 きらきらの自立訓練(機能訓練)は、定員20名に対して75.1%の利用率、生活介護は年 度末で利用者が11名となり、利用率は94.9%であった(生活介護の定員は、利用者が入る たびに変更)。一方、就労移行支援は、定員6名に対して利用率が26.8%であり、施設入 所支援は、定員30名に対して62.6%であった。生活介護事業の進展もあって、施設入所 支援の利用率は、昨年度より改善した。 きらきらの決算状況は、平成25年度に7,469万円の赤字を計上、26年度は、6,730万円 の赤字と、わずかながら赤字が減少した。当初、想定したほど赤字が減らなかったのは、 生活介護利用者の増加による収入増が、必要な職員を雇用したことにともなう人件費の増 加や光熱水費の増加など必要経費の増加で相殺されてしまった結果である。しかし、これ できらきらの体制は固まったので、平成27年度は、利用料の増加がそのまま収支改善につ ながることが期待される。 わくわくでは、通所の生活介護サービスを提供しており、定員40名に対して利用率は、 103.3%であった。定員を上回る利用者数は確保しているものの、新規の利用者があまり 増えておらず、新規利用者を確保することが今後の課題である。 盲導犬訓練所では、5月開催の世界盲導犬学校連盟のセミナーやAGBN(Asia Guide Dog Breeding Network)の繁殖ワークショップなどに職員が研修として参加した。 居宅支援センターてくてくは、昨年11月には、相談支援事業も立ち上げ、そこを基盤に 大阪市より平成27年4月開始の鶴見区障がい者相談支援センター業務を受託した。今後は、 鶴見区の基幹相談支援事業所として、区内の相談支援事業所との連絡調整や区自立支援協 議会の事務局機能も担ってゆくこととなる。 情報文化センター西事業所では、大阪市10,687名、大阪府16,166名(平成24年3月末 現在)に達する障害者手帳を持つ視覚障害者を中心に、大阪府内で推計10万人を超える視 覚に障害のある方や、その他の原因で読書に困難のある方などを対象に、“学び、働き、 暮らし、楽しむ”ことに役立つ情報を多様な媒体で製作・提供。合わせてICT(情報通信技 術)とインターネット、視覚補助具の普及を推進したほか、当センターを拠点に文化・コミ ュニケーションを提供する活動を展開した。 また、2年目となる「情報バリアフリー推進事業」に力を入れ、公共団体や企業による点 字・録音・電子書籍・音声解説等の製作・提供の拡大に取り組んだほか、文部科学省の委 託による「音訳教材」の研究事業を新たに受託し、視覚的資料の音訳教材データベース構築 - 1 - 事業に着手した。 東事業所では、視覚障害児童・生徒・学生が必要とする教材を選択・編集して点字デー タの製作を行った。小学部は、「国語」(1~6年)、「音楽」(1~6年)、「新・みんなのほけん 3・4年」、「新・みんなの保健5・6年」の計14点を改訂発行した。高等部普通科は、「CROWN English Communication Ⅲ」を新版発行した。また、国土地理院の三次元地図データを 利用して、富士山・御嶽山・桜島等の三次元地形模型を試作し、視覚特別支援学校の教員・ 生徒等から高い評価をいただいた。 また、4年間の業務委託を受けたあと、1年間の特命契約を受け、大阪市立早川福祉会 館点字図書室の運営を継続して行った。 2.業務実績評価制度について 業務実績評価制度については、平成18年度から取組みを始め、平成20年度から正職員(2 級~7級職)全員を対象とし評価を給与に反映させている。管理職は、業務に対してどのよ うな取組みや働きかけが成果となって表れているのかを評価の判断基準とし、一般職につ いては、本人自身の努力の表れを評価の判断基準としている。半年ごとに個別面談を行い、 目標や課題の達成度についての振り返りを行い、次期業務への取組みの向上を図っている。 今後も積極的に推進し、各部署の活性化に繋げてゆく。 法人本部 A.法人事業 1.法人事業関係 (1)岩橋武夫賞の授与 アジアにおける盲人福祉・教育・失明防止等に貢献のあった人に対して授与される 岩橋武夫賞(賞金10万円、賞状、楯)の2014年受賞者は、マレーシアのウォン・ユー・ ルーン、クリスティーナ・アン・ロウ夫妻。授賞理由は、コンピュータによる点字ワ ークショップを20年以上にわたって企画・開催されていること、日本点字図書館が主 催する池田輝子ICTセミナーを開催し、若い視覚障害者の技術指導に携わるなど、 長年にわたって次世代の指導者養成に献身的に尽力されてきたこと。8月10日、ペナ ン島におけるセミナー修了式の席上、夫妻に授与した。 (2)第22回ライトハウス祭りの開催 日頃お世話になっている地域住民との交流と理解を得る目的で鶴見事業所において 開催。11月8日(土)、視覚障害リハビリテーションセンター中心に全施設の利用者・ 指導員・職員および40名を超える参加ボランティアの方々の協力のもと、クラブ活動 の発表や各種模擬店、吹奏楽や腹話術のステージ、ミニバザーや盲導犬体験、法人施 設の紹介等を行い、400名を超える周辺地域の方々との温かいふれあいの機会を持つ ことができた。 2.広報活動 (1)インターネットホームページの活用 視覚障害リハビリテーション事業、視覚障害情報提供事業、募金事業、盲導犬事業 全般、チャリティコンサートや物品販売、イベント等々の最新情報を常に更新し、発 信を続けている。 また法人全体の年度事業報告や会計報告もホームページで開示している。 - 2 - (2)「フォワード」の発行 法人各施設の事業報告、募金事業報告および新たな援助者に対する依頼を趣旨に年 2回(第57・58号)発行し、援助・寄附者を中心に各8,500部を発送した。 (3)法人内機関誌「時報」の発行 職員間の情報伝達および共通の認識を深めるため社内月報「時報」を年12回および 新年号を発行し、全職員および外部役員にも配布した。 (4)資料室の整備と担当者の配置 引き続き、法人所有の資料・文献について、貴重な資料の散逸を防ぎ、適正に保管 するためのデータベース化を進めるとともに、関係機関から数多く寄せられる提供依 頼に対応するため、資料室の整備を進め、所蔵資料等の整理・保管に取組んでいる。 法人所有の資料・文献の外部提供は、下記のとおり。 ・筑摩書房「ちくま評伝シリーズ」刊行(平成26年8月)に際し、ヘレン・ケラーと岩 橋武夫の友好関係に関する種々の問合せについて回答、執筆作業に反映された。 ・日本テレビ「ヒルナンデス」放映(11月14日)に際し、ヘレン・ケラーの画像データ を提供した。 ・筑摩書房『行動する障害者、その波乱の人生 ヘレン・ケラー』刊行(11月25日)に 際し、ヘレン・ケラーの画像を提供した。 ・NHK文化福祉番組「ハートネットTV」に対し、戦後70年の企画番組(平成27年1 月5日~)に際し、ヘレン・ケラーの画像を提供した。 ・日本放送協会の放送開始90周年に際し、「NHKアーカイブスポータルサイト」にお いて『昭和回顧録 ヘレン・ケラー来日 昭和12年』(昭和55年6月4日放送)を3 分に編集、平成27年4月よりウェブサイトに紹介されることとなった。 ・東京の古書店で発見された岩橋武夫翻訳の『偉大なる教師サリヴァン』に昭和12年 に来日していたヘレン・ケラー、ポリー・トムソンおよび岩橋武夫の直筆サインが あったことについて取材があり、調査・協力、讀賣新聞紙上に紹介された。 ・テレビ朝日の番組「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」放映(平成27年3月23 日)に対し、昭和12年来日時のヘレン・ケラー映像を提供した。 ・5年前より引き続き、米国カリフォルニア州在住のNPO法人ディレクター菊池京子 氏に対して、研究資料を提供した。氏は、闘病のなか、点字毎日掲載の『ヘレン・ ケラー/岩橋武夫物語』シリーズ、『岩橋武夫を囲む人々』シリーズ、『岩橋武夫を 引き継ぐ人々』シリーズを平成24年より3年間、毎月執筆された。昨年12月の岩橋 英行の項が最終稿となり、去る3月1日に他界。この点字毎日の連載によって、創 業者岩橋武夫の足跡が後世に伝承されることとなり、氏が果たされた役割は大きい。 3.法人業務 (1)サービス苦情解決委員会 ○盲導犬元ユーザからの申し出(平成25年度からの継続事案) ・前年度、平成26年2月、盲導犬の元ユーザから、「罵声を浴びせられたり、盲導 犬に暴力を振るわれたりするようになり、結局盲導犬が引退せざるを得なくなっ た。盲導犬訓練所として、相手をきちんと指導されたい」と第三者委員に申し出が 寄せられた。 ・事務局で事実関係を調査し、相手方に連絡をとり、4月1日に面談を約束したも のの、直前にキャンセルとなり、結局面談ができなかった。 ・そのため、4月16日、本人と手引き者、第三者委員、盲導犬訓練所所長・法人本 - 3 - 部長の5名が面談、本人からの要望を聴取した。 ・聴取した内容をもとに、法人の顧問弁護士に法人本部長が相談。これまでに本人 が受けた暴言や暴力は人権侵害にあたるものの、訓練所が本人と加害者との間に 立って、加害者に約束させるとか、文書を提出させることは、法的には不可能で あるとの弁護士の見解をもとに、5月3日付、次のような要旨の書簡を郵送。本 人から了解した旨の連絡があり、一応の解決をみた。 (要旨) 盲導犬訓練所の対応に不行届きの点があり、いろいろと気分を害して しまったことについてのお詫びとともに、相談先を例示した。 (1) 人権侵害を受けた場合は、人権擁護委員に相談する。 (2) 法的なトラブルとなった場合は、大阪弁護士会の高齢者・障害者 総合支援センター「ひまわり」等に相談する。 (2)法人助成事業 ・引き続き、フランスのルイ・ブライユ記念館に対し、建物維持のため協力金10万円 を寄贈した。 4.研修・交流事業の実施 (1)海外研修・交流 ・平成27年3月16日~19日、姉妹施設提携の韓国・シロアム福祉会創設者のキム・ ソンテ牧師、ノ・ヒャンリム秘書、デジタル図書チームのイ・チョンウォン チ ーム長が訪日した。17日には、視覚障害リハビリテーションセンター・情報文化 センター東事業所・西事業所を見学した。 (2)国内各関係機関への協力 ・日本盲人福祉委員会への協力:岩橋会長がWBU名誉終身会員として協力した。 ・日本盲人社会福祉施設協議会等の関係団体に職員が役員その他に就任して、協力 を行った。 (3)役職職員研修会 ・役職職員を対象に年2回の研修会を下記のとおり実施した。 ・第1回は、8月2日(土)、14:00~16:00、情報文化センター西事業所において、 精神科医の渡辺洋一氏(医療法人渡辺クリニック院長・渡辺カウンセリングルーム 室長)を講師に迎え、 『職員のメンタルヘルスケア~管理監督者の役割を考える~』 をテーマに実施した。 ・第2回は、平成22年度より、毎年度の秋以降に開催される各部の行事に日程調整 のうえ積極的な関わりをもつことで研修に代えることとしている。 (4)職員全体会 8月31日(日)、13:30~15:00、エル・おおさかにおいて、これまで、ミッション や使命の達成に重きを置き、事業経営への取り組みが二の次になってきたという反省 を踏まえ、営利企業も社会福祉の各分野に続々と参入する時代にあって、職員一人ひ とりがこのような意識のままでは、法人として生き残ることが困難であるとの認識に 立ち、 事業経営の第一線で活躍中の北村明良氏(株式会社関西アーバン銀行代表取締役 会長)を講師として招き、事業経営の視点から社会福祉法人の事業への取り組みについ て有益な示唆を受けた。 (5)人権啓発研修会 弁護士で大阪アドボカシー法律事務所代表・池田直樹氏を講師に迎え、「障害者の権 利に関する条約」と「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の意義、と - 4 - くに「合理的配慮」についてより深く学び、職員一人ひとりの人権意識がさらに向上 することをめざして人権研修を開催、年2回実施した。 第1回 平成26年7月18日(金) 18:00~20:30 情報文化センター西事業所 第2回 平成27年1月24日(土) 9:30~12:00 リハビリテーションセンター 5.法人内会議、健康管理等 (1)各部門会議 ・理事長・専務理事・常務理事・視覚障害リハビリテーションセンター所長・同副所長・ 情報文化センター館長・同副館長・法人本部長を法人の経営者と位置付けて運営 会議を月2回開催。 ・視覚障害リハビリテーションセンター部門会議(施設長・部長・主幹:月2回) ・情報部長主幹会議(情報部長・主幹:月1回) ・各部門役職者会議(部門別:随時) ・視覚障害リハビリテーションセンター職員全体会(リハセン部門全職員他:随時) ・情報各事業所会議(情報部門別全職員:随時) ・ケース会議(リハセン各部門:随時)等 必要な各種会議を開催し、法人運営の円滑化を図ることを目的に、情報伝達・周知 徹底および必要な検討を行った。 (2)新年互礼会および永年勤続表彰の実施 平成27年1月5日、職員新年互礼会を開催し、永年にわたり勤続した職員(勤続年 数35年1名、20年3名、10年4名)に対して表彰を実施した。 (3)職員の健康・衛生管理 X線撮影による結核予防検査を実施するとともに、35歳未満の該当者18名には法人 担当医師による健康診断を実施し、35歳以上の該当者117名に生活習慣病予防検査を 実施した。 6.広報・啓発に関する講師派遣 (1)視覚障害者移動介護従業者養成研修 従来どおり、視覚障害者各関係機関からの講師派遣要請に応じ、視覚障害者移動介 護従業者(ガイドヘルパー)養成研修課程等に対し、延べ10団体の講習会に延べ17名の 講師を派遣した。 (2)盲導犬啓発活動 引き続き、大阪市・大阪府の公立小学校を中心に、幼稚園から高等学校の要請に基 づき講師を派遣、盲導犬に関する啓発活動を行った。 また、企業や自治体・公的機関の社員や職員を対象に、盲導犬利用者への対応につ いて啓発活動を行ったほか、社会福祉協議会や流通業が主催する「盲導犬ふれあいイベ ント」の行事等にも講師を派遣し、盲導犬の広報・啓発に努めた。 B.募金事業 盲導犬の子犬型募金箱については、引き続いて設置協力者を募り、設置先の拡大を図 った。 恒例のチャリティコンサートは、第32回を数え、引き続きザ・シンフォニーホールに おいて開催した。曲目は、和波孝禧氏の独奏によるブルッフのヴァイオリン協奏曲第一 番、イギリスのソプラノ歌手シャーロット・ド・ロスチャイルド氏によるバッハの復活 - 5 - 祭オラトリオよりアリアと「赤とんぼ」ほか日本の歌曲4曲、澤和樹氏の指揮、千里フ ィルハーモニア・大阪の演奏によるドヴォルザークの交響曲第八番、エルガーの行進曲 「威風堂々」。 後援会「灯友会」の活動は、18年目を迎えた。平成26年度は、引き続き盲導犬訓練所の 見学会を実施したほか、関係団体のイベントへの協賛をはじめ、作品展示バザール、ク リスマスチャリティコンサートなどを開催した。コンサートでは、新たに盲導犬ユーザ となった濵田直哉氏(テノール・大阪教育大学大学院)を独唱者に招いた。また、京橋駅 前に加えて新たに京阪百貨店守口店の2箇所で街頭募金に取り組んだほか、新規会員の 獲得や募金箱設置の拡大に努めた。なお、昨年10月、副会長であった田中成人氏が逝去 され、新たに有山茂氏が副会長に就任された。 1.募金・寄附金 (1)援助会員・募金箱 ・募金箱は、累計10万円以上27件、累計100万円以上4件の設置先に対し、それぞ れ感謝状を贈呈した。 <援助会員> 援 助 会 費 1,364件 20,286,789円 (内訳) 個人 1,274件 16,523,039円 団体 90件 3,763,750円 (うち新規会員) 114件 < 募 金 箱 > 回 収 件 数 1,897件 19,118,583円 (うち新規設置) 64件 10万円以上 9件 (2)一般寄附金 ・日本ライトハウス阪神友の会 300,000円 ・『目の愛護デー』行事:大阪府眼科医会主催 「第41回 目のすべて展」 日時:平成26年10月12日~13日 会場:ブリーゼプラザ 寄附金: 80,000円 会場募金: 2,492円 ・一般寄附金・特定寄附金・事業寄附金 一 般 寄 附 金 66件 24,433,535円 (内訳) 個人 15件 11,628,774円 団体 51件 12,804,761円 (うち灯友会) 4,474,420円 (10万円以上) 31件 (うち100万円以上) 9件 (一般寄附金には、阪神友の会・目のすべて展を含む) 特 定 寄 附 金 349件 盲導犬訓練所(盲導犬育成) 95件 盲導犬訓練所(パピー育成基金) 175件 盲導犬訓練所(キャリアチェンジ犬) 57件 盲導犬訓練所(子犬スポンサー) 9件 盲導犬訓練所(車輛現物) 2件 リハセン(訓練機器整備) 1件 情報文化センター西事業所 9件 - 6 - 46,151,306円 33,565,906円 3,368,000円 4,700,000円 1,600,000円 564,000円 500,000円 293,400円 法人本部(車輛現物) 事 業 寄 附 金 1件 1,560,000円 5件 (内訳) オリコJCBロイヤリティ 書き損じハガキ・切手現物 51,627円 33,929円 17,698円 2.第32回チャリティコンサート 日 時:平成26年4月20日(日) 出 演:和波孝禧(ヴァイオリン)、シャーロット・ド・ロスチャイルド(ソプラノ)、 澤和樹(指揮)、千里フィルハーモニア・大阪(管弦楽) 入場者:1,067名 会 場:ザ・シンフォニーホール 収 入 5,606,522円 (内訳) チケット売上 1,128枚 3,947,000円 アミティチケット 399枚 399,000円 (うち城東ロータリークラブ チケット 1,000,000円) 広告収入 1,210,000円 (うち城東ロータリークラブ 広告収入 240,000円) 会場募金・寄附(盲導犬育成) 50,522円 支 出 4,605,297円 収 支 差 1,001,225円 - 7 - 視覚障害リハビリテーションセンター 平成26年度は、障害者支援施設日本ライトハウスきらきら(以下、きらきら)と障害福祉 サービス事業所日本ライトハウスわくわく(以下、わくわく)の激変緩和措置がなくなって 2年目であり、きらきらの赤字の改善が大きな課題であった。きらきら利用者を増やすた めに東西館3階で開始した生活介護事業も2年目を迎え、なんとか事業を軌道に乗せるこ とができた。 複数の日中活動サービスを展開しているきらきらであるが、自立訓練(機能訓練)は、定 員20名に対して75.1%の利用率を記録し、生活介護は年度末で利用者が11名となり、利 用率は94.9%であった(生活介護の定員は、利用者が入るたびに変更し、年度末には11名 とした)。一方、就労移行支援は、定員6名に対して利用率が26.8%であり、施設入所支 援は、定員30名に対して62.6%であった。生活介護事業の進展もあって、施設入所支援 の利用率は、昨年度より改善した。 きらきらの決算状況は、平成25年度に7,469万円の赤字を計上、26年度は、6,730万円 の赤字と、わずかながら赤字が減少した。当初、想定したほど赤字が減らなかったのは、 生活介護利用者の増加による収入増が、必要な職員を雇用したことにともなう人件費の増 加や光熱水費の増加など必要経費の増加で相殺されてしまった結果である。しかし、これ できらきらの体制は固まったので、平成27年度は、利用料の増加がそのまま収支改善につ ながることが期待される。建物の修繕費など不測の支出が発生する可能性もあるが、なん とか赤字額が5,000万円を切るまでに収支が改善してゆくよう努力したい。 わくわくでは、通所の生活介護サービスを提供しており、定員40名に対して利用率は、 103.3%であった。定員を上回る利用者数は確保しているものの、新規の利用者があまり 増えておらず、新規利用者を確保することが今後の課題である。また今年度は、生産活動 で使用する老朽化したフォークリフトを買い替えることができた。 職業訓練部では10月入校生が3名しか確保できず、1年を通じて定員を下回る状態が続 いた。修了者は16名で、そのうち9名が就職、就職者数が前年を上回った。 盲導犬訓練所では、22頭の盲導犬を作出した。5月に開催された世界盲導犬学校連盟 のセミナーやAGBN(Asia Guide Dog Breeding Network)の繁殖ワークショップなど に職員が研修として参加した。 盲人ホームでは利用者4名が施術にあたり、また、きらきらからも施術実習者を受け入 れた。 居宅支援センターてくてくは、居宅介護や同行援護などのサービスを行っており、ヘル パー確保などの課題が残るものの、地域生活を支える事業を遂行した。昨年11月には、相 談支援事業も立ち上げ、そこを基盤に大阪市より平成27年4月開始の鶴見区障がい者相談 支援センター業務を受託した。今後は、鶴見区の基幹相談支援事業所として、区内の相談 支援事業所との連絡調整や区自立支援協議会の事務局機能も担ってゆくこととなる。 養成部においては、厚生労働省委託・指導者養成課程1年基礎Ⅰは15名、1年基礎Ⅱは 4名と昨年を上回る受講者を確保、事業が順調に推移した。また、2年生も実習に 1 名、 応用に3名の受講生を確保した。引き続き、奈良県・和歌山県・宝塚市の訪問指導を遂行 した。 視覚障害リハビリテーションセンター全体では、公益信託東京日本橋ライオンズクラブ 立川福祉基金より居室・教室のカーテン整備に対する助成を受けたほか、ヴァイオリニス トの川畠成道氏からデスクトップパソコン3台とノートパソコン1台、大阪鶴見ライオン - 8 - ズクラブからデスクトップパソコン2台とノートパソコン2台、イオン・鶴見緑地店「幸 せの黄色いレシートキャンペーン」に協力、掃除機5台の寄贈を受けた。 3月には、鶴見区役所・鶴見区社会福祉協議会などと共同で福祉避難所開設訓練を行い、 避難所開設にともなう課題を共有した。 A.日本ライトハウスきらきら 1.事業の概要 平成26年度の日本ライトハウスきらきら(以下、きらきら)の平均利用者数は、生活介護8. 9名、機能訓練15.0名、就労移行支援1.6名、施設入所支援18.7名であった。 平成25年度に開始した施設入所をともなう生活介護は、4月に利用者数が8名となり、 年度末に11名まで増えた。支援にあたる職員の介助技術の向上を図りながら職員の増員を 図り、5月から夜間の勤務者を夜勤1名から、夜勤1名と宿直者1名の2名体制へ変えた。 生活介護では、日中活動や行事などを企画して、少しでも施設生活の満足度を上げるよう 努力した。ただ、利用者の66%は60歳以上であり、どのように利用者の健康を保ち、身体 機能を維持するかが介護面での課題となっている。 自立訓練(機能訓練)は、障害支援区分にかかわらず利用できることから、歩行やパソコ ンなどの訓練だけを希望する利用者から、居所がない方や家族状況が変化して一時的に施 設入所を希望する利用者まで、そのニーズは多岐にわたっている。限られた職員数ではあ るが、関係支援機関との調整や地域生活への移行支援にも積極的に関わり、居所がない4 名の施設入所利用者が地域生活へ移行した。これからも相談支援事業所等と連携して、地 域生活への移行を支援してゆきたい。 就労移行支援は、視覚障害のために働き続けるのが難しくなった方々が就労継続をめざ してパソコン訓練や歩行訓練などを受けるためや、理療業での就職を目指す方々が盲人ホ ームで技術的な訓練を受けながら就職活動の支援を受けるために利用されている。今年度 の修了者 4 名のうち原職復帰が3名、就職した方が1名であった。また、現在も継続して 利用されている利用者1名も、他の就労移行事業所と協力して実習や就職活動を支援して いる。今年度の就職者1名は、盲人ホームの実習から就職に結びついた方であった。 きらきら運営上の問題点は、自立訓練(機能訓練)や就労移行支援の担当職員が生活介護 の夜勤に入らなければならなくなったため、自立訓練(機能訓練)等の施設入所者(東西館2 階)に対する宿直や日直を担当する職員数が不足し、職業訓練部・養成部・総務係など、普 段、利用者と接することが少ない職員も宿直や日直に入らなければならなくなったことで ある。日頃、利用者と接することが少ない職員が宿直や日直に当たる場合に、在寮利用者 への対応で留意しなければならない点をどのようにすれば確実に伝えられるか、今後の検 討課題である。 自立訓練 就労移行 主な進路([ ]内は前年度) 生活介護 (機能訓練) 支援 就 職 0 [ 0] 0 [ 1] 1 [ 1] 原 職 復 帰 0 [ 0] 1 [ 1] 3 [ 3] [法人内 ]委託職業訓練・職業訓練部 0 [ 0] 2 [ 9] 0 [ 1] 支 援 学 校 ・ 理 療 施 設 等 進 学 0 [ 0] 3 [ 3] 0 [ 0] [法人内]福祉サービス事業所・わくわく 0 [ 0] 8 [ 9] 0 [ 0] 生活介護事業所(施設入所支援をともなう) 0 [ 0] 0 [ 1] 0 [ 0] - 9 - 他 家 そ 庭 事 復 帰 ( 業 域 地 所 行 ) 他 移 の 合 計 0 [ 0] 0 [ 0] 0 [ 0] 4 [ 3] 10 [ 4] 1 [ 2] 0 [ 0] 0 [ 0] 0 [ 0] 0 [ 0] 29 [33] 4 [ 5] 2.利用状況 (1) 年間利用状況 生活介護 1,987名 244日 実 利 用 者 数 開 所 日 数 定 員 機能訓練 就労移行支援 施設入所支援 3,664名 392名 6,850名 244日 244日 365日 8→11名 94.9% 利用率 20名 75.1% ]内は前年度) 自立訓練 生活介護 (機能訓練) 登録 1日 登録 1日 者数 平均 者数 平均 6名 26.8% 30名 62.6% (2) 月別の利用状況([ 月(営業日) 就労移行 支 援 登録 1日 者数 平均 施設入所 支 援 登録 1日 者数 平均 4月(21日) 8[ 0] 7.6 37[46] 17.2 5[ 7] 1.6 21[14] 18.6 5月(20日) 8[ 0] 7.9 34[48] 16.2 3[ 7] 0.9 21[14] 18.1 6月(21日) 9[ 0] 8.1 35[45] 15.5 2[ 7] 1.0 22[13] 18.3 7月(22日) 9[ 0] 8.8 34[45] 15.1 2[ 7] 0.7 22[13] 19.8 8月(21日) 9[ 2] 8.7 34[44] 14.0 2[ 7] 0.6 23[15] 18.5 9月(20日) 9[ 2] 9.0 33[46] 17.7 2[ 7] 1.0 23[15] 20.5 10月(22日) 9[ 4] 8.8 33[43] 16.0 3[ 7] 1.7 22[17] 18.8 11月(18日) 9[ 5] 9.0 31[45] 14.5 3[ 6] 2.1 21[18] 18.4 12月(19日) 9[ 5] 8.9 33[43] 14.0 4[ 8] 1.9 21[18] 17.5 1月(19日) 10[ 5] 9.6 30[41] 14.2 5[ 7] 2.0 22[18] 17.7 2月(19日) 11[ 6] 9.9 30[38] 12.7 5[ 7] 3.1 21[19] 19.3 3月(22日) 11[ 6] 10.5 31[40] ]]] 13.0 5[ 3] 2.9 21[19] 18.5 15.0 - 1.6 年間(244日) - 3.利用者の年齢分布 生活介護 26年度 男 性 女 性 合 8.9 総数 - ] - 18.7 ~19 歳 20~29 30~39 40~49 50~59 60 以上 7 2 0 0 1 0 4 4 0 0 1 1 1 1 計 11 2 0 1 2 1 5 比(%) 100 18.2 0.0 9.1 18.2 9.1 45.4 6 0 0 1 1 0 4 25年度 - 10 - 自立訓練(機能訓練) 26年度 男 性 女 性 合 総数 ~19 歳 20~29 30~39 40~49 50~59 60 以上 33 0 5 6 7 6 9 23 0 3 2 4 4 10 計 56 0 8 8 11 10 19 比(%) 100 0.0 14.3 14.3 19.6 17.9 33.9 25年度 63 0 10 10 14 11 18 就労移行支援 26年度 男 性 女 性 合 総数 ~19 歳 20~29 30~39 40~49 50~59 60 以上 5 0 3 1 1 0 0 2 0 1 0 1 0 0 計 7 0 4 1 2 0 0 比(%) 100 0.0 57.1 14.3 28.6 0.0 0.0 25年度 10 0 5 1 3 1 0 4.利用者の障害区分 (1) 視覚障害等級別区分 生活介護 26年度 男 性 女 性 総数 7 4 1級 7 4 2級 0 0 3級 0 0 4級 0 0 5級 0 0 6級 0 0 計 11 11 0 0 0 0 0 比(%) 100 100.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 25年度 6 6 0 0 0 0 0 自立訓練(機能訓練) 26年度 男 性 女 性 総数 33 23 1級 13 16 2級 13 4 3級 1 1 4級 1 1 5級 4 1 6級 1 0 計 56 29 17 2 2 5 1 比(%) 100 51.8 30.3 3.6 3.6 8.9 1.8 25年度 63 31 25 0 1 4 2 26年度 男 性 女 性 総数 5 2 1級 0 0 2級 3 1 3級 1 0 4級 1 1 5級 0 0 6級 0 0 計 7 0 4 1 2 0 0 比(%) 100 0.0 57.1 14.3 28.6 0.0 0.0 25年度 10 2 5 2 0 1 0 施設入所支援<生活介護・自立訓練(機能訓練)・就労移行支援> 26年度 総数 1級 2級 3級 4級 男 性 13 7 4 1 1 5級 0 6級 0 合 合 就労移行支援 合 - 11 - 女 性 7 5 0 1 1 0 0 合 計 20 12 4 2 2 0 0 比(%) 100 60.0 20.0 10.0 10.0 0.0 0.0 25年度 25 20 3 1 0 1 0 (2) 療育手帳・精神保健福祉手帳所持者(生活介護) 療育手帳 26年度 総数 A B1 B2 未所持 男 性 7 4 1 1 0 女 性 4 3 0 1 0 合 精神保健 福祉手帳 1 0 計 11 7 1 2 0 1 比(%) 100 63.6 9.1 18.2 0.0 9.1 6 3 0 2 0 1 総数 7 4 区分6 3 2 区分5 2 1 区分4 2 1 区分3 0 0 計 11 5 3 3 0 比(%) 100 45.4 27.3 27.3 0.0 6 2 1 3 0 25年度 (3) 障害支援認定別区分 生活介護 26年度 男 性 女 性 合 25年度 自立訓練(機能訓練)、就労移行支援(施設入所支援のみ) 男 女 性 性 13 7 0 0 0 0 5 1 1 1 区分1 非該当 4 3 4 1 合 計 20 0 0 6 2 8 4 比(%) 100 0.0 0.0 30.0 10.0 40.0 20.0 25年度 19 0 0 4 2 5 8 26年度 総数 区分6 区分5 区分4 区分3 区分2 5.出身地域別区分([ ]内は前年度) ※ 施設入所支援は、再掲の数値。 26年度 合計 大阪市 大阪府 近畿 その他 生 活 介 護 11 [ 6] 4 [ 1] 4 [ 3] 2 [ 1] 1 [ 1] 自立訓練(機能訓練) 56 [63] 18 [19] 14 [18] 18 [18] 6 [ 8] 就 労 移 行 支 援 7 [10] 1 [ 1] 2 [ 2] 4 [ 7] 0 [ 0] 施 設 入 所 支 援 31 [25] 6 [ 3] 8 [ 7] 10 [ 7] 7 [ 8] 近畿:大阪府・市を除く近畿各県(兵庫、奈良、和歌山) その他の内訳:東京、静岡、三重、広島、香川、徳島、鹿児島 6.職員の研修 鶴見区社会福祉施設連絡会、大阪市障害児・者施設連絡協議会学習会、民間社会福祉 施設協議会主催各種研修(感染症予防研修会、食中毒予防、人権講座)、鶴見区内各種研 - 12 - 修(虐待防止、認知症理解、防災等)、救命・防災研修、全国盲重複研究協議会、その他 法人内の医療学習、人権研修、職員全体研修。 また、全国盲重複障害者福祉施設研究協議会の全国大会で、生活介護の職員が「個別 支援の現状と課題」について発表を行った。 B.日本ライトハウスわくわく 新体系に移行して6年を経過した日本ライトハウスわくわく(以下、わくわく)は、日 中活動のみの生活介護事業を提供する事業所である。利用者数の推移は、年度当初106 名で、年度末は103名であった。前年度同様、登録者数は、常に100名を超えていた。 平成26年度にきらきらから移行された方は6名、直接わくわくに入られた方が2名、利 用を再開した方が1名であった。終了された方は12名で、内訳は、家庭復帰が9名、特 別支援学校進学が1名、就労継続A型事業所利用が1名、高齢者向け住宅(介護付き)利 用が1名であった。 利用者の利用曜日には偏りがあり、最も多いのが火曜日で、次が木曜日であった。こ の傾向は、提供するプログラムの内容が異なっていた昨年も同様であり、プログラム内 容で利用する曜日を選ぶというよりは、それぞれの生活スタイルに合わせて利用する曜 日を決めている利用者が多いと推測される。 利用者の年齢層は、20代から70代までと幅が広く、多様なニーズが寄せられている。 ニーズは多様であるが、限られた職員数で提供できるプログラムは限られており、ケー スワーク、グループワーク、生産活動を中心にプログラムを提供してきた。 1.生産活動([ ]内は前年度) 生産活動に係わった利用者は延べ39名[39名]で、平均工賃は6,013円[5,211円]、時 給単価は154円[140円]であった。生産活動では平成4年より使用している設備器具、 平成11年に整備した車輛などが老朽化しており、更新する必要性が高まっている。平成 26年度は、前年度の修繕積立金を取り崩して充当し、老朽化したフォークリフトの代替 機を購入し、作業の効率化を図った。 2.送迎サービス 今年度も営業日にJR放出駅から事業所まで、朝夕の送迎を行い、延べ4,036名[3, 811名]が利用した。月別利用者数には大きな変化がなく、毎月300名以上が送迎を利用 した。今年度は天候の異常やイベントなどで、通常とは異なる時間にも送迎サービスを 実施したが、とくに大きな問題もなく対応できた。 3.月別の利用状況([ ]内は前年度) 営業日は昨年と比較して1日少なかった。10月には台風の影響でプログラムが中止に なり、平均利用者数が40名を下回った。8月、1~2月は、季節的な影響により利用者 数が40名を下回ったと考えられる。 延べ 平均 月(営業日数) 登録数 稼働率(%) 利用者数 利用者数 4月(21日) 106 [105] 866 [ 900] 41.2 [42.9] 103.0 [107.3] 5月(20日) 104 [105] 831 [ 886] 41.6 [42.5] 104.0 [106.3] 6月(21日) 103 [106] 889 [ 853] 42.3 [42.7] 105.8 [106.8] - 13 - 7月(22日) 106 [105] 904 [ 937] 41.1 [42.6] 102.8 [106.5] 8月(21日) 104 [104] 748 [ 767] 35.6 [34.9] 89.0 [ 87.3] 9月(20日) 105 [104] 817 [ 754] 40.9 [39.7] 102.3 [ 99.3] 10月(22日) 106 [104] 870 [ 877] 39.5 [39.9] 98.8 [ 99.8] 11月(18日) 104 [101] 739 [ 855] 41.1 [42.8] 102.8 [107.0] 12月(19日) 105 [101] 762 [ 776] 40.1 [40.8] 100.3 [102.0] 1月(19日) 105 [107] 777 [ 816] 40.9 [43.0] 102.3 [107.5] 2月(19日) 105 [106] 739 [ 768] 38.9 [40.4] 97.3 [101.0] 3月(22日) 103 [107] 853 [ 818] 38.8 [43.1] 97.0 [107.5] 9,795[10,007] 40.1 [41.3] 103.3 [103.3] 年間(244日) 104.7[104.6] 4.利用者の年齢分布 性別・年齢別区分 26年度 総数 20~29 30~39 40~49 50~59 60~69 70以上 平均 男 性 63 1 11 11 11 19 10 55.6 女 性 50 4 4 5 6 21 10 58.1 合 計 113 5 15 16 17 40 20 56.8 比(%) 100 4.4 13.3 14.2 15.0 35.4 17.7 - 25年度 114 7 14 17 18 39 19 55.7 5.利用者の障害支援区分と身体障害者手帳等級 (1) 障害支援区分 26年度 (2) 総数 区分6 区分5 区分4 区分3 区分2 区分1 平均 男 性 63 1 6 6 39 11 0 3.16 女 性 50 1 1 8 25 15 0 2.96 合 計 113 2 7 14 64 26 0 3.07 比(%) 100 1.8 6.2 12.4 56.6 23.0 0.0 - 25年度 114 2 6 16 60 30 0 3.04 身体障害者手帳等級 26年度 総数 1級 2級 3級 4級 5級 6級 男 性 63 32 26 0 2 3 0 女 性 50 28 19 1 1 0 1 合 計 113 60 45 1 3 3 1 比(%) 100 53.1 39.9 0.9 2.6 2.6 0.9 25年度 114 60 46 2 3 2 1 - 14 - 利用者の平均年齢は56.8歳。昨年度と比較してちょうど1歳上昇した。わくわくの利 用者は、多少の入れ替わりがあったものの、ほとんどが継続利用であることの表れであ る。障害支援区分3の利用者数は、昨年度と比較して4名増加した。逆に支援区分2の 利用者数は4名減となった。これは、障害支援区分が変わり、判定に視覚障害の特性が 反映されやすくなった結果だと推測されるが、支援区分4以上では大きな数字の変化は ない。 6.視覚障害の原因と他の障害との合併状態 視覚障害原因別区分([ 眼 角 葡 網 視 そ ]内は前年度) 眼 疾 緑 内 障 小 眼 球 視 神 経 欠 損 球 全 体 屈 折 異 常 そ の 他 眼 球 全 体 眼 球 ろ う 角 膜 白 斑 膜 疾 患 その他の角膜疾患 萄 膜 疾 患 葡 萄 膜 炎 網 膜 色 素 変 性 症 網 脈 絡 膜 萎 縮 症 黄 斑 変 性 未 熟 児 網 膜 症 脈 絡 膜 疾 患 網 膜 芽 細 胞 腫 網 膜 剥 離 糖 尿 病 性 網 膜 症 その他の網脈絡膜疾患 視 神 経 萎 縮 束 視 路 疾 患 その他の視束経路疾患 視 中 枢 障 害 弱 視 の 他 他 合 計 人数 22 [ 21] 1 [ 1] 1 [ 1] 1 [ 2] 1 [ 0] 0 [ 1] 2 [ 2] 2 [ 1] 6 [ 7] 33 [ 37] 8 [ 6] 3 [ 2] 4 [ 4] 1 [ 1] 3 [ 3] 9 [ 9] 3 [ 3] 10 [ 11] 1 [ 0] 1 [ 1] 0 [ 0] 1 [ 1] 113 [114] 比(%) 19.4 [18.4] 0.9 [ 0.9] 0.9 [ 0.9] 0.9 [ 1.8] 0.9 [ 0.0] 0.0 [ 0.9] 1.8 [ 1.8] 1.8 [ 0.9] 5.3 [ 6.1] 29.2 [32.5] 7.1 [ 5.3] 2.7 [ 1.8] 3.5 [ 3.5] 0.9 [ 0.9] 2.6 [ 2.6] 8.0 [ 7.9] 2.6 [ 2.6] 8.8 [ 9.6] 0.9 [ 0.0] 0.9 [ 0.9] 0.0 [ 0.0] 0.9 [ 0.9] 100.0 視覚障害の原因も昨年と同じで、網膜色素変性症、緑内障、視神経萎縮の順に多かっ た。視覚以外では高次脳機能障害、精神障害などをもった利用者もいるが、障害よりも 利用者全体の平均年齢が高くなり、体力的な衰えによりプログラムの内容や行事などを 変えていかなければならない場合も生じた。 7.出身地域別区分([ ]内は前年度) 大阪府 県名 大阪市 - 15 - 人数 56 [ 56] 地域集計 56 [ 56] 大阪府 三重県 近畿 44 [ 47] 0 [ 0] 滋賀県 0 [ 0] 京都府 1 [ 1] 兵庫県 10 [ 8] 奈良県 2 [ 2] 和歌山県 0 [ 0] 合 計 113 [114] 44 [ 47] 13 [ 11] 113 [114] 通所利用であるわくわくでは、圧倒的に大阪市、大阪府から通われる利用者が多い。 次いで兵庫県、奈良県、京都府の順となった。 8.職員の研修 大阪市障害児・者施設連絡協議会学習会、民間社会福祉施設協議会主催各種研修(感染 症予防研修会、食中毒予防、社会福祉基礎講座)、法務省関係研修会、養成講座、相談支 援事業者現任研修、広報誌研修会、消防訓練及び普通救命講習、その他法人内の医療学 習、視覚障害基礎講習、人権研修、職員全体研修、役職研修など。 C.職業訓練部 1.事業の概要 (1) 定員の充足状況 平成26年度は、4月入校生7名、10月入校生3名と定員を充足することができなか った。前年度からの継続生は、就職による中途退校が1名出たため、9月修了時点で は、6名が修了となった。また年度後半には、就職等による中途退校者3名が出たた め、月平均在籍者数は11.8名となった。 (2) 就職者の状況 職業訓練に在籍した者は、17名であったが、就職や進路変更による中途退校も含め、 16名が修了した。修了者16名のうち、就職した方は9名で、求職中の方が7名である。 就職活動に熱心に取り組んだ訓練生が多かったため、就職者の割合が高くなった。ま た、訓練生の資格の取得状況では、日商PC検定3級、日商簿記3級・2級、それに 大商ビジネス会計検定3級・2級、フィナンシャルプランナー3級・2級、秘書検定 3級・2級などにそれぞれ複数の訓練生が合格し、資格取得対策訓練は、効果を上げ たといえる。 ビジネス科電話交換コースでは5名が修了し、うち3名は民間企業、1名は治療院 マッサージ師として就職した。 ビジネス科会計・経営コースでは4名が修了し、うち2名は地方公務員、1名は民 間企業に就職した。 情報処理科パソコン活用コースでは7名が修了し、うち2名が民間企業に就職した。 (3) 就労支援への取組みの強化 就労支援員を配置しなかったため、利用者の求人活動の支援や情報収集、職業安定 所など関係機関との調整・連絡などに多少の支障が出たが、職員ができる限り職安と 連絡を取り、就職活動を支援した。 - 16 - 職場実習としては、以前より実習でお世話になっている特例子会社で事務職の実習 を行った。さらに、新たに別の特例子会社1社で事務職の実習を受け入れていただき、 結果として訓練生2名がその会社へ就職することができた。 また、昨年と同じく、修了生の勤務先でその仕事ぶりを見学する機会を得て、訓練 生2名が参加した。この見学では、パソコンの音声を聞きながら仕事内容について説 明を受け、参加した訓練生には貴重な体験となった。 (4) 短期委託訓練 10月開始の短期委託訓練に1名が受講した。2か月間という短期のパソコン訓練で は、一般に就職に必要とされる技術力を身につけるのが難しいが、今年度の受講生は 短期間でも高いパソコン技術を身に付けられ、就職につながった。 (5) 就労移行支援事業との協力 復職をめざしたり、働き続けたりするために就労移行支援事業を利用された方5名 に対するパソコン訓練や復職先への働きかけなどの面で職業訓練部が協力した。うち 1名が復職され、1名も新年度早々に復職予定である。 (6) 就職した修了者の体験を聞く会の実施 今年度も土曜日訓練を2回実施し、働いている視覚障害者の体験を聞く会を開催し た。併せて5名の働いている修了生が来所してくださり、求職活動や職場での体験に ついてお話を聞くことができた。 2.利用者数([ ]内は前年度) 4月 4 [3.3] 2 2 4 4 2 2 4 [4.0] 2 2 4 4 2 2 8 [8.0] 3 3 6 5 2 3 16 [15.3] 7 7 14 1 13 6 7 定 員 数 科・コース ビ ジ 電話交換コース ネ ス 科 会計・経営コース 情報処理科 パソコン活用コース 計 3.就職の状況([ 4 6 7 ~ 月 ~ 9月 9 6 月 修 月 平 前 継 入 中 継 均 年 校 了 退 数 度 続 者 者 続 月 1 3 1 2 1 1 2 2 2 5 5 1 3 1 3 10 9 2 6 1 1 2 ]内は前年度) 科 ビ ジ ネ ス 科 1 10 10 1 2 3月 月 ~ 月 ~ 入 1 中 3 月 中 修 継 校 月 了 退 退 者 続 者 電 話 交 換 コ ー ス 会計・経営コース 情報処理科 修了・退校者 就職者 求職中 進路変更 修 了 者 3 [ 2] 3 [ 0] 0 [ 1] 0 [ 1] 中途退校 2 [ 2] 1 [ 2] 1 [ 0] 0 [ 0] 修 了 者 4 [ 4] 3 [ 0] 1 [ 4] 0 [ 0] 5 [ 7] 0 [ 1] 5 [ 5] 0 [ 1] 中途退校 修 了 者 - 17 - パソコン活 用 コース 合 中途退校 計 4.利用者の状況 (1) 性別・年齢別区分 26年度 総数 10代 男 性 13名 0 女 性 4名 0 2 [ 2] 2 [ 1] 16 [17] 9 [ 4] 0 [ 1] 7 [10] 0 [ 3] 20代 4 3 30代 2 0 40代 2 0 50代 4 1 60代 1 0 平均 42.2 32.5 合計 17名 0 7 2 2 5 1 39.9 比(%) 100.0 0.0 41.1 11.8 11.8 29.4 5.9 - 25年度 24名 0 5 7 7 4 1 40.5 (2) 視覚障害等級別区分 26年度 ビジネス科 情報処理科 総数 9名 8名 1級 4 3 2級 1 1 3級 0 2 4級 0 0 5級 4 2 6級 0 0 17名 7 2 2 0 6 0 41.2 11.8 11.8 0.0 35.3 0.0 6 6 4 0 7 1 合 計 比(%) 100.0 25年度 24名 (3) 受講指示職安の地域 26年度 ビジネス科 情報処理科 総数 9名 8名 市 1 4 府 7 2 近畿 1 2 合計 17名 5 9 3 比(%) 100 29.4 52.9 17.7 25年度 24名 11 9 4 市:大阪市、府:大阪府、近畿:大阪府・市を除く近畿各府県 D.盲導犬訓練部 1.事業の概要 育成計画に沿って平成26年度は、22頭の盲導犬を作出した(内、タンデム2頭)。 (1) 繁殖計画とパピーウォーキング 種雄12頭、種雌27頭の計39頭の繁殖犬を確保し、世代交代を進めながら繁殖計画 を推進している。前年同様繁殖計画にもとづき他訓練所との協力2回を含め、13回の 交配を実施した。その結果11回出産し、66頭の子犬を得て、子犬育成奉仕者(パピー ウォーカー)へ委託した。今年度も他訓練所と協力を行って繁殖の維持に努めた。 また、5月に開催された世界盲導犬学校連盟のセミナーに引き続き、AGBN(Asia Guide Dog Breeding Network)を通じて繁殖ワークショップにも繁殖担当職員等 4名を派遣し、繁殖の情報交換を行った。これまで繁殖協力を行ってきた北海道盲導 犬協会にも繁殖担当職員を派遣して、犬の評価や今後の協力体制などについて話し合 った。 - 18 - パピーウォーカー担当も昨年に引き続き職員を2名配置し、業務を安定して遂行で きるようになってきた。 (2) 候補犬の評価と訓練 これまでと同様、パピーウォーキング終了時に 1 週間ほどかけて評価を行い、訓練 を進めている。 若手の訓練士・指導員の教育を進めてはいるが、訓練士・指導員不足は慢性的に続 いており、依然として中堅訓練士・指導員に負担がかかる状態が続いている。そんな 状況下でも、技術と質の向上をはかっていかなければならない。5月の世界盲導犬学 校連盟の国際セミナーが東京で開催されたため、委託獣医も含めて11名の職員を派遣 してセミナーに参加した。 また、今年度もオーストラリア(Guide Dogs Victoria)から訓練済み犬3頭を輸入 し、貸与事業を滞りなく進めることができた。 (3) 共同訓練の形態と利用者のフォロー 共同訓練は、代替利用者17名(3週間または2週間)と新規利用者7名に対して、入 所による訓練を実施した(頭数は22頭であるが、2組のタンデム利用を含むため)。な お、2月に死亡した盲導犬の代替訓練を急遽3月に1件行ったが、これは平成27年 度のカウントとなるため、計上していない。 共同訓練を受けられた利用者は、昨年同様に高齢の方が多かった。共同訓練を受け られた利用者24名の内、60歳以上が18名(内、5名は70歳代)であった。年齢が高く なると利用者の順応性は落ちるが、一方で共同訓練入所期間の短期化を求める声も非 常に強く、限られた職員数で短期間でも十分な訓練を実施できないことが当訓練所の 抱える問題点である。若い利用者の発掘もまた課題であるが、指導員数の不足により そこまで手が回らない事態が続いている。 フォローアップについては今年度も昨年度と同様130回実施した。しかし、これで もまだ充実したフォローアップ体制とは言えず、こちらも今後の課題である。 2.盲導犬貸与状況([ ]内は前年度) 合計:ユーザ数 24名 22頭 [22名 20頭] 番号 委 託 先 頭数 1 広島県(広島ハーネスの会) 1 2 鹿児島県 1 3 長野県(上田点字図書館) 1 4 東京都(全国盲導犬施設連合会) 1 5 広島県(広島ハーネスの会) 1 6 大阪府(グリーンフロント堺) 1 7 山口県 1 8 奈良県 1 9 長野県 1 10 福井県(全国盲導犬施設連合会) 1 11 三重県 1 12 広島県 1 13 大阪府 1 14 大阪府 1 - 19 - 犬 名 トリトン イゼル ユリス バレット エミール ソニック ゾロ エール ワイラー クランシー ウラノス ビーム ゼン ゼスト 使用者 女 男女 男 男 男女 男 男 女 男 女 男 女 男 男 時 期 4月 5月 7月 7月 9月 9月 10月 10月 10月 10月 10月 12月 12月 12月 15 大阪府 16 奈良県 17 奈良県(参天製薬) 18 兵庫県(中山視覚障害者福祉財団) 19 大阪府(西日本高速道路) 20 広島県(自動車販売連合会) 21 沖縄県(視覚障害者福祉協会) 22 兵庫県(盲導犬を育てる会) 1 1 1 1 1 1 1 1 チロル マーカス ジェジェ ブリング コンジュ エバー ルカ ゼノン 男 男 女 女 女 女 女 男 12月 12月 12月 3月 3月 3月 3月 3月 <自治体委託 11頭> 大阪府2、奈良県2、広島県1、山口県1、香川県1、鹿児島県1、沖縄県1、 長野県1、上田点字図書館1 <その他 11頭> 広島ハーネスの会2、全国盲導犬施設連合会2、グリーンフロント堺、 参天製薬株式会社、中山視覚障害者福祉財団、 西日本高速道路エリアパートナーズ倶楽部、日本自動車販売協会連合会、 沖縄県視覚障害者福祉協会、盲導犬を育てる会 3.繁殖・育成の状況([ ]内は前年度) 交配13回、うち出産11回、68頭の子犬を得た。 父親 母親 出産頭数 イヴ ユーミン 4頭 フック ウィンディー 3頭 フック オプティー 8頭 マール ベガ 9頭 アミ(北海道) ミルキー 6頭 シャームス ヴィーア 5頭 フック ジャスミン 8頭 ネット オークル 10頭 イヴ オキシー 5頭 イヴ モア 5頭 アミ(北海道) アリア 3頭 11回[10回] 68頭[65頭] 4.ボランティアの活動状況([ パピーウォーカー登録数 繁殖犬ボランティア 犬舎ボランティア 縫製ボランティア 出産日 26年 4月 7日 26年 4月19日 26年 5月30日 26年 6月20日 26年 8月15日 26年 8月29日 26年11月22日 26年11月28日 26年11月28日 26年12月10日 26年12月18日 ]内は前年度) 100名[106名](内、現在実働数 39名[ 40名] 4名[ 6名] 12名[ 12名] 胎名 S胎 T胎 U胎 V胎 W胎 Y胎 A胎 B胎 C胎 D胎 E胎 64名[64名]) 5.イベント・啓発事業など 例年同様、講演依頼などが多く、指導員や訓練士などが分担して行っているが、それ でもまた多くの依頼をお断りせざるを得ない状態である。犬を動かす必要があるので、 指導員や訓練士以外の対応は難しく、指導員や訓練士の業務や休日の確保にしわ寄せが きている。専任職員を置くこともままならず、かと言って啓発事業の必要も高く苦慮し - 20 - ている。 26年度イベント対応回数 来 所 見 学: 23件(訓練所見学会オープンデー6回を含む) 講 師 派 遣:136件 募金活動ほか: 21件 E.盲人ホーム部 大阪盲人ホーム 1.事業の概要 盲人ホームは、あんま・はり・マッサージ・指圧の免許所持者が、指導員の下で実際の施 術を行うことによって経済自立に結びつくよう設置されている。地域住民には「はなてん 治療院」という名前で親しんでいただき、利用者はあんま・はり免許を持った専門家とし て、地域福祉や健康維持の自ら担い手となれるよう、自信と喜びをもって働くことがで きるよう取り組んでいる。 平成26年度は、前年同様4名の登録であった。なお、ほとんど来所されない方が1名 (理由は、70歳を超え大阪府南部からの通勤負担があることで、居住地の介護保険サー ビスを利用開始されているから)で、実質3名で施術を担当している。 盲人ホームは実習指導の場としての役割を持っており、「日本ライトハウスきらきら」 の就労移行支援サービスの実習場所として盲人ホームを位置づけている。平成26年度に ついては、男性2名の実習生を受け入れた。 2.利用者数([ 25年度 26年度 27年度 ]内は前年度) 継 続 者 数 新規利用者数 修 了 者 数 継 続 者 数 4名 0名 0名 4名 3.利用者の状況 性別・年齢・等級・居住地区分 26年度 総数 40代 50代 男 性 4名 0 2 女 性 0名 0 0 合計 4.月別施術状況 4名 0 年月 26年4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 60代 2 0 2 2 [4名] [1名] [1名] [4名] 1級 3 0 2級 1 0 3 1 施術数 26年度 120 137 112 106 103 121 118 107 25年度 141 122 131 138 121 119 131 125 - 21 - 大阪市 兵庫県 1 0 1 0 2 0 1 1 2 利用者数 26年 4 4 4 4 4 4 4 4 大阪府 25年 4 4 4 4 4 4 4 4 12月 27年1月 2月 3月 合 計 月平均 105 94 83 92 103 102 113 110 4 4 4 4 4 4 4 4 1,298 108 1,456 121 48 4.00 48 4.00 5.利用者支給額 月 最 最 別 平 高 低 F.居宅支援センター 均 額 額 187,200円 309,600円 0円 てくてく 1.事業の概要 (1) 障害者総合支援法関連事業 居宅介護・重度訪問介護・同行援護・移動支援・一般相談支援・特定相談支援を実施。 居宅介護は、利用者数はほぼ変動がなかったものの、提供時間数が年度当初と比べて 16%減少した。きらきら・わくわくと併用されている利用者の比率が低下し、施設利用 終了後にてくてくを継続利用される利用者の比率が増加した。利用内容は家事援助と通 院等介助が大半を占め、身体介護は 1 名の利用にとどまった。 重度訪問介護は、利用者1名。利用時間数は他事業所との併用などにより減少した。 同行援護は、年度当初に比べて、利用者数は6.5%減で、提供時間数も7.4%減った。 きらきら・わくわくとの併用利用者が半数を超えており、利用内容は、定期的な外出(散 歩や買物など)と不定期の外出(行楽やイベント参加など)であった。「身体介護をともな う」重度の支給決定を受けた利用者の比率が増加している。 移動支援は、利用者数・提供時間数ともほぼ変動がなかった。全身性障害者の利用は なかった。 11月より新たに開始した一般相談支援(地域移行支援・地域定着支援)は、利用契約は なかったが、地域移行予定者への支援に関与し、病院等との連携をとり始めている。 同じく11月開始の特定相談支援(計画相談支援)は、利用契約は1名であったが、新規 利用予定者が4名程度で、サービス対象者の広がりとも相まって、今後の増加が見込ま れる。 (2) 介護保険法関連事業 訪問介護・介護予防訪問介護・居宅介護支援・介護予防支援を実施。 訪問介護は、利用者数はほぼ変動がなかったものの、提供時間数が年度当初に比べて 34%減少した。重度利用者の居宅以外での生活への移行や、軽度利用者の比率の増加な どにより、サービス提供量は減少した。 介護予防訪問介護の利用者数は、年度当初に比べて33%の減少となった。提供時間数 は年度中盤に増加したものの、終盤は減少した。 居宅介護支援並びに介護予防支援の利用者数は、年度当初からほぼ変動なし。利用者 の居宅以外での生活への移行に伴う減少もあったが、新規利用者も同数程度あり、利用 者数に大きな変動がなかった。 - 22 - 2.利用の概況([ ]内は前年度) (1) 実利用者数 (2) 登録ヘルパー数 利用者実人数 登録ヘルパー 平成26年 4月 57 [51] 平成26年 4月 57 [58] 5月 58 [52] 5月 57 [58] 6月 58 [53] 6月 57 [58] 7月 57 [53] 7月 57 [53] 8月 56 [53] 8月 57 [52] 9月 55 [53] 9月 46 [55] 10月 56 [53] 10月 46 [56] 11月 54 [53] 11月 47 [57] 12月 54 [55] 12月 47 [57] 平成27年 1月 55 [55] 平成27年 1月 49 [56] 2月 54 [55] 2月 49 [56] 3月 57 [55] 3月 51 [57] (3) 障害者総合支援法 利用者数 居宅介護 平成26年 4月 22 [ 16] 5月 重 度 同行援護 移動支援 1 [ 1] 46 [ 37] 22 [ 17] 1 [ 1] 6月 22 [ 17] 7月 般 特 定 相談支援 相談支援 1 [ 2] - - 47 [ 38] 1 [ 2] - - 1 [ 1] 47 [ 40] 1 [ 2] - - 22 [ 17] 1 [ 1] 47 [ 40] 1 [ 2] - - 8月 22 [ 18] 1 [ 1] 46 [ 40] 1 [ 2] - - 9月 22 [ 18] 1 [ 1] 43 [ 40] 1 [ 2] - - 10月 22 [ 20] 1 [ 1] 43 [ 42] 2 [ 2] - - 11月 20 [ 20] 1 [ 1] 41 [ 42] 2 [ 2] 0 [ 0] 0 [ 0] 12月 21 [ 20] 1 [ 1] 41 [ 43] 2 [ 2] 0 [ 0] 1 [ 0] 平成27年 1月 21 [ 21] 1 [ 1] 41 [ 44] 2 [ 2] 0 [ 0] 1 [ 0] 2月 22 [ 21] 1 [ 1] 42 [ 44] 2 [ 2] 0 [ 0] 1 [ 0] 3月 23 [ 22] 1 [ 1] 43 [ 45] 1 [ 1] 0 [ 0] 1 [ 0] 261 [227] 12 [12] 527 [495] 17 [23] 0 [-] 4 [-] 合 計 訪問介護 一 提供時間数 居宅介護 平成26年 4月 241 [ 158] 35 [ 23] 674 [ 569] 15 [ 27] 5月 215 [ 175] 42 [ 21] 704 [ 572] 15 [ 24] 6月 169 [ 181] 14 [ 29] 664 [ 575] 15 [ 24] 重度訪問介護 - 23 - 同行援護 移動支援 7月 170 [ 195] 21 [ 29] 741 [ 528] 19 [ 26] 8月 160 [ 189] 19 [ 20] 631 [ 497] 11 [ 21] 9月 158 [ 160] 22 [ 26] 717 [ 581] 33 [ 22] 10月 183 [ 185] 26 [ 35] 664 [ 596] 25 [ 31] 11月 143 [ 184] 19 [ 41] 623 [ 610] 16 [ 27] 12月 185 [ 212] 18 [ 24] 608 [ 616] 12 [ 18] 平成27年 1月 179 [ 209] 9 [ 31] 564 [ 469] 16 [ 23] 2月 191 [ 217] 19 [ 35] 558 [ 556] 16 [ 14] 3月 202 [ 220] 17 [ 38] 624 [ 699] 14 [ 15] 2,196 [ 2,285] 261 [352] 7,772 [ 6,868] 207 [272] 合 計 (4) 介護保険法 利用者数 訪問介護 介護予防訪問介護 居宅介護支援 介護予防支援 平成26年 4月 4 [ 6] 6 [ 7] 6 [ 8] 5 [ 4] 5月 4 [ 6] 6 [ 7] 6 [ 8] 5 [ 4] 6月 4 [ 6] 6 [ 6] 6 [ 8] 5 [ 4] 7月 5 [ 6] 5 [ 6] 6 [ 8] 4 [ 5] 8月 5 [ 6] 5 [ 6] 6 [ 8] 4 [ 5] 9月 4 [ 5] 5 [ 6] 7 [ 8] 4 [ 5] 10月 4 [ 5] 5 [ 5] 7 [ 7] 4 [ 4] 11月 5 [ 5] 5 [ 5] 7 [ 7] 4 [ 4] 12月 5 [ 6] 5 [ 5] 7 [ 7] 4 [ 4] 平成27年 1月 5 [ 5] 5 [ 6] 7 [ 5] 4 [ 5] 2月 4 [ 5] 4 [ 6] 5 [ 5] 4 [ 5] 3月 4 [ 5] 4 [ 6] 6 [ 5] 5 [ 5] 53 [66] 61 [71] 76 [84] 52 [54] 合 計 提供時間数 訪問介護 介護予防訪問介護 平成26年 4月 86 [ 161] 47 [ 58] 5月 83 [ 164] 45 [ 56] 6月 81 [ 169] 58 [ 52] 7月 86 [ 165] 60 [ 66] 8月 75 [ 171] 53 [ 56] 9月 80 [ 105] 55 [ 49] 10月 79 [ 97] 59 [ 59] 11月 75 [ 95] 48 [ 50] - 24 - 12月 86 [ 101] 56 [ 47] 平成27年 1月 53 [ 85] 49 [ 60] 2月 60 [ 77] 43 [ 59] 3月 57 [ 78] 49 [ 54] 901 [1,468] 622 [666] 合 計 3.職員の研修 (1) 内部研修 登録ヘルパーを対象に内部研修を2回実施した。 ・26年6月 「制度について勉強しよう」・「食中毒予防」 9名参加 ・27年1月 「できていますか 同行援護の安全確保」「身を守ろう!ノロウイルス」 14名参加 (2) 外部研修 ・鶴見区介護保険事業者連絡会・訪問介護事業所連絡会・介護支援専門員連絡会が 主催する研修に参加した。 5月 「予防救急のススメ・高齢者に多い結核」 6月 「地域包括ケアシステムについて」・「笑いヨガ」 8月 防災研修「地震発生 そのときあなたは!」 9月 「福祉用具を活用した楽な介護」 10月 「徘徊のある認知症高齢者が閉じこもることなく 地域で暮らし続ける為に」 11月 「区民で支えよう認知症」講演会・事例討論会 12月 「高齢者虐待への対応」 1月 「事例検討の進め方」 2月 認知症講演会「大家族・支え愛・見守り愛・励まし愛」 「障がい者制度について」 ・行政機関や各種外部団体主催研修を受講した。内容:苦情対応セミナー・高齢者 虐待・ひきこもり講座・精神保健福祉講座・就業生活支援講座など。 (3) 資格取得 ・相談支援事業開始のため、1名が相談支援専門員資格を取得した。 4.運営上の課題 (1) 相談支援事業の充実 サービス対象者の拡大により利用の増加が見込まれるが、相談支援専門員1名の配 置で十分とは言えない。また、平成27年4月より「鶴見区障がい者相談支援センター」 業務を大阪市から受託し運営するが、相談支援事業と兼務での運営である。本体事業 と受託事業の充実を図るため、体制整備が必要である。 (2) 介護保険法関連事業の拡充 「2025年問題」とも言われる超高齢社会の到来に向けて、サービス対象者の増加は確 実である。しかし、認知症や医療的ケアに対応できる人材が不足している。従業者の 研修機会確保や、資格取得の支援が必要である。 - 25 - G.養成部 視覚障害生活訓練等指導者養成課程、在宅訓練、図書の刊行等を行った。 1.視覚障害生活訓練等指導者養成課程 (厚生労働省委託 第44期-1年、第43期4月生-2年) 視覚障害リハビリテーションに関する知識および生活訓練(歩行、コミュニケーション、 日常生活動作等)等指導者として必要な知識・指導技術等を学習することを目的として指 導者の養成を行った。 (1) 実施期間: 1年基礎Ⅰ :平成26年4月8日(火)~10月3日(金) 1年基礎Ⅱ :平成26年10月6日(月)~平成27年3月17日(火) 2年実習(4月生) :平成26年4月1日(月)~10月3日(金) 2年応用(4月生) :平成26年4月1日(月)~10月3日(金) 2年応用(10月生) :平成26年10月6日(月)~平成27年3月16日(月) (2) 受講生数: 1年基礎Ⅰ 1年基礎Ⅱ 2年実習(4月生) 2年応用(4月生) 2年応用(10月生) :15名(男性10名、女性5名) うち基礎Ⅰのみの修了者14名 : 4名(男性2名、女性2名) うち基礎Ⅱのみの修了者2名 : 1名(女性1名) : 2名(女性2名) : 1名(男性1名) (3) 実施内容: 1年基礎Ⅰ-視覚障害リハビリテーションの基礎A、生活訓練(歩行訓練の指導法)等 1年基礎Ⅱ-視覚障害リハビリテーションの基礎B、生活訓練(コミュニケーション訓練・ 日常生活動作訓練・スポーツ訓練・弱視者訓練等の指導法)等 2年実習-施設実習 2年応用-視覚障害リハビリテーションの応用、施設見学・実習、卒業論文 2.教育関係者視覚障害リハビリテーション研修会(教育第22期、略称:教育研修) 文部科学省・全国盲学校長会後援により、教育関係者(視覚支援学校教員等)を対象に、 視覚障害リハビリテーションの全容を概括し、歩行、コミュニケーション、日常生活動 作等の生活訓練の指導技術を学習することを目的として実施した。 (1) 実施期間:平成26年4月8日(火)~10月3日(金) (2) 受講生数:10名(男性7名、女性3名) (3) 実施内容:指導者養成1年基礎Ⅰにほぼ同じ 3.在宅訓練 下記自治体の委託により、在宅視覚障害者に生活訓練を実施した。 (1) 奈良県 :合計 104回(歩行、コミュニケーション、日常生活動作ほか) (2) 和歌山県 :合計 258回(歩行、コミュニケーション、日常生活動作ほか) (3) 兵庫県宝塚市:合計 73回(歩行、コミュニケーション、日常生活動作ほか) 4.その他 - 26 - (1) 医療関係者視覚障害リハビリテーション研修会(略称:医療研修) 社団法人日本眼科医会との共催、社団法人大阪府眼科医会・奈良県眼科医会・和歌 山県眼科医会の後援により、医療関係者に対する視覚障害リハビリテーションの研修 会を実施した。 実施期間:平成26年9月24日(水)~26日(金)(受講者:9名) (2) 視覚障害リハビリテーション基礎講習会(略称:基礎講習会) 社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会の後援により、視覚障害等障害福祉関係 機関・盲学校等教育機関・医療機関・研究機関等の職員等に対し、視覚障害リハビリ テーションについての講習会を2回実施した。 実施期間:第1回 平成26年7月30日(水)~8月1日(金)(受講者:20名) 第2回 平成27年1月28日(水)~30日(金)(受講者:20名) (3) 図書の刊行 「視覚障害リハビリテーション」は、安全交通試験研究センターより三宅文庫助成金 を得て、第79号(14-6月号)、第80号(14-12月号)を刊行した。 (4) 関西視覚障害リハビリテーション研究会の開催 関西歩行訓練士会の事務局として、関西視覚障害リハビリテーション研究会を2回 開催した。 開催日:第1回 平成26年7月12日(土) 第2回 平成26年12月6日(土) H.相談室 1.事業の概要 平成26年度、相談室へは、1年間に229件の電話相談、93件の来所相談があった。 電話による一次相談は、平日の9時~17時に実施し、相談者ニーズと、各種制度・サ ービスとが適切に結びつけられるよう支援するとともに、必要に応じ来所での相談を促 した。次に来所相談では、来談者の生活課題の明確化・焦点化を支援し、当センターの 利用を希望された方々に対しては、十分なインフォームドコンセントの後、専門的な援 助関係を契約した。また、必要に応じて他機関・施設等を紹介、他専門職とカンファレ ンスを開催するなどして、スムーズな支援移管を働きかけた。とくに昨今では、地域生 活基盤の弱体化や家族機能の低下など、環境面に重層的で複雑な課題を抱えた来談者が 多く、相談支援にあたっては、地域の支援者・専門職とのネットワークが不可欠となっ ている。 なお、施設利用予定者に関しては、入所申請書類の提出を受けて、それぞれの入所時 期や支援方針などについて確認するため、入所調整会議を開催。さらに、利用開始後も、 支援プロセスが円滑に展開してゆくよう、ケースワーク担当者との連係協力を心がけた。 このほか、社会福祉士養成のための施設実習や養成部の各種研修事業に協力し、大学・ 専門学校等からの講師派遣要請にも適宜対応、社会福祉士養成においては、相談室が施 設実習受け入れの窓口を統括、実習前オリエンテーションを担当し、援助専門職者の養 成教育・指導に取り組んだ。 加えて鶴見区や地域社協と連携し、地域自立支援協議会の運営や福祉教育プログラム の開発へも積極的に参画した。 - 27 - 以下に、平成26年度に実施した電話相談、および来所相談のデータを整理する。 2.電話相談の状況 (1)年齢別区分 26年度 総数 合 計 229名 25年度 212名 ~20 8 7 20代 11 18 (2)地域別区分([ ]内は前年度) 26年度 総数 大阪府・市 合 計 229名 110 25年度 212名 120 その他・不明:75名[56名] 30代 15 27 奈良県 18 8 (3)相談者の内訳(ケースとの関係) 家族・ 26年度 総数 本人 知人 合 計 229名 102 43 25年度 212名 89 46 (4)相談内容別区分 26年度 生 活 ・ 介 護 相 談 就 労 相 談 福 祉 相 談 (年金・制度) 医 療 相 談 (病気等) 教 育 相 談 補 助 具 相 談 ラ イ ト ハ ウ ス に つ い て 盲 人 ホ ー ム に つ い て 職 業 訓 練 に つ い て そ の 他 合 3.来所相談の状況 (1)年齢別区分 26年度 総数 合 計 93名 25年度 106名 計 ~20 3 6 (2)地域別区分 26年度 総 数 大阪市 合 計 93名 29 25年度 106名 33 その他:11名[12名] 20代 13 22 大阪府 28 43 40代 29 25 50代 25 28 兵庫県 19 20 医療 関係者 11 14 京都府 4 5 福祉 関係者 59 51 25年度 69 7 0 2 1 3 76 0 33 21 229 212 奈良県 6 6 - 28 - 40代 18 22 兵庫県 16 10 50代 15 18 70代~ 23 21 滋賀県 0 1 教育 関係者 3 1 件 数 56 16 19 2 6 6 63 4 35 22 30代 18 17 60代 16 17 その他 京都府 2 2 和歌山県 3 2 不明 8 9 60代 10 12 3 2 70代~ 11 7 滋賀県 0 0 不明 102 69 不明 5 2 和歌山県 1 0 I.リハビリテーションセンター共通事業 1.防災訓練 鶴見消防署の立会いによる防災訓練を年間2回実施した。 第1回・・・4月4日、日中想定の避難訓練を実施した。利用者は、居室や利用中 の部屋からの避難を実施した。職員に関しては、消防署立会いで火災探知 機を作動させ役割分担等を確認した。また、職員に関しては水消火器によ る消火訓練を実施した。 第2回・・・10月14日、入所利用者の夜間想定の避難訓練ならびに日中活動中の避 難訓練を実施した。利用者71名、職員42名、受講生5名、ボランティア2 名、合計120名が参加。日中活動の利用者は、それぞれ担当職員が避難誘 導、施設入所の利用者は、夜間を想定して居室よりの避難訓練を行った。 2.「ライトハウス通信」 例年通り、修了者に対して年1回発行した。内容としては、きらきらの現状を中心に 報告した。媒体として点字および大活字版に、メール版の3種類を作成した。 3.ロービジョン(弱視)相談 平成6年(1994年)より開始されたロービジョン相談を継続・維持し、予約制で一人に 2時間程度の時間を確保し、相談に応じた。 4.ボランティア 視覚障害リハビリテーションセンターのボランティア登録数は、新規登録が19名、活 動中止が3名、合計121名で昨年度より若干増加した。活動数は年間延べ578名(ライト ハウス祭り50名を含む)であった。 一方、企業ボランティア各社(参天製薬、三井住友銀行、DCホールディング)から、館 内清掃(計4回)やライトハウス祭りにご協力いただいた。ほか、ライトハウス祭りでは、 登録ボランティア、ステージ等のボランティアなど100名を超える方々がご協力くださ った。 『ボランティアだより』は、従来どおり年2回発行した(4月・1月)。 5.他機関との連携 近隣福祉施設・機関と協力し、研修や実務の協力関係を保つように努めた。とくに介 護事業については、法人として日本メディカル福祉専門学校と協定を結び、ヘルパー研 修の講師派遣や研修会などの協同作業を行った。また、一般小・中学校、その他各種講 習会・研修会、大学・専門学校等の専門講座等に講師派遣を行った。 - 29 - 情報文化センター わが国では平成26年1月、国連障害者権利条約が公布され、視覚障害者をはじめ情報ア クセスに困難のある人が、多様な媒体・手段を選んで情報を利用できる社会を作ることが 定められた。さらに平成26年度は、「視覚障害者および読書障害者の出版物へのアクセス を促進するためのマラケシュ条約」の批准に向けて、著作権法改定の検討が行われ、視覚障 害者に対する情報保障は一段と進みつつある。 こうした流れの中、当センターでは、大阪市10,687名、大阪府16,166名(平成24年3 月末現在)に達する障害者手帳を持つ視覚障害者を中心に、大阪府内で推計10万人を超え る視覚に障害のある方(日本眼科医会の平成21年発表から試算)や、その他の原因で読書に 困難のある方などを対象に、“学び、働き、暮らし、楽しむ”ことに役立つ情報を多様な 媒体で製作・提供。合わせてICT(情報通信技術)とインターネット、視覚補助具の普及を 推進したほか、当センターを拠点に文化・コミュニケーションを提供する活動を展開した。 また、2年目となる「情報バリアフリー推進事業」に力を入れ、公共団体や企業による点 字・録音・電子書籍・音声解説等の製作・提供の拡大に取り組んだほか、文部科学省の委 託による「音訳教材」の研究事業を新たに受託し、視覚的資料の音訳教材データベース構築 事業に着手した。 A.ネットワーク事業(東事業所・西事業所) 視覚障害者の情報保障を全国規模で推進するため、各種ネットワーク(広域団体、および ネットワークシステム)の中枢を担い、その充実・発展に努めた。 1.全国視覚障害者情報提供施設協会事務局および「サピエ」サポートセンター 特定非営利活動法人全国視覚障害者情報提供施設協会(全視情協、加盟98団体)の運営 に協力し、副理事長を務め、事務所を提供するとともに、各種委員会やプロジェクトに 職員を派遣した。また、同協会が運営する視覚障害者情報提供ネットワークシステム・ サピエ図書館のサポートセンターを引き続いて受託し、全国の個人会員13,446名(前年 度12,476名)、施設会員291団体(同271団体)に対して、利用上の質問に電話やメールで 回答した。 2.日本盲人社会福祉施設協議会 社会福祉法人日本盲人社会福祉施設協議会(日盲社協)点字出版部会(加盟27施設)の 事務局を担当し、評議員を派遣するとともに、点字出版図書登録データベースの管理運 用を行った。 3.近畿視覚障害者情報サービス研究協議会 近畿視覚障害者情報サービス研究協議会(近畿視情協、加盟44施設) の運営に協力し、 会長を務めるとともに、事務局業務と委員会活動を支援した。 4.日本点字委員会 委員を派遣し、国内の点字表記法の普及に寄与した。 - 30 - 5.近畿点字研究会 事務局を預かり、点字表記法の普及に向けた研究活動を推進した。 B.サービス部(西事業所) 1.図書・情報サービス 大阪市・府を中心に全国の視覚障害者をはじめ読書に困難のある方々に対して、図書・ 雑誌等の利用を支援するため、点字・録音図書の貸出、対面リーディング、プライベート 製作、レファレンスサービスなどを行った。 ①利用者登録(単位:名、[ ]内は前年度) 近年、高齢化に伴い、病気等により視覚に障害を持つ方々が増えるとともに、当セン ターの利用登録者も増え続けており、前年度比77名増の4,653名に達した。 地域別 新規登録 登録抹消 登録合計 大 阪 市 40 [ 27] 4 [ 6] 1,811 [1,775] 大 阪 府 44 [ 36] 3 [ 7] 1,593 [1,552] そ の 他 5 [ 7] 5 [ 4] 1,249 [1,249] 合 計 89 [ 70] 12 [17] 4,653 [4,576] ②貸出サービス([ ]内は前年度) 貸出種別では、6年前に製作を終了したテープ図書の貸出が減り続ける一方、デイジ ー図書が着実に増加している。 種 別 貸出冊(巻/枚)数 点 字 図 書 11,264冊 [ 9,211冊] 内 訳 図書 54,785 [ 52,735枚] デ イ ジ ー 図 書 63,953枚 [ 62,843枚] 雑誌 9,168 [ 10,108枚] 図書 4,215 [ 6,749巻] テ ー プ 図 書 4,869巻 [ 7,409巻] 雑誌 654 [ 660巻] フ ロ ッ ピ ー 図 書 0枚 [ 8枚] 合 計 80,086 [ 79,471 ] 閲 覧 者 数 102名 [ 124名] ※うち館間貸借 総貸出数80,086点の内、20%強にあたる18,000点前後は、全国の点字図書館 や公共図書館等との館間協力により貸借を行っている。 種 別 貸出数(冊・枚・巻) 借 受 数 貸出(借受)先 他 館 個 人 他 館 点 字 図 書 4,517冊 6,747冊 1,830冊 デ イ ジ ー 図 書 12,261枚 51,692枚 12,515枚 テ ー プ 図 書 1,608巻 3,261巻 3,261巻 フロッピー図書 0枚 0枚 0枚 小 計 18,386 61,700 17,606 合 計 80,086 ③対面リーディングサービス([ ]内は前年度) 対面リーディングスタジオで、159名のボランティアにより、実利用者52名に対し、 - 31 - 1回2時間の読み書きサービスを提供。西事業所の特長である交通の便とサービス範 囲の広さ(対応する書類の制限がほとんどない、1日3回6時間までの利用が可能、代 筆も行うなど)が好評を得て、例年に引き続き年間約1,000件の利用があった。 内 容 件 数 延べ時間数 対面リーディング 999 [1,083] 2,018 [2,166] ④プライベート製作サービス等([ ]内は前年度) 大阪府・市の利用者と関西の学生の依頼に応えて、図書等の点訳、録音、テキスト データ化サービスを行った。蔵書製作との並行製作のため、バランスを取ることが難 しく、前年度に比べて製作数が伸びなかった。 サービス内容 点 字 音 声 テキストデータ プライベート製作 71 [ 72] 68 [111] 20 [ 45] 点字データ印刷 91 [ 33] デ イ ジ ー 編 集 7 [ 9] 合 計 162 [105] 75 [120] 20 [ 45] ⑤レファレンスサービス 西事業所の新刊情報と視覚障害者に役立つ情報を独自編集した『読書』を年間11回、 大きめの活字・点字・デイジー・電子メール・フロッピーディスク版で毎号1,800部 発行し、大阪府・市の利用者に無償送付した。またサービス部の書庫に視覚障害関係 資料を収集・所蔵し、閲覧に供したほか、電話や来館、電子メールにより、点字・録 音図書に関する質問をはじめ、辞書・事典・インターネット等に掲載された情報の調 査希望に対応した。 2.用具・機器サービス 西事業所5階のサービスフロアでは、視覚障害者用具・機器の紹介、販売、講習、ICT 機器の利用支援サービスを中心に、視覚障害者のさまざまな相談への対応を行った。 サービスフロアへの来室者は、年間4,869名(前年度4,971名) と微減したが、「パソコン Q&A」(ICT機器の操作・トラブルに関する無料の電話相談サービス)への問合せは、年間 2,918件(前年度2,520件)、ICT機器の個人講習も年間513件(前年度493件)と漸増した。 このほか、パソコンサポートボランティア「ボイスネット」による訪問サポートも年間11件 (前年度10件)行った。 また、最新機器等の情報提供・体験の場として「ICTサロン」を毎月開催し、iPadやらく らくスマートホン、Windows8などを取り上げ、全10回で158名(前年度181名)の参加があ った。 さらに、西日本最大規模の視覚障害者福祉機器展「日本ライトハウス展2014」を9月27 ~28日、難波御堂筋ホールで開催。34社の出展を集め、iPadの体験会も実施したところ、 1,210名(前年度1,269名)の来場者があった。また4月17日~19日にインテックス大阪で 開かれた「バリアフリー2014」で、「目の見えない方・見えにくい方のための展示コーナー」 を主催。15社が出展、好評を博した。 3.インターネット利用支援サービス 図書データをはじめとする情報活用にインターネットの利用が欠かせないことから、視 覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の操作やトラブルへのサポートを中心に、インタ ーネットの利用支援(利用相談、手ほどき、電話や電子メールによるQ&A)に努めた。 ①サピエ図書館 - 32 - 全視情協からサピエ図書館サポートセンターを受託。全国の利用者に対してサピエ の使用上の質問・相談に応え、年間3,545件(前年度4,371件)のサポートを行った。 ②はやみみかわら版 西事業所独自のインターネット録音図書配信サービス「はやみみかわら版」(図書や 雑誌の録音を未校正ながら録音当日に聴くことができるシステム)を運用し、169名 (前年度166名)の利用に供した。 4.地域サービス 西事業所では、地下鉄肥後橋駅の真上という地の利を活かして、「情報・文化・コミュニ ケーション」を提供するイベント「わろう座」を開催。バリアフリー映画体験会(4回)や視覚 障害者囲碁大会を開催し、全5回で合計254名の参加者を集めた。 C.製作部(西事業所) 点字・録音等約400名の製作ボランティアの協力により、大量で正確な点字・音声・マ ルチメディア等の情報製作を行った。 1.点字製作係 ①蔵書製作([ ]内は前年度) 140名のボランティアに自宅での点訳と来館による校正・編集にご尽力いただき、 専門書・教科書を含め、例年どおり多数の点字図書を製作した。完成した点字データ は、印刷・製本して貸出すとともに、「サピエ図書館」にアップロードし、全国に提供 した。 種 別 タイトル数 冊 数 蔵 書 製 作 255 [ 263] 896 [ 946] 175 [ 186] 630 [ 652] 内 自 館 製 作 分 訳 協力グループ製作分 80 [ 77] 266 [ 294] ②蔵書製作以外の受入れ([ ]内は前年度) 種 別 タイトル数 冊 数 厚生労働省委託配布図書 28 [ 35] 76 [ 96] 寄 贈 ・ 寄 託 図 書 10 [ 11] 21 [ 30] 購 入 図 書 5 [ 5] 10 [ 6] 合 計 43 [ 51] 107 [ 132] ③蔵書総数([ ]内は前年度) 書庫は既にほぼ満杯状態のため、利用度の低いもの、データ化されていて再印刷が 可能なものの整理・除籍を行い、図書回転率の高い書庫をめざした。 内 容 タイトル数 冊 数 累 計 蔵 書 数 9,474 [ 9,585] 36,746 [39,312] ④プライベート製作([ ]内は前年度) 蔵書製作と並行してプライベート製作の体制を整え、製作数がアップした。 内 容 件 数 枚 数 プライベート製作 71 [72] 19,182 [17,376] 2.録音製作係 ①蔵書製作([ ]内は前年度) - 33 - 250名のボランティアに音訳・校正・編集作業を行っていただき、自然・社会科学、 外国語、東洋医学などの専門書や図表の多い本を中心に、多数のデイジー録音図書を 製作した。製作に当たっては、館内の録音スタジオのほか、ボランティアの自宅のパ ソコンと西事業所をインターネット回線で結ぶ録音編集システム「ウェブスタジオ・な にわ」(三菱財団助成事業)を活用した。完成図書はCDで貸出したほか、サピエ図書館 を通して全国の利用者に提供した。 種 別 タイトル数 蔵 書 製 作 249 [ 242] 雑 誌 製 作 102 [ 102] 合 計 351 [ 344] *蔵書には「シネマ・デイジー」24タイトル(前年度40タイトル)も含む。 *雑誌は「週刊新潮」「日経パソコン」など6種類を週刊・月刊等で製作。 ②蔵書製作以外の受入れ([ ]内は前年度) <デイジー図書> 種 別 寄 贈 ・ 寄 託 図 書 購 入 図 書 厚生労働省委託配布図書 D V D シ ネ マ ・ デ イ ジ ー 合 計 タイトル数 48 [ 23] 6 [ 8] 34 [ 25] 0 [ 0] 34 [ 34] 122 [ 90] ③蔵書総数([ ]内は前年度) 約1万5千タイトルの蔵書数は全国トップレベルだが、テープ図書の整理・除籍を 行ったため、巻数は減少した。 内 容 タイトル数 巻 数 累 計 蔵 書 数 15,011 [14,643] 33,369 [44,563] *雑誌の製作数は蔵書数には加算していない。 ④プライベート製作([ ]内は前年度) 蔵書製作とプライベート製作の両方の増加を目指しているが、今年度は蔵書製作に 力を入れた分、プライベート製作の件数が伸びなかった。 内 容 件 数 プライベート製作 75 [111] D.教科用図書製作・供給事業(東事業所) 全国の特別支援学校(盲学校)で使用される点字・拡大・デイジー版の教科用図書を安定的 に発行した。特に点字版教科書の製作は、墨字版が図表・写真を多用しているところを点 字でいかに読みやすく編集するかに高度な技術を要する。近年、各科目とも原本のページ 数が増え、しかも多数の図版を含むことから、点字版の巻数も増加している(例えば小学部 「国語」1年~6年は計13巻が改訂版では計22巻)。質・量ともに高度な作業に対応するた め、作業体制の工夫、職員の技能向上に努力した。主な製作図書は以下のとおり。 - 34 - ①特別支援学校用小学部、中学部、高等部普通科等点字教科書 小学部15点33巻、中学部9点33巻、高等部普通科30点213巻を製作し、全国の特 別支援学校等に安定的に供給した。小学部は、「国語」(1~6年)、「音楽」(1~6年)、 「新・みんなのほけん3・4年」、「新・みんなの保健5・6年」計14点を改訂発行した。 高等部普通科は、「CROWN English Communication Ⅲ」を新版発行した。 ②理療科教科書 19点76巻を製作し、安定的に供給した。 E.多部数複製利用点字データ製作・供給事業(東事業所) 1.教材データの製作 視覚障害児童・生徒・学生が必要とする教材を選択・編集して点字データの製作を行 った。小学部は、「国語」(1~6年)、「音楽」(1~6年)、「新・みんなのほけん3・4年」、「新・ みんなの保健5・6年」の計14点を改訂発行した。高等部普通科は、「CROWN English Communication Ⅲ」を新版発行した。 2.広報誌の発行 大阪市、和歌山市等の行政機関より自治体広報誌の製作委託を受け、触読に配慮し た編集を行って、製作・配布した。 3.各種委託製作 平成26年12月の衆議院議員選挙では、日本盲人福祉委員会視覚障害者選挙情報支援 プロジェクトの加盟施設として、「点字毎日号外」点字版選挙のお知らせの比例区中 国・九州ブロックの点字データ作成および近畿・中国・九州ブロックのうち4,356部 の製版・印刷を行った。また、小選挙区では山口県1,050部、宮崎県340部を製作、 岐阜県は点字データを作成、国民審査では沖縄県360部を製作し、各選挙管理委員会 に納めた。 その他、東事業所が考案し、国内で初めて実施された関西電力等の公共料金通知サ ービス業務を引き続き受託するとともに、適切な点字の表示等の普及に留意しながら、 行政・教育機関、および諸団体からの委託により、点字印刷・点訳物、点字サイン(プ レート類)等の製作を行った。 主な製作物は次のとおり。 大阪市「大阪市高齢者保険福祉計画・介護保険事業計画(素案)」、法務省「犯罪被害 者の方々へ」、関西電力「電気供給約款」ほか、国会図書館関西館「録音図書目録」、 ユー・エス・ジェイ「点字ガイドマップ」、国立民族学博物館点字パンフレット、 点字名刺、券売機点字テープ、点字運賃表、点字行先案内プレートほか 4.点字編集・自動製版システム「WinBred10」の外部供与 WindowsXPまたはWindows7をオペレーティングシステムとするパソコン上で動 作し、仲村点字器製作所の点字製版機による点字製版を行うソフトウェアを開発し、 他施設に提供を行った。 5.三次元切削装置を用いた触察模型製作の研究 国土地理院の三次元地図データを利用して、富士山・御嶽山・桜島等の三次元地形 模型を試作し、視覚特別支援学校の教員・生徒から高い評価をいただいた。さらに、 模型上の各点の地名情報を利用者にいかに伝えるかについて、大学の研究者等から助 - 35 - 言を得ながら研究を継続した。 6.日本漢点字協会の業務 日本漢点字協会の依頼を受けて、パソコンと点字プリンタを使い、漢点字図書の印 刷・製本・発送作業を行うとともに、経理事務の支援を行った。 F.メディア製作センター事業(東事業所・西事業所) 1.点字関連事業 西事業所において、視覚障害の生徒・学生が一般校で教育を受けられる環境を支援す るため、関西の小・中学校、大学の依頼に応えて、小学校8校40件、中学校5校26件、 大学5校105件の教科書・教材を点訳、提供した。また、自治体や公共団体など20団体 85件の資料を点訳・墨字訳した。 2.録音関連事業 国立国会図書館による「学術文献録音図書製作作業」を引き続き受託し、専門図書21タ イトル(922時間)分のデイジー図書製作を行った。 盲学校理療科教科書は、「理療基礎実習第2版」、「保健理療基礎実習第2版」、「基礎保 健理療Ⅱ(保健理療理論)改訂版」、「新版 経絡経穴概論」のデイジー版を部分修正し発行 した。 「衆議院議員選挙」については、比例区「北関東ブロック」、「九州ブロック」のデイジー 版マスター、カセットテープ版マスターを作成し、日本盲人福祉委員会音声版選挙プロ ジェクトへの提供を行うと同時に、埼玉県分の100枚のデイジー版CD複製と100本のテ ープ複製を行った。また、山形県・栃木県・埼玉県・兵庫県小選挙区のカセットテープ 版作成と約2,130本のテープ複製、栃木県・埼玉県小選挙区のデイジー版作成と約770 枚のCD複製を行った。 また、官公庁や民間企業から委託を受け、カセットテープとデイジーCDによる録音・ 編集・出版を行った。主な編集製作物は次のとおり。 大阪市中央図書館「こどものほんだな2014」、「蔵書目録2014」、大阪市長居障がい者 スポーツセンター「40年のあゆみ」、法務省「犯罪被害者の方々へ」、内閣府「ご存じです か?マイナンバー」、国立民族学博物館「月刊みんぱく」、グローリー株式会社「ポータブ ル紙幣読み取り機取扱い説明書」、JTB西日本「美しき中欧周遊の旅・旅のしおり」ほか。 3.マルチメディアデイジー事業 パソコン上で文字や画像と音声を同期させ、さまざまな読み方をさせることのできる マルチメディアデイジーの製作を51名のボランティアにより行い、視覚障害のみならず、 ディスレクシア(文字の認識・理解が困難な障害者)、知的障害など、“読書障害”の方々 への情報提供に取り組んだ。とくに高校生の教科書製作や就労関係の書籍の製作に継続 して取り組んだほか、アクセシブルな電子書籍である「テキストデイジー」も製作し、 完成作品はサピエ図書館にアップロードした。 また、文部科学省より平成26年度「音声教材の効率的な提供方法等に関する調査研究 事業」を受託し、視覚障害等児童・生徒のための音声教材による視覚的資料の音訳データ ベース構築事業を開始した(3か年の予定)。 今年度の製作状況は、以下のとおり([ ]内は前年度)。 <マルチメディアデイジー> - 36 - *教科書 21タイトル[17タイトル] 「小学校社会」上・下巻(教育出版、3・4年、5年、6年)、「わくわく理科5」(啓 林館、5年)、「みんなと学ぶ小学校国語」上・下巻(学校図書、6年)、「新編国語総 合」(大修館書店)、「新編現代文」(大修館書店)、「新編現代文B」(東京書籍)、「精選 国語総合 古典」(明治書院)など *児童書・一般書 15タイトル[10タイトル] <テキストデイジー> *一般書 53タイトル[10タイトル] *テキストデータ製作(プライベート依頼) 45タイトル[44タイトル] このほか、大阪府内の教員を対象とした「マルチメディアデイジー教科書体験・活用セ ミナー」(参加30名)を行ったほか、外部団体向け啓発事業(研修会・講習会)として、大阪 市教育センター、岡山県視覚障害者センター、広島県立視覚障害者情報センター、視覚 障害者総合支援センターちば、福島県点字図書館、奈良県視覚障害者福祉センター、視 覚障害乳幼児研究会、近畿視情協サービス研究協議会、全国視覚障害者情報提供施設協 会、など13施設・団体に出張講習を行った。 4.音声解説事業 視覚障害者が晴眼者と等しくテレビや映画を視聴し、情報を共有できる環境を整備す るため、テレビ番組・映画・演劇に音声解説を付与する事業を推進した。 テレビでは、NHK-Eテレの番組「バリバラ」の音声解説を受託し、年間32作品を製 作した。映画では、音声だけで映画を楽しむことのできる「シネマ・デイジー」を年間19 タイトル製作したほか、地方自治体のPR用映像作品の音声解説を製作した。 映画会では、バリアフリー映画会「天地明察×さわるワークショップ」を主催。天文学 者を招いての講演会も合わせて行い、視覚障害者等130名余りの来場を得た。また西事 業所のイベント「わろう座」での映画体験会(4回)、他団体との共同企画による上映会、 5年目になる大阪市中央区の地域アクションプランによる映画上映会を開催した。中央 区の上映会では、山田洋二監督のトークショーも行い、400名を超える来場者を得て、 バリアフリー上映会の普及・啓発につなげることができた。 また、音声解説の専門グループ「ボイスぷらす」(22名)の定例勉強会を実施。さらに、 バリアフリー映画情報を約270名の登録者にメーリングリスト形式で随時配信した。 G.厚生労働省委託視覚障害者用図書事業(東事業所・西事業所) 「視覚障害者用図書事業」の規定に基づき、以下のとおり点字・録音図書の製作・提供 を行った。 1.点字図書 「図書選定委員会」を設置し、視覚障害者・児の知識・教養・学習等の向上に資する図 書を広範な分野から選定。デジタルデータで製作し、製版によるもの19タイトル・40 巻・2,920冊、CDによるもの14タイトル・1,022枚の貸出を行った。同時に一部触図 入りの図書等を除き、「サピエ図書館」への点字データのアップロードを行った。 2.録音図書 点字図書と同じく、上記規定に基づき、有識者で構成される「図書選定委員会」の意見 を十分に考慮したうえで選書を行い、他施設で製作が困難な長編シリーズ作品、学術文 献、辞書などのデイジー図書を31タイトル製作したほか、新たに、マルチメディアデイ - 37 - ジー図書8タイトルを製作、利用者の貸出希望に応えて指定施設へ貸し出すとともに、 サピエ図書館へのデイジーデータのアップロードを行った。 H.ボランティア・広報支援事業等(西事業所) 西事業所で活動するボランティアをはじめ大阪市・府周辺の点訳、音訳等ボランティ アを対象に各種講習会・研修会を実施。合わせて各種広報誌を発行して、情報提供に努 めるとともに、地域および国際的な福祉事業への協力を行った。 1.総務 (1) 社会公益団体や企業への支援のお願いを継続し、一ツ橋綜合財団や毎日新聞大 阪社会事業団、読売光と愛の事業団等から多額の助成金を頂戴し、事業費の不足し ている先進的な事業を展開することができた。 (2) 独自の図書館管理システムILIS(アイリス)の本格運用を始め、さらに使いやすい システムへの改良を行った。 2.ボランティア友の会 西事業所のボランティア620名で作るボランティア友の会との協力関係を深めるた め、世話人会(10名)と協力し、2か月に1回、意見交換を行った。また、友の会主催 の行事として、ガイド体験会(参加17名)と、施設見学会(法人の視覚障害リハビリテ ーションセンターと点字情報技術センター、参加26名)、ボランティア交流会・総会(参 加123名)を開催した。 3.講習会・研修会の実施 ①点訳:点訳技術講習会(全20回、修了7名)、校正勉強会(全3回、受講20名)、楽譜点 訳勉強会(全24回、受講10名)、近畿点字研究会(隔月) ②音訳:初心者講習会(年2期・各15回、修了31名)、読み方勉強会(年2期・各15回、 修了46名)、音訳フォローアップ講座(通年11回、受講延べ90名) ③テキストデータ/マルチメディアデイジー:テキストデータ製作講習会(全1回、受 講10名)、テキストデイジー図書製作講習会(全2回、受講8名)、マルチメデ ィアデイジー図書製作講習会(全1回、受講14名) ④その他:第17回視覚障害者ICTサポート・ボランティア講習会(毎日新聞大阪社会 事業団との共催)(全10回、受講15名)。視覚障害者が使う電子機器やパソコ ンの最新情報、サポート方法の講習を利用者参加型の実践形式で行った。 ⑤第27回専門点訳・音訳講習会(毎日新聞大阪社会事業団との共催):専門点訳・エー デル基礎コース(年2期・全2回、修了20名)、理数・高等学校コース(全5回、 修了16名)、専門音訳・東洋医学コース(全5回、修了18名)、デイジー編集 コース・基礎編(全2回、修了10名)、デイジー編集コース・応用編(年2期、 全1回、修了36名)、音声解説シネマ・デイジー編集コース(全2回、修了18 名)、音声表現技術コース・基礎編(全2回、修了83名) 4.広報事業 ボランティア向け情報誌『ONE BOOK ONE LIFE』(墨字版1,000部、点字版 10部ほか)を年11回発行したほか、専門情報誌『ろくおん通信』(440部、隔月刊)、『点 訳通信』(220部、年4回)、『対面リーディング通信』(240部、隔月刊)を発行、配布 した。 - 38 - 5.施設の地域開放 ボランティア志望者や一般市民を対象に、西事業所の事業と視覚障害者の情報環境 について理解を深めていただくために、毎月1回オープンデイ(見学日)を開催し、合 計25名が参加、ほか、73名に案内説明を行った。また、グループ・団体の依頼に応え、 合計20団体155名に西事業所を見学していただいた。このほか、4階の会議室を地域 の視覚障害者等に貸出し、囲碁、短歌、パソコン、障害者同士の交流会や勉強会など、 多彩な活動が行われたほか、関係団体・グループにも貸出しを行った。 6.地域との協力 地域福祉の振興のため、主に以下の4団体の事業に協力した。 ・日本網膜色素変性症協会(JRPS)大阪支部:さまざまなグループ活動に当館の会議室 を優先的に貸し出すとともに、とくに広報活動の協力を行った。 ・あおぞら財団:視覚障害者に向けたタンデム自転車の普及・啓発活動に協力した。 ・西区社会福祉協議会:西区障がい者・児ネットワーク「そよかぜ」に参加し、地域交 流イベント「そよかぜまつり」等の開催に協力した。 ・中央区社会福祉協議会:地域福祉アクションプラン「HANDSちゅうおう」に参加し、中 央区バリアフリー上映会の企画・製作に協力した。 7.国際協力 公益財団法人ダスキン愛の輪基金のダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事 業に協力し、ラオスの視覚障害青年に4週間の研修を行った。また、姉妹施設である 韓国のシロアム視覚障害者福祉会から職員2名の研修を受け入れたほか、韓国から3 グループ(合計9名)の見学を受け入れた。さらに、IFLA(国際図書館連盟)の運営に協力 した。 I.大阪市委託・早川福祉会館点字図書室 大阪市より業務委託を受け、大阪市立早川福祉会館点字図書室(大阪市東住吉区、利用 登録者1,037名[前年度1,025名])の運営を継続して行った。当初の委託契約期間は平 成22年度から4年間で、今回は契約更新の年度だったが、大阪市の事情により1年間の 特命契約となった。 今年度は、図書貸出数の増加を図るため、「点字図書室だより」での図書情報の充実を 図ったほか、デイジー図書再生機の操作講習会も新たに実施した。図書製作においては、 点訳・音訳ボランティアグループとの密接な連携を継続し、製作数の維持に努めたほか、 プライベートサービスにおいても、迅速な情報提供を行い、利用者サービスの向上を図 った。 ①録音・点字図書製作実績 単位:タイトル 種 別 製作数 デイジー図書 130 テ ー プ 図 書 98 累計蔵書数 [ 126] 4,404 [ 4,195] [ 96] 5,371 [ 5,277] 点 字 図 書 120 [ 131] ②録音・点字図書貸出実績 単位:タイトル 1,913 [ 1,712] デイジー図書 45,437 テ ー プ 図 書 5,028 - 39 - [ 40,029] [ 6,992] 点 訳 1,736 [ 1,727] 点 字 打 出 し 1,926 ③プライベートサービス実績 単位:件 [ 1,959] デイジー図書 146 テ ー プ 図 書 3 点 訳 193 [ 160] [ 12] [ 166] 点 字 打 出 し 363 [ 293] ④対面読書事業実績 123件 [ 155件] ⑤その他のサービス デイジー図書再生機の操作講習会を行ったほか、各種情報機器に関する指導も情 報文化センターと連携し、随時行った。 ⑥ボランティアグループ活動への協力 音訳ボランティア約190名、点訳ボランティア約170名の自主的な活動を支援し、 環境や機器の整備、パソコン・機器の操作支援、製作上の助言、情報提供、事務作 業等の協力を行った。とくにプライベートサービスに対応できるボランティア数を 増やす取り組みを行い、利用者への迅速な提供に努めた。 また、点訳・音訳講習会を以下のとおり開講し、ボランティアを養成した。 ・点訳講習会 初級編:2コース(各19回)、修了13名、中級編:全2回、修了8名 ・音訳講習会 初級編:2コース(各26回)、修了16名、中級編:全5回、修了20名 デイジー編集編:全2回、修了14名 - 40 -