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居住行動分析

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居住行動分析
1.住宅・土地統計
居住行動分析
http://www.stat.go.jp/data/index.htm(総務省統計局関連)ダウンロード可能
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/index.html (国土交通省関連)ダウンロード可能
<住宅関係>
◎国勢調査(総務省統計局統計調査部国勢統計課)
5年毎(西暦5n);1920年~;悉皆調査;人口の年齢別職業別構成や
世帯
住居種類,所有関係,入居時期,世帯当り居住室数,居住面積など
◎住宅・土地統計調査(総務省統計局統計調査部国勢統計課、旧称:住宅統計
調査)
5年毎(西暦5n+3);1948年~;抽出調査;住宅・世帯の居住状況
住宅・世帯総数,住宅種類,建て方,構造,階数,建築時期,住宅規
模,腐朽
破損,設備,居住密度,居住形態,世帯主の通勤時間,住居移動,
家賃
◎住宅着工統計調査(国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統計課 )
毎月;1950年~;住宅着工動態(建築着工統計の一部)
◎住生活総合調査(平成20年より改称、旧称:住宅需要実態調査)(国土
交通省住宅局住宅政策課)
5年毎(西暦5n+3);1960年~;抽出調査;
普通世帯の住宅への感じ方,住宅改善計画の有無,住み替えの実態
・都市再生機構の調査
機構住宅入居者調査,機構賃貸住宅退去者調査,機構住宅居住者定期調査
・住宅金融支援機構の調査
一般個人住宅建設資金利用者調査,高層住宅購入資金利用者調査,既存住
宅購入資金利用者調査,公的分譲住宅購入資金利用者調査,民間分譲
住宅購入資金利用者調査,民間賃貸住宅住宅調査,分譲住宅応募状況
及び譲渡価額の調査,一般賃貸住居入居者調査,財形住宅資金利用者
調査,民間住宅ローンに関するアンケート調査,住宅金融量調査
・家計調査(総務省統計局統計調査部消費統計課 )
・全国消費実態調査(総務省統計局統計調査部消費統計課 )
・消費者物価指数(CPI)(総務省統計局統計調査部消費統計課 )
・小売物価統計調査(総務省統計局統計調査部消費統計課 )
<土地関係>
http://tochi.mlit.go.jp/(土地総合情報ライブラリー)参照
・住宅用地完成面積調査(国土交通省総合政策局情報管理部建設調査統
計課)
毎年;1969年~;地域別の住宅用地の年間供給量
・土地保有移動調査(国土交通省土地・水資源局土地情報課)
毎年;1970年~;土地取引の売主,買主の属性,保有期間,価格,取引
目的
◎地価公示(国土交通省土地・水資源局地価調査課)
毎年;1970年1月~;4大都市圏のみ;標準地の正常な地価
・固定資産の価格等の概要調書(総務省自治財務局固定資産税課)
毎年;地積や平均価格
◎全国市街地価格指数(日本不動産研究所)
半年毎;1936年~;市街地価格の推移指数
<建築関係>
◎建築着工統計調査(国土交通省総合政策局情報管理部建設
調査統計課)
毎月;1950年3月~;建物の着工動態
・建築物滅失統計調査(建設省総合政策局情報管理部建設調査
統計課)
毎月;1950年3月~;建築物の滅失動態(除去と災害)
・標準建築費指数(建設工業経営研究会)
毎月;1952年~;基準を5年毎に変更;
標準的設計施工のもとでの積算価額の時系列変動
・主要建設資材需給・価格動向調査(国土交通省総合政策局建
設振興課 )
毎月;1975年5月~;主要建設資材の需給および価格
<土地利用関係>
◎細密数値情報(国土地理院)←宅地利用動向調査
10mメッシュサンプリング調査(大都市圏)
1974~1994年:5年ごと(首都圏)
→2000年数値地図5000(土地利用)東京都抜け!
◎数値地図(国土地理院)
2500(空間データ基盤)、25000(空間データ基盤)、5万、20万、5mメッ
シュ(標高)など
◎東京都土地利用現況調査(東京都都市計画局都市づくり政策部土
地利用計画課)
25mメッシュサンプリング調査
1986年~おおむね5年ごと、最新の都区部は平成23年
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/seisaku/tochi_c/index.html
1
H23土地利用
現況調査より
H18年度土
地利用現況
調査より
住宅事情
三井不動産(2012)
『不動産関連統計集(第34集)』より
地価公示
土地評価制度一覧
2
所有関係別住宅数割合
居住水準
居住水準別世帯数
3
利用関係別着工戸数
利用関係別一戸あたり平均床面積
一戸あたり平均住宅面積・延床面積
マンションの築年数別ストック
賃貸マンションの家賃相場
4
戸あたり床面積国際比較
規模別借家数分布
一人あたり住宅床面積
5
2.人口・世帯予測
予測:将来の状態を推測する
1)人は毎年1年老いる
2)高齢になるほど1年に死亡する確率が高い
3)人は適齢期に結婚をする
4)結婚してから2年以内に子供が生まれることが多い
5)夫婦にだいたい2人の子供が生まれる
6)大都市に人口が移動する
→依拠できる安定的な傾向に着目してモデル化
ライフサイクルマトリックス(LCM)方式
LCM法は広域における住宅需要予測などを行うための基
礎的手法
LCM方式の予測の流れ
(1)コーホート分析 → 年齢別人口分布の予測
(2)世帯主率法
→ 年齢別主世帯数の予測
(3)年齢別人員数比 → 年齢別人員数別世帯数の予測
(4)LCM別住宅所有関係比 → LCM別住宅所有関係の予測
住宅所有関係:持家,給与住宅,公共借家(公団,公営),
民営借家(設備専用)(非木造,木造),民営借家(設備共用)
=予測モデル
コーホートモデル
H:5歳階級別の階級の集合
pM=(phM:h∈H):phMは階級hの男子人口
pF=(phF:h∈H):phFは階級hの女子人口
bM=(bhM:h∈H):階級hの女子が5年間に男児を出産した数の平均
bF=(bhF:h∈H):階級hの女子が5年間に女児を出産した数の平均
rM=(rhM:h∈H):階級hの男子が5年後に生存している確率
rF=(rhF:h∈H):階級hの女子が5年後に生存している確率
sM=(shM:h∈H):5年間の階級hの男子のネットの転入数
sF=(shF:h∈H):5年間の階級hの女子のネットの転入数
時間tの1単位は5年間とする。
ph+1j(t+1)=rhjphj(t)+shj (h∈H\{1}, j=M, F)
[5年後の性別j,階級(h+1)の人口]
=[性別j, 階級hの人口]×[その生存率]+[ネットの転入数]
p1j(t+1)=ΣhbhjphF(t+1)
(j=M, F)
[5年後の性別jの0~4才の子供の数]
=Σ[5年後の階級hの女子人口]×[性別jの子の出産確率]
これはマルコフ連鎖過程のモデルとなっている。ここでは出産率を一定
としているが、トレンドで補正する方法もある。また転入率を一定とし
ているが、人口数に連動させる方法もある。
トレンド法
LCM方式の特徴
(1)大数調査を利用できる(国勢調査,住宅統計調
査)
(2)ライフサイクル上の傾向を活用している
(3)あくまで現状の傾向をのばしたにすぎない
・人口実数または人口増加数を被説明変数にして、直線,
2次曲線,ロジスティック曲線などで回帰。
1)Pt=a+bt 人口の直線回帰
人口
年
6
住宅地の人口推定モデル
[参考文献]
土肥博至,御舩哲 (1985) 『住宅地計画』新建築学大系20, 彰国社, 56-66.
栗原嘉一郎,多湖進,原田芳樹,吉村一男 (1966) 「住宅地における人口構成
の経年変化」『日本建築学会論文報告集』123, 35-43.
中村岳生,服部岑生 (1965) 「地域人口変動の予測1,2」『日本建築学会論文
報告集』号外, 509-510.
吉武泰水,中村岳生 (1964) 「住宅地における家族型について:住宅地におけ
る人口構造(1)」『日本建築学会論文報告集』106, 31-36.
吉武泰水,中村岳生 (1964) 「住宅地における転居率について:住宅地におけ
る人口構造(2)」『日本建築学会論文報告集』106, 37-43.
土肥博至 (1965) 「住宅地における人口構造(3):家族の経年変化について」
『日本建築学会論文報告集』108, 49-54.
土肥博至 (1965) 「住宅地における人口構造(4):家族型と年令構成」『日本建
築学会論文報告集』109, 61-66.
吉武泰水,土肥博至,谷村秀彦,中村岳生 (1965) 「地域人口変動の推定につ
いて:住宅地における人口構造(5)」『日本建築学会論文報告集』109, 6772
2)ΔPt=a+bt → Pt=a+bt+ct2 人口増加の直線回帰
3)Pt=P*/(1+Ae-bt) ロジスティック曲線
人口増加率が人口数と飽和人口数から人口数を引いた数
の積に比例すると仮定した場合の人口推定式。長期予測
にも比較的安定的な傾向を示す。
dx/dt=ax(b-x) → x=b/[1+exp(-abt-c)]
=b/(1+Ae-Bt)
4)Pt=P*(1-Ae-bt)
指数曲線
マトリックス法(小地区での世帯数変動の予測)
個人のコーホートではなく世帯を変動の単位とし、
任意の時点における世帯の状況を初期値として、
その後の変化を確率的に予測し、その結果をさら
に他の指標に確率的に置き換えるもの。予測や置
き換えに各種のマトリックスを使用することからこう
呼ばれる。土肥・吉武ら(1964-1965)が 開発。高蔵
寺ニュータウンの計画に適用。この方法はその後
多くの計画に適用され、また方法論としても理論化,
精緻化の研究が積み重ねられ、十分実用に耐える
までに整備されている。
吉武・土肥・谷村・中村 (1965) の研究例
仮定:
a.住宅規模に応じて入居する世帯の家族型構成分布は一
定
b.家族型は一定の割合で他の家族型に移行する
c.家族型に応じて一定割合で転出する
d.家族型に応じて一定の性別年齢別人口構成を持つ
e.家族型に応じて一定の家族人数別世帯構成を持つ
F
n:全世帯数
F:家族型の集合 = {Co,Cb,Ci,Ck1,Ck2,Ck3,Cm,CC,B,S}
単純家族
夫婦のみCo; 最年長子年齢0~2才Cb; 3~5才Ci1;
6~8才Ck1; 9~11才Ck2; 12~14才Ck3; 15才以上Cm
複合家族CC; 欠損家族B; 単身家族S
x(t) = (xf:f∈F):時点tでのf家族型世帯数の全世帯数に対する割合
V = (vfg:f,g ∈F):一定期間でf家族型世帯がg家族型に移行する確率
R = (rfg:rff = rf,rfg = 0 f≠g):残留(転居しない)確率
rf:f家族型の世帯が一定期間後も残留している確率
1 = (1,…,1)T,I:単位行列
y:転入時の家族型割合ベクトル
7
R
V
y
一定期間に転出(または消滅)する世帯数 = nx(t)T(IR)1 = 一定期間に転入する世帯数
新たに入居する世帯の家族型分布 = [nx(t)T(I-R)1]y
nx(t+1)T = nx(t)TRV+[nx(t)T(I-R)1]yT
x(t+1)T = x(t)TRV+[x(t)T(I-R)1]yT
H:他の指標={学齢期男子,学齢期女子,…など}
Z = (zfh: f∈F, h∈H):家族型fから他の指標hへの変
換行列
求めた家族型分布xをZで他の指標に変換する。家族
型の設定から、3年おきに推定を行うのが実際的。
予測例
人口分布の予測
1)居住者の人口構成
・人口構成の推定→必要な施設計画
典型的な人口構成の推定は以下のような作業を行なう。
(1)20年位の長期で、5歳階級別単位で人口を推定。
(2)流入者の性別・年齢別人口構成は、今までの立地条件や価格など
の構成が似た住宅地の例を参考に推定。
(3)人口構成の変動は、適当な死亡率,出産率を使用。
(4)婚姻状態別配分の予測。
(5)小グループ毎に世帯主比率を仮定して世帯数を推定。
(6)世帯型,世帯規模に基づき、供給住宅の室数別建設戸数配分を
得る。
(7)年齢構成による施設の容量を決定。
8
人口構成の偏りの発生
1)世帯形成,発展による偏り
・新しく住居に移る世帯の転居理由
(1)結婚して世帯を形成
(2)子供が生まれて今までの住宅が手狭に
(3)子供が大きくなり子供の独立部屋が必要に
→ 特定年齢階層に含まれ、人口構成に偏り。
2)価格自体による偏り
・高級住宅 → 高価格 → 購買層が限定される
(世帯主は例えば40~50歳代) → 人口構成の偏り
3)開発主体による偏り
・公営住宅(都営,県営,市営など)の入居条件に所得制限
→ 若年層or老年層が多く入居 → 人口構成の偏り
人口構成のかたよりを防ぐ方法
1)小規模開発
・小規模な開発 → 周辺市街地と合わせて弊害がカバーでき
る。
2)混合開発
・開発主体を様々にする,開発住戸規模に様々なものを取り入
れる
→ 偏りを減らす
都市機構では2DKから5LDKまでの間取りを含めた開発
3)段階開発
・混合開発:一時期に様々な階層を入れる
段階開発:時系列的に段々に入居させる → 混合を図る
間取りが単一のものであったりするとある時点で入居者が転
居し、結局は特定年齢階層しか入居しない可能性。上記2)と
の併用が望ましい。
1)空間領域の形成
人口構成のかたよりに起因する問題点
1)特定年齢層にサービスする施設への需要集
中,その後しばらくしての需要不足
→ 施設が非効率的に利用される
行政投資の非効率化、社会的に望ましくな
い。
2)老年層が卓越するような地域では地域の活
性が失われる。犯罪に対する弱さ,コミュニ
ティー活動の単一化,低下などが有り得る。
3.空間圏域・土地利用予測
[参考文献]
土肥博至,御舩哲 (1985) 『住宅地計画』新建築学大系20,
彰国社, 72-77.
E.ホール (1970) 『かくれた次元』みすず書房.
Pushkarev, B. and J.M. Zupan (1975) Urban Space for
Pedestrians, MIT Press.
Lynch, K. (1960) The Image of the City, MIT Press.
鈴木成文 (1974) 『生活領域の理念』, 建築計画学5, 丸善.
鈴木成文,松川淳子 他 (1966) 『生活領域の形成に関する
研究』, 日本住宅公団.
柳澤忠, 谷村秀彦, 佐藤圭二, 桜井康宏, 藤谷幸弘, 今井正
次 (1984) 『地域施設計画』新建築学大系21, 彰国社.
魚のなわばり
a.空間領域
・階層性を空間構成で示すことが多い。各階層の
圏域は機能的,心理的,視覚的空間領域をもと
にする。
・動物行動学:「なわばり」
9
環境心理学:個体空間
・ホール(1970)の距離分類
密接距離(公衆ではとらない)
近接相(0~15cm):愛撫,格闘,慰め,保護(嗅覚,触覚)
遠方相(15~50cm):親密(部分的に見える,声)
個体距離(他人と隔てる)
近接相(50~75cm):親しい同士が公衆でとる(視覚,表
情が見える,感情がわかる)
遠方相(75~120cm):腕をのばしても届かない,個人的
な関心を議論する(嗅覚,温感はない)
社会距離(社会的活動)
近接相(1.2~2m):個人的でない用件をする,この距離
で見おろすと威圧する効果
遠方相(2~3.5m):形式ばった議論をする,姿全体が視
野に入る,人を遮断する効果
公衆距離(一体感がない)
近接相(3.5~7.5m):逃げることが可能,公式的文体を
使う,他人も視野に入る
遠方相(7.5m以上):こまかい表情などのニュアンスは
通じない
b.行動的空間領域
・サービス圏,施設勢力圏: 小学校区,誘致圏,日常
生活圏
歩行圏:歩行者の歩行距離400~600m程度
(Pushkarev and Zupan,1975)
子供の行動圏:
3歳以下の幼児…… 100m
4~5歳
…… 150m
小学校低学年児…… 200m
小学校高学年児…… 300m以上
c.心理的空間領域
・環境心理学
・K.リンチ (1960) 『都市のイメージ』
・生活領域の意味:識別性,定位性,領有性
(鈴木, 1974)
d.確定領域と潜在領域
知らない町で生活を始めた・・・
最初に知る場所は?
最初に知る道・路線は?
最初に知る領域は?
どのように広がる?
いつ、何となく知っている→知っている となる?
何があると理解を助ける?
10
・団地のイメージマップを描かせ、環境要素の種類,形態
の正確さ,位置の相互関係の正確さに基づいて生活領
域を確定領域と潜在領域に分類。他に非領域。
・生活領域の形成過程
1)自分の住宅の周辺と日常生活の中心に確定及
び潜在領域が発生。
2)行動の道筋にそって潜在領域が生じ、確定領域
はこれにそって延びる。
3)確定領域は連続し、独立した潜在領域なども生じ
る。
4)確定領域はさらに拡大するが速度を落し、潜在
領域は住宅地全体を覆うように拡大。
2)空間領域の予測
・住宅地計画上の示唆(鈴木の結果)
1)住宅地のひとつの全体となる範囲を明確にする。
2)全体を領域形成の単位となる3~7の区域に分割する。
3)各領域の相互関係,分離と連関のさせ方について具
体的方法の決定。
4)各区域を領域化しやすいように個性化する。
5)領域の拡大を促すものとして道すじおよび抵抗性の設
定。
・施設選択モデ
ル
(1)最近隣選択モデル
連続平面:
住民が最も近い施設を選択するとする。
→ ある施設の利用圏はボロノイ(Voronoi )多
角形となる
(Dirichlet 領域,Thissen 図との呼ぶ)
施設点間を垂直2等分線で区切ればよい。点の数
が多くなると非常に作図が困難化。計算幾何学
において高速アルゴリズムが開発されている。
11
ネットワーク上:
最短経路問題を解くことに
なる。
施設の容量制限がでてく
ると輸送問題となる。→
線形計画問題(LP)
(2)ポテンシャルモデル
住民の施設選択に選択の余地を残したモデル。
施設にポテンシャルを与え、ポテンシャルが高
いほど選択確率が高くなると仮定するモデル。
Mij=GPiaQjb/Dijc
この一例が重力モデル。
(3)エントロピーモデル(交互作用モデル)
住民がどの施設も同じように選択するという仮定を原
則として、総移動距離制約のもとに最も生起確率が
高い状態が実際に起こると仮定するモデル。
oi:要求発生量
dj:施設容量
cij:住民ノードiから施設jへの最短距離(費用と考えて
もよい)
tij:未知の住民ノードiから発生し施設jを利用する住
民数
C:総移動距離制約量
T=ΣiΣjtij:利用住民数の総和
3)土地利用予測
max:logT!/[Πijtij!]
s.t.
Σjtij=oi for any i
Σitij=dj for any j
ΣiΣjcijtij=C
→ tij=aioibjdj exp(-βcij)
cij=logxijとすると重力モデルになる。
参考文献
青木義次、永井明子、大佛俊泰(1994)「遷移確率行列を用いた土地利
用分析における誤差評価」『日本建築学会計画系論文集』456、171177.
石坂公一(1992a)「土地利用遷移行列の分析手法に関する考察」『日本
建築学会計画系論文集』436、59-69.
石坂公一(1992b)「首都圏における距離帯別の土地利用変化動向」『日
本建築学会計画系論文集』442、97-105.
石坂公一(1994)「土地利用変化の方向と地域特性との関連分析」『日本
建築学会計画系論文集』459、79-88.
伊藤史子,村田亜紀子(2000)「千葉県流山市南西部における土地利用
変化NNモデルの構築:細密数値情報を用いた変化要因分析」『日本
都市計画学会学術研究論文集』35, 1129-1134.
宇都正哲, 浅見泰司(2001) 「地価や周辺地域の状況が土地利用遷移に
与える影響に関する研究:東京23区を対象として」『都市住宅学』33,
101-110.
12
土地利用の予測
大佛俊泰,倍田賢一(1995)「マルコフ連鎖型土地利用予測モデルの改良」
『地理情報システム学会講演論文集』4, 71-74.
大佛俊泰、栗崎直子(1996)「効用概念に基づく土地利用遷移確率モデル
の構築とその応用」『GIS―理論と応用』4(2)、7-14.
金俊栄、荻島哲、大貝彰、岩尾襄、黒瀬重幸(1991)「土地利用遷移行列に
よる都市の土地利用用途転換の分析」『日本建築学会計画系論文集』
424、69-78.
谷村秀彦,梶秀樹,池田三郎,腰塚武志(1986)『都市計画数理』朝倉書店.
吉川徹,岡部篤行,浅見泰司,金子忠明(1990)「用途地域指定の趣旨から
みた土地利用遷移の分析:神奈川県川崎市を対象とした実態分析」『日
本都市計画学会学術研究論文集』25, 373-378.
土地利用変化のきっかけ?
敷地建物不変
仕事を変える
テナントが変化
敷地不変・建物変化
老朽化→更新
経済的に有効利用でない→更新開発
魅力が不足→更新開発
借地契約解除
売却
相続発生
災害
土地利用変化の要因
敷地変化
相続発生、有効利用、売却→細分化
地上げ→再開発
隣地と統合→再開発
マクロな需要要因・供給要因
必要床面積と現状床面積の差、人口、宅地化可能面積
建物老朽化
築後年数で判断?
経済事情・商売事情・家庭事情の変化
確率的にとらえる?
最有効利用状態と現在利用状態との差
地価(例えば、商業地価と住宅地価)
土地利用予測モデル
記述的モデル
土地利用パターン(用途別面積)
=f(関連する変数群)
関連する変数群:
人口、就業構造、接近性など
重回帰分析、数量化理論などの多変量解析で
推定
関連する変数群の将来値を予測できていること
が前提
Lowryモデル
Ira S. Lowry(1964)が開発
ピッツバーグ総合開発計画の一部
R.A. Garinがマトリックス演算で計算できる
よう再編→Garin-Lowryモデル
地域全体の生産活動や居住活動の総量を
小ゾーンに配分するモデル
13
産業を基幹(basic)産業と非基幹(non-basic)産業
に区分
基幹産業:位置志向(外生変数)
トレンドでのばし、政策的変化を加味して予測
非基幹産業:市場志向(内生変数)
NB従業者数=地域人口に比例
ゾーンのポテンシャルに比例させてゾーンに配分
例:ポテンシャル=Σi(c[iゾーンの人口]+d[iゾーン
の従業者数])/[ij間の距離]・・・業種ごとに計算
土地利用=その従業者数×面積原単位
総人口:従業人口に比例
これをポテンシャルに比例させて各ゾーンに配分
例:ポテンシャル=Σi[iゾーンの従業者数/ij間の距離]
土地制約式
全面積=利用不可能地+基幹産業用面積+非基幹産
業用面積+住宅用面積
制約条件を満足するように収束計算で推計させる
このモデルの拡張や類似モデルは谷村ほか(1986)参照。
確率過程モデル
土地利用変化は確率的
マルコフ連鎖型モデル
次の時点での状態が直前の状態のみに依存する
と仮定するモデル
ある時点での土地利用が次の時点で何に変わる
かを示す確率は、その状態のみに依存する。
吉川・岡部・浅見・金子(1990)
土地利用面積比率ベクトル:v(t)
v(t+1)=Mv(t)
v(t)=Mtv(0)
v(∞)=M∞v(0)
土地利用遷移行列では、収束することが多い
現在の変化トレンドをそのままのばしている
誤差を定量化可能(青木・永井・大佛(1994))
経済社会事情による変化は加味できない
細密数値情報
川崎市の土地利用遷移確率と用途地域指定と
の関係を調べた
14
伊藤・村田(2000)「千葉県流山市南西部における土地
利用変化NNモデルの構築」
工業用地の遷移
分析対象地域
新市街地駅
運動公園駅
南流山駅
土地利用変化の傾向
土地利用のグループ
土地利用遷移影響要因
土地利用変化の集計
対象となる土地利用 10種類
山林系
建設省の土地利用分類中分類
1994年の土地利用
6つのグループに分類
農地系
空地系
工業系
宅地系
商業系
山林系、農地系、空地系、
工業系、宅地系、商業系
計
1984年の土地利用
山林系 農地系 空地系 工業系 宅地系 商業系 計
6082
45
6127
73%
0%
59 15849
792
11
45
13 16769
1%
84%
7%
1%
0%
0%
1380
1807
5370
38
600
221
9416
17%
10%
49%
2%
4%
7%
14
52
75
1095
6
41
1283
0%
0%
1%
68%
0%
1%
674
904
3647
18 16073
118 21434
8%
5%
33%
1%
96%
4%
72
288
988
441
51
2808
4648
1%
2%
9%
28%
0%
88%
8281 18900 10917
1603 16775
3201 59677
100%
100%
100%
100%
100%
100%
土地利用現況
駅からの距離
都心からの時間
幹線道路からの距離
人口の変化
空地系
土地利用グループ
土地利用の分類
山林系
1.山林・荒地等
農地系
2.田 3.畑・その他の用地
空地系
4.造成中地 5.空地
工業系
6.工業用地
宅地系
7.一般低層住宅地 8.密集低層住宅地
9.中高層住宅地
商業系
10.商業・業務用地 山林系
農地系
宅地系
工業系
商業系
変化の傾向
宅地化の進行
標高
傾斜
指定用途
指定容積率
土地区画整理事業
終了後経過年数
15
系別モデル
一括モデル
現況土地
中間層
w
出力層
w
山林系
駅距離
農地系
指定用途
商業系
(学習の進行状況)
誤差
0.15
0.1
0.05
教師信号(実際の土地利用)
0
0
学習回数(回)
5000
学習回数(回)
正解率 67.1%
正解率 74.2%
モデルの選択
○学習が順調に進行
商業系
土地利用推測結果
系別モデルを選択
○正解率の高さ
土地利用変化への各要因の総合影響力
強
0%
1984年土地利用
1994年土地利用
山林系
農地系
工業系
空地系
宅地系
商業系
5000
山林系
・・
・
区画整理
検証(のこり9割)
0.2
実際土地利用
w
・・
・
商業系
学習(全データの1割)
0.25
0.05
比較
w
山林系
農地系
空地系
工業系
宅地系
商業系
0.3
平均誤差
平
均
0.1
誤
差
推定土地利用
駅距離
0.35
0.2
出力パターン(推定土地利用)
学習効果の検証(検証用データによる)
前進型処理
後進型処理
系別モデル
学習の実行
0.15
工業系
住宅系
区画整理
商業系
区画整理
空地系
・
・
・
住宅系
・・
指定用途
一括モデル
山林系
・・
傾斜
空地系
工業系
モデル分析の結果
w
・・
傾斜
w
幹線道路
標高
・
・
・
標高
・・
・・
人口変化
駅距離
人口変化
農地系
・・
幹線道路
山林系
入力層
1994年推測土地利用
20%
40 %
駅からの距離
人口の変化
傾斜
区画整理経過年数
60%
80%
1 00 %
幹線道路からの距離
標高
用途地域指定
人口の変化
駅からの距離
傾斜
土地区画整理事業
終了後経過年数
指定用途
標高
幹線道路からの距離
弱
16
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