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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
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序(<特集>20世紀メコン・デルタの開拓)
高田, 洋子
東南アジア研究 (2001), 39(1): 3-9
2001-06
http://hdl.handle.net/2433/56770
Right
Type
Textversion
Departmental Bulletin Paper
publisher
Kyoto University
東南 ア ジア研究
3
9巻 1号
2
001
年 6月
(
特集) 20世紀 メ コ ン ・デル タの開拓
序
高
田
洋
子*
メ コ ンデル タの農業生産 力 は, フ ラ ンス植民地支配下 の 20世紀 前半 にか な りの発展 をみ た
が, 第 2次世界大戦後 は民族解 放闘争 か ら継続 した内戦 と国際紛争 の戦 火の中で, その潜在 力
は十分 に開花 されなか った。 その後,南北統一 が果 た されたベ トナ ム領 メコ ンデル タで は,一
元化 した権 力 の指揮 下 で組 織 的 な水利事 業 が遂行 され た。 そ して集 団化政 策 の失 敗 を経 て,
1
988年以 降 に,農業部 門 にお ける本格 的 な ドイモ イ (
刷新)政策 が施行 され,家族 を単位 とす
る農 業経営 - の復帰 と市場経済化 へ の移行 が容認 され るや, デル タの農業 は劇 的 に変化 した。
メ コ ンデル タ 100年 間 の農 業発展 を概 観 す る時,生産 力 の爆 発 的増大 をみ た世紀末 の 10年 間
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Mの時代 と並 ぶ第 2の画期 的時代 と位 置づ け られ るだ ろ う。
は, 20世紀 初頭 の =Mi
日本 で は,1970年代前半 に京都大学 東南 ア ジア研究 セ ンターを中心 と して, メコ ンデル タの
稲作 お よび農村社会 に関す る総 合的実地調 査 が組織 され た。 当時 の 『東南 ア ジア研究』誌上 に
は,デル タの地形 や土壌 ,水文,農業 に関す る優 れ た調査報告,関連諸分野 の論文 が次 々 と発表
された。 緊迫 したベ トナ ム戦争下 で行 われた実地調査 に基づ く一連 の諸研究 は, 自然 ・人文 ・
社 会諸科学 の様 々なデ ィシプ リンによ るアプローチを吸収 し, メ コ ンデル タ稲作社 会 の総 合的
研 究 を志 向 して いたよ うに思 われ る。1) とはいえ, 1960年代 を中心 と した アメ リカ人 によ る農
村社会 の研究 2)と同様 に, ベ トナム戦争 の終結 とと もにそれ らの取 り組 み は短 命 に終 わ った。
本特集 は,それか ら約 20数年後 に実施 され た臨地調査 3)に基 づ く,20世紀 メ コ ンデル タの農
業 開拓 に関す る共 同研究 の成 果 の一部 で あ る。1990年代 に入 ってベ トナム政府 は,対外開放政
策 の一環 と して,外 国人研究者 によ る農村調査 を少 しずっ認可 し始 めた。私 た ちの臨地調査 は,
*敬愛 大学 国際学 部 ;De
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] を は じめ とす る 『東南 ア ジア研究』第 1
2巻 2号 と第 1
3巻 1- 2号。
1)Takaya [
1
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2) Hi
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], Sans
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3] な ど。 これ らの文献解題 は村野 [
1
9
9
9]
。メ
コ ンデル タ開拓 史 と して は, 南部 ベ トナ ム人研究者 によ る SonNam [
1
97
3
], 仏領 コーチ シナ時代
の文献 ・史料 を用 いて社会経済 を論 じた Br
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1
9
9
5
] が代 表的 な基本文献。 植民地期 の上地
制度 と開発 は高 田 [
1
9
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9
8
4b]。
3)1
99
0年代 の メ コ ンデル タの現地調査 に基づ く研究 と して,管 見 の限 りで は, カ ン トー省 の- ウ河 口
然堤 防上 の農業 を地理学 の手法 で調査 した Kl
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Gnanou [
1
9
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6], 多角的農業推進 の
Tong Xuan and Mat
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8], と りわ
ための農学 お よび農業経済学研究 を ま とめた論文集 Voけ1
9
9
0年代半 ば にカ ン ト-省 において行 われ た農民 の家計調査 を基 に, 農村 の流動性, 農家経営ノ
3
東南 アジア研究
39
巻 1号
こうした時期 に, 1995- 1997年度文部省科研費補助金国際学術研究 [メ コ ンデル タ農業開描
の史的研究 (
課題番号 07041031)]の財政支援 を得 て,メコンデル タの歴史や農業研究 に関 わ る
日本 ・ベ トナ ム ・フ ラ ンスの専 門 家 チ ー ムを組 織 して実 現 した。4) 3年 間 の全調 査 概 要,
フィール ド・ノー トの記録,収集 デー タの一覧,報告論文等 は,
『メコン通信 』No.I-N0.6に
収録 されて い る。5)
私 たちの共 同研究 の 目的 は, 研究組織者 の一人 で あ る Nguyen Huu Chi
em (
ベ トナム国家
NguyenHuuChi
em 1
993:1
61
] に依拠 して,
カ ン ト-大学)が作成 したデル タの地形 区分 [
各地形 ごとに異 な るメコ ンデル タ農村 の多様 な諸相 を明 らか にす ることに置かれ た。 自然条件
に規定 された農村社会 の開拓史 を丁寧 に探求す ることを通 して,単調 に見え るデル タの農業社
会 が, それぞれに歴史的 に異 な る背景 を もつ諸地域 か ら構成 されて いることを明 らか に したい
と考 えた。 そ こで歴史学,農学,地理学,社会学等 の異 なるデ ィシプ リンを持 った共 同研究者
は, メコ ンデル タを構成す る重要 な地形上 の典型 的村落 を調査対象 に選定 し, それぞれの関心
あ る時期 と主題 を立 てて農業史 にアプローチ した。共 同研究 の各 サ ブ ・グループが注 目 した地
形 と村落 は,(I)海水 の浸入 す る低地 と砂丘微高地 が入 りくんだ海岸複合地形 と呼ばれ るメ コ
ン河下流部 の村落, (Ⅱ) デル タ西部 の氾濫原 と広大低地 のなかの村落, (Ⅱ) メ コ ン河 が複数
の支流 に分 かれ,潮汐作用 の影響 も被 るデル タ中央部 の村落, そ して (Ⅳ) デル タ周縁部 の排
水不良 の大洪水地帯 で硫酸酸性土壌 を含 み,今 なお開拓最前線 の村落, とい う 4タイプであ っ
た
。
率 直 に述 べて, これ らの事例 で 20世紀 メコ ンデル タ開拓 の全貌 を網羅 す るには不十分 で あ
る。 しか しなが ら, 4つの事例 は, それぞれ メコ ンデル タの異 な る地形 に規定 され た地域性 を
十分 に代表 す ると同時 に,本格 的開拓 が開始 された この 100年 の農業発展 の基本的特徴 も有 し
てい る。またそれぞれの論文 が扱 う時代,テーマ,対象 は,どれ も 20世紀 におけ るメコ ンデル
タの農業開拓 が内包 した極 めて重要 な諸問題 ばか りであ る。 各論文 の概要 を,次 に手短 に紹介
\
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の適正規模, 土地 な し農家 についての興味深 い分析が見 られ る Yamaz
akiand Duong Van Ni
[
1
9
9
9;2
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0
], また文化人類学調査 を ソクチ ャン省の村で行 った中西 [
1
99
8;1
9
9
9
], ア ンザ ン省 の
農業状況を論 じた出井 [
1
9
99
],最近 の農業状況 を調査 した野間 ・原 田 [
1
9
9
8] などがあ る。
4) 全 メ ンバーは, 研究代表者 :高 田洋子 (
千葉敬愛短期大学 ・後 に敬愛大学)
, 研究組織者 :桜井 由
身
弓雄 (
東大)
, 田中耕司 (
京大東南 アジア研究 セ ンター), 中村圭三 (
敬愛大), 河野泰之 (
京大東
n HuuChi
em (ベ トナム国家 カ ン トー大学), Pi
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南 アジア研究 セ ンター), Nguye
(
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。研究協力者 :Nguye
nDi
nhDau (ホーチ ミン市社会科学
評議会), Nguye
nQuoi(ホーチ ミン市社会科学院),大野美紀子 (
立命館大大学院生),松尾信之
(
東大大学院生),岩井美佐紀 (
一橋大大学院生),今村宣勝 (
東京外大大学院生)
,野 口博史 (
上智
大大学院生), 森絵里沙 (
上智大大学院生)
, 古屋博子 (
東大大学院生)
。 カ ッコ内は調査時 の所属
を示す。
5) 『メコン通信』千葉敬愛短期大学,敬愛大学国際学部高 田洋子研究室発行, No.1 (
1
9
96年 4月),
No.2 (
1
9
97年 3月), No.3 (
1
9
9
7年 7月), No.4 (
1
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8年 3月),No.5 (
1
9
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8年 7月)。No.
6(
2
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0年 1
1月) は, 3年間の成果 をまとめた調査報告論文 1
0編 を掲載す る。
4
高田 :序
す ることに したい。
高 田の第 1論文 は, クメール族, キ ン (べ 卜)族 そ して中国系混血 が住 む チ ャゲ ィ ン省 の砂
丘上村落 にお ける開拓 史 を取 り上 げ る。 同省 は,前述 の地形 区分 (Ⅰ) の海岸複合地形 を代表
す る。調 査村 はメ コ ンデル タの多民族 農業社会 の典型例 で あ る。 先住 クメール族 によ る砂丘上
の水 田耕 作 と地下水 を利用 した畑作 の実態,海岸低地 の開発過程 とキ ン族 の進 出に伴 う両民族
の関係史 が描 かれ る。 ここで は, フラ ンス植民地期 の公文書 や統計 か らみ るチ ャゲ ィンの農業
社会 が,現在 と異 な り,20世紀初頭 には相対 的 に豊 かで あ った可能性 が示唆 されて い る。また,
土地所有 に規定 され た複雑 な階層社会 が,植民地 支配 の終駕 と同時 に崩壊 して い った過程 が,
聞 き取 り調査 を基 に論 じられ る。
第 2論文 は,運河 の掘削 によ って開かれた- ウ河以西 の典型 的 なデル タ社会 を取 り上 げ る。
調査村 は, カ ン トー省西部 の地形 区分 (I
I) に位 置 して い る。 論文 の前 半 は氾濫原 の村 の開拓
史 を高 田が,後 半で は同地域 にお けるフラ ンス人農園 の開設 と撤退 の歴 史 を ブロシュが執 筆 し
た。 - ウ河以西 の いわゆ る トラ ンスバ サ ック地方 は,植民地経 営 の大黒柱 とな るコーチ シナ輸
出米 の重要 な生産現場 で あ った。広 大低地氾濫 原 の 「
新 しい村」 で, メ コ ンデル タ西部 に特有
のノ
不在大地 主制 が成立 して い く過程 とイ ン ドシナ戦争 中の混乱, フラ ンス人 の米作農園 が,新
生 ゴーデ ィンジェ ム政権 とフ ラ ンス政府 との政治 的交渉 を経 て,失 われ た過程 が明 らか に され
る。 周知 の通 り, ブロシュは フラ ンスにお け るコーチ シナ経済 史研究 の第一 人者 で あ る。
河野論 文 で は, メコ ンデル タの地形 と水文環境 に基 づ く 6つの類型 が提示 され, それ らの開
拓順位 が大胆 に考察 され る。 カ ン ト-省 の氾濫原上 の村落 での実態調査 か ら, ベ トナ ム共和国
期以 降 の 3つ の時期 ごとに,運河網 の発展 と農業 の多期作 ・集約化 の関係,農業制度 の変遷 と
農業生産 に与 えた影響 が検討 され る。20世紀 未 に実現 した農業生産力 の急上 昇,いわ ゆ る緑 の
革命 の背景 が,社会水文学 的視点 か ら議論 され る。
次 の 3論文 は,西 グ ァム コ川右岸 の タ ンア ン市 (ロ ンア ン省) にほ ど近 いキ ン族 の農業社会
9
5
0年代未 か ら 6
0年 代 にか けて アメ リカ
を扱 う。地形 区分 (Ⅱ)の東端 に含 まれ る調査村 は,1
の グループによ る社 会調 査が実施 された。
まず桜井論文 は, カ ィ ン- ウ村 6)の歴 史地理環境 と現代 の都市近郊村落 と しての特 徴 を述 べ
た後 に, ベ トナ ム北 部 の紅河 デル タ村落 で実施 した同様 の調 査票 によ る全戸調査 の集計結果 を
比較分析す る。 そ して,1
9
9
0年以降 の ドイモイ,市場経 済 の発展 のなかで, カ ィン- ウ村落 で
は紅河 デル タと同様 に稲作 の集約化,農業全域 の多角化 そ して非農業化 の現象 を加速 させて い
る, と述 べて い る。 また, 同村 の土地 な し層 を救済対象 と した タ ップムオイ平原へ の入植事業
6)Kha
nhHa
uはベ トナム南部ではこの表記が実際の発音に近いが, 執筆者によっては標準語風にカ
イ ン- ウ と も表 記 す る。
5
東南 ア ジア研究
3
9
巻 1早
の問題点 が指摘 され,未耕地 の開拓 よ り,人 々の都市型労働 -の移行 が今後 は進 むだろ うと,
筆者 は論 じる
。
大野論文 は, メコンデル タにおける農業 の集 団化 と解体 の実態 を, カ ィン- ウ村 での精力的
な聞 き取 り調査 か ら明 らかに しよ うと して いる。 生産集団 の編成 と労働調整 (デ ィウコ ン) の
実態が報告 され, Hendry報告 を援用 して集団化前後 の農業生産性 の変化 を検討す る。 また,
集団化」 の
集団化 が農家経済 に与 えた影響 につ いて,分析 している。 メコ ンデル タにお ける 「
時代 の実態 を窺 い知 るひ とつの貴重 な事例 を, この報告 は提供 してい る。
岩井論文 は, ドイモイ以降の稲作 の集約化 が もた らした雇用機会 の拡大 を背景 に,復活 した
農業賃労働 の差配 「チ ュム ・カイ」 の実態 を考察 して い る。 土地保有 の零細化 がすすみ,今や
カ ィン- ウの全 ての世帯 が農村 内の様 々な雑業収入 に依存 せ ざるを得 ない家計状況 にあ るとい
う。 この差配制度 の労働管理 や労賃 の支払方法 な どが報告 されたあ とで,差配 によ る仕事 の均
等配分 の原則, また雇用関係 に見 られ る温情主義 と差配制度 の重要性 が指摘 され る。
最後 に田中論文 は, デル タの周辺部 に残 された農業条件 の最 も厳 しい地域 (
地形 区分Ⅳ に含
まれ る) において,現社会主義政府 が推進 した国営農場 による開拓 の実態 を扱 う
。
タップムオ
イの葦 の平原, カマ ウ半 島の ウー ミンの森, カ ンボジア ・ベ トナム国境地帯 の残丘周辺 と西側
低地 は, フランス植民地時代 は人跡 未踏 の処女地 と して残 された。 その後 は, ベ トナム共和国
政府 によ って開拓民 が投入 されたが,激 しい戟 闘下 で農業耕作 は容易 に進 まなか った。集団農
業 の実験場 とされた開拓最前線 の入植政策 と, その諸問題 が明 らか にされ る。
冒頭 で触 れたよ うに,現時点 か ら見て,臨地調査 を実施 した 1995年 か ら 1
998年 は, ドイモ
イ政策 の広 が りによ って南部 ベ トナ ム社会全体 が大 きな社会変化 を経験 して いた直中 にあ っ
た。収集 した多 くの諸資料 の十全 な解析 には, さ らな る時間 と労力が注 がれ る必要 が あ る し,
調査者 の視点 が,時代 の制約 か ら自由であ ったか否か も問 われなければな らない。読者 の客観
的な ご批判 を仰 ぐことがで きれば,幸 いであ る。
最後 に,私 たちの調査 は個別農家 での直接 のイ ンタビューによる方法 を重視 したために,覗
地行政 当局 の許可 を得 るのが屡 々容易 でなか った。調査が行 き詰 ま ったそのよ うな時 に,調査
の学 問的意義 を理解 され,適切 かっ強力 な支援 を賜 ったベ トナム日本両国 の関係各位 の諸先生
方, またそれぞれの村 で調査 の便宜 を取 りはか らって下 さ った地方 当局 の方 々, そ して何 よ り
労働 の手 を休 めて聞 き取 り調査 の時 間 におっ きあい下 さ った農民 のみ な さん に対 して,調査
チームを代表 して心 か らの謝意 を申 し上 げたい。
引
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『東南 ア ジア研 究』
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