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NKC ナーシング コア コーポレーション 合同会社
Point of note 介護する人や家族の負担軽減を目指して、 紹介先のリハビリ専門のデイサービスで、 専門知識を生かしてマシーンを調整。 会社概要 えてみたら﹂とのアドバイス。自分な りに現状をもう少し調べても、どうや 創業のきっかけ 育児と介護の両立に悩んだ経験から ら病院や行政に頼っては今の法律では けではない。加えて介護士の人材不足 者にとって、決して使い勝手が良いわ 日本の介護制度は複雑である。利用 け、まずは個人事業主としてサービス 所や日本政策金融公庫の後押しも受 女性起業家に期待する地元の商工会議 こ で﹁ 自 分 で や る し か な い ﹂ と 決 心。 いわれる潜在看護師︵出産や育児など をスタート。1年ほど経った2015 況を少しでも改善できるのでは?﹂と のアイデアから神戸貴子さんが始めた のが、N・K・C ナーシング コア コー ポ レ ー シ ョ ン 合 同 会 社︵N ・ K・ C︶ に よ る サ ー ビ ス、﹁ わ た し の 看 護 婦 さ 斬新な発想で介護の現場を変えていく N・K・C が 行 う の は、 要 は〝 見 杯のときに、短時間でも利用者の気持 り の 育 児 と の 両 立 に 苦 労 し た。 ﹁手一 む義理の伯母のケアを頼まれ、娘ふた 自身も潜在看護師の時期、近所に住 の迅速で適切な対応など、スタッフの 療行為は行わない。ただ当然、緊急時 部分は看護師免許を持っているが、医 るのが仕事だ。登録スタッフたちの大 などに出向いてケアサービスを提供す 守り〟 。 利 用 者 の 要 望 に 沿 っ て、 自 宅 ちを汲んでケアしてくれるサービスが 知識・技術に対する信頼は厚い。 育児と介護を無事に終えた後、米子 ケアマネージャーが作成し、その内容 自の介護認定の程度に合わせて担当の 介護保険を使ったケアとなれば、各 で医療・福祉関連の仕事を徐々に始め は自由に変えられない。例えば﹁毎週 の子どもにとっても慣れた自宅ベッド 間が不十分な場合が多く、さらに病気 保育室といった施設もあるが、対応時 院に付き添ったり、看病したり。病児 面白い発想だから、準備して起業を考 く、 ﹁大勢の人が望んでいることだし、 みた。すると彼らの中には起業家も多 のアイデアを地元の友人たちに話して か っ た。﹁ だ っ た ら ﹂ と あ る 日、 冒 頭 が悩んでいた頃と何も変わっていな 学の医学部に協力を仰ぎ、吸引器など 掘・教育という同じ目的を持つ鳥取大 能となった。さらには潜在看護師の発 彩な訪問ケアのシミュレーションが可 カバー。仕事で忙しい親に代わって病 る。また高齢者ばかりでなく、病児も ニーズ に 応える の が N・K・C であ と は 簡 単 に は い か な い の だ。 そ ん な 週は都合で水曜日にしてもらいたい﹂ 火曜日 時のデイケアサービス﹂ を ﹁今 人、登録スタッ 20 フは 人。地元に親を残して関西や東 現在、利用者は約 特殊な医療器具を使った技術研修の機 10 での療養のほうが快適なはずである。 てみると、介護の現場は 年前に自身 設立の根底にある。 あれば⋮⋮﹂との思いが、N・K・C ん﹂だ。 事業スタート 年8月に法人化を果たしたばかりだ。 71 で休職中の元看護師︶を活かせば、状 も問題だ。そこに﹁現在 万人いると 思うようなことができそうにない。そ 潜在看護師の活用を思いつく 1 京で働く遠距離介護の方々からの問い 合わせが多いという。 会を積極的に増やしつつある。 また一方で、サービスの質の向上に 加え、幅を広げることにも着手。かね てから要望が多かった介護保険を使っ たケアに対応できるよう認可を取得し トップで規定の介護サービスと、自由 た。スタートすれば、利用者はワンス さらなるサービスの高みを目指し、 して受けることも可能になる。 目指している。最近、彼女がスタッフ のの、神戸さんはさらなる質の向上を る。今までは幸い好評価を得ているも め、利用者が求める要求は当然高くな 介護保険に頼らない実費払い。そのた い新しい事業だけに、まだまだ今後の 仕事。既存の介護サービスに収まらな 活をサポートするのが神戸さんたちの 者もいるという。そんな親子両方の生 の、結局住み慣れた土地に戻った高齢 度は都会に住む子どもと同居したもの N・K・C の 利 用 者 の 中 に は、 一 に 言 う 口 癖 が あ る。﹁ 感 激 し て も ら う 成長が期待できそうである。 を設けた。狭いながらも一軒家である 場として、法人化に合わせて研修施設 そのための実地訓練と知識の共有の 遣いに気を付ける、といったことだ。 用者の髪をとく、あるいは所作や言葉 の向きを変えた後、寝ぐせで乱れた利 保つ﹂である。例えばベッド上で身体 多くが女性であるため﹁女性の品格を サービスを心掛ける﹂と、スタッフの N・K・C の提供するサービスは、 度の高いパーソナルなサービスを併用 今後の展望 14 質の向上と幅を広げることを目指す 3 72 起こす!50 ー 地域を起こす創業企業 起こす!50 ー 地域を起こす創業企業 73 15 ため、寝室以外にも台所や浴室で、多 福岡県出身。 結婚を機に看護師を 退職。育児と親戚の介護を両立後、 米子で福祉関連の仕事に従事。 新 たな介護サービスを提供すべく2014 年に起業。15 年より現職。 登録スタッフはほぼ女性。多くが看護師免許を持つ。 S T E P S T E P 新たな福祉サービスを展開。 潜在看護師を生かした、そのユニークな 手法が介護・育児の現場に変革をもたらす。 所 在 地:鳥取県米子市旗ヶ崎 2-10-21 業 種:訪問型の病児保育および介護事業 資 本 金:500 万円 設 立:2015 年 8 月 従業者数:1 名 「育児と介護が重なった際、短時間でも任せられる人が いたらと思いました。それがこのサービスの原点です」 自らの経験をもとに 子どもの急な不調に対応する病児シッターサービス。 スタッフ全員が医療福祉の専門家である。 N.K.C ナーシング コア コーポレーション 合同会社 研修では利用者の立場になり、実技の向上を図る。 2 N.K.C ナーシング コア コーポレーション 合同会社 代表 神戸貴子さん 鳥取県 Tottori 神戸さんが立ち上げた NPO 法人。子育て や介護、定年退職で現場を離れてしまった 看護師・保育士・介護資格保有者、教 員免許保有者といった方々に再就職先を 紹介。眠っている人材を適所にマッチング させることで、利用者と社会の両方への貢 献を目指す。ここでも新しい福祉を推進中。 S T E P P rofil e 米子市 Yonago NPO 法人ライセンスワーク ■ http://nkc.jp.net 利用者の利便性の向上と、