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高知県J-VER制度総括[PDF:4MB]
高知県J-VER制度 総括について (※平成27年1月末時点) はじめに 高知県の森林の現状① 森林率 90% 84% 人工林率 80% 82% 78% 80% 70% 67% 70% 67% 65% 64% 60% 60% 50% 41% 50% 40% 40% 30% 30% 20% 20% 10% 10% 0% 0% 高知県 岐阜県 島根 全国平均 佐賀県 高知県 福岡県 全国平均 高知県の民有林の齢級分布 (ha) 60,000 高知県は県土の84%が森林で占 50,000 40,000 められており、日本でも有数の森 30,000 20,000 林県です。そして、高知県の森林 10,000 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 齢級(1齢級=5年) 10 11 12 13 14 15~ 資源は現在成熟期にあります。 高知県の森林の現状② 豊富な森林資源に恵まれた高知県ですが、木材価格の低迷や林業従事者の減少によ り、森林の荒廃が進んでいます。 森林の環境価値をクレジット化し、環境ビジネスを進めることで、林業分野の活性化、 中山間地域の活性化、国土保全、ひいては、温暖化対策として、高知県はJ-クレジット 制度の取り組みを進めています。 間伐作業前の荒廃した森林。 林内は暗く、地面がむき出しに なっている。 間伐作業後の森林。 林内が明るくなった。 間伐作業後3年が経った森林。 下層植生が繁茂している。 登録・実証実績 高知県J-VERプロジェクト 認証・発行量 平成27年1月31日現在 プロジェクト登録数 11件 認証量 9,206t-CO2 オフセット・クレジット発行量 9,206t-CO2 無効化量 373t-CO2 登録・認証状況① 平成27年1月31日現在 プロジェクト名 事業者 発行量 バッファー量 津野町 493 14 中土佐町 3,178 95 高知県大豊町ゆとりすとの森間伐推進プロジェクト 大豊町 545 16 高知県梼原町雲の上の間伐推進プロジェクト 梼原町 273 8 高知県森林整備公社造林地 温室効果ガス吸収プロジェクト (みどりの風が気持えいぜよ!の森づくり) 県森林 整備公社 531 15 高知県安芸市五位ヶ森CO2吸収プロジェクト ニッポン 高度紙 工業㈱ 869 26 高知県津野町 龍馬の森間伐推進プロジェクト 高知県中土佐町四万十黒潮の森間伐推進プロジェクト 登録・認証状況② 平成27年1月31日現在 プロジェクト名 事業者 発行量 バッファー量 土佐町 193 5 四万十町 森林組合 1,225 36 いの町温室効果ガス吸収間伐推進プロジェクト ~森林整備で清流仁淀川を守ります~ いの町 236 7 高知県高知市よさこいの森CO2吸収プロジェクト 高知市 1,056 31 高知県三原村温室効果ガス吸収間伐推進プロジェクト 三原村 607 18 9,206 271 高知県土佐町「朝日・輝く森」間伐推進プロジェクト 四万十町森林組合 温室効果ガス吸収間伐推進プロジェクト~山、川、海、 自然が人が元気です~ 合計(①、②含む) 高知県J-VERプロジェクト登録件数(累積) 12 件 登録件数合計:11件 10 8 プロジェクト代表事業者数 内訳 6 4 2 0 H21.12 H22.4 8 12 H23.4 8 12 H24.4 8 12 高知県J-VER 認証量の推移(累積) 10000 9000 8000 7000 6000 5000 4000 3000 2000 1000 0 認証量合計:9,206t-CO2 高知県J-VERの無効化量の推移(累積) 400 350 300 250 200 150 100 50 0 無効化量合計:373t-CO2 方法論別プロジェクト登録件数・認証量 認証量 方法論【森林吸収系】 1プロジェクト 当たり 認証量 (t-CO2) 登録件数 認証件数 11 16 9,206 575 0 0 0 0 (t-CO2) R001 森林経営活動による CO2吸収量の増大 (間伐促進型プロジェクト) R002 森林経営活動による CO2吸収量の増大 (持続可能な森林経営型 プロジェクト) 高知県J-VERプロジェクト 地域別認証・発行状況 土佐町 大豊町 (協働の森) 14.24ha 193t-CO2 いの町 いの町 (協働の森) 21.64ha 236t-CO2 (町有林) 22.08ha 545t-CO2 本 山 土佐町 大豊町 香美市 仁淀川町 高知市 津野町 (協働の森) 安芸市 32.43ha, 493t-CO2 梼原町 梼原町 津野町 (町有林、協働の森) 高知市 中土佐町 154.55ha 273t-CO2 (協働の森) 37.60ha 1,056t-CO2 ニッポン高度紙工業株式会社 四万十町 県森林整備公社 (公社営林) 24.68ha 531t-CO2 四万十町森林組合 (管理代行林、協働の森) 100.03ha 1,225t-CO2 黒潮町 北川村 (森の工場、社有林) 67.25ha 869-CO2 中土佐町 (町有林、協働の森) 142.24ha 3,178t-CO2 三原村 三原村 (村有林) 35.99ha 607t-CO2 プロジェクト代表事業者 (対象地の種別) プロジェクト対象地面積 想定吸収量(t-CO2) クレジット認証・発行済の プロジェクト プロジェクト事例紹介① 高知県津野町 龍馬の森間伐推進プロジェクト 津野町と協働の森づくり事業で協定を結んでいる福島ミドリ安全株式会社が協力して 津野町有林の間伐作業を行い、クレジットを発行しています。 なお、津野町での間伐施業実施によって発行されたクレジットは福島ミドリ安全株式会 社が全て活用しています。高知県J-VER制度の第1号プロジェクトです。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 津野町 事業者 津野町 対象面積 32.43ha クレジット発行量(t-CO2) 493t-CO2 プロジェクト事例紹介② 高知県中土佐町四万十黒潮の森 間伐推進プロジェクト 中土佐町は大野見萩中にある「森の工場」、大野見下ル川の柿ノ又と久礼松の川の東 平山町有林での間伐事業をプロジェクトとして登録しています。間伐したヒノキの葉から ヒノキオイルが作られたり、枝葉や根株などは発電用に利用されるなど、さまざまな展開 が試みられています。クレジット販売で得た収入は森林保全へと循環されます。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 中土佐町 事業者 中土佐町 対象面積 142.24ha クレジット発行量(t-CO2) 3,178t-CO2 プロジェクト事例紹介③ 高知県大豊町ゆとりすとの森間伐推進プロジェクト 高知県大豊町は、四国山地の中央部に位置し、面積の88%が森林です。この森は、徳 島県へと流れ出る四国三郎、吉野川の源流の森でもあると同時に香川用水の水源の森 でもあります。しかし、森林整備については、人手不足など様々な困難を抱えているのが 現状です。J-VERの収入は森林整備に役立てると共に、林業の担い手育成支援への活 用を考えています。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 大豊町 事業者 大豊町 対象面積 22.08ha クレジット発行量(t-CO2) 545t-CO2 プロジェクト事例紹介④ 高知県梼原町雲の上の間伐推進プロジェクト 町の総面積の91%が森林である梼原町は、風力発電施設や太陽光発電施設も設置 し、低炭素なまちづくりに取り組んでいます。 林内に放置されている未利用林地残材等を ペレット化し、化石燃料の代替利用することでCO2排出削減に努めています。クレジット でペレット工場の原料購入の一部をまかない、森林所有者への資金還元、森林整備意 欲の増進と間伐実施を進めていきます。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 梼原町 事業者 梼原町 対象面積 154.55ha クレジット発行量(t-CO2) 273t-CO2 プロジェクト事例紹介⑤ 高知県森林整備公社造林地温室効果ガス吸収プロジェクト (みどりの風が気持えいぜよ!の 森づくり) 香美市土佐山田北滝本の「下モ中山造林地」と「上ミ中山造林地」を対象として、クレジッ トを取得しています。高校生を対象にした森林学習を長年行っており、体験学習の手助け ができます。また、森林整備に関する知識、技術が豊富で約50年の実績をもち、国が認 めた森林整備法人として間伐推進プロジェクトに取り組んでいます。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 プロジェクトの実施場所 黒潮 三原 村 香美市土佐山田町北滝本 事業者 県森林整備公社 対象面積 24.68ha クレジット発行量(t-CO2) 531t-CO2 プロジェクト事例紹介⑥ 高知県安芸市五位ヶ森CO2吸収プロジェクト ニッポン高度紙工業株式会社の保有する社有林で間伐・植林を行いCO2の削減に取 り組んでいます。事業者であるニッポン高度紙工業株式会社は高知県J-VER制度の 認証を受けた初めての民間企業となります。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 プロジェクトの実施場所 黒潮 三原 村 安芸市畑山 事業者 ニッポン高度紙工業株式会社 対象面積 67.25ha クレジット発行量(t-CO2) 869t-CO2 プロジェクト事例紹介⑦ 高知県土佐町「朝日・輝く森」間伐推進プロジェクト 土佐町は、企業、県の協力により「協働の森パートナーズ協定」を締結し、企業からの 協賛金によって森林の再生のための整備や地域住民との交流事業に取り組んでいます。 協働の森パートナーズ協定を締結して森林整備を進めている町有林で、高知県オフセッ トクレジット制度の取り組みを行うことにより、さらなる森林整備を進めていきたいと考えて います。 本 山 いの町 土 大豊町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 土佐町 事業者 土佐町 対象面積 14.24ha クレジット発行量(t-CO2) 193t-CO2 プロジェクト事例紹介⑧ 四万十町森林組合温室効果ガス吸収間伐推進プロジェクト ~山、川、海、自然が人が元気です~ 四万十町森林組合では、国有林・民有林などをあわせ56000ヘクタールにも及ぶ森林を 管理しています。「地域にある人工林の付加価値を高め、森林を再生する」という目標を 掲げ、整備の遅れている私有林の集約化に積極的に取り組んでいます。今回、登録され た対象地もすべて私有林です。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 四万十町 事業者 四万十町森林組合 対象面積 100.03ha クレジット発行量(t-CO2) 1,225t-CO2 プロジェクト事例紹介⑨ いの町温室効果ガス吸収間伐推進プロジェクト ~森林整備で清流仁淀川を守ります~ 仁淀川には毎年5月に特産の紙を使った“紙のこいのぼり”が泳ぎ、夏には多くの人が 水遊びをしたり、ホタルが飛び交うなど、四季折々に美しい風景が見られます。この川を 支えるのは、緑のダム「森林」です。森林を健全に育てることは、川や海が美しくなるだけ でなく、洪水も緩和することができます。 クレジットを購入した企業については、ホームページや観光パンフレットなどで幅広く取 本 り組みをPRします。 山 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 いの町 事業者 いの町 対象面積 21.64ha クレジット発行量(t-CO2) 236t-CO2 プロジェクト事例紹介⑩ 高知県高知市よさこいの森CO2吸収プロジェクト 高知市では、市有林の間伐による温室効果ガスの吸収量をオフセット・クレジットとして 販売しています。 「高知県高知市よさこいの森クレジット」と名付けられたこのクレジットを 購入すると、日常生活やイベントなどで排出される温室効果ガスの排出量を相殺すること ができ、地球温暖化の防止に貢献することができます。クレジットの売上金は、今後の市 有林の間伐費用として活用されます。 本 山 いの町 土佐 町 大豊町 北川村 万十町 黒潮 三原 村 プロジェクトの実施場所 高知市 事業者 高知市 対象面積 37.6ha クレジット発行量(t-CO2) 1,056t-CO2 プロジェクト事例紹介⑪ 高知県三原村温室効果ガス吸収間伐推進プロジェクト 高知県西南部に位置する三原村は、「四万十川」が流れる四万十市、「だるま夕日」が 見られる宿毛市、「足摺岬」で有名な土佐清水市の三市に囲まれ、標高120m、88%を森 林が占める緑と水の豊かな農山村です。四万十川の支流で育つヒノキは、脂分が多いこ とから独特の美しい赤身と香りを持ち、建築用材として抗菌・防虫効果に優れた木材とし て知られています。本プロジェクトは、この木材が育つ森林を対象に取り組んでいます。 本 山 いの町 土佐 高知市 町 大豊町 北川村 万十町 黒潮 プロジェクトの実施場所 三原村 事業者 三原村 対象面積 35.99ha クレジット発行量(t-CO2) 607t-CO2 おわりに 高知県版J-クレジット制度 高知県版J-クレジット制度は、J-クレジット制度の制度文書に沿って温室効果ガス 排出削減・吸収量をクレジットとして認証・発行する「地域版J-クレジット制度」として承 認されています。平成26年度時点で地域版J-クレジット制度として承認されているのは 高知県版J-クレジット制度と新潟県版J-クレジット制度のみです。 対象としている方法論 【 FO-001 森林経営活動】 森林経営計画等に基づいて森林経営活動(間伐、造林、植栽)を実施することで、 温室効果ガスの吸収量を増大させるもの。 【 EN-R-001 バイオマス固形燃料(木質バイオマス)による化石燃料又は系統電力 の代替】 木質バイオマスを原料とするバイオマス固形燃料を使用し、それまで使用してい た化石燃料又は系統電力を代替するもの。 県内に大型のペレット工場が完成したこともあり、高知県版J-クレジット制度の活用の 場がさらに広がることが考えられる。 高知県版J-クレジット制度の今後① 【公共工事】 現在、高知県では森林公共土木工事のオフセットを高度技術(創意工夫、社会性等)の 実施評価による工事成績として評価している。県内事業者(土木建設)がJ-VERクレジッ トを活用するケースが急増しているので、今後は地元のクレジットを活用してもらえるよう 工夫していく必要がある。 (平成27年1月31日現在) 累計件数 H24 H25 H26 H24 H25 H26 12月 10月 8月 6月 4月 2月 12月 10月 8月 1,090t-CO2 6月 4月 12月 10月 8月 6月 4月 2月 12月 0 10月 0 8月 200 6月 20 4月 400 2月 40 12月 600 10月 60 8月 800 6月 80 オフセット量 2月 1000 12月 103件 10月 契約件数 8月 100 1200 6月 120 累計オフセット量[t-CO2] 高知県版J-クレジット制度の今後② 【県外への営業活動】 「地産外商」及び「大口販売」の観点から、排出源である首都圏への販売展開が必須な ため、県外で行われるセミナーやマッチング・イベントを積極的に活用していく必要がある。 EVI環境マッチングイベント 東京2014(セミナー)参加 足立区がご講演された際に、 「区民に森林を身近に感じてほしいと の考えから森林吸収クレジットを使っ てイベントのオフセットを考案中」との 話を聞き、本県が全国一の森林率を 誇ることを説明 高知県のクレジットを活用し 環境フェアをオフセット! 高知県 2t、梼原町 2t 合計4t-CO2のクレジットを購入 ※高知県のブースを出展し、 ・森林の役割 ・森林施策 ・J-VERの取り組み などを紹介 参考 高知県J-VER制度概要 高知県は、高知県内での森林整備を進めるた め、適切な森林管理によって増大したCO2吸収 量について、高知県が登録、認証、発行する高 知県オフセット・クレジット(高知県J-VER)制度を 平成22年1月13日からスタート。 県内の森林整備資金、木材搬出のための コスト負担の軽減、林業の担い手の育成・確保 等、森林を取り巻く林業の再生を図り、地球温暖 化対策を促進することを目的としている。 さらに、採算がとれなかった放置森林の整備を 加速化させ、CO2の吸収量を増大させることを 目的としている。 高知県J-VER制度委員会開催実績 【平成21年度~平成26年度】 高知県オフセット・クレジット認証運営委員会 ・プロジェクトの登録 ・温室効果ガス吸収量の認証 ・普及説明会、研修会の報告 等 ・制度の変更・更新 等 平成21年度 1回 平成22年度 4回 平成23年度 4回 平成24年度 4回 平成25年度 3回 平成26年度 2回 (平成27年1月31日現在)