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ニカラグア通信
☆青 年 海 外 協 力 隊 ニカラグア通 信 No56☆ 2013 年 3 月 31 日 発 行 者 夏 目 佳 代 子 ☆いよいよ日本へ 3 月 18 日、いよいよ日本に経つ日がやってきました。アウラがヌエバギネア から 6 時間夜行バスに乗って空港まで見送りに来てくれて、感謝、感激、涙涙。 カウンターパートである彼女とは、活動する上で意見が合わなかったり、延々 待たされたり、 「はぁ 」も「もぅ !」もたくさんありました。市役所の職員 でもあった彼女は会議や出張も多く、一緒に活動することが難しい時もありま したが、カウンターパートと一緒にということを大切にしたいという思いを理解してくれました。彼 女でなかったら、アートマイルと工作の本作りを最後まで一緒に行なうことができなかったと思いま す。活動以外でも、家族のお祝いごとなどいつも呼んでくれ、家族のみんなも私を家族として受け入 れてくれました。「出会えてよかった。いい時もそうでない時も一緒にいてくれてありがとう。」と言 ってくれたアウラ、私もそう思います。公私ともに一緒にいた時間が一番 長かった彼女は、これからもずっとつながっていたい大切な人です。 飛行機はアメリカのヒューストンまで 4 時間。一泊して成田まで 14 時間。 長かった・・地球はやっぱり大きいです。久しぶりの日本は春のにおい。 帰国オリエンテーションと健康診断のために滞在した東京では、桜が満開 になりました。今まで日常だった日本の生活やものに対して、新しい発見 や 驚 き 、 ち ょ っ と し た 違 和 感 が 日 々 あ り ま す 。 ざ っ と あ げ て み る と ・ ・ ☆マサヤ火山 またね 東京は人が多い!みんな歩くのが速い!(ヌエバギネアでは、 「カヨコは歩くの ☆ が 速 く て 一 緒 に 歩 く と 疲 れ る 。」 と 言 わ れ た く ら い で し た が ・ ・ ) 電 車 が 時 間 ぴ っ た り に 、 し か も 5 分おきくらいに来る!トイレに紙を流していいんだ !物も情報もあふれてるな 。自動販売機に自 動改札、自動のものがいっぱい!電車の中でみんな携帯電話に向かってる・・そしてスマホだ。静か だな でもアナウンスが自動でこんなに流れるんだ 。どこも明るい!ごはんは何でもおいしい!盛 りつけも美しいし、いろんな食感があるな。子どもが少ないな いな 。どこでもサービスが丁寧で速いな 。鳥や犬、ニワトリの鳴き声がしな 。車のハンドルは右だった!道にごみは落ちてないけど どこまでもアスファルトだ・・。いつ誰がここまで作ったんだろう??などなど。地元の恵那は冬に逆 戻りで、毎日寒さで目が覚めます。でも、日に日に春になっていくのが感じられ、四季や旬があるっ てすばらしいなと思います。久しぶりに会った家族や友だち、職場の先生方は、 「おかえり」と迎えて くれました。スペイン語で「ただいま」 「おかえり」にぴったりの言葉はありません。心が温まるステ キな言葉だなと改めて感じ、またそう言って下さる人たちがいることに感謝の気持ちでいっぱいです。 ニカラグアで過ごした 2 年間を一言で言い表そうとしてもうまくまとまりません。 「 青少年の家の活 動を活性化、向上させることにより、地域青少年のモチベーションを向上させる。」という活動目標の 元活動してきましたが、配属先や任地の人の協力あってこそ進められたことばかりで、自分が何かで きたこと以上に、助けられ、学ばされた 2 年間だったなと思います。言葉や文化、価値観の違いもあ り、悲しくなったり怒れたりすることもたくさんありましたが、分かり合える部分も増え、何か一緒 に達成できたときはとても嬉しかったです。日本とニカラグア、それぞれ先進国、途上国と呼ばれて いるけれど、変わらない部分もたくさんあります。特に、相手を思う気持ちや笑顔は国が違っても伝 わるんだなと感じました。日本と異なる環境で人々と共にした時間は、自分の視野や価値観も広げて くれました。応募する時に地図で調べたくらい、全然知らなかったニカラグア、今は第 2 の母国のよ うで、ニカラグアのことを話し出したら 1 日では足りないほどです。日本に帰って来た今、今まで一 緒に生活し、同じ時間を過ごしていたヌエバギネアの人たちと違う時間が流れているのが不思議な気 がします。「いつも心にいるよ。」と言ってくれたように、住む場所は違っても彼らとのつながりはこ れからもずっと大切にしたいです。またいつか行ける日を楽しみに、これからは日本の学校や地域で、 これまでの経験やニカラグアのことを伝えたり、世界のことを一緒に考えたりしたいと思います。 ☆アートマイル日本に到着! 2 月に完成し、日本に送り返した壁画が無事、福寿小に到着しまし た。壁画のタイトルは「Ourprecioscultureandfriendship(私た ちの大切な文化と絆)」です。「国の文化は違っても、それぞれが特別 なもの。そして共通しているものもある。日本とニカラグアは遠く離 れているけれど、絆はつながっている。」というメッセージが込められ ています。福寿小でのお披露目式では、高橋尚子さんがビデオメッセー ☆届いた壁画と福寿小の子どもたち ジを送って下さいました!今後はジャパンアートマイルが壁画を保管し、国内・海外で展覧して下さ います。ヌエバギネアと福寿小の子どもたちのつながりが、また多くの人に届くといいなと思います。 ☆ニカラグアのごはん その17 トルティーヤ 続編 通信 52 号では、とうもろこしを使ったトルティーヤについてお伝えしました。トルティーヤだけで なく、トルティーヤや、その生地を使った食べ物もたくさんあります。 <タコ(複数はタコス)> <エンチラーダ> <レポチェタ> <チラキレス> トルティーヤの生地 トルティーヤの生地に トルティーヤの生地を トルティーヤの生地を に、細かくほぐした鶏 ちょっと味をつけ、中 丸く伸ばして揚げ、上 丸く伸ばして揚げ、上 肉や牛肉と野菜を炒め にごはんと肉を炒めた につぶした豆やキャベ に鶏肉をほぐして味付 たものをのせてくるく ものを入れて半月型に ツの千切りなどをのせ けをしたものをのせた る巻いて揚げたもの して揚げたもの たもの もの これらは、ごはんというより軽食という感じです。時々行っていたのは 私の家の 2 軒隣のグラディスのお店。彼女はソーラン節を一緒に踊ったルイ サ、ブライアン、カティのおばさんで、ルイサのお母さんたち姉妹みんなで お店をやっています。メニューはタコ、エンチラーダ、レポチェタ、鶏肉を 揚げたものとタハーダ、ニカラグアチーズを揚げたものとタハーダ、そして ジュースが日替わりで 3 種類ほど。メニューはそれだけですがいつも多くの 人でにぎわっています。私がよく食べたのはやっぱりタハーダ!日本にはタ ハーダがないんだと話をしていたら、帰国の時にスーパーのビニール袋にいっぱいいただきました。 ←こちらはケシージョ。トルティーヤに、スライス状の裂けるチ ーズ(これもケシージョという名前です。)とタマネギを刻んで酢 漬けにしたものをのせて巻いたものです。マナグアまでの長い長 いバス移動の途中、バスの中がにぎやかになる町があります。そ こはケシージョで有名で、バスが停まるとケシージョが入った鍋 を持ったおばちゃんたちが「ケシージョケシージョ !!」と言 って乗り込んで来ます。注文すると手早くケシージョを作って袋に入れて渡してく れます。バスの外にもおばちゃんたちがいて、バスが停車の間ケシージョ合戦です。 とうもろこしを使った飲み物もたくさんあります。チチャは、とうもろこしを水 につけてふやかした後挽いて、水を加えて火にかけ、固くなるまで煮つめます。木いちごのシロップ でピンクの色をつけ、水を加えて飲みます。ポソルはとうもろこしをシナモンと一緒に煮た後、冷ま して挽き、砂糖と水か牛乳を加えます。ピノルはとうもろこしを煎り、シナモン、クローブ、こしょ うを加えて一緒に挽いて粉にし、砂糖と水を加えます。ピノルにカカオが加わったのがピノリオ、ピ ノリオにトルティーヤをちぎって一緒に挽いたのがティステです。たくさんありすぎて違いがよく分 からなかったのですが、ようやく言えるようになりました。同じとうもろこしを使っても、作る過程 が違うと味も変わってきます。乾燥とうもろこしは、1 リブラ(約 450g)20 円ほどで、お米の 3 分の 1 の値段です。この 2 年間食べたのは、お米よりとうもろこしの量の方が圧倒的に多かったな 。