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教師用マニュアル

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教師用マニュアル
Version2403
教師用マニュアル
白色高輝度発光ダイオード(H.B.LED
)
・太陽電池・
三相交流発電機・電気二重層キャパシタ搭載
NewGenerationTeachingMaterial
エネルギー変換対応・新指導要領対応
■仕様
寸 法 幅×高さ×全長
電 源 電気二重層キャパシタ(EDLC)
三相交流発電機
67×106×221mm(ハンドル収納時)
10F(増設可能:10F×2)
2.5W
太陽電池
多結晶シリコン型 3.8V/45mA晴天時(MAX)
乾電池(単三×2)
ニッケル水素電池搭載可能
ライト 高輝度白色発光ダイオード
φ5×5連装 インバータ使用
ラジオ 信号対雑音比(FM/AM)
50dB/32dB
周波数帯(FM/AM)
76∼108MHz/530∼1600KHz
オーディオ出力
150mW
スピーカ
φ500.5W 8Ω
その他の機能 携帯電話への充電機能(USB携帯電話充電ケーブル使用)
ニッケル水素電池搭載時の充電機能
緊急サイレン・ライト装備
充電アダプタ格納ポケット装備
アニメーションワークシートの解答集はP9にあります
オプション
電気二重層キャパシタ(EDLC)
:増設用
USB携帯電話充電ケーブル:ポケット内に搭載可能
学
兵庫県三木市大塚 1-2-56
TEL.0794-82-8877 FAX.0794-83-4661
www.nagatac.co.jp [email protected]
校
名
中学校
学
級
年 組
名
前
1.エネルギー利用とわたしたちの生活
テキストに使うページ(教科書)
①技術の発達とエネルギー利用
教科書 東書P14∼17、98∼99 開隆P6∼7、22∼25、98∼99
②自然界のエネルギーを利用する
教科書 開隆P94∼95
参考資料1-1
③電気をつくる−さまざまな発電方法−
(1)水力発電
(2)原子力発電
(3)火力発電
(4)その他の発電方法
A.地熱発電
B.風力発電
C.太陽光発電
D.波力発電
E.燃料電池
教科書 東書P119 開隆P114
(a)利点と問題点
(b)アニメーション「燃料電池について」・ワークシート
④電気を送る(送電)
参考資料1-2 やってみよう
1.エネルギー利用とわたしたちの生活 開隆P6∼7、P22∼25、P88∼89 東書P14∼17、P98∼99
①技術の発達とエネルギー利用
人類は技術を利用して、生活に関わる様々な問題を工夫して解決し、生活を便利で豊かなものにしてきました。その中で道具
の発達とともに見逃せないのがエネルギー変換技術の発達です。
昔、人間は木を燃やしたり、人力、畜力、水力、風力などからエネルギーを得て生活や生産に利用してきましたが、産業革命
以降は石油、天然ガスなどの化石燃料を燃焼させることで熱を得たり、エンジンなど動力機や発電機の燃料として利用したり
するようになりました。
たとえば動力の発達によって、短時間にたくさんの人や物資を遠くまで運ぶことが可能になりました。また、工場ではモータ
の利用によって手工業から機械化された工場での大量生産へと変化し、さらにコンピュータの登場により複雑かつ精密な加工
が可能になるなど、自動化が進んできました。
一方、熟練した技能や創造的な技術を伴う作業など、自動化できない技術も多く、現在でも専門の技術者の手で行われていま
す。
さて、エネルギー利用技術の発達や機器の発達によってわたしたちの生活がどう変わったかを家庭用電化製品を例に考えてみ
ましょう。
・電子炊飯器はごはんを炊くときに米の量や水温に応じて火加減を自動調節してくれるので、薪を使ったかまど炊きのように
人がついて火加減を調節する必要がなくなりました。
・最新の全自動洗濯機を使うと手洗いの必要がなく、スイッチを押すだけで洗濯から乾燥まで自動で行うことができるように
なりました。
・電気冷蔵庫によって食品の保存も大きく変わりました。昔は天日乾燥、塩づけ、発酵などの加工を行い、干物や漬けものと
して保存していたものが生(なま)のまま長期間保存することが可能になりました。
家事労働が大幅に軽減されたのです。
このように、エネルギー変換技術は現在のわたしたちの生活に欠かせないものになっています。
また、情報通信技術の発達も生活を大きく変化させました。
人の手や交通機関によって文書として運ばれていた情報は、電話や放送によって電気信号として相手に伝わるようになりまし
た。
機器もラジオや固定の電話からカラーテレビや携帯可能な携帯電話機などに進化しました。
現在では連絡したい相手にすぐに電話・メールすることができ、インターネットを使うと世界中の情報を瞬時に知ることがで
きます。
このようなことは、電気を利用する機器の普及と発達なしには考えられません。
とりわけ、わたしたちの使用する機器の多くは電気エネルギーを他のエネルギーに変換、制御することで、目的の「仕事」を
行っています。
機器を安全・適切に使用し、むだのないエネルギーの利用を行うためには、機器のはたらきやしくみについて、十分に理解し
ておく必要があります。また、機器の消費するエネルギーにとどまらず、「機器を製造するためや廃棄処分するために必要な
エネルギー」の量についても考えるべきでしょう。
1図
昔使用していたエネルギーと利用用途
大分類
エネルギーの形
再生可能
エネルギー
一次エネルギー
木材
木材
人の力
人力
家畜の力
畜力
資源
エネルギー
利用方法
熱エネルギー
利用用途
脱穀など
脱穀など
動力エネルギー
自然現象
水
風
地下水のくみ上げ
②自然界のエネルギーを利用する 開隆P94∼95
自然界には石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料、ウランなどの核燃料や水、風、太陽光などのエネルギー資源があります。
このような「自然界から直接得られるエネルギー」を一次エネルギーといいます。
わたしたちは、自然界のエネルギーを人間が使いやすいエネルギーに変換、加工して生活に利用しています。
例えば石油は原油のままでは燃えにくく利用しにくいため、ガソリンや灯油に分離(精製といいます)して利用しています。
風の力もまた、発電機によって電気エネルギーに変換しています。
このように「一次エネルギーを用途に合わせて精製、加工し、使いやすくしたエネルギー」を二次エネルギーと呼びます。二
次エネルギーには電気、都市ガスなどがあります。
一次エネルギーである石油の場合、灯油(二次エネルギー)にして灯油ストーブで熱エネルギーに変えたり、ガソリン、軽油
を自動車や船舶の燃料、動力エネルギーとして利用しています。また、発電所で石油を燃やした熱エネルギーによって発電し
た電気エネルギーは石油や天然ガスなどと比べて清潔で、光、熱、動力などに容易に変換できる、便利で使いやすいエネルギー
です。
二次エネルギーは効率がよく、安全で、利用しやすいなどの理由から幅広く生活に利用されています。
燃料からエネルギーを取り出す方法として、燃料を燃焼させ、その熱エネルギーを利用する方法がもっとも一般的です。熱エ
ネルギーの利用には主に二つの方法があります。
A
B
Aはエンジンなどに利用されているエネルギーの取り出し方です。燃料の燃焼による空気の膨張を利用して動力エネルギーを
得、得た動力エネルギーをそのまま使います。
Bは蒸気機関や発電所などで利用されている方法です。燃焼の熱によって水を沸騰させ、その水蒸気によって動力エネルギーを
得ています。
Aの方法、Bの方法とも得たエネルギーを別のエネルギーに変換して利用することができます。
参考資料1-① エンジンについて
エンジンを取り上げた授業を行うときは、下記の順に行っていただけます。
①4サイクルエンジンを中心に
(1)4サイクルエンジン アニメーション
(2)4サイクルエンジン 3択問題アニメーション
(3)4サイクルエンジン ワークシートによる理解度確認
(1)4サイクルエンジン・2サイクルエンジン
(2)4サイクルエンジン 3択問題アニメーション
(3)4サイクル・2サイクルエンジン
ワークシートによる理解度確認
※エンジンについては、2サイクル・4サイクル、および3択形式クイズなどのアニメーションがあります。
ナガタックのホームページ
http://www.nagatac.co.jp/animation/energy.htm をご覧下さい。
2図
エネルギーの分類と特徴
自然界のエネルギー
大分類
エネルギーの形
加工エネルギー
一次エネルギー
二次エネルギー
利用方法
利用機器
変換
効率
再生の
可能性
枯渇資源
を
使わない
二酸化炭素
を
排出しない
その他、排出物、
問題点など
都市ガス
熱エネルギー
ガスコンロ
○
×
×
×
○
電気(火力発電)
光、熱、動力、情報に利用
あらゆる電気機器
◇
×
×
×
○
灯油
熱エネルギー
灯油ストーブ
○
×
×
×
窒素化合物
ガソリン
動力エネルギー
エンジン
○
×
×
×
窒素化合物
電気(火力発電)
◇
×
×
×
窒素化合物
石炭
電気(火力発電)
◇
×
×
×
窒素化合物
核燃料
原子力
電気(原子力発電)
◎
×
×
×
放射性廃棄物
化石燃料
天然ガス
◎
×
×
×
○
◎
○
○
○
水
◇
○
○
○
自然環境・生態系破壊
△
○
○
○
発電機自体
天然ガス
資源
エネルギー
化石燃料
石油
電気(燃料電池発電)
元素
水素
水
風
電気(水力発電)
電気(風力発電)
電気洗濯機、
光、熱、動力、
電気スタンド、
情報に利用
電気アイロン、
あらゆる電気機器
太陽光
電気(太陽光発電)
×
○
○
○
太陽電池
地熱
電気(地熱発電)
◇
○
○
○
○
波
電気(波力発電)
◇
○
○
○
○
木材
木材
電気(バイオマス発電)
◇
条件付○
○
条件付○
○
ごみ
ごみ
電気(ごみ発電)
△
△
○
△
方法によっては
ダイオキシン、
二酸化炭素の発生も
自然現象
再生可能
エネルギー
変換効率:(悪い)×→△→◇→○→◎(よい)
③電気エネルギーをつくる−さまざまな発電方法−
貯水池に蓄えられた水が落差によって
水車に流れ込む力を利用して発電機を
回す。
送電鉄塔
貯水池
(1)水力発電
水の位置エネルギーを利用して水車を回転させる。
[利点]
・資源は枯渇しない。
・二酸化炭素などを排出しない。
[問題点]
・ダム建設による付近の生態系への影響がある。
(1)
ダム
水(水圧)
発電機
変圧器
(2)原子力発電
核反応によって得られる熱を利用して水蒸気を発
生させ、タービンを回転させる。
[利点]
・少量のウランで多量の発電が可能。
・二酸化炭素などを排出しない。
[問題点]
・放射能性物質を閉じ込めるために、徹底した品
質管理と厳重な運転管理が必要。
・長期的に管理が必要な放射性廃棄物が出る。
水車(タービン)
放水
(2)
原子力
蒸気
原子炉
(3)
火 力
タービン
発電機
送 電
ボイラー
蒸気
(3)火力発電
石油や天然ガス、石炭などをボイラーで燃やして
得られる熱を利用して水蒸気を発生させ、タービ
ンを回転させる。
[利点]
・比較的に立地条件を選ばず、建設コストが低い。
・需要変動への対応がしやすい。
[問題点]
・二酸化炭素を含め、公害対策が必要。海外から
の燃料に頼っている。
火力発電では石油、天然ガスなどの化石燃料を燃焼させ、発生した熱によって水を沸騰させることで、発電機のタービンを回
す動力エネルギーを得ています。
発電機はモータと同様のしくみで、磁力(コイル)と力(動力)を使って電気をつくります。
水力では水の位置エネルギーを利用して電気をつくります。
その他の発電方法として下に挙げた地熱発電や風力発電、波力発電などがありますが、これらは化石燃料を使用せず、太陽光
や燃料電池には発電機さえ使用しません。
このように、現在では自然エネルギーを利用した新しい発電方法が開発、研究されています。
(4)その他の発電方法
A.地熱発電
[利点]
・温室効果ガスを出さな
い。資源の枯渇にはつ
ながりにくい。
[問題点]
立地条件に制約があり、
発電規模は小さい。
温泉地に集中する
ため大規模な設備
誘致が難しい。
気水分離器
蒸気・
熱水
井戸
蒸気
熱水
発電機
タービン
地下からとり出した蒸気の力でタービン
と発電機を回す。
B.風力発電
[利点]
・資源は枯渇しない。
・温室効果ガスを出さない。
・設備費は比較的安価であ
る。
[問題点]
・立地上の制約がある。
遮へい物の少ない
沿岸や高地に設置
する必要がある。
・気候に左右される。
・大量の発電はむずかしい。
C.太陽光発電
[利点]
・太陽光を利用するので資源は枯渇しない。
・温室効果ガスを出さない。
[問題点]
・電気の変換効率が低い。
・実用化されているものは家庭建造物単位で利用するもの
が多く、大量発電には向かない。
・晴天時に発電したものを蓄電する設備が必要になる。
発電機
風
自然の風をうけて発電機を回す。
電力
弁
波が上がるとき
空気室の空気が波の上下によって移動し、
その力で空気タービンを回す。
水素電極(一)
酸素電極(+)
電圧
電解質
波が下がるとき
E.燃料電池
[利点]
・ 水 素 は 無 尽 蔵 に あ り、
枯渇しない。
・温室効果ガスは発生し
ない。
・発電効率が高い。
[問題点]
・純粋な水素は自然界に
は存在せず、精製の設
備投資が必要。
・危険な水素を扱うため
厳重な管理が必要。
酸素
発電機
電力
タービン
ノズル
空気の流れ
空気室
水素
D.波力発電
[利点]
・資源は枯渇しない。
・温室効果ガスを出さない。
・設備費は比較的安価で
ある。
[問題点]
・立地建設コストが高い。
・大量の発電はのぞめない。
水
水素イオン 電子
燃料電池は、水素と酸素を化学反応させ
て、電気を取り出す。
その他にも
コジェネレ−ションに代表されるような、燃料電池などで発電時に発生する熱を給湯や冷暖房に利用する「むだのないエネル
ギー利用」が今後の発電に求められつつあります。
関連するアニメーション
●新しい電気利用について
●太陽電池のしくみ
●燃料電池について
www.nagatac.co.jp/ani/026.htm
www.nagatac.co.jp/ani/025.htm
www.nagatac.co.jp/ani/024.htm
④電気を送る
わたしたちの生活の中で利用される電気の多くは発電所でつくられた交流で、それをわたしたちはコンセント等から取り入れ利用しています。
発電所で発電された電力は下図のように高い電圧で送電されます。
そのほうが電流値を下げることができ、送電途中での電力損失が
少なく、細い電線で送ることができるため、コストも安く押さえ
ることができるからです。高圧で送電された電力は超高圧変電所
から一時・中間・配電用の3つの変電所で段階的に変電されます。
(その過程で高い電圧のまま電力使用する大工場や鉄道などには
適した電圧に変電してから供給します)
配電用変電所から家庭用に送電される電圧は6000∼3000Vで、これ
を柱上変圧器で100Vか200Vに変電したものを我々は利用していま
す。しかし実際は現行の送電システムでは電気は発電されてから、
利用者に届くまでに5%ロスしています。送電上の課題は送電の効
率をあげ、ロスを減らすことにあります。
6000∼3000V
50万∼15万V
100V、200V
発電所
住宅
変電所
送電線
柱上変圧器
送電線
現在の発電・送電の問題点(大量・集中発電、長距離送電)
問題となっている点
原因
・長い距離を送電するため、ロスが大きい。
・送電設備による自然環境や美観の破壊(特に地方で顕著)
・使用する側で適した発電方法を選べない。
・発電場所で出た熱が再利用しにくい。
・大量に発電するため、主に地下資源など
有限なエネルギー源に依存する。
・人口密集地に発電所を作るのはリスクが
大きいため、遠方に設置する。
やってみよう
皆さんの家庭の電力量(月単位)を調べ、電力会社のホ−ムペ−ジで料金を調べてみよう。
多くの電力会社のホームページに、料金を計算できるシステムが導入されています。
北海道電力
東北電力
東京電力
北陸電力
中部電力
www.hepco.co.jp/
www.tohoku-epco.co.jp/
www.tepco.co.jp/
www.rikuden.co.jp/
www.chuden.co.jp/
関西電力
中国電力
四国電力
九州電力
沖縄電力
www.kepco.co.jp/
www.energia.co.jp/
www.yonden.co.jp/
www.kyuden.co.jp/
www.okiden.co.jp/
《燃料電池について》
年 組 番
氏名
1.燃料電池について、文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に書きましょう。
燃料電池は( ① )と酸素から( ② )を取り出す発電方法で、排出物は( ③ )です。
この発電方法は①の供給方法が課題になっていましたが、( ④ )やメタノールから取り出す
方法が現在、実用化されつつあります。
燃料電池のはたらきで最も重要なのは( ⑤ )を①原子からひきはがすことです。
燃料である①を燃料に供給します。①から⑤が引きはがされ、
+の電荷を持った( ⑥ )だけが中央の部分を通り抜けます。
水素イオンは( ⑦ )と結合しようとします。
この時⑤の通り道を両側に取り付けると、左側の−の⑤を左側
に引き寄せようとするので、ここを⑤が移動します。
つまり、( ⑧ )が流れるのです。
この⑤と水素イオンと⑥が結合し、③を排出します。
答え. ①( ) ②( ) ③( ) ④( )
⑤( ) ⑥( ) ⑦( ) ⑧( ) 2.従来の電気発電・送電方法に比べて、燃料電池や分散型発電がすぐれている点をそれぞれ下記
から選び、その記号を下の( )内に書きましょう。
燃料電池 ⑨( ) 分散型発電 ⑩( )
ア.送電ロスがない。 イ.排出物として環境に害のあるものをほとんど出さない。
ウ.発電効率が高い。 エ.電線の切断などによる停電がない。
オ.大量の発電が見込まれる。(原子力や火力発電と同じ位)
カ.音が静か。 キ.寿命が長い。
ワークシート解答集 〈エネルギー変換1〉
《白熱球のしくみ》 (配点各1点)
①( 光 ) ②( 熱 ) ③(フィラメント) ④(タングステン) ⑤(増える)
⑥(増える) ⑦(明るく) ⑧(らせん状 ) ⑨(フィラメント) ⑩(ガス) 《蛍光灯のしくみ》 (配点各1点)
①(長く) ②(電子) ③(紫外線) ④(安定器) ⑤(しません)
⑥( D ) ⑦( E ) ⑧(グロー球)⑨(トランジスタ)⑩(変圧器またはトランス)
《LEDのしくみ》 (配点各1点)
①( + ) ②( − ) ③( 光 ) ④( + ) ⑤( − )
⑥(流れません) ⑦(極性がある) ⑧(青色) ⑨(高輝度LED) ⑩(信号機)など
《点滅球のしくみ》 (配点各1点)
①(バイメタル) ②(高い) ③(元の形状に戻り) ④(フィラメント)
⑤(流れなくなります) ⑥(流れます) ⑦(点灯) ⑧( 光 ) ⑨(こたつ) ⑩(サーモスタット)
《電気の流れ》 (配点各1点)
① (負荷) ②(電源) ③(導線) ④(点灯) ⑤(右回り) ⑥(消えます)
⑦(電子) ⑧( + ) ⑨(炭素棒) ⑩(導線)
《動力の伝達と変換》 (配点各1点)
①( ウ )(E ) ②( ア )(B ) ③( エ )(D ) ④( オ )(C )
⑤( イ )(A ) ⑥( イ )(C ) ⑦( エ )(A ) ⑧( ア )(E )
⑨( ウ )(B ) ⑩( オ )(D )
《2サイクルエンジン》 (配点各1点)
①( 2 ) ②(潤滑油) ③(ピストン) ④(点火プラグ) ⑤(掃気口)
⑥ (混合気) ⑦(圧縮) ⑧(膨張) ⑨(燃焼ガス) ⑩(掃気口) 《4サイクルエンジン》 (配点各1点)
①(有害物質) ②(ディーゼルエンジン) ③(カム) ④(圧縮)
⑤(点火プラグ) ⑥(燃焼ガス) ⑦(カム) ⑧(点火プラグ) ⑨(ピストン)
⑩(コンロッド)
ワークシート解答集 〈エネルギー変換2〉
《新しい電気利用について》 (10点満点)
①(石炭) ②(原子力) ③(タービン) ④(位置エネルギー) ⑤(廃棄物、または
ゴミ) ⑥(放射性廃棄物) ⑦(温室効果) ⑧(電線) 〈各1点〉
⑨(A,C,E,F,G,H,J) 〈各2点〉
《燃料電池について》 (配点各1点)
①(水素) ②(電気) ③( 水 ) ④(天然ガス) ⑤(電子) ⑥(水素イオン)
⑦(酸素) ⑧(電気、または、電流) ⑨(イ,ウ,カ,キ) ⑩(ア,エ)
《EDLC(コンデンサ)について》 (20点満点)
①(電解液) ②(帯電) ③(正極) ④(負極) ⑤(負荷) ⑥(超電力)
⑦(表面積) ⑧(電源) 〈各1点〉
⑨(A.C.F.G.H.) ⑩(B.D.E) 〈各2点〉
⑪(イオン) ⑫(化学) ⑬(低い) ⑭(メモリ効果) ⑮(高温) ⑯(減少) ⑰(低い) ⑱(長い)
〈各1点〉
《太陽電池のしくみ》 (配点各1点)
①( 光 ) ②(電気) ③(半導体) ④(電子) ⑤(N型半導体)
⑥(導線、または負荷) ⑦(電卓) ⑧(化石燃料) ⑨(天候) ⑩(大量)
《発電機(モータ)のしくみ》 (配点各1点)
①(反発し) ②(引き合い) ③(磁力線) ④( 上 ) ⑤(フレミング左手の法則)
⑥( 右 ) ⑦(常に同じ方向) ⑧(電流) ⑨(右の方向) ⑩(右手) ⑪( A )
⑫(左手) ⑬(電流) ⑭(常に一定になり) ⑮(切りかわらない) ⑯(交流電流)
⑰(発電所) ⑱(遠く) ⑲(変圧器) ⑳ 交流(B )直流(A )
2.電気を使う機器のしくみ
テキストに使うページ(マニュアル+教科書)
目次
ソーラーエナジーマニュアル(以下SEM)P1
キット組立上のお願い、アフターサービスについて
SEMP2
①製作の目的
SEMP2
②部品の確認
SEMP3、4
③部品検査
SEMP5∼10
(1)回路計の使い方
教科書 東書P89、開隆P82
(2)固定抵抗器
SEMP5
(3)コンデンサ
SEMP6
(4)ダイオード
SEMP7
(5)発光ダイオード
SEMP8
(6)スピーカ
SEMP10
(7)キャパシタ(EDLC)
SEMP46
(8)太陽電池
SEMP10
教科書 東書P104
教科書 東書P103
④電気回路のしくみ
教科書 東書P86∼87、開隆P81・83
(1)電気回路の構成
教科書 東書P86、開隆P81
(2)図記号と回路図
教科書 東書P87、開隆P81
(3)電気に関する基礎知識
教科書 東書P87、開隆P83
A.電流と電圧
教科書 東書P87、開隆P83
B.抵抗のはたらき
教科書 東書P87
目 次
1
製作の目的
………………… 2
5
回路図および実体配線図
2
部品の確認
…………… 3∼4
1.回路図
2.実体配線図
3.ソーラーエナジーの電気利用のフローチャート ……16
6
組み立て
1.基板の組み立て
2.回路の完成
3.本体の組み立て
……………………………………9
7
各部の機能
………… 32∼33
6.スピーカ …………………………………………10
8
実験編
………… 34∼53
1.キット内容(部品一覧表) ………………… 3∼4
3
部品検査
………… 5∼10
1.固定抵抗器
………………………………………5
2.コンデンサ
………………………………………6
3.ダイオード
………………………………………7
4.発光ダイオード(LED) …………………………8
5.トランジスタ
7.太陽電池 …………………………………………10
4
工具の用意と作業要領
1.工具の用意
2.注意事項
………… 14∼16
………………………………………… 14
…………………………………… 15
………… 17∼31
…………………………17∼23
………………………………24∼27
…………………………28∼31
実験部品について ………………………………… 35
………… 1
1∼13
1.発電する
……………………………………11
2.電気を動力に変換する …………………… 38∼40
………………………………………12
3.交流について
……………………12
4.電気を情報伝達に利用するしくみ
…………………………13
5.充電する
6.電気を熱と光に変換する ………………… 48∼50
7.太陽電池で発電する ……………………… 51∼52
8.動力を変化させるしくみ
3.はんだづけの準備と練習
4.部品の取り付け要領
………………………………… 36∼37
…………………………… 41∼43
…… 44∼45
………………………………… 46∼47
…………………… 53
− 1−
キット組立上のお願い
●高周波回路は組み立て調整済みです。バリコンのトリマーやコイルのコアなどは絶対にさわらないで下さい。
調整を動かすと、受信不能になり再調整(有償)が必要になります。
注)のマークの箇所には注意点を記してあります。よく読んでから作業などに取りかかるようにしましょう。
アフターサービスについて
●基板または電気二重層キャパシタ(キャパシタ)に初期不良があった場合は、その旨明記してご返送下さい。
代替品を無償でお送りします。
ご返送無き場合は有償となります。ご了承下さい。
●組み立て後、動作不能で自分で点検しても原因不明の場合には、電池を格納している場合は電池を取り外して、破損しないように包装し、
当社までお送り下さい。当社にて修理します。修理費は無料ですが、説明書を読まずに組み立てられたと考えられるもの、故意に破損し
たと考えられるものについては有償になります。部品破損の場合には部品代が必要です。また、返送料・包装手数料はご負担下さい。
未完成品(最後まで組み立てていないもの)は修理しません。必ず組み立ててください。
1
製作の目的
人類が様々な技術を得て、たゆまぬ技術革新をくりかえしてきたことで、私たちの生活は飛躍的に豊かになりました。
しかし、同時にエネルギーを作るための資源は底をつき、ここ数十年の間に別のエネルギー源を探さなければならない状況になりつつありま
す。これからの技術はエネルギーを利用しながらも、資源や環境への影響を最小限にとどめなければならないのです。
エネルギー源は再生不可能なもの(化石燃料など)から再生可能なもの(太陽電池や燃料電池など)へ、電気を別のエネルギーへ変換して使
う電気部品(白熱球など)はできるだけ微弱な電力で動作するもの(高輝度発光ダイオードなど)へ変化させていく必要があります。
さらに電気二重層キャパシタ(以下キャパシタと表記)の登場に代表される蓄電技術の発達は電力の貯蔵を可能にします。これらのことによ
り近い将来、電力は化石燃料を使わなくてもつくることができるもの、「国単位でつくるもの」から「個人が自給自足できるもの」に変化し
ていくでしょう。
やがてみなさんが大人になったとき、エネルギーの自給自足化が進み、生活者として「わが家のエネルギー供給」について考えなければいけ
なくなるでしょう。ソーラーエナジーでは製作の過程とwebで提供している情報の活用を通して、電気の利用方法やこれからのエネルギー利
用のあり方について学ぶとともに、省エネルギーに配慮する姿勢を身につけることを目的とします。
− 2−
2
部品の確認
部品一覧表を参考にしながら、部品が全て揃っているか確認しましょう。
注)このキットは厳重な出荷検査をして皆さんのお手元にお届けしていますが、万一、部品確認の段階で不足や不良があれ
ば、お手数ですが先生を通じて代理店までご請求下さい。
注)万一組立中に部品を破損された場合は、実費にて代替部品をお送りいたします。
キット内容(部品一覧表)
□ メイン基板
□ ライトユニット
□ レンズ □ レンズ止め
−
e
+
7
D0
5
C0 −
す
で
ン
ョ
シ
プ
オ
は
C
L
D
E
の
こ
01
こ
ZD
2
LC +
ED
b
50
85 1
SC R0
3
Q0c
8
D0
b
3
C0
1
Q0
c
2
R0
b
2
C0
e
50
85
SC
3
R0
L4
2
Q0c
e
50
80
SC
+
C1
DL
− E
9
D0
D3
P5 R04
L
D ED1
E C2 +
G DLC
L ND +
DCED0
1
P4
+
1
C0 −
+
4
C0 −
方
い
長
の
足
□ ボディA
D2
D6
D1
2
P3 P
D5
P1
MT
D4
□ ボディB(太陽電池を含む)
□ ダイナモハンドル
□ ポケットキャップ
□ ショルダーストラップ
− 3−
□部品付台紙
□ ケース止めネジ
2.6×12 5本
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
Q
0
3
c
S
C
8
5
5
0 e
R
0
1
E
D
L
C
1
Z
D
0
1
C
0
2
D
0
8
D
0
7
R
0
2
R
0
3
−
D
0
9
D
2
A
袋
D
6
P
3
P
2
D
5
M
T
P
5
R
0
4
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
+
C
0
4
部品名
□トランジスタ
SC8550
台
紙
付
電
子
部
品
D
3
−
−
D
1
P
1
□ ショルダーストラップピン
2.5×33 2本
P
4
数量
形 状
部品名
□ 固定抵抗器
1KΩ
2
台
紙
付
電
子
部
品
□電解コンデンサ
100μF
3
□セラミック
コンデンサ
0.1μF104
1
104
□セラミック
コンデンサ
330PF331
1
331
1
数量
形 状
1
茶 黒 赤 金
□ 固定抵抗器
22KΩ
1
□ 固定抵抗器
5.6KΩ
1
□ 固定抵抗器
3.3Ω
1
赤 赤 橙 金
緑 青 赤 金
0F
V1
2.3
− 4−
台
紙
付
電
子
部
品
□ ダイオード
1N4148
2
□ ダイオード
1N4004
7
□ ツェナーダイオード
4.3V
1
橙 橙 金 金
□キャパシタ
10F2.3Vφ13×35
(1個)
0F
V1
2.3
数量
部品名
その他の材料
1
その他の部品
□トランジスタ
SC8050
□ 発振コイル
220μH
D
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
C
0
5
+
+
C
0
1
C
0
3
L
4
+
□ 基板止めネジ
2.0×6 4本
−
足の長い方
b
□ ハンドル止めネジ
2.0×8 2本
□ 練習基板
□はんだ
形 状
3
部品検査
1.固定抵抗器
固定抵抗器には、カーボン被膜抵抗、金属被膜抵抗、巻線抵抗などがあります。
身近なところではラジオ、ステレオ、テレビなどの電気機器には他の部品に電流が流
れ過ぎないようにするためや電圧を調整するために、数多く使用されています。
カーボン抵抗はラジオ、インタホンに多く使用され、1/8W型、1/4W型、1/2W型、1W型
以上のものなど、抵抗値の高いものを作れることが特徴です。
固 定 抵 抗 器
形 状
図 記 号
(1)色表示の読み方および記号、用途
抵抗は小さく数字(抵抗値)を書いても読みにくいため、抵抗値は色で表示してあります。その単位はΩ(オーム)で、小さ
いものは小数点以下の抵抗値のものから、大きいものは数百MΩ(メガオーム…百万オーム)のものまであります。
固定抵抗器の色表示表
色
黒
茶
赤
橙
黄
緑
青
紫
灰
白
金
銀
無地
第1
色帯
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
第1
数字
第2
色帯
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
第2
数字
第3
色帯
×1
×1
0
×1
00
×1
00
0
×1
04
5
×1
0
×1
06
×1
07
×1
08
×1
09
×0
.1
×0
.0
1
倍 率
第4
色帯
±1
%
±2
%
(2)検査 (部品を紛失しないように、組立の際に行なって下さい)
抵抗の色表示の読みと実測値を比較して下さい。
色表示
色表示の読み
緑 青 赤金
緑 青 赤 金=±5%
5 6×100=5600Ω=5.6KΩ
R01
± 5
%
±1
0%
±2
0%
誤 差
実 測 値
Ω
茶 黒 赤金
R04
Ω
※検査後は紛失しないように元に戻しておきましょう。
− 5−
2.コンデンサ
コンデンサは回路に流れる電気をたくわえ、それを回路に流したりする性質があります。
コンデンサには、セラミック、フィルム、マイラ、電解コンデンサなどがあり、用途によって使い分けます。
(1)特徴および用途
セラミックコンデンサ
103
電解コンデンサ
少容量から中容量のものが多く、
高周波特性が優れているので、低
周波から高周波まで幅広く使用さ
れています。(極性(+、ー)はあり
ません)
μ
3
3
−
短い方⃝
+
小型で大容量のものができますが
高周波特性が悪いため、主に低周
波に使用されます。(極性(+、ー)
があります)
+ 長い方
⃝
(2)容量単位および容量表示
コンデンサ容量の単位は、F(ファラッド)ですが、一般には百万分の一のマイクロフ
ァラッド〔μF
〕または一兆分の一のピコファラッド
〔P
F
〕
が用いられています。(0
.
0
0
0
0
0
1
F
=1
μF=1,000,000PF)容量表示は、容量をそのまま表示したもの、数字で表示したも
のなどいろいろありますが、よく使用される数字表示を表にしました。
(3)検査 (部品の紛失の恐れがありますので、組立の際に行って下さい。)
テスタの抵抗レンジで次のように測定します。
●セラミックコンデンサ
端子に赤黒どちらのテスタ棒を当てても針が振れなければ
合格(容量が大きくなれば瞬間に若干振れる)。
●電解コンデンサ
テスタの赤棒をコンデンサの−リードに、黒棒を+リード
に当て、最初は大きく振れ、徐々に元にもどれば合格。
表示
102
222
472
103
+
長い足が⃝
1
03
−
短い足が⃝
黒棒
振れない
赤棒
赤棒
μ
220 (−)表示
16V
最初振れるが
元にもどる
黒棒
ソーラーエナジーで二次電池の代わりに使用している電気二重層キャパシタ(キャパシタ)は
電解コンデンサの一種で、従来のコンデンサよりも大きな電気容量を持っています。
− 6−
表示
容 量
223 0.022μF
473 0.047μF
104 0.1μF
コンデンサの検査
セラミック
コンデンサの検査
マイラ
※検査後は、紛失しないように注意して下さい。
容 量
0.001μF
0.0022μF
0.0047μF
0.01μF
電解コンデンサの検査
3.ダイオード
ダイオードは主に整流(電流を一方向にしか流さなくすること)や電圧を一定に保つために使われています。
一般にゲルマニウムまたはシリコンを主材料に使用しますが、ガリウム、ひ素で作られたダイオードもあります。
(1)種類と記号および分類
白帯
色帯
色帯
黒地
K:
カソード
透明
A:
アノード
K
:
カソード
透明
A
:
アノード
電流方向
K
:
カソード
A
:
アノード
電流方向
1N
40
04など(D
1∼D6
、D
09)
電流方向
1
N
4
1
4
8
など(D
07
∼D
08
)
Z
D
4.
3
V
など(Z
D4
.
3
V
:Z
D
0
1)
(ツェナーダイオード)
用途別に分類すると、検波用ダイオード、整流用ダイオード、定電圧ダイオード、増幅用ダイオード、可変容量ダイオード
などに分けることができ、構造によって分類すると、点接触(ポイントコンタクト)形と接合形に大別されます。
(2)検査
K
の
図
黒棒
査
K
赤棒
検
A
A
黒棒
テスタのレンジをオーム計の
×1KΩにして下さい。
0
Ω調整後、次の方法で検査を行い、
どちらかに○を付けましょう。
赤棒
(部品の紛失の恐れがあるので、
組立の際に行って下さい)
解
1
K
Ωレンジ
テスタ棒の接続方向
1
K
Ωレンジ
赤棒→K(印のある方)
黒棒→A
赤棒→A
黒棒→K(印のある方)
D
1∼D
6
D
09
1N4001
針 振れる 振れない
針 振れる 振れない
D
07
∼D0
8
1N4148
針 振れる 振れない
針 振れる 振れない
− 7−
4.発光ダイオード(LED)
(1)配線の方法
1.高輝度発光ダイオードを含む発光ダイオードには極性があるので注意が必要です。リード足の長い方(A:アノード)に
(+)を接続します。ソーラーエナジーでは配線済みです。
2.発光させるにはその発光ダイオードの製品規格に表わされている電圧以上の直流(順方向)電圧が必要です。
ソーラーエナジーでは2.3Vの直流を、専用の回路で必要な電圧まで昇圧して使用しています。
3.電源電圧が規格の電圧を大きく越える場合は高輝度発光ダイオードと直列に電流制限抵抗を接続します。抵抗を入れな
いと破損します。
電流制限抵抗値の計算方法・・・オームの法則 R=E/Iより
抵抗値 = 電源電圧 ÷ 電流 で求めることができます。
図 記 号
K(カソード)
A(アノード)
(2)検査の方法
発光ダイオードもダイオードです。ダイオードは一方向にしか電流を流さない性質
があり、その性質を利用して検査します。
1.ライトユニットを本体に接続します。
2.本体の電源切替スイッチをキャパシタにします。
3.テスタ(回路計:SANWASP-18G)をオーム計の×10にあわせます。
4.テスタの棒を発光ダイオードのリードに接続します。
点灯しなければ赤棒と黒棒を入れ替えてみましょう。
赤棒にK(カソード)、黒棒にA(アノード)が接続された状態のとき、発光ダイ
オードが点灯します。点灯すれば合格です。( )内に検査の結果判明したK
(カソード)とA(アノード)を書き込みましょう。
※電源切替スイッチを電池にすると5灯とも点灯します。
注意 オーム計用の電源が1.5Vの回路計では点灯しません。
− 8−
( )
( )
点灯すれば正常です。
5.トランジスタ
(1)特徴
トランジスタの構造はダイオードと同じように、ゲルマニウム・シリコンを主材料
とするN型、P型半導体を組み合わせたものです。その組み合わせにより、NPN型と
PNP型とに大別されます。半導体からは3本の電極がでていて、エミッタ(E)、ベ
ース(B)、コレクタ(C)という名前がついています。
トランジスタはベースに流れる電流の少しの変化で、コレクタに流れる電流を大き
く変える性質があります。そしてベース電流と同じ波形の大きな電流がコレクタ電
流として得られます。この作用をトランジスタの電流増幅作用といい、ラジオなど
のオーディオ機器やテレビ、その他制御機器製品など多分野の電気機器に多く使わ
れています。
トランジスタ
図記号(NP
N
型)
C
B
E
SC8050
B
E
(2)検査の方法
エミッタ
ベース∼ 間導通テスト(1)
コレクタ
赤棒
エミッタ
ベース∼ 間導通テスト(2)
コレクタ
黒棒
E
C
E
SC8550
コレクタ∼エミッタ間導通テスト
赤棒
E
黒棒 B
赤棒
1KΩレンジで
0Ω調整をする
赤棒ーE
黒棒ーB
黒棒 B
B
1KΩレンジで
0Ω調整をする
赤棒ーC
黒棒ーB
赤棒ーB
黒棒ーE
E
C
C
検査の図解
テスタ棒の接続方法
C
B
下表の方法で検査をして、テスタの針が振れるか振れないか、どちらかに○を付け
ましょう。テスタのレンジはオーム計の×1Kに合わせます。
検査の種類
図記号(PN
P
型)
C
赤棒ーB
黒棒ーC
1KΩレンジで
0Ω調整をする
赤棒ーE
黒棒ーC
赤棒ーC
黒棒ーE
SC8050
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
SC8550
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
振れる 振れない
※検査後は紛失しないように元に戻しておきましょう。
− 9−
6.スピーカ
スピーカは、電気信号(音声信号、電気の振動、交流)を音声(空気の振動)に変えるはたらきをします。
(1)形状および図記号
形状
(2)検査
テスタ(SANWASP-18G)を抵抗計の×1Ωレンジに合わせて測定して下さい。
スピーカの端子にテスト棒を当てます。テスタ棒の+(赤棒)・−(黒棒)はどち
らでもかまいません。
基板のテストポイント「P6」と「P7」でも同じです。試してみましょう。
振れた瞬間に、スピーカから「カリカリ」という音が鳴れば合格です。
図記号
7.太陽電池
太陽電池は半導体で、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換します。
半導体が光を受けると、電気が発生する性質を利用したものです。
ソーラーエナジーに使用する太陽電池は、P形とN形のシリコンの結晶を組み合わせた構造になっています。
(1)形状および図記号
形状
(2)検査
図記号
回路計のレンジをDC(直流)の12Vに合わせて、黒の棒をP7(テストポイント7)
に接続し、赤の棒をP8(テストポイント8)に接続します。
実験用の、みの虫クリップリード線を利用すると簡単に行えます。
太陽電池を明るい方へ向けてみて、電圧が発生すれば正常です。
発生する電圧は、明るさによって変化しますが、およそ4∼6Vの範囲です。
※検査を室内で行う場合は、白熱球の光が太陽電池に当たるようにして下さい。
P7
黒棒
P7
P8
P8
赤棒
−1
0−
黒棒
P7
P7
P6
P6
測定した値を記入しましょう
・実測値 Ω
(この時、テスト棒の一方をつけたり、はなしたりすると、
カリカリと音がします)
赤棒
極性の見分け方
F
1
0
F
V
0
3
1
V
.
2
3
.
2
+
色帯の付いているの
が−(マイナス)側。
本体の色によって色
帯の色も異なる。
−
リードが短い。
−1
0−
7.太陽電池
検査方法は
回路計のレンジをDC(直流)の12Vに合わせて、黒の棒をP7(テストポイント7)
に接続し、赤の棒をP8(テストポイント8)に接続します。
実験用の、みの虫クリップリード線を利用すると簡単に行えます。
太陽電池を明るい方へ向けてみて、電圧が発生すれば正常です。
発生する電圧は、明るさによって変化しますが、およそ3∼4Vの範囲です。
図記号
形状
G
黒棒
P7
P7
P8
P8
赤棒
EDLC、太陽電池などの新しい電源については、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。
ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/animation/をご覧下さい。
−1
1−
2.電気回路のしくみ
(1)電気回路の構成
電気回路は一般的に右の図のように電源、導線、負荷、
スイッチの四つの要素で構成されています。
導線
電流の通り道
電源
F
1
0
F
V
0
3
.
2
1
V
3
【語句】
.
2
問 次の電気部品は電気回路の中でどの構成要素に含
まれるでしょうか。
右図を参考にして、下表の空欄に書き込みましょ
う。
負荷に電流を流
そうとする部分
発電機・白熱球・ジャンパ線・ニカド電池
・リード線・スライドスイッチ・蛍光灯
電 源
発電機、ニカド電池
導 線
ジャンパ線、リード線
負荷
電流のはたらきで
仕事をする部分
スイッチ
電流の流れを制御する部分
負 荷
スイッチ
白熱球、蛍光灯
スライドスイッチ
電気の流れについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/denki/flash.htmをご覧下さい。
−4
3−
(2)電気の流れる道すじと回路図
先の実験(5)でどこかのクリップを外した(=スイッチの代わり)場合は電気の流れる道筋がさえぎられるため、電流は
流れず、発電機の負荷(モータの電気抵抗)がなくなり、ハンドルは軽く回ります。
このクリップを使って接続し、ハンドルを回すと重くなります(注)。
このように、電流が流れ負荷が仕事する状態になるには電源の一方の端子から、もう一方の端子まで電流の流れる道すじが
必要です。この道すじを電気回路といいます。
電気は電源の片側から出て、もう片側に戻るように流れると約束されています。
(注)
これは車が坂道を下るときに利用するエンジンブレーキに似ています。
エンジンブレーキとはブレーキそのものではなく、ピストンの上下やクランクシャフトの摩擦抵抗などが車の速度を落
とすことをいいます。エンジン自体がブレーキの役目をするのです。
ここでスイッチにあたるのはクラッチです。クラッチを切るとエンジン内の負荷がなくなり、車の降下速度は早くなり
ます。
問 実験(4)の回路図に電流の流れる方向を矢印で書きこんでみましょう。
電気回路を図記号を用いて表したものを回路図といいます。
回路図を表すための図記号には主に下図のようなものがあります。
コンセント
電池または直流電源
LED
電源プラグ
スイッチ(単極単投)
抵抗器
図記号にはその他にも色々な表現があります。図記号の新旧の比較についてはナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/zukigo/pdf/zukigo.pdfをご覧下さい。
−4
4−
(3)電圧と電流の関係
●電流を流そうとする力を電圧といい、記号はE、単位にはV(ボルト)が使われます。
●電流の記号は I、単位にはA(アンペア)が使われます。
●電流の「流れにくさ」を電気抵抗または抵抗といい、記号は R、単位にはΩ(オーム)が使われます。
オームの法則
(電気の流れ略図)
抵抗器
抵抗 R[Ω]
電流を水の流れに例えると
R〔Ω〕の抵抗に、電池などによって
E〔V〕の電圧を与えたとき、流れる
電流I
〔A〕のそれぞれには次のよう
な関係があります。
これをオ−ムの法則といいます。
水位の差
バルブ
電圧(E)
電流(I)=ーーーーーーー
抵抗(R)
水の流れでは
電流 I[A
]
この式を変形すると、
電圧 E[V
]
電池
問
電圧(E)=抵抗(R)×電流(I)
電圧(E)
抵抗(R)=ーーーーーーー
電流(I)
整流後の直流5Vのとき、回路に流れる電流は
何アンペアでしょうか。
(ダイオードは整流用で、挿入損失は無視
するものとします)
0.05
(答)( A
)
A
電気回路では
水を流そうとする力は
水位の差(=水圧)
電気を流そうとする
力は電圧
水の流れている
量は水量
電気の流れている
量は電流
バルブは水の流れを
じゃまして水量をかえる。
抵抗は電気の流れを
じゃまして電流をかえる。
K
GS
3
100Ω
A
※整流後に5Vになるのは半波整流を行っているからです。半波整流についてはP52をご覧下さい。
電気がどのように流れるかについて、
わかりやすいアニメーション教材を
ご用意しています。
ナガタックのホームページ
www.nagatac.co.jp/denki/
flash.htm
をご覧下さい。
−4
5−
(4)抵抗のはたらき
電気回路には負荷(抵抗)がないと短絡し、一瞬のうちに大量の電流が流れてしまいます。また負荷のある場合でも、その負
荷の仕事量以上の電力が供給されると、負荷にあたる部品が破損することがあります。負荷にあった電力を供給するために
は抵抗を回路内に接続して電流を調整します。
その調整用の抵抗値は、 抵抗値=電源電圧÷ 負荷に必要な電流 で求められます。
問 右の回路に20Vの電圧をかけ、50mAの電流を流して、
LEDを正常に(破損しないように)点灯させるためには、
何Ωの抵抗が必要になるでしょうか。
(Ω)
R
20V
50mA
400
(答)( Ω)
覚えておこう
+
−
電源
電流測定と電圧測定の方法
回路中の電流や電圧を測定するときには回路計(テスタ)を使用します。
このとき、回路計で測定するのが電圧なのか、電流なのかで回路計の接続
方法が異なるので注意が必要です。
+
−
電圧計
電圧を測定するときには負荷と並列に接続します。
電流を測定するときには負荷と直列に接続します。
+
電圧は「電位差」、電流は「量」を測るのだと覚えておきましょう。
負荷
※抵抗器についてはP5をご覧下さい。
−4
6−
−
電流計
3-1エネルギーを変換して利用しよう
テキストに使うページ(マニュアル+教科書)
①実験部品について
ソーラーエナジーマニュアル(以下SEM)P37
(1)実験の用意
SEMP35
②電気をつくってみよう(発電のしくみ)
(1)太陽光発電
A.実験(1)太陽電池の電力を測定しよう
SEMP52
B.実験(2)太陽電池の電力でモータを回そう
C.太陽電池のしくみ
SEMP10
(a)太陽電池の説明
SEMP10
(b)太陽電池のしくみと種類
SEMP51
教科書 東書P105、開隆P115
(c)アニメーション「太陽電池のしくみ」ワークシート ホームページ
(2)発電機
教科書 東書P100、開隆P113
A.実験(3)三相交流電圧を測定しよう
B.実験(4)交流を体験しよう
SEMP38
C.交流
D.実験(5)直流に変換しよう
教科書 東書P103、開隆P96
SEMP39
参考資料3-① 交流を直流に変換する方法
ダイオードの整流作用のしくみと半波整流
教科書 東書P104
全波整流と平滑コンデンサ
電源安定化回路
③電気を蓄えよう
(1)電気二重層コンデンサ(キャパシタ)
教科書 開隆P113
A.太陽電池とキャパシタはベストパートナー!
SEMP51
B.実験(9)EDLCへ充電する様子
SEMP47
C.実験(10)蓄えた電気を光に変換する
SEMP48
D.キャパシタのしくみと特徴
SEMP46
E.アニメーション「EDLCについて」ワークシート
ホームページ
(2)電池のしくみと種類
教科書 東書P87、開隆P97
④光に変換する
(1)発光ダイオード
A.実験(6)電気を光に変換するしくみ
B.発光ダイオードのしくみ(1)∼(3)
SEMP50
C.アニメーション「LEDのしくみ」・ワークシート
ホームページ
教科書 東書P104、開隆P87
(2)豆球(白熱球)
A.(7)電気を光と熱に変換するしくみ(豆球−1)
教科書 東書P102、開隆P98
B.アニメーション「白熱球のしくみ」・ワークシート
ホームページ
※参考 アニメーション「蛍光灯のしくみ」ワークシート
ホームページ
※テスト
⑤熱に変換する
教科書 東書P101、開隆P98
(1)実験(8)電気を光と熱に変換するしくみ
⑥動力に変換する
教科書 東書P103、開隆P101∼102
(1)実験(11)たくわえた電気を動力に変換するしくみ
(2)アニメーション「発電機(モータ)のしくみ」・ワークシート
ホームページ
(3)三相交流発電機のしくみ
⑦動力を変化させる
SEMP53
教科書 東書P84∼85
・106、開隆P79
・103∼104
(1)ソーラーエナジーのギア比
ホームページ
教科書 東書P106∼109、開隆P105∼107
(2)アニメーション「動力の伝達と変換」・ワークシート
8
実験編
−3
4−
実験部品について
実験は必ず先生の指示に従って行ってください。
実験用の部材は、一部キットに入っていないものがあります。
同梱されていない部材は、実験を始める前に先生から配られます。
(1)はじめに
ソーラーエナジーは、太陽電池や発電機によって得られた電気エネルギーを電気二重層キャパシタ(キャパシタ)へ蓄電し、その電力を
使ってラジオを鳴らしたり、ライトをつけたりすることができます。
この「ソーラーエナジー実験編」では、「1.電気エネルギーを作り出し利用する方法を学ぶ」「2.エネルギーの現状の理解によってエネルギ
−問題への関心を持ち、省エネルギ−を実行する姿勢を育成する」「3.電気の安全な利用法を学ぶ」これらの3つをテ−マに実験・考察な
どを行います。
(2)実験の用意
実験は、キットの部品と「グループで使用する部品」を使用します。
●部品を実験中に紛失しないように注意しましょう。
●「グループで使用する部品」は、特に大切にしましょう。
● 実験時、発電機のハンドル回転数は10秒間で10∼20回転を目安にして下さい。
■グループで使用する部品(予備部品と一緒に、30入ケースに1セット入っています)
モータ(直流)
豆球
LED
みの虫クリップ付きリード線 赤2本・黒1本
ダイオード
茶黒茶金
豆球ソケット
固定抵抗器 100Ω
−3
5−
1.電気をつくってみよう(発電のしくみ)
実験(1)太陽電池の電力を測定しよう。
回路図
この実験では、太陽電池の発電能力(電力)をLEDと回路計を使
用して目で確認します。
※電力の公式は W(電力)=A(電流)×V(電圧)です。
実体図を参考に、テストリード線で接続します。
屋内と屋外で試してみましょう。
電圧計
V
A
電流計
A
K
実体配線図
P7
電圧計
黒棒
P7
A(アノード)
P8
K(カソード)
黒棒
電流計
P8
赤棒
赤棒
問1 屋内での測定の結果は何ワットでしたか。
約 5∼7m
) (参考値)
値は5月の晴天の日、明るい室内です→( W
問2 屋外での測定の結果は何ワットでしたか。
値は5月の直射日光をあてたものです→( W
約 150∼180m ) (参考値)
問3 LEDの光りかたは屋外では(明るく・暗く)、屋内では(明るく・暗く)、発生する電圧と電流に(比例・反比例)している
ことがわかる。
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−3
8−
実験(2)太陽電池の電力でモータを回そう
この実験では、太陽電池の電力でモータを回転させ
ます。
先に測定した電力をもとに何枚の太陽電池(と光)
があれば直流モータRE-140を回すことができるかを
実験によって確認します。
P7
P7
回路図
P7
P8
P7
P8
実体配線図
P8
P8
A(アノード)
K(カソード)
P7
直流モータ
P7
P8
P8
A(アノード)
3.2±0.5V
K(カソード)
40∼50m
3.2 )、電流は( A
45m )だった。
問1 先の実験で、晴天のとき太陽電池の発電する電圧は( V
3
問2 ここから、( 枚)の太陽電池を( 直列 並列 )に接続し、( 晴天 曇り )の条件下で実験を行った結果、
モータは回転した。 太陽光の照射条件がよいときは、2枚の太陽電池でも回転することがあります。
−3
9−
7.太陽電池
太陽電池は半導体で、光エネルギーを直接電気エネルギーに変換します。
半導体が光を受けると、電気が発生する性質を利用したものです。
ソーラーエナジーに使用する太陽電池は、P形とN形のシリコンの結晶を組み合わ
せた構造になっています。
図記号
形状
G
黒棒
P7
P7
P8
P8
赤棒
EDLC、太陽電池などの新しい電源については、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。
ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/animati
on/をご覧下さい。
−1
1−
(4)太陽電池の仕組みと種類
太陽電池の構造
電極
反射防止膜
n
型シリコン
p
型シリコン
電極
負 荷
太陽電池には、大きく分けて、1)単結晶型、2)多結晶型、3)アモルファス型、
4)ハイブリッド(単結晶・アモルファス結合型)があります。それぞれに特徴を持っ
ており、変換効率(太陽電池面積と出力に関係)、重量、価格等が異なっています。
ソーラエナジーは、効率の良い「多結晶シリコン型太陽電池」を使用しています。
シリコン結晶系太陽電池の例
太陽電池については、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/animation/swf/solar.htmをご覧下さい。
−5
1−
《太陽電池のしくみ》
年 組 番
氏名
太陽電池について、文章・図の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に書きましょう。
選択問題については適当と思われる方を選び書きましょう。 ・太陽電池は太陽の( ① )エネルギーを直接( ② )に
変換する発電方法です。太陽電池は( ③ )でできており、
P型とN型の③を結合したものです。これに太陽光をあてる
と正孔と( ④ )が発生します。
④は(⑤N型半導体・P型半導体・+極・−極)に、正孔は
その反対側に引き寄せられます。その時、( ⑥ )を双方
の半導体つなげば、電気を取り出すことができます。
太陽電池は自家発電に使われているほか、身近なものとして
はほとんどの(⑦電卓・携帯電話・置時計)に使われていま
す。 ( ⑧ )
( ⑨ )
( ⑩ )
答え.①( ) ②( ) ③( ) ④( ) ⑤( ) ⑥( ) ⑦( ) ⑧( )
⑨( ) ⑩( )
実験(3)三相交流電圧を測定しよう
【重要】
回路図
交流測定電圧は、一応の
目安であり回転速度に
よって変化します。
この実験では三相交流発電による電気エネルギーの発生を目で
確認します。
発電機にハンドルを取り付けます。(実験が終わったら外します。
ビスを紛失しないように注意しましょう)
発電機からの3ピンコネクタをジャックMTに接続します。
実体配線図を参考にテストリード線で接続します。
回路計の測定レンジをACVの30Vにセットしてハンドルを回して
みましょう。
回路計の針が振れることで電気エネルギーの発生を確認できます。
回路計1 回路計2
GS
3
早く回しますと、もっと
高い電圧を測定すること
ができます。
三相交流
発電機
それにこだわり、発電機
を壊すことのないように
ご指導下さい。
回路計3
10秒間に早くても20回転
くらいまでにとどめるよ
うにご指導下さい。
実体配線図
黒棒
赤棒
C
0
5
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
赤棒
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
M
T
D
0
8
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
Z
D
0
1
−
+
C
0
1
赤棒
黒棒
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
P
3
P
2
D
6
D
3
足の長い方
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
黒棒
問1 発電機のハンドルを右に回すと、回路計は何ボルトを示しますか。
5
( V
)
問2 発電機のハンドルを左に回したときは何ボルトを示しますか。
( V
)
5
問3 発電機のハンドルを回したとき、回路計1∼3の指示値は何ボルトを示しますか。
( 1 )(
2 )(
3 )
5
5
5
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−4
0−
実験(4)交流を体験しよう
回路図
この実験では、直流モータを使って交流と直流の違いを体験し
ます。
まず、ボール紙で回転確認用羽根を作ります。
押しピンやコンパスの針で穴をあけ、直流モータのシャフトに
差し込みます。
GS
3
三相交流
発電機
基板にコネクタM
T
を接続し、P
1
・P
2
・P
3
のどれか2
つにテストリー
ド線をつなぎます。
回転確認用羽根
実体配線図
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
−
+
C
0
1
足の長い方
14mm
8mm
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
問1 発電機のハンドルを右に回すとモータはどのように動きますか。
A=回転した B=回転せず、振動した
( )
B
問2 発電機のハンドルを左に回すとモータはどのように動きますか。
A=回転した B=回転せず、振動した
( )
B
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−4
1−
(2)交流
交流発電機のつくる交流電流では、電圧は+側と−側を交互に入れ替わります。
この電流と電圧の関係はオシロスコープで見ることができます。
覚えておこう
日本の家庭では100ボルトの交流が使われています(注)。
c
+V
日本では1秒間に60(または50)回、+と−が入れ替わります。
これを周波数60Hz(50Hz)の交流といいます。
a
時間(電流)
0V
Hzとは交流の周期の単位でヘルツと読み、
周波数の単位となります。
b
−V
a: +の最大電圧 b:−の最大電圧
c: 周期
日本では家庭に送電されている電気が
60Hz交流の地域と
50Hz交流の地域があります。
5
0
H
z
地区
5
0
H
z
・6
0
H
z
混在地区
6
0
H
z
地区
(注) 工業用としては2
00Vも供給されています。
−4
9−
2.電気回路のしくみ
(1)電気回路の構成
電気回路は一般的に右の図のように電源、導線、負荷、
スイッチの四つの要素で構成されています。
導線
電流の通り道
電源
白熱球、蛍光灯
F
負 荷
0
ジャンパ線、リード線
1
導 線
F
V
発電機、ニカド電池
0
3
.
2
負荷に電流を流
そうとする部分
・リード線・スライドスイッチ・蛍光灯
電 源
1
V
発電機・白熱球・ジャンパ線・ニカド電池
3
【語句】
.
2
問 次の電気部品は電気回路の中でどの構成要素に含
まれるでしょうか。
右図を参考にして、下表の空欄に書き込みましょ
う。
負荷
電流のはたらきで
仕事をする部分
スイッチ
電流の流れを制御する部分
スイッチ
スライドスイッチ
電気の流れについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/denki/flash.htmをご覧下さい。
−4
3−
(5)ダイオードの整流作用のしくみと半波整流
回路図のように接続し、オシロスコープでa-c間の波形を見
るとプラスとマイナスを交互に行き来する波のような形状を
確認することができます(図1=サイン波といいます)。
b-c間の波形を見ると、マイナス側の波がなくなって、プラ
ス側だけの波になっています(図2)。
ダイオードは交流のプラス部分を通し、マイナス部分を通さ
ないので、プラス側の波だけが表示されるのです。
(図 1 a-c間の波形)
a
b
+V
0V
負荷
交流
電源
−V
c
(図 2 b-c間の波形)
+V
これをダイオードの整流作用といいます。また、交流の半分
を整流することから、これを半波整流と呼びます。
0V
−V
(6)全波整流と平滑コンデンサ
(図 3 d-e間の波形)
d
全波整流
回路図のように接続してd-e間の波形を見るとプラ
ス側に連続する山のようになっています(図3)
+V
負荷
0V
−V
交流電源は、プラスとマイナスが交互に入れ替わ
ります。図Aでは交流電源の上がプラス側、図Bで
は上がマイナス側になっています。
このようにダイオードを複数個(この図では4個、
エナジー君では6個)使用して全部の電圧をプラス
側にすることを全波整流といいます。
e
(図A 時計回り、 の部分)
半波整流では電圧は半分程度に下がりますが、全
波整流では電圧低下が少ないので、有利になります。
(図B 反対回り、 の部分)
+
−
−
+
※コンデンサについてはP6を参照して下さい。
ダイオードについてはP7を参照して下さい。
−5
2−
平滑コンデンサ
図2の半波整流は脈流です。図3の全波整流も脈流
成分が残ります。単にモーターを回転させたり、
LEDを点灯させるだけなら脈流や脈流成分があって
も使用上問題はありません。
しかし、ラジオやステレオに使用すると、音や信
号に混ざって「ブーン」というノイズが聞こえて
きます(ハム音といいます)。
これを軽減するには、コンデンサの充放電する性
質を利用します。
(図 4−1)
+
+
C
−
(図 5 コンデンサが谷を埋める)
+
V
−
+V
(a)
0V
(図 4−2)
−V
+
+
(図4−1)や(図4−2)のように直流側にコンデ
+
−
V
ンサを並列に接続します。このコンデンサは、図1
C
−
や図2の山の部分で充電し、谷の部分で放電します。
結果的に電圧の谷(a)の部分をうめる働きをする
ことになり、脈流・脈流成分を軽減し完全な直流に近づけることができます(図6)。
このような使い方をしたコンデンサを「平滑コンデンサ」と呼びます。
(図 6 平坦化した)
+V
0V
−V
(7)電圧安定化回路
(図 7 完全直流化)
より完全な直流を求める場合は、電圧安定化回路を使用します。
電圧安定か回路とは、規定電圧以上の入力電圧が加わったときに対して、常に出力
電圧を一定に保つ回路のことです。回路はトランジスタとツェナーダイオードの組
み合わせで構成されています。
ソーラエナジーの電圧安定化回路は、5V以上の電圧を常に5Vに保ちますが、5V以下
の時は入力に対して変動します。
+V
0V
−V
【交流を直流に変更して利用する理由】家庭で使用される機器は制御回路に半導体を使用しています。半導体は直流でしか動作しない
ので、変換が必要になります。一方、発電する側は交流発電機の方が発電効率と送電時の効率がいいのです。
−5
3−
覚えておこう
太陽エネルギーは、2
4
%∼3
0
%程度の変換効率しかなく、
しかも天候によって、さらに悪化するという効率の悪さ
があります。しかし、無限の光エネルギーと天候の変化
による発電量の低下があっても、それを補う充電装置と
組み合わせることで、実用性の高いものが出来ます。
それが、ソーラーエナジーの採用している太陽電池とキャ
パシタの組み合わせなのです。
キャパシタ(EDLC)は、ニカドやニッケル水素電地など
とは異なり、電圧が低くても、その電圧まで充電するこ
とが可能なのです。最近の太陽電池は、曇りの日でも電
流量は少ないものの規定電圧まで発電します。
それは、時間さえかければ曇りの日でも規定の電圧まで
充電できるということになります。
例えば、ソーラーエナジーの場合、キャパシタの充電容
量は2.3Vまで可能です。
2.3Vまで可能ということは、充電電圧が1.5Vであった場
合、キャパシタは1.5Vまで充電します。
つまり充電電圧0V∼2.3Vの間であれば、その途中の電圧
であっても充電が可能です。回路に逆流防止用のダイオー
ドさえ入れておけば、例えば充電電圧が1.8Vに電圧が上
昇した場合1.8−1.5=0.3V分を追加充電することが出来
ます。規定電圧の2.3Vまでであれば何回に分けても追加
充電が出来るのです。ニカドやニッケル水素電池の場合は、
充電電圧が規定電圧より高くなければならず、しかも充
電中に充電を止めるか、充電電圧が規定電圧より下がると、
それらは充電回数に加算され、寿命がどんどん短くなる
のです。それに対してキャパシタは物理的に故障しない
限り寿命はありません。
太陽電池のような不安定な発電を繰り返す発電素子の蓄
電装置として、キャパシタは最適なのです。
※この組み合わせは世界特許となっています。ソーラー
エナジーは、教材用にこの特許の使用権を得た上で製作
され、さらに用途による特許を申請中です。
太陽電池については、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/animation/swf/solar.htmをご覧下さい。
−5
1−
6.電気を蓄えよう(充電のしくみ)
(1)電気を蓄えよう
太陽電池の電力をキャパシタ(EDLC)に直接充電します。ここではダイオードの電気を一方向へしか流さない性質を利用して、逆流防止装
置に使用します。【逆流防止装置】発電側の電圧がEDLCより高いと充電しますが、発電側の電圧が充電されたEDLCの電圧以下になると、今
度は逆にEDLC側から発電側に電気が流れてしまいます。これを逆流といい、逆流を防止するための装置を逆流防止装置といいます。
実験(9)EDLCへ充電する様子を確認する
IN4001
A
K
回路計
+ EDLC
2.3V
10F
EDLCについてはP10を
参照して下さい。
実体配線図
K(カソード)
0
問1 充電を始める前のキャパシタは、回路計で何V指しているか確認しましょう。 ( V)
10
条件によって異なります。
問2 晴天時何分で回路計の指針は3Vになりましたか。 ( 分)
問3 太陽電池に手をかざして影を作ると、充電電圧の上昇は(A:早く B:遅く)なる。
電気を蓄えて利用するしくみや電子部品については、新電源、EDLCのアニメーションをご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【新電源について】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
s
h
i
n
d
e
n
g
e
n
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
【E
D
L
C
のしくみ】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
e
d
l
c
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
−5
9−
F
A(アノード)
0
赤棒
1
+
P8
F
−
P8
0
V
3
黒棒
1
.
V
2
3
P7
.
P7
2
実体図を参考にテストリード線を使って配線します。
太陽電池を直射日光に当てます。曇天でも、よほど暗
くない限り実験することができます。
日光が照射したとき、充電が開始し回路計の指針が電
圧の上昇(充電されていく)状態を確認します。
太陽電池の上に手を置いたりして、状態の変化を確認
しましょう。
【注意】
電圧計を見ながら実験を行い、3Vになったら太陽電池
のリードを外して下さい。3Vを越え、長時間実験を続
けるとEDLCが破損することがあります。
この実験が終わったら、(2
)蓄えた電気を使おうの(光
に変換する)か(動力に変化する)の実験を行って
EDLCの電圧を下げて下さい。ショートしたりして急激
に電圧を下げるとEDLCが異常に発熱したり、破損する
ことがあります。
回路図
(2)蓄えた電気を使おう(光に変換する)
◆電気が、どのように変換され利用されているかを調べてみよう。
◆電気を光に変化する機器によって、我々の生活はどのように便利になったか考えよう。
実験(10)蓄えた電気を光に変換する
回路図
A
+
高輝度L
E
D
は、電圧が3
V
以上ないと点灯しません。この実験は、
2人で協力して行って下さい。
+
K
実験(9)で充電したEDLCを使って実験をします。実験中放
電して電気がなくなった場合は(9
)に戻って充電して下さい。
注意:EDLCを充電した状態でショートさせる
ようなことは絶対しないで下さい。
EDLCが破損することがあります。
EDLCとH.B.LEDをリ−ド線で接続してみましょう。
EDLCが1個の状態と2個の状態で試してみましょう。
実体配線図
0
F
1
0
F
3
V
.
1
2
V
3
F
−
.
0
+
2
1
3
F
.
0
2
V
3
1
.
V
2
−
+
ここでいう点灯とは、明るく点灯し、ライトとし
ての機能を有することであり、「かすかに点灯」
は「点灯」を意味していません(かすかに点灯し
ます)。
問
正しい語句に○を書き入れましょう。
高輝度LEDは、EDLCが1個のとき(点灯した・点灯しなかった)。EDLCが2個のとき(点灯しなかった・点灯した)。
電気を蓄えて利用するしくみや電子部品については、新電源、EDLC、LEDのアニメーションをご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【新電源について】w
w
w
.
n
a
g
a
t
a
c
.
c
o
.
j
p
/
s
h
i
n
d
e
n
g
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n
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f
l
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.
h
t
m
【E
D
L
C
のしくみ】w
w
w
.
n
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.
c
o
.
j
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.
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m
【L
E
D
のしくみ】w
w
w
.
n
a
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a
c
.
c
o
.
j
p
/
L
e
d
/
f
l
a
s
h
.
h
t
m
−6
0−
黒棒
P7
P7
P6
P6
測定した値を記入しましょう
・実測値 Ω
(この時、テスト棒の一方をつけたり、はなしたりすると、
カリカリと音がします)
赤棒
6. EDLC(電気二重層キャパシタ)
EDLCとは、Electric Double Layer Capacitor(電気二重層キャパシタ)の略
で、キャパシタはコンデンサともいいます。
電池が化学反応を利用して電気エネルギーを蓄えるのに対して、コンデンサは、
電気エネルギーを電子のまま蓄えられます。
EDLCは従来のコンデンサよりもはるかに大きい容量の電気エネルギーを蓄えら
れる新しい構造のコンデンサです。
極性の見分け方
F
0
F
1
V
0
3
1
V
.
−1
0−
3
2
定格の範囲内で使用する限り、半永久的に使用できます。また、短時間で充電
できます。
ニッケル水素電池やニカド電池などの二次電池(充電して使用する)は、メモ
リ効果や充電しないで放置しておくと使えなくなる、ショートや極端な過電流
過電圧を流すと寿命が短くなる、廃棄するとカドミウムなどの重金属が残る問
題があります。EDLCは、このような問題を発生せず、生態系に優しいことなど
で注目されている新しいエネルギー源です。
.
2
+
(1)E
DLCの特徴
色帯の付いているの
が−(マイナス)側。
本体の色によって色
帯の色も異なる。
−
リードが短い。
《EDLC(コンデンサ)について》2−1
年 組 番
氏名
1.EDLC(二重層コンデンサ)について、下の文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )
内に書きましょう。選択問題については適当と思われる方を選び書きましょう。
EDLCは電極の間に( ① )が入った構造になっています。
① の中には+(プラス)イオンと−(マイナス)イオンがただ
よっています。
①
(充電)
両極に電圧をかけ、電極が( ② )することで ① 中のイオ
ンが電極に吸い寄せられます。
マイナスイオンは(③正極・負極)に、プラスイオンは(④正極
・負極)に吸着します。このようにイオンが両極に吸着している
のが電気をためた状態です。
(放電)
電気をためたEDLCに、今度は(⑤導線・負荷・電源)を取
り付けます。電極からイオンがはがれ落ちるときに(⑥光・起
電力・マイナスイオン)が発生し、⑤ に電流が流れます。
答え. ①( ) ②( ) ③( ) ④( )
⑤( ) ⑥( ) 2.EDLCとコンデンサの違いについて、下の文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )
内に書きましょう。選択問題については適当と思われる方を選び書きましょう。
コンデンサは電極の( ⑦ )が広いほど、ためることのできる容量が大きくなります。EDLCは
電極に活性炭などを使い、多孔質にすることで ⑦ を増やしています。EDLCは容量が大きい事から、
(⑧電源・電子部品・一次電池)として二次電池の代わりに使われるようになってきました。コンデンサ
の用途(電気回路内での少量の充放電を行う)とは根本的に変ってきたのです。
答え. ⑦( ) ⑧( ) 《EDLC(コンデンサ)について》2−2
年 組 番
氏名
3.EDLCと二次電池のそれぞれの優位性を、下のA∼Hの文章から選び( )内に書きましょう。
EDLCの優位性 ⑨( ) 二次電池の優位性 ⑩( )
A 低い電圧でも充電する。
B 放置している間に失ってしまう電気量が少ない。
C メモリ効果がない。
D 充電できる容量が相対的に多い。
E 体積あたりの充電量が高い。
F 廃棄処分するときの環境負荷が少ない。
G 製品としての寿命が相対的に長い。
H 適応温度範囲が相対的に広い。
4.EDLCと二次電池の違いについて、下の文章の( )内にあてはまる語句を書きましょう。
EDLCと二次電池の大きな違いは、充電方法にEDLCが( ⑪ )の吸脱着反応を、二次電池が
( ⑫ )反応を利用していることです。
答え. ⑪( ) ⑫( )
5.下記の組み合わせは、発電→充電→利用の一連の流れとして非常に相性がいいとされています。
その理由を説明した下の文章の( )内にあてはまる語句を書きましょう。
⇒
⇒
太陽電池とEDLCの組み合わせがいいところは、太陽電池の( ⑬ )電圧でもEDLCは充電
できること、天候によって中断される不安定な発電でも( ⑭ )がないため問題なく充電できる
こと、また直射日光にさらされる( ⑮ )の環境でも壊れにくいこと、長期間使用しても容量が
( ⑯ )せず長持ちすることなどです。
次にEDLCと高輝度LEDの組み合わせがいいところは、高輝度LEDがEDLCからの( ⑰ )
電圧(豆電球の1/10程度)で豆電球に負けない光を発すること、どちらも寿命が( ⑱ )ので
部品交換の手間があまりかからないことなどです。
答え. ⑬( ) ⑭( ) ⑮( ) ⑯( )
⑰( ) ⑱( )
3.直流と交流について
(1)電池のしくみと種類
電池は直流電源です。電池は使い捨ての「一次電池」と繰り返し使える「二
次電池」に大別されます。いずれも電気を蓄えておくのではなく内部の化学
反応によって電力を供給します。
一次電池の代表的なものとしてマンガン電池・アルカリ電池・リチウム電池
があります。
二次電池にはニッケルカドミウム蓄電池(ニカド電池)、ニッケル水素蓄電池、
リチウムイオン蓄電池などがあります。
ニカド電池の構造は、プラス極にオキシ水酸化ニッケル、マイナス極に金属
カドミウム、電解液に水酸化カリウム水溶液を用いたもので、大量放電に強
く、繰り返し充電可能で長寿命、ランニングコストも低いという利点があり、
広く利用されています。なお構造の特性上、40℃以上での使用、充電および、
5℃以下での充電は破裂の危険があるので避けて下さい。形状は円筒形のも
のが一般的です。
マンガン乾電池の構造
キャップ
(+)
絶縁リング
鉄のケース
亜鉛缶
(一)
電解液+減極剤
炭素棒
(+)
底板
(−)
また最近では負極にカドミウムではなく水素吸蔵合金を使用した、より高性
能なニッケル水素蓄電池や二重層コンデンサ(EDLC)も利用されるようにな
りました。【EDLCについてはP10
をご覧下さい】
電池の種類(一次電池)
名 称
一次電池
(使い切る
電池)
電池の種類(二次電池)
公称電圧
用 途
名 称
マンガン乾電池
1.5V
懐中電灯、トランジスタラジオ
アルカリ乾電池
1.5V
ラジカセ、ヘッドホンステレオ
リチウム電池
3V
カメラ、電子手帳
酸化銀電池
1.4V
電子式腕時計、露出計
空気電池
1.4V
補聴器、ポケットベル
ニッケルカドミ
ウム蓄電池
二次電池
ニッケル水素
蓄電池
(繰り返し
使える電池) 鉛蓄電池
リチウムイオン
蓄電池
公称電圧
用 途
1.2V
ラジコン、コードレス電話
ヘッドホンステレオ
1.2V
ビデオカメラ、
ポータブル CDプレーヤ
12V
3.6V
自動車
ノートパソコン、携帯電話、
ビデオカメラ
電気の流れについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/denki/flash.htmをご覧下さい。
−4
7−
覚えておこう
電池の容量
同じ1
.
5
V
の起電力をもつ乾電池でも、単1
乾電池(R
2
0
P
/UM-1)と単3乾電池(R6P/UM-3)とでは取り出せる
電流の総量がちがいます。この取り出せる電流の総量
を電池の容量といい、電流(A)×時間(h)で表わすこと
ができます。
豆電球
左と同じ
豆電球
電池の電力量
電池の電力量は取り出せる電力の総量のことをいい、
(電池の容量×電圧)で求められます。
短時間しかつかない
長時間ついている
ニカド電池を長持ちさせるひけつ
電池と環境
ニカド電池は中途半端な充放電を繰り返すと、電池の中
で金属原素が合金を作って、放電のときに反応を阻害し、
放電電圧が下がり容量が低下します。これをメモリ効果
といいます。
できるだけ完全充電・完全放電を繰り返すように使用す
るのが長持ちさせるひけつです。
パソコンや携帯電話など利用されるリチウムイオン蓄電
池はメモリ効果がない電池です。
今後電池をめぐるわたしたちの課題としては、一次電池の
大量使用をおさえ、二次電池の比率を高くして補うことと、
電池の回収とリサイクルを促進することによって省資源化
をはかることがあげられます。
特にニカド電池は重金属のカドミウムを含み、廃棄すると
環境への影響が大きいのでリサイクルを心がけて下さい。
ソーラーエナジーに使用しているEDLCは、主材料にプロピ
レンカーボネイトを使用し、毒性がなく、燃性が低いので
安全です。
また、使用回数や寿命の面でも一次電池や二次電池(ニカ
ドや鉛電池)などと比較して優れています。一度作ると物
理的に故障しない限り半永久的に使用できるので、環境に
優しい新エネルギー源といえます。
なお、EDLCにメモリ効果はありません。
電気を蓄えて利用するしくみや電子部品については、新電源、EDLC、LEDのアニメーションをご用意しています。下記アドレスをご覧下さい。
【新電源について】www.nagatac.co.jp/shindengen/flash.htm 【EDLCのしくみ】www.nagatac.co.jp/edlc/flash.htm 【LEDのしくみ】www.nagatac.co.jp/Led/flash.htm
−4
8−
4.電気を光に変換するしくみ
実験(8)電気を光と熱に変換する仕組み(豆球-2)
2)熱に変換するしくみ
先の光に変換するしくみの実験と同じ回路を使います。
今度は、2人で組を作って、回転させる側と体験する側に分
かれて行います。
回転させる側の人は、出来るだけ一定の速度で回転させて、
明るい光の時と暗い光の時とを持続させます。
体験する側の人は、豆球を指先でつまんでいて下さい。
実体配線図
+
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
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1
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P
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C
0
3
D
0
8
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
C
0
2
−
+
C
0
1
足の長い方
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
問1 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。
発電機をゆっくり回転させると豆球は(A:明るく B:暗く)光り、指先に感じる温度は(C:低く D:高く)、早く回転させ
ると(E:明るく F:暗く)なり、明るさと指先に感じる温度は、ハンドルの回転する早さに(A:反比例 B:比例)する。
問2 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。
発電機のハンドルを回転させたとき、実験(4)のLEDのときと比べてハンドルの重さは(A:重くなった B:変わらない C:軽
かった)。※理由を考えてみましょう。 豆電球の方が大きな電流を必要とするから。
−5
6−
4.LED
(発光ダイオード)
LEDとは、LightEmittingDiodes
(発光ダイオード)の略で半導体発光素子です。
半導体には電流を流すと光を発する性質があります。この性質を利用した光源がLEDです。
初めは赤色しかありませんでしたが、順次、黄色・緑・橙・黄緑などの光を発するものができ、最近は青色も開発され、光
の3原色RGB
(赤・緑・青)が揃ったことにより白やフルカラーでの表示が可能になりました。中村修二氏が開発した青色LED
は、非常に重要な役割をはたしているといえます。
なお、LEDで白い光(無色)を得るには、主に2つの方法があります。
青色LEDと黄色の蛍光体を合成させる方法と、光の3原色(赤・緑・青)を合成させる方法です。
近年はより明るいLED(高輝度LED)が開発され、今までには考えられなかった用途(信号機など)に利用されるようになり
ました。
(1)特徴
1.一般的な豆球に比べて、流れる電流が少ないため、
電池が長持ちします(長時間点灯が可能)。
2.半導体であるため長寿命。ただし規格外の電流を流
すと極端に寿命が短くなります。
LEDの特徴
(2)明るさについて
明るさは一般的に光度 mcd
(ミリカンデラ)という単位
が使われます。
1000mcd
(1カンデラ)の光源から1m先を照らす明るさが
1ルクス(照度=光度/距離の2乗)です。10cm先の照度
=
1
/
0
.
1
×0
.
1
=
1
0
0
ルクス。また、輝度によって汎用輝度・
高輝度・超高輝度と分かれます。
ソーラーエナジーに搭載されているのは高輝度L
E
D
です。
極性の見分け方
低消費電力
長寿命
極性(+、−)あり
半導体である
A
K
リードを切断してから
でも極性がわかるよう
に、プラスチックの一
部が削られている。
リードが短い。
A(アノード)
K(カソード)
(3)発光させる方法
発光させるには、そのLEDの製品規格に表わされてい
る電圧以上の電圧を必要とします。 一般的に定格電
圧は1.7V∼5.5Vまであり、製品によって異なるので注
意して下さい。
電流は規格内に制限します
(一般的には2
0
∼3
0
m
A
以内)。
LED点灯のしくみについては、
わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。
ナガタックのホームページ
www.nagatac.co.jp/Led/flash.htmをご覧下さい。
− 8−
《LEDのしくみについて》
年 組 番
氏名
LEDについて、文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に書きましょう。
選択問題については適当と思われる方を選び書きましょう。
LEDはpn接合の半導体でできています。
p型半導体は正孔(+)を、n型半導体は電子(−)をもっています。
左図のようにpn接合の半導体に電圧をかけると、n型半導体の電子は
( ① )極に、p型半導体の正孔は( ② )極に動きだします。
接合部で、電子と正孔が出会います。 出会うと同時に消滅します。
そのとき、( ③ )エネルギーを外部に放出します。
次に、電池の向きを逆にしてみましょう。
先ほどと同じように電子は( ④ )極に、正孔は( ⑤ )極に
動きます。
このような状況では電気は(⑥流れます・流れません)。
LEDのように極性を逆にすることで動作が変わる、このこと
を(⑦極性がある・極性がない)といいます。
普段目にするLEDは、このpn結合の半導体に端子(リード)を取り付け、
プラスチックに封入したものです。LEDは(⑧赤色・青色・黄色)の開
発によりすべての色の表示が可能になり、用途が一気広がりました。
通常のLEDは数mcd(ミリカンデラ)の輝度ですが、現在では、数千mcdの
輝度を持つ( ⑨ )もあり、最近では( ⑩ )に利用されています。
答え. ①( )②( )③( )④( )⑤( )
⑥( )⑦( )⑧( )⑨( )⑩( )
実験(7)電気を光と熱に変換する仕組み(豆球-1)
回路図
1)光に変換するしくみ
実体図を参考に、豆球をテストリード線で接続します。
P1・P2・P3のいずれか2つを使用します。極性はありません。
ハンドルをゆっくり回転して、光りかたを見ながら少しずつ
早く回転させてみましょう。
この実験で発電機が作り出した電気エネルギーを光に変換し
たことがわかります。
GS
3
三相交流
発電機
3.8V
豆球
【注意】
極端に明るく(光が白く)なるまで早く回転させないで下さ
い。豆球が切れてしまいます。
実体配線図
P1 P2 P3
+
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
−
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
足の長い方
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
0
0
6
.
0
1
.
1
2
Z
D
0
2 2
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
2
−5
5−
◆電気を光に変換するしくみ、電球やLED
(H.B.LED)の性質について下記の文章の( )内の適当な語句を⃝で囲もう。
我々の生活に身近な光には太陽光や、たき火のように物質を(燃焼・発光)させてつくる光がある。現在では電気エ
ネルギーを利用して、明るい光を得ることができる。電流を白熱球や豆電球のガラス球内の(フィラメント・ソケッ
ト)に流し、その発熱によって発光させている。
また、その他の電気を光に変換する機器として(蛍光灯・アイロン・電気スト−ブ)がある。
豆電球には極性がなく、どちらから電流が流れても点灯する。
LEDは、(電流・熱)を流すと発光するという半導体の性質を利用した発光体である。逆に光を電気に変換させる部材
もある。代表的なものは(発電機・太陽電池)である。
LEDには極性が(なく・あり)、(どちらから電流が流れても・順方向に電流が流れた時のみ)点灯することがわかる。
◆教科書を参考にしながら電気を光に変換する機器や仕組みについて学習してみよう。
−5
7−
《白熱球のしくみ》
年 組 番
氏名
白熱球について、文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に書きましょう。
選択問題については適当と思われる方を選び書きましょう。
白熱球は物質の「温度が高いと( ① )を出す」というの性質を
利用して、電気を(②電子・燃料・熱)に変え、その高温によって
①を出す照明器具です。
白熱球の金属の端子の間に細い金属線があります。
電球は内部全体が光るのではありません。光るのは金属線の部分だ
けです。
この金属線を( ③ )といいます。
③は2000度という高温になります。
高温に耐えられるように③は(④アルミニウム・銅・タングステン)
などでできています。 ④は非常に丈夫な元素です。
材料が同じなら電気抵抗は
断面積を減らすと(⑤ 増える・減る)
長さを長くすると(⑥ 増える・減る)
抵抗が大きくなれば熱が高くなり、(⑦ 明るく・暗く)なるので、
③は細くして断面積を減らし、長さを長くするために( ⑧ )に
なっているのです。
白熱球はガラスの中にも目に見えない工夫がしてあります。白熱球の内部を真空にして( ⑨ )が
溶けないようにしたり、アルゴンやクリプトンなどの(⑩金属・ガス・液体)を封入して、より明る
く光るように、また色味に変化を持たせたりしています。
答え.①( )②( )③( )④( )⑤( )
⑥( )⑦( )⑧( )⑨( )⑩( )
《蛍光灯について》2-1
年 組 番
氏名
1.蛍光灯について、文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に書きましょう。
選択問題については適当と思われる方を選び書きいれましょう
蛍光管の特徴は白熱球に比べて寿命が(①長く・短く)、効率が
よいところにあります。
蛍光管の内部には水銀ガスが充填されています。
ガラスの内側には蛍光材が塗られていて、蛍光管の色は蛍光材の
種類によって決まります。電極にはフィラメントが付いています。
発光のしくみはまず、フィラメントが加熱されます。
加熱されたフィラメントは( ② )を放出します。
水銀ガスに ② が衝突します。
② に衝突された 水銀原子は( ③ )を発します。
(③は目には見えません)
蛍光材に③があたります。
③があたった蛍光材は目に見える光を発します。
一般家庭で使用されている蛍光灯は、グロー球と( ④ )を
接続した回路になっています。
この回路で蛍光管を点灯させるには、グロー球を使って電極を加熱
します。
加熱された電極は ②を放出しやすい状態になり、以降グロー球は
点灯(⑤します・しません)。
点灯している蛍光灯の回路からグロー球を外しても、蛍光灯は消
えません。
点灯している状態の蛍光灯回路では、④から送られる交流電流
だけで蛍光灯は点灯し続けます。
答え. ①( ) ②( ) ③( ) ④( )
⑤( ) 《蛍光灯について》2-2
年 組 番
氏名
2.次の文章の( )に当てはまる電気部品を、下の絵の (A)∼(E)から選び、下の答えの( )内に
記号を書きましょう。
乾電池を電源として使用する蛍光灯は、( ⑥ )と( ⑦ )を
接続した回路になっています。
⑥は⑦が昇圧しやすいように、直流電流をノコギリ波に変換します。
この回路では、常に高周波・高圧の電流が流れ、蛍光灯は瞬間的に
点灯します。
(A) (B)
(C) (D) (E) 名称( ⑧ ) 安定器 コンデンサ( ⑨ ) ( ⑩ )
3.上の電気部品の絵に当てはまる名称を下の答えの( )内に書きましょう。
答え. ⑥( ) ⑦( ) ⑧( ) ⑨( )
⑩( )
4.電気を光に変換するしくみ
実験(8)電気を光と熱に変換する仕組み(豆球-2)
2)熱に変換するしくみ
先の光に変換するしくみの実験と同じ回路を使います。
今度は、2人で組を作って、回転させる側と体験する側に分
かれて行います。
回転させる側の人は、出来るだけ一定の速度で回転させて、
明るい光の時と暗い光の時とを持続させます。
体験する側の人は、豆球を指先でつまんでいて下さい。
実体配線図
−
+
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
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L
E
D
0
D
C
1
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0
2
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0
1 b Q
c
c
e
e
S
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8
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5
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−
C
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5
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4
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0
7
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
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5
0 e
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
−
+
C
0
1
足の長い方
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
3
2
0
0
6
.
0
4
.
1
2
問1 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。
発電機をゆっくり回転させると豆球は(A:明るく B:暗く)光り、指先に感じる温度は(C:低く D:高く)、早く回転させ
ると(E:明るく F:暗く)なり、明るさと指先に感じる温度は、ハンドルの回転する早さに(A:反比例 B:比例)する。
問2 正しい語句を選び記号に○を入れましょう。
発電機のハンドルを回転させたとき、実験(4)のLEDのときと比べてハンドルの重さは(A:重くなった B:変わらない C:軽
かった)。※理由を考えてみましょう。 豆電球の方が大きな電流を必要とするから。
−5
6−
(3)蓄えた電気を使おう(動力に変換)
◆電気を動力に変換する機器にどのようなものがあるか考えてみよう。
◆電気を動力に変換する機器によって、我々の生活がどのように変化したか考えてみよう。
実験(11)蓄えた電気を動力に変換するしくみ
+
EDLC
直流モータ
実体配線図
F
1
0
F
3
V
.
0
2
1
3
V
.
−
2
羽根付きの直流モータとEDLCを図のように接続します。
回転方向を確認したのち、EDLCのプラスとマイナスを入れ
替えてみましょう。
実験(9)で充電したEDLCを使って実験をします。実験中
放電して電気がなくなった場合は(9)に戻って充電して
下さい。
回路図
+
また、電気部品には極性(+、−)を逆にすると、
1
. 動作しなくなるもの
2
. 逆の動作をするようになるもの
3
. 変わらずに動作するもの
があります。それぞれに属するものを探してみよう。
問1 正しい語句を選び○を入れましょう。
実体配線図のように接続し、EDLCの接続を入れ替えたとき、
モータの動作は(回転方向は変わらない・反対方向に回転した・回転しなかった)
問2 極性によって「1.動作しなくなるもの」「2.逆の動作をするようになるもの」「3.変わらずに動作するもの」を探してみよう。
LED、ダイオード
モータ
抵抗、リード線
1.( ) 2
.( ) 3
.( ) ※実験(10)および実験(11)で学習したように、H.B.LEDや直流モータは直流でしか動作しません。
他に交流電源で動作する機器もあります。どのようなものがあるか調べてみましょう。 交流モータ、電球、蛍光灯
発電機(モータ)のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−6
1−
《発電機(モータ)のしくみ》2-1
年 組 番
氏名
1.磁石の性質について、下記の文章の( )にあてはまる語句を選び、下の答えの( )
内に書きましょう。
磁石にはS極とN極があり、同じ極どうしは
(①引き合い・反発し)、異なる極どうしは
(②引き合い・反発し)ます。
磁石が引き合ったり、反発したりするのは、
(③磁力線・電磁波)という力がはたらいて
いるからです。
③はN極から出てS極に入ります。
答え.①( ) ②( )
③( )
2.モータにしくみについて、下記の文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )
内に書きましょう。選択問題については適当と思われる方を選びましょう。
左図の状態の時、矢印の方向に電流を流すと、電線は
( ④ )に向かって動きます。
この電流・磁力・力の関係を( ⑤ )と呼びます。
モータの回転するしくみはこの法則で説明されます。
左図の電流と磁力の方向の時は、力は④に向かって働
くので、図のコイルは(⑥右・左)に回ります。
コイルが垂直になるたびに整流子片が切り換わるので、
N極の前では(⑦常に同じ方向に・周期的に極性が入
れかわる)電流が流れるため、常に力は④に向かって
はたらくので⑥に回ります。
答え.④( ) ⑤( )
⑥( ) ⑦( )
《発電機(モータ)のしくみ》2-2
年 組 番
氏名
3.直流発電機について、下記の文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に
書きましょう。選択問題については適当と思われる方を選びましょう。
磁力と電流から力を発生させるのがモータであるのに
対し、磁力と力から( ⑧ )を発生させるのが直流
発電機です。
左図のように、磁力と動力が矢印の方向にはたらく時、
電流が(⑨右の方向・左の方向)に流れます。
この磁力・力・電流の関係をフレミング( ⑩ )の
法則と呼びます。
B
A
左図では電流は(⑪ A・B )の矢印方向に流れます。
フレミングの法則において( ⑫ )がモータ、⑩が
発電機の磁力・電流・力の方向をあらわし、モータと
発電機では( ⑬ )の方向だけが逆になります。
直流発電機では、電流の方向が(⑭常に一定になり・
周期的に変化し)ます。
4.交流発電機について、下記の文章の( )にあてはまる語句を、下の答えの( )内に
書きましょう。選択問題については適当と思われる方を選び書きましょう。
交流発電機が直流発電機とちがうのは、整流子片が(⑮切りかわらない・切りかわる)ことです。
そのため周期的に電流の方向が変化する( ⑯ )が発生します。
原子力や火力を使った( ⑰ )でも交流発電機が使われており、それは交流は高い電圧で送る
と、細い電線で( ⑱ )まで送電でき、( ⑲ )で簡単に昇圧・降圧ができるからです。
5.直流・交流発電機のそれぞれの発電機の発電の波形を選び、記号を下の答えの( )内に書
きましょう。
A
B
答え.⑧( ) ⑨( ) ⑩( ) ⑪( )
⑫( ) ⑬( ) ⑭( ) ⑮( )
⑯( ) ⑰( ) ⑱( ) ⑲( )
⑳交流発電機( ) 直流発電機( )
(3)発電機のしくみ
ソーラーエナジーに搭載している発電機の原理
三相交流発電機のしくみ
ソーラーエナジーの発電機は、磁石間のコイルを回転させるという従来の方法ではなく、コイルを固定して磁石を回
転させる方法で発電しています。(図1)この方式は、コイル電極の整流子端子が必要ないため、ノイズが発生せずラ
ジオに妨害を与えません。また、発電機の中でもっとも消耗の激しい整流端子をなくすことで、寿命を延ばすことが
できます。
簡易の手回し式発電機は、コイルを単相(2相ともいいます)に巻いた方法が多いのですが、ソーラーエナジーは発電
効率を上げるため、三相に巻いた方式をとっています。(図2)
コイルが三つの相に巻いているため、交流は3つの波が120°ずつ遅れて発生していきます。(図3)
これを三相交流といい、単相に比べて効率よく発電ができます。
(図1) コイルを固定して磁石を回転
させる方法で発電している。
S
(図2
) 三方向のコイルに
回路がつながっている。
N
L1 L2 L3
L1
S
L3
N
(図3) 交流は3つの波が120°ずつ
遅れて発生している。
+V
L2
0V
−V
S
L1
L2
N
L3
磁石(永久磁石)は導線とつながる必要がないので、
可動接点(整流端子)がありません。
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−5
0−
ソーラーエナジーに搭載されているギヤボックスにはギヤが3
枚内蔵されています。ここではハンドル側から第1、第2、第3
ギヤと呼ぶことにします。
呼称
第1ギヤ
枚数(歯数) 1枚式(45)
第2ギヤ
2枚式(10、45)
第3ギヤ
1枚式(10)
(各ギヤの仕様)
第1ギヤと第3ギヤは1枚式、第2ギヤは2枚式です。速度調節の
ために使用するギヤは、中間ギヤ(ここでは第2ギヤ)が2枚式
である必要があります。
仮に、中間ギヤに1枚式のものが使用されていれば、そのギヤ
は回転方向を逆転させる目的に使われているものと想像できま
す。また、ギヤの枚数が奇数(3枚)なので、第1ギヤを回すと、
第3ギヤは同じ方向に回転します。この場合はギヤが何枚式か、
ということは関係しません。
(ギヤの歯数について)
第2ギヤの歯数は「10、45」の2枚式です。
これは歯数の異なる2枚のギヤを一体にした構造になっていて、
小さい方のギヤは10枚(10歯、ともいいます)分、大きい方の
ギヤでは45枚分動くと1回転することを意味します。
動力を変化させる方法については、わかりやすい
アニメーション教材をご用意しています。
ナガタックのホームページ
www.nagatac.co.jp/move/flash.htmをご覧下さい。
(ギヤの歯数と回転数の関係)
歯数が45のギヤとは、1周に45の歯がついているわけですから、
逆に考えると45枚歯が動いて1回転する、ということになります。
これを式で表すと、回転数=1/歯数となります。
先ほどの「歯数10、45」のギヤでは、小さい側のギヤは10枚、
大きい方のギヤは45枚、歯が動いて1回転します。2枚のギヤは
一体になっているのだから、このギヤは1枚で回転速度を4.5倍
に変換することができると考えられます。
ダイナモ側
ハンドル側
第1ギヤ 第2ギヤ 第3ギヤ
動力伝達の方向
(内蔵ギヤボックスのギヤ比)
45を10に、45を10に、動かす歯数の変化をさせているので、式
で表すと、10/45×10/45(歯数の変化)となります。これを速
度からみると、45/10×45/10(速度の変化)、計算すると
20.25となり、このギヤボックスのギヤ比は1対20.25というこ
とになります。
※ギヤを2枚だけ使ってギヤ比 1対20を出そうとすると、どのような形状のギヤになるか考えてみましょう。
−5
8−
ダイナモ側ギヤの歯数が10だとすると、ハンドル側は歯数200のギヤが必要になります。
周囲長比=直径比なので、ダイナモ側ギヤの20倍という、大きなギヤになります。
「大きなギヤが内蔵できないから」ギヤを3枚使っているのです。
6.動力を変化させるしくみ
《動力の伝達と変換について》2-1
年 組 番
氏名
1.下記の例のように動力の伝達方法を示す①∼⑤の絵の名称をア∼オから、特徴・用途をA∼Eから
選び( )内に記号で書きましょう。
①
例)
名称( )
名称 摩擦車
特徴・用途( )
特徴・用途 二軸が近いところで使用
する。摩擦によって動力を伝達するの
で滑りやすい。
振動が発生しない。低回転向き。
カセットデッキのキャプスタン(テー
プ送り)部分。エレベータ。
②
③
名称( )
名称( )
特徴・用途( )
名称 ユニバーサル
ジョイント
特徴・用途 回転の角度を調整するこ
とができ、高回転・高トルクに耐え、
騒音も発生しない。製造過程での強度
を要求される。車や工事用車両などで
随所に使用される。 特徴・用途( )
⑤
④
名称( )
特徴・用途( )
名称( )
特徴・用途( )
《 名称 》
ア.平歯車 イ.ラック(とピニオン) ウ.プーリ(とベルト) エ.ウォームギヤ
オ.スプロケット(とチェン)
《特徴・用途》
A.
高トルクに耐える。回転運動を直線運動に変換する。必ず移動上限がある。車のステ
アリング(ハンドルと前輪を運動させている)
B.
トルクや回転数の調整が容易で、確実に動力を伝達する。高速時には騒音を発する
(低騒音型も存在する)。あらゆるところで使用される。
C.
構造上丈夫で、ごみ、ほこりなどにも強い。高速回転にも向くが、大きな音がする。
自転車やバイク。フォークリフトの昇降機。
D.
回転運動を90°の方向に取り出すことができる。高トルクには向くが、高回転には
向かない。車のハンドル(とタイヤの連動部分)。扇風機の首振り機構。
E.
二軸が離れているところで使用する。摩擦車をベルトでむすんだものと考えることが
できる。振動は発生しない。
《動力の伝達と変換について》2-2
年 組 番
氏名
2.下記の動力の変換方法を示す①∼⑤の絵の名称をア∼オから、特徴・用途をA∼Eから
選び( )内に記号で書きましょう。
⑥
⑦
名称( )
特徴・用途( )
⑧
名称( )
名称( )
特徴・用途( )
⑨
名称( )
特徴・用途( )
特徴・用途( )
⑩
名称( )
特徴・用途( )
両てこ
特徴・用途 両方が揺動運動。
「360°回転する」部分がない
という意味で特殊。ワイパー
の一部。制動を要する。
《 名 称 》
ア.クランク イ.てこクランク ウ.カム エ.平行クランク オ.往復スライダクランク
《特徴・用途》
A.
両方が回転運動(=等速回転)。回転運動を分散させる、と考えることができる。
蒸気機関車の動輪(動輪の動きを分散させている)
B.
動力を上下運動に変換する。クランクと似ているが、連結されていないので「引くことが
できない」のが異なる。エンジン(排気弁、吸気弁)
C.
一方が回転、一方が揺動運動の相互変換。リンク機構の中ではもっとも汎用性が高い。
昔の足踏み式ミシン(揺動運動を回転運動に変換している)
D.
一方が回転、一方が往復運動の相互変換。クランク機構と平行機構を組み合わせた構造。
エンジン(往復運動から回転運動に変換している)
E.
回転の中心をずらした位置に可動部を取り付け、動力を取り出せるようにした構造。
他の機構と組み合わせる。(てこ機構、平行機構などと組み合わせて使用する)
4.エネルギーの変換を利用した製作品をつくろう
テキストに使うページ(マニュアル+教科書)
①工具の用意と作業要領
ソーラーエナジーマニュアル(以下SEM)11∼1
3
(1)工具の用意
SEMP11
(2)注意事項
SEMP12
(3)はんだづけの準備と練習
SEMP12
(4)部品の取り付け要領
SEMP13
②組み立て
SEMP14∼23
(1)回路図および実体配線図
SEMP14,15
(2)基板の組み立て
SEMP17∼23
A.発電回路の組み立て
SEMP18
B.発電回路動作確認
SEMP19
教科書 東書P112、開隆P87
C.ラジオ回路の組み立て
D.ラジオ回路の動作確認
E.ライト回路の組み立て
SEMP20
F.ライト回路の動作確認
SEMP21
G.発電の確認
SEMP22
H.発電回路の組み立て
SEMP23
(3)回路の完成
SEMP24∼27
A.太陽電池の取り付け
SEMP24
B.太陽電池の取り付け確認
SEMP25
C.発電の確認
SEMP26
D.電源回路動作確認
SEMP27
4
工具の用意と作業要領
1.工具の用意
電気はんだごて30W程度のもの、ドライバ(+)75∼100mm、ニッパ 125mm、ラジオペンチ 150mm程度のもの。
(5)ドライバ
(1)はんだごて
+⃝
− の種類のほか、
ドライバには、⃝
さら
に大きさの種類があります。
はんだごては、2
0∼30W
で、こて先の
細いものを用意して下さい。
こて先の型は図のものがあります。
このキットの製作には、B型または
B
C型をおすすめします。
A型
(2)はんだごて台
B型
C型
+ ♯0
+ ♯1
+ ♯2
このキットでは ⃝
、⃝
、⃝
+ ♯1
の4種類のうち、⃝
のドライバのみ
使用します。
(6)ピンセット
B
C
型
熱くなったはんだごてを一時的に置く
台です。こて先をぬぐうためのスポン
ジなどが付いているものが便利です。
※こて先のぬぐいすぎに注意しましょう。
こての温度が下がってしまいます。
(3)ニッパ
ニッパは、電線の被覆を取るときや基
板に挿入した部品のリードを切る時な
どに使用します。
細い銅線などを切断することができま
す。
(4)ラジオペンチ
小さな物や部品の奥にあるものを
はさんで取り出したり、または
保持する工具です。
(7)放熱はさみ
部品をはんだづけする際、部品本体に
熱が伝わらないようにリード線の中間
にはさみ、放熱する工具です。
(8)回路計(テスタ)
電圧、電流、抵抗などを切り換えて
測定できる複合計測器です。
部品のリード線を曲げたり、小さな部
品をはさんだりする工具です。
奥に付いている刃の部分では電線を切
ることもできます。
−1
1−
2.注意事項
●基板は、各ブロックごとに“部品の挿入”“配線点検”“はんだづけ”を行ってから次のブロックへと進んで下さい。
部品は各ブロックごとに袋に入れてあります。製作中でない袋は開けないで下さい。
●部品は規格、定数をよく確かめてから取り付けて下さい。また、リード線の位置を間違えないようにして下さい。
●板金用のフラックスは使用しないで下さい。スイッチの接点などが接触不良を起こすことがあります。
●はんだづけの時は各部品にできるだけ熱が加わらないようにして下さい。熱が加わりすぎると部品の内部で断線が起こる場合が
あります。
●基板のランド間などせまいところのはんだづけは、端子間、ランド間のショートがないように特に注意して下さい。
●ダイオード、電解コンデンサには極性(+・−)があります。間違えないように注意して下さい。
3.はんだづけの準備と練習
●組立後の動作しない原因の大半は、はんだづけ不良です。しっかりはんだづけ練習をしてから組み立てましょう。
●練習用基板を使って下の図4のようになるまで練習して下さい。
●はんだ作業の前に次の点を確認して下さい。
(1)はんだごてのこて先は汚くなっていないか?
こて先止めネジ
(2)指先に油など付いていないか、その指で部品やはんだ面を触っていないか?
(3)はんだごての、こて先止めネジ(右図参照)はゆるんでいないか?
※ゆるんでいると、こて先に十分熱が伝わりません。
糸はんだ
図1
はんだごて
こて先
はんだづけする部分に、は
んだごてのこて先の腹をあ
てる。
図2
こて先にはんだを持ってい
き、はんだを溶かす。
図3
適量のはんだが溶けたらはん
だをはずす。溶けたはんだが
なめらかに流れるまで2∼3秒
こて先をあててから離す。
図4
図5
良
不良
こてをはなした後滑らかな
山のような形になれば合格。
上:熱の加えすぎ
下:熱不足
●完全で美しいはんだづけをするためには、はんだごてを常に最良の状態にしておく必要があります。こての先端部をやすりでみ
がいて、先端部(はんだづけする部分)にはんだが付いているように保管しておきます(はんだメッキといいます)。
そうすることによって先端部の酸化を防ぎ、いつでもすぐに使えるようになります。
−1
2−
4.部品の取り付け要領
●部品は下図を参考にして、無理しない程度になるべく下まで差し込んで下さい。
●抵抗とダイオードは、基板に当たるまで差し込んで下さい。
1
0m
m
−の方に印がある
Kの方に印がある
A
セラミックコンデンサ
抵 抗
K
ダイオード
電解コンデンサ
トランジスタ
キャパシタ
●各部品は、順次に所定の穴に差し込み、裏側(金メッキ面)でリード線を曲げ1mm∼1.5mm程度残してニッパで切断して下
さい。このとき、ランドからはみ出さない方向に曲げるようにして下さい。
①所定の穴に差し込む。
②リード線は金メッキ方向に
曲げニッパで切断する。
③はんだづけする。
−1
3−
5
回路図および実体配線図
FMANT
L616μH
VR50KΩ
R53
10KΩ
C1
102PF
T1
C4
C5
10μF103
+
C2
30PF
L2
6T5
AMANT
L3
5T5
C6
30PF
R52
68KΩ
R5115Ω
Q15
9014
180PF
C10
103
+
Q199018
R49
10KΩ
T3
GND
28
AFOUT
27
VCC
26
RIPPLE
25
AFIN
24
DETOUT
23
AFCAGC
22
IFGND
20
METER
19
NC
18
C14
104
+
C17
10μF
+
C13 C15 C16
4.7μF10μF223
R46
1K2Ω
IC2
OSC
1 2
+
SIREN IC
OUT VCC
3 4 5 6
G
D81N5819
EDLC
10F/2.3V
R21220Ω
R202KΩ
C42
104
ZD1
5.6V0.5W
USBOUTPUT
L5220UH
R22100Ω
D101N4148
R74KΩ
Q1
9014
Q2
9014
LED12GREEN
高電圧表示
R42
3KΩ
R822KΩ
R93KΩ
R10 R11
4KΩ 39KΩ
Q3
9014
LED2
R12
WHITE
22Ω
LED3
R13
WHITE
22Ω
LED1
R14
WHITE
22Ω
LED4
R15
WHITE
22Ω
LED5
R16
WHITE
22Ω
R03
D07
3.3Ω
1N4148
L4220UH
Q7
S8550
+ C33
100μF
Q02
SC8550
Q03
SC8550
10Ω
+C05
100μF
D11
C04
100μF
Q01
SC8050
R55
R01
5K6Ω
R26 R27 R28 R29
1KΩ 1KΩ 1KΩ 1KΩ
R25
1KΩ
C34330PF
C03330PF
SW3-B
1
2
3
4
キャパシタチェッカ
SW5
CF2
10.7M
LED11RED
低電圧表示
ZD02
3.3V0.5W
Q6
SC8050
R18
180KΩ
PHONEJACK
C18
220μF C19 C20
104 104
ZD33.6V0.5W
1.回路図
D6
D5
D4
1N4004 1N4004 1N4004
R0
4.7Ω/1W
EDLC
R19
22KΩ
C21220μF
GS
3∼
LED1
D0
1N4004
LED
D3
D2
D1
1N4004 1N4004 1N4004
SPK8Ω
JK1
+
Ni-Cd
Q5
9014
+
FMIFIN
17
AFCAGC
21
+
LED13
ORANGE
C12
103
SIREN RADIO
K
C02
104
SW3-A
SW2
Q4
9014
C01
100μF
/16V
+
ZD0
5.1V1W
C41220μF
+
FMDISCRI
NF
VOL
AMOSC
AFC
FMOSC
REG
FMRF
AMRFIN
NC
FMRFIN
GND
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
FEGND
12
AMFMIFOUT
14
13
AMIFIN
16
BANDSELECT
15
AM
LED14
RED
R44
2K2Ω
C24
104
R3
100KΩ
+ C39
10μF
CF1
455K
D18
R44
1N5819
2K2Ω
R43
2K2Ω C40220μF
D09
1N4004
SW4
BATT
2.4VNi-Cd
R6
15KΩ
IC1CD1191
FM
R041KΩ
C815PF
T2
SW1
Ni-Cd USB EDLC
C113PF
R5
3
30Ω
C23
102
R2
10KΩ
R50
150KΩ
+
R4
2KΩ
C3
30PF
D71N4004
DCINPUT
C94.7μF
C22
30PF
R54
10Ω
JK2
Q14
9014
C7
+
D081N4148
0.8V
LED6
Q9
SC8050
−
Q8S8550
R23
22KΩ
ZD2
4.7V0.5W
D12
1N4004
C35 +
100μF
1N4148
R245K6Ω
R31
1Ω
−
D13
1N4004
IC3-B
+
R02
22KΩ
ZD01
4.3V0.5W
−
D14
1N4004
IC3-C
+
−
R32
3K3Ω
図記号にはその他にも色々な表現があります。図記号の新旧の比較については
ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/zukigo/pdf/zukigo.pdfをご覧下さい。
−1
4−
R33
24KΩ
R34
10KΩ
IC3-D
+
R35
5K6Ω
1.4V
LED8
1V
IC3-A LED7
+
D15
1N4004
Q10
9014
R30
1KΩ
2.3V
LED10
2V
LED9
2.実体配線図
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
R
0
1
E
D
L
C
1
足の長い方
Q
0
3 b
c
S
8
5
5
0 e
−
Z
D
0
1
C
0
2
D
0
8
D
0
7
R
0
2
C
0
3
R
0
3
D
0
9
A
L
4
C
0
5
−
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
8
5
5
0
2
S
C
8
0
5
0
+
C
0
4
−
−
D
2
D
6
P
3
P
2
MT
D
5
M
T
P
5
R
0
4
D
1
D
4
P
1
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
+
+
D
3
+
C
0
1
P
4
太陽電池
ボディB
P6
P8
P
7
FM
ANT
ライトユニット
ボディA
−1
5−
3.ソーラーエナジーの電気利用のフローチャート
発電・入力
三相交流
発電機
太陽電池
●電源はキャパシタと電池の2種類があり
ます。
●太陽電池からの電流はキャパシタにしか
流れないようになっています。
●三相交流発電機からの電流は電源切替ス
イッチによりキャパシタと電池に切り替
えることができます。
充電切替
スイッチ
充電・電源
(注)
キャパシタ
電池ボックス
電源切替
スイッチ
利用・出力
外部出力
(USB形状)
メイン
スイッチ
ラジオ
ライト
携帯電話
などへ
サイレン
(注) 電池ボックスに充電する際は、必ず二次電池が入っていることを確認して下さい。
また、確認しやすいように電池ボックスへの充電は電池カバーを開けた状態でない
とできないようになっています。その状態で電池ボックスに一次電池を入れて充電
することは絶対にしないで下さい。
−1
6−
●ソーラーエナジーの発電方法および電力
供給は、太陽電池・三相交流発電機の2
種類があります。
●外部出力は三相交流発電機からの電流を
直接U
S
B
ポートに出力することができます。
●電源切替スイッチを切り替えることによ
って電源をキャパシタまたは電池から選
択することができます。
●メインスイッチを切り替えることによっ
て電気の利用用途をライト・ラジオ・サ
イレンの3種類から選択することができ
ます。
※電池ボックスに一次電池を入れて使用す
ることができます(充電はできません)。
※ライトは電源がキャパシタのときは中央
の1灯のみ点灯します(電源が電池のと
きは5灯とも点灯します)。
6
組み立て
1.基板の組み立て
(1)発電回路の組み立て
セラミックコンデンサC02、電解コンデンサC01、固定抵抗器R04、ダイオードD1∼D6
を取り付け、はんだづけします。ダイオードD09を取り付け、はんだづけします。
電解コンデンサ
C01 100μF
1
04
セラミックコンデンサ
C02 0.1μF104
取付時注意
ダイオードには極性があ
ります。間違えないよう
に注意して下さい。
−
EDLC2 ここのEDLCはオプションです
+
EDLC1
足の長い方
b
−
ZD01
Q03
c
SC8550 e
R01
R03
D09
P3
P2
色帯
D5
MT
+
C04
D1
D4
取付時注意
P1
LED1+
DC2
EDLC+
GND
LED0
DC1
b
Q01 b Q02
c
c
e
e
SC8050 SC8550
−
D2
P5
R04
L4
C05
−
A
:アノード
D6
C03
D07
+
D3
+
C01
C02
R02
D08
K:カソード
+
電解コンデンサには極性
があります。間違えない
ように注意して下さい。
P4
−
ダイオード
D09 1N4004
色帯
ダイオード
D1∼D6 1N4004
固定抵抗器 茶黒赤金
R04 1KΩ
足短
足長
取り付けが終わったら、もう一度部品の方向とはんだづけの状態を確認して下さい。
短絡や不着がないことも確認しましょう。
−1
7−
(2)発電回路の動作確認
各スイッチはどのポジションでもよい。
【手順1】「コネクタA」と「コネクタMT」を差し込みます。
【手順2】ボディAの8ピンコネクタを基板と接続します。
【手順3】ハンドルを回してパネルの発電機LEDの点灯を確認します。
点灯すれば発電回路は正常、点灯しない場合は部品の取り付けとはん
だづけを確認して下さい。
ハンドルを取り付け
ます
発電機LED
−
EDLC2 ここのEDLCはオプションです
+
R01
ZD01
C02
R02
D08
D07
R03
−
−
D2
どちらに
回してもよい
D6
P3
P2
D5
MT
C03
P5
R04
b
Q01 b Q02
c
c
e
e
SC8050 SC8550
+
C04
−
D1
D4
P1
LED1+
DC2
EDLC+
GND
LED0
DC1
+
+
D3
+
C01
D09
L4
C05
コネクタMT
EDLC1
足の長い方
Q03 b
c
SC8550 e
−
P4
コネクタA
ハンドルをボディBに取り付け、ハンドル止めネジ2本で固定します。
ハンドルは本体組み立て時まで取り付けたままにしておきます。
ボディAより
この動作確認に引き続き実験・学習を行う場合はP36∼P40をご覧下さい。内容:「発電する」
−1
8−
(3)ラジオ回路の動作確認
「コネクタA」と「コネクタMT」を差し込みます。
ラジオ側からのコネクタ(8ピン)を差し込みます。
【手順1】充電切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順2】メインスイッチをラジオ側にします。
【手順3】電源切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順4】ボリュームを右方向最大にします。
【手順5】FM/AM切り替えスイッチをFMにします。
ハンドルを回し「ザー」という音が出ればラジオ回路は正常に働いています。
5
2
3
4
回しきっておく
1
この動作確認に引き続き実験・学習を行う場合はP41∼P45をご覧下さい。内容:「交流について」「電気を情報伝達に利用するしくみ」
−1
9−
(4)ライト回路の組み立て−1
固定抵抗器R01・R02・R03、ツェナーダイオードZD01、ダイオードD07・08を取り付け、はんだづけします。
「部品の取り付け要領」をよく参照してください。
固定抵抗器
(赤赤橙金)
R0
2 22KΩ
固定抵抗器
(緑青赤金)
R01 5.6KΩ
固定抵抗器
(橙橙金金)
R03 3.3Ω
−
EDLC2 ここのEDLCはオプションです
+
R01
EDLC1
足の長い方
Q03 b
c
SC8550 e
−
ZD01
C02
R02
D08
D07
R03
D2
D5
MT
P5
R04
b
Q01 b Q02
c
c
e
e
SC8050 SC8550
+
C04
−
ツェナーダイオード
ZD01 4.3V
LED1+
DC2
EDLC+
GND
LED0
DC1
−
−
D6
P3
P2
C03
L4
+
C05
D3
+
C01
D09
+
P4
ダイオード
D08 1N4148
ダイオード
D07 1N4148
−2
0−
D1
D4
P1
(5)ライト回路の組み立て−2
発振コイルL4、セラミックコンデンサC03、電解コンデンサC04・C05、トランジスタQ01・02・03を取り付け、はん
だづけします。
「部品の取り付け要領」をよく参照してください。
トランジスタ
Q03 SC8550
発振コイル
L4 220μH
−
EDLC2 ここのEDLCはオプションです
+
Q03 b
c
SC8550 e
R01
−
EDLC1
足の長い方
電解コンデンサ
C05 100μF
ZD01
C02
R02
D08
D07
R03
−
D2
P3
P2
D5
MT
P5
R04
b
Q01 b Q02
c
c
e
e
SC8050 SC8550
+
C04
D1
D4
P1
LED1+
DC2
EDLC+
GND
LED0
DC1
+
−
D6
C03
L4
C05
D3
+
C01
D09
+
−
P4
電解コンデンサ
C04 100μF
トランジスタ
Q01 SC8050
3
31
トランジスタ
Q02 SC8550
セラミック
コンデンサ
C03 330PF331
−2
1−
(6)ライト回路の確認
「コネクタA」と「コネクタMT
」を差し込みます。ラジオ側からのコネクタ(8ピン)を差し込みます。
【手順1】電源切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順2】メインスイッチをライトにします。
【手順3】充電切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
ハンドルを回すと、ライトが1個点灯することを確認して下さい。
2
【手順4】電源切り替えスイッチを電池に切り替えます。
【手順5】裏面の電池蓋をあけて、充電切り替えスイッ
チを電池側に切り替えます。
4
ハンドルを回すと、ライトが5個点灯することを確認し
て下さい。
1
点灯しなければ、下記項目について確認します。
1.極性に間違いはないか、部品の取り違えはないか?
(1
)Q
0
1
∼Q
0
3
特にQ
0
1
とQ
0
2
・Q
0
3
と間違っていないか?
(2)ZD01とD07・D08と間違ってないか?
(3)R01∼Q03が入れ違っていないか?
3
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
5
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
(オプションのニッケル水素電池を入れた状態)
こて先止めネジ
2.はんだの不着・短絡はないか?
・はんだごてのこて先はきたなくなってなっていないか?
・指先に油など付いていないか、その指で部品やはん
だ面を触っていないか?
・はんだごての、こて先止めネジはゆるんでいないか?
※こて先止めネジがゆるんでいると、こて先に十分熱が伝
わりません。
この動作確認に引き続き実験・学習を行う場合はP46∼P48をご覧下さい。内容:「充電する」「電気を熱と光に変換する」
−2
2−
(7)電源回路の組み立て
キャパシタ(EDLC)を取り付けます。
キャパシタのリードは短く切りすぎないように注意して下さい。
取付時注意
キャパシタは基板と水平になるように
あらかじめリード部分を曲げておく。
キャパシタの端が取り付け穴の上にくる
ように曲げること。
キャパシタ
−
EDLC2 ここのEDLCはオプションです
+
EDLC1
足の長い方
Q03 b
c
SC8550 e
−
ZD01
R02
R03
D09
−
P3
P2
D2
先端は差し込んでから曲げる
D5
MT
P5
R04
b
Q01 b Q02
c
c
e
e
SC8050 SC8550
+
C04
D1
D4
P1
LED1+
DC2
EDLC+
GND
LED0
DC1
C05
−
基板
D6
C03
D07
L4
+
D3
+
C01
C02
D08
R01
+
P4
−
−2
3−
2.回路の完成
(1)太陽電池の取り付け
「コネクタA」と「コネクタMT
」を差し込みます。
ラジオ側からの8ピンコネクタを基板に差し込みます。
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
R
0
1
E
D
L
C
1
足の長い方
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
Z
D
0
1
C
0
2
R
0
2
D
0
8
D
0
7
R
0
3
−
D
2
D
6
P
3
P
2
MT
D
5
M
T
C
0
3
A
P
5
R
0
4
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
+
C
0
4
−
D
1
D
4
P
1
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
+
−
+
D
3
+
C
0
1
D
0
9
L
4
C
0
5
コネクタMT
−
P
4
コネクタA
8ピンコネクタ
P6
P8
ANT
この組立に引き続き実験・学習を行う場合はP49、P50をご覧下さい。内容:「発光ダイオードで電気を光に変換する」「発光ダイオードについて」
−2
4−
(2)太陽電池の充電確認
【手順1】電源切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順2】メインスイッチをラジオ側にします。
【手順3】充電切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順4】ボリュームを左方向にして「カチッ」と音がするまで回し、OFFの状態にします。
太陽電池を太陽に向け10分程度充電します。
【手順5】ボディB面(ロッドアンテナがついてる方)のキャパシタチェッカーのボタンを押してみます。赤いLED1個
とグリーンのLEDが3個くらい点灯していれば太陽電池によるキャパシタの充電回路は正常です。※晴天だと5∼6分で3
個以上点灯します。
2
1
3
4
「カチッ」と音が鳴るまで
回す(OF
Fにする)
321
回しておく(ON
にする)
5
各部の動作テストをします。
1)メインスイッチをサイレン側にします。
上部のランプが点滅しサイレンが鳴ります。
2)メインスイッチをラジオ側にします。
ラジオが鳴ります。
3)メインスイッチをライト側にします。
ライトが1個点灯します。
この組立に引き続き実験・学習を行う場合はP51∼P53をご覧下さい。内容:「太陽電池で発電する」「動力を変化させるしくみ」
−2
5−
(3)ダイナモの充電確認
「コネクタA」と「コネクタMT
」を差し込みます。ラジオ側からの8ピンコネクタを基板に差し込みます。
【手順1】 充電切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順2】 メインスイッチをラジオ側にします。
【手順3】 電源切り替えスイッチをキャパシタ側にします。
【手順4】 ボリュームを左方向にして「カチッ」と音がするまで回し、OFFの状態にします。
ハンドルを10秒で10∼15回転くらいのゆっくりしたスピードで回します。
【手順5】 30秒くらい回したところで、ボディB面のキャパシタチェッカのボタンを押します。
赤いLED1個とグリーンのLEDが1∼3個くらい点灯していればダイナモによるキャパシタの充電回路は正常です。
2
明るい場所では、ハンドルを回さなくてもグ
リーンのLEDが2個くらい点灯することがあり
ます。太陽電池が充電しているからです。
3
1
5
4
回しておく(O
FFにする)
1)緑のLEDが3個点灯したら、メインスイッチをサ
イレン側にします。
上部のランプが点滅しサイレンが鳴ります。
2)メインスイッチをラジオ側にします。
ボリュームつまみを右に回すとラジオが鳴ります。
3)メインスイッチをライト側にします。
ライトが1個点灯します。
321
回しておく(ON
にする)
−2
6−
緑のLEDが3個程点灯しないとラジオ・サイレ
ンは動作しません。ラジオ・サイレンが動作
しなかった場合は充電状態を確認して下さい。
(4)電源(電池)回路の動作確認
【手順1】電池ケースに電池を入れ、電池カバーを取り付けます。
【手順2】電源切り替えスイッチを「電池」にします。
1)メインスイッチをサイレン側にします。
上部のランプが点滅しサイレンが鳴ります。
2)メインスイッチをラジオ側にします。
ボリュームつまみを右に回すとラジオが鳴ります。
3)メインスイッチをライト側にします。
ライトが5個点灯します。
FMのアンテナを接続していないので、多少感
度が悪く、聞こえないこともあります。
またFMやAMの電波はビルの中(校舎内)など
では、電波が届きにくく入感しにくい場合が
あります。そのときは、窓際に行って確認し
て下さい。
543
2
1
回しておく(O
Nにする)
−2
7−
3-2エネルギーを変換して利用しよう(ソーラーエナジー完成後)
①情報伝達に利用する
テキストに使うページ(マニュアル+教科書)
教科書 東書P103、開隆P99
ア.ラジオを鳴らす 実験12
イ.スピーカのしくみ
・モータでラジオを聞く
・スピーカーに交流を流して音を出す
教科書 東書P103
8.電気を情報伝達に利用するしくみ
◆身近な電気を「情報を伝えるしくみ」に利用する機器にはどのようなものがあるか考えてみましょう。
◆電気を「情報を伝えるしくみ」に利用する機器によって、我々の生活がどのように便利になったか考えてみましょう。
◆教科書を参考にしながら電気を「情報を伝えるしくみ」に利用する機器やしくみについて学習しましょう。
実験(12)
この実験は配線を完成させてから行います。
切りかえスイッチやボリューム・チューニングダイヤルなどを操作し、ラジオの音を出して、電気を情報伝達に利用する実験を行いま
す。電源は乾電池を使います。
結果と考察
ラジオ(AM/FMとも)は鳴りましたか。
ラジオはどのような仕組みで鳴っているのでしょうか。
電気と情報伝達との関係を考えてみよう。
「電気を使わない情報伝達」について考えてみよう。
−6
2−
【完成後の実験】モータを使ってラジオを聴く
◆モータはコイルと永久磁石で構成されているという点でスピーカに似ています。
モータをスピーカ代わりにしてラジオを聴く実験をしてみましょう。
P7
モータを使ってラジオを聴く
この実験を行う前に組み立てと動作を確認して下さい。
この実験は、テストポイントP6とP7を利用します。
P7
実体配線図
最初に放送を受信します。受信確認後、一度スイッ
チを切りスピーカのコネクターを外します。
次に赤のテストリードの片側をテストポイントP6に、
もう一方をモータの端子に接続します。
黒のテストリードの片側をテストポイントP7に、も
う一方をモータの片側の端子に接続します。
P6
P7
P6
AN
T
ボリュームスイッチを右方向最大にします。
P6
P8
P6
【疑似骨伝導の実験】
ひたいやほお骨など、堅いところにモータのボディー
をあてます(空いた手で耳をふさぐと聞こえやすく
なります)。
+
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
8
5
5
0
2
S
C
8
0
5
0
−
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
C
0
5
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
0
0
6
.
0
1
.
1
2
Z
D
0
2 2
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
2
−6
3−
足の長い方
【完成後の実験】スピーカに交流を流して音を出す
◆スピーカも永久磁石とコイルで構成されていますから、モータと似ています。
スピーカに交流を加えると今度は音が聞こえます。
交流の音を聞いてみよう。
回路図
【注意】
この実験は10秒以上連続して行ったり、極
端に早く回したりしないで下さい。スピ−
カが壊れることがあります。
GS
3
P7
実体配線図
P6
+
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
−
C
0
4
+
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
−
L
4
R
0
1
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
D
5
D
2
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
−
+
C
0
1
足の長い方
C
0
5
D
3
P
3
P
2
D
6
+
E
D
L
C
1
−
実体図を参考に接続して、発電機ユニット
のハンドルを回します。ゆっくり回転させ
ると低い音が、速く回転させると高い音が
出ます。
ハンドルの回転がゆっくりの時は周波数が
低く、回転が速い時周波数が高いからです。
スピーカの原理は、交流の交互に発生する
プラスとマイナスの電力を利用しています。
磁石にコイルを近づけてコイルに交流電流
を流すと、交流のプラスとマイナスよって
コイルの極性がNとSに交互に変わり磁石に
反発したり引き寄せられたりします。その
現象を利用して、コーン紙という振動板を
振動させて音を出るようにしたものがス
ピーカです。
三相交流
発電機
0
0
6
.
0
1
.
1
2
Z
D
0
2 2
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
2
発電機のしくみについては、わかりやすいアニメーション教材をご用意しています。ナガタックのホームページ www.nagatac.co.jp/hatsudenki/flash.htmをご覧下さい。
−6
4−
5.仕上げと機能説明
テキストに使うページ(マニュアル)
①本体の組み立て
ソーラーエナジーマニュアル(以下SEM)P29∼32
②各部の機能
SEMP33∼35
(1)表面の仕様
SEMP33
(2)背面の仕様
SEMP34
(3)ソーラーエナジー電気の流れ
SEMP35
3.本体の組み立て
(1)ダイナモハンドルの取り外し
ネジ2本を抜き、ダイナモハンドルを取り外します。
(2)基板の取り付け
基板をボディBに取り付け、基板止めネジ4本で固定します。
【重要・ダイナモハンドルの取り外し】
ダイナモハンドルを取り付けたままで
はボディA・Bが組み立てられません。
基板止めネジ
2×6
【コネクタA取り付け注意】
「コネクタAのケーブル」は基板
の下を通し、基板の角部分から
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
2
取り出します。−
0
0
6
.
0
1
.
1
2
Z
D
0
2 2
E
D
L
C
1
DLCはオプションです
足の長い方
Z
D
0
1
C
0
2
P
5
R
0
4
P
1
ダイナモハンドル
(取り外す)
P
4
ハンドル止めネジ
2.6×8
−2
9−
(3)アンテナの取り付け
FMのアンテナのリード線を、バリコン横のランドにはんだづけします。
取り付け位置には「FMANT」と表記してあります。
(4)ライトユニットの接続
ライトユニットの端子を、ボディA側の3ピンコネクタに取り付けます(キットの状態で取り付けてあります)。
ライトユニット
ANT
FM
ANT
P8
ボディA
P6
「FMANT
」と表記してある
丸い部分にはんだづけします。
P
4
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
+
R
0
1
D
0
7
P
5
R
0
4
D
4
D
1
P
1
C
0
3
D
0
8
Z
D
0
1
−
E
D
L
C
2 ここのEDLCはオプションです
+
M
T
R
0
2
D
0
9
R
0
3
C
0
2
D
2
−
+
C
0
1
D
3
P
3
P
2
D
5
D
6
+
E
D
L
C
1
−
0
0
6
.
0
1
.
1
2
Z
D
0
2 2
H
S
9
8
5
J
P
C
B
6V
:
2
−3
0−
足の長い方
Q
0
3 b
c
S
C
8
5
5
0 e
−
D
4
−
C
0
4
D
1
C
0
4
e
S
8
5
5
0
+
L
E
D
1
+
D
C
2
E
D
L
C
+
G
N
D
L
E
D
0
D
C
1
e
S
C
8
0
5
0
ボディB
D
5
M
T
L
4
Q
0
2
c
D
2
L
4
b
D
0
9
D
6
P
3
P
2
b
0
2
Q
0
1 b Q
c
c
e
e
S
C
8
5
5
0
S
C
8
0
5
0
1 b
R
0
3
−
+
C
0
3
D
3
+
C
0
1
−
D
0
7
R
0
2
C
0
5
D
0
8
+
ボディB
(5)ケースの組み立て
ボディA(前面)側を下にして、ストラップピンホールにストラップピンを差しておきます。
このとき、ストラップピンにショルダーストラップを差し込んでおくと取り付けが楽になります。
ボディBを取り付け、ビス5本で固定します。
電池ボックス内のビスを取り付け忘れないように注意して下さい。
ケース止めネジ
2.6×12
キ
ャ
パ
シ
タ
【
ス
替
切
電
充
チ
ッ
イ
US 】
B
DC
5V
Lo
w
AA
SI
ZE
/U
M3
Hi
gh
パシ
キャ
ェッ
タチ
ボディB
ストラップピン
カ
ショルダー
ストラップ
ストラップピンホール
ボディA
−3
1−
(6)ライトユニットの取り付け
ライトユニット、レンズ、レンズ止めを取り付けます。
ライトユニットをボディに取り付けます。裏側の基板がボディの「太陽電池側」になるように、溝に合わせて取り付
けます。
レンズは、ライトユニットに付いている2本のピンに穴を合わせて取り付けます。
レンズ止めは、ボディの溝に合わせて取り付けます。時計回りに回転させると固定します。
パ
シ
タ
ャ
キ
ポケットキャップを取り付けます。
時計回りに回転させると固定します。
【充
電切
替ス
イッ
US
B
DC
5V
チ】
Lo
w
AA
SI
ZE
/U
M3
(7)ダイナモハンドルの取り付け
ダイナモハンドルをボディ取り付け、
ハンドル止めネジ2本で固定します。
Hi
gh
キ
シ
パ
ャ
カ
ッ
チ
ェ
タ
ポケットキャップ
ライトユニット
レンズ
レンズ止め
ハンドル止めネジ
2.6×8
ダイナモハンドル
ライトユニットのピンと
レンズのピンホールを合わせます。
−3
2−
7
各部の機能
1.表面の仕様
【FM/AM切替スイッチ】
【メインスイッチ】
【ライト】
高輝度LEDを5個搭載しています。電源
をキャパシタから供給しているときは1
灯のみを点灯します。
【選局ダイヤル】
【ポケット】
携帯電話充電ケーブル(別売)などを
収納することができます。
【VOLダイヤル】
【電源切替スイッチ】
【FM
/AM切替スイッチ】
【電源切替スイッチ】
ラジオのAMとFMを切り替えるスイッチです。
電源を「何から得るか」を切り替えるスイッチです。
「電池」を選択すると電池を、「キャパシタ」を選択するとキャパシタを電源
とします。
【メイン スイッチ】
ライト、ラジオ、サイレンを切り替えるスイッチです。
電気を「何に使うか」を選択するスイッチといえます。
【VOLダイヤル】
ラジオの音量を調節するダイヤルです。OFF側に回しきると電源が切れます。
【選局ダイヤル】
ラジオの選局を行うダイヤルです。
−3
3−
2.背面の仕様
【フォンジャック】
3Pの3.5mmピンジャック形式のヘッドホンを使用す
ることができます。2Pタイプは使えません。
【電源アダプタ接続ポート】
別売りの電源アダプタを接続することができます。
【DC5V出力ポート】
【キャパシタチェッカ】
キャパシタの蓄電量を確認する
ためのスイッチです。
左側のLEDが5灯点灯していると
フル充電しています。
外部機器へDC5Vを供給します。コネクタ形状はUSB
に準拠しており、携帯電話充電アダプタなど、市販
の機器に対応しています。
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
【充電切替スイッチ】
電池ボックスカバーが開いて
いるか閉じているかで可能な
操作が変わります。
【キャパシタ】
内蔵の二重層コンデンサに蓄電します。
二次電池への充電は、誤操作
を防止するために電池ボック
スカバーが開いている状態で
しか行えない構造になってい
ます。
【USBDC5V】
DC5V出力端子に接続した機器に5Vを
供給します。
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
【二次電池】
電池ボックスに入れた二次電池(ニカドや
ニッケル水素蓄電池)に充電します。
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
A
AS
I
Z
E
/
U
M
3
注意 二次電池への充電は電池ボックスカバーを外した状態でしか行えなえません
−3
4−
テキストに使うページ(教科書)
6.これからのわたしたちの生活とエネルギー
①激変する地球環境
②エネルギー消費と地球環境
教科書 東書P6∼7・P120∼121・P144∼149
開隆P6∼7・P88∼89・P114∼117
③エネルギー消費と資源の枯渇
④その他 エネルギー利用による環境汚染
語句解説
参考資料6-1 エコロジカルフットプリント
⑤日本のエネルギー事情
参考資料6-2 なかなか電気消費量が減らないいくつかの理由
⑥自然エネルギーへの転換
(1)「自然エネルギー」と「新エネルギー」
(2)再生不可能な地下資源
A.化石燃料
B.原子力
参考資料6-3 原子力発電所の建設が減少している理由
参考資料6-4 プルサーマルと再処理工場として高速増殖炉
(3)新エネルギーの開発と波及効果
参考資料6-5 どうしてバイオマスは二酸化炭素を増やさないのか
参考資料6-6 自然エネルギー発電の先進例
参考資料6-7 日本でも進む家電製品の省エネルギー表示
⑦エネルギー利用のこれまで
⑧エネルギー利用のこれから
⑨持続可能社会を目指した取り組み
(1)京都議定書
(2)君もチームマイナス6%に参加して京都議定書を守ろう
(3)その他の取り組み
参考資料6-8 あなたの省エネチェック
ワークシート
6.これからのわたしたちの生活とエネルギー
①激変する地球環境
地球上の動物が生きていけるのは植物の光合成により水と二酸化炭素から酸素がつくられ、これを取り入れて、体を動かすた
めのエネルギーとして使うことができるからです。
地球の環境は「大気」「水」「土」「森林」や生物とのつながりの微妙なバランスの上に成り立っていますが、人類による産
業革命以降の膨大なエネルギー消費を原因として、生物種の絶滅、オゾン層の破壊、酸性雨、海洋汚染、大気汚染、水質汚染、
森林の減少、そして地球温暖化などの自然環境の激変が起こっています。
すでにここ数年の異常気象の頻発からこの微妙なバランスが崩れ始めていることを感じ取ることができます。
中でも、地球温暖化はエネルギーときわめて深い関係があります。
②エネルギー消費と地球環境
人類はエネルギーの利用技術を生み出し発達させ、生活を豊かに便利にしてきました。しかし反面、20世紀後半には頂点を極
めた物質文明は大量生産・大量消費・大量廃棄という特徴を持っていましたが、私たちはこの文明を支えるために莫大な石炭、
石油、天然ガスなどの化石燃料を消費してきました。
化石燃料を燃やすと、二酸化炭素、フロン、メタンなどの温室効果ガスが出ます。温室効果ガスが大量に排出されると、宇宙
空間に放出されるべき熱を逃がしにくくなり、これが地球温暖化の主要因と考えられています(温室効果ガスの中で二酸化炭
素の温暖化への影響は60%と、もっとも大きい)。
このままいくと地球全体の気温は100年後に1.4∼5.8
℃上昇すると報告されています。
温暖化が進み、南極など地球上の氷がとけて海面上昇が起こると、標高の低い都市や島が水没したり、生態系の変化による生
物、植物の絶滅が早まり、熱波の増加や熱帯の病原菌や害虫の生息地が広がることにより、疾病など健康被害が懸念されます。
また、経済的には食糧の不足による価格上昇が起こり、貧富の差の拡大を加速させ、開発途上国では災害などによる経済的損
失があると予測されています。
そのような事態にならないように、温室効果ガスや有害ガスを少量化するための研究・開発や、風力、太陽光、燃料電池など
を利用し、化石燃料を使わない発電の効率化など新しいエネルギー利用のあり方について研究が進められています。
1図
世界の二酸化炭素排出量の推移 1950∼1995
2図
世界地表面気温の推移
(炭素換算量:100万トン)
(平年差:℃)
7.0
00
合 計
1.0
1.0
各年の値
6.0
00
各年の値の5年移動平均
長期傾向
5.0
00
4.0
00
先進国
3.0
00
西側先進国
0.5
0.5
0.0
0.0
-0.5
-0.5
発展途上国
2.0
00
1.0
00
東欧
+旧ソ連
0
1950
60
70
80
90 95
(年)
-1.0
1880
-1.0
90
1900
10
20
30
40
50
60
70
80
90
2000
(年)
資料:気象庁
③エネルギー消費と資源の枯渇
わたしたちは生活の中でたくさんのエネルギーを消費しています。特に石油はガソリン、灯油、その他燃料として利用されて
いる以外にもプラスチック製品などに使用される重要な資源です。
しかし、石油は消費のスピードが速すぎるため、約4
0年でなくなるといわれています。
私たちの生活を支えるエネルギー資源には限りがあります。これから私たちはエネルギーを有効に利用し、できるだけ自然エ
ネルギーや再生可能エネルギーを使うように切り替えていかなければなりません。
3図
石油の使用用途
4図
資源の可採年数(注)
ナフサ
プラスチックや
各種の合成樹脂など
50年
ガソリン
化学用原料
19.4%
原料
電力 5.9%
都市ガス 0.9%
動力
天然ガス
192年
熱源
鉱工業
14.6%
石油
67年
自動車
36.5%
ジェット
燃料油
家庭・業務
16.2%
灯油
41年
航空機 1.8%
85年
軽油・重油
100年
石炭
ウラン
(2003年調べ)
運輸・船舶 1.8%
家庭・事務用の
暖房など
可採年数とは現在確認されている可採埋蔵
量をその年の消費量で割った値です
(※ウランについては必要量で割った値)。
農林・水産 2.9%
重油
発電や工場などの
ボイラー燃料
石油連盟 2004年度
石油の用途を「動力・熱源・原料」で分類すると、ほぼ「2:2:1」の比率になります。
上の「石油の使用用途」を見ると、自動車用燃料(ガソリン)としての使用量がすべての
用途の1/3という大きなものであることがわかります(この中にはバスやトラックなど、軽
油を燃料とするものを含みません)。
④その他 エネルギー利用による環境汚染
化石燃料が燃焼する過程で発生する粉じんやそのほかの排気ガスも温暖化や大気汚染の原因となっています。このような問題
を改善するために温室効果ガスや有害ガスを少量化するための研究や、環境への影響が少ないエネルギー利用の開発が行われ
ています。(例:火力発電所における二酸化炭素除去装置やディーゼルエンジンの微粒子除去装置)
また、エネルギーの利用や焼き畑など、木や森を燃やし続けた結果、地球上のあちこちで森林が失われることによって進行し
ている砂漠化も問題です。
二酸化炭素を排出しない水力発電や原子力発電は、環境への影響(景観など)や安全性(放射能汚染など)について深刻な問
題を抱えています。
多くのエネルギーを投入して製造された製品(これ自体が石油を主原料とすることもある)が生活で使い終えたときに出る廃
棄物は、燃やして処理するにしてもダイオキシンその他の環境ホルモン排出によって、人体や生態系に深刻な影響を与える環
境汚染が心配され、リサイクルするにしても新たなエネルギーを必要とするので、何重にもエネルギーを消費していることに
なり、注意が必要です。「リサイクル」=「省エネ」とは限らないのです。
これからは一つの製品の原料採取から製造、流通、使用、廃棄されるすべての段階における環境への影響に対する評価(ライ
フ・サイクル・アセスメント)の考え方を身につけることが重要です。例えば住宅は使用時のエネルギーよりも、建築時のエ
ネルギーが圧倒的に大きいために建築時のエネルギーを省エネ化するのが効率的であることがわかります。一般的に思われて
いるように、生活の中のエネルギー削減だけが省エネルギーでないのです。
これまで見てきたように、わたしたちが暮らす地球環境のバランスを保つために、環境負荷の小さいエネルギー利用を進めて
いくことによって、地球温暖化や資源の枯渇、そしてその他の環境汚染が悪化しないように配慮しつつ、持続可能な社会や循
環型社会を作り上げていくことが重要です。
語句解説
温室効果(温暖化効果)
温室効果は、地表から放射されるエネルギーを二酸化炭素
などの温室効果ガスが吸収することによって、地表気温や
海水温などの上昇につながる現象をいいます。
温室効果ガス
大気中に含まれ、温暖化を促す原因となる気体を温室効果
ガス(温暖化効果ガス)と呼びます。主に二酸化炭素(C
O
2
)
を指しますが、ほかにも水蒸気(H2O)、オゾン(O3)、フ
ロン類(CFCs)、一酸化二窒素(N2O)、メタン(CH4)な
ども同様の性質を持っています。
海面上昇
温暖化によって南極やグリーンランドの氷床が溶けて海水
が増えたり、海の温度が上がり海水が熱膨張したりするこ
とで海面が上昇する現象のこと。I
P
C
C
の第三次報告書(2
0
0
1
年)によると、2100年までに最大で88cmの海面上昇が予測
されています。
予測が現実になると、沿岸地域に住む2億6,000万人が移住
を余儀なくされ、大量の環境難民が発生すると考えられて
います。
化石燃料
石炭、石油、天然ガスの総称。動物や植物の死がいが地中
に堆積し、長い年月の間に変性してできたため「化石」燃
料と呼ばれます。化石燃料を燃やすと二酸化炭素、窒素酸
化物などの温室効果ガスを発生するために、地球温暖化を
引き起こす最大の原因と考えられています。また、埋蔵量
に限りがあるため、代替エネルギーの研究と開発が急務に
なっています。
参考資料6-1 エコロジカルフットプリント∼人類の活動が自然界に与える影響を計算
「エコロジカルフットプリント」とは、再生可能な自然資産の消費量と、自然の生物学的な生産能力とを比較したものです。
人々の現在の暮らしが生態系に与える影響を表す指標で、持続可能な暮らしや社会を作る指標として、世界中で注目され始め
ています。
ある1か国のフットプリントは、その国が消費する食料や木材などを生産するのに必要とされる土地の面積およびエネルギー消
費を維持し、インフラのために必要な土地の合計で表されます。
5図
人類のエコロジカル・フットプリントと地球の扶養力
1.4
人類のエコロジカル・フットプリント
1.2
1.0
扶養力
地球が一つあれば
持続可能なレベル
0.8
右のグラフは、人類が消費する資源を提供し、その排出
を吸収するために、いくつの地球が必要かを1960年から
年次で示したものです。この人間の要求量と、地球から
入手可能な供給量とを比較しています。人間が要求して
いる量は、1980年代からつねに自然が供給できる量を上
回っていることがわかります。1999年には、約20%の行
き過ぎとなっています。(出所:M
.
W
a
c
k
e
r
n
a
g
e
le
ta
l
.
)
0.6
0.4
0.2
0.0
1960
6図
1970
1980
2010
(年)
14.4
資源消費量を面積に換算
自然の生物生産力を面積に換算
12
9.5
一人あたりの
グローバルヘクタール
ところが、それ以外の先進国はすべてが赤字です。カナ
ダと並び、環境先進国として名高いドイツでさえ赤字で
あり、日本はエコロジカル容量0.8に対して、エコロジ
カルフットプリントが4.3、3.5の赤字です。これはアメ
リカに次いで多い赤字です。
0.8の容量に対して4.3という比率は、右のグラフ中もっ
とも深刻な内容になっています。
国土の狭い日本は不利ともいえますが、現在の多大な消
費をともなう生活は、このままでは到底持続可能にはな
り得ないことがわかります。
2000
エコロジカル・フットプリントの各国比較
15
右のグラフはエコロジカルフットプリントの各国の比較
です。カナダはエコロジカル容量が14.4、エコロジカル
フットプリントが6.4なので、8.0のエコロジカルフット
プリント黒字です。環境先進国といわれるゆえんです。
1990
9
6.4
6
4.3
4.9
4.8
5.4
5.8
3.1
3
1.9
1.5
0.8
0
日本
アメリカ カナダ ドイツ イギリス フランス
1.5
0.8
中国
2.2
1.8
世界
日本の資源消費量は環境容量の5.3倍以上。これは世界平均を大きく上回
っています。(1グローバルヘクタールは、全世界の平均的な自然の生産
能力を持つ面積1ヘクタール分)
(資料:WWF『LIVINGPLANETREPORT2004』)
持続不可能な現在の経済
人類は1989∼98年の10年間で、化石燃料を燃やすことによって、炭素の質量で毎年約63億トンの二酸化炭素を排出してきまし
た。大気中の二酸化炭素の増加は年に約33億トン、33億トンは森林の樹木や海水に溶け込んでいるため、大きな気候変動には
至っていませんが、実際には大変な量の二酸化炭素が増えていることになります。
日本経済は年間500兆円の国内総生産(GDP)を稼ぐために、毎年20億トンの資源を投入しています。この資源は二酸化炭素を
13億トン排出し、4億5,000万トンの廃棄物を出しています。
どちらも持続可能な人類の活動としては、この状況を続けていくことは到底不可能であり、資源の投入と排出を早急に半分程
度にすることが求められています。
⑤日本のエネルギー事情
7図
世界の一次エネルギー消費(2001年)
8図
主要国のエネルギー自給率(2001年)
160
その他
34.57%
アメリカ
25.04%
152.8
140
120
世界計
9
1.09億トン
(石油換算)
111.5
110
中国
10.13%
韓国
2.14%
160.3
99.9
100
75.0
80
50.2
60
イギリス
2.58%
カナダ
2.72%
ロシア
6.74%
38.1
40
20.0
20
日本
ドイツ
5.72%
3.58%
フランス
インド
2.92%
[日本エネルギー経済研究所
3.59%
0
日本
ドイツ フランス アメリカ
中国
イギリス カナダ
ロシア
[IEA【EnergyBalancesofOECDCountries】2003]
【EDMC/エネルギー・経済統計要覧
(2004年版)】]
上の7図、8図を見ると、日本はエネルギーの消費量が世界で4番目と多いのに、自給率が主要国の中でも極めて低いということ
がわかります。
日本で使われている一次エネルギーの割合は次の通りです。
石油(52%)、石炭(18%)、天然ガス(13%)、原子力=ウラン(12%)、水力(3%)
1970年代の石油危機以降、産業部門で省エネルギー化が進みましたが、1980年以降はほぼ一貫してエネルギー消費が増加して
います。
省エネルギーが叫ばれるようになって久しいにもかかわらず今のところ現実はそれとは逆に向かっています。ただし日本は成
熟した社会の到来、人口減少などでこれから電力需要が減少に転じる可能性が高いという見方もあります。
この間日本では産業部門は横ばいで、増加したのは家庭・運輸部門です(家庭部門にはコンビニエンスストなども含まれてい
るため、一概に判断できない部分もあります)。
このように日本のエネルギー消費は全体として増加していますが、GDPあたりの一次エネルギー投入の効率は他の先進国よりも
優れ、高いエネルギー利用効果になっています。
また、石油の依存度は石油危機時の77%から2001年度には49.4%と改善されました。その代替燃料として天然ガスと原子力の
割合が増加し、エネルギーの多様化が進んでいますが、他の主要国との比較では、日本の石油依存度はまだまだ高いといわれ
ています。
また、電気エネルギーはガスなどに比べてより安全なため、特に家庭において、その需要は増加の一途をたどっています(例:
オール電化住宅の普及)。その様子は下の9図でもわかります。
その電気エネルギーを作り出すために投入された一次エネルギーの割合を示したのが10図です。
9図
家庭用エネルギーの消費量:種類別の消費量と割合
(1世帯・1年あたり 単位:1,000kcal)
10図
12000
1970
年 合計 6,289
1,571
25.0%
年間発電電力量の移り変わり
1
1
,
0
8
2
LPG・その他
1,010 922
16.1% 14.7%
1,962
31.2%
11000
825
13.1%
1
0
,
0
1
6
水力
10000
148
1.7%
1980年 8,508
2,878
33.8%
1,577
18.5%
1,414
16.6%
2,390
28.1%
LNG
1990年 10,427
1,866
18.1%
1,586
15.2%
2.655
25.5%
1,380
12.4%
2,799
25.1%
電気
都市ガス
LNG
灯油
原子力
5
,
8
4
0
6000
4
,
8
5
0
5000
19
0.1%
1,989
17.8%
7
,
3
7
6
石油
7000
273
2.6%
2020年 11,155
4,833
43.3%
炭素
8000
54
0.5%
3,973
38.1%
8
,
5
5
7
9000
102
1.2%
8
,
9
5
0
135
1.2%
石炭
ほか
3
,
8
7
6
4000
2
,
9
3
9
3000
太陽熱 2000
1
,
6
3
0
1000
9図から、家庭用のエネルギー中で電気エネルギーの量が飛躍的に増えていることがわかります。
0
1
9
6
5 1
9
7
0 1
9
7
5 1
9
8
0 1
9
8
5 1
9
9
0 1
9
9
5 1
9
9
7 2
0
0
2 2
0
0
7
(年度)
計画
1970年に25.8%だった電化率は、2001年には41.6%に達し、現在オール電化の家が
安全性を理由に支持されています。
11図
しかし家庭での電気エネルギー利用の拡大にも難点があることを忘れてはいけませ
ん。電気エネルギーは地下資源など一次エネルギーを燃やして発電する場合、熱の
ロスが生じて発電効率は35∼40%になるといわれています。
さらに送電ロスが約5%、残りの利用されない廃熱は海に捨てられています。
つまり、一次エネルギーより高価なエネルギーといえるのです。
電気製品別電気消費の割合
エアコン
2
4.6%
その他
33.6%
また、熱エネルギーは電気エネルギーよりも、ガスなど一次エネルギーを使った方
が断然高効率であることも重要であり、より利用方法にふさわしいエネルギーとミッ
クスしていく工夫が必要です。そのほかにも電気=電磁波による健康被害などにも
注意しなければなりません。
冷蔵庫
16.4%
テレビ
9.6%
そして持続可能で環境負荷の少ない新エネルギーを導入していくことが重要です。
照明器具
15.8%
参考資料6-2 なかなか電気消費量が減らないいくつかの理由
家電製品の省エネルギー技術はここ20年でめざましい進化をとげています。冷蔵庫の消費電力は20年で1/7になったといわれて
います(その後、メーカの検査方法が整備されるにつれ、「1/7の表記はオーバーだ」といわれています)。
他の電気製品の省エネルギー化も進んでいますが、家庭のエネルギー消費量は増えています。
「省エネルギー化が進んでいるのに消費電力総量が増えている」のは、次のような理由が考えられます。
1.家庭に電化製品が増えている
2.待機電力を使う電気製品が増えている
テレビ、ビデオやDVDデッキ、エアコンなど、リモコンで電源を入れることができる製品は、リモコンからの信号を受信するた
めの電力を消費しています。
また、主電源を切っても、内蔵時計などを動かすために電力を消費しています。このような待機消費電力(待機電力)を使う
電気製品が増えており、家庭の消費電力量の実に9.7%を占めているのです。
電気製品の中でもっとも効率の悪い待機電気の使い方をするのがビデ
オデッキです。
全体として、使用時の10倍もの電力を消費しています。そのほか、携
帯電話の充電器は、3日に1回、2時間充電し、それ以外の時間もアダプ
タに接続したままだとすると、待機電力は充電中の8.3倍にもなるとい
う調査結果もあります。
不合理な電気エネルギーの使い方
電気掃除機はゴミを吸い込むために大量の電気エネルギーを消費
して少量のゴミを吸い込んでいます。年間で原子力発電所一機分
の電力が電気掃除機によって消費されている計算になります。
また、照明に目を向けてみると、白熱球で光になるのは消費電力
の5%、蛍光灯で20%程度です。デパートでは照明器具から発す
る熱のために、真冬でも冷房が必要になることがあるといいます。
こうした不合理や効率の悪い電気の使い方は私たちの生活の中で
より改善していくように心がけましょう。
12図
家庭の年間総消費電力量に占める
待機電力
待機時消費電力量
437kWh/年・世帯
9.7%
家庭の年間
総消費電力量
4,487kWh/年
・世帯
機器使用の消費電力
90.3%
[省エネルギーセンター
【待機時消費電力調査報告書(平成14年度)】]
⑥自然エネルギーへの転換
(1)「自然エネルギー」と「新エネルギー」
地球環境の悪化は化石燃料などのエネルギーを大量に使ってきたことが問題であるという認識から、エネルギー源をより環境
負荷の少ないものにすべく注目されています。
自然エネルギー
:再生可能で自然現象に由来するエネルギー
13図
主要国のエネルギー自給率(2001年)
持続可能でないエネルギー
自然エネルギー
新エネルギー
風力、太陽、水力、間伐材や木材のチップ、穀物の
ワラなどを使ったバイオマス、海洋エネルギーなど
・地熱
新エネルギー
:石油代替となるエネルギー
多くの場合、「自然エネルギー」は「新エネルギー」
と同じ意味で使われていますが、「新エネルギーで
はない自然エネルギー」もあります。
地熱、小水力(ダムでせき止めず、水流の落差を利
用し、生態系への影響が少ない水力)
・化石燃料
(=火力発電)
・ウラン
(=原子力発電)
・風力
・海洋エネルギー
・太陽エネルギー
・水力
(波力、
(ダムなど) 海洋温度差発電)
・バイオマス
・小水力
(水路などを
利用した発電)
・燃料電池
・温度差エネルギー
※自然エネルギーとしてダムを使った従来の水力(大型水力と呼びます)もあり
ますが、生態系への影響などにより、持続可能なエネルギーには含められてい
ません。
(2)再生不可能な地下資源
A.化石燃料
化石燃料はエネルギー利用のため大量に燃やしてきたので、枯渇の危機に直面しています。また、燃焼時に排出する二酸化炭
素は地球温暖化の原因となっています。
石炭………可採年数は192年。発熱量に対する二酸化炭素の排出量が他の化石燃料より大きい。
石油………可採年数は41年。同一発熱量に対する二酸化炭素排出比率は石炭比で80%。良質な石油の供給は40年以内といわれ
ており、すでに価格も高騰しつつあります。また、中東に資源が集中しているので、この地域が絶え間のない資源
争奪戦の舞台になってきたのはイラク戦争などでも記憶に新しいところです。
天然ガス…可採年数は67年。同一発熱量に対する二酸化炭素排出量は石炭の60%と比較的低いので注目されています。しかし、
天然ガスの価格は原油価格と連動する傾向があるので、これからはコスト面が課題です。
天然ガスの多くは中東と旧ソ連(現在のロシアと、東欧諸国)にあります。チェチェンの天然ガスパイプライン施
設をめぐる紛争や、海底の天然ガスをめぐっての日中の論争などで見られるように、国際情勢に大きく影響されま
す。
B.原子力
ウラン…可採年数は60年程度といわれていましたが、世界での相次ぐ計画修正などにより現在は270年分あるといわれていま
す。使用済み核燃料をリサイクルするプルサーマルと高速増殖炉を組み合わせると、可採年数はさらに飛躍的にの
びるといわれています。
しかし、プルサーマルは再処理工場からの放射能汚染拡大が危惧され、高速増殖炉は安全性と経済性から世界では
中止、閉鎖が相次いでいます。
原子力は石油代替エネルギーとして天然ガスとともに一定の役割を果たしてきました(日本では発電量の1/3を占め
る)。発電過程で二酸化炭素を排出しないことや、発電原価に占める燃料費の割合が低く、燃料のウランは長期購
入契約を行い安定供給されるため、原料の高騰などによる価格変動などの影響が少ないところがメリットといえま
す。
デメリットは、ひとたびトラブルが起こると、放射能漏れなどによって周辺や環境への影響が極めて深刻なことで
す。また、老朽化によりこれから本格化する廃炉作業では、大量に出る放射能廃棄物の処理や、原子炉の解体にか
かる時間や手間、そしてコストが大きな負担になります。
こうしたことから世界中で原子力発電所は減少に向かっていますが、アジアでは逆に増加しています。
参考資料6-3 原子力発電所の建設が減少している理由
第一に、安全面の不安による反対運動や立地確保が困難なことが挙げられます。
原子力発電所は人口密度の低い地域に設置されることが多いですが、人口密度の低い地域では、電力を原子力発電所に頼る必
要がありません。
反対運動の背景には原子力発電所の電力が必要なのは「大量に電気を消費している都会」であり、その発電のリスクが地方に
押しつけられていることが挙げられます。
また、遠隔地へ電気を送る送電ロスや長い送電線施設による景観の破壊も問題です。これは太陽光や風力など地域分散電源(マ
イクログリッド )が地域のビジネスを創出し、活性化させるといわれているのと、対照的だといえます。
第二に、電力自由化による経営環境の悪化があります。
発電所建造、解体を含むと、原子力発電所は他の発電所に比べてコストが高くなります。
運転時、廃炉作業、核燃料サイクルなど、いずれも危険度の高い作業なので、人為的、突発的なトラブルが発生した場合や、
目に見えないうちに進行し、発覚までに長い時間のかかる人間の被曝や環境破壊などが起こったときに、復旧作業や補償費用
など膨大なコストが予想されます。
参考資料6-4 プルサーマルと再処理工場として高速増殖炉
プルサーマルは原子力発電所で燃やされた使用済み核燃料からプルトニウムを取りだし、ウランに混ぜて再利用するシステム
です。しかし、再処理の工程で多大な放射性物質を放出することが判明しました。
日本はこれまでイギリス、フランスの再処理工場に使用済み核燃料を輸送し、アイルランド、イギリス、フランスなどヨーロ
ッパ周辺の土地や海を、日本で排出した放射性物質で汚染してきました。
2007年に本格稼働する青森県六ヶ所村の再処理工場は通常原子力発電所1年分の放射能を1日で放出するために、太平洋沿岸の
東北地方を中心に自然環境や生態系に対してヨーロッパのような深刻な放射能汚染の影響を与えるといわれています。
そのプルサーマルによって生み出されるMOX燃料を燃料とするのが高速増殖炉です。
高速増殖炉は従来の軽水炉よりも効率が飛躍的に高く、可採年数も一気に上昇すると期待されていましたが、「もんじゅ」の
ナトリウム漏えい事故以降停止しています。
このため、MOX燃料を軽水炉で使用していますが、効率向上は20%にとどまり、プルサーマルのリスクを考えると「割に合わな
い」といえます。
加えて高速増殖炉の設置を撤回する国が増えていること、日本での本格稼働の目標である2050年頃には人口が減少する(=必
要とされる電力が減る)ことも考慮すると、必要性に疑問があります。
いずれにしても、使用済み核燃料は捨てても(=高いレベルの放射性物質を地中に埋める)、リサイクルしても(=再処理時
に放射能汚染が増大し、埋める時には放射能が低いレベルになっている)、取り扱いが難しいものです。
(3)新エネルギーの開発と波及効果
新エネルギーは、1997年に施工された「新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(新エネルギー法)」において、「新
エネルギー利用等」として規定されてます。
自然エネルギーであっても新エネルギーに指定されていないものもあります。実用化段階に達している水力発電や地熱発電、
研究開発段階にある波力発電や海洋温度差発電などは指定から外れています。
新エネルギー法で指定されているエネルギー一覧
・太陽光発電 ・風力発電 ・太陽熱発電 ・温度差発電 ・廃棄物発電 ・廃棄物熱利用 ・廃棄物燃料製造
・バイオマス発電 ・バイオマス熱利用 ・バイオマス燃料製造 ・雪氷熱利用 ・クリーンエネルギー自動車
・天然ガスコージョネレーション ・燃料電池
新エネルギーのメリットを見ていくと、自然エネルギーは次の2点が挙げられます。
・再生可能で枯渇の心配がない
・二酸化炭素の排出が少なく、環境負荷が小さい
太陽光………
熱利用(暖房や給湯)と発電の2つがあります。太陽光発電は電力需要の多い昼間に発電するため、電力負荷平
準化(ピークカット効果)に貢献します。
ピークカット効果
電力会社はピーク時にあわせて発電設備を作るので、一日でもっとも電力需要の多い昼間(需要ピーク)
に、太陽光でつくった電力でカバーすることによって、電力会社は発電所の設備を少なくできるという効果。
ただ、ヨーロッパなどと比較すると市民が発電した電力の買い取り金額はとても安く、電力会社に買ってもらう
制度のいっそうの充実が期待されます。現在の太陽光発電普及率が世界一であるのは、日本の環境意識が高まっ
てきた現れであると考えることができます。
バイオマス… エネルギー利用を目的とした、生物を由来とする有機
物。木、農作物、食品廃棄物、牛馬のフン、廃棄され
た紙など、生物からできたものをエネルギーとして利
用すること。
植物は光合成によって二酸化炭素を有機物として内部
に蓄えます。その植物を燃やしても、大気中の二酸化
炭素の総量は変わりません。
もともとバイオマスは空気中の二酸化炭素を光合成に
よって有機物に変えたもので、植物を育てれば二酸化
炭素は再び有機物になります。バイオマスを使って作
る電気や熱はいわば自然循環型のエネルギーで、無限
に存在するといえます。(参考資料6-5)
樹木などの植物
加工
光合成
循環の
しくみ
バイオマスエネルギー
(燃料)
二酸化炭素
エネルギーとして燃焼
そのほかにも現在普及しつつあるハイブリッド車などのクリーンエネルギー自動車は、ゆくゆく石油代替エネルギーへとその
燃料を転換していくものと考えられており、それが実現すれば、化石燃料への依存度を低くすることが可能になります(現在
は燃料電池車の開発と普及にもっとも大きな期待が集まっています)。
新エネルギーの多くは地域分散型であり、需要地と近接しているため、輸送によるエネルギー損失を低く抑えることができま
す。これに対して火力や原子力発電所で作る電気は、遠くまで送電するので電線の電気抵抗によって大量のロスが生じていま
す。
そこで考えられたのがマイクログリッド(分散型電源)という仕組みです。分散された複数の小さな発電設備と需要施設をま
とめてコントロールするというものです。
このシステムでの発電は、燃料電池やバイオガスによる発電、それに太陽光発電や風力発電といった自然エネルギーも想定さ
れています。また、モデルパターンはひとつではなく、地域の特性なども考慮されています。これによって新規産業の開拓や
雇用の創出などの効果も期待されています。
農村では豊富なバイオマス燃料を利用したマイクロガスタービン発電、風が強い海岸などでは風力発電、設置場所が限られる
都市では太陽光発電や燃料電池を活かすことになるでしょう。
それぞれの地域で、送電ロスが少なくなり、環境に負荷がかからず、低コストで実行できるシステムを適用するという考え方
にもとづいて、さまざまな機関によって研究が進められています。
参考資料6-5 どうしてバイオマスは二酸化炭素を増やさないのか
資源循環型社会を目指した取り組み カーボンニュートラル
「菜種油などの天ぷら油の廃食油を再利用して作るバイオ
ディーゼルを軽油に20%入れると、硫黄酸化物がほとんど
出ず、二酸化炭素も16%削減できる」滋賀県豊郷町のガソ
リンスタンド油藤商事では、全国でも2番目に一般車へのバ
イオディーゼル精製・給油を行っています。
もともと琵琶湖周辺の地域は環境意識が高く、主婦たちが
琵琶湖の水質を守るために、廃油石けん利用を提唱したり、
近くの愛東町では休閑地に菜の花を植え、それを食材→廃
油→バイオディーゼルへとリサイクル、循環していく「菜
の花プロジェクト」が運営されています。
最近では、ディーゼル車を使う企業の中に、二酸化炭素の6
%削減に向けてバイオディーゼルの導入を真剣に検討する
企業も増加しています。
菜の花プロジェクト資源循環サイクル概念図
菜の花が育つ
揚げ物などに利用
光合成で
二酸化炭素を吸収して
酸素とでんぷんを作る
菜種油をしぼる
廃油を回収する
空気中に二酸化炭素が
放出される
バイオディーゼルを
精製する
車が動く
燃料として使う
※菜種油の廃油をバイオディーゼルにし、燃料として使うと二酸化炭素削減ができるのはなぜ?
菜種油は、原料のアブラナが二酸化炭素を吸収しているので、排出される二酸化炭素は「菜の花が育つ過程で吸収した二
酸化炭素」そのものになります。つまり、植物を燃料としているのなら、大気中の二酸化炭素の総量は変わらないのです。
この点が化石燃料と大きく違います。バイオディーゼル20%使用で、ライフサイクル二酸化炭素は通常より16%削減効果
があります。
www.aburatou.co.jp(油藤商事)
www.nanohana.gr.jp(菜の花プロジェクト)
参考資料6-6 自然エネルギー発電の先進例
デンマークの実験
デンマークは、エネルギー自給率が2%という時代がありました。1973年の
オイルショックのときに自然エネルギーを増やすための制度を作り、市民が
風力発電機の設置に出資するという「市民参加のエネルギー供給」のかたち
ができました。
さらに企業のつくった電気よりも市民、NGOなどがつくった電気を高額で購
入する制度設計により、市民の事業が成り立つよう工夫されていました。
このことは国民のエネルギー意識を高めることにもつながりました。
政府が家庭の電気製品にエネルギー効率を表示したラベルを貼ることを義務
づけると、高価でもエネルギー効率のよい製品が売れるようになってきまし
た。
エネルギー効率によって電化製品を選択しようという意識がエネルギー効率
のよい製品を支え、その結果、商品も安く作ることができるようになったわ
けです。
このことは社会にも市民にも、そして環境にもよい理想的な経済のあり方と
して知られています。
岩手県葛巻町のエネルギー政策
国内でもっとも電気の供給が遅かっ
たといわれる地域のひとつ、葛巻町
では風力、太陽光、家畜のフン(バ
イオマス)などを使って自然エネル
ギー発電システムを作り上げました。
また、別の地域でも個人で太陽光や
風力発電機を設置するケースも次第
に増えてきています。これはすでに
個人や地域で自然エネルギーだけで
のエネルギーの自給が可能になりつ
つあることを示しているといえます。
まお、同町では電気自給率180%を
超えています。
参考資料6-7 日本でも進む家電製品の省エネルギー表示
日本でも、1998年に改正された「エネルギーの使用の合理化に関する法律(通称:省エネ法)」に基づき、エアコン、冷蔵庫
など13項目を対象に目標となる「トップランナー基準」に対する達成率を表示することが義務化されています。
これとは別に一部地方自治体と家電販売店が共同でエアコンについての独自の省エネラベルの表示に取り組んでいます。
現在、対象機器の拡大や基準の見直しなどが進められています。
オフィス機器の消費電力を抑制する目的で設けら
れたもので、省エネルギーモードのついたものに
付けられています。
平成17年排出ガス基準に対応した低排出ガス車の
認定を受けた自動車に付けられています。
家電製品のうち、エネルギー消費の大きなウエイ
トを占めている13機種が表示対象機器に指定され
ています(エアコン、冷蔵庫、冷凍庫、蛍光灯器
具、テレビ、ストーブ、ガス調理機器、ガス温水
機器、石油温水機器、電気便座、変圧器、電子計
算機、磁気ディスク装置)。
⑦エネルギー利用のこれまで
現 在
大量・集中発電/長距離送電
石油
ウラン
家庭
二酸化炭素
放射性廃棄物
・白熱球 ・蛍光灯
・電気ストーブ
・待機電力のある電気製品
(エネルギーロスが大きい)
発電所
特徴
・大量に発電するため、主に地下資源など有限なエネルギー源に頼る
・排出物を分解/循環させる方法が確立していない(二酸化炭素=放出、放射性廃棄物=保管)
・発電から消費地まで長い距離を送電するため、ロスが大きい
・送電設備による自然環境や美観の破壊(特に地方)
・電気利用者が適した発電方法を選べない
⑧エネルギー利用のこれから
これから
エネルギーの地産・地消/廃棄物の無害化
太陽光
風力
森
燃料電池
キャパシタ
間伐材
植林
熱エネルギー
二酸化炭素
バイオマス
特徴
・LEDなどの低消費電力、
長寿命型光源
・省電力型電化製品
・熱エネルギーをそのまま利用
家庭
・地下資源など、有限なエネルギーをできるだけ使用しない
・不安定な発電源の電気はキャパシタに貯めることで有効に利用する
・電気を有効利用する(省電力・低消費電力製品の選択)
・電気の供給源を需要地に近づけ、送電ロスを減らす(マイクログリッド=地域分散型電源)
・熱エネルギーはできるだけ熱エネルギーのまま使う
・多様なエネルギーから最適なものを選んで使う
・排出物を出す場合は自然分解、循環させるしくみを作る(バイオマス発電など)
⑨持続可能社会を目指した取り組み
環境問題を解決するための世界的な運動も始まっています。世界中が協力して地球温暖化などを防ごうという「国連地球サミ
ット」や、先進国が先頭に立って二酸化炭素の排出量を減らそうと約束した京都議定書(地球温暖化防止京都会議:COP3)な
どです。
(1)京都議定書
「京都議定書」には、地球温暖化の原因となっている温室効
果ガスを、どの国が、いつまでに、どれだけ減らすかが決め
られています。
1990年を基準として、地球温暖化に影響を及ぼす物質である
二酸化炭素やメタン、代替フロンなど6種類の温室効果ガス
の排出量を、2008∼12年までの第1期約束期間に先進工業国
全体で5.2%削減するという数値目標が、法的拘束力を持っ
て定められています。
約束を守れなかった国は、次の約束期間である第2期約束期
間の削減目標が厳しく設定されます(注)。この京都議定書
は2005年2月に発効し、実行に移されました。
日本は第1期までに6%減らすことを約束しました。ちなみに、
2003年度のわが国の排出量は1990年度比8%増だったので、
約束した数値目標を達成するためには14%(6%+8%)削減
しなければなりません。
(注)削減目標の達成には国内の対策だけではなく、他国に
出資や技術提供をすることで削減に協力した排出量も
加算されます。また、削減した排出量を売買できる制
度もあります。
(2)君もチームマイナス6%に参加して京都議定書を守ろう
アメリカの先住民は7代先のことまで考え、行動するといい
ます。
この地球温暖化対策で私たちは、受け継いでいく先の世代の
ことまで考え、今、何をすればいいのでしょうか。
とにかく大切なのは、具体的に行動を起こすことです。
この問題は全員が当事者です。
地球温暖化対策推進本部は、温暖化防止を「国民運動」とし、
みんなで力を合わせようと「チーム・マイナス6%」を発足
させました。
ウエブサイトではメンバー登録もできます。
ここではその内容を一部紹介します。
●自動車の使い方で減らす
ちょっとした停車や駐車のときにアイドリングしていませ
んか?アイドリング時もガソリンは1分間当たり約14cc消
費されています。停車時もエンジンはオフに。今の車なら
バッテリーに対する影響もないそうです。
●温度変化で減らす
そもそも夏は暑いのがあたりまえ。服装などで調節しまし
ょう。それにともなって、クールビズスタイルというノー
ネクタイビジネススタイルは大きな広がりをみせています。
エアコンの設定は28℃に。冷暖房の使用を1℃控えるだけ
で1世帯あたり年間31kgの二酸化炭素削減を達成できます。
年間節約額は2,000円。エアコンフィルターのそうじも忘
れずに。
●買い物とゴミで減らす
スーパーやコンビニで商品を入れてもらう袋。「家までた
いした距離でもないのに」「ほんのちょっとしかないのに」
と、後ろめたい気分になったことはありませんか?買い物
にはマイバッグを持参して、袋は断るのが格好いい。
●水道の使い方で減らす
さすがに歯磨きのとき、水を出しっぱなしにすることはな
くなったでしょう。次はシャワーに目を向けてみましょう。
1分間の出しっぱなしで10リットルもの無駄づかい。水も
もったいないけれど、ガスや電気もムダになります。年間
節約額は4,000円。
●商品の選び方で減らす
家電製品を買う際に気を付けたいのは「省エネ性能」。こ
の分野の商品開発は日本の得意なところです。世界にも誇
れる製品がたくさんあります。最近は省エネ性能の表示も
普及しています。
●電気の使い方で減らす
ビデオやテレビ、電子レンジなど、使用していないときに
でもタイマーなどのために消費されるのが待機電力。家庭
の電力消費のうち、待機電力量の占める割合は何と10%。
ここに気を使うだけでも大幅な節約が可能です。
※チーム・マイナス6%は1992年の京都議定書の、「2012年
までに温室効果ガスを1990年の水準から6%削減する」約
束を達成するために発足しました。
2003年の段階では1990年比+8%だったので、現状では14
%の削減が必要です。
(3)その他の取り組み
その他にわたしたちの身近な暮らしを考え直すことが必要で
す。ふだんなにげなく使い捨てしているものは、リサイクル
して何度も使えるものかもしれません。また、わたしたちの
消費している食品や製品はどこから、そして何から作られて、
どのようにわたしたちの手元に届き、消費のあとはどこに行
って廃棄、あるいはリサイクルされ、循環していくのか。そ
のように、原料からリサイクルの方法までをトータルに評価
することが重要です。
公共交通機関を充実させて、排ガスを伴う自動車利用を抑え
たり、廃棄物の焼却を減らすこと、ものや施設を作るとき、
会社や地方公共団体はどのようにすれば環境負荷がかからな
いかを考えていく必要があります。
そうして、最後に自分の家をマイクログリッド(地域分散電
源)にしたり、バイオマスなどの自然エネルギーを市民が後
押しすることなど市民の支持や行動によって初めて、これま
で述べてきた持続可能なエネルギーが主流になってゆくこと
を忘れてはいけません。
このような行動から社会の仕組みが循環型で、エネルギー効
率がよく、環境負荷の小さい、持続可能な社会に変わってい
くものだといえるでしょう。
さらにこうしたとりくみは地球環境だけではなく、新しい産
業や雇用を生み出し、暮らしやすい地域社会づくりを促進す
る可能性をも秘めています。
参考資料6-8 あなたの省エネチェック
ワークシート 地球にやさしいエネルギー利用
あなたの身近な省エネへの心がけが、地球環境の保全につながります。
(1)エアコンの設定温度を、夏は26℃∼28℃、冬は20℃をめやすにしている。
(2)冷暖房中はカーテンやブラインドを閉めている。
(3)エアコンのフィルターは2週間に1回そうじしている。
(4)見ていないテレビは消し、寝る前は主電源も切っている。
(5)使っていない部屋や、明るい窓ぎわの照明は消している。
(6)電球や蛍光灯、照明器具のかさはときどきそうじしている。
(7)電気こたつにはマットを敷き、厚手の布団をかけている。
(8)電気カーペットの下にマットや毛布などを敷いている。
(9)冷蔵庫のむだな開閉をしないように注意している。
(10)冷蔵庫は食品をつめこみすぎていない。
(11)冷蔵庫にいきなり熱いものを入れたりしていない。
(12)洗濯機に洗濯物や洗剤を入れすぎていない。
(13)洗濯にお風呂の残り湯を使っている。
(14)掃除機のフィルターのちり落としやゴミ捨ては、こまめに行っている。
(15)掃除機をかける前に、先に部屋を片づけている。
「はい」が12以上の人
日頃から省エネを
意識して行動して
いますね!
「はい」が8以上の人
省エネを心がけて
いますが、もう一
がんばり!
「はい」が8未満の人
省エネ意識をしっ
かり身につけ、こ
れから努力を!
ワークシート
①下記の発電方法について、自然エネルギーを利用したものや新エネルギーと呼ばれるものの記号を下の( )内に書き込
みましょう。
A原子力
B太陽光
F火力発電
石油
石炭
C水素
燃料電池
D風力発電
E小水力発電
G地熱発電
Hダムなどの
大型水力発電
Iバイオマス
天然ガス
自然エネルギーと新エネルギー ( )
②さらに「1」の表から持続可能なエネルギーを選び、記号を下の( )内に書き込みましょう。
持続可能なエネルギー ( )
③地球環境とエネルギーについて、適当な言葉を下の文章の( )内に書き込みましょう。
わたしたちが、石油などの(ア )燃料を大量に使ってきたことが二酸化炭素の排出量を増大させ、地
球(イ )化の原因になってきたといわれています。また、ウランを燃料とする(ウ )発電
はトラブルや放射性廃棄物による人体への影響や自然環境、循環の汚染など生態系への影響が心配されています。
そして、ウランや化石燃料など地下資源は有限で、再生が不可能なため(エ )枯渇の危機に直面して
います。
こうしたことから、これからはエネルギー源をより環境負荷の小さいものに変えていく必要があります。そこで
注目されているのが、風力や太陽光など(オ )可能で自然現象に由来する(カ )エネルギ
ーや新エネルギーです。わたしたちはこれらの新しいエネルギーを中心としたエネルギー供給に切り替えて、環
境負荷の小さい(キ )な社会にしていかなければなりません。
石油危機以降、産業部門の省エネルギー化が進み、石油の(ク )となる新しいエネルギーの導入も始
まり、石油へのエネルギー依存率は下がりつつあるものの、他国に比べると依存率は高い水準にあり、(カ)エ
ネルギーの導入率はまだまだ少ないのが現状です。
日本のエネルギー消費量は増加し続けていますが、エネルギー効率は他の主要国と比べて(ケ )てい
ます。中でも電気エネルギーはその安全性から、もっとも身近なエネルギーの形態ですが、発電時に化石燃料な
どを燃やす場合、(コ )効率が35∼40%といわれています。それ以外にも送電時に5%のロスが出ま
す。
このように電気エネルギーを作ること自体に効率が悪いところもあり、これからは適材適所にエネルギーを使う
工夫が必要になります。
④これから期待される発電方法について、適当な言葉を下の文章の( )内に書き込みましょう。
・太陽光発電は電気需要の多い昼間に発電するため、(サ )効果に貢献し、発電所の設備を最小
限にすることができます。
・(シ )発電や地熱発電は既に実用化されているため、また、波力発電や海洋(ス )発電
は研究開発段階にあるため、新エネルギーには指定されていません。
・バイオマスエネルギーは燃やしても地球上の(セ )炭素の総量は変わりません。もともとバイオマ
スは大気中の(セ)炭素を植物の(ソ )によって有機物に変えたもので、植物を育てると(セ)炭
素は再び有機物に変わります。
バイオマスとはエネルギー利用を目的とした(タ )に由来する有機物のことです。
・クリーンエネルギー自動車で現在普及しつつあるのは(チ )車で、これからもっとも盛んに
開発が進められると考えられているのが(ツ )車です。
・新エネルギーの多くは地域分散型で、需要地と近接しているため、長距離送電にみられるエネルギー損失を低
く抑えることができます。この方式では自然エネルギーを中心として、地域の特性などを考慮に入れたり、発
電時の熱を(テ )に利用できるなどの利点があります。
この地域分散型電源は(ト )ともいいます。
ワークシート
①下記の発電方法について、自然エネルギーを利用したものや新エネルギーと呼ばれるものの記号を下の( )内に書き込
みましょう。
A原子力
B太陽光
F火力発電
石油
石炭
C水素
燃料電池
D風力発電
E小水力発電
G地熱発電
Hダムなどの
大型水力発電
Iバイオマス
天然ガス
自然エネルギーと新エネルギー ( B、C、D、E、G、H、I )
②さらに「1」の表から持続可能なエネルギーを選び、記号を下の( )内に書き込みましょう。
持続可能なエネルギー ( B、C、D、E、G、I )
③地球環境とエネルギーについて、適当な言葉を下の文章の( )内に書き込みましょう。
わたしたちが、石油などの(ア 化石 )燃料を大量に使ってきたことが二酸化炭素の排出量を増大させ、地
球(イ 温暖 )化の原因になってきたといわれています。また、ウランを燃料とする(ウ 原子力 )発電
はトラブルや放射性廃棄物による人体への影響や自然環境、循環の汚染など生態系への影響が心配されています。
そして、ウランや化石燃料など地下資源は有限で、再生が不可能なため(エ 資源 )枯渇の危機に直面して
います。
こうしたことから、これからはエネルギー源をより環境負荷の小さいものに変えていく必要があります。そこで
注目されているのが、風力や太陽光など(オ 再生 )可能で自然現象に由来する(カ 自然 )エネルギ
ーや新エネルギーです。わたしたちはこれらの新しいエネルギーを中心としたエネルギー供給に切り替えて、環
境負荷の小さい(キ 持続可能)な社会にしていかなければなりません。
石油危機以降、産業部門の省エネルギー化が進み、石油の(ク 代替 )となる新しいエネルギーの導入も始
まり、石油へのエネルギー依存率は下がりつつあるものの、他国に比べると依存率は高い水準にあり、(カ)エ
ネルギーの導入率はまだまだ少ないのが現状です。
日本のエネルギー消費量は増加し続けていますが、エネルギー効率は他の主要国と比べて(ケ すぐれ )てい
ます。中でも電気エネルギーはその安全性から、もっとも身近なエネルギーの形態ですが、発電時に化石燃料な
どを燃やす場合、(コ 発電 )効率が35∼40%といわれています。それ以外にも送電時に5%のロスが出ま
す。
このように電気エネルギーを作ること自体に効率が悪いところもあり、これからは適材適所にエネルギーを使う
工夫が必要になります。
④これから期待される発電方法について、適当な言葉を下の文章の( )内に書き込みましょう。
・太陽光発電は電気需要の多い昼間に発電するため、(サ ピークカット)効果に貢献し、発電所の設備を最小
限にすることができます。
・(シ 水力 )発電や地熱発電は既に実用化されているため、また、波力発電や海洋(ス 温度差 )発電
は研究開発段階にあるため、新エネルギーには指定されていません。
・バイオマスエネルギーは燃やしても地球上の(セ 二酸化 )炭素の総量は変わりません。もともとバイオマ
スは大気中の(セ)炭素を植物の(ソ 光合成 )によって有機物に変えたもので、植物を育てると(セ)炭
素は再び有機物に変わります。
バイオマスとはエネルギー利用を目的とした(タ 生物 )に由来する有機物のことです。
・クリーンエネルギー自動車で現在普及しつつあるのは(チ ハイブリッド )車で、これからもっとも盛んに
開発が進められると考えられているのが(ツ 水素燃料電池 )車です。
・新エネルギーの多くは地域分散型で、需要地と近接しているため、長距離送電にみられるエネルギー損失を低
く抑えることができます。この方式では自然エネルギーを中心として、地域の特性などを考慮に入れたり、発
電時の熱を(テ コージェネレーション )に利用できるなどの利点があります。
この地域分散型電源は(ト マイクログリッド )ともいいます。
(注)コージェネレーション:コ・ジェネレーション ともいいます。
⑤あなたは電気エネルギーをどのように利用していきたいと考えますか?
あなたが考える理想のかたちを( )内にできるだけ具体的に書き込みましょう。
電気 つくる、送る
元のエネルギー
どのようにつくって、
どのように送る
つくった電気が
余ったらどうする
(例:売る、ためる)
電気 家庭で使う
(例:光に利用、
省エネルギー型の
照明器具など)
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