...

に関する詳細は、こちらをクリックするとPDF形式でダウンロードできます。

by user

on
Category: Documents
12

views

Report

Comments

Transcript

に関する詳細は、こちらをクリックするとPDF形式でダウンロードできます。
2014 年 9 月 8 日
NEWS RELEASE No.C1434
乳酸菌の新たな可能性
乳酸菌Lactobacillus gasseri CP2305株が
腸から脳への神経伝達を通じて中枢神経に働きかけ、
有益な生体機能調節を引き出すことを確認
― 第11回 国際乳酸菌シンポジウム(9月2日/オランダ)にて発表 ―
カルピス株式会社
(本社:東京都渋谷区、
社長:山田藤男)
発酵応用研究所は、
カルピス社保有の乳酸菌Lactobacillus
gasseri CP2305株
(以下、
「プレミアガセリ菌CP2305」
)
が、腸から脳への神経伝達を通じて中枢神経へ働きかける
*
*
こと(脳腸相関 )で、整腸効果や安眠効果などの有益な生体機能調節 作用を発現することを確認しました。
これらは、
徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部ストレス制御医学分野 六反一仁教授との共同研究
の成果で、第11回国際乳酸菌シンポジウム(2014年9月2日)にて発表しました。
【背景・目的】
近年、
日常生活でのストレスを抱える人口やうつ病の発症率は著しく増加しています。
平成25年厚生労働省の国民
生活基礎調査では、12歳以上(入院者を除く)で日常生活での悩みやストレスを抱えている割合が、半数にのぼること
がわかりました。
また性・年代別に見ても、
働き盛りの年代に限らず男女・すべての年代で悩みやストレスを抱えている
状況が浮き彫りになっています。
カルピス社では、人々の心とからだの健康に役立つ商品・技術を提供することを目指し、腸内の微生物と人の生理
機能に軸足を置いた研究を進めています。
この研究の中で、
「プレミアガセリ菌CP2305」
にリラックス効果や安眠効果、
便秘・下痢の改善効果など有益な生体調節機能を発現することを確認しています。 それらの効果がどのようにしてもたらせられるかについては、
“脳腸相関”の概念を用いて推定されてきましたが、
正確な説明はなされてきませんでした。そこで「プレミアガセリ菌CP2305」が脳腸相関にいかなる影響を与え、生体
機能調整を通じて有益な作用を発現するかを検証しました。
【結果】
1.
「プレミアガセリ菌CP2305」摂取による、便秘・下痢症の改善をもたらす体内変化
*
1)腸からの情報を脳に伝える腸迷走神経求心枝 活動の上昇を確認しました。
・・・・・ 図1
ストレス負荷時における腸機能を司る骨盤神経 活動の回復を確認しました。
・・・・・ 図2
2)炎症・水分移動に関わる遺伝子発現が大幅に減少することを確認しました。
・・・・・ 図3
*
2.
「プレミアガセリ菌CP2305」摂取によるストレス感受性の低下をもたらす体内変化 1)ストレス応答や自律神経活動に関わる脳内血流量を抑制することを確認しました。 ・・・・・ 図4、図5
2)急性期のストレス応答に関わる副腎交感神経活動を抑制することを確認しました。 ・・・・・ 図6
*
HPA軸 を通じて、
副腎皮質より遊離するホルモン量を抑制することを確認しました。
・・・・・ 図7
3)睡眠や行動を支配する大脳後頭葉の血流量を抑制することを確認しました。
<本件に関するお問い合わせ先>
アサヒグループホールディングス株式会社 広報部門
<お客様からのお問い合わせ先>
カルピス株式会社 お客様相談室
・・・・・ 図8、図9
電話:03-5608-5126
フリーダイヤル:0120-378090
【結論】
「プレミアガセリ菌CP2305」は、整腸効果や安眠効果などの有益な生体機能調節作用を発現しますが、それらの
効果は、脳腸相関を介した作用であることが実証されました。これらの作用は「プレミアガセリ菌CP2305」では生菌・
殺菌ともほぼ同様に確認されており、
「プレミアガセリ菌CP2305」
の菌体成分が有効性を示すことも確認できています。
今回の研究は乳酸菌の新たな可能性を示す成果であり、今後、脳腸相関を介してさらに新しい機能を見出す可能性も
示唆しています。カルピス社では、今後も乳酸菌を通じて健康に寄与する研究を積極的に進めていきます。
≪主な試験および結果≫
1.
「プレミアガセリ菌CP2305」摂取による、便秘・下痢症の改善をもたらす体内変化
神経活動の変化 1)
「プレミアガセリ菌CP2305」を摂食したCRF 誘発下痢モデルラットの神経活動の変化を測定しました。迷走
*
神経求心枝および骨盤神経を電極をつかってその活動電位を測定したところ、腸からの情報を脳に伝える腸
*
迷走神経求心枝活動の上昇を確認しました(図1)。また、ストレス負荷時における腸機能を司る骨盤神経 活動
の回復を確認しました(図2)。 これらが、便秘・下痢症状を改善させていると考えられます。
図1.腸からの情報を脳に伝える腸迷走神経求心枝活動の上昇
図2. 腸機能を司る骨盤神経活動の回復(ストレス負荷時)
CP2305
CP2305
7
10
「プレミアガセリ菌CP2305」で発酵させた発酵乳(10 個/mlを含む)を
1ml×1回摂取。対照は発酵乳なし。
「プレミアガセリ菌CP2305」の菌末を含むエサ(1日あたり2×10 個
の菌末を含む)を3週間摂取。対照は菌末を含まず。
2)
遺伝子発現変化
「プレミアガセリ菌CP2305」を摂食したCRF誘発下痢
モデルラットの遺伝子発現の変化を測定しました。
対照群と「プレミアガセリ菌CP2305」摂取群に対して
CRFを投与後4時間における各臓器中での遺伝子発現
の変化を測定したところ、
遠位結腸では、
対照群に比較
して、炎症に関わる遺伝子の発現が大きく減少して
いました。また、水分の移動に関わる遺伝子の発現が
抑制されました(図3)。
図3.ラットの各臓器における遺伝子発現変化
直腸
遠位結腸
副腎
脳幹
扁桃体
海馬
下垂体
視床下部
これにより、
下痢症状が改善されていると考えられます。
800
600
400
200
遺伝子数
0
200
対照に比べ
促進に働く遺伝子の数
対照に比べ
抑制に働く遺伝子の数
10
「プレミアガセリ菌CP2305」の菌末を含むエサ(1日あたり2×10 個
の菌末を含む)を3週間摂取。対照は菌末を含まず。
2
2.
「プレミアガセリ菌CP2305」摂取によるストレス感受性の低下をもたらす体内変化
1)
脳内血流量の変化
「プレミアガセリ菌CP2305」を摂取したストレスを自覚する成人の脳内血流量の変化を測定しました。摂取期間
前後において、
脳の基底核の血流を画像化して測定したところ、
ストレス応答や自律神経活動に関わる基底核の
血流が抑制されており、
摂取後では活動が相対的に低くなることを確認しました
(図4、
図5)
。
これらが、
ストレス
感受性を低下させているのではないかと考えています。
図4.基底核血流量画像
図5.基底核血流量比較
53
摂取前
摂取後
52
*
51
ml
100
50
49
48
摂取前
摂取後
*
p =0.040
10
「プレミアガセリ菌CP2305」の菌末(1日あたり2×10 個を含む)を
3週間摂取
副腎交感神経活動ならびにホルモン分泌量の変化
2)
「プレミアガセリ菌CP2305」
を摂取したCRF誘発下痢モデルラットの副腎交感神経活動ならびにホルモン分泌量
の変化を測定しました。
副腎交感神経を電極をつかって活動電位を測定したところ、
脳腸相関を通じて急性期の
ストレス応答に関わる副腎交感神経活動を抑制していることがわかりました(図6)。また、HPA軸を通じて副腎
皮質より遊離されるストレスホルモンのコルチコステロンを抑制していることがわかりました(図7)。これら
抑制によりストレス感受性が低下し、負荷される精神的なストレスを感じにくくしていると考えられます。
図7.血中コルチコステロン量の抑制
()*(+%,'
図6.急性ストレス応答に関わる副腎交感神経抑制
ng
ml
CP2305
CP2305
* p <0.05
!"#$%#"&'
CRF
9
6
「プレミアガセリ菌CP2305」で発酵させた発酵乳(10 個/mlを含む)を
1ml×1回摂取。対照は発酵乳なし。
「プレミアガセリ菌CP2305」の菌末(6×10 個を含む)を16日間摂取。
対照は菌末を含まず。
3
3)
大脳後頭葉の血流変化
「プレミアガセリ菌CP2305」を摂取したストレスを自覚する成人の大脳後頭葉の血流変化を測定しました。摂取
期間前後において、大脳の血流を画像化して測定したところ、第8領域の血流量が有意に抑制されていることが
明らかとなりました
(図8、
図9)
。
この部位は睡眠や行動を支配すると考えられており、
「プレミアガセリ菌CP2305」
の摂取により、行動が穏やかになり、睡眠しやすい状態となる可能性が考えられます。
図8.大脳第8領域血流量画像
摂取前
図9.大脳第8領域血流量比較
摂取後
ml
*
100
* p <0.01
10
「プレミアガセリ菌CP2305」の菌末(1日あたり2×10 個を含む)を
3週間摂取
≪用語解説≫
*脳腸相関 腸と脳は自律神経系を通じて双方向の情報伝達を行いながら、
生体機能の恒常性を保っており、
この仕組みを脳腸相関
と言う。腸管からのシグナル伝達により中枢神経系の機能が調節されることも徐々に明らかになっており、腸内細菌
やプロバイオティクスは脳腸相関を通じて中枢神経系に影響を及ぼす因子として注目されはじめている。
*生体機能調節
薬剤や食事中の機能成分などが、体の構造や機能を変化させることで、体調を調節すること
*腸迷走神経求心枝
腸管を含む首から下にある内臓での知覚を脳中枢に伝える副交感神経のこと
*骨盤神経
脳中枢が大腸と膀胱の機能を調整するために使用する副交感神経のこと
*HPA軸
ストレスに備えるための重要な神経内分泌系で、視床下部から下垂体・副腎につながる体系のこと
*CRF
副腎皮質刺激ホルモン放出因子(Corticotropin-Releasing Factor)の略称。視床下部から分泌され、副腎皮質刺激
ホルモン (ACTH)を経由して、副腎からストレスホルモンであるコルチゾール(Cortisol)を放出させる。 「カラダにピース」
は、
カルピス株式会社の登録商標です。
「プレミアガセリ菌CP2305」
は、
カルピス株式会社の商標です。
4
Fly UP