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ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE Title ブラシなし自励形サイリスタモータの特性 Author(s) 小山, 純; 原, 洋司 Citation 長崎大学工学部研究報告, (11), pp.13-20; 1978 Issue Date 1978-07 URL http://hdl.handle.net/10069/23919 Right This document is downloaded at: 2017-03-29T16:32:17Z http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp 1 3 長崎大学工学部研究報告第 1 1号 昭 和 5 3 年 7月 ブラシなし自励形サイリスタモータの特性 小山 純*.原 洋司* C h a r a c t e r i s t i c so fB r u s h l e s sS e l f e x c i t e dTypeT h y r i s t o m o t o r by J u nOYAMAa n dY o u j iHARA ( E l e c t r i c a lE n g i n e e r i n g ) ,thebrushlessself-excitedthyristomotori sd e s c r i b e d .Equitingt h er o t o rwith I nt h i spaper ad i o d eo r two d i o d e s and s u p p l i n gt h e motor with c u r r e n twhichc o n t a i n sh i g h e ro r d e r harmonics, t h eb r u s h l e s si sa c c o m p l i s h e d . C h a r a c t e r i s t i c so ft h et h y r i s t o m o t o ri nt h e s ee 玄c i t a t i o n m e t h o d s a r e a n a l y s e d,which i n d i c a t en e c e s s a r yparameterswitht h ehighl e v e l so fperformanceandg i v et h ee s t i m a t i o no f t h eSCRp e rt h e motorc a p a c i t yf o rt h ed e s i g no ft h es y s t e m .F i n a l l y,c a l c u l a t e dv a l u eo f 嗣 t h ec h a r a c t e r i s t i c sa r eshownt obei ne x c e l l e n tagreementwithmeasurede x p e r i m e n t a lr e s u l t s . 1 . まえがき する. サイリスタモータは,直流機の制御性および交流機 の堅牢さをかねそなえた可変速電動機として,産業界 で広く用いられている. サイリスタモータに用いる同期電動機は特殊ふん囲 < 2 . 1 > ダイオードによる自己励磁の原理 同期電動機の界磁巻線をダイオードを介して短絡し, 固定子巻線に高調波成分を含む交流電流を流すと,界 気中で使用が可能で保守が容易なブラシなし構造のも 乙鎖交する磁束が時間的に変化するために,誘 磁巻線 l のが望ましく,通常ランデル形あるいはインダクタ形 導起電力が発生する.この起電力はダイオードによっ の同期電動機が用いられている.しかし,励磁回路の て整流され,結果として,界磁巻線には鎖交磁束数の 磁路が複雑で大きな励磁電力を必要とし,かつ電動機 変化をさまたげるような電流が流れ,界磁の自励を得 す法が大きくなるという欠点がある. ブラシなし構造の周期電動機として,永久磁石形や ることができる.第 1図に解析で取り扱う種々の回転 子構造を示す. リラクタンス形の周期電動機があるが,それぞれ過負 荷時の減磁,低力率等の欠点があり,それらの適用は < 2 . 2 > 解析に際しての仮定 小容量機に限られている. ( 1 ) 電機子巻線ならびに界磁巻線の抵抗分は,回路リ 筆者らは,サイリスタインバータの出力電流に含ま れる高調波成分を有効に利用しかっ特性のすぐれたブ ラシなし自励形サイリスタモータの開発を目的として 研究を進めてきた. 本稿では,その一環として,各種構造の回転子をも アクタンスにくらべて十分小さい. ( 2 ) ダイオード,サイリスタ導適時の順電圧降下を無 視する. ( 3 ) 電機子巻線に流れる電流は,第 2図に示すような 振幅 I dの矩形波とし,重なり期間を無視する っブラシなし自励形同期電動機と強制転流電流形イン ノイータを組合せた場合の励磁特性,負荷特性について 解析および実験によって検討したのでその結果を報告 昭和 5 3 年 5月1 3日受理 *電気工学科 < 2 . 3 > ニ軸励磁方式 1 ) 第 3図に二軸励磁方式のブラジなし自励形同期電動 14 ブラシなし自励形サイリスタモータの特性 1・ 機の解析モデル図を示す. !・ ここで d d Lfd, Lfq :d軸及びq軸界磁巻線のインダク タンス (a) Reluotaねce motor− (b) type 』 excita七ionrtype Salienセーpole d−axi電 q Mafd, Mafq :固定子巻線とd軸,q軸界磁巻 ifd(t), ifq(t) :d軸及びq軸界磁巻線の電流 λfdM :d軸界磁巻線の最大遠交磁束数 線との相互インダクタンス q .〔郵 d d 2fqm 二q軸界磁巻線の最:小室交磁束数 la :固定子巻線の漏れインダクタンス LaO, La2 :単相定数で表わした固定子巻線の インダクタンス (c) (d) Cy工indrical q−axis exci七ation−type Cyユindrical tWo−axes eXcitation−type LdgLq :三相定数で表わした直軸及び横軸 インダクタンス r 2.3.1界磁巻線に保持される磁束 いま,0。≦ωt≦60。の期間を考える.第2図に示 すように,この期間においては固定子のa相巻線から b相巻線に一定の電流Idが流れている.したがって, 固定子電流によらて作られd軸界磁巻線に鎖交する 磁束は》一≡「Mafd Id cos(θ一30。)となる.ただし・ (e》 3−Phase θ=60。+δ一ωtである. excitation−type d軸界磁巻線に直列に挿入されたダイオードは,鎖 Fig.1 Rotor types 交する磁束の最大値λfdMを保持するように動作する 「樽 ので,d軸界磁回路に対して次式が成り立つ. 工d ⑭t ia(t} 1 60。 λfdM=Lfd ifd(t)十》一3−Mafd Id cos(θ一30。)(1) 】200 .」800 故に i,d(,)一λ・dM」3M・fd l、。。、(θ一3・・) ib(t) (2) Lfd Lfd 180。 重 ここで 2fdM=4TMafd Idμd .ic(t) (3) とおけば,μdは次のような値になる. 】80。 1) 一1800≦δ≦一30Q μd =cos(δ→一300) 5 F三9.2 waveforms of stator current 2) 一300≦δ≦300 μd =1 1 a 3) 300≦δ≦1800 μd =cos(δ一300) 一方,q軸界磁巻線に直列に挿入されたダイオード は,d軸界磁巻線とは逆方向に接続されており, q軸 φ.q 6 60。 界磁巻線に鎖交する磁束の最小値λfqmを保持するよ うに動作する.したがって,q軸界磁電流は次のよう 9 ゆ 寿↓ に書ける. 、 怨・五L遭 i,,(,)〒一璽+》3M・f・1、、i。(θ一3・・)(4) Lfq Lfq また ← ’ ifd〔t) b1 、¢ ノ Fig.3 \ λfqm=》3Mafq Idμq (5) とおけば,μqは次のような値になる. Brushless self−excited type synchronous motor two−axes excited method 1) 一180≦δ≦一1200 μq==sin(δ十300) 小 山 2). 、一1209≦δ≦r600 μq=一1 3) 一 600≦δ≦;goo μq=sin(δ一300) 4) goo≦δ≦;1800 μq二sin(δ十300) 純・原 15 洋.司 L・一1・+書(L・・+L・・)・L・一1・+暑(L・・一L・・)・ L6自L・一書齋,L6三玩一如 したがって,Q。≦ωt≦60。の期間における.eab(t) 2.3.2 固定子巻線に鎖交する磁束 固定子の.a相巻線の磁束鎖交潮λa(t)は,0。≦ 碗≦60。の期間において次のように書ける. の平均値δd.(インバータの直流入力電圧)は次式と なる. 恥÷∫:o』・(・)d(ω・) 1∼σ(t)={la十LaO十La2cos2θ}Id 一{与+L・・…2(θ+6・.)}1・ 一要(Ld−La)ω1・μ、・量・δ一薯(L・ +、Mafd ifd(t)cosθ一Mafq ifq.(t)sinθ (6) また,(2},(4),(6)式より 庵(・)一{』+蕃』・一£.二一熱 一L6)ωIdμ,…δ +3》z(L6一%)ω1・・i・1δ. +》3(』・竜薯+漂紗 =KaωLd Id α1> ただし ・・i・2(θ+3・・)}1・ 六三(1_唾 Ld)μ己・三・δ +¥lldえ・dM・1・θ+塾・・m・i・θ(7} 一薯(景 一面),,…δ また,b相及び。相巻線の磁束鎖交数λb(t), λc(t)はつぎのように書ける. λ・(・)一+暑玩・一二瀞一号¥聾 3》一i「 (LaL6Ld Ld)・i・2δ 十 (1鋤 π +》丁(Lゑ・一画響1・’+躊・)・ <2.4> 三相励磁方式2) ・si・・θ}1・ 第4図に三相励磁方式のブラシなし自励形同期電動 機の解析モデル図を示す. +撃1奮λ・dM・6・(θ+・2・.) 1 +¥穿λ・・m・i・(θ+・2・う (8) あ(・)一一》丁{妬・÷壽+躁}・ ●sin2(θ十600)Id Mafd えfdM cos(θ十240。) 十 Lfd +鷺qλ・・m・i・(θ+24㏄) (9) 0。≦ωt≦60。の期間におけるab巻線間端子電圧 eab(t)は, d{λa(t)一λb(t)}/dtで求められ次のよ うになる. ・・b(t)一2ω(%一L6)ld・in2(θ一30。) 千2ω(Ld−L6)ldμd・i・(θ一30.) Fig.4 Brushless self−excited synchronous motor in 3−phase excited method ここで ear(t), ebr(t), ecr(t):回転子巻線の誘導起電力 一2ω(Lq−L旨)Idμ,…(θ一30.) ⑩ ただし IMar :眉定子巻線と回転子巻線の 相互イン.ダクタンス 16 ブラシなし自励形サイ・・リスタモータの特性 LrO ;回転子巻綜のインダクタン 1r ab及びac巻線端子間に挿入されたダイオードは 全区間にわたって導通しており,ibr(t), icr(t)が最: ス :回転子巻線の漏れインダク 少になる瞬間に⑱うオフとなる.すなわち,ibr(t), タンス1 icr(t)の最少値は零となる.「この条件より,λab,λac :回転子巻線の電流 が求まり,これを⑬,α賦に代入すれば,ibr(t), :固定子巻線のインダクタン icr(t)は次のように書ける. ’三ar(t), ibr(t), icr(t) L紅s ス :三相定数で表わした固定子 上s,:Lr ’・・(・)一》‘3聖1・.{μ・・一…(θ+3・.)} ⑳ 及び回転子の・インダクタン ’・・(・)一》語序「1・{μcr一・i・θ}. ス (21) ただし 2.4.1回転子巻線に保持される磁束 一1800≦δ≦一goo 0。≦ωt≦60。の期間には,回転子回路に関して次式 が成り立つ. 一 300≦δ≦1200 、e・・(・)一÷富M・・1・・br(θ一3・ら +÷画(・) 1200≦δ≦1800 ⑬ ・b・(・)一二》TM・・1・…(97・5・ら 一÷L・i・・(・) 圓 一1800≦=δ≦ニー1200 μb。一一・inδ μb・〒1 μb.一…(δ+30。) .μb。一一・inδ 、μcr一・inδ −1200≦δ≦300 μcr=sin(δ十600) 300≦δ≦(goo μcr=1 goo≦δ≦1800 μcr一・inδ である. 魔(・)一筆÷晦1・…(θ+96・) 「呈一L・i・・(・) −90。≦δ≦一30。. (15) 2.4.、2 固定子巻線に鎖交する磁束 0。≦ωt≦60。の期間たおいて,・’固定子のa相巻線 ただし θ一6・・+δ一ωちし・一1叶÷・L・・. i巨士(t)==ibr(t)→一icr(t) いま,回路の抵抗分が無視しうるものとすると,ab 及びac巻線端子問に挿入きれているダイオードは全 周期にわたって導通していると考えられるため. ear(t)一ebr(t)=・0, ear(t)recr(t)=0となり次式が の磁束鎖芝蝦λa(t)は次式と,なる. λ。(t)』{1。+L。。}ld温{L。。 c・・(一i20。)}ld 十Mar iar(t)cosθ一Mar ibr(t)cos(θ一120。) 一Mar icr(t)cos(θ十120。)1 伽 ・囲式に,iar(t)一ibr(t)+icr(t)、と,⑳,(21}式を代入す れば 2 2 庵(t)十一甚警+・警{・玩…(θ+・併) 成り立つ. λab=3Mar Id cosθ十Lr{2ibr(t)十icr(t)} (16) +騨鋤}〕1・ (23) λac=3Mar ld・sin(グ十30。)十Lr{lb髪(t)十2icr(t)} となる.ただしLs=la+3Las/2 ここで,λab,1λacは積分定数であり?物理的には回 また,b相及び。相巻線の磁束鎖交数λb(t), 転子巻線に保持される鞘交磁車数を表わす・ λc(t)はそれぞれ α6),、(17)ヰよ・り’ 2 2 i・・(・)』話「(2h・=諭 ・λ・(・)一一 m藷+3警{μ謬(θ一3併) +卿}〕1・ (2の +》T聖1・・’・(θ一60.) α紛 M2 茸曙(・)r.澁(2λac一ゑ・) λ・(・)一3r謬1・{…si・θ+μcr si・{θ一60.)}備) したがって,0。≦ωt≦60。の;期間におけるab巻線間 イr警.1・・’・θ ’⑲ 端子電圧eab(t)は次式となる. 小 山 純・原 17 洋 司 T一勇ld−K。 L、1乙 圃 ・・b(t)一2》一r(L・一L6){μb, sinθ +μcr si・(θ一60。)}ωld (26) ω すなわち,どちらの方式も一定のインバータ直流電 流を流した場合得られるトルクTは,Kaに比例す 幽ただし,L6−L,一3嶋/2L・ る.したがって,Kaはできるだけ大きいことが必要 故に,0。<ωt<60。の;期間におけるインバータの直 である. 流入力電圧の平均値免は次式となる. 600 乾一⊥ 。。b(・)d(ω・) ∫ <2.6> 回転子の種々のタイプに対するKa π 0 第6図に種々の回転子に対するKaの数値計算結果 6》弄(L・一L§)ω1・{㌔・i・(δ+3㌍) を示す.第6図より,リラクタンスモータにくらべて, かなりめ高調波励磁効果が得られることがわかる. e7> +μ。,sin(δ一30。)} 1.2 =KaωLs Id / 、も ここで 。!プ 塩一6 Xa /簡\〔d} q( :L/1__s Ls){μ評(δ+3㌍) /,‘、 ,’、 A ’ ’ // ’ +μcr si・(δ一30.)} 姻 満て\ 〃義…・ \\\ ’ 0 鞠 ・8 弓〉\>4 .躍艀90_y肥 <2。5> トルク 第5図にブラシなし自励形サイリスタモータを示すご ・ ♂ \ , へ }醒 、 覧、一’ T】 T2 写3 @ Cg cロ {b}S・二1i・見t−P。エ・d一・xi・e・cit・セi。・一セyp・ くしd「=G.2LdρLq=o.6L己} {c)Cyエi・d・icaユセw。一axe5・x・itaセi。n一セyp・ c。 c2 P3 {d, Cylindrical q−a塞is excitationrヒyp邑 σ≧qaLd,Lq「=0。】1β, (01 3一phasa excitδtion−type 〔L5㌔50.4L5} {Ld’=Lq’=Q.】Ld} 5調 テd e己 覧 ’ 、 「 一L2 、 ’ 、 ’ 、幽P 〔a}Reluctan¢e motor−typ巳ILq匿0.6Ld, R巴。. Lp →工己 ユ・v. 冊 、、 ’㌧ Fig.6 Calculated values of Ka 口5 P5 @D 5.三流コンデンサ電圧 Q 口6 このブラシなし自励形同期電動機は,固定子電流の 瓶_Oontro1 嚢暫Conヒτo↓ Voエヒ09鰐一Co“七τo瓦 ⊂onヒro1−1塊5tr騙ct↓0跳 遅れ分で界磁の自励を得るために,強制転流形インバ ータを用いる必要がある.そして種々な回転子に対す る三流コンデンサ電圧は,それらに対して必要なサイ Fig.5 Brushless self−exc量ted type synchronous リスタ容量のめやすを与える.以下下流コンデンサ電 motor 圧を求める. いま,第5図のサイリスタT6に点弧信号が与えら 転流期間が非常に短かく無視しうるとすると,定常 れ,サイリスタT5からT6への転流が行なわれる 状態において次式が成り立つ. 期間を考える.この期間における等価回路は,第7図 Ed一颪+(2・a+・F)ld ⑳ のようにかける.この二流期間において二つのモード ただし,raは一相の固定子巻線の抵抗分, rFは平 が考えられる. 滑用リアクトルの抵抗分である. (1)モード1(単流期間) また,先に求めた二軸励磁方式における軸は 前サイクルの終りにおいて,コンデンサCに第7 蕗=KaωLd Id (3① 図のような極性の電圧Uc(0)が充電されている.い であり,ブラシなし自励形サイリスタモータのトルク ま,サイリスタT6に点弧信号が加えられると,サイ Tは次式となる. T一三LK。L、1乙・ 幽(31) リスタT5にはUc(0)の逆バイアスがかかり,サ イリスタT5が消弧する.またダイオードD6には, ω Uc(0)と電動機固定子のbc巻線間端子電圧eb6(t) また,三相励磁方式においてのトルクTは次式と の和の電圧Uc(0)+ebc(t)がかかり逆バイアスとな なる. る.したがって,インバータ直流入力電流Idは,サ 18 ブラシなし自励形サイリスタモータの特性 i にかかる電圧が1頃バイアスとなり,固定子のb相及 ’a dorご び。相巻線を電流が流れる重なり期間になる. 脚 ㌔ω 1) 二軸励磁方式 モード2期間中においても,d軸及びq軸界磁巻 、 8 線に保持される鎖交磁束数は不変である.そして,ebc ぼ \ カ 、 \// (t)は,転回の継続時間が非常に短かく,この期間に おける回転子位置の変化が無視しうるとすれば,次の ように書ける. ebc(t)=ebc−2ω(La−L6)sin 2δ{ib(t)十ld} .決・・, /c b \ D6 P・・ ・・ D5 +{L6+L6《L6−L6)…2δ}一岳i・(・) ㈱ コンデンサ電圧Uc(t)は,モード2の初まりt=0 において,Uc(0)=ebcであるから次のように書ける. Uc(O) v〔÷i・(・)砒 (3窃、 十 恥α)一 一→ uc(ゼ) モード2期間中において,ebc(t)一Uc(t)であるか 四06 ら(認),(39式を,初期値ib(0)一一Idで解くと次の結 Fig.7 Equivalent circuit of commutation−mode イリスタT1→ダイオードD1→a相巻線→b 果が得られる. i・(・)一一1・醒・{…β…牙・i・β・}忽① 9(・)一一∫:i・(・)d・一二1・麟㎞βト2ω(La− 相巻線→ダイオードD5→乱流コンデンサC→ サイリスタT6の回路を通って流れ,コンデンサ電圧 L6)・ld・in 2δ+2ω(La一 L6)・1・・i・2δ評・{…β・ Uc(t)は,初期値一Uc(0)から直線的に増加する. 。。(・)__U。(0)+.亙・ ㈱ C モード1期間は,Uc(t)がebc(t)に等しくなるま で続く.いま,モード1の継続時間をτ1とし,この τ1が非常に短かく,この期間申のebc(t)の変化が無 一一 (41) ただし ω(La−L6)・in 2δ α= 視しうるとすれば,τ1は近似的に次式より求まる. 1生。、_U。(。)≒。bc G4) 翌堰Eβ・} β= La+L6一(La−L6)…2δ ]。{L6羊L6一(1La−L6)_2δ「㎡ C ただし,ebcはωt=60。すなわちθ一δの時の電 圧である. 二軸励磁方式においては, ・b・一2ωld{(Ld−La)μd…δ+(LザL6)μq sinδ モード2期間は,固定子のb相電流が零になった 瞬間に終り,転流が完了する.したがって,転流完了 時のコンデンサ電圧をUcMとすると, U。M一,b。+q(τ・) +(L6−L6)・in 2(δ+30。)} ㈲ 三相励磁方式においては, ・b・一2》一…「(L・一L6)ωld{一μb, si・(δ一60。) +μcr si・.(δ+60.)} (調 となる. なお,サイリスタT5の逆バイアス時間をτoとす ればτoは次式となる. ・・三 ?・(・) 爾 C =2ω1・{(Ld−La)μdcosδ+(LザL6)μq slnδ +(L6−L6)・i・2(δ+3・ら}+野晒・i・β・2』 一2ωld(L6−L6)・i・2δ (42 となる.なお,τ2はモード2の継続時間を表わし, 次式より求まる. ・・一 ?E・ヒ・(αβ) (43} (2)モード2(重なり期間) 2)三相励磁方式 Uc(t)がebc(t)に等しくなると,ダイオードD6 この方式においても,モード2期間中の回転子巻線 19 洋.司 純・原、 、小 山 に保持される臨交磁束数は不変である.ebc(t)は,転 LdC言1×10−6 ωo==2兀x50 三期間中の回転子位置の変化を無視すれば,次式とな 5 Ld儒■s . !.!ニ る. ・b。(・)一・b・+(一L・+・L≦)÷i・匿(・) (4の 4 また,モード2期間中はダ次式が成り立つ. t U・(・)一・焼一÷∫。三・(・)d・ (4励 竈3 憲 言、 / (441,㈲式を初期条件ib(t)=一Idで解くと, ib (t) 篇一 Id cos β t (46) ] 轣Fi・(・)d・箒曲β・ (47) ・(・)一一 O となる. 0 20 40 ’ 60 80 〔Hz1 .ただし Quゼput freque捻cy of i慨ver七er β一ゾ。( 1−L,+3L三) (a)Reluctance mo七〇r−type(Lq詔0.6Ld,δ呂45。) (b} Sailient−pole d−axis excita七iQn顧type (Ld「冨Q.2Ldr すなわち,安定な転流が可能であるためには,一Ls 工q目0.6Ld 88=60『,} (c) Cylindrica工 two−axes excitatioローtype (乙d「3L∼ゴ置O●ユLdρ 8=30。) +3L’s>0であることが搭要で弟る・ {d)C¥1i嘘ical q一・xi・ex・it・もi。真一七yp・(Lq=Ld,Lq’訟b.鞍,. 転流完了時のコンデンサ電圧UcMは (≒)3−phase excitati。n−type(Ls呪=0.4Ls,8=60・) U。M−2》一≧「(L・一L‘)ω.ld{一μ、, si・(δ一60.) δ壽30。) Fig.8 Normalised voltages of commutation− condenser +μcr si・(δ+6・・)}+誰・i・β・2 ㈹ となり,τ2は次式となる. \ τ=丑 (49 LdC蹴】×]0−6 ∼ 2 2β 醸 以上,転回期間が非常に短かく期間中の回転子位置 心… ユ0 の変化が無視しうるとして転流コンデンサ電圧を求め 、 た。第8図に種々な形め回転子による転流コンデンサ 竃 へ 電圧の数値計算結果を示す.また・サイリスタの電犀 容量はPcMに比例し,電流容量はIdに比例する・ したがって,k一(UcM Id/ωT)は電動機容量に対 し必要なサイリスタ容量のめやすを与える.第9図に kの数値計算結果を示す.第9図より,リラクタンス む 書 考 書’5 “ Ld『工S’ \ \ミ、 \ \ 、《 図 モータ等にくらべて,円筒q軸励磁方式,三相励磁 慌ドここ 方式の場合,サイリスタ容量が約1/2程度になる. 4.実験結果の検討 強制転流電流形インバータとブラシなし自励形同期 。 0 20 40 .60 80 【Hzエ 電動機を組合せ,サイリスタモータとして運転した場 Ou七pu七f竣equency of in▽er七er 合の実験結果を示す.なお,実験回路は第5図に示す 通りである.本実験機は,1.1kw,200v,4.5A,60 (a) Relucta臆ce motor−type (L(三竃O.6Ld,6、冨450} (b) Sailie疫t−po工e d−axis e×citatio漉一七ype (Ld’嵩O.2二d, HZ,1700rpm,4極め巻線形三相誘導電動機を用いた. Lq濡0.6Ld,8コ600} 次に本電動機の諸定数を示す. δ躍3Q。》 la=0.012H, LaO=Las=0.059H,. La2=』O ず=30。} (e, 3−phase excitation−type (Ls’漏O。4Ls,6㌧=600》 Ld−L,一L・一〇.101H・L6−L6−0・007H (c}Cylindricaユtw。一a窯es excita七i。n一七ype(L♂冒しq7鴇0、!Ld, ld)Cyli・d・ical q−a・i・・翼・it・ti。・一セyp・(Lq・Ld,Lq9・04璃 Fig.9 Calculated values of k 20 ブラシなし自励形サイリスタモータの特性 方式とは,その特性曲線はほとんど一致している. <4.1> Ka一δ特性 回路定数をCo=20μF, LF;313mHとし,回転 Ioo 数NをパラメータとしたときのKa一δ特性曲線を 一〇一Cyli自改rical d−axis exciヒaヒi。ロ 第10図に示す.第10図(a)は,本稿で定義した円筒 婁 \. 一X− 3噂oha5巳 excLt:員t三〇ロ Ka’ ㌃1\ ’= 1珊 薯 ぼむ 嘉::: .\、 喜 喜 畳 ユ200 」000 BOO エd(A) 1・・ 600 0ゆ8 】000. 】200 9 0の4 一;8・・一]50・一120・‘一9。・一600−30。 。 30。 6G’ 9G. !20。 j5。9180’ 細× ’8 _、 ノ 転 (4} 工d o 囎 2;o :1豊 “ ゴ… 。 O J 2 3 4 5 6 しも ロロユ 胆。とque①{N一厳} Fig.11 Lord characteristics(Experi魚ental ll: L2 ll…1 o。8 騨}1器 0.4 results) 5.あとがき 以上,各種構造の回転子をもつブラシなし自励形同 .1、。.1,。・.1、。・一9、・燗・.、。・G,。・、、。9。.、、四1一志 8 ‘b, Fig.10 Ka一δcharacteristics(Experimental results) ;期電動機と強制転流電流形インバータを組合せ,サイ リスタモータとして運転した場合の特性について理論 的,実験的に検討した. その結果,円筒形q軸励磁方式あるいは三回励磁 形q軸励磁方式を90。反回転方向にずらした,いわ 方式を用いれば,リラクタンスモータより大きなトル ゆる円筒形d軸励磁方式であり,同図(b),は,三相 クが得られ,かつ転流コンデンサ電圧も低くなるので, 励磁方式である。第10図(a),(b)とも,0。<δ〈180。 インバータ容量を低減できることが明らかになった. の範囲で正方向に回転し,oc>δ〉一180。の範囲で逆 しかしながら,これらの励磁方式によって得られる 方向に回転した.第10図(a)の曲線を90。左へ移行さ 力率は約50%程度であり,かつ自己始動が困難なため, せれば,第6図の(d)と形状がほぼ一致し,第10図 実用化に際しては何んらかの他の励磁方式たとえば永 (b)も第6図の(e)と形状がほぼ一致することがわ 久磁石方式との併用が必要と思われる.この場合,過 かる. 負荷時の永久磁石の減磁をダイオードの作用により押 しかし,回転数が多くなると,すなわちインバー・タ えることができるという利点があり,それらの特性に 出力周波数が高くなるとKaの値が低下し,かつ正回 転の場合,δが正の方向にずれる.これは,インバ ータの出力周波数が高くなると転流期間が無視しえな ついては,別の機会に報告したい. なお,常々御指導を頂いている九州大学工学部野中 作太郎教授に感謝の意を表する. くなり,二流が完了する前に回転子位置が移動するた めと思われる. 参 考 文 献 1)小山,野申:昭和49電気学会全国大会517 .一 モS.’2> 負荷特性 第11図に,ブラシなし自励形サイリスタモータの負 荷特性曲線を示す.円筒形d軸励磁方式と三相励磁 2)B.J. Chalmers, A. L. Mohamadein, A・C・ Williamson:PIEE, Vol.121, No.12, Dec.1974, p1505∼1512