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地域医療情報ネットワークの最前線 ~英米海外調査から

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地域医療情報ネットワークの最前線 ~英米海外調査から
地域医療情報ネットワークの最前線
~英米海外調査から~
神戸国際大学経済学部
辻
正 次
2016年6月16日インターシステムズ医療セミナー
アウトライン
1. はじめに
2. 日本の地域医療情報システム
3. 米国の事例:Healthix
4. 英国の事例:CMC
5. 今後の方向性と課題
日本の地域医療情報システム I
意外と歴史が古い:90年代中頃
• 事例1:兵庫県加古川市
近隣の約120の医療機関
検診・投薬データ
疫学情報
“カインドカード”
• 事例2:島根県出雲市
日本の地域医療情報システム II
• Human Bridge
• ID Link
電子カルテの閲覧、診断に利用
紹介患者、退院患者の情報
地域医療連携システム数の推移
100
94
90
79
80
70
57
60
50
37
40
30
30
24
16
20
10
3
3
10
9
8
7
18
0
注:運用件数(予定を含む)
出所: 厚労省
地域医療連携システム導入の目的
医療連携
96
救急医療対策
43
在宅医療対策
33
疾病管理(疾病…
26
僻地医療対策
26
がん対策
22
災害医療対策
19
医師・看護師等…
18
周産期医療対策
15
疾病予防
15
小児医療対策
14
健康増進
精神科医療対策
13
6
地域医療連携システム導入の契機
0
5
10
15
20
25
30
医療資源不足
29
医療機関の機能分担
27
地理的不条件
7
地域包括ケア、在宅…
7
患者紹介時の情報…
6
特定疾患の患者増加
4
災害時医療対策
3
救急医療体制の再…
3
無回答
13
なぜ導入が進まない?
巨額の資金の投入
導入の効果:費用対効果
医療機関にとってのメリット
患者にとってメリット
基本的に欠ける点があるのでは?
欧米との比較のための海外調査
1. システム
2.その効果
3. 経営基盤
米国調査
Healthix, NYの概要 I
• NY市内のRHIO (Regional Health Information
Organization)
• NPO法人
2010年に5つのRHIOが合併。
1600万人(ニューヨーク州内の連携するRHIO
を含めると2300万人)をカバー
• NY市にある約500の医療機関(病院、診療所、医療
分析機関、画像診断センター、老人ホーム)と連
携
Healthix, NYの概要 II
• 共有される情報:
① 患者の個人情報、診断、投薬
アレルギー、検査結果
②日時、入力した医療機関、患部、検査等
が簡潔記載
③ 救急、病院や養護施設の入退院
④ 州内医療機関での診察も見られる
⑤ 1600万人の情報
⑥ 画像情報は扱えない
統合型システム
情報の出し手
情報の受け手
Healthix, NYの概要 III
• 本人の特定化
①名前、性別、人種、年齢等の外形的な個人属性、
診察記録等を参照して自動的に瞬時本人確認
②IDは用いない
• 経営基盤:補助金
州政府
連邦政府とその機関
HRQ(Agency for Healthcare Research and Quality)
医療品質研究調査機構
CDC (Centers for Disease Control and Prevention)
疾病予防管理センター
PCORI(Patient‐Centered Outcomes Research Institute)
患者中心のアウトカム研究所
Healthix, NYの成果・目標
• 医師側のワークフローの最適化
二重診療や不必要な入院の防止
• Population Risk Management
① 1600万人の患者情報=Big dataを用いた
リスク管理
② 特定の患者の特定の疾病に罹患・悪化
する確率を計算
③ トリアージによる効率的な治療
④ Prospective (前向き)の分析
⑤ PHRの実現
英国調査
英国の医療戦略
理念:安全、患者中心(citizen‐centered)、効率性
• 医療と Social care (社会的ケア)との統合
疾病予防、自己管理の支援に焦点
再入院させない病院と自宅での診療体制
• 医療と社会的ケアでの統合された情報共有化
医療、社会的ケアの専門家や従事者を支援
情報の収集、解析、高度化の実現、
• 患者が自宅や社会で健康で長寿が可能な体制の
構築、
目標
(1)住民
オンラインによる医療情報や受けた医療サービスの情報
行政や医療機関とのオンラインによるコミュニケーション
自己の医療情報の閲覧
自宅での疾病・健康の自己管理
ホームモニタリング(在宅健康支援システム)
(2)医療従事者
患者情報へのアクセス
情報の共有により、治療の全過程での協力体制の構築や
業務効率化
高度な治療への意思決定の支援
個人やチーム医療での相互チェック
(3)行政や研究者
長期の治療計画の立案と評価に関する情報
治療やサービスの向上
ロンドンのCMCの事例
CMC(coordinate my care)
NPO
•
21012年5月に設立
ガン専門のRoyal Masden病院において、
Julia Riley教授のリーダーシップのもとで設立
救急ケアやそれと関連するガン患者に対する
終末治療をサポート
救急サービス、NHS 111(救急電話)、かかりつけ医
(GP)、医療機関、時間外GP診療所、療養所、ホス
ピス、ソーシャルワーカー等々と連携
• 登録患者数
約3万人
いかに患者データを集めるのか
関連データのシングル版(single version of relevant
data)
InterSystems のHealthShare
名寄せ:生年月日、NHS番号、性別、住所等の個人情報
各医療機関やシステムに納められている患者データの
中から、必要なもののみを取り出す
生年月日、NHS番号、性別、住所等の個人情報
患者の同意内容、患者の特徴の詳細(アレルギー
等)、診察履歴、本人の治療意向、蘇生治療の希望
(延命治療等)、救急治療プラン、服薬、同意書など
CMCの統合型システム
CMCの評価 (看取りの場所)
60
50
40
30
イングランド
CMC
20
10
0
病院
自宅
ケアホーム
ホスピス
その他
診療科目別の入力された記録
8%
13%
2%
47%
3%
4%
5%
18%
ガン
COPD
認知症
心臓病
脳外科
腎臓病
その他
分類不能
CMC患者とその他患者との比較Ⅰ
群(人数)
CMC患者(83人)
A&E1
入院
1.1回
1.6回
第1群 (75人)
1.8
2.5
第2群 (75人)
1.5
2.3
入院
期間
救急車
呼出
10.4日
時間外
GP
150回
1.7回
12.5
240
2.3
13.8
190
2.3
CMC患者とその他患者との比較Ⅱ
群(人数)
CMC(83)
CPC
T
GP
2.5回 15回
コミュニティ
施設
26回
ホスピス
滞在日
1.8日
ホスピス
滞在時間
1.8時間
第1群(75)
1.4
10
24
1.7
1.3
第2群 (75)
1.3
10
16
1.4
0.2
地域医療情報ネットワークの
発展モデル
非統合型モデル(これまで)
養護施設
統合型システム(現在)
Integrated Care Exchange (今後)
Integrated Care Exchange構築の課題
• 既存の地域医療情報ネットワークとの結合
• 医療機関ごとの電子カルテとの結合
異質なネットワーク
SSMIXとそれ以外
最初か ら構築するのではない
•
米国や英国の例に学ぶ
規模の経済性
地域医療情報ネットワークをどう使うのか
• Population Approach
Big dataとAI
疾病の予防、重症化防止、治療の効率化
• 日本:匿名化とデータの2次利用
製薬業界へ販売
自治体や医師会毎のネットワーク
ネットワークの経済性の欠如
効率性追求の欠如
医療情報ネットワークの比較
医療分野でのトレンド
第4次産業革命
第3次IT革命
Big data
AI
ICTロボット
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