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タンクに入れて使う節水器具でトイレの水が止まら
報道発表資料 相談解決のためのテストから No.13 平成 24 年 1 月 19 日 独立行政法人国民生活センター 消費生活センター等の依頼に基づいて実施した商品テスト結果をご紹介します。 タンクに入れて使う節水器具でトイレの水が止まらなくなった!! 1.依頼内容 「突然トイレの水が止まらなくなった。トイレタンク内を見ると、1 年前にトイレタンクに とりつけた金属の節水器具がかなり変質しており、タンク下部のパッキンの間に挟まっていた。 トイレタンクには芳香洗浄剤は使用しているが、著しく金属を変質させるような環境で使用し ていない。商品に問題がないか調べてほしい。 」との依頼を受けました。 2.調査 この商品は、トイレタンク内の排水弁の上に取り付け、その重みで排水弁を通常より早く閉 じさせ、流水量を減らし節水ができることをうたった商品です(図 1)。依頼センターへの相 談者の申し出によると、当該商品は、取り付けた位置から外れ、タンク内の排水口と排水弁の 間に挟まっていたとのことでした。 図1.節水のしくみ レバー トイレの流れるしくみ ①レバーを上げて水を流すと、排 節水器具 〔排水弁の上に取り付ける〕 水弁が引き上げられ、タンク内の 水が便器へ流出する。 ②水位が下がると、給水が始ま 節水器具を排水弁に取り付けると、 節水器具の重みで排水弁が引き上げられ ている時間が短くなり、便器へ流出する 水の量が減少する。 り、水に浮いていた排水弁が元の 位置に戻り水の流出を止める。 排水弁 排水口 当該商品は取り付けた位置から外れ、 排水口の間に挟まっていた。 挟まったことにより、排水弁が開いた 状態が続き、水が流れっぱなしにな る。 1 新品と比べてみたところ、新品では光沢があるのに対し、当該商品では光沢がほとんどなく、 中央の穴付近は表面がはがれ白っぽく変色し、えぐれた部分もみられました(写真 1)。また、 針金が巻きつけられた突起 A と針金を固定していた突起 B が脱落し、針金が変形して、位置も 中央に向かってずれていました。 排水弁に設置し、排水弁を開閉させてその様子を観察したところ、当該商品は針金の位置が 中央に向かってずれていたため、本体が排水弁と密着できずに不安定な状態となっていました。 さらに、節水器具を排水弁に固定する針金が外側に変形していたため、排水弁の鎖から外れや すくなっていました。 さ 商品の材質について調べたところ、針金部分は錆びにくいステンレス、本体は亜鉛合金で 錆びにくいめっき処理(銅-ニッケル-クロム)が施されていましたが、変色、突起が脱落 していた部分は、めっきがはがれ、錆が発生していました。 当該商品は一定期間の使用により本体のめっきがはがれ、錆の発生や針金の変形により排水 弁から外れ、排水弁と排水口の間に挟まって水が止まらなくなったと考えられました。 写真1.商品を排水弁に設置した様子 相談の商品 鎖 針金が外側に変形しているため、 鎖から外れやすくなっている。 節水器具 突起が脱落している。 表面がはがれ、内側 がえぐれている。 針金が変形し中央に向 かってずれている。 新品 排水弁 突起 B 突起 A 本体 針金 3.解決内容等 依頼センターから販売元に対しテスト結果の説明を行ったところ、商品代金を返金し、商品 本体の材質をステンレスに変更するとの回答がありました。 本件問い合わせ先 商品テスト部:042-758-3165 <title>タンクに入れて使う節水器具でトイレの水が止まらなくなった!!(相談解決のためのテストから 2 No.13)</title>