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第18号(3.98MBytes)
郷ニ2と` ニ 4 ZNo18 1985年7月25日 常呂町郷土研究同好会 常呂町町史眉さん委員会 今田 印㈹むと凱ふ 高橋 克己 よく、春に咲く花とか宸:に咲く花とかばいますが、町内の植物につ いて考えてみますと、あまり当てにならないような気がします。気候 とか七地の状届によって、春早く咲く花が夏の頃まで咲きつづけ、そ うかと思うと意外にも?・い時期に、夏草が花をつけていることもある のです。春と豆とがお互いにいりくんでいるのが、オホーツク海に面 した地域の特色なのかもしれません。町内の南よりの-L地で咲く同じ 花でも、別なL地では蓼月程も遅れて、やっと開花するということも 珍しいことではありません。 txy 春といえば、一番先に目に浮かぶのはス ミレだろうと思います。ス レの種類はとても多く、変種まで数える と100柿をこすといわれ ます。クチツボスミレ、 − アポイタチツボスミレ、ミヤマタチツボスミ 一一- __ _ レ、スミレ、スミレサイシン、ツボスミレ、オオタチツポスミレ、エ ゾノタチッボスミしなどが町内で見ることができます。そのなかで、 クチツボスミレが他のスミレより早く咲きはじめ、ときに見かける群 幕の大きさに目をみはることがあります。成育地や地方々々で、色々 な変種があることも話題になっています。スミレという名は、その形 が大工さんが使う墨入れに似ているところから、スミイレがスミレに なったと言われます。タチツボスミレのタチは茎が立つ、ツボは庭先 の意味で、庭などに好んで生えるのでその名になったと伝えられてい ます。ほとんどが何々のスミレと名前がついている中で、只のスミレ というのが一種ありますが、全部のスミレを指すのか、この種だけを いうのかで、同好者の中でも議論の的になるのです。スミレの特徴は ヘラ状の艮い花なのですぐ見分けがつきます。低地の比較的乾燥した 上地を好み、地上に茎があるものと、根からいきなり葉と花の柄がつ いたように見えるものとがあります。 `▽ 日当りのよい山道や、すぐ側のむきだしになった地面に生えている -69- エゾエンゴサクによく似た黄色い花がエゾギケマンです。ケマンとは 仏壇の飾りを意味し、長くつなぐとハワイの花のレイのようだとも言 います。そこから少し林の中に入ると、ムラサギケマンが紫色の可憐 な花をつけて、かすかな風に揺れています。 崖ぶちのシラカンバ、ヤチハ ンノキ、ミズナラ、アカダモな どの、雑木林の枝の間から見え る4月の常呂川です。一面に張 る4月の常呂川です.一面に張‘`でジrTざで ・てごぷ?1 順§慰│よ回 りつめた氷が上流から徐々にゆ りつめた水力上流から徐々にゆ よう7=こ=y・ti¬・ るみほじめ、処どころに水面が ホオジlがE ;‘代応 「121ご 9馳次ぎ「 見えはじめるころ、ホオジロガ グ しヘノ モが次々と春の気配を運んできます。雄の顔の丸い白斑がよく目立つ ー ので、そこからその名前がつきました。ときには伺百羽という大群が 現われ、思わず胸が高鳴ります。ホォジロガモは水に潜って魚を抽え て食べるのです。 よ<見ると、ホォジロガモの中にマガモの夫婦が伺組か紛れこんで ー いました。カモ達の中で、マガモは北海道で繁殖しますから、川岸の 水辺で、親鳥の後ろに一列になって泳いでいるのをよく見掛けます。 マガモ(ホンガモ、アォクビ)は、他のカモより体が大きく、雄はひ ときわ大き<美しい色で、肉の昧はカモ料理店が証明しているように 最高です。 アヒルの祖先がマガモであることは周知の通りで、マガモの雄にそ っくりなアヒルを見掛けて罵くことがあります。 世界の鳥の種類は8、600種、日本で530種、北海道で210種、常呂 町で観察できる野鳥は約130種をこえると考えられ、確認されている のは110種類です。 目然が失われつつある現在、その自然を求める方法の一つとして、 バードウォッチングがあります。鳥と親しみ、生理を観察記録するこ とで目然との距離を縮めることができます。山野にでかけて双眼鏡や 望遠鏡を覗<だけでなく、その姿を写真に撮ったり、小鳥遠のコーラ スをテープに録音したりする楽しさを通して、目然との付き合いも深 まり、可愛い鳥達の生活に絶対必要な森林を自然破壊から守るという 認識に結びつくのです。 日本人の好きな鳥、嫌いな鳥の調査をあるカメラ会社が行ったこと がありました。調査結7の概要は、好きな鳥が88挿、嫌いな鳥が51挿 あげら徊、好、万黙いilりに(l)「ウグイス」②「インコ」③「ツバメ」④「 -70- スズメ」⑤「カワセミ」⑥「丹鳥」(ツ)「メジロ」⑥「カナリヤ」⑨「 鳩」⑩「文鳥」で、嫌いな鳥が①「カラス」②「モズ」③「鳩」④「 スズメ」⑤「ヒヨドリ」という結果です。好きな鳥①「ウグイス」は 梅にウグイスの絵になるムードと、鴉声の良いことで点を獲得し、清 流を好みその美しさから、”鳥の中の宝石”と呼ばれる玄人好みの⑤ 「カワセミ」が目立っています。嫌いな鳥は圧倒的に「カラス」に集 中し群を抜いてトップで、”陰気””ネクラ””不気味””ゴミをあさる” ”ヒッチコックの鳥を連想させる一不吉の代名詞”と理由はさまざま で、喪服を思わせる姿と横暴な振るまいで、イヤな鳥の不評を一千に 引き受けたようです。そのような鳥でも、女性の中には少数ながら、 好きだという人もいるとのことなので、「ガラス」も少しは救われた でしょう。それと、平和の象徴である「鳩」も、女性に嫌われている ようで意外なことです。これはあくまでも都会での調査なので、常呂 町に住む私達の考え方とは相違があるわけですが、非常に興味のある データーであると思います。 森林公園に通じる道を真直登ってゆくと、尾根に希って車一一台がや っと通れるくらいの細い山道につながり、やがて網走郊外の平和付近 で国道238号線に合流します。道筋のあちこちにあるカラマツ林が 緑色に衣替えをする頃になると、目に入る 花がまだ少ないのに、高山植物のように見 える、赤紫色のカキドオシ(カントリソウ)の小柄 な花が咲きはじめるのです。草丈が30cm位 までは立上り、やがて横になってどこまで も伸びてゆき、垣根を突抜けて隣りの土地 にまで越境してゆくので、カギドオシの名 がついたそうです。 すぐ近くの山肌の斜面で、トラクターの エンジンがあたりの空気を振るわせて農作 業の始まりを告げています。 数多い山菜の中で、ひときわ有名なのが忍ユ∠Ji(タランボ、タラノメ、タラッポ、 タラポコ、イギ、トダノキ、タラ、ね々ラ、ホン々ラ)です。随分別名や方言で呼ぱれている落 葉樹で、4m程になり、直立した幹にはぴっしりとl cl位の鋭い剌が 生え、採取のとき気をつけないと手が傷だらけになります。食べ力は 生のまま天ぷらにするか、ゆでてゴマ味噌あえ、白あえ、アヨネーズ あえ、酢味噌あえ、クルミ味噌あえ、おひたし、汁の実にします。保 存するのには塩漬け、かす味噌漬けが一般的です。 -71- F地のり:原なら何処でも見掛けるのがクサノオウです。よく見ると 茎も葉も小さな毛のようなものが一面に生え、白い粉をふいたような 野ら゛i:で、花期が意外に永く、夏が終るというのにまだ咲きたりないの か、別種の花が次々と咲く中で頑張りつづけている黄色い花です。ク サノオウというのでり:の王かな?と思いましたが、実は茎や葉を切る と茜色い汁が出て、空気に触れるとオレンジ色に変るので、草の茜と いい名がついたのです。たいていの毒草は薬らyでもあるといいます が、クサノオウも毒草で、白屈采といい干したものは鎮痛剤として使 われます。 (続く) 野 草 [種名] [科名」 タチリボスミレ スミレ アホイダチツボスミレ スミレ ミヤマタチツ4tスミレ スミレ スミレサイシン スミレ スミレ スミレ ツボスミレ スミレ 才才タチヽリボスミレ スミレ エリノタチツボスlレ スミレ エソキケマン ケシ ムラサキケマン ケシ クサノ才ウ ケシ カキドわ タラノキ [場所] 傾斜地・平野地 傾斜地・F野地 傾斜地・平野地 [時間] 5∼6月 5∼6月 5∼6月 傾斜地・平野地 傾斜地・平野地 傾斜地・平野地 5∼6 月 傾斜地・會野地 傾斜地・平野地 5∼6月 平野地 平野地 5∼6月 5∼6月 シソ 平野地 山地・平野地 ウコ4 山地 7∼6月 5∼6月 5∼6月 5∼6 月 5∼6月 5∼8月 野 鳥 准才ジロガモ がこノカモ 常呂川・ サuマ瑚 3月 マガモ ガンカモ 常呂川・ サuマ瑚 3月 留鳥 a6 本誌N0.16とN0.17 ・a●● ●●● ・●● ● ●● 訂 ‥ 正 の頁を61∼64、 65∼68に御訂IEドさい。 -72-