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『地球温暖化への対応』~最新クリーンディーゼル車
参考3 2004年11月7日 シンポジウム「地球温暖化への対応」 “最新クリーンディーゼル車について考える” ディーゼル車の排気クリーン化と 低燃費化のための将来技術 早稲田大学理工学部 大聖 泰弘 環境省HP 「そらまめ君」による 2002年2月22日 11時現在 関東地方の浮遊粒子状物質濃度 関東地方の浮遊粒子状物質濃度 全体径:1μm以下 可溶性有機成分 (SOF) 固体炭素 (径:20∼30nm) 凝縮性ナノ粒子 硫酸塩 (サルフェート) 吸着炭化水素 :::: :::: 気相炭化水素 :::: ディーゼル微粒子の形態 Wolfgang Groth VWoA 我が国における自動車の 大気環境に関わる現状 ■ 首都圏や関西地区では,NO2とSPMの環境基準の達成 率が低い状態が長年続いている。交通量増大やディー ゼル車割合の増加が主要因である。 ・総排出量に占めるNOx :50% ・ 〃 微粒子:30∼40% ■ ディーゼル車は保有台数の18%であるが, ・自動車からのNOx:75% ・微粒子の大半を占める。 ■ 単体規制強化を含む総合的な自動車交通対策により, 2010年までに環境基準を達成することが環境行政の目 標となっている。 千万 kL 6.0 5.0 ● ガソリン 4.0 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 3.0 ● ● ● ● ● ● ● ● ● 2.0 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 1.0 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● 軽 油 ● ● ● ● ● ● ● 石油危機 0 1971 75 80 85 1990 95 2000 03 自動車用燃料の年間消費量の推移 自動車用燃料の年間消費量の推移 ディーゼルエンジンは,何故燃費がよいか? 熱効率 % ■ 圧縮比が高い。 ■ 吸気を絞らないため,ポンプ損失がない。 ■ 全体的に空気過剰な燃焼を行うので,比熱比が 大きく熱損失が少ない。 40 35 30 10 15 20 圧縮比 ディーゼルエンジンは,何故NOx と 黒煙・微粒子(PM)を多く排出するか? ■ 燃料噴霧内で空気が十分ある領域Aで NOxが, 燃料過剰の領域Bで黒煙・PMがそれぞれ発生。 両者は相反する排出傾向があり同時低減が困難。 ■ これまで後処理が難しかった。 A B g/km NOx 0.28 0.25 - 規制値 2002 新短期ディーゼル車 (1978 ガソリン車) 0.14 2005 新長期ディーゼル車 2000 新短期ガソリン車 2005 新長期ガソリン車 0.08 0.05 0 理論 混合比 リーン バーン 直接噴射 ディーゼル車 直接噴射 ガソリン車 基準 -5 -10 -15 -20 -25 CO2 減少割合 % -30 ガソリン乗用車とディーゼル乗用車における ガソリン乗用車とディーゼル乗用車における NOxとCO のトレードオフ NOxとCO22 のトレードオフ ディーゼルエンジンの新技術 ■ 小型エンジンの直接噴射化 ■ 電子制御高圧噴射システム ■ インタークーラ付きターボ過給システム: 可変機構ターボ(VGT),2段ターボ過給 ■ 後処理技術(酸化触媒,DPF,NOx還元触媒) ■ その他:4弁化,冷却EGR,HCCI □ 軽油の低硫黄化 □ 電子制御技術 新 気 ターボ 過給器 インター クーラ 排 気 酸化触媒 DPF NOx還元触媒 EGR クーラ ERG弁 電子制御 高圧噴射 システム ディーゼル車の最新排出ガス対策技術 ディーゼル車の最新排出ガス対策技術 コモンレールシステム ユニットインジェクタ (Bosch社資料) 高圧燃料噴射装置 高圧燃料噴射装置 後処理用 HC供給 主 燃 焼 PM再燃焼 排気昇温 ノイズ低減・NOx抑制 着火遅れ HCCI燃焼 短 縮 噴射率 早期噴射1 早期噴射2 主 噴 射 後期噴射1 後期噴射2 上死点 クランク角度 多段噴射によるディーゼル燃焼の制御 多段噴射によるディーゼル燃焼の制御 OC : 酸化触媒 SCR: 選択還元触媒 LNT: NOx吸蔵触媒 OC -SOF エンジン排気 -SOF OC -PM DPF -SOF OC -NOx SCR OC -NH3 OC -PM -SOF DPF -NOx SCR -PM -SOF OC : 尿素水 :燃 料 DPF -NH3 OC -NOx LNT OC -HC ディーゼル車の後処理システムの組み合せ ディーゼル車の後処理システムの組み合せ トヨタ自動車 2000年 DPNRの構造 DPF+NOx吸蔵触媒 DPF+NOx吸蔵触媒 DPF+尿素SCR DPF+尿素SCR ディーゼル排気 ディーゼル排気 後処理システム 後処理システム (VW社) (VW社) ガソリン 1.2% 100 ppm 50 ppm 10 ppm> 2005 ’05-’08 0.5% 500 ppm 50 ppm 0.2% 10 ppm> 1953 76 92 97 2003 ’05-’07 わが国における軽油の低硫黄化の推移 わが国における軽油の低硫黄化の推移 燃焼技術 可変機構 反応化学 材 料 電子制御 実 験・計 測 燃料化学 シミュレーション 後処理技術 触媒化学 燃料設計 燃料技術 性状制御 エンジンに関わる3つの技術 エンジン:0.3リッター単気筒自然給気DOHCディーゼル (最高出力: 6.3kW/4000rpm, 最大トルク: 1.9kgm/2000rpm) 燃 費: 0.99L/100km, 101km/L, 乗 員: 2名(前後乗車) 全長×全幅×全高=3646×1248×1110mm 車両重量: 290kg,空気抵抗計数値: 0.159 (カーボン、マグネシウム、強化プラスチックなど多用) 1リッターディーゼル乗用車 1リッターディーゼル乗用車 (フォルクスワーゲン社試作,2002年4月) (フォルクスワーゲン社試作,2002年4月) 効 率 燃料電池システム 50-60% (水素ベース) ディーゼルエンジン 35-45% ガソリンエンジン 25-35% 負荷率 エンジンと燃料電池システムの効率比較 環境への負荷 ディーゼル車 後処理システムの 活用 ハイブリッド化 ガソリン車 ハイブリッド化 EV 1.0 (基準) 水素FCV 2.0 3.0 相対車両効率 ハイブリッド化の可能性 ハイブリッド化の可能性 エンジン: 1.364 L 4気筒ターボディーゼル 燃 費: 47 km/L (10-15 モード) 2.7L/100km (37km/L, ECモード) 長×幅×高: 3.52×1.63×1.46 m 車両重量: 700kg, 乗 車 数: 4名 33” ディーゼルハイブリッド乗用車 “ES ディーゼルハイブリッド乗用車 “ES ” (トヨタ社試作, (トヨタ社試作, 2001年10月) 2001年10月) 各車種のCO 各車種のCO22排出量の比較 排出量の比較 比 較 MIT 乗用車 GM 小型トラック 技 術 g/km 低減率 g/km 低減率 1996年基準SIエンジン 264 344 2020年ベースSI エンジン 173 2020年先進 SIエンジン 153 先進ディーゼル 135 12% 293 15% ハイブリッド (SIエンジン) 109 29% 289 18% (ディーゼル) 97 37% 239 31% (水素FC) 124 19% 184 47% (ガソリン改質FC) 180 -17% 227 34% (メタノール改質FC) 138 10% 201 42% 米国アルゴンヌ国立研究所(2003年SAE,デトロイト) 対ガソリン車コスト増加 万円 100 80 60 40 20 0 -20 -40 燃料価格 ガソリン 軽油 円/L 110 80 120 80 <仮 定> ガソリン車両価格:200万円 ガソリン車車燃費:10km/L ディーゼル車燃費:12km/L ディーゼルハイブリッド 燃費:24km/L 0 2 4 6 8 10 12 走行距離 14 16 18 20 万km ガソリン車とディーゼル車のトータルコスト比較 ガソリン車とディーゼル車のトータルコスト比較 先進ディーゼル車の普及条件 先進ディーゼル車の普及条件 ■ 車両性能 ■ 車としての魅力 ■ 低環境負荷特性 ■ 経済性 発進低速と中高速での加速性,高速性能 小型軽量エンジン,満タン航続距離 信頼耐久性/低メンテナンス性 高性能,技術的先進性 デザイン,高級感,コンパクトな良質感 低排出ガス(ダーティなイメージの払拭) 低CO2 静粛性(車外/車内) ユーザーの負担 (車両価格/燃 費/整備費用/税 金) 経済性 商品性 市 場 Market 性能・燃費 技 術 Technology 研究開発の誘導・支援 法制度の施行 規制強化・緩和 税 制 政 策 Policy 将来ビジョンの提示 先進自動車の普及のための協力 先進自動車の普及のための協力 重要度 大気環境対策 2000 温暖化対策 脱石油対策 2010 2020 2030年 今後の自動車環境・エネルギー対策の重要性 今後の自動車環境・エネルギー対策の重要性