Comments
Description
Transcript
歯科インプラント
第21回「もしもし医学セミナー」 第 回 も も 医学 ナ 」 「歯科インプラント」 歯科・口腔外科:道 健一 歯科インプラントとは ∗ インプラント:身体 身 の中に植え込むこと →移植 移植 ∗ 歯科インプラント: 顎骨の中に人工の 歯(人工歯根)を植 えること 過去のインプラントと 現在のインプラントとは: 現代のインプラント1909年から。 現在のインプラント 1988年:NIH会議→実用的な方法と認定 1996年:アメリカ歯科医師会:5年評価成績発表 1989年頃から:日本の臨床治験 1997年頃→厚生省認可 現在の歯科インプラント 過去のインプラントは理論的に無理な方法です 過去のインプラントは理論的に無理な方法です。 現在のインプラントは科学的に確立された方法 ですから、適切な方法で治療をすれば自分の 歯と同じように使えます。 しかし、 どんな治療でも適切な方法で行わなければ成 ど な治療 も適 な方法 行わなけ ば成 功しません。 虫歯にはならないが歯槽膿漏になるので、手入 れも自分の歯と同じです。 れも自分の歯と同じです 歯科インプラントの成功率 成功率は100%ではありません。 文献的には95−100% NTT関東病院:10年間、540本の成績 NTT関東病院:10年間 540本の成績 難症例を含む) 生着率=97.8%(−12本)→再手術後100% 5年残存率=98 3%(−9本) 5年残存率=98.3%(−9本) インプラントが成功するための条件 1.インプラントが生着するための条件→生着率 1)創傷の治癒 )創傷 治癒 2)安静 3)感染予防 2.長持ちするための条件→残存率 1)負担軽減 2)歯周病予防 成功率を左右する因子 1.材料と方法 2.患者さん側の条件 患者さん側 条件 3.術者側の条件 1.材料と方法(1)構造、材料 多種多様→どれも確立された方法 ∗ 材料:チタン +各種表面処理(ヒドロキシアパタイトなど) ∗ 構造:シリンダ 構造:シリンダー型、スクリュー型 型、スクリュ 型 1ピース、2ピース 1.材料と方法(2)手術方法 →それぞれの特徴 手術回数:1回法と2回法 1ピース(歯冠と歯根一体) ピ (歯冠と歯根 体) 2ピース(歯冠と歯根分離) 1.材料と方法(3)メーカー 材料と方法( )メ カ 100種類以上 どれも一定以上の成績を上げて承認されている。 問題点 互換性がな 問題点:互換性がない。 選択の基準:信頼性、普遍性、価格 現在の主なインプラントシステム ∗ Brånemark system ∗ ITI system ∗ Spline system ∗ IMZ system 1.材料と方法(4)上部構造の種類 欠損歯数と人工歯根の数(負担軽減) ∗ 単独型=同数 ∗ 結合型=同数(1+1>2) 結合型 同数(1+1>2) ∗ ブリッジ型:欠損数>人工歯根 3:2(天然歯とのブリッジは不適) ∗ インプラント義歯(粘膜負担): 1顎:4本 顎 2 患者さん側の条件(1)全身の条件 2.患者さん側の条件(1)全身の条件 ①手術に耐えられる体力:循環器、呼吸器疾 患 手術に対する忍耐力など 患、手術に対する忍耐力など ②免疫力:糖尿病、易感染性宿主など ③併用薬内容:骨粗しょう症治療薬(BP)、ス テロイド、血液凝固阻止薬など 1 患者さん側の条件(2)顎骨の条件 1.患者さん側の条件(2)顎骨の条件 ④骨の性質:骨粗しょう症 ④骨 性質 骨粗 う症 ⑤ ⑤顎骨の形: 形 人工歯根の太さ(3-5mm)、 長さ( 長さ(8-18mm) ) 顎骨の厚さと幅 上顎洞との位置関係 下顎管との位置関係 1 患者さん側の条件(3)習癖 理解と協力 1.患者さん側の条件(3)習癖、理解と協力 ①咀嚼癖:咬合力、歯軋り、食習慣 負担軽減:1本の歯にかかる咬合力 ②治療への理解と協力: インプラントは歯周病になりやすい。 インプラントは歯周病になりやすい →口腔清掃と定期検診 義歯に耐えられるか:義歯タイプが可能か。 義歯に耐えられるか:義歯タイプが可能か ③環境要因: 経済的余裕はあるか。 経済的余裕はあるか (特殊なインプラントは健康保険の対象) 日程的余裕はあるか (半年 1年) 日程的余裕はあるか。(半年∼1年) 1.患者さん側の条件 (4)特殊な方法への要求は? ①特殊な方法:抜歯直後、切開なし、即時加重、 ①特殊な方法 抜歯直後、切開なし、即時加重、 無痛治療など。 不可能な症例はない。→難症例への対応 与える負担 リスク<得られる利益 与える負担、リスク<得られる利益 2 術者側の条件(1) 2.術者側の条件(1) ①施設:手術室 手術材料 消毒設備 ①施設:手術室、手術材料、消毒設備 ②人材(スタッフ):口腔外科、歯科補綴科(技工士 を含む)、歯周病科(衛生士を含む)の総合診療 2 術者側の条件(2) 2.術者側の条件(2) ③資格:歯科医師 標榜科名:歯科 歯科口腔外科 矯正歯科 小 標榜科名:歯科、歯科口腔外科、矯正歯科、小 児歯科 専門医 厚生労働省認可専門医(広告可能なも 専門医:厚生労働省認可専門医(広告可能なも の5つ) ∗ 日本口腔外科学会認定:口腔外科専門医 日本 腔外科学会認定: 腔外科専門医 ∗ 日本歯周病学会認定:歯周病専門医 ∗ (日本口腔インプラント学会指導医、専門医、 認証医?) 2.術者側の条件(3) ④診断能力?、技術力? ∗ 材料、構造、方法に対する考え方 ∗ 診断→治療法の選択、治癒阻害因子の除去 診断→治療法の選択 治癒阻害因子の除去 ∗ 技術:埋入窩の形成(骨との癒着・密着、形成 時の発熱) 植立部位 方向(垂直の力 水平 時の発熱)、植立部位、方向(垂直の力、水平 の力)、清掃しやすい設計 ∗ 偶発症の回避(外科の一般的能力) ∗ 難症例への対応能力 判断基準:実績 症例数、生着率、5年残存率 まとめ ∗ 現在のインプラント治療は科学的に確立された 方法です。 ∗ 不可能な症例はない。→難症例への対応 与える負担 リスク<得られる利益 与える負担、リスク<得られる利益 ∗ 自分の歯と同じに使えるが、 同じように手入れも必要。 ∗ Surgery is not only science, but also art(技) Surgery is not only science but also art(技) ∗ 患者さん側も術者側も。どんな治療でも適切な 方法で行わなければ成功しません。 方法で行わなければ成功しません