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資料11

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資料11
11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度戦略的開発研究(工学)報告書
研究課題名
フォーメーションフライト技術開発に関する調査・検討
研究代表者(所属)
坂井真一郎(宇宙科学研究本部)
研究分担者(所属)
河野功(総研本部)、川村静児(国立天文台)、国枝秀世(名古屋大学)、坂井真一郎(科学
本部)、鈴木秀人(総研本部)、津田雄一(科学本部)、常深博(大阪大学)、橋本樹明(科学
本部)、坂東信尚(科学本部)、船木一幸(科学本部)、水野貴秀(科学本部)、巳谷真司
(総研本部)、満田和久(科学本部)、山元 透(総研本部)、山川宏(京都大学)
活動区分
■WG □研究班( ) □その他 研究活動期間
平成 21 年度 から 平成 23 年度(予定) 平成21年度
研究の概要
フォーメーションフライト技術は, 多様なミッション, 多様な要求, 多様な技術を含むものである. 従ってその
研究開発には、各ミッションからの要求獲得、また各本部や研究組織、大学等での研究開発動向を俯瞰
的に眺めて、必要とされる技術がなにか、不足している技術はなにかを検討する必要がある。このために
要すれば、ミッション・プロジェクト横断的、組織横断的、理工横断的に議論を行う場としての、フォーメー
ションフライト研究会(仮称)を開催する。
特記事項
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
本研究の目的
本研究の背景,目的,意義など
(背景)
• フォーメーションフライト技術は、新たな宇宙ミッションの可能性を拓く可能性があるとして注目されており、特に
欧州を中心に開発や宇宙実証が進められている。
• 我が国でも、 「FFAST」や「DPF」、「SCOPE」等、フォーメーションフライトと関連したプロジェクト提案が既にな
されている。
(目的)
• いわゆるフォーメーションフライトといわれるミッションは実際には多種多様であるが、そこで必要とされる技術
には共通のものもあると考えられる。
• そこで、複数のフォーメーションフライトミッションについて横断的に議論し、共通的に開発を行う要素技術があ
ればこれを行うための議論の場を設けることを目的とする。
(意義)
• 個別のミッション検討は各プロジェクト提案活動の中で行われており、これらを俯瞰的に議論できる場を設ける
ことに本提案の意義があると考えている。
• また、共通技術としての開発が必要と考えられる技術項目が挙がった場合には、本WGから予算申請を行い、
その開発を進めることも視野に入れている。
独創的な点
• フォーメーションフライト技術は、今後の衛星開発において重要となる新しい技術であり、新しい衛星ミッション
の可能性を拓くものである。
• それらフォーメーションフライト技術の適用を検討している個別のプロジェクト提案活動等に独創的な点があり、
本WGはそれら個別の活動をまとめて議論するための場として提案されたものである。
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
研究計画と方法
研究計画・方法(開始年度から)
平成21年度 •  「フォーメーションフライト研究会」等を開催する場合の開催費用として申請
平成22年度
平成21年度には研究会等を開催していないため、上記を繰り越す形で申請
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
研究計画・方法
研究計画・方法(つづき)
本研究の到達目標
• フォーメーションフライト技術を適用したミッションがプロジェクトとして実現されることに、本WGでの議論・検討
や開発等が貢献することを目標としている。
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究成果の概要
研究成果
・本WGの研究分担者らが関わっているフォーメーションフライトミッション「FFAST」ミッションについては、技術
的成立性の検討などを進めた結果、小型科学衛星の2号機としてミッション提案を行うに至っている。
・また、同様にフォーメーションフライト技術と関連するミッションである「DPF」ミッションも、技術的成立性の検討
などを進めた結果、小型科学衛星の2号機としてミッション提案を行うに至っている。
目標の達成状況
• 上記の通り、本年度は各関係ミッション提案毎の個別の活動が中心であった。
• その成果としてはミッション提案という形となっているものの、これらを俯瞰するような共通的な技術開発等の
提案にまでは至っていない。
継続理由(3年以上継続研究)
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究業績(研究発表,特許,表彰など)
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究成果の詳細
フォーメーションフライト関連の動向(1)
【海外動向 1/2】
•  ヨーロッパでは、フォーメーションフライト技術実験衛星 PRISMA” が2010年前半
にに打ち上げ予定である。GPSベースのフォーメーションフライト(FF)実験(by D
LR)、電波航法センサベースのFF実験(by CNES)が予定されている。本WG関
係者も一部に関係している。
•  また、FF技術のデモンストレーション及びオカルテーションによる太陽観測を目的と
して PROBA-3”計画が検討されており、2007年にPhase-Aスタディを終了、2013
年打ち上げを目指してPhase-Bスタディが着手されている。
•  このようにヨーロッパは現在、着々とFF技術の開発を進め、実績を作りつつある状
況にある。
•  一方、米国からはあまり積極的な情報発信がなされていない印象を受ける。
formation flying demonstration
mission” PROBA-3
technology mission ”PRISMA”
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究成果の詳細
【海外動向 2/2 】
• 
• 
ヨーロッパにおいて、DARWINプロジェクトと並び将来の大型フォーメーションフ
ライトプロジェクトと目されていた「XEUS」プロジェクト(FFによる35m焦点距離
のX線望遠鏡)が、アメリカとの協力関係を模索する中で、20-25m焦点距離の
伸展方式を採用し、名称も新たにIXOとする方針に変更となっている。
また、CNES/ASIで検討されていたX線観測ミッション Simbol-X”も、2009.3で
プロジェクト打ち切りとなっている。
フォーメーションフライト方式
の XEUS”改め、伸展方式の IXO”へ
X-ray telescope “Simbol-X” 8
11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究成果の詳細
本WGメンバもそれぞれ参加して、以下のような活動が展開されている
【FFAST】
•  小型科学衛星の2号機ミッション募集に対して、「FFAST」プロジェクトが提案書
を提出している。
•  「FFAST」では、ミラー衛星および検出器衛星の2衛星でフォーメーションフライ
トを行い、X線によるサーベイ型観測を行うことを目的としている。すなわち、X
線観測という理学ミッションと、フォーメーションフライト技術実証という工学ミッシ
ョンとからなるプロジェクトである。必要な制御力や推薬消費の少ないalong
track、あるいは目標を絞った観測に適したレコード盤軌道でのフォーメーション
形成が目的とされており、ETS-Ⅶで培われた技術を基にフォーメーションフライ
トによる科学観測実現に挑戦するには、好適である。
研開本部で開発中の画像航法用センサ
(FFASTでも採用予定)
軌道上の「FFAST」
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究成果の詳細
本WGメンバもそれぞれ参加して、以下のような活動が展開されている
【DPF/SCOPE】
•  また、将来の重力波検出実現を目的とした「DPF」プロジェクトも、同様に小型
科学衛星の2号機に提案書を提出している。これはいわゆるフォーメーションフ
ライトミッションではないが、ドラッグフリー制御を行う点で技術的に近いところ
があり、特に、将来のFFミッションで必要となる微少推力スラスタの技術開発を
ここで兼ねられる可能性がある。
•  また、複数衛星で磁気圏観測を実施する「SCOPE」プロジェクトが、今年度MD
R相当の審査を受けている。相対位置制御を行わない意味でむしろコンステレ
ーションに分類されるが、電波による測距を行うなど、基盤技術などにはフォ
ーメーションフライトと共通の点も多い
複数衛星で磁気圏の観測を行う
「SCOPE」
衛星内の鏡を基準に衛星の位置・姿勢を
制御する ドラッグフリー制御 を行う
「DPF」衛星
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11.フォーメーションフライト技術研究(WG)
平成21年度研究成果の詳細
• 
このように、今年度はここまで、フォーメーションフライト技術の軌道上実証、ある
いはフォーメーションフライト技術による科学観測ミッション達成へ向けた前進が
、ヨーロッパや日本などで見られている。一方で、XEUSプロジェクトの方針変更や
Simbol-Xのプロジェクト打ち切りなど、一歩後退とも捉えられる動向も見られて
いる。
• 
従って、「FFAST」や「DPF」などのミッション提案母体ともなっている国内各研究
グループで集まり、これらの状況について情報を共有し、今後のフォーメーション
フライト技術の研究・開発の方向性について議論を行う必要がまさにあると考える
。このために今後、フォーメーションフライト研究会(仮称)を開催する予定である。
• 
本WGのメンバには、「FFAST」や「DPF」の提案に際して主体的な役割を果たし
ている者、あるいはヨーロッパで「PRISMA」に参加した者なども含まれており、有
益な議論が行えると考えている。
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