...

『民生委員・児童委員活動の見える化プロジェクト』の創設

by user

on
Category: Documents
99

views

Report

Comments

Transcript

『民生委員・児童委員活動の見える化プロジェクト』の創設
『民生委員・児童委員活動の見える化プロジェクト』の創設
◆大学生が民生委員・児童委員活動を学び、体験する。全国初のプロジェクト!
大阪府では、「民生委員・児童委員」の活動を広く周知し、理解を深めていただくため、「民生委員・
児童委員活動の見える化プロジェクト」と題し、府内 6 自治体及び関西の 3 大学の協力のもと、
平成 28 年 8 月 8 日から、全国初の、“大学生を対象とした、体験型インターンシップ・プログラム”を
実施します。
◆民生委員・児童委員の担い手確保に向けて
「民生委員・児童委員」は、地域住民の身近な生活相談や助言、福祉サービスの提供など、安全・
安心を支える「顔の見える」最も身近な支援者として、幅広い活動に取り組まれています。
民生委員は、民生委員法に基づき、厚生労働大臣から委嘱された非常勤の地方公務員で、給与
支給のない無報酬のボランティアです。また、児童福祉法に定める「児童委員」を兼ねており、現在、
府域では、約 13,000 人の民生委員・児童委員の方々が活動されています。
しかし、急速に進む少子高齢化をはじめ、社会・経済環境の構造的な変化を背景に、地域福祉を
取り巻く環境は著しく変化しており、生活困窮者の自立支援など、「新たな福祉・生活課題」への対応
が求められていること等により、民生委員・児童委員の負担感は高まっています。さらに、民生委員・
児童委員自身の高齢化も相まって、なり手が不足する傾向にあります。特に大阪府における民生委
員・児童委員の定数に対する充足率をみると、平成 26 年度で 95.9%と全国でもワースト3(全国平均
97.9%)となっており、新たな担い手確保は、大阪府の喫緊の課題です。
このため、大阪府では、民生委員・児童委員が活動しやすい環境を構築するため、平成 27 年度、
「民生委員・児童委員制度のあり方検討部会」を立ち上げ、委員の負担状況を調査・分析するととも
に、具体的な負担軽減策や新たな担い手確保策を検討しました。
[図表 1:民生委員・児童委員が抱える 3 つの負担]
身体的負担
精神的負担
経済的負担
[❶業務量]
●要支援者増による仕事量の増加
●配布物や調査など、行政や社協から
の協力依頼事項が多すぎる
●受け持ちの世帯数が多すぎる
●町内会や自治会等(校区福祉委員
会)の行事などの参加の負担が大きい
[❷時間的拘束]
●現役世代をはじめ、定年後の再就職
者増により、仕事との両立が困難
●会議や研修などにとられる時間が多す
ぎる
●児童虐待対応は時間がかかる
●早朝深夜の対応が求められる など
[❸困難事例への対応]
●多様化・複雑化する事例対応が求められる
●援助を必要とする人への援助の範囲、支援の方法がわからない
●社会福祉に関する知識の習得、情報の整理が追い付かない
●援助が困難な場合の相談先が判断しにくい
●児童虐待対応では、実態把握、対象者や家族との関係、プライバシー保護が難しい
[❹責任の範囲]
●地域住民による民生委員・児童委員への期待が大きい(何でも解決できる人)
●証明事務(行政からの依頼事項の一つ)に係る責任範囲が不明
●担当地区で孤立死が起こらないか心配 ●周囲の目が厳しく責任が重い
●救急車の同乗や緊急手術のサイン等が求められる
[❺個人情報の取扱い]
●個人情報の提供内容・手法は自治体によってバラバラである
●プライバシーにどこまで踏み込んでいいのか戸惑う
●個人情報など、支援を行うに当たっての必要な情報を把握できない
●予防や早期発見につながる情報を把握できない
●対象者となかなか会えない など
[❻金銭負担]
●地域活動に参加する
金銭的余裕なし
(年金受給年齢の上
昇等による)
●慶弔や地域の祭事
などの際の経済的な負
担が大きい
「民生委員・児童委員制度のあり方検討部会報告書(平成 28 年 3 月)」より抜粋
[図表 2:「3 つの負担」軽減を図るための方向性・対応策]
3つの負担
今後の方向性・対応策
[イ 市町村等による依頼事項の見直し]
❶業務量
身体的負担
❷時間的拘束
❸困難事例への対応
精神的負担
経済的負担
[ア 関係機関や行政
等との連携強化・ネッ
トワークの構築]
[ウ 仕事等との両立に向けた仕組みづくりの検討]
[エ 研修内容等の工夫と充実]
[オ 市町村等によるサポート支援体制の整備]
[カ 民生委員・児童委員に責任を求めないルールづくりの検討]
❹責任の範囲
❺個人情報の取扱い
[キ 市町村における個人情報保護条例に即した適切な運用の推進]
❻金銭負担
[ク 効果的・効率的な活動費の運用]
「民生委員・児童委員制度のあり方検討部会報告書(平成 28 年 3 月)」より抜粋
検討の中で、府民 1,000 人に対しインターネットアンケートを実施したところ、「民生委員・児童委員
の存在や制度をよく知っている人は、知らない人より応嘱意欲が高い」、「ボランティア経験がある人
は、ない人より応嘱意欲が高い」、「年代別でみると、若者(20 代以下)が最も応嘱意欲が高い」との
結果がでました。このようなアンケート結果等を踏まえ、一人でも多くの方々に民生委員・児童委員
活動に関心を持ち、活動を知ってもらうことで、将来の担い手確保へつなげていきたいとの思いから、
本プロジェクトを立ち上げました。
◆プロジェクトの概要
「民生委員・児童委員活動の見える化プロジェクト」では、参加する大学生は、まず、事前研修で
「大阪府の地域福祉」の現状・課題や、「民生委員・児童委員制度」の基礎知識(役割・活動内容等)、
個人情報の取り扱い等について学んだ後、民生委員・児童委員の活動に随行するインターンシップ
に臨みます。
インターンシップでは、地域住民の見守り支援や行事等への参加・協力、小地域ネットワーク活動
(高齢者・子育てサロン)への参加などを通じて、多様な世代が暮らす地域福祉の実態・課題等につ
いて学びます。
その後、事後研修の中で、インターンシップのふりかえりを行い、府域の地域福祉の実態と課題を
再認識し、課題解決に向けた新たな施策を、活動報告会において提案します。また、民生委員・児童
委員活動の PR 内容を作成し、地域住民や国内外へ情報発信し、認知度アップを図ります。プログラ
ムを修了した大学生には「サポーター認定証」を交付します。
本プロジェクトの実施にあたり、平成 28 年度は、大阪市、堺市、豊中市、茨木市、摂津市、四條畷
市の 6 自治体、大阪府立大学、関西学院大学、立命館大学の 3 大学、そして民生委員・児童委員の
皆様にご協力をいただきます。
[図表 3:「民生委員・児童委員活動の見える化プロジェクト」概要]
●参画大学
▸大阪府立大学(大阪府堺市) ▸関西学院大学(兵庫県西宮市)
▸立命館大学(京都府京都市、大阪府茨木市等)
●参画自治体
▸大阪市(2 名) ▸堺市(7 名) ▸豊中市(5 名)▸茨木市(3 名)
▸摂津市(2 名) ▸四條畷市(6 名) *カッコ内は受入人数
●対象人数
▸24 名
●研修時期
▸平成 28 年 8 月 8 日~11 月 20 日(予定)
●研修期間
▸概ね 10 日(大学・自治体ごとに異なる)
●研修プログラム
❶事前研修(講義&グループワーク)*2 日(10 時間程度)
▸基礎知識の習得、活動 PR 内容の調査等
❷インターンシップ *5 日(20 時間程度)
▸民生委員・児童委員に随行し、地域福祉の実態を把握
❸事後研修(グループワーク)*2 日(12 時間程度)
▸❷のふりかえり、活動報告会の発表資料のとりまとめ
▸活動 PR 内容の作成、情報発信等
❹活動報告会 *1 日(4 時間程度)
▸インターンシップの報告及び活動 PR 内容の発表
▸民生委員・児童委員等(コメンテーター)と意見交換を実施
▸研修プログラム修了者に対し「民生委員・児童委員サポーター認定証」の交付
[図表 4:インターンシップ活動内容(例)]
★活動内容(例)
*参画自治体は、以下の取組みの中から、地域の活動状況等を勘案し、スケジュールを組む
項目
主な内容
地域住民の見守り支援
●高齢者等の安否確認への同行 ●配食活動の補助 ●個別相談対応など
行事・事業・会議への参加・協力
●地区民児協の定例会議・ケース検討会議等への同席 ●各種研修への参加 など
地域福祉活動への協力
●小地域ネットワーク活動(高齢者・子育てサロン)への協力
●地域交流イベントの企画・立案・運営 など
行政への協力
●調査・実態把握への協力(高齢者実態調査等) など
大阪府報道提供資料(平成 28 年 6 月 15 日)より抜粋
地域とのつながりが薄くなりがちな大学生が、民生委員・児童委員の活動を体験することで、地域
福祉の現状や課題などを学び、地域活動に関心を持つことで、“委員活動の見える化”の宣伝部隊と
して、その意義や魅力を家族や地域住民の方々に伝えてもらうことを期待しています。この取組みを
通じて、民生委員・児童委員の活動の認知度アップを図っていきたいと考えています。
◆大阪発の新たな“担い手確保のモデル”の発信へ
少子高齢社会を迎えて、民生委員・児童委員の人材確保は、全国共通の課題です。
今後、大阪府では、本プロジェクトの成果を、大阪発の新たな“担い手確保のモデル”として広く発
信していきたいと考えています。
問合せ先
大阪府福祉部地域福祉推進室地域福祉課
TEL 06-6941-0351(代表)(内線 4504)
06-6944-6657(直通)
Mail: [email protected]
Fly UP