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第2回 医師等の行政処分のあり方等に関する検 害毒事次第
第2回 医師等の行政処分のあり方等に関する検討会 議事次第 平成17年9月16日(金) 10時00分∼12時00分 厚生労働省共用第7会議室 会事会 閣議閉 000 1 医師等の行政処分のあり方等について 2 その他 資 料 1 第1回における委員の主な意見 2 海外における行政処分の状況(医師・歯科医師) 参考資料(別添) 1 医師及び歯科医師の戒告件数 2 医業停止期間終了後の業務について 3 4 5 6 調査権限の分類について 懲戒処分の指針について 「医師等の行政処分のあり方等に関する検討会」名簿 「行政処分を受けた医師に対する再教育に関する検討会」報告書 を踏まえた新たな検討会の開催について 7 具体的な検討スケジュール 第1回における委員の主な意見 1)処分類型の見直しについて ○これまでの行政処分の事例を参考にしながら、「戒告」の対象となる ような事例の整理が必要ではないか。 O「戒告」以外の処分類型についても、海外の状況を参考にしながら、 検討してはどうか。 ○医師法違反やその他の身分法違反については、具体的な行政処分の 事例をもとに、議論が必要ではないか。 ○医師の行政処分に際して、目安となる基準が必要ではないか。 O「戒告」と 「再教育」の関係を明確にすることが必要ではないか。 O「再教育」を医業停止の復帰の要件としてはどうか。 ≧⊥長期間の医業停止処分の在り方lこついヱ ○長期間の医業停止処分を受けた者の処分理由や、医業停止処分が終 了した後に、被処分者が医業に復帰しているかについて整理が必要 ではないか。 む」跡 ○調査権限には、直接強制調査と間接強制調査があり、多くの資格に おいては間接強制調査が行われている。 ○処分の対象となるような事案を把握するにあたって、患者の声を吸 い上げるような窓口が必要ではないか。 ○弁護士、公認会計士、税理士の処分にかかる申立件数などを参考に 検討してはどうか。 ○監督権限を持ちながら、調査権限をもたない資格はめずらしい0 0調査権限を創設する場合は、明文化する必要があるのではないか0 −1− 4)医籍の記載冊 ○現在医籍には行政処分の別(医業停止、免許取消)については記載 されているが、その処分理由も記載するについて検討が必要ではな いか。 ○仮に、処分理由も記載する場合は、誤解を生じないような記載内容 にするエ夫が必要ではないか。 ○医籍に記載する医師資格にかかる事項として、再教育が修了したこ とを含め、どのような事項が適当かについて検討が必要ではないか。 5)再免許に係る手続の整備 ○再免許を交付する基準の作成が必要ではないか。 ○事例として、医師免許証を自主返納した事案はどの程度あるのか。 争)㈲去lこついて ○法務省は、事案を把握する際に、どのように医師資格の確認をして いるのか。 ○医師資格について照会する際に、だれがどのような手続きをする必 要があるのかについて明確にすべきではないか。 7)その他 ○国家公務員の懲戒処分にかかる手続きの涜れを参考にしてはどうか。 ○免許の自主返納にかかる手続きについては必ずしも明文化する必要 はないが、明文化された規定があったほうがわかりやすいのではな いか。 ○約26万人の全ての医師資格を1つの所で把握することが適当か。他 の機関を通して把握し、国も関与していくということもあり得るの ではないか。 −2− 海外における医師に対する行政処分の状況 <米国> ◆ 州ごとに実施 ◆ 実施主体: ・各州の州医事当局(MedicatBoard) −Boardは州により、州政府の機関又は独立した公的機関 一多くの場合医師の代表と州知事が任命する公益代表からなる 一免許登録費用等により運営 ◆ 処分までの手続: ■ 国民、医療機関、政府機関等からの通報を端緒とする ・MedicalBoardが審査、聴聞、調査を実施して処分を決定 ・苦情の内容にかかわらず、適切な法的手続きを確保 ◆ 処分の目的: ・医師を罰することではなく、国民を守ることが主目的 一免許の取消や停止が必要な場合もあるが、多くの場合保護観察や免許の 制限のみでも国民を守ることが可能と考えられている ◆ 処分の対象となる行為、処分内容: −州ごとに異なるが、MedicaIBoardの全米連合組織が各州医師法(Medical PracticeAct)の標準を示している (出典:FederationofStateMedicalBoard:”WhatisaStateMedicalBoard”) ー3− 各州医師法の標準 (抄) (州医事当局の全米連合組織FederationofStateMedica]Boardsによる) ◆ 処分対象となる行為(例示) ・著しく誤った医療行為、著しい注意義務違反 ・資格を要する医療行為を無資格者にさせること ・資格の認める範囲を超えた医療行為 ・許可なく医療情報を漏洩すること ・犯罪への関与 ・医療情報の不適切な取り扱い ・性的、身体的暴行 ■ 救急患者の救護義務違反 ・不必要又は許可に基づかない医療行為 ・アルコールや薬物の影響下での医療行為 等43種類の行為 ◆ 処分内容(例示) ・免許取消(revocation) ・免許停止(SuSPenSion) ・保護観察(PrObation) ・資格制限(limitation) ・戒告(CenSure,rePrimand,Chastisement) ・金矧こよる損害賠償(monetaryredress) ・社会奉仕活動(PubIicservice) ・教育プログラムの受講(Satisfactorycompletionofaneducationalprogram) ・罰金(fine) ・乗用の支払い(PaymentOfdisciplinarycosts) ※執行猶予付き処分を行っている州もある (出典:FSMB:AGuidetotheEssentiatsofaModernmedicalPracticeAct,l七nthEdition) −4− テキサス州の例 ◆処分理由及び処分種別: ・執行猶予処分を有する ・処分の基準について詳細な明文規定を持つ。 (抜粋) 標準的な制裁 理 由 書面による資料の提出命令に迅速に応 書類の提出、被害弁償(restitution)、 及び1件あたり1000ドルの罰金 じない場合 書面による召還または報告の徴収に応 戒告(Reprimand)、召還又は報告徴収に応ずるこ と、応ずるまで1日500ドルの罰金 じない場合 医業と関連する刑法犯による有罪判決 (例:医師の立場を利用した暴行) 医業と無関連の刑法犯による有罪判決 判決内容の遵守及び罰金2000ドル 卒後継続教育(CME)を受けない場合・記 録を所持しない場合 心身の疾病、薬物障害による診療能力の (D免許所持者が診療可能であることを証明できる までの間免許停止 又は ②薬物検査、診療制限、断酒(薬物)会への出席、精 障害 神科的検査及び能力検査 診療録の不記載 2年間の保護観察(例:能力検査、教育の受講、 診療の監視)及び罰金2000ドル 診療の質:公衆衛生・福祉に反する診療 (D医業停止3年 又は 行為又は繰り返す重大な医療過誤(患者 ②医業停止90日の後、保護観察(診療制限、能 1人に対するもので重大な被害が発生 力検査、教育の受講、診療の監視)及び罰金3000 ドル していない場合) (む医業停止2年 又は 不適切な処方 ②医業停止60日の後、保護観察(診療制限、能 力検査、教育の受講)及び罰金2000ドル (D医業停止4年 又は 虚偽の処方箋発行 ②医業停止90日の後、保護観察(診療制限、能 力検査、教育の受講)及び罰金2000ドル 診療報酬の不正請求 (D医業停止3年 又は ②医業停止90日の後、保護観察(診療の監視、教 育の受講)、被害弁償、罰金3000ドル 命令に従わない場合 ① 保護観察処分の中止 ② 戒告、命令の6か月間延長、罰金2000ドル (出典‥BoardRulesofl七xasStateBoardofMedicalExaminers,Chapter190) ◆処分件数(2004年) 免許取消又は返納 33件 免許停止 45件 条件付き免許 88件 戒告 29件 (出典:http://www.tsbme.state・tX・uS/enforce/mbd・htm) ー5− <英国> 免許管理者(Genera[Medicat Council:GMC)による処分と、病院管理者(NationaI HealthServiceTrusts)による業務一時停止処分とがある。 以下、GMCによる処分につき概要を述べる。 ◆ 実施主体 ・総合医療委員会(GeneraJMedicaJCounci):GMC) O GMCは公的機関であり、医師の代表、医学校の代表、枢密院により選出 された民間人で構成 ◆ 医師の適性評価に関わる職員約200名、審査委員約250名 ◆ 免許登録費用等により運営(GMCの年間支出約110億円、うち54%が医 師の適性評価関係) ◆ 端緒 ・市民及び医療機関管理者からGMCへの通報 (約400件/月) ◆ 市民は医療機関あるいは直接GMCに通報できる ◆ 医療機関管理者とは、NHStrust.PrimaryCareTrust及び民間医療機関 ◆ 審査手続 7 CaseExaminer(医師1人、民間人1人)による調査■審査 ◆ CaseExaminerは、次の判断を実施 > 処分の検討が必要と判断し、診療適性委員会に回付 > 緊急の必要を認め、暫定処分委員会に回付 > 戒告 > 医師からの約束(Undertakings)を受諾 > 処分を実施せず審査を終了 + 診療適性委員会(FjtnesstoPracticePaneJ)カモ、正式な処分を決定 ◆ CaseExaminerにより結論を得ない場合には、調査委員会に回付して調査 ◆ 暫定処分委員会(lnterimorderpane[)は、暫定的な免許停止及び条件付き免 許処分を決定 −6− ◆ 処分種別及び処分理由 ・免許取消(Erasure) ◆ 患者や国民を守るために免許取消が唯一の方法と考えられる場合 例: > 故意又は無能力により患者に危害を及ぼし、危険が継続 > 患者に対し医師としての信頼・強い地位を濫用 > わいせつ、暴力 > 不正直(特に、継続的に隠蔽した場合) > 自らの行為や転帰に対する自覚が常習的に欠如 免許停止(SuSPenSion):最長12か月 ○ 容認しがたい重大な違法行為 ◆ 現在の診療能力では患者に危険を及ぼすが、将来改善の余地を認める場合 条件付き免許(COnditionalregistration):最長3年、更新可能 ◆ 診療能力に欠陥があるが、教育・指導により改善の余地を認める場合 戒告(Issueawarning) ◆ 医師の行為や医療水準に注意を促すもの ◆ 次のような条件の多くを満たす場合 > 患者に危害を及ぼしていない > 問題の自覚がある > 故意でない > 問題となった行為がその後反復していない > 反省が認められる > 過去に処分歴がない > 改善の方策がとられている ◆ 処分件数(2004年) ・免許取消 82件 ・免許停止 116件 ・条件付き免許 117件 (出典:GMC:]ndicativeSanctionGuidanceforFjtnesstoPractisePaneIs, ApriL2005及びAnnua[review2004/05) 一了− 海外における医師情報の公開状況 <米国> 各州の Board による処分は、各地域医師会、アメリカ医師会、全米医師データバンク (NPDB)、州医事当局の全米連合組織(FSMB)等に報告されている。 ◆ 全米医師データバンク(Nationa]PractitionerDataBank) >管理者: 米国厚生省医政局医事課医師データバンク室 >情報へのアクセス: 事前に登録した組織(連邦政府機関、州医事当局、医療機関、学会等)の みアクセス可能。 一般市民、医療過誤保険会社、医事紛争弁護士はアクセス不可。 >登録情報: 医療過誤紛争支払いレポート、医師処分レポート、医療機関の医師処罰レ ポート、学会の会員懲罰情報、Medicare/Medicaidの保険医登録抹消情報 (出典:http:〃bhpr.hrsa.gov/dqa/) ◆ FederationPhysicianDataCenter >管理者:州医事当局の全米連合組織(FederationofStateMedica]Board) >情報へのアクセス: 国民がインターネット又は書面での申請によりアクセス可能 有料(1件あたり9ドル95セント) >公開情報:1960年代からの処分歴 (出典:http://www.docinfo.org/) ◆ アメリカ医師会:DoctorFinder >管理者:アメリカ医師会(AmericanMedicalAssociation) >情報へのアクセス インターネットによりアクセス可能 >公開情報: 全医師の氏名、診療科、卒業大学、臨床研修歴、勤務地 等 行政処分歴は掲載されていない (会員・非会員を含め、医学部入学時及び臨床研修開始時からデータベー スを作成。以後本人■学会等の情報源から情報を更新。非会員については 一部の情報のみ公開。) (出典:http:/仙ebapps.ama−aSSn,Org/doctorfinder) −8− ◆ 各州の管理・公表するデータベース >管理者:州政府又はMedicalBoard >情報へのアクセス 大半の州でインターネットにより市民がアクセス可能 氏名(一部の州では氏名及び住所)により検索が可能 大半の州では無料(一部情報については有料の州もあり) >公開情報 氏名、医師資格の有無(大半の州) 卒業大学、診療科、医師処分の有無(半数程度の州) 生涯教育歴、勤務場所、医事訴訟歴(一部の州) <英国> ◆ GMC(GeneraIMedicaLCounciL) 医師の情報をインターネット上で確認可能 >以下の因子による検索が可能 免許番号、姓又は名、登録年 >閲覧できる内容: 免許番号、姓名、性別、住所、登録年月日、学位、専門分野 ※行政処分の有無及び内容については検索とリンクしておらず、最近の処分につい ては別途に氏名入りでインターネット上に公表されている。 (出典:http://w〟.gmC−uk.org/) −9− 海外における歯科医師に対する行政処分の状況 <米国・オハイオ州> ◆ 州ごとに実施(医師と同様) ◆ 実施主体(各州のDentat Board) ・州政府機関(21州)または公的機関(29州) ・委員は歯科医師、歯科衛生士の代表、民間人とから構成されている州が大部分 ・ホームページ上で処分状況(Disciplinary action)を公開(35/50州) ◆ 処分までの手続き(オハイオ州の例) ① 患者等からの苦情 ② 本人及び従業員、病院(診療所)、薬局、保険会社等に対する聞きこみ調査 ③ 資格者に対する審問 ④ 審問の報告書(仮処分)を資格者本人(または弁護士)に通知 …報告書に対する異議、修正の申し立てが可能(10日間) ⑤ 委員会(原則非公開)にて最終処分を決定 …患者との協定(consent agreement)による解決も可能 ⑥ 処分命令 ◆ 処分の対象となる行為(オハイオ州の例) r DentalBoard Disciplinary guideIinesに基づく ① 薬の処方(不適切な処方、処方記録の未記載 等) ② 治療関連(治療による損傷、治療内容 等) ③ 詐欺、虚偽(文書虚偽記載、広告詐欺 等) ④ 診療中の猥奉行為 ⑤ 未許可業務(免許停止中の業務、無資格業務の容認 等) ⑥ 犯罪行為 ⑦ 業務能力の欠如(身体的、精神的) ⑧ 感染症予防(B型肝炎に対する予防 等) ⑨ 生涯教育義務 ⑩ 広告違反 等37種類の行為 −10− ◆ 処分内容(オハイオ州の例) t免許取消(revocation) ・免許停止(suspension) →保護観察(probation)と継続教育(CE:COntinuing education)が付随 ・戒告(reprimand) ※その他、罰金(fine)を課している州もある ◆ 処分件数(オハイオ州)【歯科医師、歯科衛生士、放射線技師】(2004年) 免許取消 0名 20名 免許停止 戒 告 7名 ※処分対象の多くは歯科医師が占める ◆ 違反内容【2004年】 治療関連 12名 感染症予防 6名 薬の処方 6名 業務能力の欠如 2名 協 定 2名 未許可業務 2名 詐欺・虚偽 2名 ※不明は除く、重複違反あり 一秒−