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TAISHO Environmental and Social Report 2005 CONTENTS ごあいさつ ………………………………………………………………………………………………………………1 プロフィール 会社概要 …………………………………………………………………………………………………………………2 経営理念/全社行動指針/環境に関する「基本方針/行動指針」 ……………………………………………………3 コーポレート・ガバナンス ………………………………………………………………………………………………4 コンプライアンス …………………………………………………………………………………………………………4 環 境 環境行動目標および実績と今後の取り組み内容 ………………………………………………………………………6 3R (リデュース、 リユース、 リサイクル)への取り組み…………………………………………………………………8 環境会計 …………………………………………………………………………………………………………………12 環境マネジメントシステム ……………………………………………………………………………………………14 ● 環境活動の推進体制 ● 本社組織による環境監査 ● ISO14001の運用状況 ● 環境活動に関する教育・訓練 ● 環境リスクの低減 ● 環境コミュニケーション ● 各種規制への対応 環境負荷・環境活動の全体像 …………………………………………………………………………………………20 地球環境を守るために …………………………………………………………………………………………………21 ● 地球温暖化を防ぐために ● 環境月間における取り組み ● 輸送時の環境負荷を防ぐために ● 環境汚染を防ぐために 循環型社会の構築のために ……………………………………………………………………………………………28 ● 廃棄物を削減するために ● 環境にやさしい商品の購入(グリーン購入) ● 製品の環境対応 各事業所の活動 …………………………………………………………………………………………………………32 海外生産子会社の活動 …………………………………………………………………………………………………37 社 会 社会性への取り組み ……………………………………………………………………………………………………39 信頼性保証の仕組み ……………………………………………………………………………………………………40 ステークホルダーとの関わり …………………………………………………………………………………………46 ● 生活者の皆様 ● 地域住民の方々 ● 取引先の方々 ● 株主・投資家の方々 ● 従業員 企業市民として …………………………………………………………………………………………………………60 ● 生命科学関連への支援 ● 文化活動の振興 ● スポーツ振興活動の支援 ● 自然災害被災者への支援 データ編 …………………………………………………………………………………………………………………68 第三者意見書 ……………………………………………………………………………………………………………72 環境活動の歩み/外部からの評価 ……………………………………………………………………………………73 環境用語の解説 …………………………………………………………………………………………………………74 アンケート用紙 …………………………………………………………………………………………………………75 2004 年版のアンケート結果への対応/環境報告書ガイドラインとの対照表……………………………………76 関連公表資料一覧/作成方針 …………………………………………………………………………………………77 本文中の*印が付いた用語は、環境用語の解説(p.74)に収載されています。 〈本報告書の対象範囲〉 報告対象組織:日本国内の各事業所(一部の活動については、関連会社も対象としています) 本社、 8支店 (札幌、 仙台、 名古屋、 大阪、 金沢、 広島、 四国、 福岡) 、 1営業所 (岡山) 、 3工場 (大宮、 羽生、 岡山) 、 1研究所 (総合研究所) 報告対象分野:環境活動、社会活動 報告対象期間:2004年4月∼2005年3月(2004年度) 本報告書は、環境省の「環境報告書ガイドライン(2003年度版) 」を参考にして作成しています。 TAISHO Environmental and Social Report ごあいさつ プ ロ フ ィ ー ル 2005年2月16日に京都議定書が発効し、地球温暖化防止をはじめとする環境問題への取り組 みが、 ますます重要になってまいりました。 当社は、 「社会から支持される方法で」 「生活者の健康でより豊かな暮らしの実現に貢献する」 と ご あ い さ つ いう企業理念に従って生活者の皆様の生命と健康に関わる事業活動を行い、社会的責任を果た すよう努力しております。 環境活動につきましても経営の最重要課題の一つと位置付け、環境基本方針に「商品の開発、 生産、流通、消費、廃棄までの企業活動全般にわたって環境の保全に配慮し、 クリーンな地球環境 を次世代に引き継ぐ」ことを掲げ、 省エネルギーをはじめとした各分野で対策を推進し、 持続可能な 循環型社会の実現と自然環境との調和を目指した活動を行っております。 具体的には、二酸化炭素排出量の削減、廃棄物の削減などに関し数値目標を掲げ、商品開発 から廃棄までの各段階における課題を抽出し、 その改善に取り組んでおります。2004年度は、羽生 工場に続いて大宮工場が新たにゼロエミッションを達成するなど、廃棄物の削減において成果が得 られました。 また、 環境会計の集計範囲に事務系事業所を加えるなど、 様々な取り組みを行ってまい りました。 本書は生活者の皆様と当社をつなぐコミュニケーションツールの一つでございます。2005年版で は、 ここ数年取り組んでまいりました容器の軽量化や環境に優しい素材への変更などの取り組みの 経緯をまとめるとともに、 新たにデータ編を設けて各項目の推移が分かるようにしました。 また、 4月に 施行された改正薬事法への対応や個人情報保護法への対応などを追加するとともに、 「信頼性保 証の仕組み」 「ステークホルダーとの関わり」 「企業市民としての活動」を取りまとめました。これから も、 当社の活動内容、 関連情報などを幅広く公開してまいります。 本書を通じて当社の環境保全と社会性についての考え方をご理解していただくとともに、忌憚の ないご意見やご助言を賜り、 これからの企業活動に反映させていきたいと考えております。引き続き 一層のご支援とご指導をお願い申し上げます。 2005年9月 大正製薬株式会社 代表取締役社長 1 プ ロ 会社概要 フ ィ ー ル 会 社 概 要 名 称:大正製薬株式会社 創 業:1912年10月 代 表 者:代表取締役社長 上原 明 資 本 金:298億400万円 従業員数:5,339名(連結) <国内事業所> 本 社 支 店:札幌、仙台、名古屋、金沢、大阪、広島、 四国、福岡の8支店 営業所:岡山営業所 工 場:大宮、羽生、岡山の3工場 研究所:総合研究所 ※所在地については、 データ編(p.68)参照。 <連結子会社> 国 内:大正富山医薬品 (株) 、 (株) 大正ビジネス総研、 (株) 大正製薬物流サービス、大正厚生サービス (株)、 他 全9社 海 外:マレーシア大正製薬(株)、インドネシア大正(株)、他 全14社 <持分法適用関連会社> 富山化学工業株式会社、他 全3社 事業内容 セルフメディケーション事業 90年に及ぶノウハウの蓄積と強固なブランド力に より、 多くの方々からご支持をいただいてきた大正 製薬の主力事業です。 人々の健康へのニーズは質的変化の時期を迎 えており、 「生活者が自らの健康管理に高い関心を 持ち、 軽い疾病に対しては過去の自分の経験に基 づき、 市販の薬などで治療にあたる」 というセルフメ ディケーションの考え方もますます高まりを見せてき ました。 こうした世の中の動きに応え、 ブランドのさら なる育成、 強化を推し進めています。医療用医薬品 で使用されていた成分を一般用医薬品へ転用す る「スイッチOTC」を推進しているほか、 安全性と有 効性が科学的に証明された食品に関するトータル ブランド「Livita」 (リビタ:Life Vitality Support) を創出し、 新たなる分野の拡大も進めています。 医療用医薬品事業 国際的に通用する新薬の継続的な創出体制、 国際開発体制の整備と、 国内における営業基盤の 強化を推し進めています。 研究開発面では自社における研究開発に加え、 国内外の企業や研究施設との提携により新薬開発 力の強化を図っています。 ▼医療用医薬品事業の主要製品 ▲セルフメディケーション事業の主要製品 2 TAISHO Environmental and Social Report 経営理念 環境に関する「基本方針/行動指針」 プ ロ フ ィ ー ル 企業としての使命 当社は、環境問題を企業活動の根底にある重 要な課題と捉え、企業活動全般にわたって常に 健康と美を願う生活者が納得する、優れた医 問題意識を持って活動しています。 薬品・健康関連商品、情報及びサービスを、社 「地球温暖化の原因物質である二酸化炭素の 会から支持される方法で創造・提供することに 削減が世界的な課題となっていること」 「廃棄物 より、社会へ貢献する。 の最終埋立処分場が逼迫している日本では廃棄 物削減が大きな課題になっていること」などを踏 当社はこの企業使命に基づいて、経営に関す まえ、企業活動全般にわたって環境マネジメント る基本的な考え方を経営指針・経営判断基準と システムによる自主的な改善活動を行うことが必 してまとめ、それに従って業務を遂行することに 要と考え、環境委員会(p.14参照) における討議 より企業使命の達成を図っています。 を経て、環境に関する 「基本方針/行動指針」を 2001年2月に制定しました。 環境に関する 「基本方針/行動指針」は、経営 理念に基づいて環境活動に関する基本的な考え 全社行動指針 経営理念に基づいて具体的な行動の指針で ある 「全社行動指針」を定め、社員全員に周知し ています。そして、全社一丸となって企業使命達 成に努めています。 1. 私たちは、法令及び社内規則を遵守するとと もに、社会的な良識に基づき行動します。 2. 私たちは、生活者視点に立って、生活者が求 める良質な製品・情報及びサービスを社会 から支持される方法で創り出し、提供するこ とに努めます。 3. 私たちは、会社の資源を大切に管理し、効 果的で効率的な利用をします。 4.私たちは、職務能力を向上・育成することに 努め、それを最大限に発揮できる公平で働 きやすい職場づくりを推進します。 5. 私たちは、常に問題意識を高め、解決すべ き問題が生じた場合は、迅速で公正な対応 を行うことに努めます。 方をまとめたものであり、この考え方に基づいて 経 営 理 念 / 全 社 行 動 指 針 / 環 境 に 関 す る ﹁ 基 本 方 針 / 行 動 指 針 ﹂ 環境活動を推進しています。 <基本方針> 商品の開発、生産、流通、消費、廃棄までの企 業活動全般にわたって環境の保全に配慮し、ク リーンな地球環境を次世代に引き継ぐことに努 めます。 <行動指針> 1.環境に配慮した商品開発、生産、販売、流 通活動を行う。 2.環境関連の法規制を遵守し、さらに自主的な 管理基準を設定し、環境の保全、向上に取 り組む。 3.省エネルギー、省資源を推進する。 4.廃棄物の抑制および再利用、再資源化を推 進する。 5.環境管理システムに基づく管理を行う。 6.地域社会の環境保全活動に誠意を持って参 画するとともに、地域社会の一員としての役 割を果たす。 2001年2月8日制定 3 プ ロ コーポレート・ガバナンス フ ィ ー ル コ ー ポ レ ー ト ・ ガ バ ナ ン ス 生活者の皆様のニーズにマッチした製品ラインの拡充や、国際的に通用するオリジナリティの高い新薬開発を 通じて社会に貢献する上で、当社はコーポレート・ガバナンスを大切な課題の一つとして捉えています。 激しく経営環境が変化する中で経営理念に掲げた社会への貢献を達成するために、 コーポレート・ガバナンス の充実・強化に努め、的確でスピーディな意思決定と経営の透明性の確保により、中長期的な企業価値の向上を 目指しています。 (以下の記述は2005年3月末現在のものです) ガバナンス体制の充実 1999 年度には執行役員制度を導入し、 併せて 取締役数を適正規模とすることにより取締役会が 意思決定・監督機関として一層的確且つ迅速に 機能できるように致しました。現行経営体制は取締 役7名と執行役員7名から構成されております。取 締役会は月1 回の開催が原則ですが、 2004 年度 は臨時取締役会を含めて20回開催されました。 ま た、 取締役会とは別に、 各事業グループ及びスタッ フ部門等の業務執行状況、 課題等に関して執行 役員、 部門長等から取締役、 監査役に対する詳細 監査役 当社は監査役制度を採用しており、 5 名の監査 役(うち社外監査役3名) による経営監視体制を敷 いて、経営の透明性確保に努めております。監査 役は、 監査部、 経理部、 法務部、 コンプライアンス統 括室などの管理部門と連携し監査を遂行しており ます。 な報告会が定例的に開催されております。 なお、 当社のコーポレートガバナンス体制の模式 図は次の通りです。 株主総会 会計監査人 会計監査 監査役会 取締役会 社長 監査役 (社内・社外) 取締役 (社内) 執行役員 業務執行の監査 最重要事項の承認 執行体の監督 業務執行 また、 監査役は取締役会などの重要な会議に出 席しているほか、 重要書類の閲覧、 主要な業務部 門の業務遂行状況の聴取、 工場・支店・子会社へ の会計監査人出張監査の立会い、 監査部の監査 報告会等を定期的に行い、 コンプライアンス、 リスク 管理及び社内規定等の運用状況を確認しており ます。 リスク管理体制 事業活動全般にわたり生じるさまざまなリスクの 内、 各事業グループの事業運営上のリスクについ てはそれぞれの事業グループに設置されている危 機管理委員会において、 また経営戦略上のリスク については代表取締役レベルにおいて対応策が 検討され、 マネジメントされております。 コンプライアンス 生命科学に携わる企業として、法令遵守はもとより高い倫理性を伴った企業活動によって経営理念を達成する ためには、 コンプライアンスへの取り組みが不可欠です。社員全員が正しく理解し、各自の職務において常に実践 4 できるように、全社をあげて取り組んでいます。 TAISHO Environmental and Social Report プ ロ フ ィ ー ル 「大正製薬行動指針」の制定 2001年7月に「大正製薬全社行動指針」を制定し、 この指針に基 づいて各自の業務を行うことを役員・社員自らが宣言し、 日々実践し ています。 2003年2月には、 行動指針をより身近で具体的なものとして理解で きるように、 主要な業務分野ごとに関連の深い事項を集めた「分野行 動指針」を制定しました。 現在、 内容をさらに細分化し、 “自らの業務を取り巻くリスクを正確 に把握して、 採るべき行動を明確にする” ことを目的に「部門・部署行 動指針」を作成しています。 「分野行動指針」における12の主要な業務分野 営業・マーケティング 経理・財務 物流 研究開発 渉外・広報 生産 コ ン プ ラ イ ア ン ス ▲コンプライアンスガイド (2005年4月現在) 人材・組織 環境 海外事業 情報分野 購買 品質保証 組織体制の運用と仕組みの整備 コンプライアンスの取り組みを確実に推進するために、 コンプライアン ス・オフィサー (担当役員) を任命し、 専門部署として【コンプライアンス 統括室】が設置されています。 また、 組織横断的に推進責任者および 実施責任者を配置しています。 全社的にコンプライアンスの考え方を普及させると共に、 問題につ いて相談しやすい体制を整備し、 社員各自が積極的に取り組めるよ うに努めています。 コンプライアンス活動については、 計画(Plan)→実行(Do)→取り 組み状況のチェック (Check)→見直し (Action) の仕組みを取り入れ て、 適切な改善を図りながら取り組みを継続できるよう工夫しています。 (2005年4月現在) 教育・啓発活動 社員一人ひとりがコンプライアンスへの取り組みを確実に実践してい くためには、 自ら積極的に行動しようという意識が重要です。 こうした 前向きな取り組み認識を社内で共有するために、 業務分野、 事業所・ 階層ごとに、 継続的できめ細かい教育・啓発活動を実施しています。 また、 取引先(購入先) の方々とのコンプライアンスに関する認識の 共有にも取り組んでいます(取引先の方々との関わり;p.52)。 ▲コンプライアンス実施責任者研修会 (2005年7月) 企業倫理ヘルプラインの設置 コンプライアンスに反することが起きてしまうと感じ たとき、 あるいはコンプライアンスに反しているので は、 と疑問に感じたときの社員からの相談窓口とし て、 企業倫理ヘルプラインを設置しています。 外部の弁護士を含めて複数の窓口を有してお り、 また社員のプライバシーにも十分な配慮を講じ たものになっています。 5 環 境 環 境 行 動 目 標 お よ び 実 績 と 今 後 の 取 り 組 み 内 容 環境行動目標および実績と今後の取り組み内容 取り組み 課題 2004年度に 掲げた目標 2004年度 実績 二 酸 化 炭 素 排出 原 1999年度比10.4%増 単位(売上高原単位) (空調電力量増加などのため) を2 0 0 5 年 度までに (%)120 基 100 1 9 9 9 年 度 比 6%削 準 年 80 減する 度 二酸化炭素 排出量の削減 100 比 0 100.2 110.4 106.5 108.7 101.8 1999年度 2004年度 1999年度比で14.7% まで抑制 廃棄物の最終埋立処 分量を2008年度まで に1999年度比で25 %以下に抑制する (%)125 100 基 準 年 度 比 廃棄物の削減 2008年度までに全3 工場でゼロエミッショ ★ ン を達成する 100 112.5 87.4 75 44.5 50 29.2 25 0 14.7 1999年度 今後の 取り組み内容 関連 ページ クールビズ導入により、 夏場のオフィスの室 温を28℃程度に設定 ● 動力設備などのイン p.21、22 バーター化、空調の間 欠運転化、 フリークー データ編 p.69 リングシステムの導入 など ● ( 原薬合成工程を見 直し、廃液を削減 ● 廃プラスチック類・ 動植物性残渣の再 資源化を推進 p.28、29 など データ編 p.69 2004年度 ( ● 大宮事業所の研究 所系排水の最終放 流口に監視装置を 設置し、排水水質の 常時モニタリングを 可能にした ●2004年度の外部に影 響を与える環境異常 発生件数: 0件 ● 内部監査員のスキル アップ 内部監査のレベルア ップを図り、 マネジメン トシステムの質的向 上を目指す ISO14001審査員研 修コースへの参加 参加者:2名 (2名共合格) 環境審査員の養成、 他企業との相互監査 の実施などにより内部 監査のレベルアップを 図る グリーン購入を推進し、 環境配慮品の購入拡 大を図る 営業車、社用車の低 公害車化など、 環境配 慮品の購入を推進中 低公害車導入率 80.3% 前年度に比べ、 15.1ポイント増 環境配慮品の購入拡 大を継続する ( ( ) 研究所系排水の最 終放流口に緊急遮 断弁を設置 ● 生産・研究関係排 水の放流口の前に、 p.18、25 異常排水用の貯留 槽を設置 など 環境リスクマネジメント システムを運用してリ スクの極小化を図り、 外部に影響を与える 環境異常の発生ゼロ を継続する ( ) ● 2003年度の羽生工 場に続き、大宮工場で ゼロエミッション達成 (2工場で達成) 環境マネジメント システムの運用 環境に配慮した 物品の購入 自己 評価 p.16 p.30 データ編 ( ( p.70 ) ★ゼロエミッションの定義 事業所から発生する産業廃棄物および事業系一般廃棄物の埋立処分量を廃棄物総排出量の0. 5%以下にすること。ただし、埋立処分量 にはサーマルリサイクルされた廃棄物は含まない。また、工場排水、生活排水(汚水)および納入業者への返却物は廃棄物に含まない。 6 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 取り組み 課題 化学物質の 適正管理 2004年度に 掲げた目標 2004年度 実績 研究所の廃溶媒の回 収・適正処理を推進 する 情報開示 土壌汚染への 対応 自己 評価 今後の 取り組み内容 各研究室からの廃 溶 媒 搬出 時に、研 究所の環境責任者 が回収ルールにつ いて随時指導 ● 廃溶媒処理におけ る誤作業 発生件数:0件 室長会議における各 研究室への指導を継 続実施 直配輸送条件を拡大 岡山工場の 直配輸送率 40.9% 前年度に比べ、 19.5ポイント増 直配輸送条件拡大の 継続実施 ● 工場直配輸送率を向 上させるために、 岡山工場ドリンク剤 (100mL)の直配輸 送条件の拡大を図る 環境に配慮した 物流業務の推進 自己 評価 ( p.27 ( 折り畳み式コンテナ の導入拡大を継続 環境会計の集計範囲 を拡大し、環境・社会 報告書2005年版で公 開する ● 本社・支店などを加 えた環境経営の範 囲(p.68参照)全て を対象として集計 ●2004年度の集計結 果を2005年版(本 書)に掲載 環境会計の継続開示 地下水浄化対策を推 進する 工場敷地内の汚染物 質濃度低減対策の実 施 汚染物質の拡散防止対 策は2001年度に完了 工場敷地内の汚染物 質濃度低減対策の継 続実施 対策が進み、十分な成 果が現れている 環 境 行 動 目 標 お よ び 実 績 と 今 後 の 取 り 組 み 内 容 p.24 輸送箱を変更(段ボー 段ボール削減枚数 ル→折り畳み式コンテ 約16,000枚 ナ) して再使用化し、 (前年度比で0.7%減) 段ボール使用量を削 減する ( 関連 ページ ( 対策が進み、成果が現 れている p.10、24 p.12、13 p.19、25 対策を進めているが、 なお一層の努力が必要 7 環 境 3 R ︵ リ デ ュ ー ス 、 リ ユ ー ス 、 リ サ イ ク ル ︶ へ の 取 り 組 み 3R(リデュース、リユース、リサイクル)への取り組み 医薬品や食品などの容器包装は、 「有効性」 「安定性」 「安全性」の3つを保証できる包装形態が先ずは求めら れます。それらを満たしながら環境負荷の少ない製品の設計に努めることが重要と考えています。 10年ほど前から環境対策を重要な課題と捉え、 2001年に制定された「基本方針/行動指針」にも、 環境に配慮 した商品開発を行うことが盛り込まれました。 この方針に基づき、 容器包装に係わる環境問題に取り組んでいます。 大正製薬の容器包装設計における3Rの考え方 容器包装は、大気汚染、地球温暖化などの環境汚 染、天然資源の枯渇、廃棄物など広範囲な環境問題 に係わり合いがあります。 そこで容器包装材料の開発、設計においては、素 材選定から製品化後の廃棄処理までを考慮し、設計 指針を策定して新製品開発、既発売品の改良に努め ています。 具体的には、関係法規制の遵守、有害素材の不使 用、環境負荷を低減するためのリデュース、 リユース、 リサイクルの手法を考慮した適正な容器包装設計を 推進しています。 ・リデュース 減容、減量、簡素化、空間容積率の縮小などの観点で 容器包装の機能を損なわない範囲で個別容器包装の 設計に努める。 ・リユース 再使用、再生品、再生化率の高い素材の採用を促進 する。 ・リサイクル 再資源化を容易にするため、 できるだけ単一素材を採 用する。 異なる素材が合わさった複合材の場合は、できるだけ 分離しやすいものにする。 分別排出を容易にするため材質表示を徹底する。 3R (アール)とは ①リデュース(Reduce):発生抑制 製品の小型化や軽量化を図ることで、使用後に廃棄される量を減らす取り組み ②リユース(Reuse) :再使用 リターナブルびんの様に、使い捨てをやめ、同じものを複数回使用する取り組み ③リサイクル(Recyc l e):再生利用 廃棄物を一度原料に戻して、形を変えるなどして再び製品化する取り組み 取り組み事例 ここ数年の当社の3Rへの取り組みを『リデュース』 『リユース』 『リサイクル』に分け、 紹介します。 取り組みは以下の項目別に色分けしています。 :製品への取り組み :製品以外への取り組み リデュースの推進 ①ドリンク剤びんの軽量化 ドリンク剤は当社の主力製品であり、 軽量化によ る効果は大きいものがあります。 8 ライフサイクルアセスメント (LCA)手法を参考にし て、 定量的に評価しました。 100mLドリンク剤びんでは、 びん強度の低下を防 また、 ミニドリンク剤では、 シリーズごとに分かれて 止するための加工を行うことにより、外観を変えず いたびん口のサイズを統一しました。 びん口が に10g(9%)軽量化しました (2003年度に完了)。 100mLと同じサイズだったミニドリンク剤は、6g この軽量化による環境負荷の低減について (8%)軽量化することができました。 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 トピックス LCAによるドリンク剤びんの評価 3 R ︵ リ デ ュ ー ス 、 リ ユ ー ス 、 リ サ イ ク ル ︶ へ の 取 り 組 み LCA 手法は、資源の採取から、製造、使用、廃棄・ リサイクルに至るまでの過程において、製品が環境に 与える負荷の大きさを定量的に評価する手法です。 当社は2003 年度に実施したドリンク剤びんの10g 軽量化による環境負荷の低減について、LCAを参考 びんの重さ にして評価しました(詳細は2004年度「環境・社会報 113g→103g 告書」で公開)。 10g (9%) 削減 ●ドリンク剤のライフサイクル ドリンク剤のライフサイクルは5段階に分類されます。 ①原料・びん製造 :購入先の1社に測定していただ ●びんの流れ びんの製造から廃棄まで いたデータを使用 原材料 電力 燃料 用水 ②びん輸送(納入):岡山工場までの平均距離を基 に、11トントラックの環境負荷を 算出 ③リポビタンD製造 :充填包装工程の実測値(製剤 の製造は除く) ④製品輸送(出荷):各支店の平均距離を14トント ラックで走行した場合を想定し て環境負荷を算出 原料 カレット 電力 燃料 用水 燃料 原料・ びん製造 輸送 リサイクル 燃料 大正製薬 ガ ラ ス カ レ ッ ト 燃料 調製 充填 輸送 包装 輸送 消費 CO2 NOx 排水 他 ⑤廃棄(埋立処分):「ガラスびんのフローチャート平 CO2 NOx CO2 NOx CO2 排水 廃棄物 他 廃 棄 CO2 NOx 埋立処分 35%※ ※ガラスびんリサイクル促進協議会 平成13年度の実績データより 成 13 年度版」 (ガラスびんリサ イクル促進協議会)のデータに 基づき、ワンウェイびん排出量 ●リポビタンD100万本当たりの環境負荷 (トン) 120 (トン) 120 100 100 80 80 60 60 40 40 びんの軽量化により、 ライフサイクルを通して、二酸 20 20 化炭素排出量を3%(約3トン) 、廃棄物排出量を3.5 0 (168万トン)に対する未回収量 (59 万トン)の割合を使用し算 出 ●リポビタンD100mLのLCA結果 100 万本(約1 日の生産量)に換算した結果をグ 廃棄 製品輸送 製造工程 びん輸送 びん製造 原料製造 ラフに示します。 トン削減できることがわかりました。 従来びん 軽量びん 二酸化炭素排出量 0 従来びん 軽量びん 廃棄物量 この二酸化炭素の量は、約77,000 本の杉の木が 1日に吸収する量に相当します(「地球温暖化防止の ための緑の吸収源対策」環境省 林野庁)。 単位: トン 原料製造 びん製造 びん輸送 製造工程 製品輸送 二酸化炭素 従来びん 7.11 62.90 4.64 13.14 11.43 排出量 軽量びん 6.48 57.34 3.98 17.05 11.44 0.04 従来びん 廃棄物量 0.01 軽量びん 廃棄 0.29 0.26 39.59 36.06 100万本当たり 9 環 境 3 R ︵ リ デ ュ ー ス 、 リ ユ ー ス 、 リ サ イ ク ル ︶ へ の 取 り 組 み ②PTPシートの小型化 PTPのシートサイズを見直し、医療用医薬品を 中心に脱塩化ビニル化(ポリプロピレンへ切り替え) に合わせて、 シートサイズを小型化しました。 ※PTPとはプレス・スルー・パック (Press Through Pack) の略称で、現在 包装形態の主流となっています。 ▲製品の小型化に合わせてシートサイズを変更 ③分包サイズの見直し 医療用医薬品の分包については、 「形態」 「サイ ズ」 「表示内容」を見直し、製品1 包当たりの容器 面積を9%削減しました。 分包の小型化により、 製品紙器も小さくすること ができました。 <表側> ④ピロー包装のアルミ薄肉化 PET ポリエチレン 「プリザ」シリーズの坐剤包装で使用しているア アルミ ポリエチレン ルミピロー包材について、 アルミを約22%薄くするこ とで、 減量化を図りました。 リユースの推進 原材料の梱包材の再使用など製造過程でリユースに取り組んでいます。 ①坐剤コンテナフィルム用巻芯の材質変更 巻芯 坐剤用の容器フィルムで使用していた紙製の巻 芯(使い捨て) をプラスチック製に材質変更し、 再使 用化を図りました。 巻芯は材料メーカーに返却後、 洗浄して再使用 しています。 ②包装資材の輸送容器の通函化 (通い箱) 包装資材を納入する際に使用している梱包 容器を通函 (輸送のために繰り返し使用する箱) 化しています。 10 紙製巻芯(使い捨て) プラスチック製巻芯(再使用) ③製品輸送箱の樹脂化 物流工程では、 サイズの小さい製品の配送に使 用していた段ボール箱をプラスチック製コンテナ (折りたたみ式) に変更し、 再使用化を図りました。 22% 薄く TAISHO Environmental and Social Report 環 境 リサイクルの推進 ①ドリンク剤びんの茶びん化 「アルフェ」 「ゼナ」シリーズで使用していたグリー ンびんと黒びんは、 茶びんや透明びんと違い“びん” から“びん”へのリサイクルが難しいため、 それを改 善する目的で茶びんへの変更を実施しました。 「アルフェ」シリーズ→2002年5月完了 グリーンびん 「ゼナ」シリーズ→2003年10月完了 茶びん ▲アルフェシリーズを茶びんに変更 3 R ︵ リ デ ュ ー ス 、 リ ユ ー ス 、 リ サ イ ク ル ︶ へ の 取 り 組 み <参考> 容器包装リサイクル法に基づき、 財団法人日本容器包装リサイクル協会が市町村か ら引き取り、 再商品化されたガラスびんの量と用途は以下の通りです。 ■ 再商品化された量と用途(平成16年度実績) リサイクル量 びん原料 無色 約10万 90.5% その他用途 茶色 約12万 90.2% 9.8% その他色 約10万 20.4% 79.6% 9.5% (日本容器包装リサイクル協会ニュース No. 29より) ②「ゼナ」の包装形態の簡素化 箱入りドリンク剤(ゼナシリーズ)で使用していた 製品格納用プラスチックトレイをやめ、 製品紙器と一 体化させました。分別の手間を省き、 そのままリサイ クルできるようになりました。 紙器+プラスチックトレイ ③製品紙器の再生紙化 省資源の観点から、製品紙器の再生紙化 (古紙含有率100 %紙) を推進しています。自 社製造の医療用医薬品(全94品目) について は、 2003年度に再生紙化を完了しました。 紙器+紙トレイ ④脱塩化ビニル化 廃プラスチックのリサイクル過程において、 塩化 ビニルはダイオキシンの発生の恐れがあります。 自社製造の医療用医薬品については、 ポリ プロピレンなどに材質変更を進めてきました。最 後に残っていた1 製品も2004 年度に変更を完 了しました。 11 環 境 環 境 会 計 環境会計* 大正製薬では、 環境活動に伴って発生するコストおよび効果を把握する目的で2002年度に生産部門を集計範 囲として環境会計を導入しました。集計範囲を段階的に広げ、 2004年度は本社・支店などを加えた環境経営の範 囲(p.68参照)全てを対象にしました。 環境会計の集計にあたっては、 環境省の「環境会計ガイドライン (2002年版)」を参考として、 「大正製薬環境会 計作成手順書」に従って算出しました。 集計方法 環境保全への取り組み全般を「設備購入額」 「減価償却費」 「人件費」 「廃棄物処分費」 「研究開発費」 「原材料費」 「その他経 費」の項目に分けて集計 ①設備購入額(投資額) 本年度の環境目的による設備投資(固定資産)を特定 ②減価償却費(費用額) 税法上の法定耐用年数に従い定率法で集計 −①、②の算出方法− 他の目的で支出されたコストを控除した差額を算出 し、差額集計できない場合は、 25,50,75%で按分 ③人件費 (費用額) 職務内容が環境保全に従事するものについて、その活 動時間を集計し、平均賃金を乗じて算出 ④廃棄物処分費(費用額) 外部に委託している費用を集計 ⑤研究開発費(費用額) 環境対応に関連した研究開発に使用した原材料費、 器具、外部研究費を集計 ⑥原材料費(費用額) 環境配慮による増加分を集計 ⑦その他経費(費用額) ②∼⑥以外の費用のうち、環境関連コストと思われる ものを集計 2004 年度の取り組みとその成果 ①環境保全コスト 2004 年度は、投資額が1 億6100 万円、費用額が15 億 600万円でした。主なコストの内訳を右のグラフにまとめまし た。 ●設備投資額内訳 その他 28% ●費用額内訳 本社 改修時の 環境対応 40% 排水監 視装置 製品の 15% 材質変更対応 17% 減価償却費 19% その他 47% 廃棄物 処理費 18% 容器包装 リサイクル 委託費 7% 人件費 9% ②環境保全効果 工場および営業・物流における燃料は削減できましたが、 電気使用量が増加した影響が大きく、 二酸化炭素排出量 は増加しました。 工業用水使用量が増加したのは、 岡山工場で冷却時の エネルギーロスの削減を目的に、 それまで冷却塔に高温の 排水を循環利用していたものを工業用水に切り替えたこと によるものです。 ③環境保全コストに伴う経済効果 効果には、次の2つがあります。 ●2004年度に発生し確実に特定できたもの ●前年度の施策で効果が2004年度に現れたもの 2004年度の合計は823万円でした (事務部門のコスト対 効果は、 確実に特定することができないため、 生産部門に限 定して算出しています)。 3工場・総合研究所の投資額、費用額の推移 投資額 単位:百万円 500 研究所 3工場 400 費用額 単位:百万円 1,300 2003 年度の投資額の増 加は、製品の環境対応(ドリ ンク剤びんの軽量化など)の 設備導入によるものです。そ れに伴い、2004 年度の費用 額(減価償却費)が増加しま した。 研究所 3工場 1,200 300 1,100 200 1,000 100 0 12 2002 2003 2004 (年度) 900 2002 2003 2004 (年度) TAISHO Environmental and Social Report 環 境 ■ 集計範囲:国内の全事業所(本社、8支店、1営業所、3工場、総合研究所) と国内連結子会社9社のうち 大正富山医薬品、大正厚生サービス、大正製薬物流サービス、大正ビジネス総研の4社 (大正富山医薬品については傘下のオフィスを含めない) ■ 対象期間:2004年4月1日∼2005年3月31日 環 境 会 計 単位:百万円 分類 事業エリア内コスト 公害防止コスト 内 訳 地球環境保全コスト 資源循環コスト 上・下流コスト 管理活動コスト 研究開発コスト 社会活動コスト 環境損傷対応コスト 環境保全コスト 主な取り組み項目 投資額 137 排水処理設備の運転・管理 大気汚染防止対策 省エネルギー対応・設備導入 コージェネレーションシステムの運転・管理 リサイクルの推進 製品の材質変更対策 高濃度排水処理設備の運転 廃棄物処理 容器包装再商品化委託料 廃製品の処理 環境負荷の監視 ISO14001の維持・運用 環境・社会報告書の発行 製品の環境対応に伴う研究 研究原材料の購入 業界団体の活動費、寄付金 土壌・地下水汚染対策 合計 事業エリア内 コストに 対応する 環境保全効果 (投入資源) 事業エリア内 コストに 対応する 環境保全効果 (排出) 環境保全効果 2003年度 効果の内容 1,495 総エネルギー投入量(千GJ) 7,440 電気使用量(万kWh) 6,900 都市ガス使用量(千m3) 3,517 内 A重油使用量(kL) 訳 LPG使用量(m3) 783 7,295 ガソリン使用量(kL) 2,353 軽油使用量(kL) 1,002 用水投入量(千m3) 650 地下水使用量 341 内 上水道水(生活用水)使用量 訳 工業用水使用量 9 2 中水(雨水)使用量 342 特定の化学物質の取扱量(トン) CO2排出量(トン) ※ 75,307 内 生産・事務活動からの排出量 52,280 訳 営業・物流活動からの排出量 23,027 廃棄物総排出量(トン) 9,350 最終埋立処分量(トン) 106 総排水量(千m3) 668 2004年度 1,564 8,461 6,793 3,280 773 6,927 2,229 983 651 303 26 3 343 77,205 55,254 21,950 8,806 53 609 26 262 73 116 37 552 0 245 24 256 0 41 0 0 161 1 33 1,506 削減量 ▲69 ▲1,021 107 237 11 368 124 19 ▲1 38 ▲17 削減率 ▲4.6% ▲13.7% 1.5% 6.7% 1.3% 5.0% 5.3% 1.9% ▲0.1% 11.1% ▲182.3% ▲1 ▲1,898 ▲2,975 1,077 544 53 59 ▲0.3% ▲2.5% ▲5.7% 4.7% 5.8% 49.6% 8.9% ※CO2排出係数:電力 0.378kgCO2/kWh(地球温暖化対策推進法施行令で定める排出係数) 都市ガス 2.11kgCO2/m3 A重油 2.71kgCO2/L LPG 3.00kgCO2/kg ガソリン 2.32kgCO2/L 軽油 2.62kgCO2/L (事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン:p.69参照) 単位:百万円 環境保全コストに伴う経済効果 効果の内容 収益 費用削減 リサイクルに伴う経済収入 省エネルギーによる費用の削減 省資源またはリサイクルに伴う廃棄物処理費の削減 合計 項目 当該期間の投資額の総額 当該期間の研究開発費の総額 費用額 930 金額 1 6 2 8 単位:百万円 金額 7,074 23,221 13 環 境 環境マネジメントシステム 環境活動の推進体制 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 環境活動に関する最高機関として、 各分野の役 ●環境管理推進体制 員から構成される環境委員会(委員長:環境統括 経営会議 室担当役員) を設置しています。環境活動に関す る重要事項はこの環境委員会で決定され、 環境実 環境委員会(環境実務委員会) 務委員会がその実務面を推進します。 環境統括室 3工場、 事務系事業所には計4つの環境管理委 本社環境管理委員会 員会があり、 環境委員会の決定に従って環境活動 岡山工場 環境管理 委員会 を推進しています。 羽生工場 環境管理 委員会 大宮工場 環境管理 委員会 本社には環境統括室があり、 全社のPDCAサイ 研究所 ISO14001認証取得 クル推進と環境監査、 情報開示を通じた環境活動 本社・支店 の推進を図っています。 ●環境活動の推進 環境に関する 「基本方針/行動指針」 取り組み課題・目的(到達点) A 会社としての 見直し 計画・運用の 見直し 環境方針 環境目的・目標 事業所 環境マネジメントシステム 情報開示 環境・社会報告書 ● 環境会計 環境委員会 環境実務委員会 運用・管理 環境に関する重要事項の 審議・決定を行う委員会 メンバー:関係部門担当役員 委 員 長:環境統括室担当役員 運用・管理 環境実務委員会 D 環境委員会決定事項の 実務面を推進する委員会 メンバー:関係部門部署長 委 員 長:環境統括室長 C 点検・是正 環境監査 環境統括室 環境統括室 事務局 P 点検・是正 ● 環境委員会 環境統括室 本社組織による環境監査 当社では、 「環境事故を起こさない」 「環境法令 ●環境監査体制 経営会議 を遵守する」 「環境マネジメントシステムの向上に資 する」などの目的で2002年度から環境統括室によ 環境監査(第2者監査) より認識不足や環境法令上の誤解・勘違いなどを 環境面のリスク、 緊急事態への対応の不備などを 抽出し、 改善に繋げています。 本社環境管理委員会 ISO14001認証取得 内部環境監査(第1者監査) 岡山工場 羽生工場 大宮工場 環境管理 環境管理 環境管理 委員会 委員会 委員会 研究所 (第3者監査) 14 環境統括室担当役員 環境統括室 る環境監査を実施しています。この監査の実施に なくし、 さらには被監査部署では気が付かなかった 報告書 環境委員会(環境実務委員会) 審査登録機関 本社・支店 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 監査対象範囲 環境統括室による環境監査の対象項目 生産部門と研究所を監査対象としています。 1. 遵法性の確認と評価 −対象法令分野− (1)公害防止組織関連法 (2)大気汚染防止関連法 (3)水質汚濁防止関連法 (4)廃棄物関連法 (5)騒音・振動関連法 (6)土壌・地盤関連法 対象項目は、 ①遵法性の確認と評価(20法令対象) ②環境リスク点検(ハード面の点検) ③緊急時対応の点検(ソフト面の点検) の3つです。遵法性のチェックとともに、 ハード、 ソフ ト両面からのリスク点検を実施しています。 (7) 有害物質関連法 (8) 労働安全衛生関連法 (9) 防災関連法 (10)資源・エネルギー関連法 (11) その他 2. 環境リスク点検 (ハード面の点検) 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 3. 緊急時対応の点検 (ソフト面の点検) 環境負荷の大きさに応じた監査の実施 2004年度から、 各部署の環境負荷の程度により 実施頻度を2つのグループ (1回/1∼2年、 1回/ 2∼3年) に分け、 監査を実施しています。 環境リスクに関する監査の着眼点 監査の視点 【②環境リスク点検】 【③緊急時対応の点検】は、 右のような着眼点で実施しています。着眼点を明 確にすることで監査メンバーのレベル合わせを図り、 環境リスク点検 緊急時対応の点検 ①大気への影響 ②水質への影響 ③廃棄物 ④受入/払出し口 ⑤監視・校正対象機器の管理 ①環境リスクの特定 ②緊急時の連絡・対応方法 ③緊急時対応の訓練 ④緊急事態への対応 効果的な監査に結びつけています。 2004年度の実績 2004 年度は6 回の監査を実施し(生産部門:4 不備や環境マネジメントシステム上の課題などがあ 部署 研究所:1部署、 11研究室)、 合計22の指摘 りました。改善要望事項に対しては対象部署から 事項がありました。 改善計画書が提出され、 それに基づいて改善が進 表示、 数量管理、 点検、 教育、 委託契約などに関 められます。改善状況は、 次回監査時に確認して し、法令に対する理解不足、誤解などに起因する います。 ■2004年度における環境統括室による環境監査の実績 年 月 対 象 部 署 2004年 5月 大宮工場 合成部 2004年 7月 大宮工場 管材部 2004年 9月 総合研究所 (1 部署、5 研究室) 2004年11月 羽生工場 2004年12月 岡山工場 2005年 2月 総合研究所 (6研究室) ○:実施項目 ①遵法性の 確認と評価 ○ ○ ■指摘事項の内訳 対 象 項 目 ②環境リスク ③緊急時対応 点検 の点検 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ①遵法性の確認と評価 大気汚染防止関連法 廃棄物関連法 内 有害物質関連法 訳 労働安全衛生関連法 防災関連法 ②環境リスク点検 ③緊急時対応の点検 改善要望・提言事項 の回数 20 (1) (2) (2) (10) (5) 0 1 その他(環境マネジメント システム上の課題) 1 合 計 22 15 環 境 ISO14001*の運用状況 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 審査状況 2004年度は、 羽生工場(2005年1月) で更新審 査を、 大宮工場(2005年1月)、 岡山工場(2005年 2月) で定期審査を受けました。 各工場共に観察事項はいくつかありましたが、 不 適合事項はありませんでした。 ■ 更新・定期審査における主な観察事項 ■ 生産部門のISO14001の審査実施状況 羽生工場 事業所 大宮工場 羽生工場 岡山工場 認証取得年月 2001年2月 2002年3月 2003年3月 更新・定期審査年月 2005年1月(定期) 2005年1月(更新) 2005年2月(定期) 内部環境監査 監査システムの強化 2004 年度は、 「システムの善し悪しがパフォーマ ンスに反映される」 という考え方に基づいて内部監 査を“パフォーマンスを監査することでシステムを監 査する方法”に変更し、 問題点を抽出し易くしまし た。 また、 「事前調査票」 「内部環境監査チェックリ スト」を監査前に対象部署に記入してもらうことで重 点監査項目を絞り込む制度を導入し、 より効果的な 監査を実施できる体制を構築しました。 2005年度は、 他企業との相互監査を通じ、 監査 方法のより一層のレベルアップを図りたいと考えて います。 マネジメント システム パフォーマンス データ 監査 重点的 「部署別環境管理計画書(目標)」 (様式−4 2004年5月 10日)における四半期毎の施策達成度評価では、目標数値 に対する進捗に関し、 さらに明確に言及することが望ましい。 環境計量器一覧表(2001年12月17日作成)に、2004年 4月新設のCOD計を追加し、適切に校正・管理することが 望ましい。 3年間で達成する環境目的は、現場の課題を総合的に検 討した上、 その解決に向けたチャレンジングな内容を設定 することが望ましい。 自覚教育として環境管理責任者が作成した「環境教育訓練計 画書」に従った3項目の教育が実施されつつあるが、教育を実施 したことを有効に確認できる記録方法を工夫することが望ましい。 岡山工場 グリーン購入の推進、環境ニュースに基づく地球温暖化防止対策などの 啓発活動、環境美化運動など、環境に有益な活動を実施し、実績をあげ ている。このことを目的・目標に取り入れ、運用管理することが望ましい。 今後は、 実務経験を積むことで環境マネジメント システム審査員(CEAR(環境マネジメントシステム 審査員評価登録センター) の認定資格) を養成し、 内部監査の一層のレベルアップを図ります。 監査実施結果 ISO14001の認証を取得している3 工場(大宮 工場、 羽生工場、 岡山工場) で24部署・グループに 対して内部監査を実施しました。その結果、15 件 の不適合がありました。 指摘を受けた部署は、 是正処置を講じて継続的 改善を行い、環境マネジメントシステムの向上を ●監査方法の変更 従 来 大宮工場 「部署環境教育訓練計画書」 (2004) は、教育訓練実施 担当者を明確にすると同時に、教育訓練計画内容をより 具体的に表わすことが望ましい。 2004年度 マネジメント システム パフォーマンス データ 図っています。 ■ 2004年度の内部環境監査における主な不適合事項 事業所 内 容 「部署環境管理計画書(目的)」の実行計画に、記載漏 れが認められた。 監査 重点的 大宮工場 物流センター新設に伴う環境側面の洗い出しにおいて、 環境側面として抽出されていない項目が認められた。 内部監査員のスキルアップ 内部監査をより効果的なものにするためには、 監 羽生工場 マニュアルでは、環境目的および目標を達成するための 監視および測定手順書を作成することになっているが、 確認できなかった。 緊急事態を想定した対応訓練の実施後に、対応手順書 の有効性の評価が行われていなかった。 査員の能力向上が重要と考えています。 2004 年度は、監査員のスキルアップのために、 塩酸タンクからの漏洩に対応するために防毒マスクが配 備されているが、使用可能な吸収缶が置かれていなかった。 ISO14001審査員研修コースへの参加を実施しまし た。参加したのは内部監査員2名であり、 2名共試 16 験に合格しました。 岡山工場 「環境教育訓練計画書」で実施する予定になっていた「特 定業務従事者教育」が未実施であった。 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 環境活動に関する教育・訓練 全社的なコンプライアンスに基づいた教育研修 コンプライアンスに関する教育研修の一環とし て、環境に関する教育を実施しています。具体的 には、 『大正製薬分野行動指針』 (環境を含めた各 分野の行動指針を冊子としてまとめたもの) の全役 員・社員への配布、 イントラネット上における行動指 針の詳細情報提供 、集合型研修の実施などを 行っています。 2004 年度は、研究所を対象として集合型研修 (2005年2月) を行うと共に、 事務系事業所を対象 とした環境ポスターを作成しました (詳細について は、p. 21 参照)。また、各部署でコンプライアンスに 関して該当事例を抽出して認識を深めるという活 動を開始しており、 生産部門ではその中に環境に 関する内容も含めています。 ISO14001 の認証を取得している事業所 (3 工場) 各事業所で環境教育訓練計画書を発行し、 そ れに基づいて作業者全員に対してISO 教育を実 施しています。 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム ■ ISO教育の種類および実施頻度 実施頻度 毎年4月 1回以上/4ヶ月 随時 1回以上/年 1回以上/年 教育の種類 新規配属・転入者教育 日常研修 内部監査員養成研修 緊急事態訓練 特定業務従事者教育 ※日常研修とは、ISO全般の教育 ※特定業務とは、著しい環境影響の原因となり得る業務 事務系事業所 ゴミ分別表の配布、 昼休み消灯による省エネル ギーの推進などを実施し、 環境意識の向上を図っ ています。 2002年度からMRに対する環境教育を実施し ており、 2004年度は10月5日に実施しました (教育 対象者:1062名)。 MRに対する環境教育 ▲研究所における環境に関する集合型研修 新入社員への教育 新入社員研修(総合的な研修)の中で、 当社の 環境活動(省エネルギー対策、 廃棄物削減など) に 関して説明を行っています。 2004年度は、 4月4日に144名の新入社員を対 象として実施しました。 さらに、 ISO14001の認証を 取得している事業所(3工場) では、 ISO教育の一 環として4 月7 日に新入社員16 名を対象として環 境教育を実施しました。 タイトル:MRを取り巻く環境問題 1.MRと環境の関わり 2.製薬企業と環境問題 3.医療機関と環境問題 4.MRと環境問題 5.まとめ ▲MR(医薬情報担当者)に対する環境教育 17 環 境 環境リスク*の低減 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム 生産部門では、 環境リスクマネジメントシステムを構築してそれをISO14001のシステムに組み込み、 緊急事態の 特定、 対応方法の検討および訓練を実施し、 環境リスクの低減を図っています。 緊急事態への対応訓練の強化 2004年度は、 外部業者と一緒に行っている作業 に関しては、 その対応訓練を関係業者も参加する 方法に変更し、 より多くの関係者が訓練に参加す るようにしました。 また、 夜間作業がある部署では、 夜間に緊急事態 が発生したことを 想 定して少ない 人 数で訓 練を行 いました。 ▲外部業者が参加した次亜塩素酸ナトリウム 漏洩対応訓練 廃棄物業者選定基準の運用 2004年度は、 2003年12月に制定した 「廃棄物収集・運搬及び処理業者の選定基準」 「廃棄物の収集・運搬及び処理処分業者の現地調査基準」 に基づき、廃棄物業者の 業者のリストアップ 評価・選定を行いました。 評価・選定は右のルールに NO 許可内容 廃 (書面) 基づいて実施しています。 棄 OK 物 新規業者に関しては、 2 業 NO 者 施設確認 業者について評価を行い と (現地調査) し ました。 OK て 不 また、既委託業者につ NO 適 運 営 (面談など) いては15業者中7業者に OK ついて現地調査を行いま 処理の委託 した。未実施の業者に関 廃棄物業者選定時 のフロー図 しては、 2005年度に優先 的に調査を実施していく 予定です。 18 外部に影響を与える環境異常の発生防止 上記の取り組みに加えて、 研究所系排水の最終 放流口への監視装置設置による排水水質の常時 モニタリング化(p.25参照) などを行い、 外部に影響 対応訓練の実績 通常の部署単位の訓練以外に工場全体で実施した 訓練の回数:5 回 ●主な訓練 2004 年5 月 夜間の薬液漏洩対応訓練 (夜間想定訓練) 2004 年10 月 苛性ソーダ漏洩対応訓練 2005 年3 月 次亜塩素酸ナトリウム漏洩対応訓練 (外部業者参加型訓練) ■ 業者選定および現地調査のチェック項目 廃棄物収 集・運 搬 及び処理 業者の選 定基準 廃棄物の 収 集・運 搬及び処 理処分業 者の現地 調査基準 許可書の確認 会社の信用度 運搬車両 輸送リスク 再資源化方法 コスト 安全面 その他 業の許可の確認 運搬方法の確認 現 地 調 査( 施 設、近 隣への影響などの確 認) 発生残渣の確認 財務管理状態 その他 業者区分 収集・運搬 処理 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 業者数 1 1 15 評価実施数 1 1 7 ■ 2004年度の廃棄物業者評価実績 新規業者 既委託業者 業者区分 収集・運搬 処理処分 処理処分 を与える環境異常の発生防止に努めました。 2004 年度には、外部に影響を与える環境異常 の発生はありませんでした。 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 環境コミュニケーション 環境ラベル 環境活動推進のためにステークホルダーとのコ ミュニケーションは重要であり、 地域社会との交流、 環境情報の提供などを実施しています。 製品の環境配慮情報は、 「発売品要覧」 (薬局 薬店様などの主要なお得意様に配布している冊 製品情報 コーナー 子)や当社ホームページの製品情報コーナーに環 境ラベル*(当社独自のラベル:タイプⅡ環境ラベル) を掲示することで提供しています。環境情報全般 ●生活者の関心が高い「環境への対応製品」には、独自のマークを設定 し、 その内容を紹介しています。 …フィルムやプラスチックを使った包装(PTP、 シュリンク、ユニットドー ズなど)や容器にポリプロピレンなど、塩化ビニル以外の環境にや さしい素材を使用している製品です。 環境対応 については、環境・社会報告書で公表しており、 ホームページでも公開しています。 塩ビ 不使用 環境対応 再生 …包装容器に再生原料を使用している製品です。 原料 コラム 第4回さいたま市環境フォーラムにブースを出展 さいたま市などの主催により、 さいたま新都心駅自 由通路にて第4回さいたま市環境フォーラムが開催さ れました(2004年11月)。当社は「環境に配慮した企 業活動 −循環型社会の実現と自然環境との調 和−」と題して、当社の環境への取り組みに関するパ ネルの展示やケナフの紙漉きなどを行うためのブース を設けました。 ▲展示パネルの一例 環 境 マ ネ ジ メ ン ト シ ス テ ム ▲展示の様子 環境対応 再生紙 …パッケージやラベルに再生紙を使用している製品です。 ▲「発売品要覧」や当社ホームページの製品情報コーナーに掲載されている 環境ラベル ■ 環境コミュニケーションの実施状況 № 実施した活動 具体的な活動内容 1 製品の環境配慮 に関する情報の 提供 「発売品要覧」 (薬局薬店様に配布)や当社ホ ームページの製品情報コーナーに、製品の環境 配慮に関する情報を環境ラベルとして掲載 2 環境・社会報告書 2002年度から環境・社会報告書(2002年版は 環境報告書) を発行し、ホームページでも公開 の発行 3 環境会計の公開 4 環境フォーラムへの さいたま市環境フォーラムにブースを出展 出展 環境・社会報告書に掲載して公開 各種規制への対応 法規制に関しては、 ISO14001の仕組みの中で 常に最新の情報を入手し、 的確に対応しています。 過去3 年間の環境に関する基準超過・苦情は、 以下の通りです。2004年度には、 基準超過や苦情 はありませんでした。 ■ 過去3年間の環境に関する基準超過・苦情一覧表 分 類 基準超過 苦情 大宮工場 内 容 ○ 1999年11月∼2000年5月において実施した工場敷地の土壌調査により、土壌・地下水の汚染判明。各種対策に より改善が図られており、対策継続中(p. 25参照)。 ○ 2002年6月に排水pH値の町条例基準超過が発生。pHモニター計(廃液中和設備に付属)の周辺配管の詰まり、 自動バルブの誤作動などにより中和されていない廃液が放流されたことが原因であり、配管の一部の透明化(流水 状態確認のため)や排水放流の手動化(pH確認後放流に変更) を行うことで解決。 ○ 2003年10月に排水BOD値(生物化学的酸素要求量)の町条例基準超過が発生。排水切替バルブ(放流と排水 処理の実施を切り替えるバルブ)の切替タイミングが不適切だったことが原因であり、バルブ切替タイミングを適正 に調整することで解決。 岡山工場 19 環 境 環 境 負 荷 ・ 環 境 活 動 の 全 体 像 環境負荷・環境活動の全体像 インプット 環境活動推進 アウトプット 物質 事業所内廃棄物: リサイクルの推進 原 料 :23,072トン 材 料 :115,260トン 容器包装リサイクル 法の対象になる材料 研究 総排出量:8,806トン 最終埋立処分:53トン 事務用品(コピー用紙) :119,414トン 市場における 容器包装廃棄物 販売実績値(重量)※:115,228トン (2003年度実績) 水: 排水の有効利用推進 容器包装リサイクル 法に従って再生利用 生産 3 地 下 水:65.1万m 3 工業用水:2.6万m 上水道水(生活用水) 3 :30.3万 m 3 中水(雨水) :0.3万m 排水:有効利用推進 3 公共用水域への排水:4.7万 m 3 下水道への排水 : 56.2万 m BOD(生産・研究) :84.8トン エネルギー(物流・販売関連含む) : 省エネルギー推進 電気:8,461万kWh 3 都市ガス:671万 m 3 LPG:773 m A重油:3,280kL 再生可能エネルギー (太陽光発電:39kWh) ガソリン:6,927kL 軽油:2,229kL 排気・排熱: 排出抑制・有効利用推進 物流 販売 再利用 3 冷却排水:3,383万m 材料:一部再利用 排熱:一部再利用 二酸化炭素 エネルギー起因:5.5万t-CO2 物流・販売起因:2.2万t-CO2 NOx(生産・研究) :16.0トン :97.6トン (販売・輸送) SOx(生産・研究) :5.2トン :18.7万GJ 熱 (生産・研究) ※容器包装リサイクル法の対象となる 容器包装のみ ■ 当社の重要取り組み課題 :二酸化炭素排出量削減(地球温暖化防止対策) 地球温暖化防止のために二酸化炭素の削減が世界的な課題となっているため重要課題に選定 :廃棄物最終埋立処分量の削減 廃棄物の最終埋立処分場が逼迫している日本では廃棄物の削減が大きな課題となっているため重要課題に選定 20 研究開発から使用までのライフサイクル全般にわ たって環境活動に取り組んでいます。 環境活動の考え方の基本は「インプット」 「アウト プット」の削減であり、 物質、 水、 エネルギー各々に ついて設備・運用方法の改善、 排出物の有効利用 などを行い、 改善を図っています。 当社の重要取り組み課題は、 【二酸化炭素排出量の削減】 【廃棄物最終埋立処分量の削減】 であり、 環境活動もこの2つに重点をおいて実施し ています。 コンプライアンス活動の中でも、 環境分野の行動 指針を作成し、 取り組んでいます。 環境分野コンプライアンス行動指針 1. 私たちは、環境関連法規制を遵守するととも に、更に自主基準を設け、環境保全活動に努 めます。 2. 私たちは、地球環境を損なわないような商品 の開発、生産、流通及び販売活動に努めます。 3. 私たちは、石油、ガス、電力等のエネルギー 資源及びその他各種天然資源の節減・節約 に努めます。 4. 私たちは、廃棄物の発生を抑え、かつ、再利 用・再資源化できるように努めます。 5. 私たちは、環境保全活動につき、地域社会の 一員として行動し、情報公開に努めます。 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 地球環境を守るために 地球温暖化を防ぐために 二酸化炭素の排出抑制 二酸化炭素は地球温暖化の原因物質のひとつであり、 その排出量を削減することは世界的な課題となって * います。2005年2月16日に京都議定書 が発効し、 日本でも2008年から2012年までの平均排出量を1990年 比で6%抑制することが国際公約になりました。当社では、 下記の目標を掲げ、 省エネルギー活動を中心に取り 組んでいます。 地 球 環 境 を 守 る た め に 目 標 * 二酸化炭素排出原単位(売上高原単位) を2005 年度までに1999 年度比6 %削減する 基準年度(1999年) からの二酸化炭素排出原単 位の推移をグラフにまとめました (売上高原単位)。 2004年度は、 目標の基準年度比で、 10.4%増と いう結果でした。2003年度に比べて燃料油(A重 油) などを削減しましたが、 猛暑などの影響により、 空調関係の電気使用量が増加しました(p.68、 69 参照)。 2005年度は、 環境省が提言している「地球温暖 化防止国民運動」の一環としてクールビズを導入 し、 夏場のオフィスの冷房温度を28℃程度に設定 しました。その他、 オフィスの節電・省エネ活動(昼 二酸化炭素排出原単位の推移 (%) (t-CO2/億円) 24.0 二 酸 化 炭 素 排 出 原 単 位 ︵ 売 上 高 原 単 位 ︶ 22.0 20.0 18.0 106.5 100 17.90 100.2 17.93 19.06 108.7 19.46 110.4 120 101.8 19.76 18.23 100 80 16.0 基 60 準 年 度 比 40 14.0 12.0 10.0 8.0 6.0 20 4.0 2.0 0.0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 0 年度 休み時や未使用の部屋・スペースの消灯など)の 徹底を図っています。 また、 動力設備などのインバータ化、 空調の間欠 運転化、 フリークーリングシステム*の導入などを実 施し、 二酸化炭素排出原単位の削減を図ります。 コラム コンプライアンス活動の中で『省エネ』をテーマに環境ポスターを作成 環境に関するコンプライアンスの啓発を目的として、 段階的に対象範囲を広げながら従業員への集合教 育に取り組んでいます。 2004年度の活動のひとつとして、事務部門の環境 意識の向上を目的として、 9月と2月に「環境ポスター」 を作成し、本社・支店・研究所に掲示しました(2005 年度も継続中)。 テーマは「身近な省エネ活動」とし、事例や実績(グ ラフ) を示すことで、 わかりやすいものを作成するように 心掛けました。 ▲コンプライアンス環境分野実施責任者 佐藤 滋行、山岡 貴丸(左から) 21 環 境 地 球 環 境 を 守 る た め に 省エネルギーの推進 生産部門では、 「断熱材取付による蒸気送気管 の放熱ロス改善」 「動力設備運転の効率化」 「生 産設備のエアー漏れ改善」 「照明照度の適正化」 などを継続しています。 また、 省エネルギー活動へ の取り組み状況の点検として「省エネルギーパト ロール」なども実施しています。 事務部門でも、運用面の取り組みで省エネル ギーを推進しています。 ▲断熱材(エネサーモ)取付中の蒸気送気管 ■ 省エネルギー対策の事例 取り組んでいる対策 ︵ 生産設備のエアー漏れ改善 設ハ ー 備ド 面 面 蒸気排気管の放熱ロス改善 ︶ ︵ 運ソ フ 用ト 面面 ︶ 動力設備運転の効率化 照明照度の適正化 省エネルギー活動の継続実施 省エネルギーパトロールの継続実施 2004年度の実施内容 生産設備のエアー漏れ箇所を修理してエアーの漏洩を防ぎ、 エネルギーロスを改善 蒸気送気管に断熱材を取り付け、放熱ロスを減らし、熱効率を改善 空調機運転時間の見直しなどにより効率を改善 必要以上の照度を持つ照明に関して、蛍光管の取り外しによる照度の適正化(省エネルギー) を実施 不在時消灯の徹底、昼休みにおけるPC電源オフの徹底、 エレベーター運用方法の見直しなどを実施 職場巡視を行い、室温の適正管理状況について確認・指導を実施 自然エネルギーの利用 太陽光発電は、 化石燃料などを使用(二酸化炭 素が発生) しないので、 地球にやさしいエネルギー とされています。 本社や工場では、 防犯センサー (敷地境界線の セキュリティーセンサー)の動力方式として、 ソー ラーパネルによる太陽光発電を採用しています。 ▲セキュリティーセンサー用太陽光発電パネル (本社) 緑化の推進 事業所ごとに省エネルギー活動に加え、 緑化の 推進を図っています。 本社では、 新社屋(本社2号館)の屋上のコンク リート面の上に、 ウッドデッキと植栽で覆いを作ること で、 夏期の直射日光を避け、 コンクリートへの遮熱効 22 ▲本社の屋上庭園 (2号館) 果を向上させています (空調負荷の軽減が可能)。 工場では、 敷地内の各所にグリーンゾーンを設け ています。特に大宮工場では「憩いの広場」 という エリアを設け、 埼玉県の県木である「けやき」を植え ています。 ▲大宮工場の「憩いの広場」 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 環境月間における取り組み 生産本部では、 ISO14001の認証を当社で初め て取得した月(大宮工場:2002年2月) を「環境月 間」 と定めています。 環境月間には、 多様なイベントを実施しており、 3 回目となる2004 年度は研究所も一部の活動に参 加しました。 ●省エネパトロール 主な活動内容 ①各種パトロール ・省エネパトロール ・廃棄物分別パトロール ②「地球温暖化」に関係する資料の配布 ③環境ポスターの募集 ④リサイクル工場の見学(各部署環境実務者) 地 球 環 境 を 守 る た め に ●廃棄物分別パトロール 室内の設定温度の遵守状況や、 フィルターの清 掃状況および人がいない場所での照明の消し忘れ 廃棄物の分別状況をチェックし、 分別が不徹底 な部署にはその場で注意しています。 などをチェックしています。 コラム 『環境月間』で環境ポスターを募集 「環境保全に関すること」をテーマに環境ポスター を工場・研究所を対象に募集したところ、40点の応募 がありました。社員の家族の作品も多く、生活の中で の「環境問題」をしっかり捉えた力作ばかりでした。 金賞 銀賞 吉田春美 大宮工場 製剤1部 社員家族 大宮工場 製剤5部 川島一也 大宮工場 製剤3部 高橋真理 本報告書の背表紙には、社員の家族の作品を掲 載しています。 大宮工場 製剤3部 志茂昌弘 羽生工場 銅賞 柳沢達也 大宮工場 製剤1部 山田雄一 (五十音順) ▲金賞作品 ▲裏表紙 23 環 境 輸送時の環境負荷を防ぐために 地 球 環 境 を 守 る た め に 地球温暖化の原因のひとつである二酸化炭素 課題であり、 当社でも の排出量は、 運輸部門においても年々増加してい 【輸送効率の向上(輸送距離の削減)】 ます。 【環境負荷が少ない輸送手段の利用】 輸送に関わる二酸化炭素排出量の削減は重要な などに努めています。 ●輸送効率の向上 輸送に関わる二酸化炭素およびNO X の排出量 削減は、 「トラック積載率100%輸送」や「工場直配 輸送(支店を経由せず、 直接お客様に届ける輸送 方式)」の推進により輸送効率を向上させ、 輸送距 離を減らすことで実施しています。 2004年度の直配輸送率は40.9%でした (2003 年度は21.4%)。 また、 拠点の集約構想(見直し) について、 環境面も含め中長期的な取り組み課題 として検討しています。 ■ 輸送に関る環境負荷データ (2004年度) 8,568 83,580 2,228 5,837 40,768 輸送距離(万km) 輸送量(万トンkm) 燃料使用量(軽油 kL) 二酸化炭素排出量(t-CO2) NOX排出量(kg) ●環境負荷が少ない輸送手段の利用 輸送手段として、 トラック以外に鉄道、船舶を利 用(モーダルシフト) しています。 鉄道、船舶による輸送は、 トラック輸送に比べて 輸送時の二酸化炭素排出量が少なく、 環境負荷 が少ない輸送手段です。貨物輸送機関の二酸化 炭素排出原単位は、 鉄道、 船舶ではトラックの13%、 22%になります(国土交通白書平成16年度版より)。 現在、 ドリンク剤の専用工場である羽生、 岡山工 場から各拠点への供給については札幌・仙台・福 ■ 各輸送手段の利用実績(2004年度) <羽生工場> 鉄道 船舶 トラック 利用割合(%) 5.27 2.40 92.33 <岡山工場> 鉄道 船舶 トラック 利用割合(%) 7.67 5.80 86.53 岡の3拠点で船舶・鉄道を使用しています。 2005 年度は、他の拠点でもシフトできないかどうかの検 討を開始する予定です。 コラム 物流分野の環境対応について 24 物流部門では、環境に優しい輸送の一環として、通 常作業の中でも様々な取り組みをしています。 フォークリフトのガソリン式から電気式への移行計 画(大宮工場)については、1994 年度から10 年かけ 2004年度中に完了しました(全30台のうち、屋外作 業専用車6台を除く)。 得意先納品用段ボール箱の削減(折りたたみ式コ ンテナの活用) を全社共通の課題として取り組んで います。回収・洗浄などのコスト面も考慮しながら、 2004年度は前年度比で0.7%(約16,000枚)削減 しました。 段ボール箱での輸送に使用する緩衝材について も、樹脂製(発砲ポリエチレン) から紙製の袋などに替 えて使い始めました。 ▲電気フォークリフト (大宮工場) TAISHO Environmental and Social Report 環 境 環境汚染を防ぐために 大気および水質に関しては、 法規制を遵守すると共に必要に応じて自主管理基準を設定し、 環境負荷低減を 図っています(詳細データについてはデータ集p.70を参照)。 大気汚染の防止 定期的な監視・測定により、 大気への有害物質 排出濃度を管理しています。 排出量削減対策としては、 ボイラー燃料の変更 (重油→天然ガス) によるSO X 排出量の削減や排 ガス処理装置の設置による有害物質の大気排出 量の削減を実施しています。 水質汚染の防止 工場・研究所からの排水については、 構内の処 理施設にて、 適正処理および水質の監視・測定を しています。 2004年度は、 大宮工場内の研究所系排水の放 流口に排水水質の監視装置を設置しました。 また、 薬液などの漏洩事故を想定した訓練も毎年実施 しています。 水質管理と合わせて、 製造用水の再生利用や 雨水の有効利用を図ることで、 排水量の削減に努 めています。 土壌・地下水汚染対策の推進 2001 年度から開始した大宮工場の土壌・地下 水の汚染処理を継続して実施しています。汚染物 質濃度が低下し、効果が認められていますので、 引き続き浄化処理を実施します。 なお、揚水浄化処理による揚水井戸への汚染 物質誘引効果と遮水壁(汚染物質の工場敷地外 ●ダイオキシン対策 ダイオキシンは、 十分な対策が施されていない焼 地 球 環 境 を 守 る た め に 却炉で塩素を含んだゴミを焼却したときに発生する 可能性があります。 当社では、 ダイオキシン対策として、 すでに焼却 炉を全廃(2002年度) しています。 ▲排水水質の監視装置 への拡散を防ぐために土壌中に埋設された鋼矢 板:第1帯水層が対象) による第1帯水槽地下水の 流失遮断により、 すでに汚染物質の敷地外への流 出は防止できています(2001 年度に対策完了)。 大宮工場敷地内の汚染物質濃度調査結果は、 当 社ホームページで公開しています。 継続実施している浄化処理 ●地下水を汲み上げ、汚染物質を活性炭により吸着処理 ●2000年8月から試験運転を開始し、 2001年9月から本格稼働 ●対象は、第1、第2の両帯水層で、第1 帯水層: 110トン/日、第2帯水層: 25トン/日の処理を実施 25 環 境 化学物質の管理 ●法規制への対応 化学物質排出把握管理促進法におけるPRTR 制度*および埼玉県生活環境保全条例における特 定化学物質の適正管理制度の対象物質に関して は、 法規制に基づいて適切に対応しています。 地 球 環 境 を 守 る た め に トルエン、 キシレン、 イソオクタンはフォークリフトで 使用しているガソリンに由来するものであり、電気 フォークリフト化の推進により削減を図ってます。 ■ 化学物質排出把握管理促進法に基づく化学物質の取扱・排出・移動量(2004年度) No. 化学物質 1 アセトニトリル 2 キシレン 3 クロロホルム 4 トルエン 5 ピリジン 政令番号 取扱量 大気への 排出量 12 63 95 227 259 280,000 1,200 15,000 2,500 46,000 12 9.1 17 23 2.4 公共用水 への排出量 単位:kg 土壌への 排出量 0 0 0 0 0 除去処理量 0 0 835 0 0 0 0 0 0 0 下水への 移動量 410 0 270 1 120 廃棄物への 移動量 280,000 30 14,000 780 46,000 対象事業所は、大宮事業所(規制を受ける事業所は大宮事業所のみ) ■ 埼玉県生活環境保全条例に基づく特定化学物質の取扱量(2004年度) <大宮事業所> No. 6 7 8 9 10 11 12 13 単位:kg 特定化学物質 イソオクタン 塩化水素(塩酸含む) ジエタノールアミン n−ヘキサン メタノール メチルエチルケトン ヨウ化メチル 硫酸(三酸化硫黄含む) 特定化学物質の区分 その他の特定物質(第3号) その他の特定物質(第7号) その他の特定物質(第20号) その他の特定物質(第45号) その他の特定物質(第54号) その他の特定物質(第56号) その他の特定物質(第59号) その他の特定物質(第61号) 取扱量 570 41,000 5,300 9,300 220,000 1,200 24,000 4,300 使用量 570 41,000 5,300 9,300 220,000 1,200 24,000 4,300 取扱量の内訳 製造量 0 0 0 0 0 0 0 0 取り扱う量 0 0 0 0 0 0 0 0 1∼5は化学物質排出把握管理促進法に基づく届出と共通 <羽生事業所> No. 1 2 26 特定化学物質 塩化水素(塩酸含む) 硝酸 単位:kg 特定化学物質の区分 その他の特定物質(第7号) その他の特定物質(第25号) 取扱量 20,000 3,000 使用量 20,000 3,000 取扱量の内訳 製造量 0 0 取り扱う量 0 0 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 地 球 環 境 を 守 る た め に ●一般化学物質の管理 研究所で使用している一般化学物質に関して も、 適正な管理を実施しています。 繁用有機溶媒および毒物に関して管理規定を定 め、 購入から廃棄に至るまで適正に管理しています。 具体的には、 溶媒回収装置などを設置し、 アセト ニトリルなど使用済み化学物質を回収しています。 回収した化学物質は、 処理業者に委託して処理し ています。 ▲使用済み化学物質の回収装置 ●PCB*の適正管理 PCB使用設備に関しては、 法律に従って適正に ■ PCB使用設備の保有台数(2004年度) 保管管理しています。具体的には、 保管場所を明 確に表示区分すると共に、 保管状況の点検を実施 し、 管理を行っています。国または関係機関の処理 計画を参考に、 廃棄処理を進めていく予定です。 低圧コンデンサー 高圧コンデンサー 蛍光灯安定器 水銀灯安定器 保管量(台) 20 36 852 9 使用量(台) − − 505 − ●オゾン層破壊物質の削減 オゾン層の保護、 地球温暖化防止の観点から、 設備の更新時に、代替えを図ると共に、設備の フロン (主に大型冷凍機)、 ハロン (消火器) の削減 廃棄時には専門業者への委託(回収) による適正 を推進しています。 処理を実施しています。 ●アスベストの処理 大宮工場の旧物流倉庫には、 建築材の一部に アスベストが使用されていることを把握していまし 飛散防止対策を講じ、 適切に処理しました(2005 年5月)。 た。解体作業では、 作業者の安全および大気への 27 環 境 循環型社会の構築のために 廃棄物を削減するために 循 環 型 社 会 の 構 築 の た め に 循環型社会の構築に向け、 資源の有効活用が求められています。当社も、 廃棄物の分別を徹底し、 リサイクル化 を促進することで埋立処分される量の削減に努めています。 目 標 ①廃棄物の最終埋立処分量を2008 年度までに1999 年度比で25 %以下に抑制する ②2008 年度までに全3 工場でゼロエミッションを達成する [ゼロエミッションの定義] 事業所から発生する産業廃棄物および事業系一般廃棄物の埋立処分量を廃棄物総排出量の0.5%以下にすること。 ただし、埋立処分量にはサーマルリサイクルされた廃棄物は含まない。また、工場排水、生活排水(汚水)および納入業者 への返却物は廃棄物に含まない。 埋立処分される廃棄物量の推移をグラフにまと めました。 2004年度は、 大宮工場が廃棄物ゼロエミッション 埋立処分される廃棄物量 (トン) 1,000 より、 ①の目標を4年前倒しで達成(1999年度比で 14.7%まで抑制)することができました。 125 112.5 を達成しました。大宮工場を含めた生産部門全体 の埋立処分量が前年度比で約半分になったことに (%) 100 800 埋 600 立 処 分 量 400 100 87.4 364 409 75 基 準 年 度 50 比 44.5 318 29.2 162 200 106 14.7 25 53 0 コラム 2000 2001 2002 2003 0 2004 年度 羽生工場が『3R推進功労者等表彰 会長賞』を受賞 羽生工場が取り組んできた廃棄物ゼロエミッション 活動が評価され、平成16年度「リデュース・リユース・ リサイクル推進功労者等表彰」の会長賞を受賞しま した。 廃棄物ゼロエミッション活動では、 「混ぜればゴミ、分 ければ資源」という考えの下、2001 年度から生産ラ イン、 オフィスにおいて廃棄物の分別回収を徹底しま した。 この活動は発生段階での社員の意識が重要であ ることから、 3R (Reduce:発生抑制、 Reuse:再使用、 Recycle:再生利用)活動の広報・普及活動を行い ました。 具体的には、絵で見る廃棄物分別ポスターを各職 場に掲示するなど、徹底的な廃棄物の分別回収活動 28 1999 を推進しました。また、廃棄物業者との契約をリサイク ル中心に拡充し、現在の業者数は13社となり、 リサイ クル率を向上させることができました。 その結果、2003年度に廃棄物ゼロエミッションを達 成することができました。 ▲3R推進功労者等表彰 会長賞 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 ゼロエミッションへの取り組み 2008年度までに国内全ての工場(大宮・羽生・ 岡山) において廃棄物ゼロエミッションの達成を目 標に、 原材料を梱包する材料などの使用削減や再 資源化活動を推進してきました。 その結果、 2003年度の羽生工場に続き、 2004年 度は大宮工場が廃棄物ゼロエミッションを達成する ことができました。 岡山工場も当初の目標より前倒しして、 2005 年 度には廃棄物ゼロエミッションを達成できる見込み です。 ●リサイクルの推進 再生利用手段を開拓することでリサイクルを推進 しています。大宮工場では、 廃棄物の分別方法を 改訂し、 細分化を徹底しました。 2004年度は、 廃製品の再生砂化による路盤材や 盛土材など、 リサイクル量の拡大を図りました。 今後も分別回収の徹底と再生利用の開拓により 再資源化を推進していきます。 ■ 2004年度の廃棄物ゼロエミッションの達成状況 総排出量(トン) 事業所 6,623.9 695.4 726.3 大宮工場 羽生工場 岡山工場 埋立処分量 (トン) (%) 0.34 22.8 0.03 0.2 3.45 25.1 循 環 型 社 会 の 構 築 の た め に ▲絵で見る紙類・プラスチック分別表 (大宮工場) ■ 2004年度の廃棄物リサイクルの事例 廃棄物の種類 処理方法 再資源化内容 廃プラスチック類 破砕・焼却 セメント副原料、 ガス化燃料 廃製品 焼却・混練 コンクリート骨材、路盤材 廃製品(スプレー缶) 破砕・選別 金属素材へリサイクル 廃ガラス 破砕 汚泥 脱水 堆肥化 焼却・溶融 スラグ化 金属くず 破砕 金属原料 古紙 溶解 製紙原料 空きびん 破砕 ガラスカレット (びん原料) コピー用紙の使用量 コピー用紙は事業所ごとに一括購入しており、 2004年度の購入量は前年度比で3%増えました。 なお、 事務部門が全体の7割以上を占めています (p.69参照)。 両面印刷の推進(枚数削減)や裏紙の有効利 用などに取り組んでいます。 コピー用紙購入量の推移 3,000 使用量(万枚) 感染性廃棄物 路盤材、改良土 2003年度 2004年度 2,500 2,000 1,500 1,000 500 0 A3 A4 B4 用紙サイズ B5 29 環 境 環境にやさしい商品の購入(グリーン購入) 循 環 型 社 会 の 構 築 の た め に 当社は、 2003年3月より 「グリーン購入ネットワー ■ 自動車のグリーン購入の割合 * ク 」に加盟しています。 不必要な物品の購入を抑えると共に、 事務用品 (文房具類)、 事務設備(机・椅子など)、 OA用紙、 作業着などについて環境配慮品の購入を進めて います。事務用品では、 50 品目以上が「エコマー ク」の付いている商品です。 ●自動車のグリーン購入 総台数 低公害車 ハイブリット 新☆☆☆☆ 内 新☆☆☆ 訳 超−低排出ガス★★★ 優−低排出ガス★★ 良−低排出ガス★ その他 台数 割合 875 703 1 44 1 393 1 263 172 80.3% 大正製薬、 大正富山医薬品の営業活動などで 使用してる自動車のうち、 リース車と社用車 (30台) は 、合わ せて 8 7 5 台あり、低 公 害 車 の 割 合は 80.3%です(2005年4月末時点)。 リース車は、 契約の更新などに合わせて低公害 車への切替を進めています。 国土交通省による低公害認定車 <2005年度認定基準> ①新☆☆☆☆:排出ガス75%削減 ②新☆☆☆ :排出ガス50%削減 <2000年度認定基準> ①超−低排出ガス★★★:排出ガス75%削減 ②優−低排出ガス★★ :排出ガス50%削減 ③良−低排出ガス★ :排出ガス25%削減 ▲営業活動で使用しているリース車 コラム 岡山工場が『岡山エコ事業所』に認定 岡山県では、循環型社会の形成を推進するため、 再生品の購入・使用等のグリーン調達などに積極的 に取り組んでいる事業所を「岡山エコ事業所」として 認定する制度を創設しました。 この認定制度に当社の岡山工場が応募したとこ ろ、日頃の環境活動が認められ、環境にやさしい企業 として認定を受けることができました。 岡山工場の取り組みとしては、2002年度から環境 方針に基づく「環境にやさしい生産活動」を目指し紙 類、文房具類、OA用品、事務備品について環境配慮 品の購入を進めています。2004年度は紙類、文具類 について目標の90%を上回るグリーン調達率を達成 することができました。今後は、他品目についても環境 にやさしい物品の調達を積極的に展開していきます。 30 ▲内野淳子副知事より認定書と認定プレートを 受け取る関 工場長(9月27日) TAISHO Environmental and Social Report 環 境 製品の環境対応 環境に配慮した製品設計 製品使用後の容器・包装は、 廃棄物となった段階で環境負荷が発生します。それを軽減するために、 環境負 荷の少ない製品の設計について検討しています。 ●大容量製品の容器材質変更 ●バラ細別の容器材質を統一化 医療用医薬品の個包装でないバラ細別(錠剤・カ バラ細別のうち、 大容量(1kg以上)の散剤およ プセル・散剤および細粒剤) の容器には、 これまで「金 び細粒剤は、 これまで「金属(ブリキ)缶」に入れて 属缶」 「ガラスびん」 「プラボトル (ポリエチレン製) 」の いました。 3種類がありました。容器材質の多様化は、 廃棄後の 分別・回収およびリサイクル性に影響を与えます。 2004年度は、 これまで「金属缶」や「ガラスびん」 廃棄・リサイクル性の検討を進め、 2004年度の細 粒剤の改良品発売に合わせて、 リサイクルしやすい 「紙器」に変更しました。容器材質の変更により、 約 を使用していた10製品のうち、 9製品について「プラ 76%の減量化が図れました。 この紙器には古紙含 ボトル」に切り替え、 容器材質の統一化を図りました。 有率100%紙を使用しています。 金属缶 循 環 型 社 会 の 構 築 の た め に 大容量缶 大容量紙器 約1.3kg 約0.3kg 8種類 容器材質を統一化 ガラスびん ▲ソロン細粒の包装形態をブリキ缶から紙器(再生紙)へ変更 4種類 プラボトル 9種類 ●製剤の小型化 製剤研究においても、 主成分の濃度を高める工 夫など、 製剤の小型化を実施してきました。 製剤の小型化は「服用性 (飲み易さ) 」 「携帯性」 2種類 の向上だけでなく、 原材料やエネルギーの使用削 減につながります。 ▲容器材質のプラボトルへの統一化 容器包装リサイクル法*への対応 容器包装リサイクル法は、 容器包装廃棄物の再 商品化(リサイクル)の促進のため、消費者、市町 村、 事業者の役割を明確にした法律です。 当社は、 財団法人容器包装リサイクル協会に再 商品化を委託することで、 事業者としての義務を果 たしています。 ■ 2004年度の再商品化委託金額 容器の種類 委託金額(精算後) ガラスびん 紙製容器包装 プラスチック製容器包装 1億3965万円 31 環 境 各 事 業 所 の 活 動 各事業所の活動 大宮工場 環境への取り組みでは、 3つの環境活動の柱に 沿って推進しています。 1つ目は、 環境リスクの極小化です。外部に影響 する環境異常の発生件数ゼロを目標に、 各種リス ク対策や異常時の対応実地訓練などを行い、 外部 への環境異常の発生件数ゼロを継続しています。 2つ目は、 省エネルギーの推進です。 「2004年度 中にエネルギー使用量( 二酸化炭素換算 )を、 1999年度比で3%削減する」 という目標を掲げ、 エ ネルギーロスの削減や省エネルギーへの取り組み 状況の点検など、 ハード、 ソフト両面の対策を進め ▲執行役員・統括工場長 野崎 征彦 大宮工場は、 ドリンク ました。結果としては、 エネルギーロスの改善効果 剤、固形製剤、外用剤、 があったものの、 生産設備の省エネルギー対策が 注射剤など多様な製品 必ずしも十分ではなかったこともあり、 目標を達成す を生産している当社の ることができませんでした。 主力工場です。そのた 3つ目は、 廃棄物の削減です。 「2004 年度中に めエネルギーの使用量 廃棄物の最終埋立処分量を1999 年度比で75% も多く、熱・電気共にエ 削減する」 という目標を掲げ、 原材料を梱包する材 ネルギー第一種指定工 料の使用量削減や再資源化活動を積極的に進め 場に該当します。 ました。その結果、 廃棄物の99%以上を再資源化 生産本部の環境への取り組み 生産本部では、 「生活者が納得する優れた医薬 品・関連商品、情報及びサービスを社会から支持され る方法で創造・提供し、生活者の健康でより豊かな暮 らしの実現に貢献する」という企業理念の下、明日の 社会と健やかな暮らしを考え、 「環境にやさしい生産活 動」を追求しています。また、近年、環境問題を取り巻 く課題は大きく変化し、地球環境との調和や社会との 信頼性の確立は企業にとってより重要な課題になっ ています。それらの変化に対応し、循環型社会に向け た環境活動を推進しています。 2004 年度は、主要な工場で、資源とエネルギーの 有効活用、廃棄物のゼロ化などに取り組み大きな成 果を上げることができました。 また、企業が保有する環境リスクの極小化や社会 貢献活動、社外とのコミュ ニケーションの充実に努 めました。 今後も継続的に従業員 の環境に関する意識向上 を図り、長期的な視点で 循環型社会への貢献活 動を展開していきます。 ▲生産本部 環境室長 松尾憲道 32 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 し、 目標以上の成果を上げることができました。 今後も「環境にやさしい生産活動を追求する」 また、 内部環境コミュニケーションでは、 毎年2月 という活動方針の下、 環境リスクの極小化、 省エネ を「大宮工場環境月間」に設定し、 工場周辺のク ルギーの推進、 廃棄物の削減などの活動を推進し リーンアップ、 省エネルギー・廃棄物分別パトロール ていきます。 各 事 業 所 の 活 動 などの活動に取り組むと共に、 環境ポスターの募集 などを行い、従業員の環境意識の向上に努めま した。 さらに、 外部環境コミュニケーションでは、 地域社 会との交流、 環境情報の提供を目的に、 さいたま市 主催のさいたま市環境フォーラムに参加しました (p.19の環境コミュニケーションに関連コラムあり)。 当社ブースでは、 大宮工場の環境への取り組みを パネル展示したほか、非木材資源として期待され ている「ケナフ」の紙漉き体験コーナーを設け、 来 ▲さいたま市主催の「さいたま市環境フォーラム」にブースを出展 場者の皆さんに紙漉きを体験していただきながら 環境への取り組みについて広く知っていただくな ど、 環境コミュニケーションの充実に努めました。 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 電気(千kWh) 都市ガス (千m3) LPG(m3) A重油(kL) ■ 廃棄物排出量 58,280 6,756 639 0.7 総排出量(トン) 埋立処分量(トン) 6,624 23 ■ 規制項目の測定結果 規制項目 大 気 NOx 水 質 水素イオン濃度 生物化学的酸素要求量 浮遊物質 窒素含有量 燐含有量 貫流ボイラー 水管ボイラー 吸収式冷温機 ガスタービン 工場排水 基準値 − 130ppm 150ppm 70ppm 5超∼9未満 600mg/L未満 600mg/L未満 240mg/L未満 32mg/L未満 実測値 60∼100ppm 95∼120ppm 25∼78ppm 18∼22ppm 6.2∼8.8 40∼467 45∼248 8∼68 1.1∼6.7 33 環 境 各 事 業 所 の 活 動 羽生工場 2004年度は、 省エネルギーの推進、 2003年度達 成したゼロエミッションの維持、 さらなる廃棄物の削 減およびリサイクル化の推進を環境目標として取り 組みました。 特に2004年度は環境活動を生産活動と直結し た活動と位置付けて展開しました。 その結果、 省エネルギーの推進では、 空調設備 の運転改善の効果があったものの、 動力設備(コン プレッサー)増設の影響もあり、 目標を達成すること ができませんでした。 一方、 廃棄物の削減では、 生産に使用する副資 材(糊・潤滑水) の削減や放流水量の削減などを積 羽生工場は、埼玉県 北部の利根川に隣する 極的に進めた結果、 目標を達成することができました。 羽生市にあり、 「リポビタ また、 2003 年度に達成した「ゼロエミッション」活 ンD」をはじめとするドリ 動が評価され 、3R 推進協議会より平成 16 年度 ンク剤を日産110万本以 「リデュース・リユース・リサイクル (3R)推進功労者 上生産するドリンク剤専 等表彰」の会長賞という栄誉ある賞をいただきま 用工場で、 熱・電気共に した。 今後も表彰に恥ない活動を展開していきます。 第二種エネルギー管理 ▲羽生工場長 村岡 洋一 指定工場に該当します。 当工場は田園地帯の工業団地内にあり、 排水は 河川に流れ、 農業用水として利用されるため、 廃水 処理には特に重点を置いています。 環境活動は「地域と共生する工場」をスローガン に掲げ、 環境にやさしい諸活動を展開しています。 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 電気(千kWh) LPG(m3) A重油(kL) ▲「リデュース、 リユース、 リサイクル(3R)推進功労者等表彰」の 会長賞受賞の記念講演(日本製薬工業協会環境安全セミ ナー:2004年11月26日) ■ 廃棄物排出量 7,032 23 1,681 総排出量(トン) 埋立処分量(トン) 695 0.2 ■ 規制項目の測定結果 規制項目 34 大 気 NOx SOx ばいじん 貫流ボイラー 水 質 水素イオン濃度 生物化学的酸素要求量 浮遊物質 窒素含有量 燐含有量 工場排水 基準値 − − − 実測値 91∼120ppm ー 0.0064∼0.0067g/m3N 5.8以上∼8.6以下 25mg/L以下 60mg/L以下 120mg/L以下 16mg/L以下 6.9∼7.2 <1∼3mg/L <2mg/L 1.2∼5.0mg/L <0.1∼0.7mg/L TAISHO Environmental and Social Report 環 境 岡山工場 省エネルギーの推進に関しては、 省エネルギーパ トロールによるエネルギーロス点検や動力設備の運 転改善などの効果があったものの、目標達成に至 りませんでした。 各 事 業 所 の 活 動 また、 異常排水の排出抑制に関しては、 2003年 10 月に排水BOD 値が勝央町の条例基準を超過 してしまったことを重く受け止め、 管理項目の見直 し、排水設備の強化を行いました。それ以降、 「異 常排水の発生ゼロ」を継続しています。 また、 廃棄物削減については、 2005年度中にゼロ エミッション達成を目指し、 廃棄物の抑制およびリサ イクル化を展開しています。 これら活動を通じて、 岡 岡山工場は、県北部 山県より循環型社会形成の取り組みが評価され、 の国定公園那岐山を間 「岡山エコ事業所」 の認定を受けることができました。 近に臨む「勝央中核工 今後も環境法規制の遵守はもちろんのこと、 資源 業団地」内に位置し、 リ の有効活用、生産性の向上、循環型社会への貢 ポビタンDをはじめとす 献に努めます。 る100mLドリンク剤を日 産110 万本以上生産す る製剤工場です。2003 ▲岡山工場長 関 利光 年 度から熱・電 気 共に 第二種管理指定工場に該当しています。 環境活動に関しては、 省エネルギーの推進、 異常 排水の排出抑制、 廃棄物の削減を推進しています。 ▲工場管理室の入口付近に置かれている「エコ事業所」の 認定プレート ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 電気(千kWh) LPG(m3) A重油(kL) ■ 廃棄物排出量 7,562 111 1,598 総排出量(トン) 埋立処分量(トン) 726 25 ■ 規制項目の測定結果 規制項目 大 気 NOx SOx ばいじん 水 質 注)水管ボイラーは休止中 岡山 水素イオン濃度 生物化学的酸素要求量 浮遊物質 窒素含有量 燐含有量 貫流ボイラー 水管ボイラー 貫流ボイラー 水管ボイラー 貫流ボイラー 水管ボイラー 工場排水 基準値 実測値 − 180ppm − 6.53m3N/h − 0.20g/3m3N 5超∼9未満 600mg/L未満 600mg/L未満 240mg/L未満 32mg/L未満 48∼99ppm ー 9∼35ppm − 0.002∼0.02g/m3N − 5.8∼6.6 100∼300mg/L 5.9∼76mg/L 5.1mg/L 0.08mg/L 35 環 境 各 事 業 所 の 活 動 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 事務系事業所 電気(千kWh) 都市ガス (千m3) 11,733 37 ■ 廃棄物排出量 総排出量(トン) 埋立処分量(トン) 761 5.3 グリーン購入を行っている 主な文房具類(本社) 蛍光ペン、サインペン、修正液、 ファイル、 朱肉、修正テープ、スタンプ台、水性糊、 スタンプインク、 スティック糊、ボールペン、 ステイプラー、 クリアーブック など ▲本社1号館 事務系事業所は、本社、支店、営業所、総合研 エネルギー使用量については、 猛暑によりエアコ 究所から構成されています。エネルギー多消費型 ンの使用量が増え、 夏場の電気使用量が増加した の大型設備が少ないため、省エネルギーは、昼休 ために、 エネルギー全体としても使用量が増加しま みの消灯や空調温度の適正管理などのソフト面の した。2005 年度は夏場のオフィスの冷房温度を 対策を中心に実施しています。 28℃程度に設定し、節電、省エネ活動の徹底を 廃棄物については、分別収集の励行によるリサ 図っています(p.21)。 イクルの推進やコピー枚数の削減による省資源化 一方、 廃棄物に関しては、 総排出量は増えました の推進などを実施しています。 また、 事務用品のグ が、 分別収集の励行によるリサイクルの推進が実を リーン購入も励行しています。 結び、 最終埋立処分量は前年度比で約64%削減 2004年度には、 社内マナー向上の一環として省 エネルギーや備品の有効活用などを推進しました。 備品の有効活用は、 保有している備品を有効に活 することができました。 今後も省エネルギーや廃棄物削減のための活動 を推進し、 環境負荷の低減を図ります。 用して不要な新規購入を止めるというものであり、 グ リーン購入の「購入する前に必要性を十分に考え <参考:グリーン購入の一般的な考え方> る (不要なものは購入しない)」 という考え方に基づ 1. 必要性の考慮 くものです。 ・ 購入する前に必要性を十分に考える 2. 製品・サービスのライフサイクルの考慮 ・資源採取から廃棄までの製品ライフサイク ルにおける多様な環境負荷を考慮して購 入する 3. 事業者取り組みの考慮 ・環境負荷の低減に努める事業者から製品 やサービスを優先して購入する 出典: 「グリーン購入基本原則」 (グリーン購入ネッ トワーク提唱) 36 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 海外生産子会社の活動 「リポビタン」シリーズは日本ではもちろん、 世界でも多くの人々に受け入れられており、 日本で生まれた「疲れたと き、 これから頑張りたいとき、 スポーツの前後などに気軽に一本・栄養補給」 というドリンク剤の習慣が現地に根付い ています。 またその味も各国の生活者の嗜好や風土に合わせたものになっています。 このような嗜好の違いと同様に、 環境に係わる規制や薬事法も各国さまざまです。そのため、 海外にある5つの生 産子会社は、 地域の状況に応じて独自の環境活動・製造管理に取り組んでいます。 海 外 生 産 子 会 社 の 活 動 「健康と美を願う生活者が納得する、 優れた医薬品・健康関連商品、 情報及 びサービスを、 社会から支持される方法で創造・提供することにより、 社会に貢献 する」 という基本理念は変わりません。環境保全や職場での安全に配慮しなが ら、 質の高い製品づくりに取り組んでいます。 2004年度は、 環境に関する行政指導や苦情、 製造に伴う労働災害はありま せんでした。 ▲海外で販売されているリポビタンシリーズ 上海大正 生産活動に関しては、 製造時間とロットを適切に管理 することで、水の使用量が最少になるように努めていま す。 また、 廃棄物に関しても、 使用済み品の再利用により 排出削減を図ると共に、 分別の徹底によりリサイクルに回 る廃棄物量も増えています。工場排水は、 浄化設備で処 理すると共に排水水質の管理も行っています。 製品輸送ではフォークリフトタイプの変更(ディーゼル車 →LPG車) や、 輸送効率の改善などにより二酸化炭素排 出量の削減を図っています。オフィス活動では、 使用済み コピー用紙の裏面を使用するなど、 省資源に努めていま す。その他、 工場敷地内の緑地エリアは、 四季に応じた 保全を行い、 地域景観にも配慮をしています。 インドネシア大正 工場排水を公共水域に排出する前に処理施設で浄 化しています。 また、 環境負荷の小さい製品・サービスの 優先的購入を行っています。 過去3年間では、 不休災害が2002年度に1件だけあ りました。従業員教育訓練の中に安全教育を取り入れ ており、 休業災害に繋がるような重大な事故はありません でした。 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 電気 (kWh) 重油 (kL) 軽油 (kL) 338,430 94 27 ■ 廃棄物排出量 再生利用量(トン) 焼却処理量(トン) 埋立処分量(トン) ■ 排水水質 化学的酸素要求量 (mg/L) 47 0 7 20∼80 ▲上海工場 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 136,443 電気 (kWh) 0.2 重油 (kL) 60 軽油 (kL) 12 LPG (m3) ■ 廃棄物排出量 再生利用量(トン) 焼却処理量(トン) 埋立処分量(トン) 0 1 0.4 ▲チパナス工場 37 環 境 海 外 生 産 子 会 社 の 活 動 台湾大正 2004年度は返品に伴う廃棄物が減少したため、 廃棄 物総量は前年に比べておよそ3割減少しました。 工場ではオゾン層保護の観点からのハロン消火器使 用中止などを実施しています。緊急事態への対応として はボイラー燃料の貯蔵タンクに防液堤を設置すると共に、 対応マニュアルを作成し、 防災訓練を行っています。 また、 環境負荷の小さい製品・サービスの優先的購入やコピー 用紙の再利用なども進めており、 これらの取り組みを推進 するために全社員に対して1回/年の環境教育を実施 し、 社員の環境意識向上を図っています。 安全衛生教育を新入社員研修に組み入れており、 過 去3年間において労働災害は発生していません。 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 570,800 電気 (kWh) 56 重油 (kL) 0.1 LPG (m3) マレーシア大正 工場の排水に関して定期的な監視・測定を行い、公 共水域への排水を管理しています。 また、 環境負荷の小 さい製品・サービスの優先的購入を実施しています。 また、 現地の環境省 (Department of Environment) のスタッフにグラウンドを貸し出すなど、 行政とのコミュニ ケーションも大切にしています。 労働安全衛生に関しては、 職場の安全に関する組織 を作り、 担当責任者を選任しています。管理職を中心に 安全管理教育も行われており、 過去3年間において労働 災害は発生していません。 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 電気 (kWh) 690,000 軽油 (kL) 0.005 都市ガス (m3) 61 ■ 廃棄物排出量 再生利用量(トン) 焼却処理量(トン) 埋立処分量(トン) ■ 排水水質 化学的酸素要求量 (mg/L) 0 6.2 1.6 52∼328 ▲新竹工場 ■ 廃棄物排出量 再生利用量(トン) 焼却処理量(トン) 埋立処分量(トン) ■ 排水水質 生物化学的酸素要求量 (mg/L) 化学的酸素要求量 (mg/L) 5 0 2.5 10∼100 20∼160 ▲バンギー工場 ベトナム大正 ベトナム独自のマネジメントシステム (TCVN) に従って 環境活動を進めており、 四半期毎にベトナム環境局への 報告を行っています。 工場排水は処理施設で浄化してから公共水域に排 水すると共に、 その運転効率の最適管理に努めています。 また、 2004年度には自動蒸気供給システムの導入や 蒸気配管への保温材取付といった省エネルギーの推進 や廃棄物のほとんどをリサイクルするなど、 環境改善を積 極的に進めています。 ■2004年度環境データ ■ エネルギー使用量 173,360 電気 (kWh) 70 重油 (kL) 0.81 軽油 (kL) ■ 廃棄物排出量 再生利用量(トン) 焼却処理量(トン) 埋立処分量(トン) ■ 排水水質 生物化学的酸素要求量 (mg/L) 化学的酸素要求量 (mg/L) 9.5 1.6 0 96∼225 197∼304 38 ▲ニャチャン工場 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 社会性への取り組み 環境活動だけでなく、社会性についても適正に情報開示することが企業の透明性を確保する上で重要な テーマになってきています。 当社の「環境・社会報告書」は2002年に初版を「環境報告書」 として発行し、 2003年からは「環境・社会報告書」 として社会性を段階的に取り込んだ構成となっています。 社会性の公開項目 環境・社会報告書 生活者とのコミュニケーション 生命科学関連研究への支援 2003年版 文化活動の振興 スポーツ活動の振興 その他・ トピックス ページ数 社 会 性 へ の 取 り 組 み 6 コンプライアンスの取り組み 生活者とのコミュニケーション 2004年版 従業員との関わり 生命科学関連研究への支援 12 文化活動の振興 スポーツ活動の振興 その他 『健康と美を願う生活者が納得する、 優れた医薬品・健康関連商品、 情報及びサービスを、 社会から支持される 方法で創造・提供することにより社会に貢献する』 という経営理念のもと、 生活者の皆様の生命と健康に関わる事業 活動をしている企業として、 『企業の社会に対する責任を、 本業を含めてどのように果たすのか、果たそうとしているのか』 が社会性を公表する上で大切であると考えています。そして、 ステークホルダーに積極的に情報を開示することが、 長期的には企業価値の向上に繋がると考えています。 2005年版では、 製薬企業としての信頼性保証への取り組みや個人情報保護法への対応などを新たに項目とし て追加したことに伴い、 社会性を大きく3つに括り直して構成しました。 −製薬業の要である“信頼性保証の仕組み” −“ステークホルダーとの関わり” ・生活者の皆様 ・地域住民の方々 ・取引先の方々 ・株主・投資家の方々 ・従業員 −“企業市民として” それぞれの項目については関係部署が対応しており、 経営理念や全社行動指針、 および関連する情報を共有し ながら、 有機的に連携して社会性全体を推進しています。 39 社 会 信 頼 性 保 証 の 仕 組 み 信頼性保証の仕組み 信頼性保証方針 企業は生活者の皆様をはじめ、 社会からの信頼 の上に成り立っています。そのためには、 情報化や グローバル化、 環境対応や法規制の改正など、 社 会環境の変化を的確に把握し、 ニーズに合わせた 体制づくりが必要であると考えています。 そのためには実行するための体制を構築・維持 すると共に、 取り組みの妥当性を継続的に見直す 当 社では2 0 0 4 年 4 月にQ A 本 部( Q u a l i t y Assurance;信頼性保証) を新設し、 信頼性保証に 関係する業務を一元的に管理し、 課題の抽出およ び問題への対応を行い、 信頼性レベルを維持する 取り組みを進めています。 特に監査・評価などのチェック体制を整備してシ ステムの継続的改善に取り組んでいます。 ことが重要です。 QA本部の取り組み QA本部は、 製造販売後の品質保証および安全 管理、 臨床試験の監査、 研究所で実施する試験の 信頼性保証、 信頼性保証業務の企画立案を行っ ています。 QA本部の基本的な役割は、当社の製品が法 規制に適合するか、 その安全性が科学的に見て 証明されているか、 を評価することにあります。 さらにより広い視点から、社会の一般常識や倫 理、 習慣に適合しているかも評価しています。 性保証の基本理念と基本方針を作成しました。 その上で、 必要な責任者を任命し、 Plan(計画)Do( 運用)-Check(評価)-Action(改善のための 見直し) を、 信頼性保証を確実に実践していくため のプロセスに組み込み、 運用体制をより良いものに 整備・強化することに努めています。 信頼性保証基本理念 生活者の視点から、大正製品等の「安全性」の 確保と「品質」の向上に努め、 信頼、 即ち「安心」 と「満足」を得る。そのために勇気を持って行 動する。 信頼性の4つの視点 基本理念 基本方針 商法・薬事法などの 法規制や行政の指導 生活者や取引先と 取り決めた契約・規則など 社会の一般常識、倫理や習慣 QA本部 これらの評価基準を明らかにするために、信頼 信頼性保証基本方針 1. (姿勢)生活者の意見に耳を傾け、その期待 に応える。 2. (技術水準)世界的視野に立ち、最高の水準 を求め続ける。 3. (自己管理) 「信頼性」を保証する自己管理 活動を絶え間なく推進する。 品質保証部 …… 医薬品、医薬部外品および化粧品の品質保証 医薬安全管理部 …… 医療用医薬品の安全確保、治験薬安全情報の収集、評価、報告 セルフメディケーション …… 一般用医薬品、医薬部外品、化粧品の安全確保 安全管理部 40 治験監査室 …… 国内臨床試験のGCP適合性監査、海外臨床試験における信頼性把握と適正性の確認 試験保証室 …… 非臨床試験の信頼性確保、治験薬の信頼性確保 QA推進室 …… 製造販売業業態管理、研究開発から市販後の信頼性保証の推進、QA本部の運営管理 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 改正薬事法に対する対応 薬事法は医薬品、 医薬部外品、 化粧品、 医療機 器などの有効性、安全性、品質などの確保を目的 として、 一定の基準や取り扱いを定めた法律です。 2005年4月1日から販売する者(製造販売業者) が承認と責任を有することとした改正薬事法が施 行されました。当社では施行1年前に本社内にQA 本部を発足させ、 信頼性保証業務の試験的運用 を進めてきました。本年4月からは正式に製造販売 3役を任命し、 品質保証業務および製造販売後安 全管理業務を実施しています。 改正薬事法に伴う新たな基準∼製造販売業の許可基準 製造販売3役 総括製造販売責任者 品質保証責任者 安全性管理責任者 「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の製造販売後安全管理の基準(GVP)」 「医薬品、医薬部外品、化粧品及び医療機器の品質管理の基準(GQP)」 GVP;Good Vigilance Practice GQP;Good Quality Practice の略 QA本部の運営体制 改正薬事法の施行に伴い、 医薬品の製造委託 に関する規制が緩和された反面、 委託先の品質管 理の監査や評価、 ならびに販売後の安全管理によ り厳格な管理が求められるようになりました。 また、 研究段階での安全性や有効性の評価にお いて信頼される結果を示すことも重要です。 当社では、試験保証室と治験監査室が研究開 発段階の信頼性を保証しています。販売する製品 については、 医薬品の特性に応じて適切に対処で きるように、一般用医薬品と医療用医薬品の安全 管理業務を専門部署(SM安全管理部、 医薬安全 管理部) として分けると共に、 それぞれの品質を管 理する品質保証部、 ならびにこれらの組織をPDCA サイクルとして維持・推進するためのQA推進室を 設けることで、 継続的な信頼性保証に取り組んでい ます。 医薬安全管理部 製品の改良 新製品開発への反映 大正富山医薬品(株) お客様相談室 SM安全管理部 要望 苦情 QA推進室 薬事部 お客様119番室 品質保証部 製造・出荷 報告 研究 開発 信 頼 性 保 証 の 仕 組 み 出荷適否 判定 生産 要望 苦情 回答 回 答 要望 苦情 回答 生活者の皆様 薬局薬剤師の方々 医師薬剤師の方々 卸企業 患者様 基準への 適合性調査 調査対応 報告 試験保証室 基準への 適合性調査 調査対応 報告 治験監査室 製品の流れ 情報の流れ 運用状況把握 改善実施報告 41 社 会 各部の役割 信 頼 性 保 証 の 仕 組 み 品質保証部 改正薬事法に伴い、 「市場出荷」 という言葉がこ の春から使われるようになりました。 市場出荷とは、 厚生労働大臣により承認された方 法で製造された医薬品などが規格に合致している ことを確かめると共に、 製造時の管理が適切である か実地確認し、 更には、 個々の医薬品の新たな安 全 性 情 報の有 無を勘 案した上で、その医 薬 品 を市場に供給しても良いものか最終的な判断を下 すことを指し、 とても重要な業務になります。 品質保証部はこの市場出荷を管理しているほ か、 下に示す業務にも取り組んでいます。品質の確 かな製品だけを安定して市場に供給するために、 総 合的な品質保証という観点から自社工場を含めた 全ての製造所とのスムーズな連携に努めています。 ・市場出荷の管理、変更管理、品質情報処理などの品質管理業務の運用 ・品質標準書、品質管理手順書類などドキュメントによる医薬品などの品質管理 ・自社工場や製造委託先など、製造所の監査と製造所情報の管理による品質確保 ・お客様119番室などに届いたお客様からのご提案に基づく品質向上への取り組み 医薬安全管理部 医療用医薬品の開発では、厳密な臨床試験を 通じて対象疾患に対する医薬品の有効性・安全性 を十二分に評価したのち有益なものだけが認可さ れます。 しかしながら、 臨床試験は投与例数が必ずしも 多くなく、 また、 併用薬の制限などの条件のもとに行 われるため、 一般診療下で他の医薬品と併用する ことが多くなる発売後には、 開発段階では予測でき なかった副作用があらわれてしまうことがあります。 そこで、 このような思いがけない副作用に関する 情報、 効果や安全性に関する情報を迅速に収集し、 評価・分析して医療関係者に情報をフィードバック する必要があります。 当社では改正薬事法に則り、 QA本部内に安全 性情報の収集・評価・報告・伝達を統括する医薬安 全管理部を設置しました。 医療現場から得られる医薬品情報の安全管理 を通して、 医療従事者に適正使用情報の提供を行 い、最終的に生活者の皆様が有効で適切な診療 を受けることに貢献することを目的に、 以下のことを 推進、 強化しております。 ・薬事法などの関連法規に則った医薬品の適正使用と市販後安全対策の充実 ・安全性管理情報の評価・報告・伝達が適切かつ迅速に実施できる体制の維持 ・科学技術の進歩、外部環境の変化を反映した最新の知識による有効性・安全性の評価 ・国際的ハーモニゼーションの尊重と、諸外国からの安全性情報の収集 ・品質保証部との連携を核としたQA各部門との協力による評価・検討・措置の立案 42 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 セルフメディケーション安全管理部(SM安全管理部) 薬局薬店で入手することができる一般用医薬 品、 スーパー・コンビニなどでも入手できる医薬部外 品、化粧品などに関して、製品の使用後に身体に 好ましくない症状があらわれた場合、 どうしたらよい でしょうか?このような場合、 薬局薬店の薬剤師に、 あるいは当社のお客様119番室にご相談いただく のが基本ですが、先ずはお手元の添付文書や外 箱などに記載されている説明書きを読むことをおす すめします。 この説明書きは製品に関する重要な情報ですの で、 必要に応じて改訂され、 新たな情報を反映する 必要があります。SM安全管理部は、一般用医薬 品・医薬部外品・化粧品などに関して、 製品の使用 信 頼 性 保 証 の 仕 組 み 後に身体に好ましくない症状があらわれたという報 告を収集し、 検討し、 必要に応じて当局への報告、 説明書(添付文書)の改訂など、適切な安全確保 措置を実施する業務を行っています。 ●一般用医薬品の説明書(添付文書)の例 【総合かぜ薬;パブロンSゴールド微粒】 一般用医薬品の説明書は大きく分けて『使用上の注 意』と 『用法用量・効能と成分・保管および取り扱い』の2 つのパートから成ります。 お薬を安全に服用していただくためには、 服用前に必 ず『使用上の注意』 と 『用法用量』をお読みください。 また、 服用後に身体に好ましくない症状があらわれた 場合には『使用上の注意』、 特に『相談すること』に書か れていることを先ず確認してください。 SM安全管理部では、 薬の安全性に関する様々な報 告を収集・分析し、 必要に応じて『相談すること』の記述 この説明書(添付文章) は2004年12月現在のものです。 参照する説明書は最新のものをお使いください。 治験監査室 研究所での試験で安全性、 有効性が確認された 開発品は、 次の段階として臨床試験、 いわゆる治験 でヒトにおける安全性・有効性を確かめることになり ます。治験はボランティアとなる生活者の方々や患 者さん (被験者の方々)のご協力により実施される ことになります。 ここで被験者の権利(人権) や安全 が最大限守られなければならないことが薬事法とそ れに基づく省令(GCP; Good Clinical Practice 治 験実施の基準) で定められています。 被験者保護の具体的な方法は、治験の倫理 性・科学性について独立した委員会で審査されて の改定を行うことが主な業務の一つになります。 いること、 治験に参加する前に文書による説明と同 意があること、 被験者のプライバシーが保護されるこ と、 健康被害が補償されることなどがあり、 当社の新 薬開発担当者(モニター) は、 治験に伴う全ての手 続きを薬事法やGCPに遵守して実施しています。 治験監査室の監査担当者は、 モニターが適切に 業務を行っていることを開発担当部署とは別の第 三者組織として確認を行います。監査には下に示 すような3種類の監査があり、 これらにより治験の GCP適合性を確認しています。 ・内 部 監 査 ;当社内におけるGCP手続き資料の確認 ・外 部 監 査 ;治験実施医療機関に出向いてカルテを閲覧することによるデータの信頼性確認 ・システム監査 ;開発部門の治験実施プロセスの妥当性確認 43 社 会 信 頼 性 保 証 の 仕 組 み 試験保証室 新薬が世の中に送り出されるまでには、 合成法の 確立から、微生物や細胞を使った基礎的な研究、 そして動物実験を経て、 最終的にはヒトでの臨床試 験と、 様々な研究が長い期間をかけて行われます。 たとえば、 新薬の候補となる新規物質(開発品) が、 その有効性を十分に発揮するように製造されて いるか、使用できる期間が検証されているかなど、 開発品そのものの品質を評価します。 また、 作用機序などを明らかにして、 開発品の持 つ効力が科学的に問題のないものであることを明 らかにしなければなりません。 そして、 副作用の発現を、 投与経路、 血中濃度な ど、 あらゆる角度から検討すると共に、 開発品が体 内でどのような挙動を示し、 どのように代謝されるか を確認し、 薬効や副作用との関連も検討します。 新薬の開発は、 長い期間をかけて幅広い分野の 多くの研究者により進められます。そこで行われる 数多くの様々な試験が無秩序に行われていたので は、 試験結果、 ひいては医薬品の信頼性保証がで きなくなってしまいます。 試験保証室では、 このような研究段階で行われ る薬の品質、有効性、安全性などを評価する多種 多様な試験が、 高い信頼性を維持するための業務 を行っています。研究員が自ら手順を決め、 必要な 施設や機器を整備し、 試験操作が適正かつ円滑に 行われるよう指導し、 また試験やデータの信頼性に 対する意識、 および技術の維持向上のための教育 訓練を実施しています。 さらに、 行われた試験に関 わる全ての操作、 記録について信頼性保証という 観点から調査(監査) を行い、 問題がある場合には 改善を求め、 結果を検証し、 十分に信頼性が確保 されるための活動を推進しています。 新しい薬が発売されるまで(日本製薬工業協会「製薬協ガイド2005」を参考にしています) 2∼3年 3∼5年 3∼7年 1∼2年 基礎研究 くすりのモトを探す 非臨床試験 新規物質のテスト 臨床試験 有効性/安全性確認 承認申請と審査 専門家による審査 市販後調査 発売後の追跡調査 44 薬になる可能性がある生理活性物質(リード化合物) を、 ロボット技術、バイオ技術 などを利用して見出します。 リード化合物を基に多くの化合物を合成し、有効性、安全性、生体内動態で優れた 化合物を見出します。また、実際の病気に有効かどうかを研究します。 専門の医師(治験医師)の管理下で、健康な人や患者さんから同意を得た上で、 非臨床試験にパスした候補物質が安全で有効なものなのかを調べます。 試験はフェーズⅠ∼Ⅲまで3段階のステップに分かれます。 臨床試験で確かめたデータに基づき厚生労働省に承認の申請を行います。 薬事・食品衛生審議会で審査をパスすると「くすり」としての製造が認められます。 一般の診療下で行われる数多くの患者さんへの投薬情報を集め、臨床試験で 見つけられなかった副作用や適正使用条件などがないかを確認します。 新たな見地を得たら速やかに関係機関に通知します。 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 QA推進室 科学技術の高度化、注目度の増す環境問題、 産業のボーダーレス化、 ネットワーク社会の進展、 世 代間における行動様式の多様化など、 私たちを取 り巻く状況が急速に複雑化しつつあります。 こうした中では、 一度築いた組織や改善の仕組 みなども、 そのまま継続していくと環境の変化により 必ずしも適当でない場合が生じてくる可能性があり ます。 そこで、 法や倫理などの“必ず果たさなければな らない事項”のみならず、様々なステークホルダー から期待される“当然果たすべき課題”などを的 確に捉え、対応を検討することがQA推進室の役 割となります。 コラム 業務の中には、 例えば次のようなものがあります。 ・社会の変化や考え方の多様性を的確に捉え、 当社の取組みの妥当性を継続的に見直すた めに「大切にしていくべき従来からの考え方」 と 信 頼 性 保 証 の 仕 組 み 「変化に対応して刷新すべき考え方」を常に選 別・明確化した上で、 それぞれの重要性を再認 識する。 ・これを反映させた行動の基礎となるものを、 でき るだけわかりやすく文書化して明確に示す。 当部署はこのような業務、 即ち信頼性保証の方 針や運用を決める業務に取り組んでいます。 お客様からの声を生かした製品改良 ヒカミロンディスポの改善事例 関節炎(変形性膝関節症・肩関節周囲炎) に 用いられる 【ヒカミロンディスポ】 という医療用医薬 品を取り扱っています。 この製品は、 医療現場において患者さんに投 与されますが、 その際、 製品名を確認しにくいと いうご意見を医師の方からいただきました (図中 左の製品名)。 そこで、当社のQA本部、 ならびに大正富山 医薬品の関連部門が連携して対策を検討し、 製品名シールの地色を白色に変更しました(図 中右)。 当社の【お客様119番室】や大正富山医薬 品の【お客様相談室】に寄せられた声は、 この ような製品改良・品質の向上などに反映されて います。 改善前 改善後 ▲ヒカミロンディスポ(左:改善前 右:改善後) ヒアルロン酸ナトリウムのシリンジキット製剤 45 社 会 ステークホルダーとの関わり 生活者の皆様 地域住民の方々 生活者の皆様 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 従業員 取引先の皆様 株主・投資家の方々 生活者の皆様の生命と健康に関わる事業活動をしている企業として、製品の供給だけでなく、関連する情報 やサービスの提供も大切であると認識し、様々なメディアを通じてコミュニケーションを推進しています。 お客様との信頼ホットライン ●受付件数の推移 大正製薬「お客様119番室」 大正富山医薬品「お客様相談室」 (2003年度以降集計) ●大正製薬「お客様119番室」 【お客様119番室】では、 薬局薬店で販売される 一般用医薬品、 コンビニやスーパーでも販売されて いる医薬部外品・その他食品(特定保健用食品な ど) に関するご相談に対応しています。使用方法の 疑問から商品の保管条件に至るまで、 幅広い問い 合わせに対して営業部門・開発部門・研究所・工 (件) 50000 40000 30000 20000 10000 0 1999 2000 2001 2002 2003 2004 (年度) 場・各支店と連携をとりながら、 「親切・誠実・スピー ディー」な回答でお客様からの信頼をいただけるよ う積極的に情報提供することに努めています。 一方で、 せっかくいただいたお客様からの声です ので、 これを大切なご意見としてお預かりし、 製品の ●大正富山医薬品「お客様相談室」 医療用医薬品に関するご相談については大 正富山医薬品の【お客様相談室】が対応しており ます。 開発・改善に生かす活動も進めています。お客様 医薬品に関わる適切な情報提供を通して医療に の声はデータベースとして蓄積され、 有用な情報は 貢献し、 患者様の健康回復に寄与することを目的 関連部署に通知し、製品の改良・サービスの改善 に、 「迅速・正確・丁寧」な対応を心掛けています。 に反映させています。 2004年度の問い合わせ件数は約12,000件、 お問い合わせへの対応は平日午前8時30分か 97%が電話対応でした。医療用医薬品なので調 ら行っております。2004年度からはより多くのお客 剤薬局からが約40%と最も多く、 以下、 病医院薬剤 様からのご相談に対応できるように、 終了時間を午 師、 卸、 医師、 患者様およびそのご家族と続きます。 後5時から午後9時まで延長しました。 また、 緊急の お客様からいただいたご意見、 ご要望はその都 場合には土曜日も午前8時30分から午後5時まで 度記録され、 重要な情報は関連部署に迅速にフィ 対応しています。 ードバックし、製品の改良・サービスの改善に役立 問い合わせの件数も、 健康や美に対する関心の 高まりを背景にここ数年増えている傾向にあります。 今後もお客様と企業を結ぶホットラインとして充実を 図っていきます。 てています(改善事例;ヒカミロンディスポ p.45)。 ●大正富山医薬品「お客様相談室」 TEL 03−3985−5599 平日 8:30∼17:00(除く土・日・祝日) ●大正製薬「お客様119番室」 TEL 03−3985−1800 平日 8:30∼21:00(除く土・日・祝日) 46 ▲大正製薬「お客様119番室」 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 製品に関する情報の提供 ●大正製薬ホームページ http://www.taisho.co.jp 当社の製品に関する情報は、 【大正製薬ホームページ】からも検索する ことができます。製品ジャンルや製品名からの検索に加え、 対応部位や症 状・使用目的による検索にも対応し、 一般用医薬品に添付されている説明 書も閲覧可能になっています。 また、 製品情報のほか、 生活者、 株主、 医療関係者、 就職希望者の皆様 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り への情報・お知らせもホームページからご覧いただけます。目的ページへの クリック数が少なくてすむ構成を心掛けるなど、 わかりやすい情報提供に努 めています。 ●リポビタンD博物館 http://www.taisho.co.jp/lipod 生活者の皆様に「リポビタンD」を一層身近に感じ、 親しみを持っていた だくためにホームページの中に【リポビタンD博物館】 を開設しています。 リポビタンDの歴史や栄養ドリンクに関するよくある質問などについて情報 提供をしています。 また、 工場見学を疑似体験できる「リポビタンDバーチャ ル工場見学」では、 徹底した品質管理体制の基に製造されている過程を 見ることができます。 ●大正製薬なるほどネット 生活者の「薬に関してより多くの情報を知る権利」に対応するために【大 正製薬なるほどネット】を2003年8月に開設し、 「お客様119番室」に多くの 質問が寄せられていた小児用製品から情報提供を始めました。本年度は、 「日頃相談しにくい病気」 として痔疾用薬(プリザシリーズ)、 水虫薬(ダマリ ンシリーズ) を新たに掲載しました。 お買い上げいただいた製品の添付文書にホームページアドレスを記載し ており、 アクセスいただくことでその製品に関する添付文書には記載しきれ ない情報を使用シーンなどにあわせた形で提供をしています。 ●健康Q&A情報誌「セルフドクター」 【セルフドクター】は、 1996年6月より全国の薬局薬店を通じて生活者の 皆様に配布しています。正しい健康情報の普及、 セルフメディケーションの 啓発、 医薬品の適正使用の推進を目指し、 情報提供に努めています。 また、 セルフドクターの情報は、 発行を重ねる度に蓄積されてきました。た くさんの情報の中から、 症状別にまとめた小冊子を作成するなど、 活躍シー ンを広げています。 47 社 会 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 個人情報保護に関する取り組み ●個人情報保護法の全面施行 個人情報の保護に関する法律 (個人情報保護法) が2003年5月に成立し、 2005年4月に全面施行されました。 当社も、 生活者をはじめ様々なステークホルダーの個人情報をお預かりしている個人情報取扱事業者として、 法 を尊重し、 遵守し、 責任を果たすための様々な取り組みを進めています。 ●個人情報保護法への対応 ●個人情報保護基本方針(要約) 2003年の個人情報保護法成立を受け、 いち早く 社内説明会を開催するなど、 遵守体制の構築に向 けて積極的に取り組んできました。 1. 関係法令等を遵守するとともに、 社内規定等を制 定し、 個人情報の取扱を適切に行います。 2. 個人情報は適正な手段により取得します。 また、 2005年4月の全面施行に伴い「個人情報 3. 利用目的をできる限り特定し、利用目的をご本 保護基本方針」を定め、 これをホームページ上で公 人にお知らせします。個人情報の利用は、 利用 表するとともに、 個人情報保護法に対応するための 目的の達成に必要な範囲で行います。 コンプライアンス体制の確立を進めてきました。 ①個人情報管理のための組織として個人情報管 理委員会および個人情報管理に関する部署責 任者を設置 ②従業員就業規則の改定、 個人情報保護に関す る基本規定等の社内規定の整備 ③入退出の管理、 施錠保管、 パスワード管理等、 物理的・技術的セキュリティ措置の実施 ④従業員等への教育の実施 4. 個人情報を第三者に提供する場合は、 予めご本 人の同意を得ることとします。 5. 役員、 従業員等に対して基本方針及び社内規 定等の教育、 研修を行います。 6. 適切に管理するための組織・責任体制を構築し、 適時に実施状況を監査します。 また漏洩・紛失等 を防止するための安全管理措置を講じます。 7. 個人情報に関する開示・訂正・利用停止等の求 めに対して適切に対応します。 この基本方針は適宜見直しを行い、 継続的改善 ⑤監査体制の構築 ⑥保有個人データの本人からの開示、 訂正、 利用 停止等の請求および苦情の処理に必要な手続 等の制定 に努めます。 ●社内規定の整備 個人情報保護基本方針を定めるとともに、 就業 今後は、 これらが実質を伴ったものとなるよう継続 して運営・実施することに努めます。 また、 大正富山医薬品株式会社をはじめとする 当社の関連会社も同様に個人情報の管理体制の 規則の改定、 個人情報保護に関する基本規定、 個 人情報保護細則、 個人情報の取得、利用、提供、 委託に関する基準等を制定するなど、 社内規定を 整備しました。 これらの規定は、 イントラネットに掲載され、 全従業 整備を進めています。 員がいつでも参照できるようになっています。 取締役会 個人情報管理組織体制 委員長(担当役員) 個人情報管理委員会 人事・総務・情報化推進部 ほか 48 事務局 各部署 各部署 各部署 各部署 (部署責任者) (部署責任者) (部署責任者) (部署責任者) ▲イントラネットの個人情報管理委員会のページ TAISHO Environmental and Social Report 社 会 ●従業員への啓発・教育 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 2003年9月に社外講師を招いて個人情報保護に関するセ ミナーを開催しました。同年12月には部署長等を対象とする 社内説明会を開催して個人情報保護法の説明および社内 各部署で保有する個人情報の実態調査を行いました。 また、 2005年3月には個人情報保護法施行対応のための 全社説明会を実施しました。なお、 部署責任者から個人情報 管理委員会への個人データの届け出は3月末に完了しまし た。 本年4月以降は、 個人情報保護法に関する啓発教育を全 従業員に対して順次進めて行きます。 ▲従業員向け個人情報保護法説明会(2005年7月) ●物理的・技術的安全管理措置 規定類の整備や従業員への情報取扱い方法に関する周 知徹底と同様に、 情報漏洩を直接防ぐような実質的な方策も 重要です。 当社では、 敷地やオフィスのエントランスに入退室管理機器 の設置を進めてきました。全社的な情報を管理する本社事 業所では、 敷地内監視モニターの一元管理やゲート開閉の 遠隔操作ができる集中監視システムを導入し、 またコンピュー タールームには生体認証システムによる入室制限や専用モニ ターによる監視を実施するなど、 継続的なオフィスセキュリティ ▲生体認証を用いた入退室管理 の改善に努めています。 一般用医薬品の営業担当者が使用するモバイルパソコン (ノート型パソコン) に関しては、 データの暗号化や外部メディ アの強制暗号化を施しています。 個人情報にアクセスするための認証やアクセス権限の管 理をはじめ、 通信記録の監視などにも取り組んでいます。 ▲監視モニターを備えた本社警備室 ●監査体制の構築 現在、 個人情報管理委員会に監査のための小 また、 個人情報の取り扱いを社外に委託する場 委員会を設置し、 各部署における管理体制構築の 合は、 契約で個人情報の適切な取り扱いを取り決 確認を進めています。今後さらに監査体制を整備し めており、 必要に応じ、 委託先での管理状況の監査 た上で、 定期的な社内監査を実施する計画です。 も実施する方針です。 ●大正製薬ホームページ 個人情報の取り扱いに関するページはこちら http://www.taisho.co.jp/pcy.htm 49 社 会 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 参加型イベントを通じた交流 「ファイト・一発!」キャンペーンを、 博多(2004年8 月)、大阪(12月)、札幌(2005年2月)で開催しま した。 それぞれの繁華街の中心部に特設イベント会場 を設け、 ウォールクライミング「ファイト!ウォール」やジ ープの牽引「ファイト!マッスルプル」に挑戦していた だきました。その他、 クイズやサンプリング、 集中プロ モーションなどの参加型地域活性キャンペーンを展 開しました。 ▲ファイト!ウォール ▲ファイト!マッスルプル みえる・わかる・家族の健康「からだ博」 2004年8月3∼8日の6日間、東京ビッグサイト にて「からだ博」が開催されました。このイベント は日ごろから自分や家族の健康管理に積極的に 取り組めるよう、 正しい健康管理法や病気になっ た際の医療の受け方、健康支援に関する制度や サービスなどをわかりやすく紹介したものです。 当社もこの主旨に賛同し、健康Q&A情報誌 「セルフドクター」の配布、 製品のプレゼンテーシ ョンを通じた生活習慣病や歯周病予防、育毛対 策などの説明を行いました。また、パソコンを使 った健康チェックコーナーは健康意識の高い生 活者の関心を集めていました。 「第5回JAPANドラッグストアショー」 2005年2月10日∼12日、東京ビッグサイトにて “広がるセルフメディケーション∼始まりはいつもドラ ッグストア∼”をテーマとして開催されました。 当社ブースでは、 人気Jリーグチームであるアルビ レックス新潟のチアリーダーを招いたアクティブなダ ンス披露、 ご来場された生活者の参加型イベント (体験ダンス) により、 健康で明るい暮らしの素晴ら しさをアピールしました。 また、 健康Q&A情報誌「セルフドクター」の配布 やサンプリングを行いました。その他、 パソコンを使 った健康チェックコーナーでは、 日頃の生活態度を 振り返る生活者の方々が多く見受けられました。 50 健康への高い関心を背景に、連日の猛暑にも 関わらず、 約8万人もの方々が来場されました。 ▲「からだ博」当社ブース ▲健康チェックコーナー TAISHO Environmental and Social Report 生活者の皆様 地域住民の方々 地域住民の方々 取引先の方々 従業員 株主・投資家の方々 事業活動と並行して、 地域の一員としての活動も積極的に進めています。 具体的には、 施設の開放や周辺美化といった活動を通じて、 地域住民の方々との信頼関係の維持に努めています。 大阪支店 駐車場を盆踊り会場に開放 大阪支店では20数年前から、 駐車場を地元の盆 踊り大会の会場として提供しています。2004年8月 にも恒例の納涼盆踊り大会が盛大に開催されまし た。 大阪市城東区のお話では、 区内で開催される盆 踊り大会の中でもこの盆踊り大会が人気が高く、 最 近では約2,500人が集まるとのことです。 社 会 場所の提供に加え、 提灯200個とドリンク剤の進 呈なども行っています。 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り (写真は2005年8月の模様) 名古屋支店 共同防災研修会を開催 2003年11月、 名古屋支店8階ホールで、 当社と地 元の千石学区防災安心まちづくり委員会が中心と なり、 防火・防災研修会が開催されました。 この研修会には地元企業の他、 地元住民の方も 参加され、 千種消防署のご協力を得て、 約70名が 防火・防災に関する講話に聞き入りました。 また、 千種消防署高橋消防官の指導により行わ れた 応急救護訓練では2人1組になり、 三角巾を使 福岡支店 海岸清掃キャンペーンに参加 福岡支店では毎年恒例となっている「ラブアー ス・クリーンアップ2005」に参加しました。当キャンペ ーンは、 福岡市環境局を中心に民間企業・市民団 体の協力のもと毎年実施されており、 本年は、 当社 社員7名を含め総勢250人を超えるボランティアが集 まり、 「海の中道大岳海岸周辺」を清掃しました。 爽やかな青空の下「仕事以外で地域住民の方 とコミュニケーションがとれ、 当社の企業姿勢を示す った止血方法や、 骨折した腕の固定方法などを練 習しました。 こともでき、 有意義な一日となりました。」と、 参加者 も清々しい気持ちでゴミの収集作業を行いました。 51 社 会 生活者の皆様 取引先の方々 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 従業員 地域住民の方々 取引先の方々 株主・投資家の方々 医薬品や関連する情報・サービスを生活者にお届けするためには、 原材料メーカーはもちろん、 販売店様や卸売 業の方々のご協力が不可欠であると認識しており、 その信頼関係の強化に努めています。 取引先コンプライアンス説明会を開催 生活者の皆様に責任を持って製品を提供するた めには、 取引先とのコラボレーションが大切だと考え ています。 そのため、 認識共有のための勉強会と当社の考 えをお伝えする説明会を開催しました。 今後も取引先を大切なパートナーと考え、 双方向 の交流を推進したいと考えています。 【コンプライアンス勉強会;下田・本社・大宮にて開催】 参加者数;延べ373名(2003∼2004年) 【コンプライアンス説明会;本社にて開催】 参加者数;128社170名 (2005年4月) ・当社のコンプライアンス ・購買部門での取組み ▲コンプライアンス説明会 最新鋭POSシステム サポートVAN - VE 薬局薬店様の経営支援を目的として、 最新型の 「サポートVAN - VE」の展開を2004年8月より始め ました。サポートシステムは昨年で20年を迎えました が、 新システムは近年の厳しい経営環境下に対応 可能なネットワーク型オープンPOSシステムで、 デー タ保管に加え、 医薬品メーカーとして当社が有する ノウハウを活かし、 加工・分析した結果をWEBで提 供しています。 大正製薬取引店共済会 相互扶助の考えに賛同されたお得意様を対象 とした大正製薬取引店共済会があります。個人経 営の薬局薬店様を中心に、 13,806店(2005年3月 末) の会員により組織されています。 この共済会は、 火災や風災、 水災による被害にあ った場合に損害の一部または全部を見舞金として 贈呈するものです。被災した店舗では当社の営業 担当者が状況を確認しに行くと共に、 そこでの復旧 への協力も積極的に行っています。 また、様々なサービス を統合した大正サポート センターを開設し、導入 店様の運用・活用支援 を行っています。 ▲大正サポートセンター 様々な自然災害が続いた2004年度は、 見舞金 の支払い件数も多い1年でした。当社はこの共済 会の事務費用を全額負担するなど積極的な薬局 薬店支援を行っています。 2002 2003 火災 17件 11件 15件 風災 38件 16件 211件 水災 8件 20件 50件 63件 47件 276件 総件数 52 2004 年度 TAISHO Environmental and Social Report 生活者の皆様 従業員 地域住民の方々 株主・投資家の方々 株主・投資家の方々 取引先の方々 株主・投資家の皆様から信頼を得るため、 当社では積極的な情報開示を行い、 経営の透明性を維持するよう努 めています。 決算関連資料、 インベスターズガイド等のIRツールの作成・公開をはじめ、 各種情報メディアの効果的な活用に取 り組んでいます。2004年度は特に、 情報の適時開示を促進するため、 社内体制の整備等に注力しました。 適時開示方針 当社は、株主・投資家の皆様に適時・正確かつ 公平な情報を提供することを開示方針とし、 取締役 会などで決定された重要事項のうち、東京証券取 引所の定める適時開示規則に従い開示が要請さ 適時開示に係る社内体制 当社は、 適時開示を促進するため広報室を事務 局とし、経営企画部、法務部、総務部、経理部、人 事部、 医薬事業企画部他の責任者で構成する広 報・IR委員会を設置し情報開示方針の社内への 社 会 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り れる重要情報ならびに投資判断に影響を与えると 思われる情報などについて、 適時・適切に開示する ことに努めております。 浸透、 開示情報の収集、 管理を実施しております。 具体的な開示活動の実務につきましては、 広報 室が主管部署となり、関連部署と連携し速やかな 開示に努めております。 2005年3月期 決算データハイライト(連結) 売上高構成比 売上高・営業利益 (百万円) 350,000 総資産・株主資本 売上高 (百万円) 700,000 総資産 営業利益 医療用 医薬品事業 34.4% セルフメディケーション事業 65.6% 1株当たり当期純利益 (円) 140 株主資本 300,000 600,000 120 250,000 500,000 100 200,000 400,000 80 150,000 300,000 60 100,000 200,000 40 50,000 100,000 20 0 01.3 02.3 03.3 04.3 05.3 0 01.3 02.3 03.3 04.3 05.3 0 01.3 02.3 03.3 04.3 05.3 有価証券報告書などの会社情報は、 大正製薬ホームページから閲覧することができます。 ホームページアドレス http://www.taisho.co.jp 53 社 会 生活者の皆様 従業員 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 従業員 地域住民の方々 取引先の方々 株主・投資家の方々 経営理念に掲げた会社の使命と従業員一人ひとりの自己実現への目標が一致することを目指して、 会社と従業 員とが共に、 より良い職場環境づくり、 より良い人事制度づくりに取り組んでいます。 雇用に対する基本的な考え方 本業を通じて社会に貢献するために社員に求め られることは、 一人ひとりが成長し、 プロの企業人と して「自立して」 「 、会社の業績に貢献し」 「 、会社に とって必要な人材」 となることです。 それぞれの能力を発揮して社会から必要とされ る人材になってもらうように、 従業員の個性を尊重し、 様々なバックアップ体制づくりに取り組んでいます。 女性の雇用・管理職への登用について 急速な少子化や高齢化に伴い女性の能力が注 目されており、 当社でも女性の積極的な活用を進め ています。 当社の一般用医薬品の営業部門には多くの従 業員が所属しており、 最近ではスーパーやコンビニ などの販売チャネルの多様化に伴い、 女性の営業 職採用数も増えています。 また、 女性ならではの視点を生かし、 優秀な成績 で表彰される女性営業職も生まれてきています。 ●雇用の状況(単体) 2002年度末 2003年度末 2004年度末 社員数 4,430名 4,355名 3,312名 男性 3,520名 3,443名 2,549名 女性 910名 912名 763名 平均年齢 38.6歳 39.1歳 39.5歳 新卒採用数 男60 女32 名 男65 女37 名 男47 女35 名 2004年度のデータには、2005年4月に大正富山医薬品に転籍した従業員は含ま れておりません。 当社全体の女性管理職層の割合は2005年3月 末時点で3.9%でしたが、女性の比率が比較的高 い研究所では10.6%と高くなっています。 また2004年度には、 総合職のスタッフ部門でも新 たに女性の管理職が2名誕生しました。 女性の採用や登用に当たっては、 平等な機会を 維持することはもちろん、 制度の充実などのバックア ップ体制の整備、 さらには社内報などを通じた啓発 活動などにより、 女性が参画しやすい職場づくりを 推進しています。 女性社員が能力を発揮できる職場づくりを目指して導入した制度 ・キャリア再雇用登録制度 勤続3年以上で退社する社員の中で将来再雇用を希望する人を登録し、再雇用に際しては、そのキャ リアや専門性を優先的に考慮する制度です。 ・育児休業中のe-ラーニングシステムの導入 育児休業取得中(育休中)の社員を対象として、 e-ラーニングによる能力の維持向上と、スムーズな 職場復帰のための情報提供を行う制度です。 54 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 育児休業制度 看護休暇制度 2005年4月に施行された次世代育成支援対策 推進法では、 将来の日本経済を担う子供たちが健 やかに生まれ育まれる環境整備のため、 国や地方 自治体、 企業が取り組むべき課題が示されました。 当社ではすでに育児休業(育休)制度、 育児短 時間 (育短) 制度、 看護休暇制度を導入しています。 2005年4月現在の取得者は育休52名、 育短83名 となっています。 また育児短時間勤務の期間は、 これまで子供が 3才に達する日まででしたが、 これを当該年度の3 月末までに延長しました。その他、 看護休暇の対象 を現行法を上回る12歳までの子供にまで広げるな ど、 対象を女性従業員に限ることなく、 より一層使い やすい制度への改善に努めています。 次世代の育成は、 国を始めとして企業も積極的 に関わるべき重要な課題ですが、 個人一人ひとりが ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 生き方を見直すことも重要です。制度改善と併せ て、 ホームページや社内報を通じた啓発活動にも 取り組んでいます。 障害者雇用 当社は製薬企業としての事業活動を通じて社会 に貢献することを経営理念に掲げており、 障害者の 雇用についても適切な人材配置を考慮して行く方 針です。2004年度の障害者雇用率は1.6%で、残 念ながら法定雇用率の1.8%には達していません が、 適性を考慮した上で障害者雇用も進めて行く 考えです。 また、 車椅子利用者向けエレベータボタンの導入 など、 バリアフリー対応も並行して進めています。 ▲本社改修の時に整備した車椅子専用駐車エリア 自由選択定年制度と再雇用制度 社員のライフプランにあわせて、 就業年齢の選択 の幅を広げる2つの制度を設けています。 新たな生活を設計し転進する社員に、 会社が特 別の支援をする制度が下記①の自由選択定年制 度です。 また、 2001年度より公的年金支給開始年 齢の引き上げに伴い、 フル年 金 支 給 開 始 年 齢 ① 自由選択定年制度 社員一人ひとりのライフプランにあわせて 55歳以降、自分の意志で選択退職する社員 に対して特別に支援する制度です。 まで就業できる制度(現在63歳まで)が下記②の 再雇用制度です。 なお2006年度からの「高齢者雇用確保措置」の 義務化に伴い、現在の再雇用制度を高齢法改正 に合った就業年齢の引き上げと基準づくりも検討し ています。 ② 再雇用制度 定年退職後、 心身共に健康で働く意欲があり、 且つ再雇用を希望する社員が最長63歳まで (現行)就業出来る制度です。 55 社 会 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 退職金・年金制度の改革 厚生年金基金法に基づく企業年金制度は、老 後の生活を保障する公的年金を補い、 豊かな老後 を実現するという重要な役割を担ってきました。 しかしながら、 バブル経済崩壊から始まった低金 利・株価水準の低迷により、 企業による退職年金の 運用がきわめて難しい状況が続き、 不況経済にお かれた企業の財政を圧迫するケースも見受けられ るというのが現状です。 当社では、 2005年7月に完了した厚生年金基金 の代行返上と並行して、 退職金・年金制度の見直 しを進めてきました。新しい制度では、 企業年金を 運用して行く上での財政面の健全化に加えて、 次 のような仕組みを新たに組み入れました。 企業年金は、 これまでの終身年金から10年保証 付きの終身年金に変更しました。従業員が万一の 際には10年保証分の残額を遺族が一時金で受け 取れることとし、 より家族に安心な制度としました。 退職金制度はこれまでの最終給与比例方式か ら、 より成果が反映される退職金ポイント制を導入 し、 支給年齢を55歳から60歳到達時に引き上げま した。また、退職金の年金化として退職金の50% 労働安全衛生 生産部門では、部署間で安全衛生に関する相 互巡視を行ったり、 「ヒヤリハット (危険と感じた事を 相互に報告・連絡する仕組み) 」や「KYT (危険予 知トレーニング) 」などで事故を未然に防ぐ活動に取 り組んだりしています。 また、万一労働災害が生じた場合には、 その状 況や原因を図示した報告書を作成し、 工場内全体 で回覧して事故の再発防止に努めています。 2004年度は休業を伴う労働災害はありませんで した。なお、 工場、 研究所、 事務系事業所の労働災 害発生件数は下記の通りです。 を退職一時金、 30%を確定給付年金、 20%を確定 拠出企業型年金とし、 60歳到達時に個々のライフ プランを考慮して、 年金・一時金での受取が選択で きるようにしました。なお、 確定拠出企業型年金につ いてはポータビリティがあり、 転職した従業員や中途 入社の従業員を考慮した制度になっています。 確定拠出企業型年金は従業員自身が運用商 品を選び、 将来のために個々に運用をすることにな ります。そのため、 確定拠出年金制度・運用商品に ついての説明会の開催や運用商品説明ビデオの 貸し出しなども行っています。なお、 この説明会は継 続的に開催し、 社員の年金資金運用の取り組みを 支援する計画です。 ▲確定拠出年金に関する説明会 交通労働災害防止の観点からは、社員一人ひ とりの安全意識を高めることが事故防止に重要で す。新入社員教育の一環として営業社員全員に 安全運転センターでの一泊の合宿研修を義務付 けています。 また、 交通安全ニュースを毎月発行し 安全運転への注意を喚起しています。 (11事業所計) 不休労働災害件数 休業労働災害件数 56 2002年度 22件 0件 2003年度 13件 1件 2004年度 23件 0件 ▲ ハンズフリー携帯使用の危険性を取り上げたニュース (左) 不注意による物損事故などを取り上げたニュース (右) TAISHO Environmental and Social Report 社 会 従業員の健康維持 従業員の健康維持のために年2回の定期健康 診断を実施しています。各部門の責任者を通じて 受診を促すなどして、 昨年度の受診率は95%とな っています。 また、一連の受診項目に加え、一定の年齢を超 えた従業員に対しては、 大腸がん検診など特定疾 患に係わる検診も実施しています。 この他にも、 健康保険組合と協力して健康情報 の提供や家族の主婦検診にも積極的に取り組み、 また 生 活 習 慣 病などの 対 策も進 めています 。 長時間労働者対策としては産業医との個別面 談や健康指導を実施し、 安全衛生委員会を通じて より良い職場環境づくり、 健全な労働力の確保に努 めています。 なお、 2004年度の年次有給休暇取得率(全社員 使用日数/全社員付与日数) は50%、 1人あたりの ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 有給休暇使用日数は9. 5日でした。 当社は、有給休暇の取得も健康維持の一助に 繋がると考えており、 その取得促進策として取り入 れているリフレッシュ休暇(5日間連続の有給休暇 の取得が可能)取得率は74%でした。 メンタルヘルスケア 一生涯に5人に1人は「うつ」にかかるともいわれ る現代では、 体の健康と同様に、 若しくはそれ以上 に心の健康の大切さが指摘されることが多くなりま した。 当社では、 イントラネットに専用のページを設け、 メン タルヘルスに関する啓発を推進すると共に、 各事業 所ごとの相談窓口となる担当者を明記しています。 また、 社外の専門カウンセリング会社とも契約し、 禁煙への取り組み 社員の健康管理、並びに健康に関わる製薬企 業としての企業倫理に基づき、 “禁煙運動”に取り 組んできました。活動内容としては、 1996年の分煙 化から始まり、WHO (世界保健機構) と厚生労働 省の“禁煙への提言”に賛同し、1999年1月には 『第一次禁煙運動』を開始しました。 2002年6月からは『第二次禁煙キャンペーン』と コラム 臨床心理士、 精神保健福祉士の方々と直接電話 やEメール、面談により悩みの相談ができる体制 (Employee Assistance Program;従業員支援プ ログラム) を整えています。 なお、 いずれの場合も相談者のプライバシーは十 分配慮されています。 また、 カウンセリング会社に相 談した場合、 本人の特定に繋がる情報は会社には 開示しない決まりになっています。 して「全社禁煙5カ年計画」を設定しました。アンケ ートによる実態調査、 イントラネットによるたばこの有 害性に関する情報提供、 ポスターによる啓発活動な どを通じて、 2006年 度末の喫煙率10% を目標に活動して います。 ●全社禁煙5カ年計画の目標 1999年1月現在の喫煙率 2003年度の喫煙率 2004年度の喫煙率 2006年度の目標 52% 36% 35% 10% 一人ひとりが納得できる人事賃金制度へ ∼大正富山医薬品の人事制度一本化∼ 大正製薬と富山化学工業は、 「人々の健康で充実した暮らしに役立つ優れた医薬品・情報およびサービスを社会から支持される方法で迅 速に提供していく」という共通の理念の下、医療用医薬品販売会社として2002年10月に大正富山医薬品を設立しました。 大正富山医薬品では当初、従業員は両母社からの出向という形でスタートしました。 しかしながら、同じ理念を共有しながら一つの会社で仕 事をしていても、出向母体によって処遇に差が生じるといった点もありました。 そこで、2005年4月から両母社から出向していた従業員のおよそ1,100人を転籍し、同時に母社ごとに異なっていた営業部門の医薬情報担当 者 (MR;Medical Representative)の人事処遇制度を一本化しました。 給与水準や福利厚生関連の制度は大正製薬ベースのものを組み入れ、 さらに営業部門の賃金制度は働く一人ひとりが納得できる処遇を考慮し、賞与を前年度の営業成績を反映させる業績連動型に改めました。 この新制度導入の発表以降、営業部門の現場を中心に「仕事に取り組む意欲が以前よりも増した」という声が増え、職場に活気が出てき たという報告もあります。今後も、一つの理念の下で共に働き、各自がそれぞれ自己実現を達成するための人事制度の改善に取り組んで行き ます。 57 社 会 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 人材の育成方針と研修制度 従業員は、 一人ひとりの人生における目標(ライフ プラン) と仕事を通じての目標(キャリアプラン) を持 ち、 それを達成することで自己実現を果たします。 一方、 企業は社会が要請するニーズを満たすこ とで社会に貢献し、 貢献に見合った対価、 すなわち 業績を上げて行くことが目標となります。 従業員並びに当社の目標を共に達成するため には、 「従業員一人ひとりが自らのスキル向上を通 してプロの企業人のレベルを目指すと同時に、人 間的な成長が重要である」 と、 当社は考えています。 そのため、 次に示す3種類の研修カリキュラムを設 けて運用しています。 ●トータルライフプラン研修 生涯プランや仕事への取り組み方を見直すための研修です。企業人生の節目を「入社4年目、 32歳、 42歳、 50歳、 55歳」として、その節目に沿ったテーマで行われます。2004年度は481名が受講しました。 ●階層別研修 主任および主事への昇格時に受講します。それぞれの資格に求められる組織内での役割の認識、および、 リーダーシップ、マネジメント、 コミュニケーションの能力向上を目的としています。 ●専門性スキルアップ研修 営業・生産・研究・スタッフ部門ごとに、それぞれの専門スキル向上を目的とした研修です。 資格取得支援制度 専門スキルの向上と自己啓発推進の一環として、 従業員が資格を取得した際に、 祝金または受験料 を支給する資格取得支援制度を導入しています。 ●祝金が支給される資格 技術士、会計士補、税理士、中小企業診断士、 英検1級、 システム監査、 ITコーディネーター、 システムアナリスト、プロジェクトマネージャー、 CPA(米国公認会計士)、社会保険労務士、 TOEIC800点以上(1回のみ) 社内コミュニケーションの充実 全社コミュニケーションツールとして、 「賑煙(しん えん) 」 という名の社内報があります。 この社内報は、 古くは各支店内の新聞に始まり、 統合などを経た後、 全社的な機関紙として昭和26 年から新たに「賑煙」として発行され、 今日に至っ ています。 決算概況から業績優秀な社員の表彰、 災害時の 被害報告など、 幅広い内容を適宜配信しています。 また、紙面の「賑煙」とは別に、 イントラネットを 58 この制度を2004年度に利用した従業員は延べ 16名、 支援を行った資格は、 英検1級、 TOEIC、 ビ ジネス法務実務2級、 社会保険労務士などでした。 ●受験料が支給される資格 販売士1級、英検準1級、上級システムアドミニス トレーター、データベーススペシャリスト、ネット ワークスペシャリスト、アプリケーションエンジニ ア、ビジネス法務2級、日商簿記1級、産業カウン セラー、キャリアカウンセラー 利用した「賑煙-Ne t」があり、 こちらは速報性を重 視したコミュニケーションツールとして活用されてい ます。 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 安否確認システムの導入 自然災害や事故などの非常時の対応の一環と して、携帯電話を利用した安否確認システムを導 入しています。 あらかじめ設定した震度を上回る地震が発生し た場合に自動的に安否確認メールを配信するほ か、 自然災害や事故などの緊急事態に際して会社 より非常召集のメールを配信するものです。 会社と労働組合との関わり 大正製薬労働組合は、管理職および一部の社 員を除き2,482人(2005年6月15日現在) の組合員 を有しており、 「ゆたかな明日のために」をスローガ ンに、 組合員の「生活の維持向上」 ・ 「労使協議の 充実」 ・ 「組織の強化」を3本柱として諸活動に取り 組んでいます。 「会社の健全な発展により、働く者の雇用の安 定・生活向上がある」ことを労使間の共通認識とし た上で、 働きがいのある職場環境づくりを目指した 労使協議を行っています。 また、 UIゼンセン同盟(上部団体) や医薬品連盟 の諸活動(産業政策や社会貢献活動、情報交換 など)へ積極的に参画すると共に、組織内の教育 機関である全体会議やユニオンセミナーなどを通じ て、 幅広い視野で社会情勢を認識できる新しい時 コラム 2004年10月に発生した新潟県中越地震の際も、 社員並びにご家族の迅速な安否確認に役立ちまし た。 また、 安否が確認できた社員からお得意様各店 の状況確認・支援に、 効率的かつ速やかに向かわ せることにも役立ちました。 管理職へ貸与された携帯電話に加え、個人所 ス テ ー ク ホ ル ダ ー と の 関 わ り 有の携帯電話も対象に運用されています。 代を担う人材の育成にも取り組んでいます。 なお、 本年4月に大正製薬および富山化学工業 のMR (医薬情報担当者) とマーケティングスタッフ が大正富山医薬品へ転籍した事に伴い、大正富 山医薬品労働組合を結成しました。働きがいのあ る職場環境づくりを目指して、 大正製薬労働組合 と共に活動を推進しています。 大正製薬労働組合の社会貢献活動 ・ 募 金・寄 付 活 動「 医 薬 品 連 盟 の 社 会 貢 献 基 金 」、 「NHK歳末助け合い」、 「 UIゼンセン同盟ボランタス 基金」、 「国内外の災害援助カンパ」など ・ 医薬品連盟の社会貢献フォーラム・救急フォーラム への参画 ・ 使用済みプリペイドカードや古切手を収集、書き損じの はがき・未使用はがきを回収し、募金として活用 など 労組ユニオンフォーラムの開催 2005年5月19∼20日にかけて、組合員教育システムの一環である「ユニオン フォーラム2005」を本社と大宮工場で開催し、全国の支部・分会に所属する組 合員25名が参加しました。 このフォーラムは、組合活動への理解や社会的な基本知識の習得に加えて、 討議や懇親会などを通じて、全国から集まった組合員の相互交流を図ることを目 的としています。 初日は労働組合の歴史や活動内容などの基礎知識の理解を深めた後、 「若 手社員を仕事に動機づけるもの」という題材について話し合いました。また、 2 日目は、大宮工場と総合研究所の見学の後、 「労働組合執行部疑似体験」と 題したグループディスカッションで賃上げ額・カレンダー作成などについて意見を 交換し、最後に「擬似労使交渉」を行いました。 大正製薬労働組合は、今後とも組合員の組合活動に対する意識向上や相互 交流に継続して取り組んで行きます。 ▲ グループディスカッション風景 59 社 会 企業市民として 生命科学関連への支援 企 業 市 民 と し て 上原記念生命科学財団 ●設立の経緯 上原記念生命科学財団は、1983年3月に他界 した故上原正吉氏(元当社社長、 会長)の足跡を 記念すると共に、 当社の創業70周年記念事業とし て、1985年2月に設立され、本年度で20周年を迎 えました。 上原正吉氏は、 50有余年におよぶ会社経営と30 年にわたる国会議員としての体験を通して、 科学技 術の重要性を痛感し、 その振興に努力しました。 ま た、 故上原小枝氏(財団の初代理事長) は終始こ れを支えました。 財団では、 こうした故人の遺志をも生かし、 いささ かなりとも生命科学の発展のお役に立ちたいと考 え、 活動を行っております。 ●事業の概要 1985年度から、 生命科学に関する研究に従事し ている方々に対して、 研究助成(助成金贈呈)、 海 外留学助成、 研究において功績をあげられた方の 褒賞(上原賞)、国際シンポジウムの開催などの事 業活動を行っています。 助成金などについては、 研究者の皆様のご要望 に応え、 助成件数の増加や金額の増加など、 内容 の充実に努めています。国際シンポジウムについて は、 すでに8回の開催を数えています。 1985年度から2004年度までの20年間において 贈呈した助成金(上原賞含む) の累計額は、 約133 億円に達しています。 ●実施している研究支援内容 項目 助成(褒賞)内容 助成(褒賞)金額 上原賞 (研究業績褒賞) 特定研究助成金 生命科学の分野において独創的な内容の研究に従事し、顕著な功績をあげ、 正賞:金牌 副賞:2000万円 活躍中の研究者を褒賞 研究の進展が待たれる特定分野の研究に助成(3年間助成し、研究成果は A:1500万円 B:900万円 財団主催の国際シンポジウムで発表) 研究助成金 日本在住の研究者に助成 500万円 研究奨励金 日本在住の若手研究者に助成 200万円 海外留学助成金 リサーチフェローシップ 若手研究者(留学中の年収540万円以下) で海外留学を希望する方に助成 340万円以内 (必要額) 海外留学助成金 博士号取得直後か翌年4月までに取得見込みの若手研究者(無収入の方) 340万円以内 (必要額) ポストドクトラルフェローシップ に助成 ●国際シンポジウム 年月日 ●公開シンポジウム シンポジウム内容 第1回 1985年10月「活力ある長寿のための循環器疾患予防」 第2回 1988年 5月「細胞の情報伝達機構」 第3回 1990年 7月「筋の発生・維持と収縮、最近の発展」 第4回 1993年12月「内皮由来因子と血管機能」 第5回 1996年 6月「脳の高次機能と分子生物学的アプローチ」 第6回 1999年 6月「Common Disease−遺伝子異常と発症機構」 第7回 2002年 6月「これからのゲノム科学」 第8回 2005年 7月「自然免疫ー難治疾患の克服に向けた分子戦略」 60 年月日 第1回 2004年2月 シンポジウム内容 「未知への探求∼脳科学最前線 −ここまで解明された脳の機能」 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 企 業 市 民 と し て 助成金額の推移 助成金の累計額は2004年に約133億円に、累計の助成件数は4,600件に達しています。 助成金額 2 億 8 1 0 0 万 円 3 億 2 3 0 0 万 円 3 億 1 7 0 0 万 円 3 億 4 4 0 0 万 円 5 億 8 0 0 万 円 5 億 7 3 0 0 万 円 6 億 3 0 0 0 万 円 6 億 3 1 0 0 万 円 6 億 6 3 0 0 万 円 6 億 6 0 0 0 万 円 6 億 4 4 0 0 万 円 6 億 9 6 0 0 万 円 7 億 3 7 0 0 万 円 7 億 1 3 0 0 万 円 7 億 5 1 0 0 万 円 9 億 4 2 0 0 万 円 9 億 2 5 0 0 万 円 9 億 2 7 0 0 万 円 10 億 5 8 0 0 万 円 9 億 5 8 0 0 万 円 1985年 1986年 1987年 1988年 1989年 1990年 1991年 1992年 1993年 1994年 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2004年度の活動 2004年度の研究支援の内訳は右に示す通りで す。助成金額の合計は9億5800万円に上り、 各種 助成の受領者は304名でした。 また、 創立20周年を記念して、 財団のフェローシ ップを領して海外に留学した研究者を招待して交 歓研究会を開催しました (p.62)。 2004年度助成金総額 9億5800万円 その他 4800万円 特定研究助成金 6400万円 ポストドクトラルフェローシップ 1億5000万円 リサーチフェローシップ 1億8200万円 上原賞・助成金贈呈式 2005年3月11日に、 大正製薬本社2号館上原記 念ホールにて、 「上原賞・助成金贈呈式」を開催し ました。 上原賞は、 生命科学研究の推進に顕著な功績を あげ、 引き続きご活躍中の方を選考の対象にしてい ます。 本年度は2名の研究者の方が受賞されました。 上原賞 4000万円 2004年度 助成金内訳 研究助成金 3億5000万円 研究奨励金 1億6000万円 ▲上原賞・助成金贈呈式 ▲日本経済新聞掲載(2005年3月21日) 上原記念生命科学財団ホームページ http://www.ueharazaidan.com 61 社 会 企 業 市 民 と し て 創立20周年記念フェローシップ交歓研究会 2005年1月26日、 京王プラザホテルにて、 上原記 念生命科学財団の創立20周年を記念した交歓研 究会を開催しました。 この交歓研究会は、 平成5年度から平成13年度 までの海外留学助成(リサーチフェローシップおよ びポストドクトラルフェローシップ) を受領された研究 者を中心に159名をご招待し、 「学術の国際交流」 について意見を交わし親睦を深めるために開催さ れました。財団の上原昭二理事長、 遠藤實学術委 員長からのご挨拶に続いて、 海外でご活躍経験の ある3名の先生方からご講演をいただきました。 講演・ノースウエスタン大学 楢橋 敏夫 教授 ・テキサス大学 柳沢 正史 教授 ・京都大学 成宮 周 教授 「生理活性脂質の生合成と機能に関する総合的研究」 医学博士 清水孝雄氏 東京大学大学院医学系研究科 教授 62 地球上のあらゆる生命体にとって細胞膜は必須であり、 その細胞膜を構成する主成分が脂 質です。 太古の海において、脂質で構成された膜に囲まれ、水などを容易に通過させない独自の環境 が作られ、生命が誕生しました。そして、生命の進化と共に、脂質は単に膜を構成するだけでな く、構成成分の一部が原料として切り出された脂質が多種・多彩な生理機能を担うようになりました。 この多彩な生理機能を示す脂質(生理活性脂質)に関しての包括的研究が、清水先生の研究テーマです。先ず、 脳に存在する微量で不安定な生理活性脂質(プロスタグランジンおよびロイコトリエン)の生合成と代謝に関する研 究から始まり、 その産生酵素(5-リポキシゲナーゼ) を発見し、反応機構を解明しました。次いで、血小板の活性化因子 (RAF)受容体のcDNAクローニングに世界で初めて成功したのを皮切りに、数々の生理活性脂質の受容体を同定し ました(右下図;脂質メディエータ受容体の系統図)。 さらに、 それら種々の生理活性脂質の生理機能を解明し、気管支喘息、肺線維症、関節リウマチ、動脈硬化、多発 性硬化症など多くの疾患との関わりをも明らかにしまし た。これらの連続した発見は、多くの難病の病態解析か ら治療まで幅広く示唆を与えるものであり、将来に渡る 医療の進歩に大きく寄与するものです。 また、本研究の成果によって、生理活性脂質は直接 形態変化や生死に関与する分子ではなく、生命の質を 調整することが明らかとなりました。このことから生理活 性脂質が生体調節因子(biomodulator)として働いて おり、 これらの生合成阻害剤や受容体拮抗薬は副作用 の少ない薬剤開発につながる可能性があり、注目されて います。 本研究を足がかりとして、脂質生物学の研究はポスト ゲノム時代の代表として、新薬開発の大きな可能性を ▲ 物質メディエータ受容体を中心にまとめたGPCR系統樹 秘めて展開されていくと期待されています。 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 続いて、 フェローシップ留学体験者を代表した6 名の方々から、 研究成果を始めとして海外におけ 最後に、 会場を宴会場に移して懇親会が催され、 研究分野の垣根を越えた交流が行われました。 る研究生活の様々な経験が紹介され、 同じ体験を 持った方々の大きな関心を集めていました。 企 業 市 民 と し て また、 遠藤實学術委員長を座長に、 3名の講演者 にご参加いただいたパネルディスカッションの部で は、 生命科学のサポート体制のあり方や学術国際 交流の将来について、有意義で活発な意見交換 がありました。 「プロテアソームの発見と病態生理に関する研究」 医学博士 田中啓二氏 (財)東京都医学研究機構 東京都臨床医学総合研究所 副所長 21世紀の生命科学は躍動の時代を迎えています。それは、 ゲノム科学の登場により、 生物の遺 伝子情報の解明が進み、 旧来の手法では不可能であった病態の本質的理解が得られるようにな ってきたことによります。 しかし、 ゲノム科学の中心的研究は「遺伝子からタンパク質合成への経路」について、 言い換えれば“タンパク質の生 の生物学”です。対して、 もう一つの潮流である「タンパク質分解への経路」は“タンパク質の死の生物学” ともいえます。 そして今日、 田中先生らの研究によって、 エネルギー依存性タンパク質分解機構が飛躍的に解明され「タンパク質の死は 生と同様に非常に重要である」 との考えが生命科学分野の隅々まで定着しています。 本研究の発端は、 Hershkoらがタンパク質に分解シグナルを付与する小さな修飾分子“ユビキチン”を発見したことに始 まります。 この「ユビキチン依存性のタンパク質分解システムの発見」は2004年のノーベル化学賞の受賞対象ともなってい ます。田中先生は、 Hershkoらが未解明であった「ユビキチン化されたタンパク質をエネルギー依存的に分解する酵素」を 発見し、 “プロテアソーム” と命名しました (現在、 世界中でこの呼び名は一般化されています)。そして、 プロテアソ−ムは単 純な酵素ではなく、 生命科学史上他に類を見ない巨大で複雑な酵素複合体であり、 タンパク質分解のために、 動物が食物 を口から飲み込んで胃腸で消化するかのように振る舞う 不思議な酵素(右図;基質を取り込み切断するプロテアソ ーム) であることを明らかにしました。加えて、 病態生理の 研究から、 細胞増殖周期の制御並びに免疫応答にプロ テアソ−ムが重要な役割を担うことも 解明しました。 21世紀の高齢化社会を迎え、 アルツハイマー病、 パー キンソン病、 プリオン病などの神経変性疾患は増加の一 途を辿っています。 これらの疾患は、 異常タンパク質が生 成・蓄積されることが成因と考えられます。 今後のUPS(ユビキチン/プロテアソーム システム)研 究の進展により、異常タンパクを的確に見分けて処分し、 その蓄積を回避する機構が解明されれば、 上記難治性 疾患の治療に繋がるものと期待されています。 ▲ 26S プロテアソームの電子顕微鏡写真と分子構成モデル 63 社 会 企 業 市 民 と し て 科学関連番組の提供「大発見!だまされる脳∼奇跡を起こした一枚の鏡∼」 スタジオには司会の鳥越俊太郎さん、 竹下景子 2004年12月12日、 テレビ朝日系列で、Human さんに加え、 脳科学の第一人者である解剖学者の Scienceスペシャル「大発見!だまされる脳∼奇跡 養老孟司さん、 自身も脳梗塞の後遺症を克服した を起こした一枚の鏡∼」が放送されました。この番 経験を持つ経済人類学者の栗本慎一郎さんをお 組は2003年に放送された大正製薬Human Science 迎えし、 脳のメカニズムの謎について紹介しました。 スペシャル「知られざる医学史!日本人科学者たち 今回で2回目となった大正製薬1社提供のサイエ の挑戦」に続くシリーズ第2弾となります。 ンススペシャル、 前回にも増して生活者の皆様から 番組内容は、 アメリカで脳医学を研究しているラ の反響をいただきました。 マチャンドラン博士の最新レポートと、 自ら重い脳障 また、 この番組は社団法人全日本テレビ番組制 害を持つ元整形外科医が患者の立場から病気に 作社連盟(ATP) から、 ATP賞2005( 情報・バラエ 立ち向かうという奮闘記でした。 ティ部門優秀賞) を受賞しました。 「第150回生命科学フォーラム」特別記念講演 2005年2月8日、 日本記者クラブのプレスセンター において、 当社主催の第150回生命科学フォーラ の御子柴克彦教授のお二人を講師にお招きし、 「脳」の研究をテーマにご講演いただきました。 ムが開催され、 56名のマスコミ関係者の方々が集 まりました。 生命科学フォーラムは、 1986年にスタートして以 来19年間にわたり、 マスコミ各社の科学部、 医療情 報部、生活情報部などの記者の方や編集ご担当 者をお招きして、生命科学における最新の情報を 提供してまいりました。 150回を記念した特別記念講演では、 京都大学 大学院の中西重忠教授、 東京大学医科学研究所 ▲『脳の機能としくみ』 京都大学大学院生命科学研究所 中西 重忠教授 64 ▲第150回生命科学フォーラム ▲『脳はどのようにしてつくられるかどのようにして働くか』 東京大学医科学研究所 御子柴 克彦教授 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 セルフメディケーション推進協議会 当社はセルフメディケーションの普及活動を支援 しています。セルフメディケーションが定着し、 安心 できる健康の維持と適正な医療費の確保のために は、 生活者の皆様が自らの健康に高い関心を持つ ことはもちろんですが、 それを支援する環境を整え、 医療関係者を始めとする専門家との交流の輪を築 くことが重要です。 わが国においても、 2002年5月にNPO団体「セル フメディケーション推進協議会(SMAC;スマック)」 が設立され、 「健康で活気あふれる21世紀の生活 環境をつくる」をスローガンにセルフメディケーション の推進に取り組んでいます。 SMACは2003年5月に特定非営利活動法人 (NPO法人)の認可を取得し、 純粋に生活者のた 企 業 市 民 と し て めの社会活動を実践する団体として認められまし た。セルフメディケーションに関する研究や、 その成 果の学術フォーラムなどでの発表、 セルフメディケ ーション推進のための提言などの活動を行ってい ます。 当社も、 生活者の健康に関わる企業として、 その 活動に協力しています。 ●SMAC学術フォーラム第2年会 2004年11月27日、 共立薬科大学マルチメディア 講堂にて「学術フォーラム 第2年会」が開催されま した。 ■公開講演 ・セルフメディケーションを支える薬情報の収集と提供 ・血液流動性に反映する生活習慣∼血液サラサラのすすめ∼ ■パネルディスカッション“セルフメディケーションをめぐる情報の収集と提供” 「わが国のセルフメディケーションの現状と展望」 を主題に、 2題の公開講演に続いてパネルディスカ ッションが行われ、 熱心な討論が展開されました。 閉会後は会場を移して交流会が催され、 引き続 き活発な意見交換が行われました。 ・消費者問題から見た セルフメディケーション ・薬局の立場から ・メーカー側が行っている 情報の収集と提供 ・一般用漢方薬の 有用性情報 ▲学術フォーラム第2年会 ●第2会SMAC特別セミナー「我が国におけるサプリメントの大いなる可能性を求めて」 2005年6月16日、ホテル海洋(東京都新宿区) にて第2回SMAC特別セミナーが開催されました。 国立健康・衛生研究所の山田和彦氏の特別講演 では、 多くの方々が熱心に耳を傾けていました。 また、 4題の講演が行われ、 続いて講演内容に関 するパネルディスカッションが行われました。 今回の特別セミナーのテーマであるサプリメント は、 セルフメディケーションに関するSMACの研究 パネルディスカッションの部では、 SMACのプロジ ェクト会議委員長の堀美智子氏を始めとして、 活発 な意見交換が行われました。 ■特別講演 ・我が国のサプリメント∼制度の面からどう捉えるか ■講演∼パネルディスカッション ・アメリカのサプリメント事情 ・薬局店頭からみたサプリ事情 ・サプリメントの活用に関する注意 ・サプリの適正使用に向けて テーマの一つです。 ▲SMAC特別セミナー 特定非営利活動法人(NPO法人) セルフメディケーション推進協議会 事務局 〒105-0003 東京都港区西新橋2−8−11 第7東洋海事ビル8F TEL 03-5521-0890 FAX 03-5521-2883 ホームページアドレス http://self-medication.ne.jp 65 社 会 文化活動の振興 企 業 市 民 と し て 財団法人 上原近代美術館 当美術館は2000年3月に伊豆・下田に開館し、 今春開館5周年を迎えました。 伊豆の静寂な自然に囲まれたこの小さな美術館 では、 ルノワール、 セザンヌ、 マティス、 ピカソなどの西 洋近代絵画をはじめ、 川合玉堂、 伊東深水、 梅原龍 三郎、 安井曽太郎などの日本近代絵画、 マンズー、 マリーニの彫刻など、 多彩なコレクションを保有して います。特に西洋画においては、 近代西洋美術の一 側面を知ることができるコレクションになっています。 また、 当美術館ではこうした作品の公開・展示だ けでなく、 専門家を招いての講演会・講習会、 学校 と連携した教育活動など、 幅広い取り組みを行って おり、 文化活動の振興に努めています。 ●2005年度の展示会 タイトル ー開館5周年記念ー 上原コレクション名品展 画家たちがみた風景展 四季の彩り展 日本洋画を 拓いた画家たち展 展示期間 2005年 3月16日∼2005年 6月13日 2005年 6月15日∼2005年 9月12日 2005年 9月14日∼2005年12月12日 2005年12月14日∼2006年 3月13日 上原近代美術館 〒413-0715 静岡県下田市宇土金341番地 TEL 0558−28−1228 財団法人 上原仏教美術振興財団 上原仏教美術館 当美術館は、 科学技術発展の影で忘れ去さられ ●2005年度の展示会 ようとしているわが国が持つ仏教美術の素晴らしさ タイトル 展示期間 2005年 4月15日∼2005年 5月31日 写経教室作品展 と奥深さを広く一般の方々に知ってもらう目的で、 2005年 6月15日∼2005年 7月31日 仏像彫刻教室作品展 1983年5月に開館しました。 2005年 8月15日∼2005年 9月30日 写仏教室作品展 企画展「悪趣をめぐる 明治から大正期にかけて製作された百数十体 2005年11月 1日∼2005年11月30日 ∼閻魔像の世界」 の仏像を常設しているほか、 仏教美術に関する資 2005年12月15日∼2006年 2月28日 年末年始特別陳列展 料の保管・展示も行っており、 わが国でもめずらしい 仏教美術専門美術館として発展を遂げています。 上原仏教美術館 仏像以外の所蔵品としては平山郁夫『雲崗石佛』、 〒413-0715 静岡県下田市宇土金351番地 村上華岳『如意輪観音図』などの日本画も有して TEL 0558−28−1216 おり、 年末年始特別展で公開展示しています。 また、仏教美術の展示などに加え、仏像彫刻や 写仏、 写経の講習会開催や作品展示会、 専門家を 招いての講演会の実施など、 幅広い文化活動を行 っています。 展示会の詳しいスケジュールや主な所蔵品のご 紹介、アクセスマップなどは、それぞれのホー ムページでご覧いただけます。 ●上原近代美術館ホームページアドレス http://www.uehara-museum.or.jp ●上原仏教美術館ホームページアドレス http://www.uehara-buddhismart.or.jp 66 TAISHO Environmental and Social Report 社 会 スポーツ振興活動の支援 当社はラグビー日本代表を応援しています。 企 業 市 民 と し て 2004年7月4日、 東京・秩父宮ラグビー場にて行われた『リポビタンDチャレン ジ2004ラグビーテストマッチ』日本代表対イタリア代表の試合には約1万5000人 の観客が集まりました。 日本は前半、 世界ランク11位のイタリアに15点を奪われながらも、 後半にはト ライを決めるなど、 一時はワントライで逆転も見えた6点差まで詰め寄りました。試 合は残念ながら19対32で日本代表チームが敗れましたが、 内容の濃いテストマ ▲2004ラクビーテストマッチ ッチとなりました。 自然災害被災者への支援 2004年度は国内外を問わず自然災害が多く発生した年でした。 当社は、 被災地の取引先の方々や生活者の皆様にドリンク剤や飲料水を提供するなど の支援を行いました。 新潟・福島豪雨 福井豪雨 兵庫県(台風23号)への支援 2004年7月12日夜から13日にかけて新潟・福島 また、10月20日には台風23号の影響で兵庫県 の豊岡市(円山川) で大洪水が発生しました。 の両県が、 また17日夜から18日にかけては福井県 が、 梅雨前線の影響による集中豪雨に見舞われ河 当社では、 被害の大きかった市町村の災害対策 川の堤防が決壊、 土砂崩れや家屋倒壊、 冠水など 本部に「リポビタンD」をお届けしました。 の被害がありました。 新潟県中越地震への支援 2004年10月23日夕方から深夜にかけて新潟県 中越地方を中心に発生した地震は、 深刻な被害を 及ぼしました。 当社では被災地域に、 義援金の他、 医療用品・ 衛生用品などの支援を行いました。 スマトラ沖大地震・津波被災国への支援 2004年12月26日にインドネシアのスマトラ島沖で 発生した巨大地震は、 周辺各国に大規模な津波災 害をもたらしました。 当社では、 経済団体や日本赤十字社、 並びに海 外現地法人を通じて、 救援や復興を目的とした義 援金の支援を行いました。 ・日本赤十字社を窓口とした義援金1,000万円の寄付 ・新潟県災害対策本部へ、 うがい薬、絆創膏、 マスクをお届け ・お取引先(被災した薬局薬店など)へ飲料水などをお届け など ・日本経済団体連合会を窓口とした義援金100万円の寄付 ・日本赤十字社を窓口とした義援金1,000万円の寄付 ・タイ国現地法人を通じ現地義援金基金に200万円の寄付 ・インドネシア現地法人を通じ現地義援金基金に500万円の寄付 など 67 環 境 データ編 デ ー タ デ ー タ 編 国内事業所所在地一覧 本 社 :〒170-8633 札 幌 支 店 :〒064-8571 仙 台 支 店 :〒980-8670 名古屋支店 :〒464-8632 金 沢 支 店 :〒920-8507 大 阪 支 店 :〒536-8508 広 島 支 店 :〒732-8652 四 国 支 店 :〒763-8608 福 岡 支 店 :〒812-8703 東京都豊島区高田3丁目24番1号 札幌市中央区南四条西9丁目1007番地16 仙台市青葉区五橋2丁目1番10号 名古屋市千種区千種2丁目17番18号 金沢市西念3丁目1番11号 大阪市城東区関目6丁目1番17号 広島市東区光町2丁目4番17号 丸亀市風袋町208番地 福岡市博多区東比恵2丁目8番28号 岡山営業所 :〒700-0903 岡山市幸町8丁目29号三井生命ビル7階 大 宮 工 場 :〒331-9520 さいたま市北区吉野町1丁目403番地 全剤型生産 羽 生 工 場 :〒348-8540 羽生市小松台1丁目603番27号 ドリンク剤生産 岡 山 工 場 :〒709-4321 岡山県勝田郡勝央町太平台33番2号 ドリンク剤生産 総合研究所 :〒331-9530 さいたま市北区吉野町1丁目403番地 環境経営の範囲 ・国内の全事業所(本社、 8支店、 1営業所、 3工場、 総合研究所) と国内連結子会社9社のうち大正富山医薬品、 大正厚生サービス、 大正製薬物流サービス、 大正ビジネス総研の4社を環境経営の範囲としています。ただし、 大正富山医薬品については、 支店傘下の オフィスは含めていません。 ・各種環境データは、 環境経営の範囲内の組織を集計対象としています。 決算データ(売上高、営業利益など) p.53を参照して下さい。 資源投入量 ●エネルギー ・全社(エネルギー種類別) (千GJ) 1,400 電気 ガス(都市ガス+LPG) ・全社(事業所別) (千GJ) 1,400 ・2004年度のエネルギー使用割合 燃料油(A重油+灯油) 1,239 1,200 1,082 1,073 1,127 1,170 1,153 燃料油 10% エ 1,000 ネ ル ギ 800 ー 使 用 600 量 ガス 23% 電気 67% 400 200 200 1999 2000 2001 2002 2003 0 2004 年度 ●原材料 ・材料(容器包装リサイクル法対象の4素材) ・原料 1,082 1,073 1,127 1999 2001 2002 2000 1,239 2003 2004 年度 ・全社(水種類別) (万m3) 1.4 地下水 120.7 23.1 120.8 地 120 下 水 100 、 工 業 用 80 水 、 上 水 60 道 水 使 40 用 量 20 115.3 100 20 材 料 使 用 量 50 10 68 事務系 (万m3) 140 (千トン) 150 25.4 0 岡山工場 ●水 (千トン) 30 原 料 使 用 量 羽生工場 エ 1,000 ネ ル ギ 800 ー 使 用 600 量 400 0 大宮工場 1,170 1,153 1,200 2003 2004 年度 0 2001 2002 2003 年度 0 工業用水 上水道水 中水(雨水) 101.8 100.0 1.2 98.0 1.0 中 水 ︵ 0.8 雨 水 ︶ 0.6 使 用 量 0.4 0.24 2002 2003 0.33 0.2 2004 0 年度 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 ●化学物質 デ ●コピー用紙 ・PRTR物質取扱量 (トン) 1,000 (トン) 150 生産・研究 900 取 扱 500 量 342 345 2003 2004 290 300 119.4 116.0 デ ー タ 編 コ 100 ピ ー 用 紙 購 入 量 50 600 400 タ 事務系 118.3 800 700 ー ・全社購入量(部門別) 200 100 0 2002 0 年度 2002 2003 2004 年度 各種排出量 ●二酸化炭素 2004年版までは、 都市ガス、 LPG、 A重油、 灯油、 ガソリン、 軽油の使用に伴う二酸化炭素の排出量を「平成12年9月 環境庁温室 効果ガス排出量算定方法検討会・排出係数の一覧」に基づいて算出していましたが、 2005年版からは「平成15年7月 事業者か らの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン (試案Ver. 1.5) 」に基づいて算出する方法に変更しました。 2005年版で使用している算出係数 電気 1999年:0.375 kgCO2/kWh 2000年以降:0.378 kgCO2/kWh ( 「平成14年8月 温室効果ガス排出量算定方法検討会・総括報告書」 による) 都市ガス:2.11 kgCO2/Nm3 LPG:3.00 kgCO2/kg A重油:2.71 kgCO2/L 灯油:2.49 kgCO2/L ガソリン:2.32 kgCO2/L 軽油:2.62 kgCO2/L ( 「平成15年7月 事業者からの温室効果ガス排出量算定方法ガイドライン (試案Ver. 1.5) 」による) ・排出原単位∼全社(事業所別) ・排出原単位∼全社(エネルギー種類別) (t-CO2/億円) 電気 ガス(都市ガス+LPG) 20 19.06 17.90 17.93 二 18 酸 化 16 炭 素 14 排 出 12 原 単 10 位 ︵ 売 8 上 高 6 原 単 4 位 ︶ 2 0 燃料油(A重油+灯油) 19.76 19.46 18.23 ・2004年度の二酸化炭素排出割合 二 18 酸 化 16 炭 素 14 排 出 12 原 単 10 位 ︵ 売 8 上 高 6 原 単 4 位 ︶ 2 燃料油 16% 電気 58% ガス 26% 1999 2000 2001 2002 2003 0 2004 年度 ●廃棄物 8,000 大宮工場 羽生工場 岡山工場 岡山工場 19.06 19.46 2000 2001 2002 19.76 18.23 17.90 17.93 1999 事務系 2003 2004 年度 ・最終埋立処分量∼全社(事業所別) 事務系 (トン) 600 9,350 8,102 8,417 8,640 8,806 8,092 4,000 2,000 大宮工場 羽生工場 岡山工場 2000 2001 2002 2003 2004 年度 (トン) 0.10 ・クロロホルム∼生産部門 0.09 0.08 0.07 409 364 排 0.06 出 量 0.05 318 0 日本製薬工業協会が削減 目標に掲げている3つの有 害物質のうち、当社で対象 になるのはクロロホルムだ けです。 0.04 0.03 162 106 100 1999 事務系 500 最 400 終 埋 立 処 300 分 量 200 総 排 6,000 出 量 0 羽生工場 ●大気への排出 ・総排出量∼全社(事業所別) (トン) 10,000 大宮工場 (t-CO2/億円) 20 0.02 53 1999 2000 2001 2002 2003 2004 年度 0.012 0.013 2002 2003 0.017 0.01 0 69 2004 年度 環 境 デ ●大気への排出 ー タ ●水質関連 ・排水量∼全社 ・NOx、SOx排出量∼生産・研究 (トン) 50 (トン) 200 80 NOx 下水道 SOx 65.3 デ ー タ 編 40 排 30 出 量 ・BOD排出量∼生産・研究 (BOD:生物化学的酸素要求量) (万m3) 公共水域 63.1 60 25.7 150 B O D 排 100 出 量 排 水 40 量 21.8 20 60.9 16.0 0 6.4 2002 6.0 5.2 2003 2004 0 年度 70.5 2002 2003 50 20 10 84.8 74.0 2002 2003 2004 0 年度 2004 年度 販売・輸送関連データ 以下に基づいて、 各種データを算出 〈ガソリン、 軽油使用量からNOx排出量を算出するための換算係数〉……「2001年3月 環境活動評価プログラム ガソリン:8.2 kg/kL 軽油:18.3 kg/kL ・販売・輸送などに関わるNOx排出量 ・販売・輸送などに関わる二酸化炭素排出量 (t-CO 2) 20,000 (トン) 100 営業 物流 その他 (社用車、フォークリフト) 16,783 15,000 二 酸 化 炭 排 10,000 出 量 6,445 127 0 2002 6,164 NOx 排 60 出 量 48.7 40 45.0 トラック 7.30 4.74 船舶 2004 0.5 年度 5.89 2002 86.70 43.1 2002 2003 8,358 4,000 40.8 0.5 0.5 2003 2004 0 年度 2004 年度 容器包装リサイクル法関連データ ・特定容器包装の総重量 (千トン) 140 (%) 100 6.92 4.75 120 80 87.96 8,817 輸 送 6,000 量 56.3 ・低公害車の導入比率 鉄道 7.41 8,874 2,000 0 80 輸 60 送 手 段 比 40 率 59.3 20 ・ドリンク剤専用工場の輸送手段比率 (羽生・岡山工場) (%) 100 (万トンkm) 10,000 その他 物流 (社用車、フォークリフト) 8,000 133 2003 ・製品輸送量 15,939 5,837 146 営業 80 13,786 5,000 エコアクション21」 より 導 入 率 88.33 60 80.3 特 定 容 器 包 装 の 総 重 量 65.2 40 120.5 120.7 2001 2002 115.2 100 80 60 40 20 20 20 0 70 2002 2003 2004 年度 0 2003 2004 年度 0 2003 年度 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 デ 各事業所のデータ ー ●大宮工場(総合研究所含む) (t-CO2) 40,000 タ ・廃棄物排出量 ・二酸化炭素排出量 電気 ガス (都市ガス+LPG) 燃料油(A重油+灯油) 35,000 33,311 30,931 31,164 31,593 (トン) 8,000 最終埋立処分量 7,251 6,953 6,886 7,000 32,966 6,000 廃 棄 物 排 出 量 25,000 20,000 4,000 3,000 10,000 2,000 5,000 1,000 1999 2000 2001 2002 2003 5,725 5,000 15,000 0 デ ー タ 編 6,624 6,265 30,000 二 酸 化 炭 素 排 出 量 総排出量 36,291 1999 200 163 152 0 2004 年度 2000 2001 61 66 2002 2003 23 2004 年度 ●羽生工場 ・二酸化炭素排出量 (t-CO2) 10,000 ・廃棄物排出量 (トン) 2,000 電気 ガス (LPG) 燃料油(A重油) 9,000 8,304 8,378 最終埋立処分量 8,335 7,946 8,000 7,504 7,000 二 酸 化 炭 素 排 出 量 総排出量 1,600 7,214 6,000 5,000 4,000 1,390 1,402 廃 棄 物 排 出 量 1,200 884 800 695 3,000 2,000 400 347 215 1,000 0 111 1999 2000 2001 2002 2003 2004 年度 108 11 0 1999 2000 2001 11 2002 2.4 2003 0.2 2004 年度 ●岡山工場 ・廃棄物排出量 ・二酸化炭素排出量 (t-CO2) 10,000 (トン) 2,000 電気 ガス (LPG) 燃料油(A重油) 総排出量 最終埋立処分量 9,000 8,336 8,000 8,050 1,600 7,398 二 酸 化 炭 素 排 出 量 7,000 5,837 6,000 7,190 廃 棄 物 排 出 量 5,955 5,000 4,000 1,200 800 726 3,000 551 540 400 2,000 353 218 1,000 0 1999 2000 2001 2002 2003 0 2004 年度 113 28 25 35 38 1999 2000 2001 2002 29 2003 25 2004 年度 ●事務系事業所 ・二酸化炭素排出量 (t-CO2) 10,000 電気 ・廃棄物排出量 (トン) 2,000 ガス (都市ガス) 総排出量 最終埋立処分量 9,000 8,000 二 酸 化 炭 素 排 出 量 1,600 7,000 6,000 5,000 4,000 4,209 4,041 3,700 4,352 4,513 3,466 廃 棄 物 排 出 量 1,200 1,031 800 761 756 2,000 437 400 1,000 73 0 664 620 3,000 1999 2000 2001 2002 2003 2004 年度 0 1999 112 2000 71 46 15 2001 2002 2003 5.3 2004 年度 71 環 第三者意見書 境 デ ー タ 大正製薬環境・社会報告書における当社の取組みについて、東京海洋大学教授の浦野先生からご意見を いただきました。 東京海洋大学 海洋環境学科教授 72 大正製薬の『環境・社会報 告書』2005年版には環境の データ編が付き、各環境デー タの推移が容易に分かるよう になると共に、社会的取り組 み状況が昨年版から大幅に 増えて『環境・社会報告書』 と いうタイトルに相応しい報告書 になりました。 また、 図表や写真を多用し、 読み易さや分かり易さに注力 したことが読み取れる報告書 になっていると思います。 1. 環境行動目標および実績と今後の取り組み内容 二酸化炭素排出量原単位に関しては、 前年度比6.5% 増、 目標年である1999年度比では、 10.4%増という結果に なっています。22ページに省エネルギー対策の事例が紹 介されていますが、 目標である「1999年度比6%削減」の ために重点的に実施する項目、 それらの想定される寄与 度を含め、 次年度の改善策をより具体的に示すことが望ま れます。 また、 一覧表 (6∼7ページ) に掲げられている目標以外に、 例えば水関連、 大気への排出などが環境目標の項目にな り得るかどうかの検討が今後必要ではないかと思います。 廃棄物の削減に関しては、 「廃棄物の最終埋立処分量 を2008年度までに1999年度比で25%以下に抑制する」 と いう目標を4年前倒しで達成しています。 また、 前年度の羽 生工場に続き、 大宮工場でもゼロエミッションを達成するな ど成果を挙げています。 2. 3Rへの取り組み 10年ほど前から環境対策を重要な課題と捉え、 企業とし て何ができるだろうかと模索し、 その一つとして3Rに行き着 いています。 本書では、 ドリンク剤びんの軽量化、 ドリンク剤びんの茶び ん化を始めとして、 包装材料の小型化、 薄肉化、 簡素化など、 ここ数年の3Rの取り組みが紹介されています。製品の安 全・安心、 品質の保持などを前提として、 企業として3Rにど のように取り組むのかは難しい課題だと思いますが、 業界を 通しての活動なども含めてさらなる取り組みに期待します。 3. 環境監査 「環境監査を実施しています」 という記載に留まる報告 書が多い中、本社組織による環境監査( 第2者監査 )、 ISO14001の審査登録機関による審査(第3者監査) および 内部環境監査(第1者監査)の結果が詳細に記載されて いることは大いに評価できる点です。 これらの環境監査の相乗効果により、 環境活動におけ るPDCAサイクルのスパイラルアップに繋がっているものと 思われます。 4. 環境会計 3年計画の3年目として事務部門を集計範囲に加え、 全 社が集計範囲になりました。今後の課題として、 数年間に わたってデータを集積すると共に、環境会計の2つの機 能−外部機能と内部機能−のうち、 “公表” という外部機能 は目的を果たしているものの、 内部機能をどうするのか、 つ まり企業内部で活用することが可能なのかどうかについて 検討することも必要ではないかと思います。 5. 社会的取り組み状況 『環境報告書ガイドライン (2003年版) 』で記載することが 望ましいとされている 【労働安全衛生に係わる情報】 【品質 に係わる方針、 計画、 取り組みの概要】 【個人情報保護に係 わる情報】 などが新規に掲載されたことは評価できます。 社会的取り組み状況は、 各項目への考え方や数値目標 を含めて、 全体を通しての考え方やビジョンを示すことが重 要だと思われます。この点についての記載があればより充 実した内容になるものと思います。 大正製薬では印刷・製本を除いて、 『環境・社会報告書』 の作成を全て社内で実施しているとのことであり、 手作り感 が出ており、 自分たちの言葉で情報を発信しようとしている 報告書であると評価します。 『環境・社会報告書』に記載す る項目の選択にあたっては、 「なぜ取り上げているのか」 「将 来どうしたいのか」が、 より明確な形で示されることが望まし いと考えます。 この点に関し、 さらなる充実を期待します。 浦野 直人様のご経歴 ●経 歴 1994年10月 2003年10月 2004年4月 東京水産大学食品生産学科助教授 東京海洋大学海洋環境学科助教授 (東京水産大学と東京商船大学が統合) 東京海洋大学海洋環境学科教授 ●研究活動 海洋や水産における未利用生物資源の生化学・分子生物学 的解析と有効利用・バイオレメディエーション(地球環境修復) への展開 TAISHO Environmental and Social Report 環境活動の歩み 環 境 デ ー タ 年 1971 1978 1992 1993 1996 1997 2000 2001 2002 2003 2004 2005 大正製薬の活動 世の中の動向 ・環境庁設置 ・大宮工場に環境課(現・環境室)設置 ・地球サミットがリオデジャネイロで開催(「持続可能な開発」がテーマ) ・環境基本法制定 ・ISO14001(環境マネジメントシステムの国際標準規格)発行 ・容器包装リサイクル法施行 ・地球温暖化防止京都会議開催(先進国の温暖化ガスの削減目標を 議定書として採択) ・環境委員会、同実務委員会発足 ・羽生工場(社)空気調和・衛生工学会賞の技術賞を受賞 ・環境に関する「基本計画/行動指針」、 「環境基本計画」 制定 ・大宮工場ISO14001認証取得 ・本社に環境統括室設置 ・羽生工場ISO14001認証取得 ・環境統括室による環境監査スタート ・環境報告書2002(初版)発行 ・大宮工場の焼却炉廃止により、全社での焼却炉全廃を達成 ・岡山工場ISO14001認証取得 ・大宮工場さいたま環境賞受賞 ・環境会計の導入・公開 ・環境統括室による環境監査の対象範囲を研究所まで拡大 ・羽生工場ゼロエミッション達成 ・岡山工場「岡山エコ事業所」に認定される ・羽生工場「リデュース・リユース・リサイクル(3R)推進 功労者等表彰」の会長賞を受賞 ・大宮工場ゼロエミッション達成 ・環境省設置 ・環境省「環境報告書ガイドライン」発行 ・化学物質排出把握管理促進法施行(PRTR制度) ・地球温暖化対策推進大綱改定(産業、民生、運輸各部門の削減目標値の 明示、対策の要請) ・日本が京都議定書*を批准 ・持続可能な開発に関する世界首脳会議(環境開発サミット)が ヨハネスブルグで開催 ・環境省「環境報告書ガイドライン」を2003年度版へと改訂 ・ISO14001 2004年版へと改定 ・京都議定書発効 ・環境省「環境会計ガイドライン2005年版」公表 ・ 「京都議定書目標達成計画」策定 外部からの評価 当社の環境・社会活動に対して、 外部から以下のよ 「FTSE 4good Global Index」 うな評価をいただきました。 評価名 調査実施企業 当社の評価 ・製造業ランキング 第8回 186位(590社中) 「企業の環境経営度」 日本経済新聞社 ・オフィス対策ランキング 調査 126位(全業種中) 第6回 「環境ブランド調査」 日経BP社 また、 SRIインデックスである英国FTSE社の と、 国内ではモーニングスター社の 「モーニングスター社会的責任投資株価指数」 に組み入れられています。 (SRI:Socially Responsible Investment) 113位(各業種の売上 げ上位544社中) 73 環 環境用語の解説 境 デ ー タ ■ISO14001 環境マネジメントシステムの国際標準規格。1996 年4月に発行され、 2004年11月に2004年版へと改 定された。 ■アイドリングストップ運動 駐停車中の車のエンジン稼働(アイドリング) を止 めようという運動。これにより、 排気ガスによる大気 汚染の防止や省エネルギーが図られる。 ■環境会計 環境保全への取り組みを効率的かつ、 効果的に 推進していくことを目的として、 事業活動における 環境保全のためのコストと、 その活動により得られ た効果を可能な限り定量的(貨幣単位または物 量単位で表示) に測定し、 伝達する仕組み。 ■環境ラベル 製 品やサービスなどの環 境 情 報を伝えるため のマークや情報媒体(広告や各種資料)。 ISO14020シリーズで、 タイプⅠ (第三者認証による 環境ラベル)、 タイプⅡ (事業者の自己宣言による環 境主張)、 タイプⅢ (製品の環境負荷の定量的デー タの表示) という3つのタイプが定められている。 ■環境リスク 企業の事業活動に伴って起こりうる環境面のリス ク。土壌汚染、 水質汚濁などの他に、 環境法令違 反や環境汚染事故などによる企業イメージの低下 も環境リスクに含まれる。 ■京都議定書 1997年に京都で開催された気候変動枠組み条 約締結国会議(COP3)で採択された議定書。 2008年から2012年までの目標期間内に先進各 国が削減すべき温室効果ガスの目標値が定め られている。日本の削減目標は6%。2005年2月 に発効。 ■グリーン購入ネットワーク 環境への負荷が少ない製品やサービスの優先的 購入を進めるネットワーク。 ■原単位 エネルギーの使用量などを売上高や生産高など で割り、 単位量当たりの値に換算したもの。 74 ■循環型社会 従来の大量生産、大量消費の社会から脱却し、 省資源やリサイクル (他用途への転換) を推進し、 エネルギー、 資源の有効活用を図り、 環境に負担 をかけないようにした社会。 ■ゼロエミッション 国連大学が1994年にゼロエミッション研究構想と して提唱したもの。廃棄物の資源化を可能にする 新しい産業連鎖をシステムとして創設し、廃棄物 を限りなくゼロに近づけていこうという考え方。 ■PRTR制度 指定化学物質 (政令で354物質が定められている) の排出量・移動量の届出を事業者に義務付け、 その内容を登録・公開する制度で2001年に施行 された。これにより指定化学物質がどの事業者 からどのくらい排出されたかを把握することがで きる。 ■PCB ポリ塩化ビフェニールの略。化学的に安定し、不 燃性で熱にも強く、 絶縁性に優れているため、 各種 電気部品などで電気用絶縁油として広く利用され ていた。毒性が強いため、 日本では1972年に製造 が禁止された。分解しにくいため廃棄処理が困難 であり、 国の廃棄処理施設が整うまで保管者に厳 重な管理が義務付けられている。 ■フリークーリングシステム 冬季の外気を利用した冷凍機を使用しない自然 冷却システム。冬季の冷エネルギーを有効活用す ることで省エネルギーが図られる。 ■容器包装リサイクル法 容器包装のリサイクルを推進する目的で、 1995年 に制定され、 1997年から施行された法律。容器包 装に関して、 消費者に分別排出、 市町村に分別収 集と保管、 事業者に再商品化の責務が定められ ている。ガラス製、紙製、 プラスチック製の容器包 装とペットボトルが対象になっている。 TAISHO Environmental and Social Report アンケート用紙 環 境 デ ー タ ●アンケートのお願い お気づきの点がございましたら、活動内容に関すること、報告書の書き方に関することなど何でも結構で ございますので、忌憚のないご意見をお願いいたします。 いただいたご意見は、今後の環境・社会活動推進や報告書の作成に反映させていただきたいと考えて おります。 以下の質問にご回答の上、FAX等でお送りいただければ幸いです。 「大正製薬環境・社会報告書」に関するアンケート 当てはまる□にチェックを入れて下さい。 Q1 「大正製薬環境・社会報告書」の分かり易さはいかがですか? 分かりにくい 良く分かった 普通 Q2 「大正製薬環境・社会報告書」の記載内容についてどのような感想をお持ちですか? 内容が充実 情報量が不足 普通 Q3 当社の環境・社会活動について、 どのように評価されますか? 活動が不十分 活動が活発 普通 Q4 「大正製薬環境・社会報告書」の中で印象に残った項目はどれですか? (いくつでも) プロフィール 環境行動目標および実績と今後の取り組み内容 3Rへの取り組み 環境会計 環境マネジメントシステム 環境負荷・環境活動の全体像 地球環境を守るために 循環型社会の構築のために 各事業所の活動 海外生産子会社の活動 社会性への取り組み 信頼性保証の仕組み ステークホルダーとの関わり 企業市民として Q5 ご意見、ご要望、ご感想などありましたら、ご自由にお書き下さい。 環境・社会報告書について: 環境・社会活動について: その他: Q6 「大正製薬環境・社会報告書」をどのような立場でお読みになられましたか? □投資家・株主 □取引先 □医療機関 □薬局薬店 □当社事業所の近隣にお住まいの方 □消費者 □企業の環境・社会活動担当者 □政府・行政関係者 □環境・社会活動の専門家 □NGO/NPO関係者 □報道機関 □学生 □当社の従業員またはその家族 □その他( ) FAX:03-3982-9148 大正製薬株式会社 環境統括室 75 環 境 デ 2004年版のアンケート結果への対応 当社の環境・社会報告書2004年版をお読みいただいた皆様から様々な意見をいただきました。 どうもありがとうご ざいました。今後も皆様からのご意見をお待ちしております。 ー タ ●環境活動に対するご意見 ①種々の環境対策を講じていることに敬意を表する。 ②二酸化炭素削減に関する目標の達成はかなり厳しいと感じた。 ③これからもより一層努力することを切望する。 ④(読者の会社で)ISO14001認証取得を推進中であり、 大変参考になる。 ●報告書に対するご意見 ①写真・イラストなどを多用しているので見易い。 ②作成方針として一般生活者向けを意識しているため、 読み易く、 分かり易い。 ③(読者の会社の)環境報告書作成の参考になる。 環境報告書ガイドラインとの対照表 ●環境省の「環境報告書ガイドライン(2003年版)」との対照表 大 項 目 1)基本的項目 2)事業活動における 環境配慮の方針・ 目標・実績等の総括 3)環境マネジメントに 関する状況 4)事業活動に伴う環境 負荷及びその低減に 向けた取組の状況 5)社会的取組の状況 ガイドラインにおいて記載が望まれている項目 中 項 目 ① 経営責任者の緒言 ② 報告に当たっての基本的要件 ③ 事業の概況 ④ 事業活動における環境配慮の方針 ⑤ 事業活動における環境配慮の取組に関する目標、 計画及び実績等の総括 ⑥ 事業活動のマテリアルバランス ⑦ 環境会計情報の総括 ⑧ 環境マネジメントシステムの状況 ⑨ 環境に配慮したサプライチェーンマネジメント等の状況 ⑩ 環境に配慮した新技術等の研究開発の状況 ⑪ 環境情報開示、 環境コミュニケーションの状況 ⑫ 環境に関する規制順守の状況 ⑬ 環境に関する社会貢献活動の状況 ⑭ 総エネルギー投入量及びその低減対策 ⑮ 総物質投入量及びその低減対策 ⑯ 水資源投入量及びその低減対策 ⑰ 温室効果ガス等の大気への排出量及びその低減対策 ⑱ 化学物質排出量・移動量及びその低減対策 ⑲ 総製品生産量又は販売量 ⑳ 廃棄物等総排出量、 廃棄物最終処分量及びその低減対策 総排水量及びその低減対策 輸送に係る環境負荷の状況及びその低減対策 グリーン購入の状況及びその推進方策 環境負荷の低減に資する商品、 サービスの状況 社会的取組の状況 ※容器包装リサイクル法の対象となる容器包装の販売実績値(重量)のみ記載 76 掲載ページ p. 1 表紙裏、p.68 p. 2 p. 3 p. 6、7 p. 20 p. 12、13 p. 14∼19 − p. 8∼11、31 p. 19 p. 19 p. 51 p. 20、22 p. 20、29、31 p. 20、25 p. 20∼22 p. 26、27 p. 20※ p. 20、28、29 p. 20、25 p. 20、24 p. 30、36 p. 8∼11、31 p. 39∼67 TAISHO Environmental and Social Report 環 境 表紙および裏表紙の挿絵について 本報告書では、 社員の子供の作品を採用しました。 ●表紙 タイトル: 「じゅうたんののりもの、 うちゅう人ともなかよし」 後藤 祥子(名古屋支店 社員家族) デ ー タ この作品は「日本国際博覧会(愛・地球博) 」に出展している「ワンダ ーサーカス電力館」の外壁を飾る30枚の絵画の1枚として選ばれまし た。絵画は、 一昨年に電気事業連合会が小学生を対象に「わたしたち の夢」や「地球の未来」をテーマに募集したものです。 ●裏表紙 生産部門の「環境月間」で募集した環境ポスターのうち、 13作品が 社員の子供による作品でした (p2 . 3参照)。 阿部俊介 近藤高誉 桜井惇史 島海史恵 杉本瑞姫 杉原悠介 鈴木瑛莉 福島洋恵 丸尾成美(2点) 丸尾拓海(2点) 目黒藍海 (五十音順) 関連公表資料一覧 文 書 名 会社案内(会社概要) アニュアルレポート 羽生工場パンフレット 岡山工場パンフレット 概 要 事業内容紹介、 ネットワーク、 システム、物流、沿革など 財務内容、 R&Dハイライトほか 工場概要 工場概要 入手方法(問い合わせ先) 広報室・ホームページ 広報室・ホームページ 各工場 各工場 作成方針 この環境報告書に関するお問い合わせ先 大正製薬(株) 本社 環境統括室 :TEL 03-3985-1111(内線:2680) FAX 03-3982-9148 広 報 室 :TEL 03-3985-1115(ダイヤルイン) FAX 03-3985-6485 大正製薬(株)ホームページアドレス http://www.taisho.co.jp (本書の内容はホームページでも公開しています) 報告書発行年月 2005年9月 (前回の発行年月2004年9月) 次 回 発 行 予 定 2006年9月頃 当社では、一般生活者を含めた多くの方々に読んでい ただくことを想定して本書を作成しています。そのため、作 成に当たっては【読み易さ】 【分かり易さ】に配慮しました。 具体的には、図・表・写真などを多用すると共に、文字を大 きくしました。 記載内容に関しては、 【信頼性】 【透明性】 【継続性】の 確保に努めました。 「マイナス情報も公開する」 「できる限 りデータを定量化し、過去との比較を可能にする」を心掛 けることで対応しています。特に継続性に関しては、 データ 編を付け、各種データの推移が分かるようにしました。 なお、当社では印刷・製本を除いて、環境・社会報告書 の作成を全て社内で実施しています。自分たちで作成す ることにより、 こちらの想いを直接読者にお伝えしたいと考 えているからです。 77 TAISHO Environmental and Social Report 2005 古紙配合率100%再生紙を使用しています。 2005.9