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p.14-17 新任職員に聞きました、地方研修について

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p.14-17 新任職員に聞きました、地方研修について
新任職員に聞きました
ま つ もと り お
松本 理央
な か むら まい
職業安定局
雇用開発部
高齢者雇用対策課
中村 舞
職業安定局
首席職業指導官室
学生時代に勉強したこと
学生時代に勉強したこと
発達障害に関心があったことから教育心理学科に進学し、教育
法律を軸に、社会学も学びました。社会の変動を把握した上で、
心理学と臨床心理学を学びました。課外活動では発達障害のある
対応しうる実効的な法制度を研究するためです。修士論文では離婚
の理解を深めるとともに、発達障害にまつわる社会的課題について
字の向こうの「人」に触れる重要性、また、働くことをはじめとする生
お子さんに学習支援を行うインターンに参加し、発達障害の特徴へ
後の面会交流に向けた制度を分析しました。調査の中で、文字や数
考えさせられました。卒業論文では動作解析を用いた技術の熟達
活基盤の安定が問題解決の近道の1つであることを実感しました。
研究を行い、心理学を多角的に学びました。
現在の業務
現在の業務
高齢者雇用対策課において、他課室や外部機関との連絡調整役
私が所属する首席職業指導官室は、全国のハローワークで行わ
を担っています。労働局や企業、一般の方からのお問い合わせや、
れている職業相談や職業紹介業務のコントロールタワーとしての役
雑誌・書籍等に掲載する記事の作成・確認依頼も多く、高齢化の
割を担っています。その中で、私は全国の労働局や一般の方からの問
進む当世における高齢者就労への関心の高さ、意義を再確認する
い合わせ対応や、
会議資料の作成等を担当しています。
外部への視察
日々です。
に同行することもあり、様々な経験を積む機会に恵まれています。
入省前の印象と入省後の印象の違い
入省前の印象と入省後の印象の違い
文書のみで淡々と物事が進むイメージでしたが、むしろ「人」との
忙しいという印象がありましたが、効率よく働き、休める時はしっ
やりとりこそが肝でした。所属や役職を問わず、質問や交渉したい
かり休む方が多いです。また省内は女性職員が多く、沢山の先輩
ことがあれば、すぐに電話することや、直接会いに行くことが常です。
一般の方からのお問い合わせが多く、時には厳しいご意見をいただ
コミュニケーションにもなり、
活気ある職場となっています。
女性職員が活躍されていることを心強く感じます。業務については、
それにより、迅速かつ正確な業務に繋がるだけでなく、職員同士の
くこともありますが、多くの気づきが得られ大変勉強になります。
今後したいこと
今後したいこと
ある分野に携わるとき、その知識だけを持てばよいわけではあり
長期的な目標は、色々な部署を経験し、職業安定行政について
ません。いかなる契機があり、いかに展開していくかという時間的な
やニートの就労支援施策にいつか携わってみたいです。直近の目標
いう横軸の双方において大局的な視点を持ち、
「あいつがいれば
知識を身につけたいと思います。
します。
幅広い知見を得ることです。特に、もともと関心のあった発達障害者
縦軸と、いかに国民の方々の意見や他分野とバランスをとるのかと
としては、10月からの半年間の地方研修で、現場についての生きた
大丈夫」と言われるぐらいの専門性と信頼感のある職員を目指
9:30 ▶ 登庁・メールチェック
9:30 ▶ 登庁・メールチェック
ある1日のスケジュール
ある1日のスケジュール
10:30 ▶ 労働局幹部ヒアリングへの同席
(各労働局の取組状況について、定期的に本省に報告してもらいます。)
12:00 ▶ 昼 食
(庁舎内のコンビニにお世話になっています。)
13:00 ▶ メールチェック・作業割り振り
(他課室からの作業依頼を室内の関係係に割り振ります。)
14:00 ▶ 労働局へ送る事務連絡案作成
(午前中の労働局ヒアリングを受け、業務の改善が必要な点について、
その日のうちに労働局へフィードバックします。)
16:00 ▶ 労働局幹部ヒアリングの議事録作成
(メモと資料をもとにヒアリングの要点を書き起こします。)
10:00 ▶ 疑義回答
(労働局からの問い合わせに対する回答を作成。
自身の勉強にもなります。)
11:00 ▶ 資料作成
(大臣が他国視察団との懇談の場で使用する資料を作成。
日本における高齢者の就労支援施策を過不足なく説明できるように。) 12:00 ▶ 昼 食
(リフレッシュのため同期や先輩と外に食べに行くことが多いです。)
13:00 ▶ 打ち合わせ
(広報誌に掲載する原稿について、省内関係者や業者の方と方針を話し合います。)
16:00 ▶ 議員に対する施策説明
(議員からの照会を受け、高齢者雇用に関する施策の説明をする上司に随行します。)
18:45 ▶ 退庁準備
18:00 ▶ 作業整理
19:00 ▶ 退 庁
19:00 ▶ 退 庁
(次の日へにやることを確認し、整理します。)
(明日への準備や、今日の業務について上司の方々に質問をします。)
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ま す だ な お とも
増田 直友
ふじ た り さ 職業安定局
派遣・有期労働対策部
若年者雇用対策室
こ
藤田 里左子
学生時代に勉強したこと
職業能力開発局
能力開発課
学生時代に勉強したこと
学科で数学を勉強しながら、教育社会学や教育哲学などについ
学部では実験心理学を学び、卒業論文は対人恐怖や自己愛と
ても学んでおり、教育を受けた後に待っている職業人生に関心を持
いったパーソナリティ分野で執筆しました。院では臨床心理学を
経験し、労働環境や社会での配慮も働く人を支える上で重要だと
また、保育園や、
DVと虐待を専門としたクリニック等で実習をさせ
つようになりました。また、発達障害のある児童へのボランティアを
専攻し、修士論文はひきこもりと家族関係について研究をしました。
感じるようになりました。
ていただき、その経験が厚生労働省の業務への関心に大きく影響し
ています。
現在の業務
現在の業務
私の所属する若年者雇用対策室では、新卒者やフリーター等の
支援を行っています。他課室や室内の他係と連絡をとりながら、
室内
私の所属する能力開発課では、公的職業訓練に係わる業務を
の意見を集約し、他課室に伝えています。昨年9月に成立した若者
行っています。その中で、私は主に他課室や課内各係との連絡調整
雇用促進法関係の資料作成依頼の対応などもしています。幅広い
を担当しています。その他にも、様々な会議の運営に携わったり、
仕事をしています。
を行ったりと、
日々の業務に大きなやりがいを感じています。
知識に加え、正確さとスピードが求められるため、緊張感を持って
公的職業訓練の周知のための広報業務、労働局の方々とのやり取り
入省前の印象と入省後の印象の違い
入省前の印象と入省後の印象の違い
まず、入省して感じたことは、
ワークライフバランスが充実している
説明会や官庁訪問で、職員の方々とお話ししたり職場に伺ったり
ということです。また、個人単位での仕事ばかりという印象を持って
することがあったので、入省前後で大きく印象は変わっていません。
業務に取り組むことが多いです。周りには優しい人ばかりで相談
のある職場だと日々感じています。
いましたが、職場の先輩や上司とコミュニケーションを取りながら
ただ、思っていた以上に職場でのコミュニケーションが活発で、活気
しやすい雰囲気もあり、
とても働きやすい職場だと感じています。
今後したいこと
今後したいこと
厚生労働省を志望した理由は「働きたい意志を持ちながらも、
国家公務員として必要な知識を身に付けつつ、職業安定行政や
事情により就職ができていない方々に公的な支援を提供し、就職に
能力開発行政の業務内容など、様々なことを積極的に学んでいきた
つなげていきたい」ということでした。このために様々な施策が行わ
能力を最大限生かすことが出来るような働き方のあり方づくりに
ニーズにあったものに発展させていきたいと思っています。
いです。そして、長期的には入省前に考えていたことである、個人の
れていますが、時代や社会状況を踏まえて、より利用される方の
貢献したいと考えています。
9:30 ▶ 登庁・メールチェック
9:30 ▶ 登庁・メールチェック
ある1日のスケジュール
ある1日のスケジュール
10:00 ▶ 電話対応
(一般の方や企業の担当者からの若者雇用促進法の内容等についての
問い合わせに回答します。)
12:00 ▶ 昼 食
(同期と省外や食堂でランチをすることも多いです。)
13:00 ▶ 都内の新卒応援ハローワークやわかものハローワークの視察
(職員の方はじめ現場の方の意見をお聞きする貴重な機会です。
時には企業の方ともお話をします。)
17:00 ▶ 資料作成
(関連団体への説明資料などを作成します。
関係する資料を探しに行くこともあります。)
18:30 ▶ 退庁準備
(係内での業務の進捗状況のまとめや翌日行うことの整理をします。)
10:00 ▶ 職業訓練施設の視察
(実際に施設や訓練の様子を見ることはとても勉強になります。)
12:00 ▶ 昼 食
(同期や課の上司・同僚と一緒にとっており、毎日楽しみにしている時間です。
)
13:00 ▶ 会議傍聴
(全国の労働局幹部の会議を傍聴し、
メモを取って概要を作成します。)
17:00 ▶ 広報関連業務
(課で公的職業訓練の愛称・キャッチフレーズの募集を行っており、
その応募作品の一覧の作成や、
ファイリングを行います。)
19:00 ▶ 退 庁
18:45 ▶ 退 庁
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新任職員に聞きました
むら か み か な こ
村上 佳菜 子
た か ぎ ふ み ひこ
職業安定局
雇用開発部
障害者雇用対策課
髙 木 郁彦
学生時代に勉強したこと
職業能力開発局
キャリア形成支援課
学生時代に勉強したこと
学生時代は発達臨床心理学を勉強しており、大学内の相談室で
教育心理学及び臨床心理学を専攻し、対人不安やセルフケア、
友人関係や家族関係に問題を抱える子どもにプレイセラピー等を
多職種協働等の研究に携わりました。
また、心理士として社会復帰支
通した心理支援を行っていました。また、知的障害や発達障害の
援やカウンセリングに従事する中で、職業選択や職場適応が生活に
子どもやその家族への援助を行うアルバイトも経験しました。この
おいても心理的に大きな位置を占めていると感じ、職業生活の見通
ような困難を抱える人々との関わりが、厚生労働省に興味を持つ
しができることの重要性を意識するようになりました。
きっかけとなりました。
現在の業務
現在の業務
キャリアコンサルタントの養成や質の維持・向上等のための制度整
障害者雇用対策課において、他課室と課内各係の連絡調整の
備に携わっています。会議の開催準備や問合せへの対応をはじめとし
仕事を行っており、円滑に業務が進むようにそれぞれとの連携を
て、制度検討の場に参加したり視察を行ったりすることもあります。
意識しています。また、国会対応に必要な資料の準備や、課のHPの
より良い制度にするということを意識し、上司や先輩に相談しながら
更新等の広報関係の業務、障害者雇用に関して有識者と意見交換
業務に取り組んでいます。
関係するホームページの更新も行います。
を行う研究会等の開催準備も担当しています。
入省前の印象と入省後の印象の違い
入省前の印象と入省後の印象の違い
大きく印象が変わったわけではありませんが、複数の仕事を並行
実際に入省して、予想以上に常に様々な人とコミュニケーション
してチームワークを持って取り組んでいると感じています。先輩方は
どを通して、今までニュースでしか目にしていなかった国の課題に
また、会議や視察で能力開発分野やキャリアコンサルティング関連
とができていると実感し、責任感をもって取り組んでいます。
日々感じています。
を取りながら進めていく仕事であると感じました。また、国会対応な
メリハリを持って仕事に取り組まれていて、本当に勉強になります。
触れ、自分が多くの方々の生活につながる行政の仕組みに携わるこ
を専門とする先生方に会う機会も多く、充実感を得られる職場だと
今後したいこと
今後したいこと
自分が行っている一つひとつの業務に対して、それがどのような
様々な業務を経験し、行政事務について広く学ぶとともに、仕事
背景を持っているのか、なぜ必要なのか、さらにはどのように国民
の型を身に付けていきたいと考えています。その上で福祉分野との
生活につながっていくのか、広い視野でしっかり意識できるように
連携も視野に入れながら、働く人々が能力を発揮しやすい環境の
なりたいです。また、将来的には専門性を身に着け、自分なりの強み
整備に携わりたいと考えています。また、保育等の人材不足分野
をもった行政官になりたいと考えています。
へも貢献していきたいと考えています。
9:30 ▶ 登庁・メールチェック
9:30 ▶ 登庁・メールチェック
(課内の予定表や、その日の自分の仕事を確認します。)
ある1日のスケジュール
ある1日のスケジュール
10:00 ▶ 特例子会社への視察
(障害者雇用に積極的に取り組んでいる特例子会社に伺います。)
12:00 ▶ 昼 食
(お弁当を買ったり、同期と省外にランチに出かけたりします。)
13:00 ▶ 電話対応
(一般の方、事業主の方からの問い合わせ電話に対応します。)
15:30 ▶ 作業依頼への対応
(課に依頼のあった業務について、依頼内容を整理し課内の各係に
内容確認等をお願いします。)
17:00 ▶ 広報業務
(課のHPについて、資料やデータが最新のものであるかチェックし、
更新等を行います。)
19:00 ▶ 退庁準備
(その日の業務をまとめ、明日の仕事予定について先輩と簡単に相談します。)
10:00 ▶ 研 修
(統計調査やオンライン業務等の研修を受けます。
自主的に参加できる研修もあります。)
12:00 ▶ 昼 食
(気晴らしがてら外で食べることが多いです。)
14:00 ▶ 委託先の企業にて会議を傍聴
(キャリアコンサルティングに関連する会議に参加し、
後から課内で内容を共有できるようメモを取ります。)
16:30 ▶ 課内打合せ
(キャリアコンサルタント登録制度に関連する打ち合わせに参加します。)
18:30 ▶ 作業整理・翌日の準備
19:30 ▶ 退 庁
19:00 ▶ 退 庁
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地方研修について
[ 人 間 科 学 職 の 研 修 に つ い て ] 入省1年目では以下のような研修が実施されています。
●合同初任研修
全省庁合同の3日間の研修。
国家公務員としての心構えについて理解を深める。
●厚生労働省内研修
厚生労働省新任職員対象の約 3 週間の研修。厚生労働省職員として働く上で必要になる基本的な教養
や知識、
省が所掌する幅広い業務内容を学び、
ハローワークなどの関連施設の見学等も行う。
4月
5月∼7月
10月∼3月
●人事院の初任行政研修
全省庁合同の5週間に渡る研修。様々な省庁の同期と議論を交わし、介護施設や地方自治体など、様々な行政課題に関わる現場
にも赴き、
幅広い知見と繋がりを得る。
●人間科学職研修
省の人間科学職新任職員のみを対象とした数日間の研修。先輩方から、人間科学職としての心構えやこれまでの経験を聞いた
り、
労働行政に関する講義を受けたりしながら、人間科学職の仕事やその役割への理解を深める。
●地方研修
10月から翌年の3月末まで、半年間地方の労働局やハローワークで研修を受ける。職業安定行政の第一線で働きながら、職業安
定行政施策の運用を具体的に学ぶ。
[地方研修について]
たか
はし つ ば さ
高橋 翼
宮城労働局・ハローワーク仙台
職業安定局 派遣・有期労働対策部 若年者雇用対策室
研修先では、職業相談、求人受理、障害者窓口、雇用保険といった職業安定行政の業務を一通り経験し、
職業安定行政の全体像を把握することができました。1 年目という時期に、実際に求職者や事業主の方、
第一線で働く職員・相談員の皆様の声を聞くことができたのは、大変意義深いと思います。また、東日本大
震災でダメージを受けた水産業の復興のために労働局やハローワーク、県・市などが一体となって議論し、
イベントを行うなど、関係機関が連携して様々な業務に当たっていたことが印象に残っています。
研修で得た知見や人脈を生かして、大局的な視点と現場の視点の両方を持って日々の業務や政策立案
を行っていきたいと思います。
さ と う はる
か
佐藤 春香
愛知労働局・ハローワーク名古屋中
職業能力開発局 キャリア形成支援課
現場の仕事は、まさに 目の前にいる人の人生に触れる仕事 であると感じました。窓口業務を経験させて
いただく中で、施策が最終的にどう現場に浸透し、現場職員・相談員の声となって個々人に到達していくの
か大いに知見を広げることができたように思います。ここで率直に感じたことや目に焼き付いた景色を忘れ
ることなく、
日々の本省業務に取り組んでいく所存です。
また、研修中は局やハローワークの方々とともに味
カツや手羽先など愛知の B 級グルメを存分に
食らう、楽しく美味しい毎日でした! ここで築き上げた愛知の方々との絆も、公私問わず大切していき
たいと思います。
や
の れい
な
矢野 玲奈
職業安定局 雇用開発部 障害者雇用対策課
大阪労働局・ハローワーク阿倍野
研修先で熱意のある方々と沢山出会い、ざっくばらんに意見交換できたことはかけがえのない経験となり
ました。せっかくの研修なので「関係施設や機関に積極的に行きたい!」とお願いしたところ、本当に様々な
現場に連れて行ってくださり、施策の運用に携わる方、サービスを利用する方等から率直な意見を聞くこと
ができました。
研修を通じて、現場では実際どのように施策や制度が運用されているのか想像する視座を鍛えることが
できたと考えています。これからの本省業務においても、局やハローワークで培った目線を忘れずに、
より良い行政を目指す努力を続けていきたいと思います。
よこ た ゆう す け
横田 雄介
職業安定局 公共職業安定所運営企画室
鳥取労働局・ハローワーク鳥取
ハローワークでは、職業紹介・雇用保険・障害者部門と幅広い業務に携わりました。民間企業での
就業経験のない私が求職者からの相談に応えられるか不安でしたが、職員や相談員の方のサポート
もあり、日々安心して業務に当たることが出来ました。ハローワーク内にとどまらず、県庁や地域障害者
職業センターなど他機関と連携しながら「人口が日本一少ない鳥取県を如何に盛り上げるか」という地方
創生の観点からの仕事にも取り組みました。
現在は本省で労働局の管理業務に当たっていますが、地方研修で得られた人脈を活用して地方の生の
意見を伺うなど、現場の声を施策に反映出来るように努めています。
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