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南海トラフ巨大地震の被害軽減に向けた対策 行動指針(概要版)

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南海トラフ巨大地震の被害軽減に向けた対策 行動指針(概要版)
南海トラフ巨大地震の被害軽減に向けた対策
行動指針(概要版)
1.南海トラフ巨大地震から生命と財産を守るため、事前の対策を進める
2.南海トラフ巨大地震発生後の迅速な応急・復旧・復興を行うため、事前の対策を進める
3.南海トラフの巨大地震に備えるため、自助・共助・公助のネットワークづくりを進める
(平成26年8月作成)
南海トラフ巨大地震の被害軽減に向けた対策行動指針(概要)
須崎市における防災対策は、自助・共助・公助の連携を柱として、市民の生命と財産を守ることを基本
に災害に強いまちづくりの取り組みを進めています。
2011年3月11日に起こった東日本大震災以後は、これまでの南海地震対策の抜本的な見直しと新たな想
定を踏まえ、須崎市南海地震津波対策検討会において、その方策と方向性をまとめてきました。
この間、国や県では南海トラフ地震からの被害を軽減する対策も示され、地域の実情に応じて、備える
べき対策を着実に進めているところであります。
主なソフト対策
○地震・防災課の設置
○地域防災連絡協議会及び災害時要援護者避難支援連絡協議会の設置
○津波緊急避難場所基準の見直し、緊急避難場所・避難所の選定及び指定
○地区別津波避難計画の策定
○災害対策本部組織計画及び地震津波初動体制マニュアルの作成
○南海トラフ巨大地震の被害軽減に向けた対策行動指針の策定
南海トラフ巨大地震の被害軽減に向けた対策行動指針の趣旨
平成25年3月に中央防災会議が公表した「南海トラフ巨大地震の被害想定(第二次報告)」及び同年
5月に高知県が公表した「〔高知県版〕南海トラフ巨大地震による被害想定」を踏まえ、最大クラスの地
震津波と発生頻度の高い一定程度の地震津波への予防対策、発生後の応急・復旧・復興対策において、事
前に備えるべき対策を設定し、計画的に防災・減災対策を進めていくべき3つの指針をまとめました。
南海トラフ巨大地震対策を進めるための基本方針・計画
須崎市地域防災計画(地震・津波災害対策編)を基本に、国・県の南海トラフ巨大地震の発生に伴う、
人的・物的被害の想定を踏まえ、これまでの防災対策において継続的に実施する対策、中長期的に実施す
べき対策、新たに実施しなければならない対策など、国、県はもとより関係機関との連携と役割分担によ
り、ハード・ソフトの両面で実施する71項目と125の具体策をまとめ、向こう10年間で取り組みを
促進するものであります。
行動指針は、事前の予防、事前の対策、自助・共助・公助のネットワークに関する3つの指針により、施
策・対策を掲げて、具体的に実施する項目と具対策ごとに所管を定めています。(次頁の体系図)
また、計画性を高めるために計画期間を設定し、実施から達成までのプロセスを管理するとともに、対
策の実施効果を検証しながら行動を進めていきます。
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1.南海トラフ巨大地震から生命と財産を守るため、事前の対策を進める
(1)地震の揺れ予防
①建築物の耐震化対策
地震時に倒壊等の危険性が高いとされる昭和56年5月以前に建てられた建築物の倒壊等による人的被害を軽減
するため、計画的に耐震改修工事を進めていきます。
木造住宅の耐震補強
校舎の耐震補強
②地震後の土砂災害対策
南海トラフを震源とする地震はいずれも降雨の少ない冬期に発生しており、降雨の多い時期に発生すれば、大規
模な土砂災害が懸念されることから土砂災害を防止するハード・ソフト対策を進めます。
土砂災害警戒区域の周知・啓発
③室内の安全対策
家具の転倒やガラスの飛散等の防止対策について啓発・情報提供を強化するとともに、災害時要配慮者の属する
世帯を対象とした家具転倒予防金具等取り付け事業を継続的に実施するなど、室内における安全対策を推進します。
食器棚の転倒防止
啓発冊子・チラシの配布
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④屋外の安全対策
屋外広告物の破損・落下による被害や重油タンクの転倒による重油の流出やそれによる火災などを軽減するため
の安全対策を進めます。
ガラスの飛散対策
流出防止装置付タンクの整備
(2)津波からの被害予防
①津波からの避難対策
津波からの緊急避難場所と避難経路の整備を継続的に実施しながらハード対策とともに、避難訓練等のソフト対
策を集中的に推進します。
避難経路の整備
避難誘導灯の設置
高台への避難訓練
津波避難ビルへの避難訓練
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②多重防御と漂流物対策
津波による人的・物的被害を軽減するためには、避難のためのリードタイムを長くする防波堤・防潮堤と浸水
による被害などを軽減するための漂流物防護施設の整備を推進します。
津波バリア
津波水門
③長期避難と高台対策
津波で家屋等が流失し、避難の長期化が想定されることから、出来るだけ早く日常生活が営めるよう、災害時
の高台既存施設の有効活用について、検討を進めます。
避難施設の確保
高台で津波被害を逃れた住宅
(3)地震・津波による火災予防
①火災による被害防止対策
津波で漂流した車両等の発火により火災が発生し、被害を拡大させてことを踏まえ、初期消火の重要性等につい
て啓発を行うとともに、消防水利の整備を進めます。
津波による漂流車両
地震による火災
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2.南海トラフ巨大地震発生後の迅速な応急・復旧・復興を行うため、事前の対策を進める
(1)応急活動
①災害情報の収集・伝達対策
南海トラフ巨大地震発生時において混乱なく情報の収集や伝達ができるよう、体制づくりを進めます。
防災行政無線
避難所
医療機関など
戸別受信機
災害情報伝達システム
ライブカメラによる情報収集
ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の活用
②災害救助・救護対策
地震津波発生時には道路の寸断により救援物資の到着が遅れる事が考えられるので、備蓄対策や救援のための体
制づくりを進めます。
防災拠点倉庫の設置
救援物資の備蓄対策
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災害用浄水器の設置
災害時応援協定の締結
家庭用備蓄の啓発
③医療救護対策
地震発生時には、負傷者が多数発生し、緊急医療を必要とする負傷者等を優先するなど、限られた医療資源の中
で効率よく運用できる医療救護活動の体制づくりと医療機関における防災対策を進めます。
医療資機材の整備
応急医療の体制整備
④緊急輸送対策
地震発生後は、道路の遮断や渋滞、港の岸壁の被害などが発生し、救助活動や救援物資の輸送に支障が生じるこ
とから緊急輸送が確保できる対策を進めます。
漂流物による道路の遮断
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地盤沈降により満潮時に冠水する道路
緊急輸送ルートの確保
⑤孤立・長期浸水対策
津波や土砂災害によって孤立・長期浸水する地域が出ることも考えられることから人的・物的な被害を拡大させ
るとともに、復旧・復興までに長い時間を要し、住民生活や経済活動にも大きな影響を与えることが予想されるこ
とから孤立や長期浸水に迅速に対応できるよう発生時における課題の整理や対応方法などの検討を進めます。
被災後の長期浸水
井戸水の調査
ヘリによる救助訓練
連絡体制の整備
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(2)復旧活動
①迅速な復旧対策
南海トラフ巨大地震の被害から早期に復興するためには、応急活動に続く復旧活動への速やかな移行が重要とな
ります。活用できる物的・人的な資源が限られるため、特に対処すべき業務等が膨大に増える分野において円滑な
業務が行えるよう、体制づくりを進めます。また、ボランティアによる善意の手助けが被災者の心身ともに大きな
力になると考えられます。特に市職員の被災も予想されるなか、市が対応すべき業務を円滑に行うためには、専門
的な知識や技術を有するボランティアの活動が大きな力となる事が考えられますので、ボランティアの活動が円滑
かつ効果的に行われるように体制づくりを進めます。
災害がれき処理計画の作成
仮設住宅建設候補地の選定
災害ボランティア体制の構築
(3)震災復興
①災害に強い復興対策
出来るだけ早く復興に着手できるよう、あらかじめ復興の際の課題や方法などについて検討を進めます。
地籍調査の促進
事前復興ビジョンの検討
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3.南海トラフの巨大地震に備えるため、自助・共助・公助のネットワークづくりを進める
(1)地域防災力の向上
①自主防災組織等の活動対策
地域で互いに支えあう仕組みや体制づくりを進めます。
各公民館に設置してある防災啓発グッズ
自主防災組織リーダー研修会
②災害時要配慮者支援対策
自主防災組織等や支援団体等と連携しながら、災害時要配慮者を支援するためのネットワークづくりや体制づく
りを進めます。
災害時要配慮者の避難誘導訓練
③事業所等の防災対策
事業者等における防災対策や事業継続の取り組みを進めます。
桐間地区事業所における津波避難対策協議
福祉避難所の備蓄対策
JR四国の避難訓練
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(2)防災啓発の強化
①防災教育の推進対策
保育園や小中学校における防災教育や市民への啓発、情報提供を進めます。
保育園の避難訓練
高校生による防災フォーラム
② 人材育成対策
地域や市役所、消防機関において防災活動に従事する人材の育成を図ります。
災害教訓の伝承碑
市職員の防災研修
自主防災組織の学習会
消火訓練の指導
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