...

保険IFRSアラート 2012年6月(PDF:584KB)

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

保険IFRSアラート 2012年6月(PDF:584KB)
保険IFRSアラート
2012年6月
両審議会は、OCI、投資要素の
アンバンドリング及び
新契約費の認識について検討
重要ポイント
• FASB 及 び IASB は、金 利 の 変 動 か
ら生ずる保険負債の変動を、
OCI で
表示することを決定した。
これは、特
定の負債性商品について FVOCI ア
プローチを導入する金融商品プロ
ジェクトにおける両審議会の決定と
関連している。
• 両審議会は、保険契約に含まれる、区
別できる投資要素については金融商
品として測定することを決定した。
• IASB は、個別のリスク調整を保険負
債測定モデルに含めるという決定を
再確認し、
さらに、残余マージンは、
将来キャッシュ・フローの見積りの変
動に合わせて調整されるものである
とした。
概 要
2012 年 5 月に行われた合同会議 ¹ を通じて、国際会計基準審議会(以下、IASB)及び米
国財務会計基準審議会(以下、FASB)
(以下、両審議会)は、IASB の公開草案「保険契
約」
(以下、ED)及び FASB のディスカッション・ペーパー「保険契約に関する予備的見
解」
(以下、DP)における決定について再審議を行った。合同会議での議題は以下のとお
りである:
1. 保険負債の変動の一部を表示するためのその他の包括利益(以下、OCI)の利用
2. 投資要素の保険契約からのアンバンドリング
3. 新契約費の認識及び表示
また、IASB は、個別にセッションを開催し、マージンに係る従来の決定について再検討す
べきかどうか検討した。本紙で言及している決定は、すべて暫定的なものであり、両審議
会は最終的な結論には至っておらず、今後変更される可能性がある。
金融商品
IASB 及び FASB は、IFRS 第 9 号「金融商品」における分類及び測定モデルと、FASB が
作成中のモデルとの間の主要な差異を解消すべく引き続き協力して取り組んでいる。5 月
の会議において、
IASB は、契約上のキャッシュ・フローの特徴テストを満たす負債性金融
商品について、
OCI を通じた公正価値測定(以下、FVOCI)
というカテゴリーを IFRS 第 9
号に追加することを暫定的に決定した。
この決定により、IFRS 第 9 号のガイダンスは
FASB の暫定的モデルにより近づくことになるだろう。FVOCI のカテゴリーには、償却原
価で測定される金融資産と同様の減損及び収益認識モデルが適用されるだろう。
また、
OCI で認識された公正価値の正味累積変動額は、対象となる金融資産の認識が中止され
た時点で OCI から純損益にリサイクルされる。
また、両審議会は、契約上のキャッシュ・フローの特徴テストを満たす金融資産を FVOCI
に分類する際のビジネスモデル・テストと、測定カテゴリー間での金融資産の再分類の要
件を合せることに暫定的に合意した。
¹ この討議についての審議会の資料は、IASB/FASB のアジェンダ・ペーパー 2-2M 及び 14-14C、ならびに
IASB Update 及び FASB Summary of Decisions である。
図で示されているとおり、
負債性金融商品
(貸付金及び負債証券など)は、
その契約
上の特徴及び保有者のビジネスモデルに
基づ いて、償却原価、
FVOCI 又は純損益
を通じて公正価値で測定(以下、
FVTPL)
の 3 つのカテゴリーのいずれかに分類さ
れる。
両審議会は、FVOCI のビジネスモデル・
テストを満たす金融資産に対し、純損益を
通じた公正価値で測定するオプションを
導入するかどうかについては決定してい
ない ²。両審議会は、分類及び測定に係る
公開草案を、
それぞれ 2012 年後半に公
表する意向である。
金 融 商 品 会 計 に 係る影 響 に つ いては、
我 々 が 公 表し た IFRS Developments
(第 31 号 2012 年 5 月)
「金 融 商 品:分 類
及び測定−IFRS と米国基準のさらなる
歩み寄り」の中でより詳細な検討を行って
いる。
保険負債の変動に対するOCIの利用
両審議会は、
これまで何度も教育的セッ
ションを行い、保険負債の変動の一部に
関する OCI の利用の可能性について検討
を重ねてきた。
これらの会議で、
スタッフ
は、両審議会に対して、割引率の変動から
生ずる保険負債の変動を表示するために
OCI を利用することに係るいくつかの論
点について決定を求めた。
スタッフが主張する、OCI アプローチ導
入の 3 つの主要な目的は以下のとおりで
ある:
•
必ずしも長期のパフォーマンスを表し
ているとはいえない、短期の市場の変
動から生ずるボラティリティの問題に
対処すること
•
特に保険引受及び投資収益の双方に
係る有用な情報を提供することによ
り、保険者の本質的な業績の透明性
を確保すること
•
保険負債に対応する資産が FVOCI
又は償却原価で測定される場合に、
損益計算書上の会計上のミスマッチ
を低減すること
デリバティブでも資本性金融商品でもない金融資産
負債性金融商品
「金融資産の特徴」
テスト
満たす
1
「ビジネスモデル」
テスト
契約上のキャッシュ・フロー
を回収するために保有
公正価値オプション
を選択したか?
2
3
(1)と(2)いずれにも
該当しない
(a)契約上のキャッシュ・フロー
の回収と(b)金融資産の売却の両方
はい
いいえ
償却原価
OCI を通じて
純損益を通じて
公正価値
公正価値
スタッフは、割引率の変動に伴う保険負債
の変動を純損益で認識する ED/DP のア
プローチにも重要な利点があることは認
めていたものの、
OCI を利用する方がより
有用な情報を提供すると考えている。
した
がって、
スタッフは、両審議会に OCI の利
用を提案した。
両審議会メンバーは、OCI の利用につい
て、
それぞれ賛成、反対の立場から議論を
行った。
OCI の利用を支持するメンバー
は、OCI の利用によって業績の報告の透
明性が高まり、金融資産の分類に FVOCI
カテゴリーを導入するという両審議会の
決定とも整合すると考えている。一方で反
対したメンバーは、提案されている OCI ア
プローチではその目的を満たせない上、
複雑化や比較可能性が失われる可能性が
あるという懸念を表明した。議論は長引い
たものの、FASB のメンバー 7 名全員及
び IASB のメンバー 14 名のうちの 10 名
が、割引率の変動に伴う保険負債の変動
に対して OCI を利用することを支持した。
また、両審議会は、保険者が有配当契約
(特定の資産のパフォーマンスに連動する
契約)
を除くすべての保険負債に関し、割
引率の変動に伴う保険負債の変動を OCI
で認識することを要求すると僅差で決定
した。両審議会は、有配当契約について、
今後の会議で当該 OCI アプローチをどの
ように適用すべきか検討する予定である。
² IASB は、6 月 13 日の会議において、公正価値オ
プションに基づき金融資産を FVTPL に指定する
IFRS 第 9 号 の オ プ ション を、通 常 で あ れ ば
FVOCI で測定される負債性金融商品にも適用す
ることを暫定的に決定している。同会議について
は、我々が公表した IFRS Developments(第 33
号 2012 年 6 月)
「金融商品:分類及び測定−さら
なる進展」の中で詳細な検討を行っている。
2
満たさない
保険IFRSアラート 2012年6月
割引率の変動に加え、
その他の要素によ
る保険負債の変動について OCI で認識す
べきかどうかに係る議論が行われた。
ス
タッフによれば、金利感応的なキャッシュ・
フロー前提の変動について、割引率の変
動と区別することは一貫性がなく、区別す
ることが困難であるため、
これらについて
も OCI を用いて表示すべきであるとの主
張が一部あったと言及した。ただし、両審
議会は、
その意見には同意しなかった。両
審議会は、一部のキャッシュ・フロー前提
が割引率と関連しているとしても、一貫し
た手法で会計処理することが重要である
と結論付けた。
両審議会は、
OCI アプローチの採用を決
定した後にその詳細について検討し、報
告日時点の保険契約について認識される
OCI 累計額は、以下の差額であると合意
した:
a) 契約時の割引率で測定された保険
負債
b) 報告日現在の割引率で測定された保
険負債
当該アプローチに基づけば、損益で認識
される保険負債に付随する金利費用は、
契約開始時にロックインされた割引率に
より決 定されることに なる。
また、
(一 部
の)保険負債の認識が中止された場合、当
該負債について OCI として認識されてい
た金額は、OCI からリサイクルされること
になる。両審議会は、複雑さを低減するた
めに、残余マージンで吸収される
(IASB
の場合)又は純損益で報告される
(FASB
の場合)期待キャッシュ・フローの変動の
再測定による影響を決定するにあたって
も、当該ロックインされた割引率を利用す
べきであると明確にした。
両審議会は、最終的に、損失認識テストを
導入しないことを決定した。利益剰余金の
表示を有用なものとするためには損失認
識テストが必要であると考えるメンバーも
いた。ただし、両審議会のメンバーの多く
は、適切な資産レートを決定する必要性
などの問題を挙げて、損失認識テストの導
入に反対した。
Ernst & Young の見解
投資要素の保険契約からの
アンバンドリング
以前の会議において、両審議会は、保険者
が保険事故の発生に関わりなく支払義務
のある金額を、保険契約に含まれる投資
要素として定義した。
さらに、
この金額は
財政状態計算書において、区分して表示
すべきであるとした。
5 月の討議では、
ど
のような場合に投資要素を分離して、保険
負債の一部としてではなく金融商品として
別個に測定、つまりアンバンドルすべき
か、
という点を中心に議論がなされた。
ス
タッフがその提案の拠り所としたのは、保
険契約に含まれる財及びサービスのアン
バンドリングに関する両審議会の以前の
決定であった。両審議会は、一定の修正を
加えたものの、
その提案をおおむね受け
入れた。
割引率の変動をすべて OCI に表示する
よう求める両審議会の結論は、金融資
産について FVOCI のカテゴリーを導
入するという両審議会の決定と整合が
とれているように見える。
とはいえ、
デリ
バティブ及び一部の資本性金融商品 ³
のように、保険負債に対応する一部の
金融商品の中には、FVOCI で測定され
ないものもあるだろう。
さらに、
この提
案が導入されれば、保険者は、資産・負
債両者について、現在の測定に伴う見
積りの変更を純損益で処理するという
方法を適用できなくなるだろう。
具体的には、両審議会は、保険契約に含ま
れる区別できる投資要素のみをアンバン
ドルすると決定した。投資要素及び保険要
素の相互関連性が高くない場合には、投
資要素は区別できる場合に該当するであ
ろう。両者の高い相互関連性を示すものと
して、
以下の状況が挙げられると両審議会
は同意した :
損失認識テストを導入しないという決
定は、場合によっては、契約期間を通じ
て純損益に計上される業績に影響を与
えることになるだろう。市場金利が時間
の経過とともに低下する場合、保険者
が見込む資産の投資利回りも、再投資
利回りの低下などによって低下する可
能性があるだろう。
この場合、損失認識
テストが導入されなければ、損益計算
書に計上される利息費用の算定のため
の負債の割引率は「リセット」
されず、保
険負債の再測定のための割引率の低
下の影響は、OCI に計上されることに
なる。結果として、契約開始当初にロッ
クインされた割引率により保険負債の
金利費用が計上され、資産の利回りの
低下は、将来の純損益にマイナスの影
響を生じさせるだろう。
2. その投資要素が、同一の市場又は法
保険者が、
アンバンドリングを求められて
いない場合でも、
アンバンドリングを容認
すべきかどうかについても討議が継続し
て行われた。
比較可能性を維持するため
アンバンドリングが求められない構成
に、
要素についてはアンバンドリングを認め
ないと両審議会は決定した。
Ernst & Young の見解
ED/DP を再審議するにあたって、両審
議会は、広い範囲の契約を検討するの
ではなく、収益認識についての提案に
基づいて、投資要素のアンバンドリング
に関するガイダンスを検討した。投資要
素のアンバンドリングに関するガイダ
ンスは、
以前の討議における考え方に
類似しているため、両審議会が引き続
きアンバンドリングの範囲を狭めるア
プローチをとる可能性が高い。一方で、
投資要素のアンバンドリングの範囲を
狭めるということは、両審議会が損益計
算書の表示に関しては、
より多くの投資
要素に関する金額を区分して表示する
意向であることを意味するといえるか
もしれない。
新契約費
両審議会は、共同で教育的セッションを開
1. ある要素が失効又は満期を迎えた場 催し、ビルディング・ブロック・アプローチ
合に、他の要素も失効又は満期を迎 (以下、
BBA)及び保険料配分アプローチ
える場合
(以下、
PAA)の下での、新契約費の回収
域で、独立の商品として存在しない
場合
3. 保険要素の価値が投資要素の価値に
依拠している、又はその逆である場合
区別できると判断された投資要素は、金
融商品に適用される会計基準に従って測
定されなければならない。
両審議会は、組込デリバティブ(保険要素
に密接に関連していない場合(IASB)又
は明確かつ密接に関連していない場合
(FASB))及び保険以外の財及びサービ
ス(財又はサービスを提供する履行義務
が区別できる場合)
をアンバンドルすると
いう従前の決定を確認した。両審議会は、
また、包括利益計算書に表示される保険
料から、
(明確に区別できるとはいえない)
投資要素に関する金額を除外する意向を
改めて確認した。今後の会議において、保
険料の分解表示に関する討議を継続する
だろう。
に関連するキャッシュ・フローの会計処理
方法のほか、
キャッシュ・フローに関する
情報を表示する方法についても検討を
行った。
BBA については、スタッフは以下の 3 つ
の代替的アプローチを提案した:
1. 新契約費を回収する権利を資産とし
て認識し、償却を行う方法。
2. 新契約費をマージンの計算にあたり
使用するキャッシュ・フローに含め、新
契約費の発生時に残余マージン / 単
一マージンを減少させ、損益には影
響させない方法。当該新契約費は、残
余 / 単一マージンと合わせて純額で
表示され、残余 / 単一マージンと同様
に純損益に配分される。
また、新契約
費 から生 ずる 保 険 負 債 の 変 動 は、
キャッシュ・フローの変動としてでは
なく、マージンの解放とともに表示さ
れることになる。
³ IFRS 第 9 号ではすでに、売買目的保有ではない
OCI による測定のオプ
資本性金融商品に対して、
ションを追加している。
この取消不能なオプション
によれば、
配当のみが純損益に計上される。
利得
及び損失の
「リサイクリング」
は認められていない。
保険IFRSアラート 2012年6月
3
3. 新契約費をマージンの計算にあたり
使用するキャッシュ・フローに含め、
新契約費を費用処理するとともに、同
額を収益として認識し、両者を相殺す
る方法。新契約費から生ずる保険負
債の変動は、
キャッシュ・フローの変
動と同じ方法で表示されることになる
だろう。
スタッフは、上記の代替案 2 及び 3 は、損
益計算書の表示項目上は異なった数字が
表示されることになるが、最終的な純損益
は同じ結果になることを説明した。資産に
計上される新契約費の償却パターンが代
替案 2 及び 3 による残余マージンの解放
パターンと同じならば、代替案 1 について
も同じ結果となるだろう。
マージン
(IASBのみ)
4 月 の 会 議 に お い て、IASB 及 び FASB
は、教育的セッションを開催し、
FASB が
暫定的に採用した単一マージン・モデル
について協議した。
また、
IASB は、5 月に
リスク調整及び残余マージンに関する暫
定的な決定を見直すべきかどうかを検討
した。
IASB は、
リスク調整と残余マージンを分
けるアプ ロ ー チ
(2 つ の マ ージン・アプ
ローチ)
をあくまでも維持すべきか、単一
マージン・アプローチへの変更を検討す
べきかどうかを協議した。
リスク調整を別
個に測定すること
(及びリスク調整の変動
を純損益に取り込むこと)
を支持しないメ
ンバーは、保険者固有のリスクの見積り手
これらのアプローチに関する審議会メン 法によりリスク調整を別個に測定すること
バ ー の 見 解 はそれぞ れ 異 なってい た。 が主観的であることを反対理由とした。一
IASB は、新 契 約 費 は 契 約 上 の キャッ 方で、2つのマージン・アプローチを支持
シュ・フローの一部として処理し、別個の するメンバーは、単一マージンの簡明性
資産として認識すべきではないと考えて を認めつつも、単一マージンには主観性
いた。
また、審議会メンバーは、代替案 2 の入り込む余地がなく、単一マージン・ア
又は 3 のいずれかをスタッフに検討させ プローチを採用するのであれば、IASB メ
ることで合意した。一方、
FASB は、収益を ンバーは依然として単一マージンの解放
それ
認識した上で、新契約費として認識された について検討する必要があるとした。
ぞれの是非を検討した結果、
IASB
は
2つ
金額を相殺する代替案(代替案 3)には賛
のマージン
・
モデルを維持することを決定
成できないと表明した。
した。
両審議会は、新契約費に関する将来の決
リスク調
定は、経過保険料を BBA によりどのよう IASB は、当該議論の一部として、
整の再測定を残余マージンで調整するこ
に計上するかを含め、損益計算書の表示
に関する討議とも連携させる必要がある とが可能か検討するかどうかを議論した。
この方法によればリス
と結論付けた。
また、両審議会は、
その決 一部のメンバーは、
ク調整が主観的であるという特徴に関す
定は PAA を選択した場合の新契約費の
処理に関しても検討する必要があると指 る懸念を軽減する手段になり得るのでは
し かし、IASB は、残 余
摘した。
この討議では意思決定は行われ な い かと考 えた。
マージンのアンロックは将来キャッシュ
・
ず、新契約費に関する論点は、今後再検討
フローの見積りの変動によるもののみと
されることになるだろう。
して、
その他の見積りの変動を残余マージ
ンで相殺すべきかどうかは検討しないこ
Ernst & Young の見解
とを決定した。
両審議会は、
それぞれの見解を明らか
Ernst & Young の見解
IASB が 2 つのマージン・アプローチを
確認し、
それ以外の代替案を検討しな
いと決定したことを踏まえれば、保険契
約プロジェクトに関する次の草案文書
の公表前に、両審議会がマージンに関
してコンバージェンスに到る可能性は
遠ざかったといえるだろう。事実、IASB
議長による評議員会(Trustees)への
最近の報告では、両審議会がそれぞれ
別個に草案文書の作成を進めていると
言及しており、IASB のこの決定も驚く
には当たらないだろう。
2 つのマージン・アプローチ以外の代
替的なアプローチを検討しないという
決定は、
IASB が保険契約プロジェクト
を前進させることを望んでおり、問題が
再燃することによるこれ以上のプロジェ
クトの遅れを望んでいないことを示唆
している。
次のステップ
IASB は、2012 年後半に、保険契約に関
する改訂公開草案又は最終基準書のレ
ビュー・ドラフトを公表する予定であり、最
終基準書の公表日程についてもいずれ決
定する予定である。
また、FASB も同時期
に公開草案を公表する予定である。
両審議会は、
6 月の審議会で保険契約に
関する討議を行う予定であり、保険契約の
要素の区分の手法及び BBA における経
過保険料を決定する潜在的モデルについ
て議 論されることになるだろう 4。
また、
IASB は、6 月 25 日及び 26 日に次回の保
険ワーキング・グループの会議を開催する
予定である。
にしている。IASB は、代替案 1(別の資
産として認識する)
を却下し、代替案 3
(収益を認識し、発生した新契約費を相
殺する)
を望ましいとしている。FASB
は、代替案 3 は受け入れられないとし、
代替案 1 が望ましいと表明している。討
議中に一部の審議会メンバーが示唆し
たとおり、代 替 案 2(新 契 約 費 を 残 余
マージン / 単一マージンと相殺表示す
る)
を検討し、
それを PAA に対する代
替案と比較することで、両審議会の歩寄
りが可能になる結論を引き出せるので
はないかと考えられる。
4 翻訳版の公表時点において、討議はすでに行われ
ている。
4
保険IFRSアラート 2012年6月
Ernst & Young ShinNihon LLC
アーンスト・アンド・ヤングについて
アーンスト・アンド・ヤングは、
アシュアランス、税
務、
トランザクションおよびアドバイザリーサー
ビスの分野における世界的なリーダーです。全
世界の15万2千人の構成員は、共通のバリュー
(価値観)に基づいて、品質において徹底した責
任を果します。私どもは、
クライアント、構成員、
そして社会の可能性の実現に向けて、
プラスの
変化をもたらすよう支援します。
「アーンスト・アンド・ヤング」
とは、
アーンスト・アン
ド・ヤング・グローバル・リミテッドのメンバーファー
ムで構成されるグローバル・ネットワークを指し、各
メンバーファームは法的に独立した組織です。
アー
ンスト・アンド・ヤング・グローバル・リミテッドは、英
国の保証有限責任会社であり、顧客サービスは提
供していません。詳しくは、www.ey.com にて紹介
しています。 アーンスト・アンド・ヤングのIFRS
(国際財務報告基準)
グループについて
IFRS(国際財務報告基準)への移行は、財務報
告における唯一最も重要な取り組みであり、
そ
の影響は会計をはるかに超え、財務報告の方法
だけでなく、企業が下すすべての重要な判断に
も及びます。私たちは、
クライアントによりよい
サービスを提供するため、世界的なリソースで
あるアーンスト・アンド・ヤングの 構 成員とナ
レッジの精錬に尽力しています。
さらに、
さまざ
まな業種別セクターでの経験、関連する主題に
精通したナレッジ、
そして世界中で培った最先
端の知見から得られる利点を提供するよう努め
ています。
アーンスト・アンド・ヤングはこのよう
にしてプラスの変化をもたらすよう支援します。
コンタクト先
新日本有限責任監査法人|金融部|シニアパートナー
臼倉 健司(Kenji Usukura)
Tel: 03 3503 1261
[email protected]
新日本有限責任監査法人|金融部|パートナー
羽柴 則央(Norio Hashiba)
Tel: 03 3503 3158
[email protected]
新日本有限責任監査法人|金融アドバイザリー部|エグゼクティブディレクター
栗村 一也(Kazuya Kurimura)
Tel: 03 3503 1523
[email protected]
新日本有限責任監査法人|金融アドバイザリー部|エグゼクティブディレクター
川崎 俊彦(Toshihiko Kawasaki)
Tel: 03 3503 1762
[email protected]
© 2012 Ernst & Young ShinNihon LLC.
All Rights Reserved.
本書又は本書に含まれる資料は、一定の編集を経た要
約形式の情報を掲載するものです。
したがって、本書又
は本書に含まれる資料のご利用は一般的な参考目的の
利用に限られるものとし、特定の目的を前提とした利
用、
詳細な調査への代用、専門的な判断の材料としての
ご利用等はしないでください。本書又は本書に含まれる
資料について、新日本有限責任監査法人を含むアーン
スト・アンド・ヤングの他のいかなるグローバル・ネット
ワークのメンバーも、
その内容の正確性、完全性、
目的
適合性その他いかなる点についてもこれを保証するも
のではなく、本書又は本書に含まれる資料に基づいた
行動又は行動をしないことにより発生したいかなる損
害についても一切の責任を負いません。
本資料はEYG no.AU1197の翻訳版です。
〒100-0011
東京都千代田区内幸町2丁目2番3号
日比谷国際ビル
新日本有限責任監査法人
Fly UP