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ものの燃え方と空気

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ものの燃え方と空気
第6学年
理科学習指導案
平成 18 年6月2日(金曜日)第5時限
1 単 元
指導者 稲本 智行
ものの燃え方と空気
2 単元について
本単元では,ろうそくや木片などの植物体を空気中で燃やし,条件による燃え方の違いやも
のが燃える前後での空気の性質とその変化を調べ,ものの燃焼と空気の関係についての科学的
な見方や考え方を身に付けさせるとともに,ものの質的変化に興味・関心をもち,その要因を
多面的に追究する能力を育てることがねらいである。
そこで,まず,燃えているろうそくに集気びんをかぶせる実験を通して,ものが燃えること
には空気が関係しているという見方や考え方をもつことができるようにする。そして,閉じ込
めた空気の中では,ものが燃える時間に限りがあることから,ものが燃え続けるには空気の入
れ替わりが必要であることに気付かせる。また,ものが燃える前後での空気の変化を石灰水や
気体検知管を使って調べ,ものが燃える時には酸素が使われ,二酸化炭素ができることを調べ,
空気の質的な変化をとらえさせる。
本来,子どもたちは自然の事象に対する自分なりの見方や考え方をもっている。生活や経験
の中で創られた子どもたちの見方や考え方(素朴概念)は容易には変換されない。容易には変
換されないが,有能な学習者である子どもたちは,自分の見方や考え方に不満をもつこと(認
知的葛藤)で,新たな見方や考え方(科学的な概念)を求めて学習(学び合い)を進め,自分
も友達も納得できるような新たな自分の見方や考え方をもつこと(新たな概念の構成)ができ
ると考える。そのためには,次の点に留意した学習を進める必要があると考える。
○ 素朴概念をきちんと表出し,自覚する
○ 事象を説明する多様な概念が存在することに気付く
○ 目の前の事象が素朴概念では説明ができないことに認知的な葛藤をもつ
○ 様々な概念を取り入れ,自分の変容に気付くことで新たな概念の構成をする
これらを実現するために,絵文字(アイコン)をつけた短冊カードと学習記録図づくりを手
だてとして取り入れる。
本単元は,事象提示の観察から思いついたことを実際に試したり,確かめたりしながら学習
を進める上で優れており,自分の見方や考え方に実証性や再現性をもたせやすい。そのため,
子どもたちが自分の見方や考え方を科学的な見方や考え方へと高める活動がしやすいと考える。
これらの活動において短冊カードや学習記録図を用いることで,互いの見方や考え方が新たな
見方や考え方に結びつくことに気付かせ,ともに知識を創ることの意義を子どもたちに感じさ
せたい。
3 目 標
ものを燃やし,ものや空気の変化を調べ,燃焼の仕組みについての考えをもつことができる
−1−
ようにする。
○ 植物体を燃やした時に起こる現象に興味・関心をもち,自らものの燃焼の仕組みを調べよ
うとしている。
○ ものの燃焼と空気の変化を関係づけながら,ものの燃焼の仕組みを多面的に考えることが
できる。
○ 植物体が燃える様子を調べる方法を工夫し,気体検知管や石灰水などを適切に使って,安
全に実験することができる。
○ 植物体が燃えるときには,空気中の酸素が使われて二酸化炭素ができていることを理解す
ることができる。
4 単元の目標を達成するための手だて
⑴ 素朴概念の表出と自覚に役立てる絵文字(アイコン)をつけた短冊カード
子どもによって多様と考えられる素朴概念は,子ど
も自身が「自分なりの見方や考え方」として認識して
植物が大きく育つには,なぜ日
光が必要なのか。
いるわけではなく,説明を前提としていないことが多
人間はご飯で大きくな
るよなあ。
い。そこで,素朴概念を表出し,友達に示すことが容
日光に栄養があったら
ベタベタになるぞ。
易になるようにアイコンをつけた短冊カードに自分
なりの見方や考え方を書くようにする。アイコンを見
れば,同じ事象に対する自分や友達の見方や考え方が
日光には栄養がある
どんなものであるかをつかみやすくなる。また,短冊
日光で栄養を作る
カードは友達との交流の場面で多様な概念が存在す
ることに気付かせる上でも有効であると考える。
<「生き物と養分」での短冊カードの例>
⑵ 友達との交流をすすめ,自分の変容に気付く学習記録図づくり
友達の見方や考え方に納得したり,自分の見方や考え方が変わったりしながら進める学習
の流れを次の図のように,学級で 1 枚の学習記録図にしていく。
植物と日光の関係を調べ
よう。
なぜ日光がいるの?
葉の中に養分がある
話し
合い
ヨウ素液を使う
日光でつくるようだ
日光の量を変える
日光あり
日光には栄養がある
あった
日光で栄養を作る
でんぷんは粒だ
ある
日光なし
ない
葉ででんぷんを作る
<「生き物と養分」での学習記録図の例>
学習記録図は,短冊カードを模造紙に貼り付けてつくる。どの短冊カードの見方や考え方
が学級の友達を納得させ,かつ事象をうまく説明できるかを話し合い,自然の事象に対する
学級としての見方や考え方を創る。
この学習記録図づくりを通して,子どもは自分の見方や考え方の移り変わりを意識し,み
んなで学び,みんなが納得できる科学的な見方や考え方を創ることができると考える。
−2−
5 単元にかかわる児童の実態
⑴ 調査の対象 第6学年 20 人
⑵ 調査の方法 質問紙法(平成 18 年4月 25 日実施)
⑶ 調査の目的
子どもたちが何をもとに,初めて出会うような自然の事象に対する思いつきを自分の見方
や考え方としたり,それが正しいと自信をもったりしているのかをつかむ。また,一緒に学
習に取り組む友達に対する意識をつかむことで,その結果を授業の展開に生かし,
「ともに知
識を創る」ことに対する意識の変容を見とる。
⑷ 調査の結果と考察
質問1 理科の学習で「○○だ」
「○○かな」というように,自分の考えをもつ時には,どん
なことを参考にしますか。
(複数可,および最も参考にするものを選択)
<複数回答(人)>
<最も参考にするもの(人)>
教科書や参考書にかいてあること(11)
3
観察や実験したこと(16)
3
7
友達のことばや話(19)
6
先生のことばや話(17)
前に経験したこと(6)
1
質問2 自分の考えが正しいと自信がもてる時は,どんな時ですか?
<複数回答(人)>
<最も参考にするもの(人)>
教科書や参考書にかいてあることと
同じだった時(11)
3
7
観察や実験した結果と同じだった時(16)
友達のことばや話と同じだった時(19)
3
先生のことばや話と同じだった時(17)
前に経験したことと同じだった時(6)
7
0
<質問1・2考察>
自分の見方や考え方をもったり,それに自信をもったりする時には,子どもたちが様々なこ
とを参考にしていることが分かる。
質問1では,自分の見方や考え方をもつために最も参考にするのも,
「友達のことばや話」が
多く,子どもたちは自分以外の見方や考え方を求めようとしている。確かに,本学級の子ども
たちは,普段の授業において友達に自分の思いついたことを話したり,友達の意見を聞いたり
することがよくできるように感じられる。これらは,本学級が理科に限らずどの教科の学習で
も,協同的な学び合いの学習を重点とした授業を心がけているためでもあると考える。
質問2では,
「自信がもてる時」に最も参考にするものが,友達のことば以上に「観察や実験
−3−
結果」および「先生のことばや話」が多くなった。自分の見方や考え方を観察や実験を通して
検証したり,教師の承認を得たりすることで,子どもたちは自分の見方や考え方が「正しかっ
た」と判断していることがうかがわれる。これには,本学級での今までの授業において,観察
や実験の重要性や教師の権威が大きかったことが影響していると思われる。しかし,子ども自
身が納得できないままに受け入れられた科学的な見方や考え方は,子どもが今後も進んで使お
うとする知識となりにくいと考える。
質問1・2の結果から,自分の見方や考え方をもつためには,子ども同士の学び合いによる
交流は有効だと考える。また,アイコンをつけた短冊カードを取り入れ,みんなが納得できる
学級の見方や考え方を創ることで,子どもたちは自分の見方や考え方に自信をもち,学級の友
達とともに知識を創ろうとする意識を高めることができると考える。
質問3 観察や実験はどのようにやりたいですか。
質問4 学習のまとめはどのようにやりたいですか。
<質問3結果(人)>
自分一人で
0
どちらかというと自分一人で
0
<質問4結果(人)>
0
4
どちらかというと友達と協力して
11
友達と協力して
5
9
11
質問5 友達と一緒に学習したいと思う時は,なぜそう思いますか。
楽しくできるから(11)
11
一人では心配だから(6)
6
3
よく分かるから(3)
正しいと思えるから(0)
0
(人)
<質問3∼5考察>
質問3・4から,学習において友達との協力を子どもたちが求めていることが分かる。確か
に,本学級の児童は,友達と協力して行う観察や実験に意欲的であり,発言や行動も活発であ
る。しかし,質問5から,その理由の多くが「楽しさ」や「心配」であり,必ずしも科学的な
根拠を求めていないことが分かる。そのため,今までの本学級の授業では,子どもたちが意欲
的に学習に取り組むように感じられる反面,子どもたちの見方や考え方を科学的な見方や考え
方へと十分に高めることができていなかったと思われる。
これらのことから,授業において,アイコンをつけた短冊カードや学習記録を用いて「相手
のことばを明確に,科学的にとらえようとする力」を育てていくことが大切だと考える。そう
することで,ともに知識を創ることが科学的な見方や考え方につながるという意識をもたせる
ことができると考える。
−4−
5 指導計画(11 時間完了)
⑴ ものの燃え方と酸素……5時間
時数
主 な 学 習 活 動
ろうそくが燃えたり,消えたりする様子を観察しよう(1時間)
燃えているろうそくに集気びんをかぶせて,ほのおが消える様子を観察し,思
いついたことを発表する。また,かぶせる集気びんの大きさを変えて繰り返し実
験し,ろうそくのほのおが消える理由について,自分の見方や考え方をアイコン
第1時
をつけた短冊カードにかく。
×
あれ,消
えたぞ。
×
空気がなくなった。
空気が増えてつぶした。
火が熱でつぶれた。
など
ろうそくが燃えるわけを考えよう(1時間)
前時にかいた短冊カードを示して互いの見方や考え方を確認する。また,燃え
ているろうそくに途中まで集気びんをかぶせる事象提示を観察して,自分の見方
や考え方を見直し,新たな見方や考え方をアイコンをつけた短冊カードにかく。
新たにかいた互いの短冊カードをもとに話し合い,ものが燃える条件を学級で創
第2時
られた見方や考え方としてまとめる。
(本時)
×
空気があるの
にね。
あれ,ま
た消えた
ぞ。
熱も逃げる所
があるのに。
空気は出てきて
ないの?
空気が流れてない。
新しい空気なら燃える。
など
第3・
4時
空気の流れを調べよう(2時間)
短冊カードにかかれた友達の見方や考え方を参考にして実験を行い,ものが燃
えることには空気が関係しているという見方や考え方をもつ。
×
底なし集気びんで
ガラス筒の中で
ガラス筒をうかせて
燃えている
すぐに消えた
燃え続けている
空気の流れを調べる。
−5−
燃え続けるときは,空気が流れている。
ものが燃えるためには,空気が入れ替わらないといけない。
酸素のはたらきを知ろう(1時間)
ものが燃えるためには空気中の酸素が関係していることに気付く。
空気はちっ素,酸素などが混ざってできている。
酸素を作ってろうそくを燃やしてみよう。
第5時
燃え続ける。
酸素があるとものが燃える。
でもやがて消える。
酸素はどうなったのだろう。
⑵ ものが燃える時に起こる変化……4時間
○ 酸素の行方を考えよう…2時間
○ 燃えた後にできるものを調べよう…2時間
⑶ 「自分実験」を計画・発表しよう……2時間
○ ガスバーナーを使って…1時間
○ 酸素の量を変えてものを燃やそう…1時間
5 本時の指導
⑴ 目 標
○ 燃えているろうそくに途中まで集気びんをかぶせる事象提示を観察して,短冊カードに
かかれた自分の見方や考え方を見直し,ものが燃える条件を考えることができる。
(科学的な思考)
○ 実験結果をもとに,短冊カードを使ってものが燃える条件を話し合い,学級の見方や考
え方を学習記録図にまとめようとすることができる。
(関心・意欲・態度)
⑵ 準 備
ろうそく,集気びん,粘土,ガス着火器具,短冊カード,アイコンシール,
サインペン,学習記録図,磁石,磁気塗板,ワークシート
⑶ 指導過程
時間
学 習 活 動
指導上の留意点
10 分 1 前時の実験を想起し,
燃えているろう ○
前時にかいた短冊カードを一人一人
そくに集気びんをかぶせると,
ほのおが
に配布し,ほのおが消える理由につい
消えることを確認する。
て自分がどのような見方や考え方をも
っているかを確認させる。
燃えているろうそくに集気びんをかぶせるとほのおはどうなりました
か?
−6−
×
○○だから,ほのおは消える
よ。ほら,やっぱり。
【予想される短冊カードにかかれた児童 ○
の見方や考え方】
子どもたちを教卓の周りに集め,事
象提示を全員が観察できるようにす
る。
空気の量が関係する。
○
自分なりの見方や考え方をもって事
空気がなくなった。
象を観察させることで,ほのおが消え
空気が増えて火を消した。
る現象についての自分の見方や考え方
をあらためて意識させるようにする。
火が熱でつぶれた。
<評価の観点と方法>
前時にかいた短冊カードをもとに,自分なりの見方や考え方をもって事
象提示の観察をしているか,発言や観察の様子からとらえる。
5分
2
前時にかいた短冊カードを見方や考 ○
黒板とは別に磁気塗板を準備し,前
え方の違いで分類し,
似た見方や考え方
時にかいた短冊カードをはらせるよう
のグループを作る。
にする。
どうしてほのおが消えてしまったのか,みんなの考え方を確かめ合って
みましょう。
(2)
⑴ 短冊カードを磁気塗板に貼る。
○
自分がかいた短冊カードで自分の見
方や考え方を友達に伝えるようにさせ
る。
(3)
⑵
見方や考え方のよく似た短冊カー ○
互いの見方や考え方を比較させ,内
ドがないかを話し合い,短冊カードを
容がよく分からないものは,かいた本
貼る位置を移動して実験グループを
人に確認するようにさせる。
作る。
○
子どもなりの見方や考え方ごとに分
類された短冊カードをもとに,4 名程度
ぼくと同じ考え方だね。
の実験グループを作るようにする。
空気がなくなったという考
え方が多いね。
○
各実験グループには,自分たちの見
方や考え方を表すような名前をつけさ
「熱でつぶれた」グループを
作ろう。
−7−
せるようにする。
<評価の観点と方法>
短冊カードを使って互いの見方や考え方を確かめ合い,実験グループを
作ることができるか,活動の様子からとらえる。
10 分 3
燃えているろうそくに集気びんをか ○
事象提示をする前に,子どもたちに
ぶせる事象提示を観察し,自分の見方や
手順を説明し,自分のグループの見方
考え方で説明できるか考える。
や考え方ではどのような結果になるか
を予想させるようにする。
○
子どもたちを教卓の周りに集め,事
象提示を全員が観察できるようにす
る。
燃えているろうそくに途中まで集気びんをかぶせると,ほのおはどうな
ると思いますか?
下にすき間があ
るね。空気や熱は外
○
集気びんを下までかぶせる実験との
違いを考えさせ,下にすき間があるこ
に出られるのかな。
とを確認させるようにする。
○
グループの考え方ではほのおがどう
なるかを考えさせて,結果の予想をそ
の理由とともに発表させる。
【予想される児童の考え】
<空気がなくなると考えたグループ>
「外とつながっていて,空気があるから燃えるんじゃないかな」
<温まった空気が増えてほのおを押しつぶしたと考えたグループ>
「温まった空気は上にたまるから,やっぱり上から押しつぶしてほのおが
消えるかもしれない」
「増えた空気が下のすき間から出ると,燃えると思う」
<熱でほのおがつぶれると考えたグループ>
「熱の逃げ道があるし,ほのおは消えないんじゃないかな」
「熱は上からたまると思うから,やっぱり消えるよ」
×
あっ,消えたぞ。
○
のおが消える様子を観察させる。
○
なぜだろう。
集気びんを途中で止めて固定し,ほ
事象を観察する子どものつぶやきを
拾いあげ,グループごとにやってみる
−8−
よう投げかける。
もっとよく見た
い。
<評価の観点と方法>
事象提示の結果がどうなるか,見方や考え方で分類された実験グループ
の考え方をもとにして予想することができているか,話し合いの様子や予
想の発表内容からとらえる。
15 分 4
グループごとに燃えているろうそく ○
自分のグループの考え方で,ほのお
に集気びんを途中までかぶせ,
ワークシ
が消える理由が説明できるかを話し合
ートに思いついたことをかいて話し合
いながら実験するようにさせる。
い,自分の見方や考え方を短冊カードに ○
かく。
集気びんを途中で止める高さを変え
たり,ほのおが消えそうになったら持
ち上げたりしながら実験をしているグ
ループの様子を他のグループにも伝え
るようにする。
【予想される児童の反応】
<空気がなくなると考えたグループ>
「外とつながっているから燃えると思ったんだけど…」
「集気びんの口のところから中へ空気が入ってないのかな」
「消えそうになったときに集気びんを持ち上げたら,また燃えたよ」
「やっぱり,空気には関係しているよ」
<温まった空気が増えてほのおを押しつぶしたと考えたグループ>
「下にすき間があるのだから,増えた分の空気は出て行くはずなのにな。
おかしいな」
「増えた空気は下に出て行かないのかな」
「やっぱり,温まった空気が上のほうにたまっているんだよ」
「だけど,上からたまっても火は押しつぶせないんじゃないかな」
<熱でほのおがつぶれると考えたグループ>
「熱は外に逃げなかったのかな」
「熱は上からたまるからだよ,やっぱり」
「でも,集気びんはそんなには熱くないよ」
「上が開いていたら分かるんだけど」
<その他>
「びんがくもっているから,この水が消したんじゃないかな」
−9−
【予想される短冊カード】
★
空気が関係している。
自分のグループの話し合いだけでは
結論が出ないときには,他のグループ
の実験や話し合いに加わって考えても
空気が流れてないから。
よいことを伝えるようにする。
新しい空気がないと消える。
☆
意見がまとまってきたグループがあ
れば,教師に実験を見せながら,考え
空気が出て行かないから。
方の説明を求めるようにする。
水ができて火を消した。
★
他のグループの実験を見たり,話を
聞いたりして考えが変わってもよいこ
空気を入れ替えたら燃える。
とを伝える。また,納得して考えが変
など
わることは科学的に考えたこととして
賞賛する。
<評価の観点と方法>
グループの考え方をもとに実験に取り組み,考えられることを話し合い
ながら自分の見方や考え方を短冊カードにかこうとすることができるか,
実験の様子や短冊カードの記述内容からとらえる。
5分
5 短冊カードを黒板に貼り,仲間分けし ○
たり,意見を交換したりして,考えられ
そうなことを学習記録図に残す。
黒板にはられた短冊カードを考え方
で分類させる。
○
互いの見方や考え方を比較させ,内
容がよく分からないものは,かいた本
人に確認するようにさせる。
○
分類された考え方の中で,自分の見
方や考え方をよく表しているカードを
選ばせ,学級で創られた考え方として
学習記録図に残すようにさせる。
○
多様な見方や考え方が出てきても,
それをもとにして,次時の問題解決に
役立てるようにさせる。
<評価の観点と方法>
互いの短冊カードを比較しながら学級の見方や考え方を創り,ものが燃
える条件について自分の見方や考え方をもつことができたか,短冊カード
を分類する様子や学習記録図の内容からとらえる。
−10−
6 備
考
⑴ 使用するワークシート
ものの燃え方を考えよう。
名前(
)
ほのおが消えてしまった。
思いついたことをかきましょう。
考えられることをカードにかいてみよう。
⑵ 板書案
ものの燃え方を考えよう。
ほのおが消えた。
×
やっぱり,
ほのおが消えた。
どうしてほのおが
消えるのだろう。
学習活動4で
なくなった
押された
温まった
かいた短冊カー
少なくなった
−11−
ドを掲示する。
⑶ 予想される磁気塗板での短冊カードの分類の様子
火で空気がなくなった。
空気が温まると消える。
空気がなくなる。
火の熱で消えた。
など
空気がないから。
空気がないと消える。
あたたまりグループ
など
空気がなくなったグループ
空気の量が関係する。
空気が少ないと消える。
とじこめられて押される。
空気が減っていった。
火で空気が減るから。
火は空気に押される。
など
など
押されたグループ
空気が少なくなったグループ
⑷ 予想される本時終了時の学習記録図
ものの燃え方の学習。
ものの燃え方を考えよう
集気びんをかぶせる
集気びんを途中までかぶせる
ほのおが消えた
×
どうしてほのおが消
えるのか
やっぱり,
ほのおが消えた。
空気が減った
温まって消えた
空気に押された
空気がなくなった
新しい空気が入って
こないと消える
温まった空気がたま
って消す
7 感 想
子どもなりの見方や考え方は実に多様であると感じた。その見方や考え方を短冊カードに表
し,分類する活動を通して,子どもたちに自分の見方や考え方に対するこだわりをもたせるこ
とができたと考える。こだわりがあるからこそ,集気びんを途中までかぶせる事象提示に対し
て,
「なぜだろう」
「こういうことじゃないか」と,自分が思いついたことを話し合うことがで
きたと考える。ただ,子どもたちが迷い,葛藤する場面も多く,子どもが自信をもって自分の
見方や考え方を短冊カードに表すまでに時間がかかったことが反省点としてあげられる。
−12−
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