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キム・ギョ・ジョン教授 [PDF形式:24KB]
パネルディスカッション II:ICT と女性の地位向上・エンパワーメント キム・ギョ・ジョン アジア太平洋女性情報ネットワークセンター所長 韓国淑明女子大学教授 韓国淑明女子大学でコンピューターサイエンス学部教授( 1986.3 ∼ 1999.2) 、マルチメディアサイエンス学部教授(1999.3∼) 、アジア太平洋 女性情報ネットワークセンター(APWINC)所長(1997.8∼)を務める。 女性の情報化を支援する Web 情報サービスシステム構築に関するナショナルプロジェクトの 指揮(1998.11∼2002.2)や、ESCAP 支援によるアジア太平洋女性電子ネットワークトレーニ ングプロジェクト、UNESCO 支援によるオンライン学習センタープロジェクトにおいて中心 となって調査を行う。また、ジェンダーの視点に基づく多数の能力開発プロジェクトを行い、 インターネット・ソリューション専門家、e ビジネス専門家、Web マルチメディア専門家を養 成している。現在は女性省の研究プロジェクト「IT 能力開発による APEC における女性の経 済活動の推進:IT 開発による経済活動とビジネスの転換」を実施中。 国際 e ビジネスフォーラム(2000.5∼2001.12) 、ディジタルメディア・フォーラム(2002.3 ∼)のコーディネーターや、科学技術によるアジア太平洋地域の男女平等に関する地域諮問グ ループ(APGEST)のメンバーとしても活躍。 韓国延世大学校で化学の学士号を取得(1971) 、米国クラークソン大学でコンピューターサイ エンスの修士号、博士号を取得(1983、1991) 。 ナリッジベースシステムに関する 50 以上の技術論文、30 余りのジェンダーと ICT 関連の論文 を執筆、 「APWIN ジャーナル」の編集長も務める。 デジタルエコノミーに向けた女性の知的装備と ICT 能力の構築、 ジェンダーを意識した ICT 政策 情報通信技術(ICT)は、経済成長に不可欠であるのみならず、階級や人種、ジェンダー間 の平等を推進するうえで欠かせない手段である。ICT は、社会・経済面の格差を縮め、持続可 能な富を創出する絶好の機会を与えてくれる。ジェンダーを意識した ICT 政策を立案するとと もに、女性の ICT 能力を構築することは、女性が経済力を得るための最も効率的な手段である。 情報化とは、ICT を活用して情報と知識を利用・交換・生産することを意味する。今日は、 インターネット利用者の統計や、女性の情報化に関する指標について論じる。また、女性の情 報化に関する活動としては、WENT(アジア太平洋女性電子ネットワークトレーニング)や OLC(オンライン学習センター)など APWINC が行なっているものや、韓国政府による試み があるが、そこから得られた教訓も紹介する。韓国におけるジェンダーを意識した ICT 政策と その効果についても説明する。また女性の情報化を推進する事業の多くは、政府および女性団 体が着手している点を考慮しつつ、ICT 能力の構築機会を作りだすことで、デジタルエコノミ ーへの女性の参加を促す戦略についても述べる。 APWINC(http://apwin.sookmyung.ac.kr)は、アジア太平洋地域、とくに韓国と北朝鮮に おける女性の情報化と、女性関連の通信技術を推進することをめざして、1996 年 11 月に淑明 女子大学に設立された。APWINC は、普及、専門化、グローバル化という 3 つのレベルで、 ICT 教育トレーニングを推進している。 「普及」とは関係団体によるコンピュータの基本技能 の普及活動であり、 「専門化」とは ICT スキルにおける専門知識の開発を指す。また「グロー バル化」とは、WENT などのトレーニング・ワークショップを通じた国際・地域ネットワー ク作りや、国際 e ビジネスフォーラム、デジタルメディア・フォーラムなどの各種シンポジウ ムやフォーラムの開催である。また APWINC では、ジェンダーと ICT に関する情報サービス をウェブ上で展開するとともに、このテーマでの研究も行なっており、現在は「アジア太平洋 地域における女性の情報化と開発指標の調査」 「経済関連 IT をはじめとする、APEC 地域にお ける女性の能力構築」といったテーマで研究を行なっている。さらにジェンダーと ICT に関す る APWIN ジャーナルを年 1 回刊行するとともに、関連 CD も制作している。