Comments
Description
Transcript
食彩たより 37号 - 東京医科歯科大学
発行者 ) 東京医科歯科大学 発 (エイコサペンタエン酸) (ドコサヘキサエン酸) 医学部附属病院 臨床栄養部 行 ) 平成 25 年 12 月 見分け方 鮮度は? 魚の取り扱い EPA・DHAのはたらきについて えら 目 バランスよく食べましょう EPA・DHAが多い魚は脂を多く含むため、傷みやすい食材です。 購入時、保存時には注意しましょう。 購入時のポイント ★ツヤ 切り身はツヤがあり、身が締まっているもの EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、 オメガ 3 不飽和脂肪酸に属し、いわし、さんま、さばなどの 「青背の魚」の脂肪に多く含まれます。どちらも血液の 流れを良くし、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞予防、 認知症予防など様々な働きがあります。 ★張り、えら 体表に張りがあり、えらが鮮やかなもの ★目 目が澄んでいるもの DHAには、脳の機能を向上させたり、うつの症状を改善する 作用があるといわれています。そのため、DHAが十分にあれば、 脳は活発に働き、記憶能力や学習能力に良い影響を及ぼすようです。 また、アレルギー症状を改善する作用、炎症症状を和らげたり、改 善する作用があります。 EPAには、血栓を防ぐ作用の他に炎症に抵抗する作用(リウマチ や腸炎の予防)、免疫調節作用、脂質代謝改善作用などが あると報告されています。さらに、EPAには、目と神経 組織の発達で重要な役割を果たします。 EPA、DHAは体内で構成されない成分で、食品からしか摂取 できない必須脂肪酸です。日ごろから意識して取り入れることが 大切です。ただし、摂り過ぎた場合には、血液の凝固を 妨げることがあるので、1 日当たり 3g 以上は摂らない 保存のポイント ●冷蔵室(3~5℃) 刺身(生食)以外の調理済みの魚介類を保存 ●チルド室(0℃) 当日食べる魚介類を下処理し、水気をよく取ってから保存 ように気をつけましょう。特に抗血液凝固薬(ワルファリン、 アスピリンなど)を服用している場合は注意が必要です。 ●パーシャル室(-3℃) チルド室より温度が低めで、凍る直前の状態で保存 下処理後キッチンペーパーで包み保存袋などで密閉すれば 2~3 日は 保存可能 ※各冷蔵室はメーカーや機種により異なります。 毎日の健康に必要な EPA・DHA 脳卒中の予防 動脈硬化、心筋梗塞の 予防 高血圧の 予防、改善 おすすめ料理 青背の魚は臭みのある魚が多いので、 イワシのマリネ(1 人分) 味噌や酢、生姜、梅干しと一緒に摂ると おいしく食べられます。 脂質異常症の 予防、改善 マイワシ(刺身用) 60g アレルギー症状の 慢性関節炎など炎症性 予防、改善 疾患の 予防、改善 ~ 予防する A EPA・DHAを多く含む食品 EPA を多く含む食品 食品名 1 回当たりの目安量(g) EPA 含有量(g) 本マグロ・生(トロ) 60(刺身 4 切) 0.84 ぶり・生 80(切身 1 切) 0.75 まいわし・生 60(1 尾) 0.72 さんま・生 80(1 尾) 0.71 まさば・生 80(切身 1 切) 0.4 1 回当たりの目安量(g) DHA 含有量(g) 本マグロ・生 60(刺身 4 切) 1.92 ぶり・生 80(切身 1 切) 1.36 さんま・生 80(1 尾) 1.36 まいわし・生 60(1 尾) 0.78 まさば・生 80(切身 1 切) 0.56 EPA・DHA の摂取目標量:合わせて 1g 以上/日 ① マイワシは 3 枚におろし、一口大に切る。 ② 玉ねぎは薄くスライスし、水にさらして辛み を抜いた後、よく水を切る。 ③ トマトはざく切り、レタスは一口大にちぎる。 玉ねぎ 1/4 個 ④ A の調味料をよく混ぜ、マリネ液を作る。 トマト 1/2 個 ⑤ マリネ液にマイワシ・玉ねぎ・トマトを入れ、 レタス 1 枚 よく混ぜ、1~2 時間冷蔵庫で冷やす。 オリーブ油 大さじ1 ⑥ 皿にレタスを敷き、⑤を盛り付ける。 レモン汁 ・酢 各小さじ 1 エ ネ ル ギ ー 217kcal た ん ぱ く 質 12.8g 塩 小さじ1/4 塩分 1.2g EPA 0.72g DHA 0.78g こしょう 少々 サバの味噌煮(1 サバの味噌煮(1 人分) 人分) サバ (1 切) 80g 生姜 1/2かけ DHA を多く含む食品 食品名 どこに入れる?? 保 存 ししとう 2 本 水 カップ1/4 A 味噌 ・酒 各大さじ 1/2 砂糖 小さじ1 醤油 小さじ1/2 EPA・DHA は魚の脂に多く含まれているた め、煮魚は煮汁とともに食べるとよいです。 ① サバは十文字に切り込みを入れ、熱湯を かけ臭みをとる。生姜を千切りにし、ししとう はへたを取っておく。 ② 鍋に調味料 A を入れ、煮立ったところに サバ、生姜を入れて、落とし蓋をして煮る。 ③ 煮詰まってきたら、ししとうを入れ、煮汁を サバにかけながら仕上げる。 エネルギー206kcal たんぱく質 18.0g 塩分 1.4g EPA 0.40g DHA 0.56g ~ポイント~ 青背の魚は酸化されやすいので、EPA・DHA を摂るには、 新鮮なものを選びましょう。魚を網焼きにすると脂が流れ てしまうので、刺身で食べるか、野菜と一緒にホイル焼き にするなど、脂も一緒に摂る工夫をしましょう。