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配布資料タイプ
2016/4/11
2016. 04.11
分子生物学とは
生命現象について分子レベルで解き明かす学問
核酸 (DNA)、タンパク、糖etc…
分子生物学
ゲノム創薬学や薬物動態学にもつながる基本部分!!
分子標的薬の原理や代謝酵素の個体差などの理解に必要
前期 第1回
分子生物学分野 助教
岡﨑 裕之
1. 細胞の構造と遺伝子を構成する物質
1.遺伝子とは何か (教p.3)
真核生物と原核生物の違い?
細胞内小器官の有無
A:遺伝情報を担う分子 (p.3)
真核細胞のDNAは核膜に包まれている…
ポイント
・遺伝子の本体はDNAである。
・DNAは、塩基・リン酸・糖からなるヌクレオチドを
基本構成単位とする。
SBO:DNA、遺伝子とは何かを説明できる。
核酸成分の発見の歴史
2. 遺伝子の本体の発見
1869年、包帯に付着した膿を研究していたミーシャーが、細胞の核の
中にあるリン酸とタンパク質成分を発見、ヌクレインと名付けた。
精製により純化
5種類の有機塩基 (アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル)と
リン酸を含む新規の酸性物質を解明→核酸と命名
後に、核酸には糖も含まれていることが判明
D-リボース:リボ核酸 (RNA)
2-デオキシ-D-リボース:デオキシリボ核酸 (DNA)
MendelやMorganらによって、遺伝の概念や染色体と遺伝子の関係が明
らかになってきた。 →染色体にはタンパク質とDNAがある!
アミノ酸 (20種類) ⇔ DNA:4種類の塩基
遺伝子の本体として働いているのは数の多いタンパク質だろう…
遺伝子の本体がDNAであることを証明しようとした実験者たち.
F. Griffith (グリフィス)の実験
O. T. Avery (エーブリー)の実験
A. D. Hershey (ハーシー)と M. Chase (チェイス)の実験
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F. Griffith (グリフィス)の実験 (1928年)
O. T. Avery (エーブリー)の実験 (1944年)
エーブリーの実験結果は、肺炎球菌の形質転換に関わる
遺伝子の本体がDNAであることを示している。
HersheyとChase(ハーシーとチェイス)の実験 (1952年)
S原子はタンパク質のみ、P原子はDNAにのみ存在していることを利用.
HersheyとChase(ハーシーとチェイス)の実験 (1952年)
※補足:ファージとは?
ファージ:細菌に対して感染力を持つDNAウイルスの一種
大腸菌などの最近の中で自己のDNAを増幅させる。
ハーシーとチェイスは、T2ファージの外殻を構成するタンパク質を35Sで標識し、また
内部にあるDNAを32Pで標識することでファージ→大腸菌の遺伝的伝播が何に由来す
るかを解明した。
HersheyとChase(ハーシーとチェイス)の実験 (1952年)
ファージのタンパク質が取り込まれて大腸菌の形質転換を引き起こす。
ファージのDNAのみが大腸菌に取り込まれて形質転換を引き起こす。
ミーシャーによるヌクレインの発見(1869年)から実に83年、1952年にようやく遺
伝子の本体が核酸(DNA)であることが解明された。
→核酸とはどういうものなのか?
B:核酸 (p.7)
ポイント
・核酸を構成する塩基には、プリン塩基とピリミジン塩基がある。
・塩基に5炭糖がN-グリコシド結合したものをヌクレオシドという。
・ヌクレオシドにリン酸がエステル結合したものをヌクレオチドとい
う。
・DNAやRNAは、ヌクレオチドがホスホジエステル結合で連結した
ポリヌクレオチドである。
・ヌクレオチドの生合成経路には、新生経路と再利用経路がある。
・不要になったヌクレオチドの塩基部分は代謝分解され、尿中へ
排泄される。
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1. 核酸塩基
2. ヌクレオシド
DNAの構成塩基
ヌクレオシド = 塩基 + 5炭糖
2位がOH: D-リボース (RNA)
2位がH: 2-デオキシ-D-リボース (DNA)
・糖がリボースの場合:アデノ
シン、グアノシン、シチジン、
ウリジン
・糖が2-デオキシ-D-リボース
の場合:デオキシアデノシン、
デオキシグアノシン、デオキ
シシチジン、チミジン
3. ヌクレオチド
3. ヌクレオチド
ヌクレオチド = 塩基 + 5炭糖 + リン酸
ポリヌクレオチド:ヌクレオチドのリン酸が5炭糖の3’位、5’位
の炭素間にホスホジエステル結合で連結したもの。
リボースの場合:RNA
デオキシリボースの場合:DNA
4. 核酸・塩基の代謝
a. プリンヌクレオチドの生合成 (1) de novo 合成
4. 核酸・塩基の代謝
PRPP(5-ホスホリボシル-1-ピロリン酸)を土台として、プリン骨格
が組み上げられる。(IMPの合成)
IMPから、アデノシン三リン酸、グアノシン三リン酸がそれぞれ
合成される。
IMP
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4. 核酸・塩基の代謝
4. 核酸・塩基の代謝
a. プリンヌクレオチドの生合成 (2) 再利用経路
b. ピリミジンヌクレオチドの生合成 (1) de novo 合成
アデニンホスファチジル
トランスフェラーゼ
+
or
ヒポキサンチン-グアニン
ホスファチジルトランスフェラーゼ
AMP
IMP
+
GMP
ATP
GTP
4. 核酸・塩基の代謝
b. ピリミジンヌクレオチドの生合成 (1) de novo 合成
二酸化炭素、Gln, Aspからカルバモイルアスパラギン酸が生成
→オロト酸の合成
オロト酸がPRPPと反応してオロチジン一リン酸(OMP)が合成
4. 核酸・塩基の代謝
c. デオキシリボヌクレオチドの生合成
リボヌクレオチド二リン酸が還元されてデオキシリボヌクレオ
チド二リン酸が合成される。これがさらにリン酸化を受けて
dNTPとなる。 (デオキシウリジンのみ例外)
OMPからウリジン三リン酸 (UTP)、シチジン三リン酸(CTP)が
順次合成
b. ピリミジンヌクレオチドの生合成 (2) 再利用経路
核酸の分解で生じた塩基、ヌクレオシドがピリミジンヌクレオ
チド(UMP, CMP)に合成されていく。
4. 核酸・塩基の代謝
d. ヌクレオチドの分解
国試過去問
第100回薬剤師国家試験
問14 ヌクレオチドのピリミジン骨格のde novo 合成に利用されるアミノ酸はどれか。
1つ選べ。
1 L-メチオニン
2 L-チロシン
3 L-バリン
4 L-アスパラギン酸
5 L-トリプトファン
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中間試験過去問
問1.
DNAの構成塩基の名前(日本語で可、頭文字のみは不可)をすべて書きなさい
アデニン、グアニン、シトシン、チミン
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