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アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター

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アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
アジレント・テクノロジー
プラクティカルソリューションニュースレター
NO.16-2
1 ページ
ビーズによる機械的ストレスの付加
4 ページ
溶出試験コンプライアンスの
確保に役立つアジレントの
学習用リソース
6 ページ
Agilent 850-DS サンプリング
ステーション – ファームウェア 2.0
6 ページ
850-DS 8 チャンネル
フィルタプレート –
0.2 μm を提供開始
8 ページ
Q&A
BRYAN CRIST, SCIENTIFIC AFFAIRS MANAGER, AGILENT TECHNOLOGIES INC.
ビーズによる機械的ストレスの付加
レシプロケーティングシリンダ法は、消化管のさまざまな領域における薬物動態および機械的条件
をより正確に再現できる代替試験法の必要性から開発されました。従来のパドル法およびバスケッ
ト法は、多くの経口製剤を単一の pH や複数の pH で長時間に渡って評価する場合には便利ですが、
試験中に pH を変化させることが難しく、in vitro 試験中の撹拌速度の変化についてもほとんど考慮
されていませんでした。
1980 年の国際薬剤師・薬学連合 (FIP) 国際会議で発表されたプレゼンテーションにより、USP (米国
薬局方) Apparatus 1 および 2 の溶出試験結果に付随する深刻な問題に関心が向けられるようになり
ました。この会議をきっかけに生まれたのが、USP Apparatus 3 のコンセプトです。USP Apparatus 3 は
Bio-Dis としても知られ、消化管で製剤の溶出に影響を与える可能性のある機械的条件や物理化学
的条件に製剤をすばやく簡単に曝露できることから、徐放性製剤の開発に最適です。Bio-Dis 徐放性
製剤溶出試験器は、徐放性製剤や、複数の pH レベルでの溶出プロファイルを必要とする製剤の溶
解速度を評価するために設計されました。この試験器では、製剤を特定の pH から別の pH の試験
液へと移動できるため、遅延放出製剤および放出調節製剤用の溶出試験器として有力な候補となっ
ています。
アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
NO.16-2
Apparatus 3 では、製剤を入れた内側チューブをベッセルにさまざまな速
これらの試験法の持つ能力の限界から、製剤に加えられるせん断力をさ
度で浸漬することで、経口投与製剤が消化管内で曝露される pH の変化
らに高めるビーズの追加に関する議論が活発化しました。新規製剤の溶
を最大 6 種類の試験液でシミュレートすることができます (図を参照)。
出試験および薬剤放出試験のガイドライン骨子を策定するために開催さ
内側チューブの 底部 (または上部と底部) にスクリーンを用 いることで、
プロケーティングシリンダ法がチュアブル錠 の 試験に適している可能性
内側チューブ内に製剤を保持し、垂直方向の混合作用により、内側チュー
があることが示されました。また、in vitro 溶出試験における撹拌力を高
ブ内で製剤が絶えず上下移動する環境を作り出します。
めるために、ガラスビーズを追加することの必要性が提唱されました1。
れた FIP および米国薬学会 (AAPS) 主催のワークショップにおいて、レシ
一般に、チュアブル錠は、溶解性の高い有効成分 (API) を含有していま
すが、従来の溶出試験法では、崩壊および溶解が非常に困難です。その
ため、チュアブル製剤は、溶解性の低い化合物と同様に、機械的な力を
高める必要があります。チュアブル錠の試験は、プラスチックビーズまた
はガラスビーズを加えたレシプロケーティングシリンダ法で実施すること
ができます。往復運動が製剤とビーズとの激しい接触をもたらし、機械
的せん断力によってチュアブル錠が比較的迅速に崩壊するため、チュア
ブル錠の溶出に必要な咀嚼プロセスをシミュレートすることが可能です。
次の図は、さまざまなサイズのビーズとともに 30 DPM で往復運動する
チュアブル錠です。
図 1. レシプロケーティングシリンダ内でテオフィリンビーズが自由に
上下移動し、製剤表面がまんべんなく試験液に曝露されます。
ビーズを使用したケーススタディ :
チュアブル錠とビーズ
従来の Apparatus 1 (バスケット法) または Apparatus 2 (パドル法) では、回
転速度を上げる以外に、この種の機械的作用の増大をシミュレートする
ことができません。また、一般に、回転速度の上昇は Q 値の低下を伴い
ます。これは、Apparatus 1 および 2 では製剤を十分な速さで崩壊させる
ことができないことを示します。
図 2. 1.5 mm ビーズ (左) および 6 mm ビーズ (右) を用いた
アスピリンチュアブル錠の溶出試験
2
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アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
ビーズを使用したケーススタディ :
HPMC マトリックス錠とビーズ
このトピックの詳細については、The AAPS Journal の次の
徐放性 HPMC マトリックス錠について、レシプロケーティングシリンダ法
aspx?doi=10.1208/s12248-012-9422-x
記事をご覧ください。http://www.pharmagateway.net/ArticlePage.
とプラスチックビーズを用 いて 同様 の 調査 が 実施され、この 製剤 の in
vivo 性能をより正確に予測するための 溶出試験メソッドが提供されまし
結論として、レシプロケーティングシリンダ法は、多様な製剤の溶出試
た。これにより、
複数の製剤についてレベル A の IVIVC (in vitro-in vivo 相関)
験でせん断力を高めるために利用されてきましたが、さらにビーズを用
を開発することができました。in vitro では、in vivo データとの十分な相関
いることで、胃部における典型的な強度の機械的せん断力の再現という
性を得るために、高い機械的な力が必要なことがわかりました。
新たな 道が切り開かれます。レシプロケーティングシリンダ法 の 詳細に
ついては、アジレントの担当者にお問い合わせいただくか、アジレントの
ビーズを用いたメソッドでは、粒径 1 ∼ 8 mm、密度約 1.1 g/cm の合成
Web サイト (http://www.agilent.com/chem/jp) をご覧ください。
ポリマービーズ材料を使用することで、錠剤との良好な相互作用が得
られました。また、ガラスビーズはシリンダの 底からほとんど動かず、
浸漬速度を上げて撹拌しても錠剤に機械的な力がまったく加わらない
参考文献
ため、一般にこの試験に適していないことがわかりました。この調査か
1. Martin Siewert, Jennifer Dressman, Cynthia K. Brown, and Vinod P. Shah;
ら、Apparatus 3 メソッドと、適切なサイズおよび密度のビーズを組み合
わせて使用すると、機械的ストレスが高まるため、放出の過程で崩壊が
生じるマトリックス錠の評価に有効なことが判明しました。また、開発の
初期段階で、頑健なマトリックス製剤と基準製剤の生物学的同等性を
取るため、将来的な研究においてビーズが大きな役割を担うものと考
えられます2。
FIP/AAPS Guidelines to Dissolution / In Vitro Release Testing of Novel /
Special Dosage Forms; AAPS :PharmSciTech 2003; 4 (1) Article 7, January
2003
2. Uros Klancar, Bostjan Markun, Sasa Baumgartner, and Igor Legen; A Novel
Beads-Based Dissolution Method for the In Vitro Evaluation of Extended
Release HPMC Matrix Tablets and the Correlation with the In Vivo Data, The
AAPS Journal, Vol. 15, No. 1, January 2013
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アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
NO.16-2
BRYAN CRIST, SCIENTIFIC AFFAIRS MANAGER, AGILENT TECHNOLOGIES INC.
溶出試験コンプライアンスの確保に役立つ
アジレントの学習用リソース
アジレントは、医薬品業界に向けて最高品質の分析機器を提供すること
• Dissolution 1-on-1:
を目指して、日々全力で取り組んでいます。また、それと並行して、教育
http://dissolution.chem.agilent.com/learn/dissolution-1-on-1/ 無料でご利用
的資料、セミナー、およびコミュニケーションツールを通して幅広い情報
いただけるアジレントの溶出試験トレーニングコースです。溶出試験
を提供しています。アジレントの製品およびアプリケーションの他、現行
の実施方法や実施理由についての理論的知識を自分のペースで学ぶ
の公定書や規制要件に関する最新情報をいつでもご利用いただけます。
ことができます。
アジレントの Dissolution Exchange (http://dissolution.chem.agilent.com/) では、
溶出試験に関連する問題を学習、解決、議論するための機会を多数提供
しています。ここでは、溶出試験に関連するアジレントのリソースをいく
つか紹介します。
• 溶出試験ホットライン:
[email protected] アジレントの溶出試験エキスパートチー
ムが、アジレントの溶出試験製品およびコンポーネント
から、アプリケーションの問題や部品まで、さまざまな疑問に
お答えします。
この他、アジレントでは、幅広いトピックを取り上げた 1 時間のセッショ
• Dissolution Discussion Group (DDG):
http://www.dissolution.com/ DDG は、医薬品業界が抱える課題や、溶出
試験および関連する化学分析の開発、実施、および検証という日々の
作業に影響を与えるさまざまな問題について、匿名で議論することの
できる独立フォーラムです。
• DDG Online WebEx:
http://www.dissolution.com/ DDG ホームページで公開されている記録を
ご覧ください。オンラインミーティングは、溶出試験および薬剤放出
試験に関する最新トピックをテーマに年 4 回開催されます。1 時間の
ミーティングでは、溶出試験業界のエキスパートが溶出試験の課題に
ついて議論します。
ン、溶出試験コンプライアンスワークショップ、溶出試験の基礎および
メソッド開発に関する終日セミナーなど、溶出試験に関するセミナーを
多数開催しています。
溶出試験コンプライアンスワークショップは、世界中で順次開催されて
います。その雰囲気をつかんでいただくために、そのタイトルと要約を
いくつか紹介します。
溶出試験に関する公文書の改訂
新規製剤 の 出現や架橋に関する問題を背景に、医薬品 の 効能をより高
い 真度と精度で測定 するため、標準手順 の 変更が必要とされてきまし
た。このワークショップでは、UPS のいくつかの総則について取り上げま
すが、最初に、pH 約 4.0 ∼ 6.5 の範囲でゼラチンカプセルに生じる架橋
に対処するために USP <711> で提案された 新たな酵素の導入について
説明します。これは以前からあった課題であり、この pH 域において、現
行 のメソッドで 酵素として 用 いられているペプシンおよびパンクレアチ
ンに、架橋の問題に対処できる十分な活性がないことが問題となってい
4
NO.16-2
アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
<1092> の変更点についても説明します。ここでは、この総則の再編と、
溶出試験器 Apparatus 1 および 2 の拡張された
機械的校正 (eMQ) の実施
溶出試験自動サンプリングについて追加された内容および明確化された
試験器の校正を分析者や測定者が社内で実施するか、外部委託するか
内容について取り上げます。最後に、浸漬セルメソッドを用いた軟膏、ク
に関わらず、溶出試験器 の 定期的な適格性評価に代替アプローチを用
リーム、およびジェルの性能試験に関する USP <1724> について考察し
いる目的は、試験器を最高 の 状態とアラインメントに保つことにありま
ます。このメソッドでは、従来の溶出試験法を改良して容量を小さくし、
す。また、このような代替アプローチは、業界および規制機関では USP
エンハンサーセルを使用した試験法が用いられます。
性能評価試験に対する改善とみなされています。このワークショップで
業界の FDA ガイダンス草案: BCS Class 1 および
3 医薬品のための溶出試験および仕様の策定
メンテナンス、測定、使用時のコンポーネント評価、およびベッセルの
このガイダンスは草案の段階ですが、溶解に関して速度に制限のない医
順について詳しく説明します。eMQ は広く受け入れられつつありますが、
ました。この他、溶出試験メソッドの開発とバリデーションに関する USP
は、eMQ 実施の 5 つのステップ、すなわちコンポーネントの認定、定期
品質、脱気、振動による変動の重大原因を抑制するために必要なラボ手
薬品 の 試験 の 標準化に対する政府機関 の 意向を容易に推し量ることが
実施の部分的欠落、パラメータの測定頻度に関する文書の不備、継続的
できます。このワークショップでは、BCS Class 1 および Class 3 に該当する
な試験器およびコンポーネントの不十分な評価など、実施に不備に対し
高溶解性製剤に対する標準試験メソッドとして提案されているパドル法
て警告書が発行されてきました。
およびバスケット法による試験メソッドと、各パラメータについて説明し
ます。また、15 分以内に放出率 85 % 以上に達する一部製剤に対して崩
壊試験を用いる可能性についても取り上げます。
5
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アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
DAN SPISAK, DISSOLUTION PRODUCT MANAGER,
KAREN KRAUEL-GÖLLNER, DISSOLUTION PRODUCT SUPPORT, AGILENT
AGILENT TECHNOLOGIES INC.
TECHNOLOGIES INC.
AGILENT 850-DS サンプリングステーション
ファームウェア 2.0
850-DS 8 チャンネルフィルタプレート
0.2 μm を提供開始
図 3. Agilent 850-DS サンプリングステーション
アジレントは、お客様の声に真摯に耳を傾けています。
図 4. 850-DS フィルタモジュールにセットされた新しい
0.2 µm フィルタプレート
GE 社 Whatman が提供する Agilent 850-DS サンプリングステーション用
そのアジレントの姿勢は、新しいファームウェアにも現れています。
の 8 チャンネルフィルタプレート製品に新製品が加わり、ポアサイズ 0.2
850-DS サンプリングステーションのリリース以降、お客様から驚くほど
ました。
µm をはじめとするメンブレンオプションをご利用いただけるようになり
好意的なフィードバックをいただいています。しかし、アジレントはそれ
に満足することなく、常により優れた製品を目指しています。その一環と
溶出試験サンプルの分析に HPLC および UHPLC が用いられる機会はま
して、世界中のお客様からご提案いただいた多くの改善点を盛り込みま
すます増えています。より細かいポアサイズのフィルタプレートは、非
した。このリリースで追加された主な機能は次のとおりです。
常に繊細 な UHPLC カラムを未溶解 の 粒子による目詰りから守るため、
• 保存可能なメソッド数を 20 から 40 に倍増
品です。次 の 表に、850-DS フィルタモジュールでご利用 いただけるポ
• 試験中にトレイを排出して分析用サンプルを取り出すことが可能
アサイズとメンブレンオプションを示します。
お客様の要望に応えて、アジレントと GE 社 Whatman が共同開発した製
• 試験の開始前にテストチューブまたはバイアルに試験液をプレフィル
改善 の 過程 でポンプの 最適化とハードウェアの 改良 も 行 われました。
850-DS は、これまで以上に優れた性能を備えたサンプリングステーショ
ンとして、今後も信頼できる溶出試験の自動化への道を牽引していきま
す。アジレントのソリューションは、ワークフローの改善に最善の製品で
す。また、850-DS を使用することで、自動システムバリデーションの成功
の可能性を高めることができます。ぜひ、その理由をご確認ください。
詳細またはお客様専用のデモのご依頼については、E メール (dissolution.
[email protected]) でお問い合わせください。
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アジレント・テクノロジー プラクティカルソリューションニュースレター
NO.16-2
GE 社
ポアサイズ
メンブレン材質
部品番号
(μm)
7707-3000
0.45
ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)
7707-3100
0.45
ナイロン
7707-3200
0.45
ポリエーテルスルホン (PES)
7707-3300
0.7
ガラスマイクロファイバ (GMF)
7707-3400
0.2
ポリテトラフルオロエチレン (PTFE)
7707-3500
0.2
ナイロン
7707-3600
0.2
ポリエーテルスルホン (PES)
詳細については、www.gelifesciences.com をご覧ください。各フィルタ材質の化学耐
性および推奨アプリケーションなどをご確認いただけます。
溶出試験用フィルタは、具体的なメソッドおよび試験対象 の製剤に応じ
て選択する必要があります。また、850-DS の容量精度は、使用するメン
ブレンの種類、ポアサイズ、およびカニューラフィルタ (フルフローフィ
ルタ) によって異なります。また正確度は、医薬品とその濃度、賦形剤の
含有量、および溶出試験液にも左右されます。この他、プライム容量、
ポンプスピード、ドウェルタイム (すべてのパラメータを 850-DS で柔軟に
設定可能) も容量精度に影響する可能性があります。サブミクロンフィル
このフィルタプレートは、扱いやすいプレートに複数のフィルタをまとめ
ることで、容易な使用と自動交換が可能な設計となっています。プレー
ト設計の外観のみが変更されており、25 mm ディスクフィルタ内部の製
品やプレートの 材質は従来と同じです。Whatman 製フィルタおよびフィ
ルタプレートは、GE Healthcare 社の認定代理店の他、世界各地の Fisher
Scientific 社および VWR 社ネットワークからもご購入いただけます。各フィ
ルタプレートは、Agilent 850-DS フィルタチェンジャオプションで使用する
ように設定された 8 個の個別の 25 mm フィルタで構成されています。目
詰まりや潜在的なキャリーオーバーの問題を回避するために、1 つのフィ
ルタプレートを 2 回以上使用しないようお勧めします。
また、お客様に最適なフィルタをご確認 いただけるアジレントの 便利な
ガイドを次のリンクからご利用いただけます。
www.agilent.com/lifesciences/filter_validation
フィルタプレートの使用についてご不明な点は、アジレント・テクノロジー
の溶出試験ホットライン ([email protected]) までお気軽にお問
い合わせください。850-DS、フィルタモジュール、またはフィルタプレー
トで生じる問題の解決にお役立てください。また、溶出試験に関する一
般的な質問にもお答えします。
タの使用により高圧状態が生じるため、850-DS の正確度仕様は、特定の
条件下ですべてのフィルタタイプおよび医薬品に対して保証されるわけ
ではありません。
7
Q&A
?
?
アジレントには、アプリケーションや機器に関する質問が日々寄せられています。
その中から、お客様の関心が高いと思われる質問とそれに対する回答を紹介します。
質問: 当社の顧客により実施されている Apparatus 2 を用いた糖衣製剤の
に関係していることも珍しくありません。最後に、フィルタバリデーショ
溶出試験で低 い 結果が出ています。糖衣錠 の 溶出試験 の 経験はありま
ンや、フィルタのコンディショニングに使用するサンプルが不十分な場合
すか? ない場合には、適切なメソッドはどこで見つけることができますか?
も、低い結果につながることがあります。
回答: 現在、多くの糖衣錠が市販されており、そのほとんどの溶出試験
には Apparatus 2 が使用されています。使用しているメソッドが適切かど
質問: 界面活性剤を使用する場合、Apparatus 3 で生じる発泡にどのよう
うかを判断するには、ジェネリック製剤であれば、特定のジェネリック製
に対処すればよいですか?
剤用に確立されているメソッドと比較するのがよいでしょう。
回答: Apparatus 3 では、浸漬動作によって容易に発泡し、ベッセルが試験
次の FDA 溶出試験データベースを参考にすることをおすすめします。
液の発泡で覆われることもあるため、界面活性剤への対処が非常に難し
http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cder/dissolution/
いケースもあります。発泡に対処する最善の方法は、シメチコンなどの
また、USP が先日公開した新たな溶出試験メソッドデータベースも役立
消泡剤を溶出試験液に添加することです。一般に、消泡剤は非常に低濃
ちます。
度 (0.1 ∼ 0.5 %) で使用できます。通常、消泡剤がクロマトグラフィーや
http://www.usp.org/usp-nf/overview/compendial-tools/usp-dissolution-methods-
溶出試験自体に影響を与えることはありません。
database
糖衣製剤は、糖衣の厚さによって溶出結果が大きく変化することがあり、
製剤開発者にとって悩 みの 種となることがあります。結果を生成してい
る試験器の物理パラメータも評価し、ベッセル温度および回転速度が正
確であることを確認してください。これらのパラメータが低 い 試験結果
ホームページ
www.agilent.com/chem/jp
カストマコンタクトセンタ
0120-477-111
[email protected]
本資料掲載の製品は、すべて研究用です。本資料に記載の情報、説明、
製品仕様等は予告なしに変更されることがあります。アジレントは、
本文書に誤りが発見された場合、また、本文書の使用により付随的
または間接的に生じる損害について一切免責とさせていただきます。
アジレント・テクノロジー株式会社
© Agilent Technologies, Inc. 2016
Printed in Japan, April 14, 2016
5991-6811JAJP
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