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CSRレポート2012

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CSRレポート2012
C S R レポ ート 2 0 1 2
SUMITOMO OSAKA CEMENT
SUMITOMO OSAKA CEMENT
CSR Report 2012
住 友 大 阪 セ メ ント グ ル ー プ
CONTENTS
企業理念
企業理念 ・ 行動指針……………………………………………… 2
トップメッセージ……………………………………………………
3
住友大阪セメントの概要… ……………………………………… 5
私たちは、地球環境に配慮し、たゆまない技術開発と多様な事業活動を通じて、
住友大阪セメントの事業領域… ………………………………… 6
豊かな社会の維持・発展に貢献する企業グループを目指します。
C SR 推 進
● CSR 経営の推進… ……………………………………… 7
特集・❶ セメント工場は巨大な
資源再生工場です……………………………
9
● 解説:廃棄物の適正処理にあたって… ………………… 11
特集・❷ セメント工場は発電所でもあります……
12
行動指針
1 信用を重んじ、健全な事業活動をおこないます。
2 法令・規則を守り、社会良識に則って行動します。
3 お客様と社会の信頼や期待に応える製品・サービスを提供します。
● 東日本大震災関連… ……………………………………… 13
4 時代の変化に柔軟に対応し、効率的経営をおこない、
● CSR ニュース……………………………………………… 14
企業価値の向上をはかります。
特集・❸ ツシマヤマネコの棲む森づくり…………
15
サ イト レ ポ ート
5 人権を尊重し、安全で活力あふれる職場環境をつくります。
6 社員一人ひとりを大切にします。
● 栃木工場… ………………………………………………… 16
● 岐阜工場… ………………………………………………… 17
● 赤穂工場… ………………………………………………… 18
● 高知工場… ………………………………………………… 19
● 八戸セメント………………………………………………… 20
環 境 関 連 デ ー タ …………………………………………… 21
第三者意見……………………………………………………… 25
住友大阪セメントの WEB サイトのご紹介……………………… 26
事 業 紹 介
住友大阪セメントの事業展開………………………………… 27
● セメント事業………………………………………………… 28
● 鉱産品事業、建材事業… ………………………………… 29
● 光電子事業、新材料事業、二次電池材料事業… ……… 30
<編集方針>
このレポートは、住友大阪セメントグループの CSR(企業の社会的責任)の取
り組みを、ステークホルダーの皆さまにわかりやすくお伝えすることを目的に
発行します。
2012 年版では構成を大きく、CSR 推進、特集、サイトレポート、環境関連デー
タ、事業紹介とし、第一線で活動を推進する方の声をお伝えします。
また、地域に密着した情報としてサイト別情報の充実に取り組みます。今後も
循環型社会を目指し、企業活動を展開し説明責任を果たしていきます。
<参考にしたガイドライン>
環境省「環境報告書ガイドライン2007 年版」
環境省「環境会計ガイドライン2005 年版」
<報告書の対象範囲>
●対象期間:2011 年 4 月1 日〜 2012 年 3 月31 日
●対象会社:住友大阪セメント株式会社およびグループ会社
(セメント製造工場・鉱山)
1
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
写真:長崎県対馬市 リアス式海岸・浅茅湾
(あそうわん)
の雄大な景観
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
2
トップ メッセ ー ジ
セメント業の高度な技術と優れた品質で、
社会資本の基礎と循環型社会の構築を支える
的な補修が必要とされるものが数多く存在しています。
去、運搬の問題、住民の皆様のご理解を得ることなど
ら必要されるものとして取り組みを進めています。ナ
防災意識の高まりや安心・安全への取り組み強化といっ
を考えるとまだまだすべての処理には長い時間がかか
ノマテリアルの研究開発から生まれた「リチウムイオン
た観点から、それら構造物の改修・改築工事も重要と
るものと思われます。当社グループの八戸セメント(青
電池正極材料」は、今秋にはベトナム工場が稼働を始め
なってくるでしょう。
森県)は自治体からの要請を受け、周辺住民の皆様と
るなど供給体制を整えています。節電や災害時の非常
また、コンクリートによる道路舗装はライフサイクルコ
の話し合いを重ねながら、業界で最初に災害廃棄物の
用電源など「暮らしの安全・安心」という観点から家庭用
スト
(LCC)の面からも、その良さが見直されています。
広域処理を引き受けることを決定し、今年 3 月より宮城
蓄電池のニーズは高まっているほか、今後は電気自動
20 〜 30 年は補修がいらないという耐久性をはじめ、
県と岩手県からの受け入れを開始しました。今後も要
車の普及を見込んだ需要の伸びも期待されており、当
表面が熱くならないことから温暖化対策にも効果があ
請があれば、被災地の復興に対しては可能な限り貢献
社も材料供給を通じて、皆様のより豊かな暮らしの実
り、原料が国内でまかなえるという点も評価されてい
していきたいと考えています。
現に貢献していきたいと考えています。
ます。コンクリート舗装の推進は国の方針にも明記さ
他にも、赤穂工場では地域のごみ焼却灰の再資源化事
れました。長期的には、今後の都市計画やまちづくり
業を行っており、当社の技術や設備を活かし、地域の問
プロジェクトの中に取り込まれていくことになると思わ
題をともに考え解決する取り組みを進めています。
れます。これらのニーズに対応するためにも、品質の
住友大阪セメント株式会社
取締役社長
3
■グループを挙げて、
CSRを意識した事業活動へ
当社グループでは、セメント・コンクリートの安定供給を
優れたセメント・コンクリートを安定的に供給することは
■地域との共存・共生を図る環境事業
当社グループのミッションであるととらえ、効率的な工
広い敷地と大きな設備を有するセメント工場では、周辺
も人命を優先しながら操業を続け、安定的に供給を継
場の稼働・操業を行いながら万全な供給体制を整えて
住民の皆様をお招きする工場見学会を通じて、セメント
続することをふまえた対策・体制を整えています。例え
いきます。
事業だけではなく、産業廃棄物の処理など工場が果た
ば、高知工場では、津波被害を想定して、中央操作室
している役割をご理解いただけるような取り組みを行っ
を津波被害が最も低減できる場内最高地へ移動する
ています。
準備を進めています。
また、高知、赤穂、栃木の各工場では自家発電を行い、
一方で昨年は当社の不適切会計処理が発覚しました。
■ 優れた品質の維持と
リサイクルに貢献する廃棄物処理技術
前提に事業継続計画(BCP)
を作成し、いかなる場合で
■セメント・コンクリートの重要性が
見直された 1 年
セメント業界の収入面を支えている産業廃棄物処理の
操業用の発電を賄うほか、余剰電力は売電し、昨今の
これにつきましては、当社創業以来の最大の恥辱と受
分野は、本業に隠れてなかなか一般の方々のご理解
電力不足に多少ながら貢献しています。さらに、高知
け止めており、株主・ステークホルダーの皆様には、多
この 1 年を振り返りますと、日本にとっても私どもセメ
をいただけていませんが、セメント業界全体では年間
工場の火力発電設備においては、石炭の一部を間伐材
大なご迷惑とご心配をおかけしたことを心よりお詫び
ント業界にとっても転機となる重要な 1 年であったと言
2,700 万トン(東京ドーム16 杯分)の産業廃棄物処理
などの木質バイオマス燃料に置き換えることで、化石
申し上げます。東京証券取引所に提出した改善報告書
えます。東日本大震災後の復旧・復興に日本中が力を
を行っています。これはセメント事業が廃棄物を細かく
燃料の削減と同時に、工場周辺の山林再生を目的とし
に基づき、是正措置とガバナンス体制の見直し、グルー
注ぎましたが、その後も台風や豪雨などの大きな災害
選別しながら高温で処理できる技術と設備を有してい
た森林整備につながっています。
プ全社へのコンプライアンスの徹底などを行いまし
が続きました。日本は南北に細長く急峻な地形で、世
るからこそできる特殊な事業です。昨今の「循環型社
2007 年から始めた長崎県対馬の絶滅危惧種「ツシマ
た。グループ役職員一同、処分を真摯に受け止め謙虚
界でもまれにみる災害大国です。この環境を冷静に考
会」という意識の高まりの中では、リサイクル・リユース
ヤマネコ」の保護活動も、周辺の森林や海域の生物多
に反省し、当社の企業理念、行動指針を今一度心に刻
え、長い目で見ると、災害から「守る」
「備える」というこ
という概念が大変重要ですが、それを具体的かつ技術
様性の維持という広がりを見せています。 最近では、
んで、新しいスタートを切ることをお約束いたします。
とだけでなく、
「二次災害を出さない」
「緊急に対応す
的に可能にしている事業であるといえます。高度な処
各支店の全ての営業車(150 台)にツシマヤマネコの
また、今後、住友大阪セメントグループ全社で今回のこ
る」ということも重要であり、より大きな視点からの治
理技術力と同時に、
「廃棄物処理法」に基づいた適正な
ステッカーを貼るなどの広報活動を進めておりグルー
とを風化させることのないよう、
「コンプライアンスの
山治水という考え方が重要になっています。そのよう
処理や管理の実施と併せて、セメント品質も要求され
プ社員の関心も高まっています。今後は社外への認知
日」を制定し、毎年見つめ直してまいります。
ななかで、セメント・コンクリートが基礎資材として果た
る、これらを両立出来るセメント製造業は極めて直接的
活動も進め、この環境活動の広がりをきっかけとして、
ステークホルダーの皆様には、当社グループの社会に
す役割の大きさも再認識されたのではないでしょうか。
に循環型社会に貢献しています。
当社グループの事業に対するご理解を一層深めていた
果す役割をご理解いただき、より厳しい目でご指導ご
一方で、日本の高度成長期に造られた道路や橋梁、ダ
震災後、災害廃棄物(がれき)は現時点で 15%くらい
だければと考えています。
鞭撻いただきますよう、今後ともどうぞよろしくお願い
ム、防波堤などの建造物は老朽化が進んでおり、抜本
処理できたといわれていますが、処理能力や放射能除
当グループはまた、エネルギー分野についても、これか
申し上げます。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
4
会社概要
住友大阪セメントの概要
■ 会社概要
住友大阪セメントの事業領域
商 号 住友大阪セメント株式会社
Sumitomo Osaka Cement Co.,Ltd.
本 社 〒102-8465 東京都千代田区六番町 6 番地 28
創 立 1907(明治 40)年 11 月29 日
資本金 416 億円
(2012 年 3 月末現在)
従業員 1,302 人
(2012 年 3 月末現在)
売上高 1,391 億円
(2011 年度)
■ 事業所一覧
■ 本社
札幌支店
● 支店
◆ セメント製造拠点
▲ 石灰石事業所
● 研究所
北陸支店
大阪支店
住友大阪セメントは、セメント事業を中心に鉱産品事業、建材事業、光電子事業、新材料事業など
さまざまな事業を展開しています。
また、新たな役割としてセメント事業では廃棄物・副産物を受け入れ、循環型社会の構築に注力し、
豊かな社会の維持・発展に貢献しています。
鉱産品事業
光電子事業
国内有数の規模を誇る良質で豊富な資
光通信デバイスや CATV 用送受信機と
源を活かし、国内の主要産業に石灰石、
いった光通信システムなどを製造・販売
骨材、タンカルを供給しています。
しています。
和歌山高炉セメント株式会社
赤穂工場
八戸セメント株式会社
四国支店
セメント事業
広島支店
東北支店
山口事業所
各種セメント、固化材を製造・販
小倉事業所
売しています。 高度な技術力と
福岡支店
徹底した品質管理で社会のイン
栃木工場
フラ整備に貢献しています。ま
建材事業
た、廃棄物などのリサイクル原
新規技術研究所
セメント・コンクリート研究所
燃料の受け入れ拡大など、循環
新材料事業
コンクリート構造物向け補修材・補強材
型社会の貢献に向けて積極的に
独自のナノ粒子製造技術を駆使し、フィ
名古屋支店
料を製造・販売しています。豊富な経験
取り組んでいます。
ルムや塗料などの各種機能性材料を開
本社、東京支店
高知工場
岐阜工場
と技術力を結集して、社会のコンクリー
■ 海外事務所
発・製造しています。
トリハビリテーションを支えています。
.
SOC AMERICA INC.●
(米国ニュージャージー州) 上海事務所(中国上海市)
●
東莞住創光電子技術有限公司(中国東莞市)
●●住龍ナノテク材料有限責任会社(中国深圳市)
SOC VIETNAM CO.,LTD
(ベトナム ハノイ)●
その他事業
■ 連結業績の推移
売上高
経常利益、売上高経常利益率
(単位:百万円)
250,000
200,000
197,358
215,390
(単位:百万円)
20,000
194,624 201,644
8.0
15,000
150,000
10,000
6.0
5.2
3.5
5,000
5
2007 2008 2009 2010 2011(年度)
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
0
2.6
2.0
4,363
42.3
5,262
785
3,645 10.00
2.0
0
2007 2008 2009 2010 2011(年度)
40.0
8.76
2,000
0.4
450
0
△2,000
処理サービス、電設工事等を行ってい
ます。
15.00
5,073
4.0
7,666
る遊休地を活用した不動産賃貸や情報
(米国ニュージャージー州)●
4,000 12.14
10,313
100,000
0
8,000
6,000
二次電池正極材料の製造販売、所有す
自己資本比率
(単位:円)(単位:%)
SOC AMERICA INC.
20.00 50.0
住龍納米技術材料有限公司(中国深圳市)●
217,044
50,000
当期純利益、1株当たり当期純利益
百万円)
(単位
:%)(単位:
上海事務所
(中国上海市)
●
1.08
2.21
△2.41 920
△1,002
38.9
39.6
40.9
42.1
5.00
0
△5.00
2007 2008 2009 2010 2011(年度)
30.0
2007 2008 2009 2010 2011(年度)
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
6
CSR 推進
CSR 経営の推進
住友大阪セメントでは、企業理念を実現するためには、
『社会とのつながり』を強く意識し、経済的側面からの貢献を
はじめ、環境保全活動や社会貢献活動を通じて地域社会との共生を図っていくことが重要な経営課題のひとつである
と考えています。
ステークホルダーの皆様や社会との関わりを重視し、社会の一員として経済・環境・社会問題に積極的に取り組み、皆
■ コンプライアンス体制
当社グループ全ての役職員(執行役員、嘱託、派遣社員を含む。)
「コンプライアンス委員会」は、監査結果について、必要に応じて
長を委員長とする
「コンプライアンス委員会」を設置し、その役割
適切な措置を講じるとともに、監査結果等を取締役会および監査
当社は社長を委員長とするCSR 委員会を組織し、
『地域社会との共生』
『 皆様とのコミュニケーション』の更なる充実・
と責任を明確にするため、
「コンプライアンス委員会規程」を制定
役に報告しております。
拡大に取り組んでいます。
しております。
当社グループのすべての役職員からの通報を受け、調査是正な
様とのコミュニケーションを通じて社会から信頼を高めることが、当社の企業価値向上につながると考えています。
する活動の計画を策定し、その進捗を管理しております。コンプ
■ コーポレート・ガバナンスに関する基本的な方針
コンプライアンス推進体制概要図
選任
選任・監督
選任・監督
取締役社長
かるため、
「執行役員制度」を導入しています。
指揮・命令
住友大阪セメントグループ会社
代表取締役
コンプライアンス
責任者
コンプライアンス
担当者
違反行為者
違反部署
住友大阪セメント
グループ社員
コンプライアンス
委員会
通報
(封書、TEL、
FAX、メール)
委員長
社外窓口
弁護士
調査
通報内容の連絡
調査結果の連絡
調査結果の連絡
事務局
委員長
社長
事務局
コンプライアンス
ホットライン
担当者
当社グループのリスクの把握、評価および対応を図るため、社長
に関する監査は、
「内部監査室」が行い、その監査結果を「リスク
を委員長とする「リスク管理委員会」を設置し、その役割と責任を
管理委員会」に報告しております。
明確にするため、
「リスク管理委員会規程」を制定しております。
「リスク管理委員会」は、監査結果について、必要に応じて適切な
「リスク管理委員会」は、毎年度ごとにリスク管理に関する活動の
措置を講じるとともに、監査結果等を取締役会および監査役に報
告しております。
事業紹介
会計監査人
会計監査
通報窓口︵社外︶
通報
コンプライアンス委員会
計画を策定し、その進捗を管理しております。リスク管理の状況
■ 2 0 1 1 年度の取り組み事項
1 船橋地区大震災マニュアル改訂
●東日本大震災の反省を踏まえ、今後起こり得る
「首都圏直下型地震」を想定し、船橋地区の大震災マニュアルを改訂しました。
●部門毎に保有していた大震災マニュアルを、現地対策本部の組織を統合し、安否確認や被害状況報告、帰宅時の対応等統一した
監査結果
報告
ルールを確立することで、被災時には船橋地区全体で対応できるように内容を見直しました。
2光電子事業部の事業継続計画(BCP)策定
通報
通報
内部監査
通報
子会社
リスクの把握・
評価・対応
●船橋地区大震災マニュアルの改訂内容をもとに、被災時の被害情報集約や通常操業レベルに戻すまでの復旧計画や代替の資材調
子会社
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
監査結果報告
内部監査室[通報窓口︵社内︶]
内部監査
本社・各事業所
リスクの把握
評価・対応
む重要会議に出席しています。
リスク管理委員会
以上、監査役会を開催するとともに、取締役会を含
業務執行
事業紹介
3 名は社外監査役であります。監査役は、毎月1 回
周知徹底
是正措置等
監査役会は、監査役 5 名から構成されており、うち
通報者
調査
■ リスク管理体制
執行役員
■監査役会
(封書、TEL、
FAX、メール)
調査結果報告
内部監査室
環境関連データ
速化と権限・責任の明確化により経営の効率化をは
会計監査
環境関連データ
機能を分離し、各々の機能の強化や意思決定の迅
監査役︵会︶
業務監査
取締役会
意思決定
コンプライアンス
担当者
社内窓口
通報
コンプライアンス
委員会
サイトレポート
株主総会
意思決定
年 6 月より、経営における意思決定・監督機能と執行
コンプライアンス
責任者
調査結果の連絡
コンプライアンス委員会
委員長:社長
事務局:法務室
調査結果
報告
コーポレート・ガバナンス模式図
選任
サイトレポート
務執行状況の報告を受けています。また、2006
代表取締役
住友大阪セメント
各部門
取締役会は、社外取締役 1 名を含む取締役 8 名か
し、経営上の重要事項の決定をおこなうとともに業
取締役会
通報窓口
社内:内部監査室
社外:弁護士
■ 会社の機関および内部統制システムの整備状況
コンプライアンス・ホットライン制度フロー図
特 集
特 集
位置付けております。
ら構成されており、毎月1 回以上、取締役会を開催
制度」を設けております。
ライアンス状況に関する監査は、
「内部監査室」が行い、その監査
を確保することにより継続的な企業価値の増大を実現させることと考えております。よって、当社は、その充実を経営上の最重要課題と
■取締役会、執行役員
どの措置を行うための制度として「コンプライアンス・ホットライン
CSR推 進
CSR推 進
「コンプライアンス委員会」は、年度ごとにコンプライアンスに関
コーポレート・ガバナンスは企業経営を規律する仕組みであり、その目的は、経営の効率性を向上させるとともに、経営の健全性と透明性
7
結果を「コンプライアンス委員会」
に報告しております。
に対し、
コンプライアンスの意識高揚、浸透、定着を図るため、社
達先検討時期、顧客への対応等について織り込み策定しました。
3リスク管理に関する社内説明会、講習会の実施
●各部署のリスク管理担当者、新入社員に対して、リスク管理に関する説明会や講習会を開催して啓発に努めました。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
8
特 集・❶
セメント工場は巨大な資源再生工場です
セメント産業独自のリサイクルプロセス
日本の国土を支える貴重な資材である
『セメント』。
多種多様で大量のリサイクル原燃料を、二次廃棄物を排出することなく、
大半は
『コンクリート』
という構造体に姿を変え、社会生活を護るチカラとなっています。
JIS(日本工業規格)で定められた厳しいスペックを満たすセメントという製
用途によってその形状や強度を自在に変えることができ、なおかつ高い経済性を有する資材として、
品に変えていくリサイクルプロセスは、他の産業にはないセメント産業独自
セメントに代替できるものはありません。
の強みと言えるでしょう。
そのセメントを作る工場が、実は巨大な資源再生工場でもあるということをご存知でしょうか?
すなわち、セメント工場では、社会生活や産業活動によって発生する大量の廃棄物や副産物を、
資源として再生しているのです。
循環型社会構築への貢献
CSR推 進
CSR推 進
全国のセメント工場においてリサイクルされる廃棄物副産物は年間約
2,700 万トンにおよび、これは国内で排出される量の約 5%にあたります。
近年、社会的な環境意識の高まりを受けて、循環型社会構築という観点か
らも、
『大量処理が可能』で『高温焼成による無害化』ができ『二次廃棄物の
発生がない』
セメント工場の役割はますます重要性を増しています。
特 集
特 集
セメント製造プロセスで使われている
さまざまな廃棄物・副産物
廃棄物や副産物をセメント製造における
原料またはエネルギーとして活用
火力発電所から出る石炭灰など、他産業から排出されるリサイクル原燃料
の他にも、建設発生土や木くずをはじめ、汚泥や廃タイヤ、廃プラスチック
調合したうえで、キルンという回転窯で高温焼成して出来上がります。焼成
など、人々の生活に密接につながっている社会全般からリサイクル原燃料
エネルギーには主に石炭を使用します。現在では、副原料の大部分、また
を受け入れています。
サイトレポート
サイトレポート
そもそもセメントは、その主要原料の石灰石に粘土などの副原料を適正に
焼成エネルギーの一部に、多種多様な廃棄物・副産物をリサイクル原燃料と
産業界との関わり
(廃棄物・副産物)
して使用しています。
環境関連データ
環境関連データ
廃棄物副産物が利用できる仕組み
火力発電/鉄鋼
セメントの半製品であるクリンカーの製造には、酸化カルシウム、酸化アル
石炭灰
廃プラスチック
廃アルカリ
高炉スラグ
鋳物砂
廃白土
廃油
副産石膏
高炉スラグ
木くず
再生油
ミニウム、二酸化ケイ素、酸化鉄といった主要成分を含んだ原料が必要で、
化学的にはこれらの主要成分をある程度含んだ廃棄物・副産物であれば原
天然原料
仕上プロセス
石灰石
リサイクル原燃料の使用にあたっては、セメント品質の安定化のためにそれ
粘土
らの成分を各工程で高精度に管理し、生産プロセスにおいてフィードバック
[ ロータリーキルン ]
珪石
を繰り返しながら、高品質なセメントを製造しています。
[ セメントミル ]
サービスステーション
高精度な成分管理
事業紹介
焼成プロセス
セメント製品出荷
事業紹介
原料プロセス
建築現場/工場
船舶
燃料 =リサイクル原燃料として使用することが可能です。
[ 原料ミル ]
トラック
クリンカー
工場での製造フローと品質管理
建設発生土
受入
契約内容確認
原料・燃料及び、
廃棄物・
副産物の成分等
9
原料工程
焼成工程
仕上工程
出荷
受入検査
工程内検査
工程内検査
出荷検査
成分情報、
発熱量
化学成分
化学成分
化学成分、粉末度
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
下水汚泥・脱水汚泥
廃タイヤ
肉骨粉
再生油
生活
フロン
未燃灰
社会との関わり
(廃棄物・副産物)
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
10
特 集・❷
解説
セメント工場は発電所でもあります
廃棄物の適正処理にあたって
当社のセメント工場では、使用する電力の約 85%を自家発電しており、更に地域の電力供給にも貢献しています。
産業活動の結果排出される産業廃棄物は、日本でも1960年代以降の急速な工業化の進展を受けて、その処理が大きな
使用電力の安定化
社会問題としてクローズアップされるようになり、その適正な処理と責任の明確化のため、1970年に「廃棄物の処理およ
び清掃に関する法律」
(廃棄物処理法)
が制定されました。現在も国内で4億トン以上の廃棄物が発生していますが、それら
は全て、廃棄物処理法の定めに応じた適正処理が求められています。
セメントを1トン生産するためには、約 120kWh の電力を消費しています。当社の
全国のセメント工場ではそのうち約2,700万トンをリサイクルしています。住友大阪セメントでも、処理事業者として、廃
セメント工場では、年間約 980,000MWh もの大量の電力を消費しています。当社
棄物処理法を厳格に順守することを徹底し、
リサイクルを推進しています。
では、世界トップレベルの省エネルギー技術を追求し、使用電力の削減に努めるとと
もに、自家発電設備の導入によって、使用電力の安定化にも努めてきました。
全工場に廃熱発電設備を導入し、セメント生産プロセスで発生する高温の副生ガスを
廃棄物の保管
再利用し、その熱エネルギーを電力として回収しています。
当社全てのセメント工場は、各々が所在する県知事より産業
セメント工場には、廃棄物専用の保管施設を設置し、工場内
更に栃木、赤穂、高知工場では、火力発電設備を導入し、当該工場においてはそれぞ
廃棄物処理業の許可を取得しています。
に搬入されたものを処理するまでの間の適正な保管を確保
れ電力自給率 100%を達成しています。
一般廃棄物 の 処 理
しています。
廃棄物処理法には、廃棄物の保管施設に関して、処理施設
の能力に応じた保管上限や、施設の構造などの基準が定め
2009 年度に各自治体から排出されるゴミ焼却灰の処理を
られています。当社では、法律の定めに則り、工場内にそれ
開始し、現在、赤穂・高知工場及び八戸セメントにおいて処理
ぞれの品目に応じたサイロやヤードなどの保管施設を設置し
を行っています。
ています。廃棄物の飛散、流出、浸透が発生しないよう、厳
重な保管を行っています。
ける電力の安定供給の一端を担ってきました。 両工場で供給する電力量は年間約
950,000MWhにも及んでいます。
また、栃木工場でも、セメント生産体制の変更に伴い、2012 年度より電力の外部供給を拡大しています。
サイトレポート
サイトレポート
栃木工場の自家発電設備は、木質チップ等バイオマス資源を主燃料として利用するバ
(マニフェスト)の管理を徹底しています。
イオマス発電設備であり、化石エネルギーの削減につなげています。燃料となる木
マニフェストとは、産業廃棄物の排出事業者が、処理を委託
質バイオマスは建物の解体によって発生する建築廃材や、地域の森林整備によって発
する際に発行するものです。排出事業者自らが産業廃棄物
生する間伐材等を受入れ、チップ状に破砕し使用しています。
の流れを把握・管理し、適正に処理されたかどうかを把握する
リサイクル原料ヤード
石炭灰サイロ
処理委託契約
は、速やかに所定の伝票を排出事業者および運搬事業者へ
当社は産業廃棄物処理事業者として法律の定めに則り、排
返送するとともに、処分事業者としては、一定期間保管する
出元事業者と収集運搬事業者との間で処理委託契約を締結
義務もあります。
しています。
当社では、マニフェスト制度に則り、適切に書類を運用すると
委託される産業廃棄物の種類や数量など、法律で定められ
ともに、帳簿管理や会計管理にも連動した独自の業務システ
た項目の他にも、セメント製品の品質管理のため、産業廃棄
ムを整備し、その管理の一層の徹底を行っています。
物の成分や性状などの受入れ基準についても、委託契約に
て明確化しています。
れている再生可能エネルギー関連制度への対応を進めています。
カーボンニュートラルな資源活用で国内林業の活性化へ
高知工場の火力発電設備では、地域の森林整備によって発生する間伐材や林地残材を木質バイオマス燃料として、主燃料である石炭の
一部に置き換えて利用しています。これは林業の担い手不足等から、人工林の整備が急務となっ
ている高知県から委託を受け、
『木質資源エネルギー活用プロジェクト』
として行っているものです。
事業紹介
事業紹介
処分業者名などが記載されており、処理が終了したのちに
また、バイオマス発電電力の外部供給にあたっては、国レベルでの制度構築が進めら
環境関連データ
環境関連データ
マニフェストには、産業廃棄物の名称、数量、運搬業者名、
従来より、赤穂、高知工場では、発電した電力の外部供給を行い、地域社会にお
再生可能エネルギーの活用
産業廃棄物の適正な処理を確保するため、
産業廃棄物管理票
ための仕組みです。
地域の電力供給にも貢献
特 集
特 集
当 社は、産 業 廃 棄 物だけでなく一 般 廃 棄 物についても、
マニフェストの 管 理
CSR推 進
CSR推 進
産業廃棄物 処 理 業 許 可
樹木は二酸化炭素を吸収して育つため、燃料として燃やしても、大気中の二酸化炭素を増加させま
せん。(カーボンニュートラル)この特性を活かし、この高知県のプロジェクトは 2008 年秋に国内
初のオフセット・クレジット
(J-VER)
プロジェクトとして環境省より正式に認証され、高知県にクレジッ
トが交付されました。
このプロジェクトは、森林整備の促進と国内林業の活性化に資する取り組みとして、全国の自治体
からいわゆる
『高知モデル』
として注目されています。
11
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
12
C S R ニュ ー ス
東日本大震災関連
NEWS
1
● 災 害 廃棄物処理への貢 献
当社では、東日本大震災被災地の復興のため、セメント
くずや、宮城県で発生した罹災米(津波を被った政府備蓄
産業の特性を生かして、災害廃棄物をセメント原燃料とし
米)
の処理を行いました。
コンクリート舗 装 の 普 及 拡 大に向けて
耐久性が高く、ライフサイクルコストに優れるコンクリート舗装への注目が高まっています。
水害を抑制し、良好な都市環境の再生を目指した環境型舗
などから、大半がアスファルト舗装となっており、コンクリー
装・工法を開発しています。
八戸セメントでは、八戸市内で発生した災害廃棄物の処
ト舗装は約 5%しかありません。しかし、近年では、耐久性
理を手掛けるとともに、2012 年 3 月1 日、岩手県、宮
に優れ、寿命が長いという特性や、その明色性からヒートア
城県及び八戸市との間で広域災害廃棄物の受入れ処理
イランドの抑制、自動車走行性能の改善による燃費向上など
に関する協定を締結しました。災害廃棄物を発生県以外
コンクリート舗装の優位性についての調査研究が進んでき
の施設で処理する広域処理として、セメント工場としては
ました。さらにアスファルト価格が高騰化しているのに対し
初めての取り組みとなりました。八戸セメントでは、今後
てコンクリート価格が安定していることにより、より注目が高
2 年間で約 39,000トンの処理を計画しています。
まってきています。
また栃木工場においても県内で発生した家屋廃材等の木
セメント業界では、コンクリート舗装が有する環境負荷低減
CSR推 進
CSR推 進
現在、国内の道路は、交通解放の早さや初期コストの優位性
て活用し、その処理の促進に貢献しています。
● 震 災がれき、再利用コンソーシアムへ の 参 加
特 集
特 集
効果について、さらに調査研究を進めるとともに、新たな施
工技術の開発も行っています。
住友大阪セメントにおいても、排水機能を有する透・排水性
舗装や、コンクリート舗装によるヒートアイランド抑制につい
うち「津波堆積土砂の有効活用」のテーマにおいて幹事
産業副産物のアロケーション最適化コンソーシアム」
(代
会社となっています。
表 : 東北大学大学院久田真教授)へ参画しました。コン
セメントメーカーとしての知見を活かし、被災地の復興を
ソーシアムでは、東日本大震災で発生した災害廃棄物の
阻む災害廃棄物の早期除去と有効活用のため、他産業や
再利用に関する技術提案を5 つの研究テーマに分かれ
研究機関と連携し研究を進めてまいります。
て研究開発を進めています。騒音や路面温度上昇、都市型
▶▶▶ 用語解説
透水性コンクリート舗装 : 透水性コンクリートはグリーン購入法『特定調達品
目』
として公共工事において指定されています。当社では、排水機能、吸音機
能に加えて路面温度上昇抑制機能を兼ね備えた舗装を開発しています。
て、それぞれに検討が進められています。当社ではこの
環境舗装 : 近年、夏季における都市部のヒートアイランド現象が問題になっ
ています。当社は道路舗装に着目し、
コンクリート舗装によるヒートアイランド抑
制について研究を進めています。
その中で、熱環境評価によるアスファルト舗
装との比較を行い、
コンクリート舗装の優位性を実証しています。
環境関連データ
環境関連データ
● 被 災 地支援 : 四倉工場跡 地を仮 設 住 宅 用 地として提 供
当社では、福島県からの要請を受け、被災地域の支援の
一環として、当社が福島県いわき市四倉町に所有する遊
NEWS
2
伊吹鉱山植生復元
休地を仮設住宅用地として 2011 年無償で提供いたし
ました。当該用地には、福島県によって仮設住宅が 280
なっており、広野町、川内村、いわき市四倉町の方々が入
居されています。
滋 賀 県 米 原 市 に 位 置 する当 社 伊 吹 鉱 山 で は、
事業紹介
事業紹介
戸建設されました。いわき市では最大の仮設住宅用地と
サイトレポート
サイトレポート
当社では、6 月に創設された産学連携組織「震災がれきと
1971 年から採掘跡地の緑化事業に取り組んでい
ます。これは国内の鉱山において企業自らが緑化
に取り組む先進的な事例であると言われています。
1972 年には滋賀県との間で鉱山の緑化を謳った
自然環境保護協定を締結しました。また、岐阜大
学農学部の協力のもと確立した原生生物移植法は
『伊吹方式』
と呼ばれています。
現在、緑化の開始から既に40 年以上が経過し、当
時植生した箇所には、草木が自生をはじめ、樹木と
呼べるまでに成長しているところもあります。伊吹
鉱山は霊峰としても名高い伊吹山の南西斜面を採
掘区域としています。地域にとっても心の拠所であ
り貴重な観光資源であるため、今後も計画的に緑
化を進め、地域環境との共生を図っていきます。
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SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
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特 集・❸
サ イトレ ポ ート
ツシマヤマネコの 棲む
森づくり
栃
現地からのメッセージ
Photo by Makoto Kawaguchi
対馬市島おこし協働隊
ると思われがちです。しかし実際は、
定
期的に伐採される若く明るい雑木林、
●生物多様性保全担当
木村 幹子
草地(畑)
や湿地(水田)
といった里山の
環境を餌場として利用しています。こ
うした人に恵みをもたらす豊かな森は、島の周りの海をも育
んでいます。森から流れてくる栄養分が、島の特産物である
ツシマヤマネコの棲みやすい環境づくりを目指して
のエサとなる水鳥やカエルが棲みやすい環境を整備してきました
が、今回の企画は「湿地とその脇を走る道路の間に地元で育った
に広葉樹林に戻す取り組み、湿地を残す取り組みなど、様々な
環境保全活動を行ってくださっています。このような取り組み
は、ヤマネコの餌場を創出するだけでなく、
「海の森」づくりに
もつながっています。対馬の
いくために、住民も一丸となっ
て、住友大阪セメントさんの取
り組みを応援していきたいと
思います。
活動トピック
募金型自動販売機を導入
社員が日常の消費活動を通じて
社会貢献活動に参加できる機
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
高炉セメント
ジェットセメント
固化材
珪石粉
現を目指し、循環型社会の要として各種産業、自治体から発生す
Message
る廃棄物や副産物を『セメントの原料・燃料』に積極的に活用して
おります。
2009 年 4 月には木質バイオマス発電設備(25,000KW)を稼
笹 の 一 種。 高 さ が 3m 以 上
働させるとともに、
「緑の再生プロジェクト(林野庁補助事業−森
壁を作ろう! 」というものでし
● 栃木工場長 大嶋 信太郎
た。ヤダケの壁によって湿地
栃木工場は、栃木県南部の佐野市(旧葛生町)に位置し、晴れた
林整備加速化・林業再生事業)」に参画し、間伐材の活用による地
球温暖化防止へのアプローチを始めました。この活動が評価さ
れ、栃木県知事から優れた取り組みを実施している事業所として、
が道路と分断され、湿地が人
日には富士山と東京スカイツリーが一望できる自然豊かな内陸工
2010 年の「マロニエ ECO 事業所 特別賞」に続き2011 年に
の目にさらされることなく、生物にとって集まりやすく棲みやすい
場であり、近くにセメントの主原料である自社石灰石鉱山(唐沢
は、栄えある
「最優秀賞」を頂きました。
環境になり、またヤマネコの交通事故防止にも役立つだろうとい
鉱山)を有する関東における生産拠点であります。操業は 1938
これらの取り組みにより、地場の企業としての地域雇用維持・環境
う狙いがあるのです。
年に溯り、地域とともに歩み、今年で 74 年を迎えます。
保全・経済活性化等の社会的役割を果たすとともに、工場見学、
当日の朝は、作業開始直前まで大雨
当工場は、
『地球環境を保全し、次世代への良い手本を残す』を
地域懇談会等を通して、多くのご意見を賜り、信頼される、頼られ
と強風で開催があやぶまれました
合言葉に『環境負荷の少ない、高度なリサイクルシステム』の実
る
『地域に根ざした工場』
を目指してまいります。
が多数の方に参加していただき、こ
の「舟志の森」の取組みが地域の皆
様に広く浸透し、支持されているこ
とを改めて感じました。今後はヤダケが成長し、生物たちにとって
さらに棲みやすい環境となることを願ってやみません。
活動トピック
ツシマヤマネコ保護ステッカー
を社有車両へ貼付
活動レポート
2011 年 11 月
マスコミ向け工場見学会実施
活動レポート
2011年12月 栃木県マロニエ
ECO事業所最優秀賞受賞
セメント協会主催のマスコミ向け
とちぎ環境県民大会において県
工場見学会がおこなわれ、新聞記
下80事業所の頂点である栃木県
者を中心に25名が来場されまし
「マロニエECO事業所最優秀賞」
た。当日は唐沢鉱山を含め工場の
を受賞しました。化石燃料削減や
事業紹介
事業紹介
森や海の恵みを後世に伝えて
239,623
見学、説明に加え、
セメント業界で
発電バイオマス比率アップなどに
ツシマヤマネコの絶滅原因の上位を占める交通事故を
PRに力を入れるコンクリート舗装
よるCO2削減に加え、夏場の電力
防ぐため、動物に配慮した優しい運転をドライバーに呼
施工箇所も見学いただきました。
び掛ける目的として、環境省・長崎県・対馬市により製作
バイオマス発電、鉱山など栃木工場の特色だけでなく、
たことが評価されました。今後も地球環境に配慮し地域
された「ツシマヤマネコ保護ステッカー」を営業車等の
業界全体のPRにも繋がったものと思います。
に根ざした事業所として、地球温暖化対策をはじめとし
●業務課 三宅 隆文
不足の際に工場外に電力を供給し
社有車両へ貼付しました。保護活動への理解を深めるだ
た環境対策に
けではなく、
社員の安全運転啓発に努めています。
取り組んでま
環境関連データ
環境関連データ
こでは、間伐や枝打ちなどの山の手入れのほか、人工林を徐々
90
敷地面積
(㎡)
サイトレポート
サイトレポート
中でも、ヤマネコの生息密度が最も高い地域の一つです。こ
生産能力
(万 t)
ヤダケ(常緑多年生の植物で
になる。)を植栽し、ヤダケの
人工林に変わっていきました。そして、木材の価格も低迷し、
住友大阪セメントさんの社有林が存在する舟志地区は、対馬の
栃木県佐野市
れました。
この湿地では、これまでに人工的にため池をつくるなど、ヤマネコ
ところが、薪や炭は石油に代わり、雑木林は次々と杉や檜の
も十分ではありません。
1938 年
(昭和 13 年)
所在地
地」
において舟志の森づくり推進委員会主催のもと
『舟志の森づ
まだ体の小さな稚魚たちも集まってきます。
ていたネズミなどの生き物も生息できず、落ち葉からの栄養
創業年
くりイベント 湿地回復!ヤマネコの暮らす森づくり♪』
が開催さ
ワビやサザエだけでなく、産卵にやってくる様々な魚たちや、
が広がっていったのです。このような森では、木の実を食べ
栃木工場
4月29日、
当社が無償提供している
「舟志の森」の一部である
「湿
「森」をつくるのです。海の森には、海藻を食べるウニやア
人工林の手入れも行き届かなくなり、下草も生えない暗い森
工場名
特 集
特 集
ヒジキ、カジメ、アオサなどの様々な種類の海草を育て、海に
場
CSR推 進
CSR推 進
名前から、山奥の原生林に生息してい
工
工場データ
住友大阪セメントは日本で最も絶滅が危惧される
「ツシマヤマネコ」の保護を目的とした森づくりをしています。
ツシマヤマネコは、
「ヤマネコ」という
木
●環境課 星野 春彦
いります。
会をつくるため、募金型の飲料
水自動販売機を設置しました。
購入金額の一部は募金として対
馬市に寄付し、ツシマヤマネコ
保護活動に役立てられます。
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SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
16
サ イトレ ポ ート
サ イトレ ポ ート
岐
阜
工
場
赤
穂
工場データ
工場データ
赤穂工場
創業年
1960 年(昭和 35 年)
創業年
1966 年
(昭和 41 年)
所在地
岐阜県本巣市
所在地
兵庫県赤穂市
生産能力(万 t)
160
生産能力
(万 t)
400
敷地面積(㎡)
124,630
敷地面積
(㎡)
624,472
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
中庸熱ポルトランドセメント
高炉セメント
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
中庸熱ポルトランドセメント
低熱ポルトランドセメント
高炉セメント
フライアッシュセメント
固化材
境保全活動に取り組んでいます。
くりと地球環境保全に貢献する」を基本理念にセメント生産活動
Message
を進めております。現在あるキルン2 基は廃熱発電設備を有し
家発電でまかなえるエネルギー効率の高い工場となっておりま
動脈産業では主に中京地区にセメントを供給しています。皆様が
す。リサイクル事業では兵庫県の外郭団体であるひょうご環境創
供給に努めています。静脈産業では廃棄物・副産物のリサイクル
● 赤穂工場長 中川 藤外志
造協会と協同で一般廃棄物の再資源化事業を進めており、燃料
系廃棄物・副産物の積極的な活用により、循環型社会の構築へ寄
赤穂工場は兵庫県西南端の赤穂市に位置し、瀬戸内海に面した
与するという重要な責務を担っております。事業の継続と発展に
工場西側に清流根尾川が流れ、南側には水田の広がる、豊かな自
は主に愛知県、岐阜県から搬入されており、中京地区の“ものづ
大規模臨海プラントです。
は地域の皆様のご理解が不可欠であり、今後も工場見学会・懇談
然に囲まれた工場です。6 月には工場脇の用水路にホタルが飛
くり”を動脈産業と静脈産業の両面から支え、循環型社会の要に
名水百選に選ばれた千種川が流れる豊かな自然環境の中にあり、
会を通じ地域の皆様との信頼関係を深め、地域社会・地域経済に
貢献できる工場を目指します。
サイトレポート
なっていると自負しています。
水資源・自然環境を守るべく「地球環境と企業活動の調和を図り、
これらの活動を円滑に進めるためにも地域の皆様や行政のご理
環境への付加の少ない生産・物流等の追求を通し、豊かな社会づ
このような立地にあって、当工場は下流域や用水の環境を守る重
解が不可欠です。工場見学や定期的な合同説明会などを通して
要な責務を担っていると考えています。またこの他にも地域環境
積極的な情報開示を進めています。
活動レポート
2012 年 7 月
石炭サイロ消火訓練実施
活動レポート
活動レポート
2012 年 5 月
石神自治会・子供会工場見学
2011 年 7 月
インターンシップ実習
活動レポート
2012 年 2 月
JICA 工場見学
赤穂工場では高等専門学校や工
開発途上国の社会・経済の開発を
業高校の夏休みを利用したイン
支援活動されているJICAの方々
工場近隣の石神自治会・子供会の
ターンシップに協力しています。
が「地方自治体における廃棄物処
小学生と保護者の方々が工場見
今回2名の学生を迎え、実習をし
理」研修の一環として来場されま
は地元の本巣消防事務組合北消
学に来場されました。工場の概要
ていただきました。はじめは工場
した。研修生はスリランカ、フィリ
防署にも出動いただき、シナリオ
や環境への取り組みを説明し、施
の規模・設備の大きさに非常に驚
無しでの放水訓練をおこないまし
設を見学していただきました。子
いていましたが、実習に積極的に
た。概ねスムーズに進みましたが、
出勤者の安否確認などの見直しが
●工務課 森本 一行
供たちは「ホタル」や「クリスマス」
のイルミネーションで見慣れたタ
●業務課 小澤 遊祐
必要なことも分かりました。今回の反省点を踏まえ、今
ワーに上って、岐阜、名古屋駅周辺の高層ビルの景色や
後も定期的な訓練を繰り返し実施します。また引き続き
近所の街並みを見てとても感激していました。
●業務課 清水 大輔
ピン、ブータン他の方々で非常に
明るい雰囲気の中、産業廃棄物や
●環境課 白井 誠
取り組む真剣な姿は良い刺激になりました。この経験が
一般ごみを利用処理するリサイクル施設、再資源化セン
参加された皆さんの将来の選択に生かしていただけれ
ターの見学をしていただきました。
ば幸いです。
※JICA・・・独立行政法人国際協力機構
事業紹介
事業紹介
石炭サイロの温度上昇を想定し
た消防訓練を実施しました。今回
環境関連データ
環境関連データ
び交うことから、ホタルの描かれたセメントサイロやホタルのイル
ミネーションのあるタワーが当工場のシンボルとなっています。
サイトレポート
原単位が業界トップクラスの工場となっています。廃棄物・副産物
岐阜工場は、岐阜市の西北 15km、濃尾平野の北端に位置し、
特 集
特 集
ており、火力の自家発電設備とあわせて工場内全ての電力を自
サイクル(静脈産業)の両面の社会的責務があります。当工場の
安心して快適な生活を送られるよう、セメントの品質維持と安定
CSR推 進
工場名
CSR推 進
岐阜工場
さて現在のセメント工場にはセメント供給(動脈産業)と廃棄物リ
● 岐阜工場長 青木 秀起
場
工場名
の保全を重要視し、地域の皆様に安心して頂けるよう、日々の環
Message
工
災害をおこさない操業に取り組んでまいります。
17
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
18
サ イトレ ポ ート
サ イトレ ポ ート
高
知
工
場
八 戸セメント㈱
工場データ
会社名
八戸セメント㈱
創業年
1961 年(昭和 36 年)
創業年
1921 年
(大正 10 年)
所在地
高知県須崎市
所在地
青森県八戸市
生産能力(万 t)
435
生産能力
(万 t)
150
敷地面積(㎡)
334,312
敷地面積
(㎡)
100,100
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
高炉セメント
固化材
生産品種
普通ポルトランドセメント
早強ポルトランドセメント
高炉セメント
フライアッシュセメント
なっております。
● 高知工場長 井上 慎一
Message
このような長きに渡り、操業を継続できていることは、ひとえに地
域の皆様や地元行政の厚いご支援とご理解の賜物と深謝申し上
推進しておりますが、高知工場においても環境に配慮した設備を
げる次第であります。引き続き、工場見学や地域の諸行事の場
導入し積極的に取り組んでいます。特に地域社会への貢献を目
を通じ積極的な情報開示を進め地域共生の充実ならびに信頼さ
指し高知県、須崎市と協力し間伐材を発電燃料の一部として有効
活用しております。
地域との交流としましては、地元の行事に積極的に参加する他、
● 八戸セメント㈱ 社長 青木 泰宏
れる企業づくりに努めます。
当社はこれからも、青森・岩手県境不法投棄廃棄物やリサイクル
当社は、青森県南東部の人口 24 万都市 八戸市に位置し、住友
原燃料の活用推進、加えて地元八戸市、岩手県・宮城県の自治体
した国内有数の臨海工場です。1961 年の操業開始以降、生産
工場見学会等を通じ、意見交換する場を設けております。当工場
大阪セメントグループの北の生産拠点として、東日本広域にセメ
から依頼のあった震災廃棄物も安全性が担保され地域住民のご
ラインを増強し、現在は 2 基の最新鋭キルンを備えエネルギー効
は、昨年 12 月に50 周年を迎えることが出来ましたが、ひとえに
ント製品を供給しております。
理解が得られるならばそのリサイクルにも最大限尽力いたしま
率の高い工場となっております。
地域の皆様の温かいご支援の賜物と深く感謝しております。次
遡ること90 余年前の 1921 年に、前身の日出セメント㈱として
す。もちろんインフラを支える安心できるセメント資材の供給に
また 2 基の石炭火力発電とセメント生産ラインに附設した排熱発
の 50 年に向けて、地域社会との共存共栄を図り、
『豊かな社会
操業を開始して以降、幾多の変遷を経て、1977 年に当時の住
努め、一日も早い復旧・復興に貢献してまいります。
の維持発展に貢献する』という当社の企業理念を具現化すべく取
供給事業も行っております。
り組んでまいります。
活動レポート
当工場は、立地を活かし、国内では大需要地の関東・中部地区を
活動レポート
2011 年 8 月 佐川町と大規模
災害時における防災協定を締結
活動レポート
2011 年 11 月
協働の森間伐体験
2011 年 7 月
多賀台小学校工場見学会開催
活動レポート
2012 年 2 月
八戸市グリーン電力証書購入
青森県主催の田子町および八戸
八戸市では下水処理施設の東部
市の小学生を対象におこなわれる
終末処理場に太陽光発電システ
ムや汚泥バイオガスエンジンを設
2007年から高知県が推進する
棄物処理問題について理解を深
置しており、
ここで発電した電力の
町の高知県高岡郡佐川町と南海
「環境先進企業との協働の森づく
めてもらう環境学習の見学会を開
「環境価値」を「八戸市グリーン電
地震等大規模災害時における当
り事業」について当社、高知県、須
催しました。今回、来場された皆さ
社鉱山跡地使用に関する協定を
崎市の3者間によるパートナーズ
まは震災廃棄物の処理にもとても
締結いたしました。この協定は同
協定を締結し、二酸化炭素の排出
関心を持たれており、見学後の質疑応答でも処理につい
町が阪神大震災・東日本大震災の
教訓を踏まえて、当社鉱山跡地を
●業務課 森 清ニ
削減につながる森林整備を推進
する活動を行っています。従業員
●業務課 井澤 大樹
震災で発生するがれき等の一時仮置き場として使用す
も参加する協働の森間伐作業体験は今回で5回目の開
るものです。今後も地震・津波対策等防災対策に協力し
催となりました。また、2012年4月にこれまでの5年間
てまいります。
●総務課 工藤 泰将
力証書」と称し、NPO法人を通じ
て販売しています。当社はNSPタ
●総務課 佐々木 義孝
ワーイルミネーションと県道沿いに設置したブルー防犯
ての質問が多く出ました。この見学会でセメント工場で
灯で使用する1年間の電力として5,000kwh分を購入
の産業廃棄物や震災廃棄物のリサイクルについて、
たく
しました。これからも環境にやさしい企業として取り組ん
さん学んでいただけたと思います。
でまいります。
事業紹介
事業紹介
県境における不法投棄の産業廃
高知工場が立地する須崎市の隣
環境関連データ
環境関連データ
電設備により工場の電力を100%賄い、また、IPPとして電力卸
サイトレポート
サイトレポート
高知工場は高知県のほぼ中央に位置し天然の良港、須崎港に面
友セメント㈱より分離独立し、今日に至っております。
特 集
特 集
セメント産業はリサイクル原燃料の活用による循環型社会構築を
CSR推 進
高知工場
CSR推 進
工場名
中心に出荷するとともに、当社工場で唯一、海外への輸出拠点と
Message
工場データ
に引き続きさらに
3年間の事業を継
続していくための
パートナーズ協定
を再締結しました。
19
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
●グリーン電力 : 太陽光や風力、
バイオマス等の自然エネルギーに
より発電される電力には発電時に二酸化炭素を排出しないことや
化石燃料の使用削減効果から電力そのものの価値のほかに「環境
価値」があると考えられ、
グリーン電力と呼ばれている。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
20
資料編
環境関連データ
廃棄物・副産物使用状況
2011 年度環境会計
2011 年度の廃棄物・副産物の使用量は524 万トンと昨年より微増、セメント生産数量
(クリンカ出荷含む)
は約 3%増となり、
2000 年度より、環境保全コストの把握を始めました。
セメント1トンあたりに使用した廃棄物・副産物の使用量は昨年・一昨年のレベルを維持しました。
なお、2011 年度実績は環境省環境会計ガイドライン
(2005 年版)
に準拠して把握しました。
2007
2008
2009
2010
2011
集計範囲:住友大阪セメント
(セメント4 工場、4 事業部、2 研究所、2 鉱山)
、八戸セメント、和歌山高炉セメント、秋芳鉱業、小倉鉱業、滋賀鉱産、イナサス、須崎鉱発、
位登産業、SNC、栗本コンクリート工業
対象期間:2011 年 4月1日〜 2012 年 3月31日
原料系産業廃棄物
2,948
2,981
2,440
2,569
2,690
環境保全コスト
燃料系産業廃棄物
365
359
321
354
380
2,573
2,479
2,256
2,257
2,168
5,886
5,819
5,017
5,180
5,238
12,296
11,685
9,732
9,939
10,245
原料系
240
255
251
259
263
燃料系
30
31
33
36
37
副産物
209
212
232
227
212
479
498
516
521
511
(単位:千トン/ 年)
年度
計
セメント生産数量
計
(kg/トン- セメント)
(千トン)
8,000
6,000
セメント1トンあたりの廃棄物・副産物使用原単位推移
■副産物 ■ 燃料系産業廃棄物 ■原料系産業廃棄物
5,886
事業エリア内コスト
(kg/トン)
600
■ 副産物 ■ 燃料系産業廃棄物 ■ 原料系産業廃棄物
479
5,819
5,017
5,180
5,238
498
516
521
511
400
計
1,097
1,461
2,559
環境汚染防止設備の維持管理および新設
738
155
893
地球環境保全
地球温暖化防止および省エネルギー
272
1
273
資源循環
廃棄物減量化およびリサイクル
87
1,305
1,392
環境物品などを提供するための追加コスト
0
0
0
環境管理活動コスト
環境負荷監視、環境マネジメントシステム維持 ・ 更新
2
142
144
研究開発コスト
環境保全に資する製品などの研究開発コスト
58
413
471
社会活動コスト
自然保護、緑化、美化、景観保持改善のためのコスト
0
3
3
環境損傷対応コスト
事業所自然修復コストおよび汚染負荷量賦課金など
0
84
84
0
10
10
1,157
2,113
3,270
2,000
0
0
2007
2008
2009
2010
2011 (年度)
2007
2008
2009
2010
2011 (年度)
効果の内容
公害防止
■廃棄物・副産物をセメント用 原 燃 料として使 用するにあたって
廃棄物・副産物の使用にあたっては、化学成分や溶出試験結果を
程に有害な作用をおよぼすことがないように取捨選択したり、使
用量を決めるなどの品質管理を徹底しています。
年度
鉛
2007
2008
2009
2010
2011
48
44
41
34
34
4
4
3
3
5
この結果、使用量が毎年増加しても、品質管理上問題はありま
カドミウム
せん。
総クロム
81
71
76
75
75
六価クロム
9.4
9.2
8.2
7.8
7.1
温暖化防止
排出量
2010 年度
2011 年度
NOx
11,100トン
11,200トン
SOx
1,030トン
1,210トン
134トン
139トン
3,188 千トン
3,230 千トン
1,290kg/トン
1,340kg/トン
化石エネルギー使用原単位
105kg/トン
105kg/トン
再資源化量
2,923 千トン
3,070 千トン
ばいじん
当社普通セメントの抜き取りサンプル中の微量成分 (単位:mg/kg)
チェックして、周辺環境や健康、そしてセメント品質および製造工
環境負荷指数
CO2 ※
鉱物資源使用原単位
事業紹介
事業紹介
●用語解説
(セメント協会資料より)
原料系産業廃棄物:建設発生土、汚泥
(上水、下水、建設)
、燃殻・ばいじん、スラッジ、瓦礫、廃酸、廃アルカリ、鉱さい、その他
燃料系産業廃棄物:廃プラスチック類、廃白土、廃油、廃タイヤ、木くず、その他
副産物:高炉スラグ、石炭灰、副産石膏、その他
社会全体の環境負荷低減による経済効果
■ 環境保全対策に関わる物量効果
環境関連データ
環境関連データ
上・下流コスト
合計
200
費用額
公害防止
その他コスト
4,000
投資額
サイトレポート
サイトレポート
廃棄物・副産物の使用量推移
主な取り組み内容およびその効果
特 集
特 集
原単位
分類
CSR推 進
CSR推 進
副産物
(百万円)
天然資源枯渇化防止
廃棄物の再資源化
※エネルギーの使用にともなって発生したCO2 排出量
21
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
22
資料編
環境関連データ
マテリアルバランス・エネルギーバランス
インプット
住友大阪セメント
エネルギー
原料
石炭
1,469 千トン
57 千トン
重油
4 千 kL
軽油
7 千 kL
廃棄物燃料
380 千トン
購入電力
261 千 MWh
材料
添加剤
3,250トン
火薬
1,702トン
耐火物
9,415トン
803トン
潤滑油・薬品類
136トン
石灰石
18,283 千トン
粘土類
2,416 千トン
珪石
627 千トン
石膏
40 千トン
非鉄鉱滓
資 源
軽油、火薬など
134 千トン
副産石膏
316 千トン
石炭灰
404 千トン
その他
624 千トン
セメント事業
セメント生産量
セメント工場
発 電
売電事業
石炭、用水、
薬品など
17 百万トン
10,245 千トン
※ cl' 輸出含む
SS※
用水
海水・河川水を含む
3,368 千トン
セ メ ント
石炭、石油コークス、
重油、購入電力、添加剤
など廃棄物・副産物
1,262 千トン
高炉・転炉スラグ
4,294 千トン
石灰石製品
※唐沢・岐阜・栃窪・伊吹・多賀・勝森・秋芳・小倉
鉱山の実績
鉱山
64 千トン
鋳物砂
骨材他
発電所
売電量
※サービスステーション
955 千 MWh
■ 環境負荷低減の状況(アウトプット)
住友大阪セメントグループのセメント工場は、2011 年度において 1,025 万トンのセメント、96 万 MWh の電力を生産しました。その
当社は、セメント生産プロセスにおける大気・水質への排出および廃棄物の排出、それぞれの状況を把握、分析し、より効果的な環
ために使用した原燃料は、1,600 万トンでした。なお、地方自治体や他産業の廃棄物・副産物も 524 万トン使用し、天然資源採取による
境負荷低減対策や省エネルギー対策の立案に役立て、さまざまな技術開発に取り組むだけでなく、廃棄物・副産物を積極的に活用
環境負荷を25%低減しました。
することにより地球環境への負荷低減を進めています(セメント工場、発電所の排ガス中の 1 年間の排出量をグラフ化しています)。
総原燃料投入量
20
17.9
原料=石灰石類、
粘土類、
珪石類、
鉄原料、
他、
石膏
(天然・化学)
燃料=石炭、
石炭コークス、
重油、
その他
17.0
15
14.9
15.5
16.0
セメント製造に関わるCO2 排出量
430
0
2007
2008
2009
2010
2011 (年度)
0
19
1990
67
2009
13
150
11
10
206
200
199
200
5
(トン/年)
200
442
428
418
ばいじん排出量
(千トン/年)
20
15
600
400
10
NOx ※ 1 排出量
(万トン)■セメント製造用化石燃料起源※ ■石灰石起源 ■自家発電用化石燃料起源
800
679
63
2010
(年度)
0
142
140
142
2007
2008
2009
2010
11
134
139
100
5
67
2011
10
11
50
2007
2008
2009
2010
2011 (年度)
0
2011 (年度)
事業紹介
事業紹介
※セメント製造用燃料起源には、購入した電力起源による排出量も含みます。
セメント製造に関わる総エネルギー消費量
(PJ=10 J)
50
39.9
40
※PJ
(ペタジュール)
15
38.1
31.7
30
31.4
32.3
費量とCO2排出量の報告を改訂。
●総エネルギー消費量は、セメント製造用、自家発電、購
入電力の合計。
20
●CO 2 排出量は、エネルギー起源と非エネルギー起源
10
0
●2008年度からセメント製造に関わる総エネルギー消
(石灰石起源)
の合計。
2007
2008
2009
2010
2011 (年度)
●用語解説
VOC 規制:VOCとは揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略
称です。常温常圧で空気中に容易に揮発する物質で、おもに人工的に合成された
ものを指します。地層の間に浸透して土壌 ・ 地下水を汚染したり、大気中に放出さ
れ、光化学オキシダントやSPM(浮遊粒子状物質)の発生に関与していると考えら
れています。2004 年の大気汚染防止法改正により、SPM、光化学オキシダント
の生成原因となるVOCの排出が規制されるようになりました。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
※ 1 NOx(ノックス)
:窒素酸化物のことで、自動車の排気ガスや工場設備などか
ら発生し、大気汚染、光化学スモッグの原因となる気体です。大気汚染防止法で、
設備の規模、種類ごとに排出基準が定められています。当社のセメント工場、発電
設備では、NOxの発生しにくい設備の導入や、尿素やアンモニアを用いてNOxを
分解する方法などで、NOxの排出を低減しています。
SOx ※ 2 排出量
ダイオキシン類※ 3 排出量
(トン/年)
1,600
(g-TEQ/年)
4.0
1,130
1,200
880
800
1,030
1,210
837
3.0
2.0
400
1.0
0
0
2007
2008
環境関連データ
環境関連データ
(百万トン)
25
サイトレポート
サイトレポート
■環境負荷低減の状況(インプット)
特 集
特 集
粉砕媒体・鋳鋼品
資源事業
CSR推 進
CSR推 進
天然資源と廃棄物副産物
石油コークス
23
アウトプット
2009
2010
2011 (年度)
● 用語解説
※2 SOx(ソックス)
:硫黄酸化物のことで、
石油など硫黄を含む物質の燃焼によっ
て生じ、自動車の排ガスや工場設備などから発生し、酸性雨など大気汚染の原因と
なる気体です。NOx 同様、法律で排出基準が定められています。セメント製造設
備は、硫黄分を吸着する性質を持つ「石灰石」を原料に使用するため、排ガスから
のSOx 排出量が非常に少ないという特長があります。
0.6
0.5
0.5
0.5
2007
2008
2009
2010
0.2
2011 (年度)
※3 ダイオキシン類 : 有機塩素化合物の一種で、法律ではPCDD、PCDF、
コプラナー
PCBをあわせて「ダイオキシン類」
と定義しています。PCDDは、ベトナム戦争で使われた枯
れ葉剤(2,4,5-T)
や、除草剤・防腐剤として使われるペンタクロロフェノールに不純物として
含まれていて問題となった物質です。ダイオキシン類にも、法に基づく排出基準があります。
セメント製造設備は、約1,450℃の高温で焼成すること、高性能な集じん装置を完備してい
ることなどにより、排ガス中のダイオキシン類濃度が非常に低いという特長があります。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
24
第三者意見
資源循環型社 会 の 旗 手としてのプライドを
真
●代表取締役
取締役執行役員副社長
とのご指摘もいただきました。その点につきましては、当社
知行
あることを、社会にいかに認知してもらうのかが課題である
の取り組みを広く知っていただくための方策を積極的に推進
してまいりたいと思います。
住友大阪セメントの CSRレポート2012に貴重なご意見を
また、従前からの廃棄物・副産物を受入処理するだけではな
頂き、ありがとうございました。久田教授は、東日本大震災
く、以前から課題とされている未利用資源についても、その
2011年3月11日に発生した東日本大震災という諸々
副産物のアロケーション最適化コンソーシアム(略称 :
で発生した災害廃棄物の処理に関する産学連携組織である
活用技術を早期に開発・実用化して、復興に貢献することも
の難局に我が国が直面してから1 年以上が経過した。
がれき処理コンソーシアム)」は、参画する大学、企業
「災害がれきと産業副産物のアロケーション最適化コンソー
重要であるとのご指摘もいただきました。このことは、これ
この間、東北地方をはじめとする被災地の復旧・復興に
が有する技術ノウハウをベースに、がれきの処分と有
シアム」の代表を務められ、当社も幹事会社として参画して
まで当社が培った処理技術等をベースとして、新たな資源循
関する数多くの議論がなされたが、それらの議論は未
効利用の観点から被災地のニーズに合った検討課題を
おります。今回、先生からは、東日本大震災後の復旧・復興
環の枠組みを構築し、いかに社会に貢献していくべきかとい
だに収束していないように見受けられる部分も多々あ
抽出し、この課題に応えられる技術を開発・実用化し、
に果たす企業の役割という視点で、ご評価いただきました。
うことが、当社に課せられた今後の大きな命題であることを
る。 特に、震災がれきの処理に関しては、先例となる
復興の迅速化に貢献することを目的とした組織である。
関東大震災、阪神大震災のような「埋立て」という解決
さらに、将来的には、本コンソーシアムで開発・事業化
ご意見の中では、当社が CSR 活動の基本方針として取り組
策を採用せず、今回は、莫大な費用をかけてでも、震
された諸技術は、震災の発生以前から東北地方が定常
んでまいりました「本業であるセメント産業の特性を活かした
当社グループは、今後も、引き続き技術の開発を進め、企業
災がれきを可能な限り有効活用に結び付けていこうと
的な課題となっていた未利用資源の活用技術として応
社会貢献」が、今まさに、重要な役割を果たす時期にあると
理念にもとづいて豊かな社会の維持発展に貢献する企業グ
する動きとなった。その結果として、被災地の復旧や
用し、東北地方における資源循環型社会の構築の拠点
の評価をいただきましたことにつきましては、大変心強く感
ループを目指すとともに、
ステークホルダーとのコミュニケー
復興が遅々として進まなくなったとするネガティブな考
形成の足掛かりとなることを目指している。本コンソー
じております。
ションを通じて、社会から信頼されうる企業グループとなるべ
え方もあろうが、がれき処理・有効活用に関するこのよ
シアムにおいて、同社は、津波堆積土砂の有効活用を
うな動向は、恐らく私たちが、1995 年の京都議定書
積極的に進めるための部会の幹事会社として甚大なる
を端緒とする3R(Reuse,Reduce,Recycle)を基本
貢献を果たしており、この点も、大いに評価できる点で
とした環境配慮型の時代へ突入し、資源循環社会の構
ある。
住友大阪セメントの WEB サイトのご紹介
セメント産業に対して、以前から非常に不思議に思って
● CSR サイト http://www.soc.co.jp/frame11.html
築へと向かっているとも考えられる。
いずれにせよ、がれき処分・有効利用をはじめとする被
いることがある。それは、アルミや鉄、プラスティック、
災地の復興は、やはり我が国の喫緊の課題と考えるべ
紙などがリサイクルされ、再び私たちの暮らしに役立て
きであろう。特に、がれきの処分・有効利用におけるセ
られていることは一般の人々が良く知っているのに、セ
メント産業への期待は極めて大きい。なぜならば、セメ
メント産業が資源循環型社会の形成に不可欠であり、
ントの製造時には、可燃混合物であるがれきの原燃料
重要な役割を担っていることは、多くの人々が知らない
としての利用が可能であるからである。製造されたセ
ということである。しかも、本レポートでも示されてい
メントの方も、コンクリートがれきを再びコンクリートと
る通り、セメントとして製造される前の原燃料となる産
するための結合材となり、津波堆積土砂に混合して地
業廃棄物は、化学的な成分がセメントのそれと近いも
盤改良するための固化材となり、がれき焼却灰などを
のであればセメントでなくても良いという点は、アルミ
固化して建設資材とするための基材となるなど、被災
や鉄などのリサイクルのメカニズムとは大きく異なる点
地の復旧・復興にセメント産業が果たせる役割は計り知
である。是非とも、PR 活動などを通じて、セメント業界
れないのである。住友大阪セメント株式会社は、関係
が生業としていることの正当性、社会的意義などを、広
会社である八戸セメントにおいて震災後初となる広域
く知ってもらえるように活動してもらいたいところであ
処理としてのがれきの受入れとともに、可燃がれきをセ
る。このような、他産業で排出される様々な産業廃棄
メントの原燃料として有効活用を開始した。この点は、
物ですら新たな有価物(セメント)となし得る点こそが、
企業 CSRとして特筆すべき活動の一つといって良い。
セメント産業が資源循環型社会の旗手としての役割を
十分に果たすものであり、住友大阪セメントにも、揺る
また、2012 年 6 月に創設された「震災がれきと産業
25
一方で、セメント産業が循環型社会構築の重要な担い手で
桂
●東北大学大学院
教授
久田
第 三 者 意 見を受けて
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
ぎないプライドを持って社会に貢献して欲しいと思う。
認識いたしました。
く努力してまいります。
住友大阪セメントの CSR 活動の内容をより深くご理解いただくためにサイトコンテンツの充実を図っています。ぜひご覧ください。
トップメッセージ
社長によるトップメッセージを
掲載しています。
特集
スペシャルコンテンツ
CSRレポートの特 集 記 事を
掲載しています。
ツシマヤマネコの保護活動に
ついて紹介しています。
社会との
コミュニケーション
循環型社会を目指して
社会とのコミュニケーションに
ついて説明しています。
循環型社会を目指した取り組
みを説明しています。
サイトレポート
環境報告
各サイトの活動報告を掲載し
ています。
環境に関する方針と活動報
告を掲載しています。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
26
事業紹介
住友大阪セメントの事業展開
セメント事業
さまざまな事業を通じて豊かな社会の維持発展に貢献しています。
住友大阪セメントでは、安定したセメント供給とともに、
コンクリート構造物の維持補修のためコンクリートリハビリテーション技術や製
品を提供し、
“社会インフラの整備”
を支えています。また、
セメント製造プロセスの特長を活かしたリサイクル事業の進展により、
“循環
型社会構築”
という新たな社会性を付与されています。また、
セメントの原料ともなる石灰石の採掘にあたっては、
“生物多様性”
にも配
慮した鉱山づくりを行っています。更には
“高度情報化社会に寄与”
するオプトエレクトロニクス技術や
“製品の高機能化に寄与”
するナ
セメント事業は 100 年以上の歴史を持つ当社のコアビジネスであり、様々なユーザーニーズに対応した高品質で高機能な各種セメント
を社会に提供しています。
セメントは、あらゆる構造物や建築物に使用される製品であり、私たちの生活の身近なところで活躍しています。当社は、全国 5カ所に
工場、70カ所にサービスステーションを配置し、製品を各地域に迅速に安定供給できる体制を整えています。
ノテクノロジー技術は、それぞれの関連する社会に対して、
その豊かさを創造すべく取り組んでいます。
高度情報化社会
製品の高機能化
オプトエレクトロニクス技術開発
ナノテクノロジー技術開発
Theme Ⅱ
生物多様性
循環型社会
サービスステーション
トピックス
セメントタンカーへの積み込み
高機能セメント・コンクリートの開発
当社では、セメントメーカーとしての技術的知見を活かし、コンクリートという社会基盤整備には欠かせない建築材料に高強度、
高耐久、環境配慮などといった現代の社会的要請に応じた付加価値を加えることで、安全かつ豊かな生活の創造に寄与すべく研
資源
3 高強度コンクリート
セメント工場
●一般家庭
RDFごみ
固形化燃料
設計強度 200 ニュートン(普通コンクリートの 6 倍の強度)の
●他産業・自治体
焼却灰、
下水汚泥、
浄水汚泥
を実現できます。
造で実現でき、耐久性に優れ、自由度の高い居住空間の確保
4ひび割れ低減コンクリート「クラフリート」
コンクリートが硬化する過程で生じる収縮ひび割れを大幅に
リサイクル事業の進展
Theme Ⅰ
高強度コンクリートを開発。超高層建築を鉄筋コンクリート
社会インフラ整備
超高強度コンクリートを使用したマンション
抑えるコンクリートです。構造物の耐久性向上に寄与します。
1セメント系固化材
5 環境配慮型ポーラスコンクリート
セメントをベースとした材料で、軟弱な土をより効率的に固め
河川護岸材料として、強度を保ちかつ多様な植物・水生生物・
るため有効成分を添加しています。地盤の支持力向上の他
土壌生物などの生息を可能とする環境配慮型ポーラスコンク
に耐震補強 ・ 液状化対策等にも使用され、その用途が拡大し
リートの開発を行っています。
事業紹介
事業紹介
●製鉄所
高炉スラグ
●石炭火力発電所
石炭灰、
排脱せっこう
●その他産業
廃プラスチック、
廃タイヤ、
汚泥、
廃油、
建設発生土、
木くずなど
自然環境に配慮した鉱山開発
究開発を進めています。
社会
環境関連データ
環境関連データ
発電所
サイトレポート
サイトレポート
Theme Ⅲ
特 集
特 集
Theme Ⅴ
CSR推 進
CSR推 進
Theme Ⅳ
ています。
安定したセメント供給
高機能コンクリート研究開発
コンクリートリハビリテーション技術開発
2マジカルフィックス(固化不溶化材)
6マジカルファイン(床下調湿材)
土壌汚染対策法の改正(2010.4)に伴い、汚染土壌対策
優れた湿度調整能力をもつ無機系多孔質材料で、空気が循
ニーズが拡大しており、重金属など有害物質の溶出低減、長
環しにくく、結露が発生しやすい床下環境を改善して、快適な
期安定化のための材料開発を行っています。この材料は、
住環境を提供します。
特に鉛、砒素、フッ素などの固定に高い効果を発揮します。
27
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
28
事業紹介
鉱産品事業
光電子事業
国内で唯一自給できる資源と呼ばれる、石灰石は工業用原料として実に多彩
スマートフォンやクラウド・コンピューティングの普及による通信容量増大に対応するため、コヒーレ
な用途を持っています。鉱山を開発することによって採掘された石灰石は、セ
ント伝送方式を始め、大容量システムの導入が拡大しており、更なる高速化・大容量化に向けた技
メント、鉄鋼、化学、生コンクリートなどの用途に応じ、徹底した品質管理のも
術開発も盛んに行われています。
と最適に破砕、選別され工業用原料として国内外で幅広く使われています。
住友大阪セメントの光電子事業では、光通信機器を開発・販売し、光通信システムを支えています。
住友大阪セメントでは、計画的な鉱山開発によって、貴重な天然資源の有効
主力商品であるLN 変調器は、電気 / 光変換部で使用されるデバイスです。音声や画像、動画な
活用を図るとともに、無人ダンプトラックや、IT 技術を駆使した鉱山操業シス
どの情報を電気信号から光信号に変換し、光ファイバーケーブルを使用して伝送する、光通信シス
テムの構築など、最先端の技術で効率的な生産性を追及しています。一方、
テムのなかでは心臓部と言える箇所で使用されるキーデバイスです。長距離の伝送であっても、
周辺環境に配慮し、騒音や粉じんといった環境負荷の低減にも注力するととも
ています。
新材料事業
秋芳鉱山
トピックス
高品質な信号を送信できるため、主として陸上幹線や、海底ケーブルなどの長距離伝送用に使用
されています。また、通信業界で培った光技術を非通信分野での展開も行っています。
LN 変調器
三菱マテリアル株式会社との
石灰石鉱山共同採掘事業開始
粒子は細かくすればするほど意外な性質が現れることに着目し、
『ナノ』レベルの粒子技術から、多
彩な素材を生み出しているのが、新材料事業です。
2012 年 7 月より、小倉鉱山(福岡県北九州市)では、石灰石資源の有効活用を図る
防止、帯電防止、電磁波シールド、導電、抗菌、防臭など様々な機能を発揮。それらはディスプレイ、
化粧品、衛生陶器といった生活に身近な製品にも使用され、それぞれの製品の高機能化、高付加
り残される石灰石資源約 3 億トンが採掘可能になるとともに、小倉鉱山から赤穂工場、
価値化に寄与し、より便利な生活環境の創造にも寄与しています。
高知工場へセメント原料用石灰石の供給が可能となりました。
星形ナノ粒子
(酸化チタン)
当社はリチウムイオン電池用正極材料としてリン酸鉄リチウムの開発・量産化を進めています。そ
の優れた安全性と電池特性、品質管理体制が評価され、2010 年 4 月からエリーパワー株式会社
の電力貯蔵用大型リチウムイオン電池で採用され、業務用、家庭用の蓄電装置として商品化され
建材事業
ています。
コンクリート構造物において近年クローズアップされているのが、経年劣化の
トンレベルの量産体制を構築する予定です。また、2011 年 6 月には、リン酸鉄リチウムを全世
問題。海岸沿いでは塩害、寒冷地では凍害など、構造物の位置する周辺環境
界で製造販売できるグローバル特許も取得しました。競争力の高い体制を整え、リチウムイオン
からくる特有の劣化要因も指摘されています。
電池正極材料事業の事業拡大を推進していきます。
リン酸鉄リチウム
既存社会資本の高齢化が進む現状において、既設のインフラの維持管理のた
め、コンクリートリハビリテーション技術による、コンクリート構造物の補修・補
住友大阪セメントではさまざまな劣化の要因に合わせた構造物の補修・補強材
料をラインナップするとともに、その工法なども含めて技術開発を推進、イン
フラの予防保全、補修、補強に貢献しています。
橋梁補修工事
ナノ粒子が創る豊かな社会
事業紹介
事業紹介
います。
トピックス
環境関連データ
環境関連データ
さらに、当社では、ベトナム北部の工業団地に新工場建設を進めており、2013 年には年産 2,000
サイトレポート
サイトレポート
二次電池材料事業
小倉鉱山
強は、ライフサイクルコストの低減という観点からも社会的に重要性を増して
「ナノ」というのは 10 億分の 1を表します。ナノテクノロジーをうまく使えば、今まで
には考えられなかった新商品や医学の発展につながるとして世界中で研究開発が進
められています。
当社は独自のナノ粒子製造技術を基盤として、それを分散し塗料にする技術、さらに
塗布、印刷する技術、焼結しセラミックスにする技術など、様々な派生技術をあわせ
静電チャック
持ち、新たな商品の開発につなげてきました。
復旧レスキュープロジェクト
ナノ粒子製造技術
当社建材事業部では、長年培ったコンクリートリハビリテーション技術を活かして、東日本大震災
機能性材料
(二次電池材料、紫外線遮蔽材料)
で傷ついた社会資本の復旧・復興にいち早く寄与すべく、
2011 年 4 月に
『復旧レスキュープロジェ
クト』
を立ち上げました。
分散技術
機能性塗料
(LCD塗料、LED封止塗料)
塗布技術
焼結技術
高機能フィルム
(熱線遮蔽フィルム、
PDP前面板用フィルム)
高機能セラミックス
(半導体製造装置用)
2012 年 3 月には、液状化や地盤沈下の影響によって道路などの舗装下に発生した空洞を充填す
なかでも半導体製造装置メーカー向けに出荷実績を重ねるセラミックス製品である静電チャックは新材料事業の主力商品となっ
る材料『フィルコンライトAll in One』を上市。業界初のプレミクスタイプのエアモルタルとして、
ています。主として、半導体基板表面を回路パターンにそって加工するエッチングプロセス装置等で使用され、シリコンウエハ基
小規模な空洞にも対応できること、早期の交通開放が可能であることなどの特徴を有し注目を集
板を静電気力により吸着し、固定するという重要な機能を持つ部品です。今や、電子機器には欠かせない半導体の製造品質を確
めています。当社では、幅広い営業活動を展開し、被災地の復旧に寄与していく構えです。
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特 集
特 集
独自の技術で開発したタバコの煙の粒子よりも細かいナノ粒子は、紫外線カット、熱線カット、反射
ため、隣接する三菱マテリアル東谷鉱山と共同採掘を開始しました。単独採掘では取
トピックス
CSR推 進
CSR推 進
に、自然環境と調和した鉱山開発の一環として、鉱山の緑化も積極的に進め
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
復旧レスキュー特設サイト
保する上で欠かせない部品となっています。
SUMITOMO OSAKA CEMENT CSR Report 2012
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住友大阪セメントはツシマヤマネコ保護活動を応援しています。
(活動報告は P15をご参照ください)
Photo by Makoto Kawaguchi
長崎県対馬だけに生息する「ツシマヤマネコ」は、現在、その生息数がわずか
80〜110匹と推定され、絶滅が危惧されています。
住友大阪セメントでは、
日本で最も絶滅が危惧されるツシマヤマネコの保護を
目的とした森づくりのため、平成19年2月より長崎県対馬市舟志地区に所有
する森林約16ヘクタールを無償で提供し、
ツシマヤマネコの保護活動に取り
組んでいます。
写真:長崎県対馬市
リアス式海岸・浅茅湾
(あそうわん)
の雄大な景観
2012年10月発行
このレポートはFSC®認証紙および植物油インキを使用して印刷しています。
また、
印刷・製本工程で使用した電力量
(100kWh)
は、
グリーン電力でまかなわれています。
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