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ブラシなし自励形サイリスタモータの特性

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ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
Author(s)
小山, 純; 原, 洋司
Citation
長崎大学工学部研究報告, (11), pp.13-20; 1978
Issue Date
1978-07
URL
http://hdl.handle.net/10069/23919
Right
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http://naosite.lb.nagasaki-u.ac.jp
1
3
長崎大学工学部研究報告第 1
1号 昭 和 5
3
年 7月
ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
小山
純*.原
洋司*
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.
1
. まえがき
する.
サイリスタモータは,直流機の制御性および交流機
の堅牢さをかねそなえた可変速電動機として,産業界
で広く用いられている.
サイリスタモータに用いる同期電動機は特殊ふん囲
<
2
.
1
> ダイオードによる自己励磁の原理
同期電動機の界磁巻線をダイオードを介して短絡し,
固定子巻線に高調波成分を含む交流電流を流すと,界
気中で使用が可能で保守が容易なブラシなし構造のも
乙鎖交する磁束が時間的に変化するために,誘
磁巻線 l
のが望ましく,通常ランデル形あるいはインダクタ形
導起電力が発生する.この起電力はダイオードによっ
の同期電動機が用いられている.しかし,励磁回路の
て整流され,結果として,界磁巻線には鎖交磁束数の
磁路が複雑で大きな励磁電力を必要とし,かつ電動機
変化をさまたげるような電流が流れ,界磁の自励を得
す法が大きくなるという欠点がある.
ブラシなし構造の周期電動機として,永久磁石形や
ることができる.第 1図に解析で取り扱う種々の回転
子構造を示す.
リラクタンス形の周期電動機があるが,それぞれ過負
荷時の減磁,低力率等の欠点があり,それらの適用は
<
2
.
2
> 解析に際しての仮定
小容量機に限られている.
(
1
) 電機子巻線ならびに界磁巻線の抵抗分は,回路リ
筆者らは,サイリスタインバータの出力電流に含ま
れる高調波成分を有効に利用しかっ特性のすぐれたブ
ラシなし自励形サイリスタモータの開発を目的として
研究を進めてきた.
本稿では,その一環として,各種構造の回転子をも
アクタンスにくらべて十分小さい.
(
2
) ダイオード,サイリスタ導適時の順電圧降下を無
視する.
(
3
) 電機子巻線に流れる電流は,第 2図に示すような
振幅 I
dの矩形波とし,重なり期間を無視する
っブラシなし自励形同期電動機と強制転流電流形イン
ノイータを組合せた場合の励磁特性,負荷特性について
解析および実験によって検討したのでその結果を報告
昭和 5
3
年 5月1
3日受理
*電気工学科
<
2
.
3
> ニ軸励磁方式
1
)
第 3図に二軸励磁方式のブラジなし自励形同期電動
14
ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
1・
機の解析モデル図を示す.
!・
ここで
d
d
Lfd, Lfq :d軸及びq軸界磁巻線のインダク
タンス
(a)
Reluotaねce motor−
(b)
type 』
excita七ionrtype
Salienセーpole d−axi電
q
Mafd, Mafq
:固定子巻線とd軸,q軸界磁巻
ifd(t), ifq(t)
:d軸及びq軸界磁巻線の電流
λfdM
:d軸界磁巻線の最大遠交磁束数
線との相互インダクタンス
q
.〔郵
d
d
2fqm
二q軸界磁巻線の最:小室交磁束数
la
:固定子巻線の漏れインダクタンス
LaO, La2
:単相定数で表わした固定子巻線の
インダクタンス
(c)
(d)
Cy工indrical q−axis
exci七ation−type
Cyユindrical tWo−axes
eXcitation−type
LdgLq
:三相定数で表わした直軸及び横軸
インダクタンス
r
2.3.1界磁巻線に保持される磁束
いま,0。≦ωt≦60。の期間を考える.第2図に示
すように,この期間においては固定子のa相巻線から
b相巻線に一定の電流Idが流れている.したがって,
固定子電流によらて作られd軸界磁巻線に鎖交する
磁束は》一≡「Mafd Id cos(θ一30。)となる.ただし・
(e》
3−Phase
θ=60。+δ一ωtである.
excitation−type
d軸界磁巻線に直列に挿入されたダイオードは,鎖
Fig.1 Rotor types
交する磁束の最大値λfdMを保持するように動作する
「樽
ので,d軸界磁回路に対して次式が成り立つ.
工d
⑭t
ia(t}
1
60。
λfdM=Lfd ifd(t)十》一3−Mafd Id cos(θ一30。)(1)
】200 .」800
故に
i,d(,)一λ・dM」3M・fd l、。。、(θ一3・・)
ib(t)
(2)
Lfd
Lfd
180。
重
ここで
2fdM=4TMafd Idμd
.ic(t)
(3)
とおけば,μdは次のような値になる.
】80。
1) 一1800≦δ≦一30Q μd =cos(δ→一300)
5
F三9.2
waveforms of stator current
2) 一300≦δ≦300 μd =1
1
a
3) 300≦δ≦1800 μd =cos(δ一300)
一方,q軸界磁巻線に直列に挿入されたダイオード
は,d軸界磁巻線とは逆方向に接続されており, q軸
φ.q
6 60。
界磁巻線に鎖交する磁束の最小値λfqmを保持するよ
うに動作する.したがって,q軸界磁電流は次のよう
9
ゆ
寿↓
に書ける. 、
怨・五L遭
i,,(,)〒一璽+》3M・f・1、、i。(θ一3・・)(4)
Lfq Lfq
また
←
’ ifd〔t)
b1
、¢
ノ
Fig.3
\
λfqm=》3Mafq Idμq (5)
とおけば,μqは次のような値になる.
Brushless self−excited type synchronous
motor two−axes excited method
1) 一180≦δ≦一1200 μq==sin(δ十300)
小 山
2). 、一1209≦δ≦r600
μq=一1
3) 一 600≦δ≦;goo
μq=sin(δ一300)
4) goo≦δ≦;1800
μq二sin(δ十300)
純・原
15
洋.司
L・一1・+書(L・・+L・・)・L・一1・+暑(L・・一L・・)・
L6自L・一書齋,L6三玩一如
したがって,Q。≦ωt≦60。の期間における.eab(t)
2.3.2 固定子巻線に鎖交する磁束
固定子の.a相巻線の磁束鎖交潮λa(t)は,0。≦
碗≦60。の期間において次のように書ける.
の平均値δd.(インバータの直流入力電圧)は次式と
なる.
恥÷∫:o』・(・)d(ω・)
1∼σ(t)={la十LaO十La2cos2θ}Id
一{与+L・・…2(θ+6・.)}1・
一要(Ld−La)ω1・μ、・量・δ一薯(L・
+、Mafd ifd(t)cosθ一Mafq ifq.(t)sinθ (6)
また,(2},(4),(6)式より
庵(・)一{』+蕃』・一£.二一熱
一L6)ωIdμ,…δ
+3》z(L6一%)ω1・・i・1δ.
+》3(』・竜薯+漂紗
=KaωLd Id
α1>
ただし
・・i・2(θ+3・・)}1・
六三(1_唾 Ld)μ己・三・δ
+¥lldえ・dM・1・θ+塾・・m・i・θ(7}
一薯(景 一面),,…δ
また,b相及び。相巻線の磁束鎖交数λb(t),
λc(t)はつぎのように書ける.
λ・(・)一+暑玩・一二瀞一号¥聾
3》一i「
(LaL6Ld Ld)・i・2δ
十
(1鋤
π
+》丁(Lゑ・一画響1・’+躊・)・
<2.4> 三相励磁方式2)
・si・・θ}1・
第4図に三相励磁方式のブラシなし自励形同期電動
機の解析モデル図を示す.
+撃1奮λ・dM・6・(θ+・2・.)
1
+¥穿λ・・m・i・(θ+・2・う (8)
あ(・)一一》丁{妬・÷壽+躁}・
●sin2(θ十600)Id
Mafd
えfdM cos(θ十240。)
十
Lfd
+鷺qλ・・m・i・(θ+24㏄) (9)
0。≦ωt≦60。の期間におけるab巻線間端子電圧
eab(t)は, d{λa(t)一λb(t)}/dtで求められ次のよ
うになる.
・・b(t)一2ω(%一L6)ld・in2(θ一30。)
千2ω(Ld−L6)ldμd・i・(θ一30.)
Fig.4 Brushless self−excited synchronous
motor in 3−phase excited method
ここで
ear(t), ebr(t), ecr(t):回転子巻線の誘導起電力
一2ω(Lq−L旨)Idμ,…(θ一30.) ⑩
ただし
IMar :眉定子巻線と回転子巻線の
相互イン.ダクタンス
16
ブラシなし自励形サイ・・リスタモータの特性
LrO
;回転子巻綜のインダクタン
1r
ab及びac巻線端子間に挿入されたダイオードは
全区間にわたって導通しており,ibr(t), icr(t)が最:
ス
:回転子巻線の漏れインダク
少になる瞬間に⑱うオフとなる.すなわち,ibr(t),
タンス1
icr(t)の最少値は零となる.「この条件より,λab,λac
:回転子巻線の電流
が求まり,これを⑬,α賦に代入すれば,ibr(t),
:固定子巻線のインダクタン
icr(t)は次のように書ける.
’三ar(t), ibr(t), icr(t)
L紅s
ス
:三相定数で表わした固定子
上s,:Lr
’・・(・)一》‘3聖1・.{μ・・一…(θ+3・.)}
⑳
及び回転子の・インダクタン
’・・(・)一》語序「1・{μcr一・i・θ}.
ス
(21)
ただし
2.4.1回転子巻線に保持される磁束
一1800≦δ≦一goo
0。≦ωt≦60。の期間には,回転子回路に関して次式
が成り立つ.
一 300≦δ≦1200
、e・・(・)一÷富M・・1・・br(θ一3・ら
+÷画(・)
1200≦δ≦1800
⑬
・b・(・)一二》TM・・1・…(97・5・ら
一÷L・i・・(・)
圓
一1800≦=δ≦ニー1200
μb。一一・inδ
μb・〒1
μb.一…(δ+30。)
.μb。一一・inδ
、μcr一・inδ
−1200≦δ≦300
μcr=sin(δ十600)
300≦δ≦(goo
μcr=1
goo≦δ≦1800
μcr一・inδ
である.
魔(・)一筆÷晦1・…(θ+96・)
「呈一L・i・・(・)
−90。≦δ≦一30。.
(15)
2.4.、2 固定子巻線に鎖交する磁束
0。≦ωt≦60。の期間たおいて,・’固定子のa相巻線
ただし
θ一6・・+δ一ωちし・一1叶÷・L・・.
i巨士(t)==ibr(t)→一icr(t)
いま,回路の抵抗分が無視しうるものとすると,ab
及びac巻線端子問に挿入きれているダイオードは全
周期にわたって導通していると考えられるため.
ear(t)一ebr(t)=・0, ear(t)recr(t)=0となり次式が
の磁束鎖芝蝦λa(t)は次式と,なる.
λ。(t)』{1。+L。。}ld温{L。。 c・・(一i20。)}ld
十Mar iar(t)cosθ一Mar ibr(t)cos(θ一120。)
一Mar icr(t)cos(θ十120。)1 伽
・囲式に,iar(t)一ibr(t)+icr(t)、と,⑳,(21}式を代入す
れば
2 2
庵(t)十一甚警+・警{・玩…(θ+・併)
成り立つ.
λab=3Mar Id cosθ十Lr{2ibr(t)十icr(t)} (16)
+騨鋤}〕1・ (23)
λac=3Mar ld・sin(グ十30。)十Lr{lb髪(t)十2icr(t)}
となる.ただしLs=la+3Las/2
ここで,λab,1λacは積分定数であり?物理的には回
また,b相及び。相巻線の磁束鎖交数λb(t),
転子巻線に保持される鞘交磁車数を表わす・
λc(t)はそれぞれ
α6),、(17)ヰよ・り’
2 2
i・・(・)』話「(2h・=諭
・λ・(・)一一
m藷+3警{μ謬(θ一3併)
+卿}〕1・ (2の
+》T聖1・・’・(θ一60.) α紛
M2
茸曙(・)r.澁(2λac一ゑ・)
λ・(・)一3r謬1・{…si・θ+μcr si・{θ一60.)}備)
したがって,0。≦ωt≦60。の;期間におけるab巻線間
イr警.1・・’・θ ’⑲
端子電圧eab(t)は次式となる.
小 山
純・原
17
洋 司
T一勇ld−K。 L、1乙 圃
・・b(t)一2》一r(L・一L6){μb, sinθ
+μcr si・(θ一60。)}ωld (26)
ω
すなわち,どちらの方式も一定のインバータ直流電
流を流した場合得られるトルクTは,Kaに比例す
幽ただし,L6−L,一3嶋/2L・
る.したがって,Kaはできるだけ大きいことが必要
故に,0。<ωt<60。の;期間におけるインバータの直
である.
流入力電圧の平均値免は次式となる.
600
乾一⊥ 。。b(・)d(ω・)
∫
<2.6> 回転子の種々のタイプに対するKa
π 0
第6図に種々の回転子に対するKaの数値計算結果
6》弄(L・一L§)ω1・{㌔・i・(δ+3㌍)
を示す.第6図より,リラクタンスモータにくらべて,
かなりめ高調波励磁効果が得られることがわかる.
e7>
+μ。,sin(δ一30。)}
1.2
=KaωLs Id
/ 、も
ここで
。!プ
塩一6
Xa
/簡\〔d}
q( :L/1__s Ls){μ評(δ+3㌍)
/,‘、
,’、 A
’
’
//
’
+μcr si・(δ一30.)} 姻
満て\
〃義…・ \\\
’
0 鞠 ・8
弓〉\>4 .躍艀90_y肥
<2。5> トルク
第5図にブラシなし自励形サイリスタモータを示すご
・ ♂ \ , へ
}醒 、 覧、一’
T】 T2 写3
@ Cg cロ
{b}S・二1i・見t−P。エ・d一・xi・e・cit・セi。・一セyp・
くしd「=G.2LdρLq=o.6L己}
{c)Cyエi・d・icaユセw。一axe5・x・itaセi。n一セyp・
c。
c2
P3
{d, Cylindrical q−a塞is excitationrヒyp邑
σ≧qaLd,Lq「=0。】1β,
(01 3一phasa excitδtion−type 〔L5㌔50.4L5}
{Ld’=Lq’=Q.】Ld}
5調
テd e己
覧 ’
、 「
一L2 、 ’
、 ’
、幽P
〔a}Reluctan¢e motor−typ巳ILq匿0.6Ld,
R巴。. Lp →工己 ユ・v.
冊
、、 ’㌧
Fig.6
Calculated values of Ka
口5 P5
@D
5.三流コンデンサ電圧
Q 口6
このブラシなし自励形同期電動機は,固定子電流の
瓶_Oontro1 嚢暫Conヒτo↓
Voエヒ09鰐一Co“七τo瓦
⊂onヒro1−1塊5tr騙ct↓0跳
遅れ分で界磁の自励を得るために,強制転流形インバ
ータを用いる必要がある.そして種々な回転子に対す
る三流コンデンサ電圧は,それらに対して必要なサイ
Fig.5 Brushless self−exc量ted type synchronous
リスタ容量のめやすを与える.以下下流コンデンサ電
motor
圧を求める.
いま,第5図のサイリスタT6に点弧信号が与えら
転流期間が非常に短かく無視しうるとすると,定常
れ,サイリスタT5からT6への転流が行なわれる
状態において次式が成り立つ.
期間を考える.この期間における等価回路は,第7図
Ed一颪+(2・a+・F)ld ⑳
のようにかける.この二流期間において二つのモード
ただし,raは一相の固定子巻線の抵抗分, rFは平
が考えられる.
滑用リアクトルの抵抗分である.
(1)モード1(単流期間)
また,先に求めた二軸励磁方式における軸は
前サイクルの終りにおいて,コンデンサCに第7
蕗=KaωLd Id (3①
図のような極性の電圧Uc(0)が充電されている.い
であり,ブラシなし自励形サイリスタモータのトルク
ま,サイリスタT6に点弧信号が加えられると,サイ
Tは次式となる.
T一三LK。L、1乙・ 幽(31)
リスタT5にはUc(0)の逆バイアスがかかり,サ
イリスタT5が消弧する.またダイオードD6には,
ω
Uc(0)と電動機固定子のbc巻線間端子電圧eb6(t)
また,三相励磁方式においてのトルクTは次式と
の和の電圧Uc(0)+ebc(t)がかかり逆バイアスとな
なる.
る.したがって,インバータ直流入力電流Idは,サ
18
ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
i
にかかる電圧が1頃バイアスとなり,固定子のb相及
’a
dorご
び。相巻線を電流が流れる重なり期間になる.
脚
㌔ω
1) 二軸励磁方式
モード2期間中においても,d軸及びq軸界磁巻
、 8
線に保持される鎖交磁束数は不変である.そして,ebc
ぼ
\
カ
、
\//
(t)は,転回の継続時間が非常に短かく,この期間に
おける回転子位置の変化が無視しうるとすれば,次の
ように書ける.
ebc(t)=ebc−2ω(La−L6)sin 2δ{ib(t)十ld}
.決・・,
/c
b
\
D6
P・・
・・
D5
+{L6+L6《L6−L6)…2δ}一岳i・(・)
㈱
コンデンサ電圧Uc(t)は,モード2の初まりt=0
において,Uc(0)=ebcであるから次のように書ける.
Uc(O)
v〔÷i・(・)砒 (3窃、
十
恥α)一
一→
uc(ゼ)
モード2期間中において,ebc(t)一Uc(t)であるか
四06
ら(認),(39式を,初期値ib(0)一一Idで解くと次の結
Fig.7 Equivalent circuit of commutation−mode
イリスタT1→ダイオードD1→a相巻線→b
果が得られる.
i・(・)一一1・醒・{…β…牙・i・β・}忽①
9(・)一一∫:i・(・)d・一二1・麟㎞βト2ω(La−
相巻線→ダイオードD5→乱流コンデンサC→
サイリスタT6の回路を通って流れ,コンデンサ電圧
L6)・ld・in 2δ+2ω(La一
L6)・1・・i・2δ評・{…β・
Uc(t)は,初期値一Uc(0)から直線的に増加する.
。。(・)__U。(0)+.亙・ ㈱
C
モード1期間は,Uc(t)がebc(t)に等しくなるま
で続く.いま,モード1の継続時間をτ1とし,この
τ1が非常に短かく,この期間申のebc(t)の変化が無
一一
(41)
ただし
ω(La−L6)・in 2δ
α=
視しうるとすれば,τ1は近似的に次式より求まる.
1生。、_U。(。)≒。bc G4)
翌堰Eβ・}
β=
La+L6一(La−L6)…2δ
]。{L6羊L6一(1La−L6)_2δ「㎡
C
ただし,ebcはωt=60。すなわちθ一δの時の電
圧である.
二軸励磁方式においては,
・b・一2ωld{(Ld−La)μd…δ+(LザL6)μq sinδ
モード2期間は,固定子のb相電流が零になった
瞬間に終り,転流が完了する.したがって,転流完了
時のコンデンサ電圧をUcMとすると,
U。M一,b。+q(τ・)
+(L6−L6)・in 2(δ+30。)} ㈲
三相励磁方式においては,
・b・一2》一…「(L・一L6)ωld{一μb, si・(δ一60。)
+μcr si・.(δ+60.)} (調
となる.
なお,サイリスタT5の逆バイアス時間をτoとす
ればτoは次式となる.
・・三
?・(・) 爾
C
=2ω1・{(Ld−La)μdcosδ+(LザL6)μq slnδ
+(L6−L6)・i・2(δ+3・ら}+野晒・i・β・2』
一2ωld(L6−L6)・i・2δ (42
となる.なお,τ2はモード2の継続時間を表わし,
次式より求まる.
・・一
?E・ヒ・(αβ) (43}
(2)モード2(重なり期間)
2)三相励磁方式
Uc(t)がebc(t)に等しくなると,ダイオードD6
この方式においても,モード2期間中の回転子巻線
19
洋.司
純・原、
、小 山
に保持される臨交磁束数は不変である.ebc(t)は,転
LdC言1×10−6 ωo==2兀x50
三期間中の回転子位置の変化を無視すれば,次式とな
5
Ld儒■s
. !.!ニ
る.
・b。(・)一・b・+(一L・+・L≦)÷i・匿(・) (4の
4
また,モード2期間中はダ次式が成り立つ.
t
U・(・)一・焼一÷∫。三・(・)d・
(4励
竈3
憲
言、
/
(441,㈲式を初期条件ib(t)=一Idで解くと,
ib (t) 篇一 Id cos β t
(46)
]
轣Fi・(・)d・箒曲β・
(47)
・(・)一一
O
となる.
0 20 40 ’ 60
80 〔Hz1
.ただし
Quゼput freque捻cy of i慨ver七er
β一ゾ。( 1−L,+3L三)
(a)Reluctance mo七〇r−type(Lq詔0.6Ld,δ呂45。)
(b} Sailient−pole d−axis excita七iQn顧type (Ld「冨Q.2Ldr
すなわち,安定な転流が可能であるためには,一Ls
工q目0.6Ld 88=60『,}
(c) Cylindrica工 two−axes excitatioローtype (乙d「3L∼ゴ置O●ユLdρ
8=30。)
+3L’s>0であることが搭要で弟る・
{d)C¥1i嘘ical q一・xi・ex・it・もi。真一七yp・(Lq=Ld,Lq’訟b.鞍,.
転流完了時のコンデンサ電圧UcMは
(≒)3−phase excitati。n−type(Ls呪=0.4Ls,8=60・)
U。M−2》一≧「(L・一L‘)ω.ld{一μ、, si・(δ一60.)
δ壽30。)
Fig.8 Normalised voltages of commutation−
condenser
+μcr si・(δ+6・・)}+誰・i・β・2 ㈹
となり,τ2は次式となる.
\
τ=丑 (49
LdC蹴】×]0−6
∼
2 2β
醸
以上,転回期間が非常に短かく期間中の回転子位置
心…
ユ0
の変化が無視しうるとして転流コンデンサ電圧を求め
、
た。第8図に種々な形め回転子による転流コンデンサ
竃
へ
電圧の数値計算結果を示す.また・サイリスタの電犀
容量はPcMに比例し,電流容量はIdに比例する・
したがって,k一(UcM Id/ωT)は電動機容量に対
し必要なサイリスタ容量のめやすを与える.第9図に
kの数値計算結果を示す.第9図より,リラクタンス
む
書
考
書’5
“
Ld『工S’
\
\ミ、
\ \
、《
図
モータ等にくらべて,円筒q軸励磁方式,三相励磁
慌ドここ
方式の場合,サイリスタ容量が約1/2程度になる.
4.実験結果の検討
強制転流電流形インバータとブラシなし自励形同期
。
0
20 40 .60 80 【Hzエ
電動機を組合せ,サイリスタモータとして運転した場
Ou七pu七f竣equency of in▽er七er
合の実験結果を示す.なお,実験回路は第5図に示す
通りである.本実験機は,1.1kw,200v,4.5A,60
(a) Relucta臆ce motor−type (L(三竃O.6Ld,6、冨450}
(b) Sailie疫t−po工e d−axis e×citatio漉一七ype (Ld’嵩O.2二d,
HZ,1700rpm,4極め巻線形三相誘導電動機を用いた.
Lq濡0.6Ld,8コ600}
次に本電動機の諸定数を示す.
δ躍3Q。》
la=0.012H, LaO=Las=0.059H,. La2=』O
ず=30。}
(e, 3−phase excitation−type (Ls’漏O。4Ls,6㌧=600》
Ld−L,一L・一〇.101H・L6−L6−0・007H
(c}Cylindricaユtw。一a窯es excita七i。n一七ype(L♂冒しq7鴇0、!Ld,
ld)Cyli・d・ical q−a・i・・翼・it・ti。・一セyp・(Lq・Ld,Lq9・04璃
Fig.9 Calculated values of k
20
ブラシなし自励形サイリスタモータの特性
方式とは,その特性曲線はほとんど一致している.
<4.1> Ka一δ特性
回路定数をCo=20μF, LF;313mHとし,回転
Ioo
数NをパラメータとしたときのKa一δ特性曲線を
一〇一Cyli自改rical d−axis exciヒaヒi。ロ
第10図に示す.第10図(a)は,本稿で定義した円筒
婁
\.
一X− 3噂oha5巳 excLt:員t三〇ロ
Ka’
㌃1\ ’= 1珊
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O J 2 3 4 5 6
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ロロユ 胆。とque①{N一厳}
Fig.11 Lord characteristics(Experi魚ental
ll:
L2
ll…1
o。8
騨}1器
0.4
results)
5.あとがき
以上,各種構造の回転子をもつブラシなし自励形同
.1、。.1,。・.1、。・一9、・燗・.、。・G,。・、、。9。.、、四1一志
8
‘b,
Fig.10 Ka一δcharacteristics(Experimental results)
;期電動機と強制転流電流形インバータを組合せ,サイ
リスタモータとして運転した場合の特性について理論
的,実験的に検討した.
その結果,円筒形q軸励磁方式あるいは三回励磁
形q軸励磁方式を90。反回転方向にずらした,いわ
方式を用いれば,リラクタンスモータより大きなトル
ゆる円筒形d軸励磁方式であり,同図(b),は,三相
クが得られ,かつ転流コンデンサ電圧も低くなるので,
励磁方式である。第10図(a),(b)とも,0。<δ〈180。
インバータ容量を低減できることが明らかになった.
の範囲で正方向に回転し,oc>δ〉一180。の範囲で逆
しかしながら,これらの励磁方式によって得られる
方向に回転した.第10図(a)の曲線を90。左へ移行さ
力率は約50%程度であり,かつ自己始動が困難なため,
せれば,第6図の(d)と形状がほぼ一致し,第10図
実用化に際しては何んらかの他の励磁方式たとえば永
(b)も第6図の(e)と形状がほぼ一致することがわ
久磁石方式との併用が必要と思われる.この場合,過
かる.
負荷時の永久磁石の減磁をダイオードの作用により押
しかし,回転数が多くなると,すなわちインバー・タ
えることができるという利点があり,それらの特性に
出力周波数が高くなるとKaの値が低下し,かつ正回
転の場合,δが正の方向にずれる.これは,インバ
ータの出力周波数が高くなると転流期間が無視しえな
ついては,別の機会に報告したい.
なお,常々御指導を頂いている九州大学工学部野中
作太郎教授に感謝の意を表する.
くなり,二流が完了する前に回転子位置が移動するた
めと思われる.
参 考 文 献
1)小山,野申:昭和49電気学会全国大会517
.一
モS.’2> 負荷特性
第11図に,ブラシなし自励形サイリスタモータの負
荷特性曲線を示す.円筒形d軸励磁方式と三相励磁
2)B.J. Chalmers, A. L. Mohamadein, A・C・
Williamson:PIEE, Vol.121, No.12, Dec.1974,
p1505∼1512
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