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琵琶湖におけるアオコ藻体中のミクロシスチン分析結果

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琵琶湖におけるアオコ藻体中のミクロシスチン分析結果
 .琵琶湖水質調査
琵琶湖におけるアオコ藻体中のミクロシスチン分析結果
中村忠貴・津田泰三・一瀬諭・若林徹哉・原良平
要 約
20
03年9月∼10月にかけて琵琶湖で発生したアオコ藻体に含まれるミクロシスチンRR,YR,
LRを、
LC
MS法を用いて分析を行った。その結果、
各ミクロシスチンの含有量は最大でRR 8
2
6μg
g
dry,YR 1
74
μg
g
dry,LR 506μg
g
dry,またTo
t
a
lでの最大では1
2
4
2μg
g
dryで、他の国内の湖沼並であり、
RR,LR,YRの割合も平均で53%,10%,3
7%で他の国内湖沼と同程度の割合であった。また、ミクロ
シスチン含有量はアオコの発生初期の段階で多くなる傾向がみられた。その中でもミクロキスティス属
の多い検体でミクロシスチン含有量がより多くなる傾向が見られた。オシラトリアカワムラエの優占時
期では、発生初期でミクロキスティス属が36
0
0群体
È・
7
2
0
0群体
Èと多く混在している2検体(To
t
a
l 34μg
g
dry,2
29μg
g
dry)を除いた1
0検体でミクロシスチンTo
t
a
l含有量が1
5μg
g
dry以下であ
ることから、オシラトリアカワムラエがミクロシスチンを産生したとしてもその量は少ないものと考え
られた。
1.はじめに
藻類は、ミクロキスティス属のエルギノーサ、ビ
湖沼の富栄養化に伴い、藍藻類の異常繁殖いわ
リディス、イクチオブラーベ、ベーゼンベルギー、
ゆるアオコが各地で発生している。アオコはカビ
アナベナ属のフロスアクア、オシラトリア属のア
臭や浄水施設のろ過障害などの原因となり、さら
ガルディ、テヌイなどがある(Carmi
chae
l,
19
92)
にミクロシスチン(肝臓毒)に代表される藍藻毒
が、エルギノーサでも株によって毒素を産生する
を産生するものもあり、アオコの発生抑制および
ものとしないものがあることが知られており(彼
アオコ毒素の生成・分解メカニズムの解明が重要
谷,1
9
9
5)
、更に、琵琶湖で頻繁に出現するオシラ
な課題となっている。
トリアカワムラエ等についてはミクロシスチンの
琵琶湖でも198
3年度以降19
84年を除いて、藍藻
有無は不明である(山下ら,2
0
0
3)
。
類によるアオコ(水の華)が毎年確認されており、 よって、琵琶湖へのアオコによる影響を調査す
2
003年度から200
4年度にかけても、南湖を中心に
る上では、実際に琵琶湖で発生する個々のアオコ
複数の種類(ミクロキスティス、アナベナ、オシ
が持つ毒素産生の潜在性を調査することが重要で
ラトリア等)によるアオコが確認される状況であ
あり、本研究はそれに資することを目的として、
り、アオコやアオコの毒素が環境に与える影響に
実際に2
0
0
3年度に琵琶湖で発生したアオコの藻体
ついての調査はますます重要性を増している(滋
中の各ミクロシスチン量を測定し、
アオコ優占種・
賀県,200
4)。
発生時期・発生場所・水温・発生規模との関係に
ミクロシスチンを産生すると報告されている藍
ついて考察を行った。
1
07
ミ ク ロ シ ス チ ン の 分 析 方 法 に つ い て は、
雑物によるピークの重なりは殆ど確認されなかっ
HPLC法(日本薬学会,1997
;上水試験法,2
0
0
1)
、
た(図2)
。また、高濃度サンプルで、マトリッ
LC
MS法(梅谷ら,1
99
6;上水試験法,2
0
0
1)
、
クスによるイオン化比への影響により定量ピーク
ELISA法(Naga
t
a e
t a
l.,199
5;山下ら,2
0
0
3)
が高くなる傾向があったが、適切な希釈倍率で定
等が主に用いられているが、アオコから主に産生
量ピークと確認ピークの比率が標準試料とほぼ等
されるミクロシスチンRR,YR,LRはそれぞれ毒
しくなったことから、希釈によりマトリックスに
性が異なり(彼谷,1
995)、特に毒性の高いLRの
よる影響が大幅に低減されたと考えられる(中村
割合が問題となるため、毒性の異なるミクロシス
ら,2
0
0
4)
。
チンRR,YR,LRを個々に分析できることが重要
である。本研究では、ミクロシスチンRR,YR,
3.調査結果
LRを個々に分析でき、感度も高く、夾雑物の影響
2
0
0
3年度は9
1∼1
0
2
7にかけてアオコが発生
も低いLC
MS法を用いて分析を行った。
した。発生場所は北湖では長浜港、南湖では雄琴、
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2.調査方法
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滋賀県でアオコ発生時期に毎年実施されている
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水の華監視体制(アオコパトロール)で、20
0
3年
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度に発見・採取され、表1の方法で群体数を計測
したアオコ藻体を含む水約1
00Èを凍結乾燥して
保存し、その0.
0
5
0gを秤量して5%(v
v)酢酸
水溶液中で15分間超音波ホモジナイズしてアオコ
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藻体中のミクロシスチンを抽出した。
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以降、中村ら(20
04)の分析方法を基に図1の
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分析フローおよび分析条件に従って固相抽出を行
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い、LC
MSによりミクロシスチンRR,YR,LR含
有量を分析した。
この分析方法によるミクロシスチンRR,YR,
LR標準試料の定量限界は0.
05Ê
Î、検出限界は
0.0
2Ê
Îであった(n=5)。
また、
0.
05Ê
Îのミクロシスチン標準試料1È(図
1のフローではアオコ乾 燥 藻 体 中 濃 度 1 μg
g
図1 アオコ藻体中のミクロシスチン分析フロー
dryに相当)を5%(v
v)酢酸100Èに添加し、
図1のフローで添加回収実験を行ったところ、
8
2%から98%と良好な回収率を得られた(n=5)
。
LC
MS法では実サンプルの標準ピークには夾
表1 アオコの計数方法
⒳‫ޓޓޓޓޓ‬ฬ
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1
0
8
㐳ߐOO
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図2 LC
MSでの各ミクロシスチンピーク
際川、浜大津、文化館、膳所公園、赤野井であっ
具体的には、9月上旬では、長浜港と北際川で
た(表2,図3,図4,図5)。
共に出始めの9月1日、9月3日が高く、その後
アオコの発生時期は9月上旬、9月中旬、10月
は低く推移しており、9月中旬では出始めの9月
中旬の3期に分けられ、アオコの優占種について
1
2日で大津港、文化館と赤野井では低いものの、
は、9月上旬はミクロキスティス属(エルギノー
膳所公園と北際川で9月中旬としては高い値が測
サ、ベーゼンベルギー、ノバセッキ)が主な優占
定され、その後はどの場所も低く推移しており、
種であったが、9月中旬ではオシラトリアカワム
1
0月中旬では出始めの1
0月9日で文化館・大津港
ラエが主な優占種となり、10月中旬ではアナベナ
とともに高い含有量であった。ただしこの文化館
スピロイデス バークラッサが主な優占種となり、 については、翌日の1
0月10日まで高い値が継続し
各発生時期毎に主な優占種が変化した。
ていた。
ミクロシスチン含有量はアオコ藻体の乾燥重量あ
更に、発生初期の段階の検体を詳細に見ると、
たり最大でRR 82
6μg
g
dry、
YR 174μg
g
dry、
同じ派生初期段階でも、ミクロキスティス属の群
LR 50
6μg
g
dry、To
t
a
lでの最大では12
5
3μg
体数
Èが多い程ミクロシスチンの量が多い傾向
g
dryで、1
994年のアオコ大量発生時に北湖で初
が見られた。
めて観測され、ミクロシスチンが測定された長浜港の
具体的には、ミクロシスチンTo
t
a
l含有量が5
00
アオコの結果より全体的に少なく(RR1250g
g
dry,
μg
g
dry以上の検体は4検体(10月1
0日の文化
YR 10
0μg
g
dry未満,LR 7
70μg
g
dry)、他
館含む)あったが、これらはミクロキスティス属
の国内の湖沼の最大値(諏訪湖(1
98
0∼19
9
1)
:
が3
5
0
0∼12
0
0
0群体
È計数された。
2
124μg
g
dry、霞ヶ浦(199
0):952μg
g
dry、
一方9月3日の北際川はやや低く
(5
3μg
g
dry)
、
日 本 の 4 湖 沼(1
989∼9
1):1125μg
g
dry)
1
2日の大津港・文化館・赤野井では少量しかミクロ
(Chr
i
s
to
f
f
ersen,19
96)と同程度であった。
シスチンが測定されていない
(1
5、
1、
4μg
g
dry)
RR,LR,YRの割合は平均で53%,10%,3
7%
が、これらはミクロキスティス属がそれぞれ7
80、
で、他の国内湖沼に近い割合であった。(RR5
3%, 2
4
0、90、8
0群体
Èであった。同じ12日でもミク
YR14%,LR29%,その他のミクロシスチン4%)
(彼谷,1995)
ロキスティス属が3
6
0
0、
7
6
0
0群体
Èと多い膳所公
園と北際川は3
3、22
9μg
g
dryであった。
また、各アオコ発生時期の発生初期の段階でミ
また、この9月1
2日の2検体が他の発生初期の
クロシスチンが多く測定される傾向がみられた。
ミクロキスティス3
5
0
0群体
È以上の検体に比べ
表2 2003年度アオコ藻体中(乾燥重量中)のミクロシスチン分析結果
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1
09
てミクロシスチン含有量が低いのは、次のような
ていることと、アナベナの群体数
Èとミクロシス
理由が考えられる。
チン含有量に明確な相関関係が見られないことか
9月中旬のオシラトリアカワムラエの優占時期
ら、どの程度ミクロシスチンを産生しているかは
では、発生初期かつミクロキスティス属が36
0
0群
不明であった。
体
È・7
600
È群体と多く混在しているこの2検
ミクロキスティス属の各種別ごとでは、2
00
3年
体を除いた10検体では発生初期か否かを問わずミ
度では、ミクロキスティスエルギノーサ、ノバセ
クロシスチンTota
l含有量が1
5μg
g
dry以下で
ッキ、ベーゼンベルギーが全期間を通じて混在し
ある。これより、この時期オシラトリアカワムラ
て発生しており、またミクロキスティスイクチオ
エがミクロシスチンを産生する量は、あったとし
ブラーベも割合が若干低いもののほぼ全時期で発
ても少ないものと考えられ、さらにオシラトリア
生が確認され、ミクロキスティスビリディスは全
カワムラエの細胞の体積・質量が他のアオコに対
時期を通じて殆ど発生していなかった。
(図6)
して非常に大きく、検体の総質量に占めるオシラ
このように、どれか一つが優占になることもな
トリアの割合も大きい物となるので、当の2検体
く、全期間で複数種が混在している状況のため、
も総質量中のミクロシスチン含有量としては他の
特定の種別毎のミクロシスチンへの産生量の違い
発生初期のミクロキスティス3
500群体
È以上の
は不明であった。
検体に比べて、ミクロシスチン含有量が低くなっ
また、水温および発生規模とミクロシスチン含
たものと考えられる。
有量は特に相関は見られなかった。
アナベナスピロイデスバークラッサについては、
1
0月上旬で2
000
0∼800
0
0群体
Èと大量に発生し
4.まとめ
たが、同時期にミクロキスティス属が大量発生し
∏ 2
0
0
3年度に発生したアオコ藻体中のミクロシ
図3 アオコ発生場所・優占種とミクロシスチン含有量の結果(2003年9月上旬)
1
1
0
図4 アオコ発生場所・優占種とミクロシスチン含有量の結果(2003年9月中旬)
図5 アオコ発生場所・優占種とミクロシスチン含有量の結果(2003年10月)
1
11
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図6 ミクロキスティス属中の種別組成(2
003年)
スチンRR,YR,LRの分析を行ったところ、
To
t
a
lの最大含有量およびRR,YR,LRの平均
割合は全国の他の湖沼と同程度であった。
π アオコ発生の初期段階でミクロシスチン含有
量が多くなる傾向が見られた。
∫ πの中でもミクロキスティス属の多い検体で
(7)
水温および発生規模とミクロシスチン含有量
は特に相関は見られなかった。
今後の展望、課題としては
1.分析法の改良
(マトリクス効果の更なる低減)
2.モニタリングの充実
ミクロシスチン含有量がより多くなる傾向が見
3.湖水中のミクロシスチンの測定
られた。
4.株毎のミクロシスチン毒素産生の解析
ª オシラトリアカワムラエの優占時期では、発
生初期でミクロキスティス属が36
00群体
È・
5.毒素産生遺伝子との関係の調査
などが挙げられる。
7
200群 体
Èと多く混在している2検体
引用文献
(To
t
a
l 34μ
g
g
dry,229μ
g
g
dry)を除いた
10検体でミクロシスチンTota
l含有量が1
5μ
g
滋賀県(2
0
04):滋賀県環境白書2
0
04年版.
g
dry以下であることから、オシラトリアカワ
1
99
2
ムラエがミクロシスチンを産生したとしてもそ
の量は少ないものと考えられた。
º アナベナスピロイデスバークラッサがどの程
度ミクロシスチンを産生しているかは不明であ
った。
Ω ミクロキスティス属中の種別毎によるミクロ
シスチン産生量の差は不明であった。
1
1
2
72
44
5
4
59
彼谷邦光(1
9
95):環境の中の毒−アオコの毒とダイオキ
シン−,3
2−44,裳華房.
山下尚之,松田知成,清水芳久,松井三郎(2
0
0
3):土木
学会論文集,7
48,3
3−42.
日本薬学会(19
9
7):日本薬学会第11
7回年会公衆衛生協
議会資料,2
7−31.
(社)日本水道協会(2
00
1):上水試験法2
00
1年度版,50
1
−5
05.
梅谷友康,森實圭二(1
9
96)
:水道協会雑誌,7
42,2
6−
3
3.
中村忠貴,津田泰三,一瀬諭,若林徹哉,加賀爪敏明
(20
04)
:滋賀県立衛生環境センター所報,3
9,1
33−
1
3
5.
35
4
2
50
1
996
3
7
8
1
9
95
1
13
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