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レグテクト錠333mg
コンパス薬局横浜西 スキルアップ勉強会 2014.4.10 野口 第 75 回 『レグテクト錠 333mg』 日本新薬 山川さん 参加者:川村先生 松下、相原、根井、野口、野田、宮内、西山、鈴木 アルコール依存症とはWHOの診断基準「ICD‐10」により、 ○飲酒したいという強烈な欲求、強迫観念(渇望)○節酒の不能(抑制喪失)○離脱症状 ○耐性の増大 ○飲酒や、その回復に1日の大部分の時間を消費し、飲酒以外の娯楽を無視(飲酒中心の生活) ○精神的、身体的問題が悪化しているにもかかわらず、断酒しない(負の強化への抵抗) 過去1年間のある期間、上記の項目のうち3つ以上がともに存在した場合に診断が確定される。 【効能・効果】 アルコール依存症患者における断酒維持の補助 心理社会的治療と併用し断酒の意思がある患者のみに使用すること。本剤は離脱症状の治療薬でないため、離脱 症状がみられる場合は離脱症状に対する治療が終わってから治療すること。 【用法用量】 通常、成人にはアカンプロサートカルシウムとして 666mg を 1 日 3 回食後に経口投与する。 本剤の投与期間は原則として 24 週間とすること。治療上有益性が認められる場合にのみ投与期間を延長できる。 【特徴】 レグテクトが承認される前は抗酒薬が使用されていた。悪酔いの原因であるアセトアルデヒドを蓄積させ服用 中に飲酒すると顔面紅潮、心悸亢進、頭痛などのフラッシング反応がおこる。飲酒に対する不快感を連想させる ことにより抑制させるものである。 レグテクトはアルコール依存による亢進した中枢神経系のグルタミン酸作動性神経活動を抑制することで神 経伝達のバランスを回復させ飲酒欲求を抑制させる。 【副作用】 主な副作用は下痢(14.1%)傾眠、腹部膨満感、嘔吐(1.0%)である。 【考察】 日本にはアルコール依存症者は約 80 万人いると推定されている。このうち実際に治療を受けているのは約 2 万人程度である。飲酒量の増加による臓器障害や家庭・職場内でのトラブルなど様々な問題を引き起こしてしま い、年々患者数が増えている状況は問題視されている。 これまでの抗酒薬は服薬期間中の飲酒でひどい二日酔いのような症状が出るため服薬を自己判断で中断する ケースが多い。一方、レグテクトは『お酒を飲みたい』という欲求自体を抑制することができるので自然に飲酒 が必要とならない通常の生活を取り戻すことが期待できる。ただ、1 日 3 回の服用なので服薬コンプライアンス が悪くならないかが心配な点である。空腹時の服用は血中濃度が増大してしまうため、食後に服用するよう指導 しなければならない。 【質問事項】 ・服薬中に飲酒をした場合どうなるか? →抗酒薬のように二日酔いの様な症状はみられない。 よって断酒の強い意志が必要である。