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一括PDFファイル - 電子情報通信学会
2014, April, No. 156 NEWS LETTER 電子情報通信学会 エレクトロニクスソサイエティ 目 次 【巻頭言】 2 最近の画像認識技術の急速な普及に思う [情報・システムソサイエティ会長] 村瀬 3 非営利組織の成果 [エレクトロニクスソサイエティ会長] 榎木 4 洋 (名古屋大学) 孝知 (NTT エレクトロニクス) 学会活性化に向けての研究技術会議の活動 [エレクトロニクスソサイエティ副会長(研究技術担当) ] 矢加部 利幸 (電気通信大学大学院) 【寄稿】 [2013 年ソサイエティ大会学生奨励賞受賞記] 5 CMOS オンチップディエンベディングにおけるスルーの長さに関する考察 材料定数測定用の集光型金属プレートレンズアンテナの設計 6 折井 神谷 滑降シンプレックス法を用いた低損失 4 チップ SFBG の構造同定 低消費電力 ADC 向けオフセット自動補償型コンパレータ 那由他 (青山学院大学) 萩原 半導体レーザとのモノリシック集積に適した InP ハーフリッジ型偏波変換器 7 瑛彦 (広島大学) 岡澤 エレクトロクロミックディスプレイの駆動電圧最適化 智哉 (山梨大学) 財津 優 (東京大学) 貴之 (豊橋技術科学大学) 村上 雄紀 (九州大学) [技術解説] 8 IEICE Electronics Express (ELEX):状況報告 [IEICE Electronics Express 編集委員長] 井筒 雅之 (早稲田大学) 10 英文論文誌小特集号「Solid-State Circuit Design -Architecture, Circuit, Device and Design Methodology」 発行によせて [ゲストエディタ(小特集号編集委員会) ] 宮野 信治 (東芝) 11 英文論文誌小特集号「Special Section on Fundamentals and Applications of Advanced Semiconductor Devices」 発行によせて [ゲストエディタ] 大野 裕三 (筑波大学) 12 和文論文誌特集号「エレクトロニクス分野におけるシミュレーション技術の進展」 [ゲストエディタ(エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会)] 柏 達也 (北見工業大学) 【報告】 13 14 15 16 超高速光エレクトロニクス(UFO)時限研究専門委員会報告 [UFO 時限研究専門委員会 幹事] 三沢 量子情報技術研究会(QIT)活動報告 [量子情報技術時限研究専門委員会 委員長] 枝松 第五期・次世代ナノ技術に関する時限研究専門委員会活動報告 [次世代ナノ技術に関する時限研究専門委員会 委員長] 小森 ポリマーフォトニクスのさらなる発展を目指して [ポリマー光回路時限研究専門委員会 和彦 (東京農工大学大学院) 圭一 (東北大学) 和弘 (産業技術総合研究所) 委員長] 杉原 興浩 (東北大学) 17 PIERS 国内委員会活動報告:2013 PIERS 国際会議報告 [PIERS 国内委員会 18 委員長] 山﨑 恆樹 (日本大学) 2013 年アジア・太平洋電波科学会議(AP-RASC 2013)開催報告 [URSI 日本国内委員会 委員長] 小林 一哉 (中央大学) [URSI 日本国内委員会 主幹事] 八木谷 聡 (金沢大学) 【短信】 [研究室紹介] 19 新しい学びの場としての学生プロジェクト活動「理科工房」 長谷川 誠 (千歳科学技術大学) 【お知らせ】 エレクトロニクスソサイエティ各賞受賞者 特集号論文募集(Call for Paper) 電子情報通信学会エレソ会員サービスのご紹介 エレクトロニクスソサイエティ会員数の推移 ※Newsletter は、Web で閲覧できます(http://www.ieice.org/es/jpn/newsletters/) 本誌に掲載された記事の著作権は電子情報通信学会に帰属します. © 電子情報通信学会 2014 【巻頭言】 「最近の画像認識技術の急速な普及に思う」 情報・システムソサイエティ会長 村瀬 洋(名古屋大学) 最近の画像認識技術の実用化には目を見はるものがあ と、トータルでの信頼性は急速に低下する。システム構築 る。デジカメで顔を検出し焦点を合わせることはもちろん、 に信頼性は重要であるが、要素技術の信頼性レベルが、こ 笑顔を認識してシャッタータイミングを調整する、アルバ れまでのそれとは大きく異なる。つまり、従来とは異なる ム中の画像の顔を個人認識して個人名のラベルを自動的 システム構築論が必要になっていくと思われる。例えば自 に付与する、年齢を推定するなど、画像認識に関係するさ 動車を画像認識で自動運転させる。これはとてもすばらし まざまな応用技術は研究段階から実用化段階になってい いことであるが、画像認識に自分の命を預けるとなると、 る。その応用はエンターテイメント分野だけにとどまらず、 多くの画像認識アルゴリズムを研究している研究者は生 防犯カメラなどから特定の人物を見つけ出し、その人物の きた心地がしないであろう。画像認識をエンターテイメン 移動経路を追跡する技術などセキュリティ分野にまで広 トに利用する場合には、仮に間違えてもそれは愛嬌として がっている。更には車載カメラから周囲の車両や歩行者を 捉えられる。しかし命にかかわる応用では愛嬌では済まさ 認識して自動的に減速するシステムも実用化されつつあ れない。今後は、それを意識したシステム構築手法が必要 る。画像認識だけで自動運転するという技術も現実味を帯 となってくると思われる。もともと人間でも、視覚認識に びてきている。 ついては必ずしも高い認識性能を持っているわけではな このような画像認識の実用化は、近年の機械学習などの 認識アルゴリズムの高度化とともに、それを支える半導体 い。それでも何とかなっているのは人間全体としてうまい システム構築がなされているからであろう。 デバイス技術の急速な進歩によるものである。画像認識は 今後、我々画像認識を始めとする情報・システム分野の もともと計算量が多いとされていて 20 年位前までは価格 研究者は、更に高機能な情報処理アルゴリズムを開発する 面や装置のサイズなどで一般ユーザ向きの機器に入るの ことになるであろう。そのために計算量が更に増加するこ は難しいと思われてきた。しかし、半導体デバイス等の目 とが想定される。そこで必要となる半導体デバイス技術は 覚しい進化により、高速化、高密度化、低消費電力化によ ますます高度なものが必要となってくるであろう。今後、 り、例えば顔認識技術なども低価格なコンパクトデジカメ 更なるエレクトロニクスソサイエティ分野の技術の進化 にもあっという間に普及したわけである。まさに画像認識 を期待している。 技術の普及はエレクトロニクスソサイエティ分野の技術 進化に大きく頼っているわけである。 著者略歴: さて、画像認識の研究者としてこのような世の中への急 1980 年名古屋大学修士課程修了、同年日本電信電話公社(現 速な普及を見て少し心配になるのは、多くの人は画像認識 NTT)武蔵野電気通信研究所入所。NTT 基礎研究所、NTT コミ について過信をしていないかということである。画像認識 ュニケーション科学研究所(途中、2002 年から 1 年間米国コロン には、一般の情報システムの要素技術と異なる大きな点が ある。それは、画像認識というものはもともと信頼性の低 いもの(誤りのあるもの)である。顔が認識できるように なったといっても、例えば画像品質によっては 7 割程度し か認識できない。つまり、3 割は間違えるということであ る。画像認識の基本原理は、 「ベイズ誤り確率を最小にす ビア大客員研究員)を経て、現在名古屋大学大学院情報科学研究 科教授。文字・図形認識、コンピュータビジョン、マルチメディ ア認識の研究に従事。工学博士。1994 年 IEEE-CVPR 最優秀論文 賞、2001 年高柳記念奨励賞、本会ソサイエティ論文賞、2002 年 電子情報通信学会業績賞、2003 年文部科学大臣賞、2004 年 IEEE るように識別境界を決定する」ということである。つまり Trans. MM 論文賞、2010 年前島密賞、2012 年紫綬褒章、他受賞。 誤りありきの理論である。誤ることはあたりまえで、研究 本学会フェロー、IEEE フェロー、情報処理学会会員。 者は少しでも誤りを小さくしようと工夫を重ねているの である。一般に信頼性の低い要素技術を複数組み合わせる 2 【巻頭言】 「非営利組織の成果」 エレクトロニクスソサイエティ会長 榎木 孝知(NTT エレクトロニクス) 最近、ボランティア活動や非営利組織(NPO)の活動は、 マンネットワークを広げて新たな研究の展開が可能にな 社会的にも存在感が高まってきています。個人的な感想で ることは、個人の能力や努力の結果ですが、学会での議論 すが、東日本大震災以降、さらに重要な役割を果たしてい や査読者のコメントが背景にあり、その機会や場となった るように感じています。先日、P.F.ドラッガー氏の“非 ことは、学会の成果でもあるのではないでしょうか。 営利組織の経営”のまえがきに、 「最古の非営利組織(NPO) ところで、1 月に、公益財団法人国際科学技術財団から、 は日本にある。日本の寺は自治的だった。もちろん非営利 2014 年(第 30 回)日本国際賞(ジャパンプライズ)が末 だった。その他にも日本には無数の非営利組織があった。 松安晴博士(日本)に授与されることが発表されました。 ある分野では日本が一番多い。それは産業団体であって、 末松博士は「エレクトロニクス、情報、通信」分野での受 企業間、対政府の橋渡し役となってきた。 」とあるのを見 賞で、 「大容量長距離光ファイバー通信用半導体レーザー つけ、興味をもち読んでみました。私は、ボランティア活 の先導的研究」により、大容量長距離光ファイバー通信に 動や NPO は、どちらかと言えば、米国的な活動と思い込 道を拓いた功績と、人類の平和と繁栄への貢献が認められ んでいたところがありました。確かに、日本の檀家制度は、 たものです。信学会に関わりの深い末松博士の受賞は、私 家族制度と寺院との永続的な関係まで確立され、日本独自 個人としても、エレソとしても、大変喜ばしいことです。 のシステムができていたのかもしれません。しかし、最近 今日のモバイル端末の普及や 100G デジタルコヒーレント の特徴は、参加メンバは個人の意思に基づいているところ 技術の導入等、光通信技術の進展を見ると、受賞に相応し であり、非営利組織はその会員の目的に応えることが求め いタイミングで顕彰されていると思います。振り返って、 られています。同書の中でも、現在のアメリカ社会では、 エレソにもエレクトロニクスソサイエティ賞やフェロー 非営利組織が最大の雇用主となっており、成人の二人に一 称号を始め、様々な顕彰制度があります。優れた成果や貢 人が無給のスタッフとして働き、第二の“仕事”に週数時 献をタイムリーに認め顕彰することの積み重ねは、学会の 間を割いているそうです。彼らにとって、非営利組織は自 大事な役割であり、受賞者の自己実現や成果の普及に寄与 己実現を可能にし、絆をつくる場となっているようです。 できれば、それもまた学会の成果です。エレクトロニクス 信学会も非営利組織の一つです。会員の多くの方は、基 ソサイエティ賞やフェロー称号は、会員の皆様からの推薦 本的には個人の意思で入会されていると思います。それで が出発点です。例年、10 月頃から 1 月の間で公募してい は、エレクトロニクスソサイエティ(エレソ)は、会員の ます。会員の皆さんの見識で、近年の研究成果や貢献を認 方々の自己実現をどのようにサポートし、どれだけヒュー めて、積極的な推薦をお願いします。 マンネットワーク構築に寄与できるでしょうか。私自身を 振り返ると、全国大会、研究会、国際会議等での発表と議 著者略歴: 論を通じて、専門性を高めることができました。また、論 昭和 59 年 東京工業大学・大学院修士課程修了し、同年、日本 文誌投稿での査読プロセスでは、技術論だけでなく、論文 電信電話公社(現 NTT)入社。光通信・無線通信用化合物半導 の書き方や実験・理論の考え方にまで意見交換がおよび多 体超高速集積回路技術の研究開発に従事。平成 24 年より NTT エ くのことを学びました。会員数や論文誌のインパクトファ クタ等の結果も大事ですが、結果を出す過程での議論とそ の質が、会員のみなさんにとって期待以上の価値をもたら してくれるのではないかと思います。ドラッガー氏は、 「非 営利組織は、顧客のニーズに応えているだけでは不十分で ある。顧客の欲求を生み出さなければならない。」として レクトロニクス株式会社に移り、ブロードバンドシステム・デバ イス事業本部副本部長(現職) 。 昭和 61 年 信学会学術奨励賞。平成 8 年、博士(工学)学位取 得。平成 15~16 年本会電子デバイス研究専門委員会委員長、平 成 21~22 年 本会東京支部役員(会計幹事)。 います。新たな課題やアイデアを見つけることや、ヒュー 3 【巻頭言】 「学会活性化に向けての研究技術会議の活動」 エレクトロニクスソサイエティ副会長(研究技術担当) 矢加部 利幸(電気通信大学大学院) 電子情報通信学会(http://www.ieice.org/jpn/index.html) 重要な案件の一つであった「ES 研究技術報告(ES 技報) は、現在、「基礎・境界」、「通信」、「エレクトロニクス」、 のアーカイブ化」が、この度完了致しましたので、ご報告 および「情報・システム」の 4 ソサイエティと「ヒューマ いたします。昨年度、「古い ES 技報のアーカイブ化」の ンコミュニケーション」の 1 グループからから構成されて 試行に続き、今年度「残り 277 冊のアーカイブ化」を実施 います。また「エレクトロニクスソサイエティ(ES)」に 致しました。結果、全ての ES 技報のアーカイブ化を他ソ は、ES 会長、次期会長、2 名の総務幹事を中心に、 「企画 サイエティに先駆けて完了することができました。ここに 会議」、 「編集出版会議」および「研究技術会議」メンバー 関係者のご努力に深く感謝申し上げます。ES 会員の皆様 で構成された ES 執行委員会が設置されており、ES の活性 におかれましては、積極的なご利用と共に、修正、改善等 化、延いては電子情報通信学会の発展を目的に年 5 回開催 のご指摘をいただければと思います。ご存知とは思います されています。 が、ES 技報検索手順は次のとおりです。まず、電子情報 このたび縁あって前 ES 副会長(研究技術担当)浦野正 通信学会の HP(http://www.ieice.org/jpn/index.html)より 美様から引継ぐことになりました電気通信大学大学院の ES の HP(http://www.ieice.org/es/jpn/)へ、左下の「技術研 矢加部利幸でございます。どうぞよろしくお願いします。 究報告アーカイブシステム」(http://www.ieice-es.jp/docs) 現在、ES には 15 組織の研究専門委員会(第一種)、7 へログインいただけますと、 「カタログ」に研究専門委員 組織の時限研究専門委員会、および 5 組織の国際会議国内 会ごとに分類されています。また、キーワード検索も可能 委員会が活動しています。研究技術会議は、上記 27 組織 です。今後も、より良き「ES 技報アーカイブシステム」 の更なる活性化支援を主要な目的に、各組織の委員長と、 に努めますので、皆様のご協力をよろしくお願いします。 庶務・財務幹事 2 名、技術渉外幹事 2 名、大会運営委員長 研究技術会議では、引続き全国大会、研究会、国際会議 および同幹事、そして ES 副会長(研究技術担当)の合計 の活動に対する支援を中心に、各種 ES 活性化支援活動を 34 名で構成され、年間 5 回開催されています。 実施してまいります。本会議活動を通して 100 周年に向け、 研究技術会議は、研究専門委員会の新設、継続および廃 より魅力的な電子情報通信学会の実現に少しでも寄与で 止の審議、国際会議の主催、共催、協賛、後援の審議、総 きるよう努めてまいります。お気づきの点等ございました 合大会・ソサイエティ大会の運営を主要な担務としていま ら ES 研究技術会議([email protected])宛へご一報く す。具体的には、研究会の活性化のための企画支援、研究 ださい。電子情報通信学会会員の皆様の更なる力強い、ご 専門委員会のホームページ作成支援、国際会議開催・運営 支援ご協力、どうぞよろしくお願いいたします。 の支援、総合大会・ソサイエティ大会企画に対する依頼講 演に対する支援等の支援制度を制定し、運用しています。 ES 会員の多くの皆様は既にご存知かと思いますが、近 著者略歴: 1949 年生まれ、1982 年東京都立大大学院修士修了、1996 年、会員数減少の傾向にあります。そこで、現状での問題 年東北大学大学院博士後期課程修了。1968 年大阪国税局、 点の解明と今後の発展を目的に、榎木 ES 会長主催の「将 1970 年電気通信大学技術員、1982 年神奈川県工業試験所、 来のエレソを考える WG」が立ち上がりました。また、学 会本部では 2017 年に迎える創立 100 周年に向け学会の発 展と記念事業の企画を目的に「100 年コンテンツ WG」も 設立されました。ES 会員の皆様におかれましても、積極 的なご支援をよろしくお願いいたします。 さて、前副会長から引継ぎ事業であり、研究技術会議の 4 1985 年電通大短大助手、電通大助手、講師、助教授を経 て現在准教授。2006 年大学発ベンチャーMPL LLP を創業。 ES での活動は 2003 年運営委員、2008 年編集出版幹事、 2011 年研究技術渉外幹事、2013 年副会長(研究技術担当) 他。IEICE、IEEJ、IEEE 会員および論文査読委員。 【寄稿】(2013 年ソサイエティ大会学生奨励賞受賞記) 「CMOS オンチップディエンベディング におけるスルーの長さに関する考察」 折井 「材料定数測定用の 集光型金属プレートレンズアンテナの設計」 瑛彦(広島大学) 神谷 那由他(青山学院大学) この度は名誉あるエレクトロニ この度は栄誉あるエレクトロニ クスソサイエティ学生奨励賞を授 クスソサイエティ学生奨励賞を授 与頂き、大変光栄に存じます。ご推 与頂くことになり、大変光栄に存じ 薦くださいました学会関係者の皆 ます。ご推薦下さいました学会の皆 様、また日頃から熱心にご指導頂い 様方には深く感謝申し上げます。ま た藤島実先生、天川修平先生をはじ た、日頃からご指導頂いております指導教員の橋本修教授、 めとする、研究室の皆様に深く御礼申し上げます。 須賀良介助教、上野伴希先生には厚く御礼申し上げます。 今回、受賞対象となった「CMOS オンチップディエンベ 今回、受賞対象となった「材料定数測定用の集光型金属 ディングにおけるスルーの長さに関する考察」は、マルチ プレートレンズアンテナの設計」は、実用されている誘電 ライン TRL(mTRL)に使用するスルーの評価を行うため 体レンズアンテナと提案した集光型金属プレートレンズ の新たな手法を提案したものです。ディエンベディングの アンテナのスポットに関して比較検討した報告でありま 中でも高周波でも誤差が少なく信頼できる mTRL に私た す。近年、電波吸収体やシールド材などに用いられる様々 ちは注目しました。mTRL は一番短い伝送線路をスルーと な材料の材料定数測定が行われています。その手法の一つ して計算に用います。しかし、このスルーは長さが短すぎ として、ミリ波帯において測定に有効とされる誘電体レン るとモードが複数立ってしまい、正しく評価を行えません。 ズアンテナを用いた自由空間透過法が挙げられます。しか そこで本研究ではモードの影響が少ないか評価する方 し、低周波数帯においては、大きなレンズが必要となるた 法として線路長 0 の伝送線路の特性(Szero)を評価する方法 め、高価かつ重くなることから、この測定系で低周波数帯 を提案しました。複数の長さの THRU を用いて THRU と の測定を行うことは容易ではありません。一方、金属プレ 同じ長さの伝送線路をディエンベディングすると Szero が ートレンズは、アルミテープと発泡スチロールで構成され 得られます。mTRL では左右のパッド行列の導出過程で るため、軽量かつ低コストで製作できる利点があります。 複数の LINE を使用するため Szero は理論値になりません。 これらのレンズは幾何光学に基づいて焦点に電磁波が集 この理論値からの差はコンタクトによる測定時のばらつ 光されるよう設計されていますが、実際には電磁界エネル きや mTRL の不確かさと見ることができます。そのため、 ギーは伝搬する際に生じる回折を伴うため、ある大きさを コンタクトによる測定ばらつきの許容範囲を越えるよう 有するスポットが存在します。本研究では、誘電体レンズ であれば mTRL に使用する THRU に問題がある可能性が アンテナと同程度のスポットを有するように金属プレー あることを示しました。 トレンズの間隔に対するスポットの特性を評価しました。 今回の受賞を励みとして、より一層の精進を重ねて参り そして、誘電体レンズアンテナと比較してスポット半径お ます。今後とも皆様のご指導ご鞭撻のほど、どうぞよろし よびスポット内の最大位相差が小さいことから、本アンテ くお願い申し上げます。 ナがレンズ法のアンテナとして有効であることを示しま 著者略歴: した。 平成 24 年広島大学工学部第二類卒業、同年、同大学大学院先 端物質科学研究科半導体集積科学専攻博士課程前期在学中。 最後に、今回の受賞を励みとして、より一層の精進を重 ねて参りますので、今後とも皆様のご指導ご鞭撻のほど、 どうぞよろしくお願い申し上げます。 著者略歴: 2012 年青学大・理工・電気電子工学科卒。現在、青学大理工学 研究科博士前期課程在学中。環境電磁工学に関する研究に従事。 5 【寄稿】(2013 年ソサイエティ大会学生奨励賞受賞記) 「滑降シンプレックス法を用いた 低損失 4 チップ SFBG の構造同定」 萩原 「半導体レーザとのモノリシック集積に 適した InP ハーフリッジ型偏波変換器」 智哉(山梨大学) 財津 優(東京大学) この度は名誉あるエレクトロニ この度は栄誉あるエレクトロニ クスソサイエティ学生奨励賞を頂 クスソサイエティ学生奨励賞を賜 き、大変光栄に存じます。ご推薦頂 り、大変光栄に存じます。ご推薦 いた学会関係の皆様方に厚く御礼 くださいました学会関係者の皆様 申し上げます。また本研究を遂行す 方には厚く御礼申し上げます。ま るにあたって助言、ご指導頂きまし た、本研究に関して日頃からご指 た大木真教授、塙雅典准教授、ならびに関係者の方々に心 導を頂きました中野義昭教授、種村拓夫准教授、ならびに から感謝申し上げます。 研究室各位に深謝いたします。 本研究室では光信号処理技術の高度化のため、光ファイ 光通信システムを大容量のまま、より小型・低コストに バ型の受動素子である FBG(Fiber Bragg Grating)を縦列配 する手法として光集積回路が注目されており、近年ではそ 置した SFBG(Sampled FBG)の作製精度向上を目指して研 の光集積回路に偏波多重方式を導入する動きが活発にな 究を行っています。今回受賞対象となりました「滑降シン っています。その中で、半導体レーザとの集積が可能な導 プレックス法を用いた低損失 4 チップ SFBG の FBG 間隔 波路型偏波変換素子の実現が課題でした。我々は集積に適 と反射率の一括同定」は、FBG 数が 4 つの SFBG(4 チップ した InP ハーフリッジ型偏波変換器を提案・実証していま SFBG)の構造同定法に関する報告です。各 FBG は部分反 す。同素子は一般的な InP リッジ導波路と非常に近い断面 射器として機能し、SFBG の作製には各 FBG 間の光路長 構造を有しており、そのため容易な作製プロセスでの集積 差と各 FBG の反射率が重要な変数となります。SFBG の が可能になります。これまでの実験で、96%以上の TE/TM 精密な作製には作製後の光路長の補正が必要となるため、 変換率を C バンド波長帯を超える広帯域で実証していま 補正量の算出に構造同定が不可欠となります。構造同定は す。今回受賞の対象となりました講演では、特に偏波変換 作製した SFBG の反射スペクトルに適応信号処理を用い 器の断面構造の最適化について報告し、導波路幅に対する ることで実現できます。しかし、従来の LMS(Least Mean 作製許容誤差(90%以上の変換率が得られる値)を従来素 Square)アルゴリズムによる構造同定法には各変数を独立 子の 100 nm から倍以上の 210 nm まで増加できることを数 に更新し、同定するため局所解に収束しやすく、構造同定 値計算に基づいて示しました。 精度が低いという問題があります。そこで、本研究では各 同素子は半導体レーザなど他の InP 光素子と容易にモ 変数を同時に同定することから局所解に収束しにくい滑 ノリシック集積が可能であり、これまで実証されてきた光 降シンプレックス法を用いました。これにより様々な 4 集積回路へと容易に適用できます。同素子を用いることで、 チップ SFBG モデルにおいて、構造同定精度向上だけでな 光集積回路に偏波制御の機能を付与することができ、平面 く、計算量の削減も実証されました。 光回路内での光制御の可能性をさらに広げていくことに 現在では、提案法を用いた SFBG の作製、評価を行った 結果として作製精度の向上が確認されております。 今回の受賞を励みとして一層精進して参りますので、今 つながると期待しております。 今回の受賞を励みとし、今後ともさらに研究に精進して いく所存です。皆様のご指導・ご鞭撻のほど、宜しくお願 後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 い申し上げます。 著者略歴: 著者略歴: 平成 24 年山梨大学工学部電気電子システム工学科卒業、 同年、 2009 年 東京大学電子工学科卒業。2011 年 東京大学大学院工 同大学院医学工学総合教育部電気電子電気電子システム工学専 学系研究科電気系工学専攻修士課程卒業。同年 同専攻博士課程 攻に入学。以来、光ファイバ型受動素子の作製精度向上を目的と 進学、現在に至る。 した研究に従事。 6 【寄稿】(2013 年ソサイエティ大会学生奨励賞受賞記) 「低消費電力 ADC 向けオフセット自動補償型 「エレクトロクロミックディスプレイの コンパレータ」 岡澤 駆動電圧最適化」 貴之(豊橋技術科学大学) 村上 雄紀(九州大学) この度は、エレクトロニクスソサ この度は、栄誉あるエレクトロ イエティ学生奨励賞を頂き、誠に光 ニクスソサイエティ学生奨励賞を 栄に存じます。この場をお借りして、 頂くことになり、大変光栄に存じ ご推薦賜りました学会関係者の皆 ます。本研究にあたり、ご指導頂 様に深く御礼申し上げます。また、 きました服部励治教授、リコー株 研究を進めるにあたり、様々なご支 式会社の八代徹様、岡田吉智様、 援、助言を賜りました石田誠教授、秋田一平助教をはじめ、 辻和明様、平野成伸様、ならびに関係者の方々に深く御礼 同研究室グループの皆様への深い感謝の意を表します。 申し上げます。 CMOS プロセスの微細化に伴い、MOSFET 差動対のミ エレクトロクロミックディスプレイ(ECD)とは、電気化 スマッチがアナログ回路の性能に大きく影響を与えるよ 学反応によって色変化を行う表示素子です。ECD は電源 うになりました。特にミックスドシグナル集積回路におい を切った後も表示を維持するため、従来の液晶や有機 EL ては、ADC に用いられる低オフセットコンパレータを低 よりも消費電力が極めて低いという特徴があります。現在 消費電力で実現することが求められます。 ではリコー株式会社の開発により、高反射率(70%)、高解 本研究では、初段差動対に用いられる MOSFET を細分 像度(XGA)、フルカラー、フレキシブル、アクティブマト 化し、ディジタル的に再構成する技術 ADPM(Automatic リックス(AM)駆動などが可能になっており、ECD を用い Differential-Pair Matching) [I. Akita et al., IEEE ISSCC, pp. たフルカラー電子ペーパーが実現されつつあります。その 178-179, Feb. 2013.] をコンパレータに適用することで、オ 一方で、繰り返し表示した際の特性変化が問題視されてい フセット電圧の低減を実現しました。補償完了後は結果を ます。今回受賞対象となりました「エレクトロクロミック レジスタに保持し、補償回路の電源を遮断出来るため、低 ディスプレイの駆動電圧最適化」は、ECD の特性変化を駆 消費電力化が可能となります。しかし、ADPM はリニア 動方法によって低減した報告です。 回路のオフセット電圧補償を前提としているため、コンパ 本報告では ECD を電圧源で駆動し、電圧値や波形形状、 レータのような非線形回路に適用するためには、オフセッ 印加時間といった各種パラメーターを変化させて特性変 ト電圧の検出回路が必要となります。本研究では、コンパ 化を観測しました。その結果、素子の特性変化は印加時間 レータの比較開始から比較結果確定までに要する時間が に最も依存していることが明らかになり、素子の長寿命化 入力電圧に依存することを利用し、時間ドメインでのオフ に成功しました。この原因を探ると、印加時間の調整によ セット電圧検出回路を実現しました。また、時間変化がナ って素子内部の電荷量を増減させることができ、ECD の ノ 秒 オ ー ダ と 非 常 に 短 時 間 で あ る た め 、TDC(Time to 過反応や電荷過多状態を抑制して特性変化を低減してい Digital Converter)を用いた高分解能な測定を実現しました。 ることが判明しました。この結果から、ECD 実用化の際 今回の受賞を励みとし、より一層、研究に精進していく には、印加時間の微調整が可能なパルス幅変調(PWM)によ 所存でございますので、今後ともご指導ご鞭撻の程、何卒 宜しくお願い致します。 著者略歴: 平成 25 年、豊橋技術科学大学 工学部 電気・電子工学課程 卒 業。同年、同大学院 工学研究科 電気・電子情報工学専攻 博士 前期課程在籍、ミックスドシグナル集積回路の研究に従事。平成 25 年 電気学会 東海支部長賞 受賞。 って駆動させることが望まれます。 今回の受賞を励みとして ECD の実用化に向けてより一 層精進して参りますので、今後とも皆様のご指導、ご鞭撻 のほど宜しくお願いいたします。 著者略歴: 平成 24 年、佐世保工業高等専門学校 専攻科 電気電子工学専 攻卒業。平成 26 年現在、九州大学大学院 総合理工学府 量子プ ロセス理工学専攻在学中。平成 23 年度電気学会支部長賞受賞。 7 【寄稿】(論文誌技術解説) 「IEICE Electronics Express (ELEX):状況報告」 IEICE Electronics Express 編集委員長 井筒 サイテーション ELEX(信学会エレソ発行の電子出版レター論文誌)の 雅之(早稲田大学) リンク J-STAGE は グ ー グ ル な ど の 主 要 な 検 索 エ ン ジ ン や 編集委員長を務めさせて頂いていますので、時に応じて、 INSPEC などの学術情報サイトとリンクしていますので、 ELEX のホームページを参照しますが、見るたびに暗澹た キーワードや著者名でウェブ検索すると ELEX に掲載さ る気持ちになってしまいます。サイテーションされている れた該当論文にヒットします。そして、ヒットされた論文 論文が極端に少ないからです。ELEX のホームページ上で、 の半数以上はダウンロードされているようです。論文を読 閲覧したい掲載論文をクリックすると、J-STAGE(科学技 んだり、SNS で研究者仲間に情報を伝えたり、ディスカッ 術振興機構が運用する電子ジャーナル公開システム)の当 ションしたり、そして自分で新たな論文を書く際にリファ 該論文の書誌情報ページが開きます。論文題目、著者、著 レンスとして列挙することになります。ELEX 掲載論文に 者の所属、論文 ID、投稿日や掲載日、キーワードなどが は DOI(ディジタルオブジェクト識別子)が付与されてい 表示されていると同時に、3 つのタグ: 「アブストラクト」、 ますので、サイテーションのリンクもしっかり構成され、 「リファレンス文献リスト」、 「サイテーション文献リスト」 、 他誌掲載の論文にリファーされたものはきっちりサイテ が付けられています。ただし、サイテーションがどこから ーションにカウントされます。 もなければ 3 つめのタグは表示されません。残念なことに 「サイテーション」タグの付いている論文が非常に少ない のが現状です。 ダウンロード 論文本体は PDF としてダウンロードできます。個々の 論文本体のダウンロード数は個人宛には公開されていま せんが、月々ELEX の事務局には通知されますので、ELEX トップページには、毎月、ダウンロードの多かった論文 10 本を掲載しています。個々の論文全ての書誌情報ペー 図 1.J-STAGE のリンク関係(ホームページより) オープンアクセス ジにそれぞれのダウンロードカウンターが付けばよいの ELEX はオープンアクセスで運用されています。情報発 にと思っているところです。その他、書誌情報をツイッタ 信者がウェブ上に載せる費用を負担し、掲載論文はだれに ーやフェースブックなど SNS で共有したり、ブックマー でも無償で公開されます。ただし、情報発信者は信学会の クすることもできます。サイテーションがあった場合の著 会員(募集論文のスコープはエレソ関連のみですが)であ 者宛アラートメールの設定も可能です。 る必要があります。すなわち、エレソ会員が自由に広く論 ELEX への月間アクセス数はかなり変動がありますが、 文をウェブ公開するためのサービスです。ソフトウェアや 大雑把に 2 万件前後、ダウンロード数は 1 万数千件程度で 行政データなどと共に、学術論文のオープンアクセス化は す。掲載されている論文数は 2,000 本くらいですので、平 時代の流れとなっています。昨年、MIT の学術情報オープ 均すれば 1 本の論文は月 6 回程度ダウンロードされている ン化を試み自殺に追い込まれた天才ハッカーのニュース ことになります。もちろん、多分新しい論文のダウンロー が世界を駆け巡りましたが、情報囲い込みに熱心であっ ドはもっと多く、昔のは少ないのだろうと思われますが、 た西欧の強力な学会や出版社も、今やオープンアクセスを そこまで詳細なデータは手元にありません。 取り入れつつあります。ただし、オープン化オプションを 8 選択するとかなり高額な費用が要求される様です。 アドバンスパブリケーション ELEX では昨年 4 月よりアドバンスパブリケーション (早期公開)を導入しています。これにより、論文投稿か ら公開までの所要日数は 20 日ほど短くできて、現在約 1 ヶ 月となっています。ELEX への投稿論文は、一定のフォー ムに従って書かれていますので、採録が決定されると校正 に掛かる前に速やかに早期公開分としてウェブ上に掲載 図 2.投稿、掲載論文数の変遷(国内・海外別) されます。その後、出版校正を経て正式版に差し替えられ ます。著者校正では早期公開版を内容的に変更することは 禁止です。ただし、J-STAGE には正式版公開後も早期公 開版へのリンクが残されています。また、ELEX の事務局 にも両販が保存されています。両者の差異が問題になる様 な事態が発生しても対応可能となっています。 コストパーフォーマンス ELEX への掲載料は、4 月の消費税改訂後、原稿が MS ワード形式の場合、6 ページまで約 4 万 1 千円(LaTex な ら約 3 万 1 千円) 、12 ページまで約 10 万 3 千円(LaTex なら約 8 万 2 千円)です。また、論文受付から採否の決定 までが 20 日程度、受付から早期公開までが約 1 ヶ月です。 ELEX の編集幹事団ではエレソに関連性の高い他の早期 公開誌の状況を調査していますが、投稿から採否決定まで、 特に早いもので 1.5 ヶ月、大半は 3 ヶ月から半年程度です。 また、投稿から早期掲載まででは、早いもので 2 ヶ月、3 数の多かった 15 カ国を示しています。 投稿・掲載される論文の分野は集積回路関連が約 48%、 電子回路、マイクロ波関連がそれぞれ約 18%、と大多数 を占めていて、光関連およびその他は各約 8%です。 サイテーション向上にむけて ELEX の課題は、何と云っても各掲載論文のサイテーシ ョン数向上です。その論文がより多くの人に認められると サイテーション数も多くなります。サイテーションとリフ ァレンスとは表裏一体ですので、各論文にリファレンスが しっかりリストされていないとサイテーションは向上し ~5 ヶ月が普通で半年以上掛かるものもあります。一方、 ません。ELEX では、リファレンスとして 10 件以上の論 掲載費は最も安いもので 12 万円程度、大多数は 20 万円か 文を挙げる様に求めています。 ら 30 万円です。 きっちりとリファー出来るか否かは深く文化に根ざし この様に見て行くと、ELEX が如何にコストパーフォー ている可能性もあります。農耕社会に源を持つ土着的社会 マンスに優れているかが分かります。採否決定を手順化し では、人混みの中で見知らぬ人に目礼したり会釈を交わす ていることと J-STAGE を公開システムとして無償で活用 行為を忌避する性癖があります。グローバル化する世界に しているからです。2013 年度には念願の ELEX 出版事業 の黒字化も達成されました。ELEX 関係者一同としまして おいては不利な傾向であり、先行研究に十分な敬意を払い リファーする様、研究者それぞれの自己改革が不可欠です。 は、この様な状況が広く理解され、良い論文が沢山集まる 著者略歴: 様になることを切に願っています。 シテュエーション 図 2 は、ELEX 創刊から昨年 12 月までの年度毎の投稿 論文数と掲載論文数です。このところ、投稿数は年間 1,000 1970 年阪大・基礎工・電気卒。1975 年同大学院博士課程了。 工博。同学科助手、助教授。1996 年郵政省・通信総合研究所入所 (現独法・情報通信研究機構)、高級研究員を経て、2008 年定年退 職。引き続き、東工大特任教授(総合理工学研究科)。現在、早 稲田大学(理工学術院)客員教授、光エレクトロニクス、特に導 件弱、掲載数は 300 件程度となっています。海外論文比率 波形光デバイス、超高速光デバイス関連の研究に従事。著書: 「光 が投稿数で 90%近く、掲載数で 80%に達していることも 波工学の基礎」(信学会)ほか。信学会・エレソ会長など。論文 特徴です。また、表 1 には、昨年度までの 9 年間で投稿件 賞、業績賞、フェロー。桜井賞。IEEE ライフフェローなど。 9 【寄稿】(論文誌技術解説) 英文論文誌小特集号「Solid-State Circuit Design -Architecture, Circuit, Device and Design Methodology」発行によせて ゲストエディタ(小特集号編集委員会) 宮野 過去数十年にわたり、集積回路技術は様々な電子機器の 信治(東芝) テグリティ、歩留まり管理と幅広い分野に及んでいます。 発展に大きな貢献を果たしてきました。我々の身の回りに 招待論文 2 件のうち最初の 1 件は、石原先生による、3 次 ある種々のセンサから、巨大なデータセンターのスーパー 元 IC やプラスチック上のフレキシブルデバイスを実現す コンピュータに至るまで、あらゆる種類のサービスを通じ るためのシリコン TFT(Thin Film Transistor)に関する論文 て集積回路技術は我々の日常生活の隅々に大きな影響を で、Single Grain 内に TFT を作りこむことによって性能の 与えるようになってきております。一方で、この間に、集 高いフレキシブルデバイスと相性のよい Poly-Si TFT を実 積回路技術に関する知識も多くの研究者、技術者の努力に 現するものです。もう 1 件の招待論文は畑迫氏による より、飛躍的に増大してきました。 DMOS(Double-Diffused MOSFET)などのパワーデバイス この間の集積回路の発展を支えた一つの大きな指導原 とデジタル、アナログ回路を集積した Mixed Signal LSI に 理は、Gordon E. Moore が提唱した「集積回路上のトラン 関する論文です。工場、家、交通手段、発電などの様々な ジスタ数は 18 ヶ月毎に倍になる」というムーアの法則で 場所でエネルギー効率の高いスマート社会を実現するた あり、半導体デバイスの微細化技術の進展による、LSI の めのキーデバイスの将来について述べられています。いす 集積度と性能の急激な向上でした。ムーアの法則に従った れもの論文も、今までの LSI の高集積化技術、微細化技術 微細化技術のあくなき追求による付加価値の向上は の枠を超えて、新しい応用の地平を開拓することが期待さ “More Moore”のアプローチとして、技術的な困難度が増し れます。 ている中で、現在も強力に推し進められ、その恩恵による 集積回路技術にかかわる研究者のみならず、関連技術を LSI の性能の向上はいまだとどまるところを知りません。 研究、応用される皆様方に、本特集号を広くご覧いただき、 その一方で、集積回路技術の様々な応用の広がりととも 今後の研究開発の発展に役立てていただければ幸いです。 に、必ずしも微細化技術によらずに新たな付加価値を LSI 本特集号の編集にあたっては、編集委員長を務められた に与える“More than Moore”のアプローチも広く行われる 富士通研山村委員長をはじめ集積回路研究専門委員会 ようになってきました。RF 通信、電力制御、受動素子、 (ICD)の各位に多大なるご協力をいただきました。 センサ、アクチュエータなど従来のデジタル技術のみでは 最後に、本小特集号に貴重な最先端技術の成果をご投稿 カバーできない新たな付加価値を生み出しています。 いただいた総ての皆様、それらの論文を注意深く査読いた “More than Moore”のアプローチの広がりとともに、集積回 だいた査読委員の皆様、そして本小特集号の編集のために 路技術が対応すべき技術領域も大きく広がってきており 多大なご貢献をいただいた編集委員の皆様方に心より感 ます。 謝を申し上げます。 このような背景から、この分野の研究開発を一段と発展 さ せ る こ と を 目 的 と し て 「 Solid-State Circuit Design 著者略歴: -Architecture, Circuit, Device and Design Methodology」小特 昭和 61 年東京大学工学系大学院修士課程修了。同年(株)東 集号を発行いたします。多くの投稿論文の中から、編集委 芝に入社。化合物半導体デバイス、デバイスシミュレーション技 員会の厳正な審査により、採択された卓越した論文 16 件 術、SRAM 設計、DRAM 設計、MEMS 技術の研究開発に従事。 (招待論文:2 件、一般論文:14 件)が掲載されます。14 2004~2005 年集積回路研究専門委員会幹事、2006~2007 年エレ 件の一般論文の内容は、プロセッサ、メモリ、A/D コン バータ、PLL、エネルギーハーベスティング、パワーイン 10 クトロニクスソサイエティ研究技術会議 庶務・財務幹事。 【寄稿】(論文誌技術解説) 英文論文誌小特集号「Special Section on Fundamentals and Applications of Advanced Semiconductor Devices」発行によせて ゲストエディタ 大野 裕三(筑波大学) 近年のエレクトロニクスにおいて、半導体デバイスとそ 大)、西岡泰城(日大)、松尾直人(兵庫県立大) 、松田敏 の集積回路は主要となる要素である。将来の高度情報化な 弘(富山県立大)、佐道泰造(九州大)、岡田浩(豊橋技 らびにグリーンエレクトロニクスにおいて、高性能・低消 科大)、井田実(NTT)、川村博史(シャープ)、松永高治 費電力の新機能デバイス開発に対する要求は高いものが (NEC)、前澤宏一(富山大) 、藤代博記(東理大)、田中 ある。この「Special Section on Fundamentals and Applications 愼一(芝工大)、大島知之(Neophotonics)、新井学(新日 of Advanced Semiconductor Devices(先端半導体デバイスの 本無線)、尾辻泰一(東北大) 、鈴木寿一(北陸先端大)、 基礎と応用特集)」は、将来の先端エレクトロニクスに対 宮本恭幸(東工大)、大野雄高(名古屋大)、重川直輝(大 して、半導体デバイスの基礎と応用について議論されるよ 阪市大)、東脇正高(情報通信機構) うアレンジされたものである。 本特集号では、11 篇の論文が収録されている。その範 著者略歴: 囲は、最先端トランジスタ、ハイパワーデバイス、ナノデ 1996 年東京大学大学院工学系研究科電子工学専攻博士課程修 バイス、太陽電池、ディスプレイ、メモリ、そして最先端 了、1996~2001 年東北大学電気通信研究所助手、2001~2012 年 回路技術までをカバーしている。本特集号の発行にあたっ 東北大学電気通信研究所助教授(准教授) 、2012 年筑波大学数理 て、投稿いただいたすべての著者に感謝致します。また、 物質科学研究科教授、2012~シリコン材料・デバイス研究専門委 論文閲読者及び編集委員会のメンバーには、本特集号の取 員会副委員長。 りまとめに大変ご協力いただき、その貢献に感謝致します。 さらに、本特集号の発行に当たっては、シリコン材料・デ バイス研究会(SDM)専門委員および電子デバイス研究 会(ED)専門委員の方々の協力なしにはなし得ませんで した。特に ED 研幹事の葛西誠也氏の尽力によって無事に 発行できる次第となりました。この場を借りて皆様に感謝 の意を表したく存じます。 編集委員会委員(敬称略) 幹事 笹子佳孝(日立製作所)、野村晋太郎(筑波大)葛 西誠也(北大) 委員 小野行徳(富山大)、杉井寿博(LEAP)、川中繁(東 芝)安斎久浩(ソニー)、大見俊一郎(東工大)、宇佐美達 矢(ルネサス)、黒田理人(東北大)、宮崎誠一(名古屋大)、 山口忠(ルネサス)、池田浩也(静岡大)、国清辰也(ルネ サス)木本恒暢(京大) 、平野博重(パナソニック)佐々 木公博(金沢大)、高橋芳浩(日大)、野口隆(琉球大)、 羽路伸夫(横国大)、平本俊郎(東大) 、冬木隆(奈良先端 11 【寄稿】(論文誌技術解説) 和文論文誌特集号「エレクトロニクス分野におけるシミュレーション 技術の進展」 ゲストエディタ(エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会) 柏 近年、エレクトロニクスの分野においてもシミュレーシ ョン設計は必要不可欠となっている。解析手法及び計算機 の発達は著しく目を見張るものがある。 ソフトウェアの分野では各自が必要プログラムを自作 するのではなく、市販 CAD(Computer aided design)が設 計に普通に用いられるようになって来ている。 また、ハードウェアの分野では通常のパーソナルコンピ ュータやワークステーションのみならず、従来、画像処理 に用いられていた GPU(Graphics processing unit)をシミュ レーション用の演算装置として用い超高速計算を行う試 達也(北見工業大学) 基づく簡素な ADI-BPM を用いた導波路型光吸収 SPR セ ンサの三次元解析についてそれぞれ書かれている。 ショートノートは各種保存型陰的 FDTD 法に基づく並 行平板キャパシタの低周波電磁界シミュレーション、大規 模 FDTD 解析による航空機内無線 LAN 端末の経路損失推 定、導電ライン間に装荷したバラクタダイオードと抵抗皮 膜で構成されたサセプタンス可変シート、FDTD 法の単精 度演算における丸め誤差伝播の定量化に関してそれぞれ 書かれている。 みも急速に進展している。また、クラスタ或いはクラウド 光、電波、マイクロ波回路、シミュレーション法、及び コンピューティングなどを用いた高速大容量解析が可能 シミュレーション例についてエレクトロニクスシミュレ となっている。この様にソフト、ハードの両面からシミュ ーションに関する幅広い分野から投稿が有った事が示さ レーション技術の発達は著しく進展している。 れている。 また、情報通信システムを支える素子の解析は複雑にな 最後に、本特集を発行するにあたって、ご投稿頂いた って来ており、対象とする物理現象も単一の物では無く、 方々、論文査読にご協力頂いた査読委員の方々、企画及び 複数の物理現象を扱うマルチフィジックスという複雑な 編集にご尽力頂いた編集委員の方々、並びに事務局の方々 計算も実用化の段階に来ている。エレクトロニクスに関す に謝意を表する。本特集が今後も継続的に実施され、知的 るシミュレーションは今後とも益々重要になって来るも 技術立国日本の将来に資する事を強く期待する。 のと思われる。 平成 23 年度よりエレクトロニクスシミュレーション研 究会が発足した。この分野での成果の発表に加え、異分野 との交流を目指し、昨年度より和文論文誌に於いて本特集 を企画する事となった。従って、本論文特集は昨年度に引 き続き、本年度が第 2 回となる。 今回の本特集への投稿論文数は、論文 4 編、ショートノ ート 4 編であった。厳正な査読に基づき編集委員会で議論 した結果、論文 2 編、ショートノート 4 編の採録となっ た。これに招待論文 1 編を加えた計 7 編の論文が本特集 に掲載されている。以下に、掲載されている論文の概要に ついて示す。 招待論文では、非対称導波路型偏波変換器の効率的な特 性評価法について書かれている。 論文 2 編は PhC(Photonic crystal)による THz 帯デュアル モードバンドパスフィルタの提案、及び Fundamental 法に 12 著者略歴: 昭和 59 年北大・工・電気卒。昭和 61 年同大大学院修士修了。 昭和 63 年同博士課程中退。同年同大・工・電気・助手。平成 8 年北見工大・電気電子・助教授。平成 20 年同大教授。電磁界及 び音響の数値解析に関する研究に従事。工博。共著「Handbook of Microwave Technology」(Academic Press)、 「Antennas and Associated Systems for Mobile Satellite」(Research Signpost)、 「マイクロ波シミ ュレータの基礎」 (コロナ社)、 「計算電磁気学」 (培風館)等。IEEE、 IEEJ 各会員。 【報告】 「超高速光エレクトロニクス(UFO)時限研究専門委員会報告」 UFO 時限研究専門委員会 幹事 三沢 超高速光エレクトロニクスに関連した光技術は、通信や 計測など電子情報通信分野の基盤技術の一つとして用い 和彦(東京農工大学大学院) (7)フォトニック構造の光伝搬特性とデバイス応用 (8)超高強度光電場と物質の相互作用およびその制御技 術 られてきた。今後も飛躍的に増え続ける伝送容量への要請 に応えるには、光・電子デバイス技術、変復調・等化技 (9)超短光パルスを用いた加工・造形・操作技術 術、システム技術などに関連して多くの解決すべき課題が (10)超短パルスレーザのケミストリー・バイオ・メデ ィカル等新規応用技術 ある。特に、光の持つ高速性や広帯域性といった特長を生 かすべく、超高速の光・電気信号の発生と制御・処理・計 (11)超高速ナノフォトニクス 測技術、半導体等の超高速材料技術、未踏の速度・精度の 計測・解析技術、極超短パルスの発生・制御技術等、まだ 2013 年 3 月に始動してから、本稿執筆時には、すでに 3 まだ多くの基盤技術について新たな展望を切り開く必要 回の研究会が開催済みである。第 1 回は「超高速光エレク がある。 トロニクスとナノ材料科学の融合研究推進に向けて」と題 その一方で、超高速光技術は広汎な科学技術分野を横断 して、基礎物理学から固体材料工学にいたる広範な学問分 的に貫く基幹技術といえる。超高速領域での研究開発にお 野を光科学の視点から横断して俯瞰し、異分野の融合研究 いては、電子情報通信分野のみならず理学系の物理、化学 によるブレークスルーの可能性を議論した。第 2 回は「実 や生物・医学系との交流も図られてきた。本研究専門委員 用光デバイスの現状と展望」と題して、光源、光変調器、 会は、光の超高速技術を介して、応用物理、光学、レーザ 光回路などの光デバイスに焦点をあて、既に広く実用化さ ー、物理、など様々な分野の研究者が、システムからデバ れているデバイスに加えて、今後の普及や実用化が期待さ イス・材料、基礎科学に関連するテーマを情報交換できる れているデバイスおよび関連技術について、その現状と展 場となっている。光通信の出口は意識しつつも、専門分野 望について概観した。第 3 回は「先端光源と画像化・可視 の違いをあまり意識せず、また、ベテランから若手まで集 化技術の展開」と題して、分子構造から建築物の鉄骨に至 まれているところにも価値がある。 るさまざまな構造を対象に、先端光源・粒子源を用いた画 本研究専門委員会の活動を通じ、超高速光エレクトロニ 像化および状態変化の可視化における最先端研究につい クスの重要性は広く認識されるとともに、超高速電子素 て理解を深めた。第 4 回は光通信システムを主題として、 子・回路、フェムト秒パルス発生・伝送・制御技術、テラ 首都圏外で開催することを計画中である。 ヘルツ電磁波の発生・応用、など、従来にない新しい技術 第 1 回研究会は東京農工大学との共催、第 3 回は日本光 も生まれてきた。電子情報通信学会の研究会が異分野の研 学会および理化学研究所との共催とし、他機関との交流も 究者を束ね、新しい分野の形成に向けて先導することには 積極的に図っているのが、本研究専門委員会の特徴と言え 大きな意義がある。 よう。また、筆者はレーザー量子エレクトロニクス(LQE) 実際、本研究専門委員会が対象とする研究項目は、以下 のように極めて広い範囲にわたっている。 研究専門委員会委員も兼務しており、LQE との連携もこ れまで以上に深めていくことも検討したいと考えている。 (1)超高速領域における光物性の基礎 (2)フェムト秒光パルスの発生・伝送・制御・計測技術 (3)光ファイバ中の超高速非線形光学とデバイス・シス テム応用 著者略歴: 1992 年東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。 博士(理学) 。1993 年東京大学大学院理学系研究科助手。1999 年 (4)超高速光通信・各種光/電子デバイス技術 東京農工大学工学部助教授。2002 年同大学院助教授。2006 年よ (5)超高速分光・計測技術 り教授。超高速光科学、レーザー分光学、光物性物理学の研究に (6)テラヘルツ電磁波の発生・応用技術 従事。 13 【報告】 「量子情報技術研究会(QIT)活動報告」 量子情報技術時限研究専門委員会 委員長 枝松 量子情報技術時限研究専門委員会は 1998 年に発足し、 圭一(東北大学) の方々の新たなご参加を歓迎したい。 現在 8 期目である。本時限研究専門委員会では、1999 年 以来、量子情報技術研究会(QIT)を毎年 2 回(5 月頃お 第 30 回研究会(QIT 30) よび 11 月頃)開催している。この研究会は、物理学(量 場所:名古屋大学 豊田講堂 シンポジオン 子力学)と情報科学、計算機科学、電子工学、光工学等の 期間:2014 年 5 月 12 日(月)~ 13 日(火) 幅広い分野にまたがる融合分野である量子情報技術に携 世話人:西村治道(名古屋大)、鶴丸豊広(三菱電機)、 わる研究者コミュニティに自由な研究発表と討論の場を 林正人(名古屋大) 提供し、この研究分野のさらなる発展を図ることを目的と している。研究会では毎回活発な研究発表・討論が行われ 140 ているほか、研究会資料(予稿集)の刊行を行っている。 で開催した。 一般参加者 生 2013 年には第 28 回および第 29 回研究会を以下の要領 全参加者 120 学 参加者 100 80 60 40 第 28 回研究会(QIT 28) 場所:北海道大学 札幌キャンパス 創成科学研究棟 期間:2013 年 5 月 27 日(月)~ 28 日(火) 20 0 QIT22 QIT23 QIT24 QIT25 QIT26 QIT27 QIT28 QIT29 2010/5 2010/11 2011/5 2011/11 2012/5 2012/11 2013/5 2013/11 大阪 東京 東京 大阪 福井 東京 札幌 東京 世話人:富田章久(北大) 、竹内繁樹(北大/阪大) 、 長谷川俊夫(三菱電機) 図 1:量子情報技術研究会(QIT)の参加人数の推移 講演件数:51 件(招待講演 3,口頭 25,ポスター 23) 研究会資料:「第 28 回量子情報技術研究会資料」(A4, 193 ページ) 著者略歴: 東北大学電気通信研究所教授。2012 年 11 月より量子情報技術 第 29 回研究会(QIT 29) 場所:早稲田大学 理工学術院 西早稲田キャンパス 期間:2013 年 11 月 18 日(月)~ 19 日(火) 世話人:中里弘道 、湯浅一哉、青木隆朗(早稲田大学)、 和久井健太郎(情報通信研究機構) 講演件数:50 件(招待講演 4,口頭 25,ポスター 21) 研究会資料:「第 29 回量子情報技術研究会資料」 (A4, 186 ページ) 図 1 に、ここ数年間の量子情報技術研究会の参加人数の 推移を示す。開催地や時期によってやや上下はあるものの、 平均して一般・学生合わせて 100 名程度の参加がある。特 に直近の QIT 29 では学生の参加の増加が目立っていた。 なお、2014 年 5 月には次の要領で第 30 回量子情報技術 研究会を開催予定である。ご関係の方々、ご興味をお持ち 14 時限研究専門委員会委員長。 【報告】 「第五期・次世代ナノ技術に関する時限研究専門委員会活動報告」 次世代ナノ技術に関する時限研究専門委員会 小森 委員長 和弘(産業技術総合研究所) 次世代ナノ技術に関する時限研究専門委員会は、平成 平成 25 年 1 月には、自主研究会として、 「次世代プロセ 16 年 6 月から第一期委員会がスタートし、今期で第五期 ス技術によるナノ構造の形成と応用」と題した講演会を開 目、平成 25 年度で丁度 10 年目になります。ナノテクノロ 催しました。ナノ科学とナノ技術の最近動向に関する基調 ジーは、20 世紀末から急速に進展し、あらゆる産業の基 講演をはじめ、ナノ構造形成&ナノ製造に関す最先端技術 盤技術の一つとなりつつあります。本研究会では、次世代 とエレクトロニクス、バイオ、エネルギー応用に関する最 のナノ技術として、ナノ技術と光技術を駆使するナノフォ 近の動向についての講演と議論を行いました。 トニクス技術、ナノ作製技術を積極的に取り入れつつある 平成 25 年 6 月には、材料・デバイスサマーミーティン MEMS などのナノメカトロニクス技術、さらにはバイオ グにて「ナノデバイスを用いたフォトニクスの広がり」と チップに代表されるナノバイオ技術を積極的に取り上げ、 いう課題で、ナノフォトニクスのエネルギー・センサ・バ 新たな機能発現の探索、新規デバイス概念創出により,次 イオ・エレクトロニクス等の領域融合応用にフォーカスし 世代の新たな技術領域を開拓するために、研究情報・意見 た研究会を開催しました。 交換、討論の場を提供することを目的としています。 平成 26 年 1 月には、自主研究会として、「10 年後のス 本委員会では、主に以下の 4 領域を担当しています。 タンダードに向けたナノ技術光応用の最前線」と題した講 (1)ナノ材料、ナノ製造: 新しいナノ加工技術、新しいナノ構造作製技術、 ナノインプリント、ナノプリント技術、マイク ロ造形・光造形技術 演会を開催しました。半導体リソグラフィ、メタマテリア (2)ナノフォトニクス: ナノフォトニクスデバイス(光源、変調器、 検出器)、システム プラズモニック・メタマテリアル材料デバイス LED など、10 年後のスタンダードになり得るナノ技術お (3)ナノメカトロニクス: オプトメカトロニクス MEMS,NEMS,マイクロ TAS (4)ナノバイオニクス、ライフ分野応用: バイオチップ、ゲノム 生体分子機能解析デバイス等 今期(平成 24 年 6 月~平成 26 年 5 月)は、当委員会が ル、量子ドットプラズモニクス、光ハーベスト、フォトニ ック結晶レーザ、ナノフォトニクス構造を用いた深紫外 よび光デバイス応用の全般についての最前線の技術に関 して議論を行いました。 また、平成 26 年 3 月には、シリコンフォトニクス時限 研究専門委員会と当委員会との合同研究会を開催します。 今後、これらの活動を通して、次世代のナノテク技術の 発展、および大学、公的研究機関、産業界の連携に向けた 諸活動に積極的に貢献していく所存ですので、皆様のご支 援、ご協力よろしくお願いします。 独自に開催する自主研究会として、次世代ナノ技術全体を 俯瞰できるテーマに関しての現状と今後の方向性につい ての議論を行う講演会を開催し、また、電子情報通信学会 が定例で行う材料・デバイスサマーミーティング等の機 会には、次世代ナノ技術の特定領域に焦点を絞り議論を行 う講演会を開催しました。以下に概要を報告します。 平成 24 年 6 月には、材料・デバイスサマーミーティン グにて、 「プラズモニック・メタマテリアルの最近の進展」 と題した研究会を開催しました。特に、ナノフォトニクス 分野での将来技術として注目されている光メタマテリア ル、プラズモニクス技術に関しての最新の動向や今後の方 向性について議論を行いました。 著者略歴: 昭和 59 年東京工業大学・電子物理工学科卒、平成元年同大学 院博士課程修了、工学博士、同年同大学電子物理工学科助手、平 成 6 年工業技術院・電子技術総合研究所主任研究官、平成 12 年 スイス連邦工科大学客員研究員、平成 13 年独立行政法人・産業 技術総合研究所・光技術研究部門グループ長、平成 22 年同・光 技術研究部門副研究部門長、平成 23 年同・電子光技術研究部門 副研究部門長、平成 25 年 7 月から同・企画本部(経済産業省出 向中)、専門:光・量子エレクトロニクス、半導体光・電子デバ イス、量子ナノ構造デバイス、昭和 62 年電子情報通信学会論文 賞、電子情報通信学会、応用物理学会各会員。 15 【報告】 「ポリマーフォトニクスのさらなる発展を目指して」 ポリマー光回路時限研究専門委員会 委員長 杉原 第 5 期のポリマー光回路(POC)時限研究専門委員会委 興浩(東北大学) ISAOP-12 (12th International Symposium on Advanced 員長を務めております。今期が終了すると、POC も 10 年 Organics Photonics) の歳月を経ることとなります。この 10 年間、設立当初の 2012 年 12 月 3 日~4 日、沖縄産業支援センター、講演数 幹事から第 5 期の委員長まで、何らかの立場で POC の企 27 件、参加者約 40 名。 画運営に直接携わってきました。第 1 期の頃の参加者が ISAOP-13 (13th International Symposium on Advanced 100 名を越えるような熱気はなくなりましたが、ポリマー Organics Photonics) 光回路の実用化を目指した研究開発は着実に行なわれて 2013 年 9 月 9 日~10 日、Queen's University(カナダ)、講 おり、開花への期待は高まる一方です。 演数 32 件、参加者数約 40 名。 POC 研究会もこれまで 28 回を数え、今期も主催研究会 を 6 回開催しております。「ポリマー光回路」という限定 および 2 件の OME/OPE 研究会と協賛研究会を開催しまし た。 された、しかも近い将来の実用化を見据えた分野を扱って 第 6 期についても委員会内で議論を重ね、活動を継続す いるため、スコープがどうしても狭くなると思われがちで ることになりました。ただし、本時限研究専門委員会を通 すが、参加者の専門以外の分野も意識に入れて、材料から して、これまでポリマー光回路に限定されていたスコープ システムまで網羅できるように、さらにはアプリケーショ を、ポリマーと光(の相互作用)による革新的光部品・技 ン、周辺技術分野や将来的な学問シーズまでを見据えてテ 術の創造をスコープとして見直すことにし、材料の応用用 ーマ設定しております。今期の活動をまとめると次のよう 途の可能性を議論する場に発展させることが必要である になります。POC の活動だけでも視野に入れる分野が広 という認識に至っております。上記の幅広いテーマについ いことに気づかれると思います。 ての研究開発をさらに促進するため、次年度よりポリマー 第 23 回 光部品技術時限研究専門委員会として継続することにな 2012 年 7 月 12 日、テーマ「フォトニクスポリ マーによる先進情報通信技術」、宇都宮大学(栃木) 、講演 数 5 件、参加者数 30 名。 りました。 当研究会は企業からの参加者が比較的多く、密度の高い 第 24 回 2012 年 11 月 21 日、テーマ「光インターコネク 情報交換や交流を重ねております。第 6 期もそのような特 ションに関連する次世代高速インターフェース」、機械振 徴は活かしながら、また他分野(他研究専門委員会)や他 興会館(東京)、講演数 5 件、参加者数 41 名。 学会との協賛などの連携企画も積極的に行ないながら、活 第 25 回 2013 年 3 月 8 日、テーマ「有機材料を用いた最 動を続けていきたいと思っております。委員・会員の皆様 近のトピックス」、機械振興会館(東京)、講演数 4 件、参 からのご提案もいただき、この分野の発展に貢献する所存 加者数 27 名。 です。詳細は下記 HP をご覧ください。皆様からの忌憚の 第 26 回 2013 年 7 月 5 日、テーマ「ディスプレイ・イメ ないご意見をお待ちしております。 ージング関連技術のトピックス」 、産業技術総合研究所関 http://www.ieice.org/~poc/jpn/welcome.html 西センター(池田市)、講演数 5 件、参加者数 31 名。 第 27 回 2013 年 11 月 18 日 テーマ「テラヘルツ関連技 術のトピックス」、東北大学(仙台市)、講演数 4 件、参加 者数 20 名。 第 28 回 2014 年 3 月 3 日 著者略歴: 1991 年慶應義塾大学大学院博士後期課程修了、同年静岡大学大 学院電子科学研究科助手、1993 年静岡大学工学部助教授、2003 テーマ「産業界がポリマー材 年東北大学多元物質科学研究所助教授(准教授) 。2010 年より JST 料に求めるもの」、回路会館(西荻窪)、講演数 5 件(予定)。 戦略的イノベーション創出推進事業「フォトニクスポリマー」プ 第 26 回~第 28 回は他学会の協賛をいただいております。 また下記国際会議 2 件 16 ロジェクトマネージャー、2013 年エレクトロニクス実装学会理事。 【報告】 「PIERS 国内委員会活動報告:2013 PIERS 国際会議報告」 PIERS 国内委員会 委員長 山﨑 PIERS(Progress in Electromagnetics Research Symposium, 電磁波工学研究の進歩に関する国際会議)国内委員会は、 平成 25 年 5 月より立居場光生 委員長(九大名誉教授)、 佐藤亨委員(京都大:元電気学会電磁界理論技術委員会 委員長)から新たに体制が、委員長:山﨑 恆樹(日本大: 恆樹(日本大学) (2-2)開催場所:Kistamassan exhibition centre and Scandic Victoria Tower Hotel (2-3)アブストラクト投稿件数:1650(受理数:1303:Oral 910、Poster:393) (2-4)セッション数:100 (2-5)フルペーパー投稿数: 354 留任),委員:小見山 彰(大阪電通大:留任(会計担当)), (2-6)参加 67 カ国と参加人数 1135(China:133, Sweden:93, 黒田 道子(東京工科大:電気学会電磁界理論技術委員会 Japan:87, USA:85, UK:68, Germany:58, France:55, 委員長),白井 宏(中央大:電子情報通信学会エレクトロ Russia:48, Spain:45, Taiwan:43, Italy:40, Korea:39, Other ニクスソサエティ 電磁界理論研究専門委員会 委員長)と 55 countries: 807) なりましたので、引続きご協力下さいますよう、よろしく お願い申し上げます。 PIERS の設立(1989 年)、PIERS 国内委員会の発足(2007 年 ) 等 に つ きま して は 、 平成 24 年 4 月 の 本 会 News Letter(Vol.148)に、2012 年の PIERS 国内委員会の活動報告 につきましては、 平成 25 年 7 月の本会 News Letter(Vol.153) に報告致しましたので、今回は、2013 年 3 月と 8 月に開 催された(1) PIERS 2013 in Taipei と(2) PIERS 2013 in Stockholm(33 回、34 回;表 1 参照)について報告致します。 会議概要は下記の通リで、両会議とも日本人の参加・発 表が多く、特に 34 回のストックホルムの大会では、新た な試みとして Focus/Special Sessions(発表 314 件)を設け たことと、初日の welcome reception が市内の Stockholm City Hall(ノーベル賞でのバンケット会場)で行われたこ ともあり 1000 人以上の参加者で大盛況であった。 (1) PIERS 2013 in Taipei(Taiwan): (1-1)会議期間:2013 年 3 月 25 日~28 日 (1-2)開催場所:Grand Hotel (1-3)アブストラクト投稿件数:792(受理数:552 papers 287:Oral 372、Poster:180) (1-4)セッション数:47 (1-5)フルペーパー投稿数: 287 (1-6)参加 45 カ国と参加人数 437(Taiwan:101, China:89, 著者略歴: 1975 年日大・生産工・電気卒、1977 年日大・理工・大学院(電 Japan:66, USA:25, France:19, Malaysia:14, Singapore:13, 気)・修士課程了。同年日大・理工・電気助手などを経て、2000 Other 38 countries: 110) 年同教授、1989~1990 年米国 MIT に客員研究員、工博。2005~ (2) PIERS 2013 in Stockholm(Sweden): 2006 年本会電磁界理論研究専門委員会委員長。1985 年本会学術 (2-1)会議期間:2013 年 8 月 12 日~15 日 奨励賞。1990 年~電磁波工学アカデミー会員。 17 【報告】 「2013 年アジア・太平洋電波科学会議 (AP-RASC 2013)開催報告」 URSI 日本国内委員会委員長 同 主幹事 小林一哉(中央大学) 八木谷聡(金沢大学) アジア・太平洋電波科学会議(Asia-Pacific Radio Science 会だけでしたが、世界の電波科学者相互の情報交換及び交 Conference:AP-RASC)は、電波科学諸分野の連携を深め、 流をより迅速・活性化すべく、URSI 本部は、今後新たに かつアジア・太平洋地域における電波科学研究の一層の活 2 つの国際会議(総会の翌年に URSI 大西洋電波科学会 性化と発展を図るべく、わが国が国際電波科学連合 議:URSI AT-RASC、翌々年に URSI アジア・太平洋電波 (URSI)本部に提案して実現したものです。AP-RASC 2001 科学会議:URSI AP-RASC)を開催することを決定してい (2001 年、東京)、AP-RASC 2004(2004 年、中国・チンタ ます。AP-RASC はこれまでの実績が URSI 本部にきわめ オ市)、AP-RASC 2010(2010 年、富山市)に引き続き、 て高く評価されていることから、次回(2016 年)より URSI 第 4 回目となる AP-RASC 2013 が、2013 年 9 月 3 日~7 AP-RASC として、URSI 総会並びに URSI AT-RASC ととも 日に、URSI 本部、国立台湾大学、国立中央大学の共同主 に重要な「URSI 旗艦会議」の一つに位置付けられること 催により台湾・台北市で開催されました。URSI 日本国内 となりました。URSI AP-RASC は、今後も引き続きアジ 委員会は、AP-RASC 2010 の経験を活かし、URSI 台湾国 ア・太平洋地域で開催されますが、論文募集や講演プログ 内委員会に対して AP-RASC 2013 の準備・運営に対する ラム作成等に URSI 本部が積極的に関わることで、より国 積極的な協力・支援を行いました。 際的になっていくものと期待されます。次回 2016 年の AP-RASC 2013 では、3 件の特別講演、3 件のワークシ ョップ、2 件の特別セッション、62 件の一般セッション及 び 2 件のポスターセッションが実施され、28 カ国から 566 URSI AP-RASC は、韓国・済州島で開催される予定です。 最後になりますが、AP-RASC 2013 の開催に対してご支 援・ご協力頂いた関係各位に深く感謝申し上げます。 名の研究者・技術者が参加して 583 件の論文発表がなされ るなど、大きな成果が得られました。特に我が国からは 177 名の参加者と 166 件の論文発表があり、会議の成功に 大きく貢献しました。また、優秀な若手研究者を支援する ことを目的として二つの若手研究者学術賞プログラムが 実施されました。一つは学生論文コンテスト(SPC)であ り、5 名の一次選考通過者の中から SPC 特別セッション での二次選考を経て 1~3 位の受賞者が決定されました (1 位は日本人が受賞)。もう一つの若手研究者学術奨励賞 (YSA)では、書類審査により 20 名の受賞者が選考されま した。なお、AP-RASC 2013 での発表論文の中から特に優 AP-RASC 2013 開会式での小林委員長によるスピーチ れたものが、国際学術誌「Radio Science」及び「URSI Radio 著者略歴: Science Bulletin」に掲載される予定です。 小林 AP-RASC 2013 の会期中には、URSI 本部役員(会長、 一哉 1982 年早稲田大理工学研究科修了、工学博士。同年 中央大専任講師。1987~1988 年米国ウィスコンシン大客員准教授。 副会長、事務局長)やアジア各国の URSI 国内委員会委員 現在、中央大理工学部教授。日本学術会議連携会員。1998 年国際 長等が参加して、AP-RASC ビジネスミーティング及び 会議 MMET*98 で V. G. Sologub Prize 受賞。 AP-RASC 2013 国際諮問委員会(IAC)・国際組織委員会 八木谷 聡 1993 年金沢大自然科学研究科修了、博士(工学) 。 (IOC)合同会議が開催され、今後の AP-RASC の運営及び 同年同大助手。1997~1998 年米国ミネソタ大客員研究員。現在、 方向性についての議論がなされました。これまで、URSI 金沢大理工研究域教授。日本学術会議特任連携会員。2001 年産学 本部が主体的に運営に携わる国際会議は 3 年毎の URSI 総 連携いしかわ賞(奨励賞)受賞。 18 【短信】研究室紹介 新しい学びの場としての学生プロジェクト活動「理科工房」 長谷川 誠(千歳科学技術大学) はじめに 本欄では通常、大学などの研究室・研究グループの活動 が紹介されるが、今回は、履修カリキュラムに含まれない 課外活動として 10 年余りに渡って活動している本学の学 生プロジェクト「理科工房」を紹介させて頂く。筆者は、 このプロジェクトの顧問を活動開始当初から務めている。 図1 活動の概要 小学校での授業風景とタブレットの活用 最近の大学教育では、学生が主体的に自ら学ぶように仕 図 1 は地元の小学校での理科実験授業の様子である。学 向けるとともに、キャリアアップの意識を持たせ、卒業後 生は白衣を着て、「かっこいい科学者のイメージ」を小学 に社会で活動する際に欠かせない様々な能力・スキルを向 生に与えようとしている。最近ではタブレットを説明に使 上させることが求められている。理科工房は、元々はそう 用するなど、最先端技術の活用に余念がない。図 2 は活動 した背景から設立されたものではなく、課外活動に過ぎな 開始時からの活動実績の推移である。平成 24 年度は年間 いが、結果的に、学生を成長させる取組みになっている。 70 件を超え、平成 25 年度もそれに迫る勢いである。日々 理科工房の活動は中学・高校の理科部の活動に類似して の活動は常に学外からの外部評価を受けているに等しく、 いるが、重要な特徴は、自分達の知的好奇心を満足させる その厳しい視線が学生たちを大きく成長させる。これだけ だけの活動ではなく、地域社会に積極的に出向いて実験授 の活動件数があると週末は無いに等しいが、活動実績が評 業や実験イベント、科学・実験教室などを開催するアウト 価され、平成 23 年度には第 8 回小柴昌俊科学教育賞・奨 リーチ活動に重点を置いている点である。学生が自ら動か 励賞、ならびに北海道及び千歳市の青少年顕彰を受賞した。 ざるを得ない点で、これはまさに主体的な学びの場であり、 80 70 キャリアアップの機会となる。一般学生より教員と関わる 学部 4 年生以降の研究室活動の準備期間にもなっている (筆者の研究室に配属された理科工房学生は、電子情報通 信学会学生員として積極的に学会発表を行うようになる)。 現在の理科工房の活動は、主に以下のように分類される。 60 活動件数(回) 機会が多く、ものづくりや実験の体験も豊富になることで、 50 40 30 20 10 0 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度 H22年度 H23年度 H24年度 (1)地域の小中学校における理科実験授業の実施 (2)児童館や科学館と連携した科学教室などの開催 (3)PTA、商店街、町内会、市民団体などと連携した活動 図2 理科工房の活動実績の推移 これからに向けて 顧問としての筆者にとって、本来の研究室とは別にもう (4)青少年のための科学の祭典などイベントへの参加 一つ研究室があるようなものである。多忙であるが、3~4 (5)自主的な科学教室・工作教室の開催 年間かけて学生が成長する姿を見守ることができ、教員と (6)初年次教育、大学広報活動など大学業務への協力 して冥利に尽きる想いがある。今後も活動を継続させたい。 現在は学科・学年に無関係に 25 名ほどの学生が所属し、 (理科工房 HP も参照下さい:http://rikakoubou.digiweb.jp/) 学内に確保された専用の実験室を活動場所として、講義の 空き時間などに自由に活動している。活動は学生間の学び 著者略歴: 1986 年慶應義塾大学理工学部電気工学科卒業、1991 年同大学 合いや教え合いなど半学半教の姿勢に満ちており、行動力、 大学院理工学研究科電気工学専攻博士課程修了。工学博士。現在、 指導力、協調性、プレゼン能力などを鍛える場になってい 千歳科学技術大学総合光科学部グローバルシステムデザイン学 る。顧問としての筆者からの指示はほとんど必要ない。 科教授。EMD 研究専門委員会委員長。 19 【お知らせ】 ◆エレクトロニクスソサイエティ各賞受賞者 2014 年総合大会エレクトロニクスソサイエティ・プレナリーセッションにおいて、各賞の表彰式が行われました。 *エレクトロニクスソサイエティ会長特別表彰(敬称略) 「エレクトロニクスソサイエティ情報公開の改革」 内山 博幸(日立製作所) 、山田 浩(東芝)、中村 誠(岐阜大学) *エレクトロニクスソサイエティ活動功労表彰(敬称略) 川西 哲也 情報通信研究機構 エレクトロニクスソサイエティ総務幹事としての貢献 瀧口 浩一 立命館大学 研究技術会議庶務・財務幹事としての貢献 神奈川工科大学 和文論文誌編集委員会幹事としての貢献 神奈川大学 英文論文誌 C 編集委員としてのエレソ出版事業への貢献 中津原 島 克己 健 奥村 治彦 (株)東芝 大会運営幹事、委員長としての貢献 阿部 克也 信州大学 電子部品・材料研究専門委員会幹事としての貢献 須原 理彦 首都大学東京 電子デバイス研究専門委員会幹事としての貢献 安藤 芳晃 電気通信大学大学院 電磁界理論研究専門委員会幹事としての貢献 平田 晃正 名古屋工業大学 エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会幹事としての貢献 平野 拓一 東京工業大学 エレクトロニクスシミュレーション研究専門委員会幹事補佐としての 貢献 鈴木 弘明 日本写真印刷(株) 集積回路研究専門委員会幹事としての貢献 大礒 義孝 日本電信電話(株) 集積光デバイス技術時限研究専門委員会幹事としての貢献 (株)東芝 マイクロ波研究専門委員会幹事としての貢献 加屋野 博幸 鴨田 浩和 (株)国際電気通信基礎技術研究所 マイクロ波研究専門委員会幹事補佐としての貢献 川上 憲司 三菱電機(株) マイクロ波研究専門委員会副委員長としての貢献 平塚 敏朗 (株)村田製作所 2012 年度第2回学生マイクロ波回路設計試作コンテスト委員長としての 貢献 東野 武史 奈良先端科学技術大学院大学 マイクロ波フォトニクス研究専門委員会幹事補佐としての 貢献 間中 孝彰 東京工業大学 有機エレクトロニクス研究専門委員会幹事としての貢献 小川 憲介 (株)フジクラ 光エレクトロニクス研究専門委員会幹事としての貢献 神徳 正樹 日本電信電話(株) 光エレクトロニクス研究専門委員会幹事としての貢献 松浦 徹 NTT アドバンステクノロジ(株) ポリマー光回路時限研究専門委員会幹事としての貢献 山田 隆宏 (独)産業技術総合研究所 超伝導エレクトロニクス研究専門委員会幹事としての貢献 *エレクトロニクスソサイエティ学生奨励賞(敬称略) 20 ・電磁波およびマイクロ波 折井 瑛彦(広島大学) 神谷 那由他(青山学院大学) ・化合物半導体および光エレクトロニクス 萩原 智哉(山梨大学) 財津 優(東京大学) ・シリコンおよびエレクトロニクス一般 岡澤 貴之(豊橋技術科学大学) 村上 雄紀(九州大学) ◆特集号論文募集(Call for Paper) -有機エレクトロニクスの新展開小特集(英文論文誌 C)論文募集- 有機エレクトロニスの新展開小特集編集委員会 有機材料はエレクトロニクス材料としてますます重要な地位を占めつつあります。この分野は,絶縁体,半導体,導体, 超伝導体,磁性体としての基礎研究にとどまらず,メモリ,表示デバイス,太陽電池,光学素子,センサ,アクチュエー タ,更にはバイオ分野へも応用が広がりつつあります。有機エレクトロニクス(OME)研究専門委員会では,21 世紀 を拓くこれらの材料・素子の研究を総括することにより,更なる発展の指標が得られると考え,「有機エレクトロニクス の新展開」小特集 “Recent Progress in Organic Molecular Electronics”(2015 年 2 月号)の発刊を企画しました.また,2014 年 5 月 15 日(木)~16 日(金)に東京農工大学(東京都小金井市)にて「国際有機エレクトロニクスシンポジウム (ISOME2014)」を開催しますので,御発表と併せて本小特集へ奮って御投稿下さいますようお願い申し上げます。 ●論文投稿締め切り 2014 年 5 月 31 日(土) ●問合せ先幹事 松田 直樹 産業技術総合研究所 生産計測技術研究センター 〒841-0052 佐賀県鳥栖市宿町 807-1 Tel: 0942-81-3623, Fax: 0942-81-3690 E-mail: [email protected] ●詳細は学会誌 2 月号をご覧下さい -超伝導センサと検出器に関する基礎と応用の最前線小特集(英文論文誌 C)論文募集- 超伝導センサと検出器に関する基礎と応用の最前線小特集編集委員会 超伝導現象を利用した、光、X 線、テラヘルツ波、粒子等に対する種々の高感度センサと検出器、及びこれらを用いた、 材料分析装置、量子暗号通信用受信器、天文用観測機器等の先端センシングシステムの研究開発が近年急速に進展してい ます。このため、超伝導検出器とその応用システムに関する最新の成果と今後の研究動向を示すことを目指して、本小特 集(平成 27 年 3 月号)を企画しました。本小特集はこの分野の研究者のみならず多くの関連研究者にとっても非常に有 益なものになると考えますので、奮って御投稿下さるようお願い致します。 ●論文投稿締め切り 平成 26 年 6 月 30 日(月) ●問合せ先幹事 神代 暁 産業技術総合研究所 ナノエレクトロニクス研究部門 〒305-8568 茨城県つくば市梅園 1-1-1 中央第2 Tel: 029-861-5561, Fax: 029-861-5530 E-mail: [email protected] ●詳細は学会誌 3 月号をご覧下さい 21 ◆電子情報通信学会エレソ会員サービスのご紹介 電子情報通信学会及びエレクトロニクスソサイエティでは会員の皆様に各種サービスを提供しております。会員の皆様 にさらに活用して頂くために会員サービスを紹介します。 エレクトロニクスソサイエティ会員のサービス ●過去の技術研究報告の閲覧(アーカイブシステム) エレソ研究専門委員会が開催している研究会の予稿である技術研究報告の過去分を web から閲覧することがで きます。キーワードで検索が可能です。現在は 1954 年度から 2009 年度までの技術研究報告が閲覧可能です。 ●コンテンツ配信 大会プレナリーセッション、材料デバイスサマーミーティング、支部講演会において著名な先生方、研究者の方 の講演をインターネットで配信しています。最新の研究動向を web を通して知ることができます。 最近の収録例 「光・電波シミュレーション技術の最近の動向と今後の展望について」 北見工業大学 「集積エレクトロニクスの新たな展開」 東京大学 生産技術研究所 「テラヘルツ波技術に関する政策面の課題」 情報通信研究機構 未来 ICT 研究所 「新たなフェーズに入りつつあるテラヘルツ技術とその展望」 大阪大学大学院基礎工学研究科 永妻 忠夫 教授 「ナノフォトデバイスにむけたシリコンフォトニクス技術」 横浜国立大学工学研究院 馬場 俊彦 教授 「シリコンフォトニクスの産業化にむけて:海外および日本の施策」 東京大学大学院工学系研究科 和田 一実 教授 「半導体レーザ50周年に際して」 東京工業大学 「電子ペーパーのゆくえ」 九州大学大学院 「映像ディスプレイのゆくえ―脳内で知覚する映像―」 (株)東芝 「More-Than-Moore 技術と 3 次元集積化」 東北大学 「ギガビッドミリ波通信を実現するアナログ・RF-CMOS 集積回路技術」 東京工業大学 「高精細映像時代に向けた超低消費電力光パスネットワーク技術」 産業技術総合研究所 柏 達也 教授 桜井 貴康 教授 寳迫 巌 様 末松 安晴 栄誉教授 服部 励治 教授 奥村 治彦 様 小柳 光正 教授 松澤 昭 教授 石川 浩 様 ※技術研究報告の閲覧とコンテンツ配信はエレソホームページ(http://www.ieice.org/es/jpn/)からログインできます。 電子情報通信学会ソサイエティ共通の会員サービス ●会員価格で大会での発表 ●論文の投稿 (和文誌、英文誌、ELEX) ●書籍の割引購入(原則定価の2割引) ●会員専用メール無料転送サービス(ウイルスチェック後転送、2箇所まで転送可能) ●他学会(※)との入会金相互免除(正員) (※:電気学会・照明学会・映像情報メディア学会・情報処理学会・IEEE・大韓電子工学会) ※詳しくは http://www.ieice.org/jpn/nyukai/susume.html を御覧ください。 22 ◆エレクトロニクスソサイエティ会員数の推移 エレクロトニクスソサイエティの現状を会員の皆様にご理解頂くため、エレクトロニクスソサイエティ登録会員数の 推移を掲載しております。皆様の会員増強活動へのご協力をお願い致します。 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 4月 7月 名誉員 正員 (国内) (海外*) 学生員 (国内) (海外*) 合計 44 6,421 (6,155) (266) 563 (502) (61) 7,028 42 6,438 (6,156) (282) 645 (574) (71) 7,125 10月 1月 42 40 6,471 6,410 (6,171) (6,104) (300) (306) 805 860 (717) (757) (88) (103) 7,318 7,310 4月 7月 40 42 6,591 6,619 (6,243) (6,240) (348) (379) 543 723 (462) (620) (81) (103) 7,174 7,384 10月 1月 2月 42 42 42 6,629 6,588 6,576 (6,238) (6,174) (6,155) (391) (414) (421) 857 951 1,021 (740) (801) (863) (117) (150) (158) 7,528 7,581 7,639 3月 4月 42 42 6,055 6,371 (5,683) (5,946) (372) (425) 967 657 (803) (531) (164) (126) 7,064 7,070 5月 6月 7月 42 45 45 6,367 6,380 6,377 (5,934) (5,935) (5,927) (433) (445) (450) 683 708 745 (549) (571) (605) (134) (137) (140) 7,092 7,133 7,167 8月 9月 45 44 6,334 6,287 (5,875) (5,822) (459) (465) 827 858 (683) (707) (144) (151) 7,206 7,189 10月 11月 42 43 6,261 6,340 (5,796) (5,874) (465) (466) 867 884 (713) (726) (154) (158) 7,170 7,267 12月 1月 2月 43 43 43 6,337 6,332 6,329 (5,865) (5,857) (5,844) (472) (475) (485) 895 923 974 (732) (755) (802) (163) (168) (172) 7,275 7,298 7,346 3月 4月 43 43 5,862 6,221 (5,436) (5,700) (426) (521) 893 514 (720) (432) (173) (82) 6,798 6,778 5月 6月 7月 43 44 43 6,215 6,217 6,226 (5,687) (5,685) (5,689) (528) (532) (537) 546 574 614 (461) (484) (521) (85) (90) (93) 6,804 6,835 6,883 8月 9月 43 42 6,235 6,235 (5,691) (5,687) (544) (548) 696 730 (521) (617) (102) (113) 6,974 7,007 10月 11月 42 42 6,232 6,243 (5,678) (5,683) (554) (560) 746 761 (627) (635) (119) (126) 7,020 7,046 12月 1月 2月 42 42 42 6,218 6,191 6,191 (5,656) (5,620) (5,618) (562) (571) (573) 768 783 839 (633) (642) (667) (135) (141) (172) 7,028 7,016 7,072 3月 4月 42 42 5,707 6,004 (5,238) (5,482) (469) (522) 788 473 (642) (369) (146) (104) 6,537 6,519 5月 6月 44 44 5,989 6,005 (5,456) (5,456) (533) (549) 501 521 (388) (399) (113) (122) 6,534 6,570 7月 8月 9月 44 44 44 6,013 6,015 6,021 (5,459) (5,450) (5,448) (554) (565) (573) 580 654 681 (447) (513) (537) (133) (141) (144) 6,637 6,713 6,746 10月 11月 41 40 6,026 6,022 (5,443) (5,432) (583) (590) 700 720 (545) (559) (155) (161) 6,767 6,782 12月 40 5,986 (5,390) (596) 732 (562) (170) 6,758 1月 40 5,985 (5,377) (608) 752 (566) (186) 6,777 * 海外:「外国籍を有しかつ海外に在住する」会員 23 ◆エレソ Newsletter 研究室紹介記事募集 研究室紹介記事を募集します。【短信】研究室紹介のコーナーでは、一般公募による研究室紹介も行っています。研 究紹介の機会として奮って応募下さい。 *応募方法: タイトル、研究室名、連絡先(e-mail)を下記応募先までご連絡下さい。 応募多数の場合は選考の上、編集担当より、フォーマット書類一式をお送り致します。 *応募先: エレソ事務局([email protected])TEL:03-3433-6691 これまでの記事例は、エレソニュースレターのページ(http://www.ieice.org/es/jpn/newsletters/)にありますので、ご参 考願います。 ◆ 魅力的な紙面づくりにご協力下さい 本Newsletter は、会長、副会長からの巻頭言や論文誌編集委員長、研究専門委員会委員長からの寄稿を中心に、年 4 回発行させていただいております。2011年7月号より、Newsletterをリニューアルし、2014年7月号からは完全電 子化する予定です。今後、さらに魅力的な紙面づくりを進めるため、エレクトロニクスソサイエティでは、会員の 皆様から企画のご提案やご意見を募集しております。電子情報通信学会エレクトロニクスソサイエティ事務局宛(詳 細は http://www.ieice.org/es/jpn/secretariat/)にご連絡をお願いいたします。 ◆ エレソ News Letter は年 4 回発行します。次号は 2014 年 7 月発行予定です。 編集担当:松崎(企画広報幹事)、西川(編集出版幹事)、植之原(技術渉外幹事) [編集後記] 今号にて、私並びに西川先生(編集出版幹事)、植之原先生(技術渉外幹事)による編集が最後となりました。この一年 間 Newsletter への記事をご執筆いただきました関係者の皆様に感謝申し上げます。また次号より Newsletter は完全電子 化されます。紙媒体での発行は今号で最後になりますが、電子媒体化することでこれまで以上にタイムリーな話題を提供 することができると思います。今後もご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。(松崎) 24 平成 25 年度エレクトロニクスソサイエティ運営委員 (2014 年 3 月現在) ソサイエティ会長(理事) 次期ソサイエティ会長(理事) 総務幹事 総務幹事 榎木 中野 武藤 萬 孝知 義昭 伸一郎 伸一 (NTT エレクトロニクス) (東京大学) (NTT) (NEC) 企画会議 ソサイエティ副会長(企画広報財務担当) 財務幹事 財務幹事 企画広報幹事 企画広報幹事 アドホック幹事(ハンドブック) アドホック幹事(Web ページ企画委員) アドホック幹事(I-Scover プロジェクト) アドホック幹事(I-Scover プロジェクト) アドホック幹事(I-Scover プロジェクト) アドホック幹事(I-Scover プロジェクト) 米田 尚史 西山 伸彦 津田 邦男 松崎 秀昭 佐川 みすず 小山 二三夫 高橋 浩 内山 博幸 塩見 英久 神 好人 山田 浩 (三菱電機) (東京工業大学) (東芝) (NTT) (日立) (東京工業大学) (上智大学) (日立) (大阪大学) (NTT) (東芝) 編集出版会議 ソサイエティ副会長(編集出版担当) 庶務・財務幹事 庶務・財務幹事 編集出版幹事 編集出版幹事 編集出版連絡委員 和文論文誌編集委員長 和文論文誌編集幹事 英文論文誌編集委員長 英文論文誌編集幹事 ELEX 編集委員長 ELEX 編集幹事 廣瀬 明 塩見 英久 藤井 孝治 西川 健二郎 加屋野 博幸 前澤 正明 津田 裕之 加藤 和利 石井 啓之 茂庭 昌弘 井筒 雅之 宮本 智之 (東京大学) (大阪大学) (NTT) (鹿児島大学) (東芝) (産業技術総合研究所) (慶應義塾大学) (九州大学) (NTT) (東北大学) (東京工業大学) (東京工業大学) 研究技術会議 ソサイエティ副会長(研究技術担当) 庶務・財務幹事 庶務・財務幹事 技術渉外幹事 技術渉外幹事 大会運営委員長 大会運営幹事 矢加部 檜枝 神 三田 植之原 山崎 長谷川 利幸 護重 好人 吉郎 裕行 恒樹 誠 (電気通信大学) (三菱電機) (NTT) (東京大学) (東京工業大学) (日本大学) (千歳科学技術大学) 研究専門委員会(第一種) 機構デバイス 磁気記録・情報ストレージ 超伝導エレクトロニクス 電子ディスプレイ 電子デバイス 電子部品・材料 電磁界理論 シリコン材料・デバイス マイクロ波 集積回路 有機エレクトロニクス 光エレクトロニクス レ-ザ・量子エレクトロニクス エレクトロニクスシミュレーション マイクロ波・ミリ波フォトニクス 長谷川 誠 杉田 龍二 円福 敬二 木村 睦 原 直紀 高野 泰 白井 宏 奈良 安雄 黒木 太司 山村 毅 加藤 景三 山田 博仁 松尾 慎治 柴田 随道 岩月 勝美 (千歳科学技術大学) (茨城大学) (九州大学) (龍谷大学) (富士通研究所) (静岡大学) (中央大学) 時限研究専門委員会 集積光デバイスと応用技術 超高速光エレクトロニクス 量子情報技術時限 テラヘルツ応用システム 次世代ナノ技術に関する ポリマー光回路 シリコン・フォトニクス 粕川 三沢 枝松 久々津 小森 杉原 西山 秋彦 和彦 圭一 直哉 和弘 興浩 伸彦 (古河電気工業) (東京農工大学) (東北大学) (ATR) (産業技術総合研究所) (東北大学) (東京工業大学) 国際会議国内委員会 APMC 国内委員会 MWP 国内委員会 日中合同マイクロ波国際会議国内委員会 PIERS 国内委員会 URSI 日本国内委員会 常信 塚本 古神 山崎 小林 和清 勝俊 義則 恒樹 一哉 (富士通研究所) (大阪工業大学) (宇都宮大学) (日本大学) (中央大学) (呉工業高等専門学校) (富士通研究所) (新潟大学) (東北大学) (NTT) (NTT) (東北大学) 25