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肺気腫~喫煙者の皆様、ご注意を!
薬タイムズ 第70号 第70号 大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター薬局 2006年 夏 肺気腫∼ 喫煙者の皆様、ご注意を! 当センターでは、2006年6月より「タバコ病外来」を開設しました。 「タバコ病」・・・タバコによって引き起こされる病気と言えば「肺ガン」が有名 ですが、「肺気腫」という病名を耳にされたことがありますか? 肺気腫とは? タ バコなどの有害な粒子やガスを吸い込み続ける と、肺にいつも炎症が起きている状態になります。慢 性の炎症によって肺胞がつぶれてくっつきあい、肺に 空気が たまって膨れ上がった状態になります。肺の 弾力がなくなって空気の出し入れがしにくくなり、膨 れ上がった肺組織が気道を押しつぶすため、空気の通 りが悪く なり、呼吸困難などを引き起こします。 ありふれた症状を見逃さないで! 健康であれば、咳や痰がいつまでも続くことはありません。 以前は軽々と上がれていた階段や坂がきつくなっていると要注意です。 まずは 禁煙 治療の第一歩 タバコを続ける限り、症状は確実に悪化します。肺 気腫は別名「タバコ病」と呼ばれ、患者の大部分が ヘビースモーカーです。 薬タイムズ 第70号 長年喫煙を続けると、ニコチンに対する身体的依存 と精神的依存が形成されます。 ニコチンパッチ(ニコチネルTTS) 禁煙補助剤 身体に貼ると微量のニコチンが持続的に吸収されて、身体がニコチンを欲 しがる「身体的依存」を和らげる事ができます。今年の6月から、条件を満 たせばこの薬に保険が利くようになりました。 当センターの禁煙外来で処方できますので、まずは主治医にご相談下さい。 肺気腫で使う薬 息切れなどの症状を軽くするのが目的です。 肺気腫では、呼吸困難のために身体を動かさなくなることで、呼吸のための筋力 などが低下し、さらに呼吸機能が低下する、という悪循環に陥ります。薬によっ て、この悪循環を断ち切り、進行を遅らせることが期待できます。 基本は気管支拡張剤で、副作用の少ない吸入薬が主体となります。 ● 気管支拡張剤 1. 抗コリン薬 ・・・ 副作用が少なく、使い続けても効き目が落ちません。 ・ スピリーバ カプセルに充填された粉末を、 専用の器具を使って吸入します。 1日1回の使用で効果がある、 長時間作用型の薬です。 ・ テルシガン ガス状の吸入剤です。 エアゾル 1日2∼3回使用する、短時間型 の薬です。 2. β(ベータ)刺激薬 ・・・医師の指示に従って使いましょう。 ・ セレベント 粉末の薬剤を専用の器具を使って吸入します。1日2回規則正しく 吸入することで、安定した気管支拡張作用が期待できます。 長時間型の薬。 ・ ホクナリン 身体に貼って薬効成分を皮膚から吸収させ気管支を拡張させます。 テープ 長時間型。 ・ サルタノール 短時間作用型吸入エアゾルで、速やかな効果が得られますが、 心臓などへの副作用がありますので、主治医の指示をしっかり 薬タイムズ 第70号 守ることが大切です。 3. テオフィリン製剤 テオドールやユニフィル、テオロング、 スロービットなどの飲み薬があります。 これらの薬は普段から規則正しく 服薬することで効果が得られます。 ● 気管支拡張薬以外の薬 去痰薬 痰がたまりやすく、細菌感染の原因ともなりますので、去痰剤を処方 されることが多いです。痰は飲み込まずにしっかり出し紙に包んで 捨てましょう。 吸入ステロイド剤 炎症を抑える効果のある 吸入ステロイド剤 を使う場合もあります。 この薬は喘息治療にもよく用いられています。 ★参考・引用 COPD情報ネット COPD-info.net (http://www.copd-info.net /index.html)