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倉庫業(某社)(PDF形式、100kバイト)

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倉庫業(某社)(PDF形式、100kバイト)
IT
LOG
●シリーズ//今月のロジスティクスIT①
S
ICS
㈱日立製作所
倉庫業への在庫型倉庫管理
システム適用事例
∼倉庫業界向HITLOMANS-SOKOの適用∼
久島 実/池田暁治
㈱日立製作所 産業システム事業部
産業機械システム部 技師
はじめに
の簡素化を図り,シンプルオペレーションによ
って利益を稼ぎ出す仕組みができあがってお
り,さらに情報化によって収益性と顧客満足を
近年,運輸・倉庫業界では,長引く不況や産
業界の動向の変化によって様々な問題を抱えて
いる。
まず,メーカ生産拠点の海外へのシフト,荷
重視した事業の展開を図っているのである。
弊社ではこのような企業を倉庫業のビジネス
モデルとして考え,倉庫業界向け倉庫管理シス
テムHITLOMANS−SOKOをリリースした。
主の物流合理化などによって輸送量,保管量と
これは弊社パッケージシステム:倉庫管理シ
もに減少の一途をたどっている。このような貨
ステムHITLOMANSにチューニングを施し,
物量の伸び悩みによる荷主の取り合いによる過
シンプルオペレーションを実現する管理機能を
当競争に加え,規制緩和によって運輸・倉庫業
充実させ,倉庫料管理/配送料管理/納品書及
界内での競争が激化してきている。今後事業者
び送り状等の伝票出力等の機能を付加したもの
の再編・統合・淘汰が進むものと考えられる。
である。
また,近年,荷主のニーズは多様化・高度化
しており,トレーサビリティを始めとして流通
本稿では,あるお客様への導入事例を元に本
パッケージのご紹介をしていきたい。
加工,物流情報管理など幅広い物流サービスや
総合的な物流ソリューションの提供が求められ
ている。各事業者にとって,厳しい事業環境が
HITLOMANS−SOKOのコンセプト
続いていることから主要荷主との安定取引の確
保は収益基盤の確保のためにはサービスの多様
化は重要な経営課題となってきている。
このような環境化の中,確実に利益を出して
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HITLOMANS−SOKOは前述の通り,倉庫
業における物流センター業務を一括管理するこ
とを目的として構築している(図表−1)。
いる企業は単なる運輸業で価格競争に巻き込ま
本システムの主なコンセプトは下記項目となる。
れるのではなく倉庫業まで事業を取り込み,保
消費期限・ロット管理と出荷日付逆転防止
管から配送まで含めた3PL業へとシフトしつつ
倉庫料(保管料,荷役料)請求が自動出力可能
ある。そして,このような企業では,庫内業務
複数荷主を一括管理
マテリアル フロー 2004・7
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流研・MFホームページURL http://www.ryuken-net.co.jp
図表−1 システム概要
バーコードを基本とした作業で迅速・簡単・
お届け先の要求・商品管理水準を上げる目的
正確
により,以前に出荷した日付より古い日付のも
ハンディターミナル (PDA)を用いたパー
のを出荷することを許さないケースが増えてき
ト・アルバイト中心の作業を実現
ている。
ハンディターミナルから正確な出荷履歴を管理
本機能ではお届け先毎に対し,出荷した商品
ハンディターミナルから人時,作業を管理
毎の管理日付を保持している。そして,逆転チ
配送料計算を個建て,重量建てで自動計算
ェックを指定されたお届先または商品には古い
これらは,庫内の管理レベル水準の向上と作
管理日付が配送されないように出荷の引き当て
業の効率化を目的としたものである。
以下に,本システムを導入いただいた運輸・
時にチェックをすることで,日付の逆転を防止
している。
倉庫業を営むお客様の導入事例を元に,主な機
在庫引き当て
能の特長述べる。
逆転チェックが指定されていない商品は,出
荷期限内で管理日付が古いものから引き当てを
HITLOMANSーSOKOの特長
行う。また,同一管理日付が複数ロケーション
に存在した場合,ロケーション毎の総数が少な
いロケーションから引き当てする。
HITLOMANS−SOKOの大きな特長は,大
きく5項目に集約される。
なお,上記条件により出荷が開始されると手
付きロケーションとなり,同一管理日付では,
最優先のロケーションとなる。これは,
ピッキン
1.綿密な在庫管理機能
グを行っている作業者に配慮した機能である。
在庫管理では,荷主毎の様々な要求に応えら
れるように以下の機能を用意しており,作業者
が判断することなくシステムで管理している。
管理日付
2.無線PDAを用いたシンプルオペレー
ション
本システムでは,従来のベテラン作業者に頼
商品マスタに製造日管理または賞味期限日管
らず,パート・アルバイトを戦力化するシンプ
理の設定を持つことで,商品毎に製造日管理/
ルオペレーションの実現のために様々な配慮を
賞味期限日管理の選択を可能としている。
これに
している。
より,荷主毎によって管理方法が違う場合も,シ
ステム上問題なく管理できるようになっている。
逆転チェック機能
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PDA型の無線ハンディターミナル
本システムでは,カシオ計算機製のPDA型
の無線ハンディターミナル (型式:DT−5100)
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図表−2 ハンディターミナル(PDA)のメニュー画面
ことで作業量変動に合わせた人員配置計画を立
てることが可能となるといったメリットがあ
る。
加え副産物として,作業者のやる気とモラル
向上が期待できるといった効果もある。
3.作業進捗管理
前述の作業者毎の管理とは別にリアルタイム
に作業の進捗管理機能を設けている(図表−3)。
これは,各フロア,エリア毎の出荷予定数及
を採用している。これは作業者の視認性を重視
びピッキング数,ピッキング残数,検品数を指
し,カラーで見やすい大画面の提供というコン
示件数及びケース数を画面に表示し,進捗状況
セプトによるものである(図表−2)。
を管理者が把握できるようになっている。
そして,入荷検品/入庫/ピッキング/出荷
これにより,遅れているエリアの把握と応援
検品/棚卸/ロケーション変更といった庫内の
などの指示によって作業進捗の平準化が可能と
全ての作業はハンディターミナルからの指示に
なっている。
従来,早く終わったエリアの作業員
より行うことで,保管場所や作業を熟知したベ
は暇になり,遅れているエリアの作業員は残業
テラン作業員でなくても作業が可能となってい
しているといった矛盾が解消でき,残業代の圧
る。
縮といったコストメリットも出てくるのである。
人時生産性管理機能
また,さらに配車毎の予定数及びピッキング
物流センターにおける人件費は,センター全
数,出荷検品数をケース数及び進捗率で表示す
体コストの大部分を占めており,人件費削減の
る画面を用意している。このお客様では,この
ために,外注,アルバイト,パートを活用するこ
内容を事務所外に設置した50型のプラズマディ
とは不可欠である。その反面,倉庫業者において
スプレイに表示し,配送業者に情報を公開する
出荷精度を確保することは,荷主に対する信頼
ことでドライバーにトラックバースに入る準
を得る不可欠な要素であることは言うまでもな
備・順序を促している(図表−4)。
いだろう。
そこでHITLOMANSでは,ハンディターミ
4.倉庫料(保管料,荷役料)請求
ナル立上げ時に作業者IDを入力させてから作
倉庫料として保管料,荷役料が計算できるよ
業に入る。これにより“誰が,何時から,どの
うになっている。保管料は,前期の保管在庫数
ような作業を,いくつ処理したか”の履歴を取
ることが可能となっている。
図表−3 エリア別進捗画面
これを集計することによって,
①作業者毎の処理数の把握
②平均作業処理数の把握
などが管理できる。これにより,人事管理者
は作業員毎の評価が可能となり,作業に見合っ
た賃金を払うことで,人件費を押さえることが
可能となる。
また,作業種別毎に平均作業処理数を求める
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図表−4 配車別進捗画面
と当期の入庫数を加算したもので荷主毎に設定
された処理日に設定された請求日までで計算し
図表−5 システム構成
HITLOMANS−SOKO基本構成
ている。
また,荷役料は,当期の入庫数及び出庫数を
本システムの基本構成図を図表−5に示す。
加算したもので荷主毎に設定された処理日に設
倉庫管理サーバと無線管理サーバにより各端
定された請求日までで計算している。
末を管理する仕組みとなっている。
なお,倉庫料/保管料は,基幹情報システム
からの入庫指示/出庫指示の倉庫料金区分によ
り加算する・しないの指定ができる。また,商
今後の展開
品マスタの倉庫料金区分でも加算の有無をも指
HITLOMANS−SOKOは庫内業務効率化の
定可能である。
また,倉庫料は最大1年前までの保管料/荷
ために今まで培ってきた様々な機能を盛り込ん
役料の訂正が可能である。その場合,請求書に
だシステムとなっている。今回ご紹介できなか
訂正した内容と訂正の料金を付加する仕組みと
った機能も多々あるので,ご興味ある企業様に
なっている。
は是非お問合せ戴きたい。
また,他業種向けとして流用できる機能ばか
5.配送料請求
りであるので,機能をさらにブラッシュシアッ
配送料は,個建又は重量建により顧客毎に設
プして展開していく所存である。ご期待戴きた
定された処理日に設定された請求日までで計算
い。
している。
なお,個建/キロ建共に基礎数/基礎金/換
算金等の設定が可能であり,細かな配送料金の
設定が可能である。
また,顧客毎に夏期/冬期の割り増し/割り
引き運賃及び最低運賃/最高運賃の設定が可能
である。
㈱日立製作所 産業システム事業部
産業機械システム部
このような料金計算は全てシステムの作業ロ
グ,在庫情報から自動で計算され,
従来の人手に
よる作業から大幅な効率向上を実現している。
ロジスティクスシステムグループ
東京都千代田区神田駿河台4-6
TEL:03-5295-5793
FAX:03-3258-9517
E-mail:logistics@pis.hitachi.co.jp
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