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バングラデシュにおける先行事例
“HERproject” 栄養改善プログラム バングラデシュにおけるパイロット事例 栄養改善事業推進プラットフォーム発足記念セミナー 2016年9月21日 東京事務所 ディレクター [email protected] 永井 朝子 HERproject ミッション 職場での健康研修プログラムを通じて、女性の健康への アクセスや、健康知識の向上を目指す “HERproject”実績(2007年開始) 14 国・地域 285,000 バングラデシュ、カンボジア、中国、インド、 インドネシア、ベトナム、ミャンマー、パキスタン、 エチオピア、ケニア、エジプト、メキシコ、 ブラジル、ハイチ 人数 200 工場 & 20 農場 3 企業パートナー(職場プログラム導入) 政府、財団、NGOパートナー(助成金、導入支援) 4 バングラデシュの工場における栄養プログラム 5 縫製工場で働く女性労働者の栄養状況の改善を目指す バングラデッシュの栄養プログラム なぜ栄養改善が必要なのか? • 縫製工場で働く約85%の女性労働者が妊娠・出産 できる年齢期であり、栄養に関連する母子健康問 題への関心が高い。 • 37% から 52%が貧血状態である。 • 栄養に対する知識が乏しい。貧血を改善するため の栄養知識がない。よって子供も同様に栄養不足 状態になる可能性が高い。 6 導入状況 パイロットフェーズ(2015年~) 4 工場がパイロットプログラムを導入 スケールアップフェーズ(2016年~) 20 工場がスケールアッププログラムを 導入予定 導入企業(例) パートナーシップモデル 資金援助 導入パートナー 評価パートナー 協力パートナー 栄養強化食材メーカー 1. 研修を通じた行動変革(behavior change)の促し トレーニングを通じた女性労働者や子供の健康や、健康的な食事知識を学んでいく 衛生 性的感染症や、 HIVの予防 健康的な食事 母子健康と 家族計画 乳幼児や子供の 食事 重大な疾病 8 2. 食事、栄養介入 工場の設備に合わせて食事や栄養の介入を行って行く。 • • 鉄分と葉酸の 栄養添加された 提供される食事 錠剤摂取 食事の提供 メニューの改善 すべての受講者に鉄分と 葉酸錠剤を一週間に最低 一錠剤提供 妊娠期、もしくは授乳期 の受講者にて毎日摂取で きる量の葉酸、鉄分錠剤 を提供 • • 食事を提供できる工場に は栄養添加米を導入 ビタミンAを添加した油 分の使用とヨウ素添加塩 を使用 • • 既存のランチメニュー内 容のレビューと評価 メニュー内容の改善提案 9 3. インパクトの測定(M&E) 健康状態と行動への変化を中心に、プログラムによる影響をモニター • パイロットプログラムでは、以下の点についてモニ ターしている。 − 女性労働者の貧血レベル(ヘモグロビン値) − 行動への変化 食事 (米、レンティル、動物性たんぱく質)からの摂取値 鉄分・葉酸錠剤の摂取 (錠剤の摂取、錠剤摂取の知識、副作 用) − 生産性(欠勤率、病欠、職場効率性) − 栄養に関する知識の変化 − 食事メニューの変化 • スケール・アッププログラムでは、以下の点を追加してモニ ターしている。 − 労働者の栄養に関する知識と行動の変化 − 工場側の栄養改善に対する投資への理解 10 期待されるインパクト 工場にとってのメリット 生産性の向上 女性労働者にとってのメリット 貧血症状の減少 欠勤率の低下 健康の向上 栄養と健康への投資に対する リターン 家族の栄養状況の改善 11 課題 • 生産スケジュールと出荷へのプレッシャーが研修の時間に 影響し、栄養研修の内容への理解に影響する。 • 1万人以上の労働者を抱える大規模工場では、工場長が栄養 に対しての投資への抵抗がある場合がある。 • 工場側は、栄養研修や食事メニューの改善を提供しても、 労働者から感謝されないのでは、との懸念を持っている。 • 工場側が生産性などM&Eに関連するデータの提供に抵抗 がある場合がある。 今後の改善 • 研修の進捗について月次報告で工場側と状況を共有し、工場側とのコミュニケーションを密接にとって いく。 • 食事介入の選択肢について、事前アセスメントを行うことにより、従業員側が従業員の意見を聞きなが ら食事メニューの改善をおこなっていくことをわかるようにする。 • 生産性の向上、といったビジネスへのメリットを共有することにより、工場側のインセンティブを高め る。 12