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改正された産業廃棄物の検定方法 (環告13号)の精度管理調査結果
第24回廃棄物資源循環学会研究発表会 G4 「産業廃棄物の溶出試験法(告示1 3号)の改定と精度管理について」 改正された産業廃棄物の検定方法 (環告13号)の精度管理調査結果 貴田 晶子 (愛媛大学) 1 本セッション企画趣旨と発表内容 環境省受託「産業廃棄物の金属等の検定方法に係る精度管理調査と告示説 明会実施業務」の報告及び、得られた課題・最近の話題 1.改正された産業廃棄物の検定方法(環告13号)の精度管理調査結果 貴田晶子(愛媛大学) 2.溶出操作における課題1 ろ過操作全般 貴田晶子(愛媛大学) 3.溶出操作における課題2 (1)ろ紙材質① 高野武郁(アドバンテック東洋株式会社) (2)ろ紙材質② 永目 崇(メルク株式会社) 4.溶出操作における課題3 遠心分離 保田勝義(久保田商事株式会社) 5.測定技術における課題1 元素の機器分析 藤森英治(環境省環境調査研修所) 6.測定技術における課題2 有機塩素化合物のイオンクロマト法の採用 井上 豪(沖縄県衛生環境研究所) 2 告示13号試験の改定経緯と学会活動 2010年度~2012年度 資源循環学会が受託 環境省から検討業務を廃棄物 検討委員会を開催し、専門家委員の意見聴取 都道府県・政令市の環境系研究所及び民間分析機 関へのアンケートを実施し、操作の実態と問題点 を探る 改定案を作成 2012年9月 告示13号試験の改定に係るパブコメ 2013年2月 告示改正 2013年2月~3月 告示改正説明会(全国7か所8回) 2013年6月 施行 3 告示13号試験の改定後の検討 2012年度 改正告示法の測定精度に関する調査 共通試料を用いた共同分析(5機関) →測定精度の確認、留意事項の把握 (2013年度) 改正告示法の測定精度に関する調査(予定) 共通試料を用いた精度管理調査 (概ね100機関 公募) 4 告示第13号の溶出操作 2013改定前後 溶媒は純水でよい 廃棄物 50 g以上 変更あり 溶媒(pH調整水) 500 mL 鉱滓・固化物 粉砕後0.5-5mm ( L/S=10) その他 有姿 遠心分離+ろ過 容器/混合液比 水平振とう 濾過 濾過困難な 場合は遠心 分離 1μm GFF メンブラン フィルター 6時間振とう 5 廃棄物の分析における定量値の変動要因 σ2全体= 廃棄物試 料で重要 σ2試料採取 + σ2試料調整 + 通常の化学分 析で考慮 σ2溶出操作 + σ2溶液の前処理 + σ2化学分析 廃棄物の発生状 況で変動 試料粒径の違い 環告第13号試 験の溶出操作 に関わる 2008年の改正 JISの適用可能 性検討 6 平成24年度 精度管理調査 1.目的 • 告示改正で変更された溶出操作及び分析方法の妥当性、試 験機関における分析値のばらつき等の検証 • 廃棄物の溶出操作及び対象物質測定時の留意事項をまとめ 、もって告示法の適正な適用に資する情報とする。 2.配布試料 ① ブラインド標準液 ② 廃棄物固体試料 ③ 廃棄物溶出液に数種類の元素を添加した液体試料。 配布試料(1) ブラインド標準 • 測定機関の分析機器・測定標準液を評価する目的 • 原子吸光・ICP発光法用の高濃度水準と、ICP質量分析 用の低濃度水準のブラインド標準液2試料 • 添加元素と添加濃度を表1に示す。配布時に添加濃度 を各機関には知らせていない。 表1 水準 ブラインド標準 添加物質 添加濃度 Hg, Cd, Pb, As,Cr6+,Se, 0.25mg/L 高濃度 (原子吸光、ICP発光用) Be, Cu, Zn Hg, Cd, Pb, As, Cr6+, Se, 0.03mg/L 低濃度 (ICP質量分析用) Be, Cu, Zn • 測定元素は上記に加えて、Na、K、Caも 配布試料(2) 産業廃棄物(固体試料) • 溶出操作から分析まで一連の操作の室内精度及び室間精度を 評価する目的 • 事前に14試料(燃え殻2、ばいじん4、汚泥4、鉱さい4) 採取し、告示法溶出試験の結果から4種類の配布試料を決定。 【試料調整】 5mm以下。燃え殻は1mm~5mmの粒子も含まれている。燃え殻 以外は1mm以上の粒子も少なく、視認ではかなり均一。 【配布試料】 ①燃え殻(燃え殻1と燃え殻2の等量混合物) ②ばいじん ③鉱さい ④汚泥 【配布試料量】各機関へ400g配布 配布試料(2) 産業廃棄物固体試料 採取場所 産業廃棄物処理業 (焼却) 産業廃棄物処理業 (焼却・溶融) 産業廃棄物処理業 (焼却・溶融) 産業廃棄物処理業 (焼却・溶融) 燃 え 殻 燃え殻1 ば い じ ん ば い じ ん2 ば い じ ん3 鉱 さ い 汚 泥 鉱さい3 金属製品製造業 (鋳物製造) 燃え殻2 汚泥4 試料情報、由来等 廃プラ、汚泥、廃油等主体の焼却炉。有 害廃棄物を含むものを受け入れ。 焼却物はビルジ水汚泥、有害物質を含む 廃棄物や、廃試薬等。主灰・飛灰の溶融。 溶融飛灰(鉄系薬剤処理前のもの) 白色 溶融飛灰(鉄系薬剤処理後のもの) 灰色、泥状だが水分が低下すると粉体 鋳物砂(鋳鉄) 黒色 電 気 炉 はアー ク 溶 融。砂 以 外 に粘土 、 カーボンを含む。有機性バインダーなし 亜鉛メッキ業 溶融亜鉛のメッキ浴の上部に集塵設備、 ( 溶 融 亜 鉛 メ ッ その集塵物で粉状物。含有量は亜鉛50%、 Pb0.6%、As260mg/kg、Cd280mg/kg。溶 キ) 出試験ではCd、Pb、Asの溶出(自主測 定) 10 配布試料(3) 産業廃棄物(溶出液) • 溶出操作を含まない測定試料として、共通の溶出液を配布 した。告示法の改正においては、AsとSeのICP質量分析法 の適用の可否が課題になったので、溶出液にAs、Se及び Beを添加したものを配布試料とした。 【配布試料】 表2のばいじん3の溶出液に、As、Se、Beを0.25mg/L になるように添加したもの。ばいじん3は塩濃度を多く 含むばいじんであり、高マトリックス試料として選定し た。 【配布試料量】 各機関へ約500mLを配布。 参加機関 民間分析機関 公的機関 3 5 溶出操作条件 分析機関番号 L003 L004 容器体積 g mL 50 1000 g mL 50 1000 g mL 50 1000 g mL 振とう幅 振とう回数 温度(室温) 5 200 21 cm 回/分 ℃ 4.5 200 20 cm 回/分 ℃ 4 200 21 cm 回/分 ℃ 4.8 200 18 cm 回/分 ℃ 容器の置き方 横置き・横振とう 横置き・横振とう 横置き・横振とう 横置き・横振とう 特注品 TAITEC TS-10 TAITEC TS-20 回転数 タイテック ダブルシェ カー NR-150型 3210 rpm 3275 rpm 3000 rpm 3000 rpm 回転半径 G 容器体積 温度 27 3000 1000 10 25 3000 1000 20 cm G mL ℃ 17.8 約 1880 650 20 cm G mL ℃ 18.7 1882 650 22 cm G mL ℃ 使用機器 日立工機 CR7型 使用機器 遠 心 分 離 条 件 L002 100 2000 試料はかり取り量 振 と う 条 件 L001 cm G mL ℃ KOKUSAN H-700SL クボタ 8800 KUBOTA 8100 13 溶出操作条件 分析機関番号 L001 L002 メンブランフィルター(セ PTFE ルロース) A100A047A 製品名(メーカー) ADVANTEC H100A090C (ADVANTEC) 孔径(保有粒子径) 1 μm 1 μm ろ紙の種類(材質) ろ 過 条 件 ろ紙直径 ろ過方法 ろ過に使用した機器等 47 mm 吸引ろ過 ろ過鐘 90 mm 吸引ろ過 ULVAC-DA-30S L003 L004 セルロース混合エステル セルロース混合エステル アドバンテック A100A090C ADVANTEC 1 μm 1.0 μm 90 mm 47 吸引ろ過 mm 吸引ろ過 吸引機器(EYELA A-1000S)、 ULVAC ポータブルアスピ メンブランホルダー レーター MDA-015 試料1:4~7分、試料2: 試料1:0.5分、試料2:0.5 ろ過に要した時間 2~3分、試料3:10~14 分、 分、試料4:3分 試料3:270分、試料4:0.5 試料1:2~3枚、試料2: 試料1:1枚、試料2:1枚、 使用したろ紙枚数 2枚、 試料3:10枚、試料4:1枚 試料3:3~5枚、試料4: 約0.5 分 約 5 分 1 枚 1 枚 14 溶出操作条件 【振とう条件】 1. 試料採取量は50gか100gであり、容器は空隙率が約50%となるよ うな容量のものを用いている。 2. 告示の振とう条件は、振とう幅が4-5cm、毎分200回の振とう機に より、常温常圧で振とうすることになっている。これに合致しない振 とう機が1機関あった。振とう幅が7cm、及び振とう回数が150回/ 分というものである。この条件がどの程度対象物質の溶出濃度に 影響するのかは明確ではなかった。この条件を確認すべき。 3. 改正告示法では、縦置き・横置きを問わず、“水平振とう”を義務付 けた。実際に行われた方法は、8機関のうち4機関ずつ横置き横振 とう及び縦置き横振とうであった。民間分析機関で横置きが多く、 公的機関で縦置きが多かった。 15 溶出操作条件 【遠心分離条件】 • 遠心分離機は、2機関で3000Gが可能な装置を所有していなかっ た。遠心分離用の容器は1L、650mL、500mLが利用されており、 民間分析機関では振とうに用いた容器をそのまま遠心分離装置に 掛けられものを選択している。 • 【ろ過条件】 • ろ紙材質は、8機関のうち6機関がセルロース系のメンブランフィル ター、2機関がPTFE。 • 試料3(鉱さい、鋳物砂)は、PTFEでは極めてろ過困難と報告され た。この試料は溶出液が着色、硝酸添加により沈殿生成との報告。 これにより溶出液中の元素の測定濃度に影響した可能性あり。(不 明確) • ろ過速度が遅くなったらろ紙を交換することが原則。試料によって 複数枚のろ紙が必要であった。(例えば、L001機関ではセルロー ス系のメンブランフィルターでも試料3は10枚必要であった) 16 測定機器と測定条件 分析機関名 L001 L002 L003 L004 あり NIC RA-3A あり NIC RA-3A あり NIC RA-3A NIC RA-2A Hg 還元気化 AA バックグラウンド補正 使用機器 Cd バックグラウンド補正 フレームAA ICP-AES 使用機器 高周波出力 プラズマガス流量 補助ガス流量 キャリアガス流量 検出方式 使用機器 高周波出力 ICP-MS プラズマガス流量 補助ガス流量 キャリアガス流量 使用機器 あり 日立ハイテクノロ ジーズ Z-2000 1.2 kw 14 L/min 1.2 L/min 1.0 L/min シーケンシャル kw L/min L/min L/min kw L/min L/min L/min 島津 ICPS-8000E 1.55 kw 15 L/min 0.90 L/min 1.09 L/min Agilent 7700x 1.2 kw 15 L/min 1.5 L/min 0.65 L/min マルチ方式 Varian 720-ES 1.5 kw 15 L/min 0.90 L/min 1.17 L/min Agilent 7500c 1.3 kw 17 L/min 1.65 L/min 0.75 L/min Varian 820-MS 1.2 kw L/min 0.8 L/min 1 L/min Thermo Fisher X-7 17 測定機器と測定条件 分析機関名 L001 L002 なし あり パーキンエルマー Aanalyst 100 リガク CIROS L003 L004 As 水素化 フレームAA 水素化 ICP-AES ICP-AES バックグラウンド補正 使用機器 高周波出力 プラズマガス流量 補助ガス流量 キャリアガス流量 検出方式 使用機器 kw L/min L/min L/min 高周波出力 プラズマガス流量 補助ガス流量 キャリアガス流量 検出方式 kw L/min L/min L/min 使用機器 ICP-MS 高周波出力 プラズマガス流量 補助ガス流量 キャリアガス流量 使用機器 kw L/min L/min L/min 1.2 kw 15 L/min 1.5 L/min 0.75 L/min マルチ方式 kw L/min L/min L/min kw L/min L/min L/min Agilent 720-ES 1.55 kw 15 L/min 0.90 L/min 1.09 L/min Agilent 7700x 1.5 kw 15 L/min 0.90 L/min 1.17 L/min Agilent 7500c 1 kw 16.5 L/min 1.5 L/min 0.8 L/min マルチ方式 Varian 720-ES 1.2 kw 15 L/min 1.5 L/min 0.65 L/min マルチ方式 Varian VISTA-PRO 1.3 kw 17 L/min 1.65 L/min 0.75 L/min Varian 820-MS 1.2 kw L/min 0.8 L/min 1 L/min Thermo Fisher X-7 18 測定機器と測定条件 L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 総水銀 還元気化 AA 測定波長(nm) 253.7 253.7 253.7 253.7 253.7 253.7 253.7 カドミウム フレームAA 測定波長(nm) 測定波長(対象元素) 内部標準物質 ICP-AES 測定波長(内標) 質量数(対象元素) コリジョンリアクションガスの種類 ICP-MS 採用した内標準物質(元素) 228.8 228.802 Y 371.029 111 He Rh 111 In 213.439 Y 371.029 111 111 - He + H 2 Re In 214.439 Y 371.029 111 He In 214.439 Y 371.029 228.8 228.802 Y 371.029 111 He In 214.438 111 Ge 鉛 フレームAA 測定波長(nm) 測定波長(対象元素) 内部標準物質 ICP-AES 測定波長(内標) 質量数(対象元素) コリジョンリアクションガスの種類 ICP-MS 採用した内標準物質(元素) 283.3 220.351 Y 371.029 208 208 - - Tl Tl 220.353 Y 371.029 208 208 - He + H 2 Re Tl 220.353 Y 371.029 208 In 220.353 Y 371.029 283.3 220.353 Y 371.029 207 He Ir 220.353 208 Ge 19 測定機器と測定条件 ヒ素 水素化 測定波長(nm) フレームAA 測定波長(対象元素) 水素化 内部標準物質 ICP-AES 測定波長(内部標準) 測定波長(対象元素) 内部標準物質 ICP-AES 測定波長(内部標準) 質量数(対象元素) コリジョンリアクションガスの種類 ICP-MS 採用した内標準物質(元素) 193.7 193.7 193.7 193.7 75 He Ge 193.696 75 He Ga 188.980 188.980 Y 371.029 75 75 H 2 He + H 2 Re In 75 He In 540 540 540 540 540 196.0 196.0 196.0 196.0 193.7 193.7 75 He Y 75 188.980 - Ge 六価クロム 吸光光度法 測定波長 セレン 水素化 測定波長 フレームAA 測定波長(対象元素) 水素化 内部標準物質 ICP-AES 測定波長(内部標準) 測定波長(対象元素) 内部標準物質 ICP-AES 測定波長(内部標準) 質量数(対象元素) コリジョンリアクションガスの種類 ICP-MS 採用した内標準物質(元素) 78 He Ge 196.026 78 H2 Ga 196.026 196.026 Y 371.029 78 78 H 2 He + H 2 Re In 196.0 196.026 78 H2 In 78 H2 Y 82 Ge 20 測定結果の評価について • 化学分析のばらつきは変動係数10%が許容。ブラインド標準は10% 以内であることが望ましい。 • 試料1(燃え殻)は5mm以下である。が、共通試料としては不均一 性あり。測定値の変動要因として、粒径によるばらつき及び粒径に よる元素の偏在がありうる。 • 試料2(ばいじん、産業廃棄物溶融飛灰)は比較的均一な試料。ば らつきの原因として、多量の水溶性の塩類や金属類が機器分析で 物理干渉やマトリックス干渉。高カルシウム含有試料。溶出液は高 アルカリ(pH12.4)。両性元素は高pHで溶出量が増加。微妙なpH変 化による溶出濃度の変動もありうる。 • 試料3(鉱さい、鋳物砂)はろ過条件によってろ液は着色。硝酸を添 加すると沈殿を生じる場合もあり。ばらつきの原因として、溶出操作 におけるろ過操作の影響あり。PTFEのろ紙ではろ過困難。 • 試料5は多量の共存物質がばらつきの原因になりうる。溶出操作は なし 21 測定結果の評価について • 試料4(汚泥、亜鉛溶融メッキ浴集塵泥状物)はろ紙種類に よってはろ過が困難な試料であった • 試料5(ばいじん溶出液)は高マトリックスで、共存物質の影響 がばらつきの原因になる可能性あり。 22 測定結果の評価について • ICP発光分光法の測定の変動要因は、使用する機器メーカー、 機器の型式(例えばマルチタイプとシーケンシャルタイプ、ある いは水平測光と垂直測光など)、測定条件として測定波長の選 択(共存物質による分光干渉の有無)等がある。 • 定量法として絶対検量線か内部標準法(内部標準元素の選択 を含む)か標準添加法か、の選択によって定量値は異なってく る。 • ICP質量分析装置では、使用する機器メーカー、機器の型式、 同重元素による妨害除去のハード面の対処法(例えばコリジョ ンガス導入等)、測定条件として測定質量数の選択、定量法と して内部標準法(内部標準元素の選択を含む)か標準添加法 か、の選択によって定量値が異なる。 • 8機関の共同分析では、装置の種類・測定条件・定量条件を統 計的に分離して解析できない。今回は測定法の違い(AA、ICP 発光分光法、ICP質量分析法)を中心に結果をまとめた。 23 測定結果 pH 電気伝導率 pH 試料名 電気伝導率 試料2 試料1 (ばいじ (燃え殻) ん) 試料3 (鉱さ い) 試料4 (汚泥) 試料5 (ばいじ ん溶出 液) 分析機関 L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 平均値 標準偏差 変動係数 試料2 試料1 (ばいじ (燃え殻) ん) [S/m] [S/m] 試料3 (鉱さ い) 試料4 (汚泥) [S/m] [S/m] 試料5 (ばいじ ん溶出 液) [S/m] 9.03 11.20 11.33 11.00 10.77 12.3 12.5 12.8 12.5 12.3 8.2 9.8 9.9 9.7 9.6 7.8 8.0 8.0 8.0 7.9 8.6 11.0 11.1 10.8 10.8 0.44 0.47 0.36 0.44 0.45 5.65 5.70 3.24 5.63 5.33 0.03 0.03 0.03 0.03 0.03 3.86 3.70 3.21 3.80 3.70 2.00 2.00 1.05 2.00 2.00 11.07 12.6 9.5 8.0 11.1 0.44 5.77 0.03 3.95 2.09 10.73 0.855 8.0% 12.5 0.176 1.4% 9.5 0.627 6.6% 8.0 0.084 1.1% 10.6 0.977 9.2% 0.43 0.037 8.4% 5.22 0.982 18.8% 0.030 0.001 3.7% 3.70 0.259 7.0% 1.86 0.398 21.5% • 試料4(汚泥、亜鉛溶融メッキ浴集塵泥状物)はろ紙種類に よってはろ過が困難な試料であった。PTFEでろ過が極めて困 難。これが溶出濃度の変動に影響。 • 試料5(ばいじん溶出液)は高マトリックスで、共存物質の影響 がばらつきの原因になる可能性あり。 24 測定結果 水銀 試料名 試料1(燃え殻) 試料2(ばいじん) 分析機器 原子吸光法 原子吸光法 L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 試料3(汚泥) 試料4(鉱さい) 原子吸光法 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 原子吸光法 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 試料5(ばい じん溶出液) ブラインド標 準 (高濃度) ブラインド標 準 (低濃度) 原子吸光法 原子吸光法 原子吸光法 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 <0.0005 平均値 標準偏差 変動係数 測定値/設定値 [mg/L] 0.248 0.249 0.276 0.207 0.259 0.248 0.025 10.3% 99.1% [mg/L] 0.026 0.030 0.022 0.030 0.027 0.004 13.8% 89.5% 25 測定結果 試料名 分析機器 分析機関 L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 平均値 標準偏差 変動係数 カドミウム 試料4(汚泥) フレームAA ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] 1.46 1.60 1.43 0.804 1.18 0.642 0.664 0.647 1.73 1.28 1.21 1.21 0.759 0.775 1.37 1.10 1.01 0.125 0.488 0.305 9.1% 44.4% 30.2% 試料5(ば いじん溶 ブラインド標準(高濃度) ブラインド標準(低濃度) 出液) ICP-MS [mg/L] 0.003 0.001 0.002 0.002 0.002 0.001 30.8% 測定値/設定値 フレームAA ICP-AES ICP-MS フレーム AA ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] 0.237 0.268 0.029 0.231 0.028 0.223 0.033 0.248 0.026 0.246 0.248 0.029 0.030 0.248 0.032 0.266 0.265 0.029 0.248 0.228 0.028 0.254 0.233 0.030 0.029 0.010 0.011 0.002 0.002 3.9% 4.7% 6.5% 7.1% 101.5% 93.0% 101.3% 96.8% • ブラインド標準は概ね良好。 • 試料4はppmオーダーであるが、ばらつきが大きい。マトリック スの影響か? 二つの山 26 測定結果 試料名 分析機器 鉛(ブラインド標準) ブラインド標準(高濃度) フレームAA ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] L001 0.523 0.28 L002 0.257 L003 0.197 L004 0.25 L005 0.25 0.245 L006 0.25 L007 0.192 0.23 L008 0.257 平均値 0.358 0.25 0.239 標準偏差 0.234 0.016 0.0286 変動係数 65.5% 6.4% 12.0% 測定値/設定値 100.2% 95.6% 分析機関 ブラインド標準(低濃度) フレー ムAA [mg/L] ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] 0.031 0.03 0.033 0.030 0.030 0.031 0.018 0.03 0.029 0.0053 18.4% 96.0% 試料5(ばいじん溶出液) フ レ [mg/L] ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] 0.015 0.049 0.025 0.02 0.008 0.02 0.02 0.001 3.6% 0.044 0.008 0.025 0.018 71.0% 測定値/設定値 • 高濃度標準はAAの値が問題(低感度)。ICP発光は概ね良好。 ICPMSの1機関低値。ICPMSは高濃度・低濃度標準ともにCV% 10%超 • ばいじん溶出液もCV%が70% 27 測定結果 試料名 試料 1(燃え 分析機器 ICP-MS 分析機関 L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 平均値 標準偏差 変動係数 鉛(廃棄物試料) 試料2(ばいじん) フレーム AA ICP-AES ICP-MS 試料3(鉱さい) フレーム ICP-AES AA ICP-MS 試料4(汚泥) フレーム ICP-AES AA ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] 0.004 261 246 275 0.29 0.196 1.46 1.50 1.43 0.075 313 0.091 1.84 0.017 219 0.061 1.13 0.023 292 217 0.05 0.128 0.96 0.82 244 0.07 1.40 246 0.30 1.33 0.074 261 258 261 1.37 1.27 1.43 0.098 232 252 0.07 0.045 1.21 1.20 0.048 261 253 256 0.29 0.12 0.104 1.42 1.28 1.31 0.039 0.24 21.0 36.3 0.120 0.060 0.064 0.184 0.344 79.6% 0.1% 8.3% 14.2% 96.0% 58.1% 4.5% 14.4% 26.3% • 数十ppbレベルの測定値はICPMSでばらつき大。焼却灰は粒 径の影響もあり。 • 試料2は100ppm超で、ICPMSはばらつきが10%超。 28 測定結果 試料名 分析機器 ヒ素(ブラインド標準) ブラインド標準(高濃度) 水素化AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS ICP-AES 水素化AA [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] L001 0.230 L002 0.245 0.268 L003 0.232 L004 0.244 0.237 L005 0.246 0.247 L006 0.254 L007 0.026 L008 0.259 0.249 平均値 0.196 0.244 0.243 0.245 標準偏差 0.114 0.008 0.020 変動係数 58.0% 3.2% 8.3% 測定 値/設定 値 78.5% 97.6% 97.3% 98.0% 分析機関 ブラインド標準(低濃度) 試料5(ばいじん溶出液) 水素化 ICP-ASE ICP-MS ICP-AES 水素化AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] 0.025 0.031 0.213 0.255 0.029 0.268 0.257 0.043 0.181 0.023 0.221 0.157 0.030 0.030 0.249 0.250 0.031 0.189 0.031 0.216 0.257 0.031 0.030 0.252 0.250 0.029 0.031 0.231 0.221 0.230 0.003 0.006 0.030 0.042 10.2% 19.9% 12.9% 18.3% 97.3% 103.2% • 高濃度標準は、水素化物AA、ICPAES、ICPMSともに良好。 低濃度標準はCV%が10%超。 • ばいじん溶出液も概ね、すべての方法で満足。 ICP-AES [mg/L] 0.263 0.250 0.277 0.327 0.279 0.033 12.0% 29 測定結果 試料2(ばいじん) 試料名 分析機器 分析機関 ヒ素(産業廃棄物) 水素化 AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS 試料3(鉱さい) ICP-AES 水素化AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS 試料4(汚泥) ICP-AES 水素化AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS ICP-AES [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 0.002 L008 平均値 0.002 標準偏差 変動係数 0.003 0.007 0.027 0.038 0.035 0.005 0.046 0.002 0.145 0.005 0.005 0.009 0.010 115.4% 0.145 0.039 0.032 0.026 0.046 0.036 0.007 18.8% 0.048 0.035 0.056 0.047 0.043 0.039 0.006 0.007 0.012 0.015 0.018 0.018 0.012 0.160 0.046 0.028 0.040 0.042 0.009 21.4% 0.153 0.007 0.100 0.085 85.6% 0.007 0.000 1.4% 0.006 0.013 0.030 0.017 0.006 37.4% 0.153 • 試料2は低濃度。試料3はCV%が20%。ICPAES直接法は低 濃度であるためばらつき大。 • 試料4は10ppb程度でICPMSのばらつき40% 30 測定結果 試料名 分析機器 分析機関 L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 平均値 標準偏差 変動係数 六価クロム 試料5 (ばいじ ん溶出液 ) 吸光光度 法 [mg/L] ICP-AES(鉄共沈) [mg/L] 0.028 ブラインド標準 (高濃度) 吸光光度法 [mg/L] 0.129 0.132 0.038 0.014 ICP-AES ICP-MS ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] 0.243 0.027 0.130 (0.240) 0.021 0.010 46.4% ブラインド標準 (低濃度) 0.130 0.002 1.2% 0.243 (0.242) (0.030) (0.029) 0.027 備考:ICP-AESおよびICP-MSでは三価クロムを前処理で除去せねば全クロムの測定とな る。JIS K0102 65の備考9及び備考11にあるアルミニウム共沈法又は鉄共沈法を用いて いない場合(全クロム)には括弧書きとした。 • 高濃度標準は、吸光光度法で設定値の50%。理由は還元(主 にSe標準液?)か? • ICPAESはCr(III)を除去しており、正しい値とすれば、硫酸添加 時に還元されたか? 31 測定結果 試料名 分析機器 セレン(ブラインド標準) ブラインド標準(高濃度) 水素化AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS ICP-AES ブラインド標準(低濃度) 試料5(ばいじん溶出液) 水素化AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS ICP-AES 水素化AA 水素化 ICP-AES ICP-MS ICP-AES [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] L001 0.240 0.030 0.193 0.226 0.289 L002 0.247 0.297 0.038 0.030 0.106 0.251 0.230 L003 0.200 0.037 0.282 L004 0.236 0.239 0.031 0.174 0.333 0.271 L005 0.229 0.243 0.029 0.029 0.237 0.233 L006 0.278 0.023 0.199 0.443 L007 0.029 0.226 L008 0.261 0.251 0.240 0.029 0.033 0.247 0.211 0.195 平均値 0.252 0.236 0.235 0.259 0.030 0.031 0.197 0.174 0.252 0.286 標準偏差 0.022 0.024 0.033 0.006 0.003 0.056 0.043 0.095 変動係数 8.7% 10.1% 12.8% 20.7% 8.5% 28.3% 16.9% 33.4% 測定値/設定値 100.8% 94.4% 94.1% 103.5% 99.4% 104.2% 分析機関 • 高濃度・低濃度標準はすべての方法で概ね良好。 • ばいじん溶出液は0,2mg/Lオーダーで、CV%は20-30% 32 測定結果 試料名 セレン(産業廃棄物) 試料1(燃え殻) 分析機器 水素化 AA 分析機関 [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 平均値 標準偏差 変動係数 水素化 ICP-ASE 試料2(ばいじん) ICP-MS ICP-AES 水素化 AA 水素化 ICP-ASE ICP-MS ICP-AES 0.093 0.093 0.086 0.917 1.24 1.14 0.102 0.833 2.12 1.83 0.094 1.28 0.088 0.145 0.103 1.633 2.17 2.15 0.088 0.094 1.577 1.09 0.075 0.313 1.637 2.22 0.085 1.74 0.102 0.116 0.117 1.990 1.91 1.88 0.090 0.088 0.103 0.178 1.39 1.65 1.84 0.010 0.021 0.118 0.497 0.444 0.428 11.0% 20.4% 66.1% 35.8% 26.9% 23.2% • 試料1は低濃度であるが、概ね良好。ICPMSはCV%20% • 試料2は1mg/L以上の高濃度試料で、CV%は20-30% 33 測定結果 ベリリウム 試料名 ブラインド標準(高濃度) 分析機器 フレー ICP-AES ムAA 分析機関 [mg/L] [mg/L] [mg/L] L001 L002 L003 L004 L005 L006 L007 L008 平均値 標準偏差 変動係数 0.262 0.250 0.279 0.244 0.270 0.252 0.259 0.270 0.258 0.012 4.8% 測定値/設定値 108% 103% ICP-MS 0.234 0.229 0.229 0.276 0.242 0.023 9.4% 96.8% 試料5(ばいじん溶出液) ブラインド標準(低濃度) フ レ ー [mg/L] ICP-AES ICP-MS フレーム AA ICP-AES ICP-MS [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] [mg/L] 0.037 0.034 0.036 0.002 6.0% 118.3% 0.036 0.036 0.041 0.039 0.034 0.032 0.257 0.038 0.037 0.257 0.003 9.0% 121.7% 0.291 0.250 0.250 0.208 0.289 0.231 0.225 0.216 0.220 0.240 0.224 0.244 0.028 11.5% 0.220 0.237 0.234 0.025 10.9% • 高濃度・低濃度標準とも、ICPAES、ICPMSともに良好。 • ばいじん溶出液もCV%10%程度で良好。 34 第24回廃棄物資源循環学会研究発表会 G4 廃棄物試験・検査法研究部会企画 溶出操作における課題 固液分離操作全般 貴田 晶子 (愛媛大学) 35 告示13号の溶出操作における改定点概要 改訂の必要性 課題・問題点等 1 試料粒径 土壌汚染対策法にお 土壌と廃棄物は特 変更なし。マ ける試料粒径(2mm 性が異なるため、 ニュアルに考え 以下)との整合 統一する必要はな 方を記載 い 2 溶出溶媒 pH調整水は必要な 純水またはイオン 改定 いのではないか。溶 交換水とする 出液は廃棄物自体が もつマトリックスに より影響を受ける 3 混合液量 試料量50g以上、溶 溶媒量に対する容 改定 と容器容 媒500mL以上(固液 器容積は概ね2倍 比10)の規定だけ とする 積比 でよいか 項目 論点 改定案の内容 36 項目 論点 改定案の内容 改訂の必要性 課題・問題点等 4 振とう条 垂直振とうは水平振 水平振とうとする 改定 件 とうに比べて溶出濃 マニュアルに、 度が低い傾向 十分な混合の必 要性を記載 5 溶出時間 欧米では16時間、24 6時間を変更する ― 時間が公定法で採用 必要はない されている 6 ろ過操作 ・ 1 μ m の GFP を 用 ・ 遠 心 分 離 ― ろ 改定 いていない機関 過 操 作 を す る 十分な留意事項 がある ( 再 現 性 を 重 を記載 ・ 遠心分離を採用 視) 《遠心加速度の す る 基 準 の ろ 過 ・ 3000回転/分を、計算式》 困難の判断が難 3000Gとする。 G= 2 しい ( 1 μ m の 粒 子 1118×R×N ×10-8 ・ 分析者の自由判 除 去 の 確 実 性 G:遠心加速度(G) R:回転半径(cm) 断に委ねられて を重視) N:回転数(rpm) おり、詳細に規 定する必要があ る 37 項目 論点 改定案の内容 改訂の必要性 課題・問題点等 改定 マニュアルに十 分な留意事項の 記載 7 ろ紙の材 ・ ガ ラ ス 繊 維 ろ 紙 ・ 基 本 的 に メ ン 質・孔径 よりメンブラン ブランフィル フィルターの方 ター採用(微 が再現性がある 粒子除去の再 のではないか 現性及び測定 ・ 農薬類の測定で 値の再現性の は、ろ紙の材質 観点) によって吸着が ・ ろ 紙 孔 径 は 起こる 1μmのままと する 8 揮発性有 ・ 約 半 数 の 機 関 が ろ過操作なしとす 改定 機物質に ろ 過 操 作 を 行 っ る(揮発性有機物 対するろ ていない 質の揮発を抑制す 過操作 ・ ろ 過 操 作 に よ っ る観点) て低値となる (実験結果) 38 H24年度精度管理調査で課題となった事項 固液分離操作 ろ紙材質・ろ過速度 • ろ紙材質はガラス繊維ろ紙からメンブランフィルターに変更 • 6機関がセルロース系を、2機関がテフロン系使用 • PTFEろ紙の使用は、有機リン(特にEPN)の吸着がテフロン系の ろ紙で起こりにくいため。(高価であるが) • 告示説明会において、ろ紙材質を決めて欲しいとの要望あり。 • 今回の配布試料で、試料3(鉱さい)が、PTFEでろ過する際にろ過 困難であったと報告。ろ紙表面にへばりつくように粒子が濾別され ていたとのことである • 告示改正においては、ろ過困難な場合への対処も含めて、遠心分 離操作を加えたが、対処できない試料もある。 • テフロン系のろ紙は親水性であるが、大量の固体粒子を濾別する のには親水性が不十分か? • ろ紙表面を覆うような(例:一度に混合液をろ過器にいれる)ろ過操 作を避け、少量ずつろ過することも対応策。問題となるような産業 廃棄物試料の情報が共有されることが必要であろう。 39 遠心分離装置 • 試料配布の前に説明会を開催した。告示改正直後でもあり、遠心 分離装置が3000Gに達しない機関もあったが、機関所有の装置 をそのまま用いることを了解した。遠心分離装置の3000Gを達成 するためには回転半径と回転数を確定する必要がある。回転半 径の考え方については十分な周知が必要と考えられる • 回転半径は「遠心分離機の回転中心から遠沈管の底面までの距 離」とすることが妥当である。遠沈管の液表面あるいは中間部位 までではないか、との意見もあった。1μmの粒子を除去することが 固液分離の目的である。 • 告示法は「遠心分離+ろ過」操作が基本。1μmの粒子を除去して 溶出検液とする。液表面を回転半径とすると、底面付近では1μm より粒径の小さい粒子が沈降する。従って、告示法の意図するこ とを行うためには回転半径は回転中心から遠沈管底面までとする ことが妥当。 • 例示として、1メーカの装置情報を掲載。 40 遠心分離装置の性能 本体 大容量冷却遠心機 9920 ハイキャパシティ遠心機 8730 高速大容量冷却遠心機 7000 ユニバーサル冷却遠心機 5930 高速冷却遠心機 6000 ユニバーサル冷却遠心機 5911 必要電源 単相200V 30A 単相200V 20A 単相200V 30A 100V 15A 単相200V 30A 100V 15A 冷却機能 あり あり あり あり あり あり 設置方法 床置き型 床置き型 床置き型 床置き型 床置き型 床置き型 RS-7002 26,7cm RS-4000 23,2cm 1,000mL×6本 (4,540×g) 1,000mL×4本 (4,150×g) ① A-1K4 17,4cm 1,000mL×4本 (15,760×g) ロータ名称 RS-3020M 19,2cm ロータ回転半径 750mL×4本 (3,430×g) 容量・本数 最大遠心力 ② A-5006 14,8cm 500mL×6本 (18,890×g) ① A-5006 14,8cm 500mL×6本 (12,090×g) ① ST-5004M 17,2cm 500mL×4本 (3,080×g) ③ A-2506 14,2cm 250mL×6本 (26,830×g) ② A-2506 14,2cm 250mL×6本 (21,000×g) ② ST-2504MS 16,7cm 250mL×4本 (4,300×g) ① 4,260rpm ① 3,950rpm ② 4,350rpm ② 4,010rpm ① 3,930rpm 3,000×g 時 の 回転数 3,170rpm 3,400rpm ② 4,200rpm 3,740rpm ③ 4,350rpm バケット 標準付属 053-5980が別途必要 不要 ① 一式価格 (税別) ¥4,215,000 ¥2,030,000 \2,950,000 ② \2,670,000 ③ 標準付属 不要 ① \2,440,000 ¥1,263,000 ② \2,150,000 標準付属 ① \1,050,000 ② \ 946,000 \2,380,000 (注) 一式価格に、ボトルは含まれません。 41 精度向上にむけて 1.操作のマニュアル作成、特に溶出操作 → 具体的な操作記述と留意事項記載 → 学会にて出版予定 2.分析者の技能向上 → 精度管理調査(定期的) どこで? → 機関認定、分析者認定 (分析化学会の分析士制度) 3.廃棄物分析の課題の共有化 → 問題となった過去の分析データの公表 → 公共分析機関での課題検討に期待 42