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食の安全フォーラム 意見交換会 会場からの質疑応答
●食の安全フォーラム テーマ「食品中の放射性物質について理解を深めよう」 日 時:平成 24 年 11 月5日(月)13:30~16:00 場 所:新庄市民文化会館 主 催:山形県 意見交換会 会場からの質疑応答 【質疑1】 Q 震災から 1 年7ヶ月経過するが、未だに放射性物質が食品中に検出されるのはどの ような理由からか。 A (久保氏)海水魚は体から塩分を排出するため、震災時に放射性セシウムを取り込 んでいたとしても塩分と一緒にどんどん排出される。一方、鮎等の淡水魚は塩分を体 内に溜め込むため、放射性セシウムも排出されず溜め込んでしまい、検出されやすく なってしまう。 またきのこは、ほだ木や地中の放射性セシウムを吸収し易い性質がある。なお、米 については、基本的に放射性セシウムは粘土や泥の成分に吸着し易く、いったん吸着 されると根からの吸収はされにくいもの。現在検出されているものは通常の栽培条件 と異なる場合が多いと聞く。 【質疑2】 Q 中国産の食品からは放射性物質は検出されないのか。 A (久保氏)輸入品においても、日本の規制値が適応され検査もしていると思う。今 のところ、摘発されたとは聞いていない。なお、規制値が厳しくなったことにより最 近(2ヶ月前)フランス製のジャムから検出され、輸入禁止となったが、その他は把 握していない。 【質疑3】 Q これまでかなりのモニタリング検査を実施してきたが、検出される傾向が明らかに なってきたと思われる。そろそろ地域や品目を絞って検査してもいいのではないか。 A (久保氏)きのこ等検出される品目が限られ、また、ヨウ素は検出されなくなって きているなど、少しずつ傾向が明らかになってきている。ただ、これまで不検出であ って必ずしも安全とは言い切れないので、専門的な知識を持って多方面から慎重に検 討していく必要がある。 【質疑4】 Q 一般市民が検査を希望する場合、その場所と費用は? A (菊地氏)県での実施はあくまでもモニタリング検査のみなので、一般の方の検査 は受け付けていない。民間の検査機関を紹介することになる。費用は1万円(簡易検 査)~1万8千円(Ge半導体検査)くらいかかる。 (久保氏)検査に必要なサンプル量が1kg程度必要なため、検査に提供する量が 多くなり自分で食べる分がなくなってしまう。自作の作物の場合、肥料としてカリウ ム分が欠乏しないように管理することが重要である。作物はカリウムが欠乏すると土 中の放射性セシウムを吸収してしまう。 【質疑5】 Q 放射性物質の検査をしていないため地元の鮎を販売できないという発言があった が、県では舟形町の小国川産の鮎の検査を実施しているのではないか。 A (姉崎氏)検査の証明書があれば安心して提供できるのだが。 (菊地氏)県では証明書を出すことはできない。 【質疑6】 Q 県内のクマ肉の出荷が制限されているが、どうすれば解除になるのか。 A (髙橋氏)県境で捕獲されたクマの肉から放射性物質が検出され、クマは移動性が あるため県内全域のクマが出荷制限になっている。制限解除は難しいが厚生労働省に 確認したところ、クマ肉の解体処理場を設け、全頭検査を行えば、そこから出たもの に関しては制限解除も可能とのことである。 【質疑7】 Q 放射能問題で牛糞堆肥が使用できないでいるが、2年経てば(セシウム134の半 減期は2年)、使用できるのか。 A (久保氏)食品ではないので明確な回答はできない。 【質疑8】 Q スーパー等から購入した野菜や果物は、水洗いで放射性物質がどの程度落ちるのか。 A (久保氏)事故直後の野菜類は、大気中の放射性物質の表面付着も多いので水洗い で3~4割落ちたが、現在流通しているものに関しては、地中を介して食品内に入っ てしまっているので水洗では効果がない。あく抜きや煮浸し等で流出させることはで きるが栄養成分も流出するので、現状では余り意味がないと思われる。また、現在ス ーパーに並んでいるものは県での説明のとおり安心できると思われる。