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(その他経費・控除収益、修繕費・スマートメーター関連費用

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(その他経費・控除収益、修繕費・スマートメーター関連費用
資料5
個別の原価等について
(その他経費・控除収益、修繕費・スマートメーター関連費用)
平成25年4月25日
資 源 エ ネ ル ギ ー 庁
目次
1.その他経費・控除収益・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ P2
2.修繕費・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P23
3.スマートメーター関連費用・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・P28
1
1.その他経費・控除収益
2
1.(1)概要①
○その他経費は、設備の運転又は点検、警備、業務のシステム化を他に委託する費用である委託費や事務所
建物等の賃料(借地借家料)、鉄塔等の設置に要する土地等の使用料(道路占用料、線下補償料等)等に係
る費用である賃借料など21項目に分類される。
○控除収益は、自社電源線等の設備を他社が使用することによって発生する収益である託送収益(接続供給託
送収益を除く。)や支払期日を超えて支払われる電気料金に係る延滞利息等の収益である電気事業雑収益な
ど5項目に分類される。
一般電気事業供給約款料金算定規則
(営業費の算定)
第三条
2 三 使用済燃料再処理等発電費、使用済燃料再処理等既発電費、廃棄物処理費、特定放射性廃棄物処分費、消耗品費、
補償費、賃借料、託送料、事業者間精算費、委託費、損害保険料、原子力損害賠償支援機構一般負担金、普及開発関係
費、養成費、研究費、諸費、電気料貸倒損、固定資産除却費、原子力発電施設解体費、共有設備費等分担額、共有設備
費等分担額(貸方)、開発費、開発費償却、電力費振替勘定(貸方)、株式交付費及び社債発行費 実績値及び供給計画
等を基に算定した額
九 建設分担関連費振替額(貸方)及び附帯事業営業費用分担関連費振替額(貸方) 実績値及び供給計画等を基に算定し
た額
十 株式交付費償却及び社債発行費償却 交付費及び発行費を三年間均等償却するものとして算定した額
(控除収益の算定)
第五条 事業者は、控除収益として、遅収加算料金、地帯間販売電源料、地帯間販売送電料、他社販売電源料、他社販売送電
料、託送収益(接続供給託送収益を除く。以下同じ。)、事業者間精算収益、電気事業雑収益及び預金利息(以下「控除収
益項目」という。)の額の合計額を算定し、様式第一第三表及び様式第二第三表により控除収益総括表及び控除収益明細
表を作成しなければならない。
2 控除収益項目の額は、別表第一第一表により分類し、実績値及び供給計画等を基に算定した額とする。
1.(1)概要②(東北電力)
(億円)
廃 棄 物 処 理
消
耗
品
補
償
賃
借
託
送
事 業 者 間 精 算
委
託
そ 損
害
保
険
費
費
費
料
料
費
費
料
原子力損害賠償支援機構一般負担金
の 普 及 開 発 関 係 費
養
成
費
他 研
究
費
諸
費
経 電 気 料 貸 倒 損
共 有設 備費 等分 担額
費 共有設備費等分担額(貸方)
建 設 分 担 関 連 費 振 替 額 ( 貸 方 )
附 帯 事 業 営業 費用 分担 関連 費〃 (貸 方)
電力費 振替 勘定 (貸 方)
社
債
発
行
費
小
計
前回
85
52
35
333
13
5
483
12
-
100
21
68
116
6
4
▲0
▲2
▲0
▲2
1
1,331
今回申請
119
53
14
269
15
4
529
9
107
27
12
53
125
7
4
▲0
▲3
▲0
▲2
6
1,345
差異
35
1
▲21
▲64
2
▲1
46
▲4
107
▲74
▲9
▲16
8
1
0
▲0
▲1
▲0
▲0
4
15
控
除
収
益
遅 収 加 算 料 金
託 送 収 益 (接 続除 き)
事 業 者 間 精 算 収 益
電 気 事 業 雑 収 益
預
金
利
息
小
計
合計(その他経費+控除収益)
前回
▲19
▲3
▲27
▲141
▲1
▲192
今回申請
▲14
▲3
▲31
▲121
▲0
▲168
1,139
1,177
差異
5
0
▲3
20
1
23
38
【主な差異要因】
◇ 原子力損害賠償支援機構一般負担金(+107)
※原子力損害賠償支援機構法第38条に基づき機構へ納付
◇委託費(+46)
原子力安全性向上対策費用の増:+84,
LNG基地関連委託費の減:▲48 等
◇廃棄物処理費(+35)
灰処理費用の増:+25 等
◇普及開発関係費(▲74)
オール電化等販売拡大費用の減:▲48 等
◇賃借料(▲64)
リース会計変更等による機械賃借料の減:▲21 等
※その他経費は原子力バックエンド費用・固定資産除却費、
控除収益は地帯間・他社販売電力料を除く。
4
1.(1)概要③(四国電力)
(億円)
廃 棄 物 処 理
消
耗
品
補
償
賃
借
託
送
事 業 者 間 精 算
委
託
そ 損
害
保
険
費
費
費
料
料
費
費
料
原子力損害賠償支援機構一般負担金
の 普 及 開 発 関 係 費
養
成
費
他 研
究
費
諸
費
経 電 気 料 貸 倒 損
共 有設 備費 等分 担額
費 共有設備費等分担額(貸方)
建 設 分 担 関 連 費 振 替 額 ( 貸 方 )
附 帯 事 業 営業 費用 分担 関連 費〃 (貸 方)
電力費 振替 勘定 (貸 方)
社
債
発
行
費
小
計
前回
48
22
24
114
99
18
280
10
-
36
14
52
115
2
2
▲3
▲0
▲2
▲2
1
829
今回申請
60
25
9
90
79
16
326
10
65
8
13
41
74
2
3
▲3
▲1
▲2
▲3
1
815
差異
12
3
▲15
▲24
▲20
▲1
46
0
65
▲28
▲1
▲11
▲40
0
1
▲0
▲0
0
▲0
▲0
▲15
控
除
収
益
遅 収 加 算 料 金
託 送 収 益 (接 続除 き)
事 業 者 間 精 算 収 益
電 気 事 業 雑 収 益
預
金
利
息
小
計
合計(その他経費+控除収益)
前回
▲6
▲37
▲25
▲47
▲0
▲115
今回申請
▲3
▲22
▲25
▲42
▲0
▲93
715
722
差異
3
15
▲0
4
0
22
7
【主な差異要因】
◇ 原子力損害賠償支援機構一般負担金(+65)
※原子力損害賠償支援機構法第38条に基づき機構に納付
◇ 委託費(+46)
坂出発電所LNG導入に伴うLNG貯蔵業務委託開始:+28 等
◇ 普及開発関係費(▲28)
オール電化関連費用の減:▲19 等
◇ 諸費(▲40)
寄付金の減:▲1,諸会費・団体費の削減:▲7,
排出クレジット償却費の減:▲23 等
◇ 賃借料(▲24)
借地借家料の低減:▲10 等
※その他経費は原子力バックエンド費用・固定資産除却費、
控除収益は地帯間・他社販売電力料を除く。
5
1.(2)内訳①
【その他経費 (具体的な内訳の例)】
○廃棄物処理費 : 火力や原子力発電等によって発生する廃棄物の処理にかかる費用。基本的には発電量に応じて増減す
る可変費的な費用。火力では灰処理費、排水処理費、排煙処理費、雑廃棄物処理費があり、原子力では、
放射性廃棄物処理費、雑廃棄物処理費がある。
○消耗品費 : 潤滑油脂費、被服費、図書費、光熱費・水道料、発電用消耗品費、自動車等燃料費等。
○補償費 : 契約、協定、覚書等による補償義務に基づいて定期的または臨時的に支払う費用等。主なものは、汚染負荷量
賦課金、漁業補償、損害賠償費用。
○賃借料 : 事務所建物等の賃料である借地借家料、鉄塔等の設置に要する土地等の使用料(道路占用料、線下補償料等)、
その他車輌、タンク、事務機器等のリース料(機械賃借料、雑賃借料)等。
○託送料・事業者間精算費 : 自社及び自社の供給区域内の新電力が、他社の送電設備等を利用することによって発生する
費用。
○委託費 : 設備の運転又は点検、警備、業務のシステム化、データセンターの運用、口座振替関連等を他に委託する費用。
○損害保険料 : 原子力損害の賠償に関する法律の規定による保険料、原子力損害賠償補償契約に関する法律の規定によ
る補償料、火災保険、運送保険等の損害保険契約に基づいて支払う保険料。
○原子力損害賠償支援機構一般負担金 : 原子力損害賠償支援機構法の規定により原子力事業者が共同で納付する負担金。
○普及開発関係費 : 広報活動、新規需要開発、電気使用合理化等に要する費用。テレビ・ラジオ放送費、PR館や展示館等
の運営費、発電所見学会開催費、負荷平準化に資する機器の普及促進にかかる費用、お客様周知用
チラシ(料金改定等)やパンフレット印刷費等。
○養成費 : 電気技術の能力向上を目的とする研修費や社員の基礎的能力の向上を目的とする研修費等。
○研究費 : 自社研究所の費用、委託研究の費用、共同研究のための分担金、その他研究のために要する費用。
6
1.(2)内訳②
○諸費 : 通信運搬費、旅費、寄付金(反対給付を期待しないで任意に支出した金額)、団体費(諸会費及び事業団体費等)、
雑費(会議費や諸会費、事業団体費、諸手数料、公共施設等分担金、受益者負担金等)、雑損(貯蔵品の棚卸損や
評価損等)。
○電気料貸倒損 : 電灯電力収入で回収できない費用。
○共有設備費等分担額・同(貸方) : 共有設備の維持、運転等の管理を分担する費用。
○建設分担関連費振替額(貸方) : 電気事業及び附帯事業の建設に間接に関連した費用(人件費、旅費等)の建設仮勘定
への振替額。
○附帯事業営業費用分担関連費振替額(貸方) : 附帯事業の営業に間接に関連した費用(人件費、修繕費、減価償却費等)
の振替額。
○電力費振替勘定(貸方) : 建設工事や附帯事業のために自家消費した電気を一括控除する。
○株式交付費 : 登録免許税、金融機関及び証券会社の取扱手数料等。
○社債発行費 : 金融機関及び証券会社の取扱手数料等。
【控除収益(具体的な内訳の例)】
○遅収加算料金 : 電気料金を早収期間内経過後に支払われた場合に発生する収益。
○託送収益・事業者間精算収益 : 他社及び他の一般電気事業者の供給区域内の新電力が、自社の送電線等の設備を使用
することによって発生する収益。
○電気事業雑収益 : 契約電力を超えて電気を使用することによって発生する収益である契約超過金や電気事業固定資産等
を他人が使用することによって発生する収益である広告料(電柱取付の広告看板等)等が含まれる。
○預金利息 : 預金残高に対して発生する利息による収益。
7
1.(3)一般電気事業供給約款料金審査要領(抜粋)
(営業費)
○一般経費(委託費、消耗品費、普及開発関係費、研究費等)については、透明性を高める観点から個別査定を行う項目を可
能な限り拡大する。個別査定に当たっては、入札等を経たものは査定を行うことなくそのまま原価として認めるが、入札等を
行わないものは、例えば、技術革新の見込まれる案件はトップランナー基準、過去の類似事例の入札実績等を基準に原価
を査定する。個別査定を行わない項目については、比較査定を実施することにより、経営効率化を原価に反映させる。
(1)普及開発関係費については、インターネットやパンフレット等を利用した電気料金メニューの周知、需要家にとって電気の
安全に関わる周知、電気予報等需給逼迫時の需要抑制要請といった公益的な目的から行う情報提供については、原価
に算入することを認める。オール電化関連の費用については、電気料金の値上げが必要な状況下における費用の優先
度を考慮すれば、原価への算入を認めない。PR館等の費用については、販売促進に係る応分の費用については、原価
への算入を認めない。ただし、原価への算入を認めないとする費用であっても、合理的な理由がある場合には、算定の額
及び内容を公表することを前提に原価への算入を認める。
(2)寄付金については、電気料金の値上げが必要な状況下における費用の優先度を考慮すれば、原価への算入を認めな
い。ただし、合理的な理由がある場合には、算定の額及び内容を公表することを前提に原価への算入を認める。
(3)団体費については、電気料金の値上げが必要な状況下における費用の優先度を考慮すれば、原価への算入を認めな
い。ただし、合理的な理由がある場合には、算定の額及び内容を公表することを前提に原価への算入を認める。
(4)研究費における一括分担金のように、事業者間で販売電力収入等一定の比率により各社の負担額が定まるものについ
ては、個別の研究内容を確認できず査定が行えない場合には、原価算入を認めない。
(控除項目)
○算定規則第5条に基づいて申請事業者が算定した控除項目については、その項目ごとに、申請事業者が適切な効率化努力
を行った場合における経営を前提として算定した額であるか否かにつき審査するものとする。
8
(参考)認可された電力会社の査定原価との比較
(ア)修繕費及びその他経費(補償費、損害保険料、原子力損害賠償支援機構一般負担金等を除く)について、東京電力の認可時
の原価を9部門に費用配賦し、部門毎に設定したコストドライバーあたりの単価を算出。
(イ)東北電力、四国電力のコストドライバー値に上記東電の単価を掛け合わせることにより、それぞれ東電並の単価であった場合
の原価を概算。
(ウ)上記概算値と東北電力、四国電力の申請原価を比較。また、参考値として関電、九電の認可後の数値も算出。
東京電力、関西電力、九州電力、東北電力、四国電力の原価比較(概算)
東京電力=1.0
(福島第一原発1~4号機安定化費用、
賠償関連費用除く)
4.6
4.5
4.0
東北電力
4.0
四国電力
3.5
3.0
3.2
関西電力
2.6
九州電力
2.6
2.3
2.5
2.8
2.5
2.2
2.5
1.8
1.9
2.0
1.5
1.0
0.5
1.3
1.0
1.3
1.2
1.1
1.4 1.2
1.2
0.8
1.4
1.3
1.0
1.6
1.3
1.0
1.2
1.1
0.8
0.4
0.7
0.4 0.4
0.6
0.5
0.0
9
(参考)各社の部門別原価①
(単位:百万円)
東京電力
廃棄物処理費
修繕費
委託費
普及開発関係費
養成費
消耗品費
賃借料
研究費
諸費
水力発電費
原子力発電費
(※)
火力発電費
15,156
5,450
7,244
90,269
11,381
77
333
1,464
551
833
161
2,957
13,298
3,641
2,317
7,190
49,787
58,797
817
1,425
2,553
10,336
6,157
3,458
新エネルギー等発電費
送 電 費
変 電 費
配 電 費
55
228
84
31,555
10,455
19,003
7,142
180,419
42,216
3
32
48
618
42
224
842
46,768
1,260
1,803
192
1,069
14,886
1,061
1,117
493
2,887
45,496
3,026
4,139
販 売 費
1,624
50,997
1,687
670
3,596
11,387
725
6,959
合
計
14,489
388,041
186,521
2,504
3,246
14,269
143,682
17,040
20,668
※ 東京電力の原子力発電費から、福島第一1~4号機安定化費用、賠償関連費用を除外している。
関西電力
廃棄物処理費
修繕費
委託費
普及開発関係費
養成費
消耗品費
賃借料
研究費
諸費
九州電力
廃棄物処理費
修繕費
委託費
普及開発関係費
養成費
消耗品費
賃借料
研究費
諸費
水力発電費
16,763
7,096
135
67
350
2,718
341
956
水力発電費
6,846
4,725
71
34
136
415
118
684
火力発電費
10,534
58,476
13,625
350
135
2,596
2,154
1,178
2,190
火力発電費
6,871
44,820
12,147
733
155
1,619
2,035
1,237
1,928
原子力発電費
10,449
63,551
39,492
1,004
862
3,178
3,073
6,081
6,404
原子力発電費
4,510
53,339
22,109
287
550
1,683
1,919
2,263
1,740
新エネルギー等発電費
3
11
3
48
142
2
新エネルギー等発電費
103
3,753
410
15
5
46
99
162
80
送 電 費
変 電 費
配 電 費
14,610
10,982
12,758
6,778
91,823
20,044
79
375
12,110
521
1,285
92
596
4,289
581
1,387
290
1,348
33,688
984
9,826
送 電 費
13,598
8,708
143
78
224
2,931
381
953
変 電 費
6,993
5,689
71
43
251
1,111
344
773
配 電 費
60,259
14,247
240
286
767
14,560
449
5,118
販 売 費
1,629
26,419
1,243
380
2,098
8,113
534
6,613
販 売 費
1,519
15,942
382
308
1,277
5,393
375
6,204
合計
20,983
259,613
124,447
2,735
1,905
10,541
66,193
10,362
28,663
合計
11,484
191,127
83,977
1,942
1,459
6,003
28,463
5,329
17,480
10
(参考)各社の部門別原価②
(単位:百万円)
東北電力
水力発電費
委託費
原子力発電費
新エネルギー等発電費
送 電 費
変 電 費
配 電 費
11,401
1,344
8,992
46,362
7,568
2,951
17,628
17,251
1,533
190
18,785
2,930
9,090
1,116
81,730
11,173
58
108
475
150
384
117
1,170
1,085
1,341
3,519
224
752
1,555
1,676
874
2
31
62
76
29
95
209
2,606
556
717
126
263
1,487
282
823
305
1,473
13,869
723
1,865
廃棄物処理費
修繕費
火力発電費
普及開発関係費
養成費
消耗品費
賃借料
研究費
諸費
四国電力
廃棄物処理費
修繕費
委託費
普及開発関係費
養成費
消耗品費
賃借料
研究費
諸費
水力発電費
2,734
1,050
4
82
62
311
194
426
火力発電費
4,108
15,629
4,857
121
131
578
478
896
1,343
原子力発電費
1,917
12,891
17,039
364
516
877
471
1,663
1,326
新エネルギー等発電費
15
0
0
18
0
送 電 費
3,418
1,912
9
89
150
1,006
300
469
変 電 費
1,996
235
4
91
39
323
174
341
配 電 費
27,901
4,007
16
229
283
4,675
446
1,343
販 売 費
2,420
11,325
2,650
300
1,311
5,736
458
4,263
販 売 費
435
3,487
281
176
479
1,721
441
0
合計
11,943
188,949
52,897
2,650
1,227
5,317
26,875
5,262
12,474
合計
6,024
65,019
32,587
798
1,315
2,468
8,984
4,131
5,248
11
(参考)各社の部門別原価
<コストドライバー>
水力発電費
コストドライバー
東京電力
関西電力
九州電力
東北電力
四国電力
火力発電費
認可最大出力 認可最大出力
(kW)
(kW)
8,635,437
39,238,763
8,200,859
16,269,067
3,583,000
11,079,000
2,437,344
11,265,817
1,141,496
3,797,000
新エネルギー等
発電費
認可最大出力 認可最大出力
(kW)
(kW)
14,496,000
36,351
9,768,000
10,667
5,258,000
218,000
3,274,000
228,067
2,022,000
2,342
原子力発電費
送 電 費
送電亘長
(km)
18,757
18,514
10,590
15,127
3,391
変 電 費
変電設備の認可出力
(kVA)
267,947,967
157,036,333
70,306,500
72,751,300
22,188,200
配 電 費
販 売 費
配電亘長
(km)
355,306
130,992
167,940
179,176
53,888
契約口数
28,976,583
13,773,227
8,725,698
7,664,667
2,885,766
※養成費のコストドライバーは部門別の従業員数、廃棄物処理費、消耗品費のコストドライバーは部門別の発電電力量を用いている。普及開発関
係費のコストドライバーは契約口数のみを用いている。
(単位:人)
(従業員数)
従業員数
水力発電費
東京電力
関西電力
九州電力
東北電力
四国電力
火力発電費
1,483
1,299
464
626
366
新エネルギー等
発電費
5,833
65
2,661
0
1,473
80
1,082
41
778
0
原子力発電費
3,112
2,138
1,419
1,154
793
送 電 費
4,337
1,912
742
1,154
632
変 電 費
3,729
2,217
755
1,561
396
配 電 費
9,557
4,514
3,441
3,505
1,532
販 売 費
7,977
7,319
3,627
3,439
1,687
※一般管理人員を費用配賦基準と同一の比率にて残りの8部門に配分した数値
(発電電力量)
発電電力量
東京電力
関西電力
九州電力
東北電力
四国電力
※自社分、発電端の数値
(単位:百万kWh)
水力発電費
11,098
13,255
3,931
8,156
2,168
火力発電費
219,939
85,886
45,797
57,474
14,871
原子力発電費
23,902
29,587
25,243
2,339
5,987
新エネルギー等
発電費
58
12
1,384
969
12
12
1.(4)その他経費・控除収益の審査に係る論点
(ア)資材・役務調達コストの削減や効率化努力をどのように織り込んでいるか。
(イ)関係会社間の取引を含め、入札の実施が最大限行われているか。
(ウ)販売促進を目的とした広告宣伝費、寄付金、団体費については、料金審査要領において、原価への算入
を認めないことと規定されているが、今回の申請がそれに沿ったものとなっているか。
(エ)研究費については、料金審査要領において、一括分担金のように、事業者間で販売電力収入等一定の比
率により各社の負担額が定まるものについては、個別の研究内容を確認できず査定が行えない場合には、
原価算入を認めないことと規定されているが、今回の申請がそれに沿ったものとなっているか。
13
(参考)電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果①
(1)廃棄物処理費、消耗品費、託送料、委託費、普及開発関係費、養成費、研究費
①上記調達費用に関し、今後契約を締結するものについては、 「基本的な考え方」に示された考え方に基づき原価から減額す
べきである。
(2)消耗品費
①潤滑油脂費など過去実績等を踏まえ個別の積み上げで算定しているが、積算の考え方が統一されていないことが確認された。
このような項目については、実勢をより反映している直近(平成23年度)実績をベースに、増額について合理的な説明ができ
ない部分については原価から減額すべきである。
②図書費については、業務上必要性が認められないものや過大となっているものは原価から除くべきである。
(3)補償費
①法令、締結済の契約、覚書等に基づき適正に算定されていることを確認した。
(4)賃借料
<共通>
①道路占用料、水面使用料、線路使用料、電柱敷地料、線下補償料は法令及び契約等に基づく義務的借料であるため、過去
の支払実績、料率改定動向調査、協定書等により適正に算定されていることを確認した。
②借地借家料のうち、合理的な理由なく入居率が90%(※)を下回る社宅・寮についての下回る部分は、電気事業の運営上必要
不可欠とは言えない費用であることから原価から減額すべきである。また、周辺物件の平均的賃料水準を上回る部分につい
ても原価から減額すべきである。
※「住宅・土地統計調査(総務省)の空き家率の算出 平成20年度」を参考とした。
③顧問にかかる費用(執務スペース、社用車)については、人件費における顧問等の給与は原価算入を認めるべきではないと
の考え方を踏まえ、原価から除くべきである。
④その他の借地借家料については、契約済のリース契約等により適正に算定されていること、機械賃借料については、契約済
のリース契約や新リース会計基準適用による減少額の反映等適正に算定されていることを確認した。
14
(参考)電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果②
<関西電力>
①借地借家料のうち、ショールームのような販売促進にかかる施設や料理教室のような電気事業に供しない施設にかかるもの
については原価から除くべきである。
<九州電力>
①借地借家料のうち、社宅・寮の賃料については、平成25年度は減額交渉を反映したものになっているが、平成26、27年度も平
成25年度の減額交渉を反映したものとすべきである。
(5)託送料
①既契約及び前提計画等に基づいて適正に算定されていることを確認した。
②託送料のうち、コスト積み上げベースで料金が算定され、国がその内容を確認することが可能なもの(電気事業法第24条の4
(卸電気事業者の振替供給)に基づく届出を受けているもの)について、今後契約を締結するものについては、関西電力及び
九州電力に対し自社が適用される事業報酬率での交渉を行うことを前提に、当該報酬率を上回る分を原価から減額すべきで
ある。また、法人税等についても、税制改正により想定される法人税率等を上回る分については原価から減額すべきである。
(6)事業者間精算費
①「一般電気事業者間における振替供給に係る費用の算定に関する省令」及び前提計画等に基づいて算定されていることを確
認した。
(7)委託費
<関西電力>
①販売促進にかかる費用や普及開発関係費に類似する費用については、料金値上げの際における費用の優先度を考慮し、原
価から除くべきである。
<九州電力>
①委託会社との協議により、平成25年度に単価削減できたものについては、平成26、27年度も平成25年度の単価削減を反映し
たものとすべきである。
15
(参考)電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果③
(8)損害保険料
①原子力関係
ⅰ)「原子力損害の賠償に関する法律」及び「原子力損害賠償補償契約に関する法律」に基づき適正に算定されていることを
確認した。
②原子力以外
ⅰ)既存契約等に基づき適正に算定されていること確認した。
(9)原子力損害賠償支援機構一般負担金
①「原子力損害賠償支援機構法」及び関係法令に基づいて、今後負担することになると想定される金額が適正 に織り込まれて
いることを確認した。
(10)普及開発関係費
①審査要領において、原価への算入を認めないこととされている販売促進を目的とした広告宣伝費、オール電化関連費用、PR
館の販売促進関連費用については、原価算入されていないことを確認した。
②他方で、節電や省エネ推進を目的としたものであっても、PR・コンサルティング活動は販売促進的側面が強いと考えられるこ
とから、原価から除くべきである。
③電気料金メニューの周知、需要家にとって電気の安全に関わる周知、電気予報等需給逼迫時の需要抑制要請といった公益
的な目的から行う情報提供のみ原価算入を認めるが、ホームページやパンフレット・チラシ等を利用したものなど、厳に必要
なもののみ原価算入を認めるべきである。
④台風災害等による停電関係広報のように、上記以外の媒体を使用せざるを得ないものについては原価算入を認めるべきであ
る。
⑤特定の電子ツールを用いたり、特定の需要家に限定した専用サイトを利用した情報提供、または企業イメージ的な調査・広報
誌や他の取り組みと重複していると考えられる費用については、料金値上げの際における費用の優先度が低いと考えられる
ため原価から除くべきである。
⑥普及開発関係費のうち、団体費的な性格を持つ費用(研究会や懇談会等の活動費用等)については、原価から除くべきであ
る。
16
(参考)電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果④
⑦PR館に付随する水族館等管理費や喫茶・売店運営費等の電気事業に供しない施設に係る費用については原価から除くべき
である。
⑧原子力広報についても、イメージ広告に近い情報発信等については原価から除くべきである。
(11)養成費
①個別の積み上げで算定しているものの、単価表において単価が予め決まっているものを除き積算の考え方が統一されていな
い項目(研修旅費など)については、実勢をより反映している直近(23年度)の実績をベースに、増額について合理的な説明
ができないものは原価から減額すべきである。
(12)研究費
①電中研などの分担金及び自社研究のうち、以下に該当するものについては原価から除くべきである。
ⅰ)料金値上げの際における費用の優先度が低い研究
ⅱ)海外の会議や団体に参加し、情報収集を行う研究であって実質的に団体費に類似するもの
ⅲ)重複している研究
※なお、研究成果については、広く社会に普及するよう、既に公表されている内容をより充実させるべきである。
②電中研の分担金については、本来、電力会社本体で行うことも考えられる業務を集中的に行うため各社が費用を分担するも
のであり、分担金に含まれる人件費については、関西電力及び九州電力のコスト削減努力並に原価から減額し、その他の一
般管理費等のコスト削減可能な経費についても、関西電力及び九州電力のコスト削減努力に照らし、10%減額すべきである。
(13)諸費
①寄付金
ⅰ)九州電力の大牟田市特定呼吸器疾病救済事業への寄付金については、火力発電所の操業に起因した過去のSOx(硫黄
酸化物)排出に伴う補償的な意味を有しているなど合理的な理由があると考えられることから原価への算入を認めるが、
これ以外の寄付金については、審査要領のとおり、原価へ算入されていないことを確認した。(関西電力は今回の申請で
は計上なし)
17
(参考)電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果⑤
②団体費
ⅰ)海外電力調査会、海外再処理委員会、原子力安全推進協会、電力系統利用協議会、世界原子力発電事業者協会東京セ
ンターについては、事業目的など合理的な理由があると考えられることから、原価への算入を認めるが、これ以外の団体
費については、審査要領のとおり、原価へ算入されていないことを確認した。
③その他
通信運搬費など過去実績等を踏まえ個別の積み上げで算定しているが、積算の考え方が統一されていないことが確認され
た。このような項目については、実勢をより反映している直近(平成23年度)実績をベースに、増額について合理的な説明がで
きない部分については原価から減額すべきである。
(14)電気料貸倒損
①当年度の電灯・電力収入に改定率を乗じた額を基に算定されるため、査定による改定率の変更分を反映すべきである。
(15)共有設備費等分担額・同(貸方)
①既存の協定書または実施計画書に基づき適正に算定されていることを確認した。
(16)建設分担関連費振替額(貸方)
①個別原価の査定による電気事業工事資金の減額を反映すべきである。
(17)附帯事業営業費用分担関連費振替額(貸方)
①附帯事業営業費用に平成21~23年度実績を乗じて算定されていることを確認した。
(18)電力費振替勘定(貸方)
①個別原価の査定による改定率の変更分を反映すべきである。
(19)株式交付費
①過去の支払実績等により適正に算定されていることを確認した。(関西電力は今回の申請では計上なし)
18
(参考)電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果⑥
(20)社債発行費
①過去の支払実績、実施計画等により適正に算定されていることを確認した。
(21)遅収加算料金
①九州電力は、平成26年10月分の電気料金から延滞利息制度に移行することとしており、それまでの間に発生する遅収加算料
金について、過去の発生実績等に基づき適正に算定されていることを確認した(関西電力は今回の申請では計上なし)。
(22)託送収益
①既契約及び前提計画等に基づいて適正に算定されていることを確認した。
(23)事業者間精算収益
①「一般電気事業者間における振替供給に係る費用の算定に関する省令」及び前提計画等に基づいて算定されていることを確
認した。
(24)電気事業雑収益
<関西電力>
①アンシラリーサービス料金に係る算定の一部において、収入の伸びと考えられる要因に相関させて収入を想定しているが、当
該要因の伸びと収入の伸びとの相関性がないと考えられるものは、収入そのものの伸びで再算定して足らざる部分について
は、原価から減額すべきである。
<九州電力>
①アンシラリーサービス料金、諸工料、共架料に係る算定の一部において、収入の伸びと考えられる要因に相関させて収入を
想定しているが、当該要因の伸びと収入の伸びとの相関性がない等と考えられるものは、収入そのものの伸び等で再算定し
て足らざる部分については、原価から減額すべきである。また、臨時工事費、諸工料に係る算定の一部において、単価請負工
事を前提に想定しているが、当該単価を現時点で見直して回収不足が発生しないよう、見直し後の単価で再算定して足らざる
部分については、原価から減額すべきである。
(25)預金利息
①過去の実績等に基づいて適正に算定されていることを確認した。
19
2.修繕費
20
2.(1) 修繕費の概要①
〇修繕費は、固定資産の通常の機能を維持するため、部品の取替え、損傷部分の補修、点検等に要する費用。
一般電気事業供給約款料金算定規則
(修繕費の算定)
第三条
2 四 普通修繕費及び取替修繕費の合計額であって、実績値及び供給計画等を基に算定した額
・普通修繕費 : 「取替修繕費」に整理されるもの以外を設備ごとに整理する。雑給、消耗品費、伐採補償料等の補償費、委託費及び諸費(雑
損を除く)で修繕のためのもの及び借入資産に関するものを含む。
・取替修繕費 : 取替資産の取替に要する費用を設備ごとに整理する。
<東北電力>
(単位:億円)
前 回
今回申請
差 異
<四国電力>
(単位:億円)
前 回
備 考
今回申請
差 異
備 考
水 力
103
113
10 ダム浚渫工事の増など
水 力
32
27
火 力
428
462
34 新規電源設置に伴う増など
火 力
139
156
原 子 力
230
175
原 子 力
196
129
▲67 定期検査の減等
新 エ ネ
-
15
15 設備区分の新設(地熱等)
新 エ ネ
-
0.1
0.1 設備区分の新設
▲55 定期点検等の減、発注価格削減による減など
▲5 点検周期・内容の見直し、効率化の反映による減等
17 定期検査の増、経年劣化対策による増等
送
電
164
186
22 経年化対策工事の増など
送
電
33
33
変
電
78
90
12 経年化対策工事の増など
変
電
25
20
普通修繕費
271
212
▲59 機器点検サイクルの見直しによる減など
普通修繕費
89
89
取替修繕費
439
580
141 スマートメーター導入、復興対応による増など
取替修繕費
127
187
60 経年劣化対策による増、スマートメーター導入等
小 計
216
276
60
配
0
▲5 変圧器の点検周期の見直し、効率化の反映による減等
0
配
電
電
小 計
710
792
業
務
118
57
合
計
1,832
1,889
82 ▲61 通信関係修繕の減、発注価格削減による減など
57
業
務
32
10
合
計
673
650
▲22 修繕対象の厳選、効率化の反映による減等
▲23
21
2.(1) 修繕費の概要②
【メルクマールとなる修繕費率との比較】
<東北電力の申請>
今回申請
平均修繕費(A)
平均帳簿原価(B)
比率 (A/B)
<四国電力の申請>
(単位:億円)
18~22年度
5か年平均
1,889
1,893
84,290
75,513
2.24%
2.51%
(単位:億円)
今回申請
平均修繕費(A)
平均帳簿原価(B)
比率 (A/B)
21~23年度
3か年平均
19~23年度
5か年平均
650
647
637
30,150
29,301
29,054
2.16%
2.21%
2.19%
・基本的に個々の件名を積上げる方式にて算定している。
・ 21~23年度の3か年平均及び19~23年度の5か年平均を比較基準として
妥当性を説明している。
・基本的に個々の件名を積上げる方式にて算定している。
・東北電力では、東日本大震災等の影響により23年度は異常値である
として、23年度を除いた18~22年度の5か年平均を比較基準として妥
当性を説明している。
(参考)修繕費率の比較
修繕費率
東京電力
関西電力
九州電力
18~22年度
5か年平均
19~23年度
5か年平均
19~23年度
5か年平均
1.44%
1.91%
2.22%
※修繕費率=平均修繕費/平均帳簿原価
※東京電力の修繕費率は、東日本大震災の影響から23年度実績を排除している。
22
2.(1) 修繕費の概要③
【災害復旧修繕費】
<東北電力の申請>
年 度
(単位:億円)
17年度
災害復旧修繕費
18年度
17
19年度
10
20年度
6
21年度
9
22年度
13
23年度
5か年平均
(18-22年度平均)
24年度
28
6
24
13
・地震災害は被害額が大きく変動するため、今回の算定対象から除外している。
・算定諸元の期間については、修繕費率のメルクマールに合わせてH18~22年度の5か年としている。
<四国電力の申請>
年 度
災害復旧修繕費
(単位:億円)
14年度
15年度
0
16年度
1.1
13
17年度
18年度
7.1
19年度
0
20年度
0
21年度
0
22年度
0
10か年平均
(14-23年度平均)
23年度
0
3.3
2.5
・過去10年(14~23年度)の大規模災害(復旧に要した修繕費が総額1億円以上)の実績平均としている。
(参考)関西電力及び九州電力の災害復旧修繕費のメルクマール
14年度
15年度
16年度
17年度
(単位:億円)
18年度
19年度
20年度
21年度
22年度
最大値、最小値を除いた
過去10年間の平均値
23年度
関西電力
0
1
21
3
0
0
2
6
0
17
3.5
九州電力
3
6
59
44
42
17
2
2
0
3
14.9
23
2.(2) 一般電気事業供給約款料金審査要領(抜粋)
〇修繕費については、事業者各社一律に設定するのではなく、各社ごとに、過去実績を元にした基準(帳簿原
価に占める修繕費の割合である修繕費率等)等をメルクマールとして設定する。査定時においては、効率化
努力と併せて、今後想定される投資の増加に対する事業者の取組を個別に考慮する。
24
2.(3) 修繕費の審査に係る論点
(ア)修繕費については、東京電力の経営・財務調査委員会の調査のような第三者の視点が入っていないが、
資材・役務調達コストの削減や効率化努力をどのように評価するか。
(イ)有識者会議報告を受けた審査要領において「帳簿原価に占める修繕費の割合である修繕費率等」とされ
ているが、今回の申請がそれに沿ったものとなっているか。また、東北電力では東日本大震災の影響により
23年度の実績を異常値であるとして除いているがよいか。
(ウ)災害復旧修繕費については、関西電力及び九州電力の査定方針と同様に、過去10年間の実績から最大
値、最小値を除いた平均値を基に査定すべきか。
(エ)修繕費率による査定は、過去の実績を踏まえたものであるため、このメルクマールに沿ったものとなってい
る限りにおいては、基本的には設備の安全や安定供給が図られると考えられるが、例えば、以下の点を確認
することにより、設備の安全や安定供給を確保した上で、更なる効率化を図る余地があるのではないか。
-除却設備にかかるもの、送電線異電圧・空回線等にかかるものについては認めないなど、必要不可欠な
修繕に限定されているか。
(オ)関係会社間の取引を含め、入札の実施が最大限行われているか。
25
(参考) 電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果①
1.修繕費率の妥当性の確認
修繕費率の算定については、一定の長期間である直近5ヶ年の実績を基本として算出することが妥当であ
る。
<関西電力>
(1)メルクマールとした修繕費率は、直近5ヶ年で1.91%(平成19~23年度実績)であり、修繕費申請額の帳簿原
価に対する比率は1.85%であることから、メルクマールの範囲内になっていることを確認した。
<九州電力>
(2)メルクマールとした修繕費率は、直近5ヶ年で2.22%(平成19~23年度実績)であり、修繕費申請額の帳簿原
価に対する比率は2.19%であることから、メルクマールの範囲内になっていることを確認した。
2.特別監査に基づく査定等
レートベースに関連する修繕費は、電気事業の運営にとって真に必要不可欠なものであるかについて、先行
投資、不使用設備、予備品/予備設備等を中心に行った特別監査(立入検査)の結果を確認し、以下の項目
については、レートベース、減価償却費との整合性を踏まえ、修繕費も原価から除くべきである。
・送電線異電圧
・送電線空回線及び空管路
・発電所・送電設備等における長期間不使用の土地、建物、機械装置
・社宅の空室分
・予備品及び予備設備
・その他(無償貸与設備、スポーツ施設、PR施設等)
26
(参考) 電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果②
3.災害復旧修繕費については、偶発的に発生するものであるが、3年の原価算定期間の間には、過去の例を
踏まえ、ほぼ確実に発生することが見込まれることから、原価算入は妥当である。なお、その算出にあたって
は、災害の発生規模が年によって大きく変動することを踏まえ、より長期の期間である過去10年間の実績を
基本に、当該10年間において損害額が最大の年及び最小の年の実績を除いた8年間の実績の平均値によ
り算出すべきである。(申請は関西電力が過去10年間の実績平均値、九州電力が過去5年間の実績平均
値)。
関西電力の災害復旧修繕費については、過去10年間(平成14~23年度)の実績から最大値、最小値を除
いた平均値に減額すべきである。なお、九州電力については、過去5年間(平成19~23年度)の実績から算
出しているが、過去10年間の実績から最大値、最小値を除いた平均値を下回っている。
4. 今後契約を締結するものについては、 「基本的な考え方」に示された考え方に基づき原価から減額すべきで
ある。
【参考】 災害復旧修繕費の発生推移及び最大値、最小値を除いた平均値
14年度
15年度
16年度
17年度
18年度
19年度
20年度
(単位:億円)
21年度
22年度
23年度
平均値
関西電力
0
1
21
3
0
0
2
6
0
17
3.5
九州電力
3
6
59
44
42
17
2
2
0
3
14.9
※四捨五入の関係で合計が合わない場合がある。
(単位:億円)
今回申請額
備
考
関西電力
4.9
過去10年間(14~23年度)の実績から算出
九州電力
4.8
過去5年間(19~23年度)の実績から算出
27
3.スマートメーター関連費用
28
3.(1)スマートメーターとは
○「スマートメーター」とは、電力会社・需要家への双方向の通信機能を備えた電気メーターのこと。
・機械式メーター(従来) ・・・ 使用電力量を累積値として計測し、アナログデータとして表示するのみ
・スマートメーター
・・・ 電力会社と需要家の間をつなぎ、使用電力量などのデータをやり取りできる。
使用電力量等の情報をきめ細かく計測(30分毎の値を取得等)できる。
電力会社は、検針や電気の開閉(電気の開通や遮断)を遠隔で行える。
○政府のエネルギー基本計画において、「2020年代の可能な限り早い時期に、原則全ての需要家に導入」と
いう目標が掲げられ、スマートメーター制度検討会において基本要件が平成23年2月に取りまとめられた。
○ 震災以降の電力需給逼迫を背景に、電力使用情報の見える化、電力の需給状況に応じた柔軟な電気料
金メニュー※などを実現するツールとして、スマートメーターに期待が高まり、導入目標を、「今後5年以内に
総需要の8割」に前倒しすることとされた(平成23年7月エネルギー・環境会議)。
※:電気の需給に応じて電気料金が変化するメニュー。
《スマートメーターの活用により期待される効果のイメージ》
①:業務効率化のための遠隔検針・開閉
②:需要家による省エネ・省CO2のためのデータ活用
<電力需要のピークカット・ピークシフト>
A :遠隔検針用通信
電力会社等
③:系統安定化のための需要家側の機器制御
電力需要
(万kW)
スマートメーター
5,500
夏季
ピーク
4,500
今夏の
供給力
0
<電力使用量の見える化・家電制御>
9時
B :HEMS用通信
15時
23時
時間帯
HEMS※
※:Home Energy Management System (住宅用のエネルギー管理システム)
29
3.(2)東北電力・四国電力のスマートメーター導入計画
○東北電力は平成27年度から、四国電力は平成26年度下期から、低圧スマートメーターの導入を開始する計画。
○現時点では、取替サイクル(検満取替)等の工事動機を捉えて設置を進め、東北電力・四国電力ともに、10年後の
平成36年度を目途に設置を完了する計画としている。
ピーク需要に
対する構成比
東
北
電
特別高圧・高圧需要家
(契約電力50kW以上)
約6割
電
力
約4割
ピーク需要に
対する構成比
特別高圧・高圧需要家
(契約電力50kW以上)
約6割
〔約3万個〕
低圧需要家
〔約270万個〕
H27
H28
H29
H30
H36
特別高圧・
全数 全数 全数
高圧
全数
全数 全数
全数
約1割 約2割 約3割 約4割
全数
総需要に
6割強 6割強 7割弱 約7割 7割強 8割弱
対する割合
全数
低圧
〔約670万個〕
四
国
展開済
〔約8万個〕
低圧需要家
力
H25
~H36
全数スマメ化
H25
400kW以上:
展開済
400kW未満:
H28迄に設置
~H36
全数スマメ化
-
H26
H27
H28
特別高圧・
約8割 9割弱 9割強 全数
高圧
低圧
約4割
-
H26
-
H29
H30
H36
全数 全数
全数
数% 約1割 約2割 3割弱 4割弱 全数
総需要に
5割弱 5割強 約6割 7割弱 約7割 7割強 全数
対する割合
30
3.(3)申請原価に計上されているスマートメーター関連費用
システム開発・運用
○メーターの取替修繕費については、従来型計器
(機械式・電子式計器)を導入した場合と比較して、
東北:25億円、四国:8億円の増(年平均)。
○これに通信設備の工事やシステム開発・運用費等
を含めると、スマートメーター関連費用の総額は、
東北:29億円、四国:21億円(年平均)。
通信設備工事・保守費
光・公衆
無線等
電力会社
検針通信料
メーター設置費
需要家
(単位:億円)
原価算入内訳
H25 H26
東北電力
H27 合計
平均
H25
H26
四国電力
H27 合計
備考
平均
スマートメーター導入に伴う取替修繕費の増分
修繕費(増分費用)
※スマメ導入分
-
-
減価償却費
-
-
2.0
2.0
修繕費(その他)
-
-
-
-
委託費
-
0.3
1.0
1.3
諸費
-
-
-
-
-
0.2
0.2
3.9
4.3
【四国】H26: 7万台、H27: 11万台
【東北】スマートメーターの新設設置分及びスマートメーター導入に伴うシステム開発
の設備工事費のうちH27償却分
0.2 【四国】スマートメーターの新設設置分及び光ケーブル・集約装置の通信設備
導入に伴う償却費
【四国】光ケーブル・集約装置に関わる修繕費、光ケーブル添加に伴う
1.3 電柱改造工事費
【東北】遠隔検針導入に伴うシステムソフト開発等に関わる業務委託等
7.4 【四国】MDMS、データ収集システム等の開発、検針ハンディターミナルシステム等
の改修に関わる業務委託等
【四国】データー収集システム等のライセンス料、遠隔検針導入に伴う通
1.4 信サービス利用料等
賃借料
-
-
-
-
-
0.3
0.3
1.1
1.7
0.6 【四国】サーバー等ハードウェアのリース料
研究費
0.7
0.1
-
0.8
0.3 2.4
0.4
0.5
3.3
1.1 【四国】遠隔検針の機能検証等に関わる研究費
消耗品費
-
0.0
3.0
3.0
1.0 -
0.2
0.3
0.5
0.2 スマートメーター用検針用機器(ハンディターミナル)等の消耗品費
養成費
-
-
-
-
-
0.1
0.1
0.2
0.1 【四国】業務従事者を対象とした研修費用
人件費
0.9 1.2
1.2
3.3
86.6
1.1 0.6
28.9
0.6
0.6
1.9
63.0
合計
76.2 76.2
25.4 0.7 -
-
8.8 15.3 24.1
0.1
0.6
0.7
0.2
3.8
4.0
0.4 3.1 13.5
-
5.6 22.2
8.0 【東北】H27:93万台
【東北】遠隔検針実証試験、デマンドレスポンスに関わる研究費
スマートメーターの導入等の業務に従事する社員に関する費用(総額人件
0.6 費)
21.0
※表示単位未満の四捨五入の関係で積上と合計は必ずしも一致しない。
31
3.(4)スマートメーター関連費用の審査に係る論点
①スマートメーターの導入計画をどのようにたてているのか。
 現在実施している遠隔検針や料金メニューの実証について(実証の狙いや進捗等)
 スマートメーターの調達について(各年度の導入ペースや仕様の公開・競争入札の実施等)
 スマートメーター用の通信システムや運用管理システムの構築・運用について
(通信方式やシステム仕様の選定方法、調達の実施方法、遠隔検針の実施時期等)
 スマートメーターを活用した料金メニューや、HEMSとの連携等による見える化などの新サービスについて
②スマートメーターの単価の積算は妥当なものとなっているか。
 東北電力・四国電力が提示している単価は、先行3社と比較してどのような違いがあるのか。
 スマートメーターの単価低減に向けた取組は十分か(仕様や調達手続きの見直し等)
③通信関係費用やシステム関係費用などをどのように見込んでいるのか。
 通信方式やシステム仕様について、コスト比較等を踏まえ、適切な選定を行っているか。
 子会社・関連会社への随意契約となっているものについては、入札を行った場合や
市場価格と比べて十分安価な織り込みとなっているか。
④原価算定期間及びその後において、スマートメーター導入の費用対効果をどのように見込んでいるか。
 遠隔検針・遠隔開閉の実施に伴う業務効率化効果(委託検針費の削減等)
 スマートメーターから得られる実計量値を活用した設備投資抑制効果(設備容量の見直し等)
 スマートメーターを活用したピーク需要抑制策の導入等に伴う需要抑制効果
32
3.(4)【論点①】 スマートメーターの導入計画や新サービスの展開(先行他電力①)
東京電力
・・・ スマートメーターの本格導入に向け、オープン調達を実施中。
スマートメーターの導入加速化、新たな料金メニューの導入等を具体的に表明。
• 新たな成長分野のインフラとなることが期待されるスマートメーターの大規模調達は「新しい東電」の企業姿勢を明確に示すもの
でなければならない。すなわち、いわゆる「ファミリー企業」と称される関連会社や従来より継続的に受注関係を有している企業
群に閉じた調達慣行ではなく、国際入札や社外からの意見募集といった抜本的な調達改革を行い、一層のコストダウンや取引
の透明性向上を実現する。
• 具体的には、本年 3 月から計器部分、通信部分について RFC(Request for Comment)プロセスの下で仕様を公開し、国内外企
業等からの意見募集を行った。また、当該意見の採用、仕様の決定については、「スマートコミュニティ・アライアンス」における
「スマートハウス標準化検討会」の下での検討内容(2012 年 2 月 24 日にとりまとめ)を反映することを前提として、東電が機構
と協議の上で行う。
• 東電は、2018 年度までに約 1,700 万台のスマートメーターを家庭等に集中導入する。遅くとも 2023 年度までに全戸を対象に
2,700 万台の配備を実現することとしているが、お客さまがスマートメーターの設置を希望する場合には、料金メニューの切り替
えと併せて、個別にスマートメーター取替に対応するなど、導入の加速化によって、全戸配備を更に前倒しする。これにより、家
庭や小口需要家における節電を促進し、将来の設備投資等の抑制を図るとともに、検針コストの引下げを実現する
• また、低廉で、HEMS(Home Energy Management System)等の新たな技術・ビジネスの拡大を後押しするインフラを低廉な調達
により整備するとともに、更なる発展可能性を担保するメーターを配備し、世界最先端のスマート社会の実現を目指す。
• 東電は、多額の設備投資負担を最大限抑える観点から、電力のデマンドサイド・マネジメントに本格的に取り組むことで、最大限
ピーク需要の抑制を行う。具体的には、ピーク需要の抑制に資する需給調整契約の拡大、スマートメーター配備後の家庭用デ
マンドレスポンスメニューの導入等を通じ、2020 年度夏期の時点で、緊急特別事業計画の策定時点と比較して、327 万 kW の
供給設備の設備投資削減を実現することとする。
• 規制部門においては、2013 年度以降のスマートメーターの配備に合わせて、家庭用デマンドレスポンスメニューを用意する。加
えて、スマートメーター導入以前においても、ピーク需要の抑制に資する新たな料金メニューを用意する。
• 家庭部門へのスマートメーターの本格導入に伴い、東電は検針等の業務の効率化を図るとともに、家庭でのピーク時の節電に
インセンティブを与える料金メニューをきめ細かに設定することで、お客さまの料金負担を軽減するとともに、東電のピーク電力
に係る設備投資の抑制、燃料費の抑制につなげていく。
• さらに、外部のパートナー事業者等との連携により、スマートメーターによって得られる情報を活用し、HEMS との連携による家
電の最適制御、省エネ診断サービス、セキュリティーサービス等の新たなサービスを展開する。
出典:総合特別事業計画(平成24年4月;平成25年1月改定 原子力損害賠償支援機構・東京電力)
33
3.(4)【論点①】 スマートメーターの導入計画や新サービスの展開(先行他電力②)
○関西電力・九州電力は、既にスマートメーターの本格導入を開始しており、平成35年度までの全数スマート
メーター化を目指して取り組んでいる。 ※九州電力は、離島・山間地域はH37目途
○また、電気料金審査専門委員会において、スマートメーターを活用したお客さまサービスの向上、営業所業務
の改善・効率化、将来の業務高度化とサービス向上について、両電力から具体的な説明が行われた。
関西電力
九州電力
出典:電気料金審査専門委員会(第14回)資料7-2、8-2
34
3.(4)【論点②】 スマートメーターの仕様・単価について
・東北電力は、「全国大での標準的な仕様を基準に、東北特有の気候やお客さまの受容性等も勘案して検討」と表明。
・四国電力は、「先行する他電力会社と基本仕様を統一し量産効果を得る」と表明。
○メーターの原価織込単価/想定単価(H28以降)
(千円)
【東北電力】
(千円)
18
16
16
14
14
12
12
10
12.8
11.9
原価算定期間
11.6
【四国電力】
18
11.2
10.9
10
17.6
17.6
16.8
16.2
15.8
15.8
H29
H30
H31
原価算定期間
8
8
H26
H27
《参考》
H28
H29
H30
【東京電力】
H31
H26
H27
H28
【関西電力】
(千円)
(千円)
申請
H26
H27
H28
H29
H30
申請
H26
H27
H28
H29
H30
単価
12.2
11.3
11.0
10.6
10.3
単価
16.0
15.5
15.1
14.9
14.8
※表中の網掛け(
【査定】約1万円
)は、原価算定期間を表す。
※表中の網掛け(
)は、原価算定期間を表す。
【査定】約1.4万円
35
3.(4)【論点②・③】 スマートメーター本体および通信・システムの調達について
○「電気料金制度・運用の見直しに係る有識者会議」報告書において、「スマートメーターの早期導入に向けて規格の
標準化を進めるとともに、効率的な調達の観点からオープンな形で実質的な競争がある入札を行うこと」が原則とされた
【東京電力】
• 昨年2月にとりまとめられたHEMSとのインタフェースの標準化を踏まえ、スマートメーター本体及び
通信・システムについて、①仕様のオープン化、②発注プロセスのオープン化 を実施中。
(1)仕様のオープン化(仕様についての提案公募)
・参入意欲のあるサプライヤ(海外含む)に対して計器の仕様書を開示し、改善案等の意見を募集
(昨年3~4月に実施。国内外から400件以上の意見)。
・意見の採用結果は各応募者に個別連絡、提案意見を反映した仕様書を正式版として全提案者に
開示。
(2)発注プロセスのオープン化(一般競争入札)
・発注先は限定せず完全競争入札を実施。新規参入を促進するため、段階的な発注手続きを検討。
【関西電力・九州電力】
• 電気料金審査専門委員会(第14回)において、両電力が導入を進めているスマートメーターについて、
「仕様をオープンにし、競争入札を実施したい」と表明。
36
3.(5)【論点④】 スマートメーター導入の長期的な費用対効果(各社による試算)①
○スマートメーターの導入開始当初は、費用が効果を上回るものの、先行3社(東京・関西・九州)、東北・四国とも、導入の
進捗とともに検針業務等の効率化や設備投資抑制効果等が増加し、長期的には費用が効果を上回ると見込んでいる。
■ 各社試算(申請ベース、委員会での公表値)
《費用が効果を上回ると見込む年度》
東京電力
※東電はRFC実施前の仕様を前提とした試算。更なるコストダウンが見込まれる。
※関電・九電も、査定後では以下の試算よりも費用が減少(効果がより上回る)。
関西電力
九州電力
東北電力
四国電力
単年度黒字
H33年度
H30年度
H32年度
H37年度
H37年度
累積黒字
H42年度
H36年度
H41年度
H44年度
H45年度
《長期的な費用対効果の試算値》
【東京電力】
【関西電力】
【九州電力】
【四国電力】
【東北電力】
H25~46の年平均
(億
円)
(億円)
40
35
需要抑制効果6
4
0
3
0
2
0
1
0
設備投資抑制 1
消耗品・雑費 1
30
システム開発他
6
通信設備5
通信料10
25
合理化効果
45
スマート
メーター
22
需要抑制効果 3
システム開発・リース 1
通信料 5
通信設備 8
配電業務関連 18
20
15
10
スマートメーター増分費用
19
検針業務関連 16
(費用)35億円
(効果)38億円
5
(費用)43億
円
(効果)51億
円
0
37
3.(5)【論点④】 スマートメーター導入の長期的な費用対効果(各社による試算)②
《効果の内訳(申請ベース、委員会での各社説明資料等から抜粋)》
検針業務関連
配電業務関連
※期間:導入開始から導入後1巡まで
需要抑制効果
・検針関連費用等
(約194億)
・計器費用抑制効果(約25
億)
・機器費等(約38億)
・デマンドレスポンス効果(約65億)
<平成33年度時点想定>
(高圧)約31万kW
(低圧)需要抑制kW
= 対象世帯×メニュー参加率 × 世帯当たり削減効果
約65万kW = 2,300世帯 × 28.5% × 約0.1kW/世帯
・検針・現場出向
業務の遠隔化等
による効率化効
果(約92億)
・計器法定取替時にユニット
単体の取替ですむ(約31億)
・変圧器や引込線のサイズ
ダウン等その他設備投資抑
制(約56億)
・スマートメーター導入による需要抑制効果(約13億)
<全数導入完了時の効果>
需要抑制効果(kW)
=需要抑制率×節電継続率×低圧ピーク最大電力
約27万kW = 3.4% × 80% × 998万kW
九州電力
(H22~H47年平均)
・検針・集金(再送
電)・契約廃止・調
査業務委託費及び
検針関連社員等の
効率化(約45億)
・契約変更時の工事不要、
計器修理費低減
・変圧器容量の最適化等の
設備投資抑制 (計約27億)
・電力量の使用状況「見える化」による需要抑制効果(約8億)
<全数導入完了時の効果>
需要抑制効果(kW)
=需要抑制率×節電定着率×低圧ピーク最大電力
約18万kW = 3.4% × 80% × 659万kW
東北電力
(H25~H46年平均)
・検針業務の効率
化、契約変更等に
よる出向業務の
効率化等(計34
億)
・電力量の使用状況の見える化による需要抑制効果(約6億)
・契約変更等の計器取替工事
不要による効率化
<全数導入完了時の効果>
・計器取替時計量部のみ取替、 需要抑制効果(kW)
修理品活用による効率化
=需要抑制率×節電定着率×低圧ピーク最大電力
約12万kW = 3.4% × 70% × 494万kW
・変圧器容量の最適化等の設
備投資抑制
(計約11億)
四国電力
(H25~H46年平均)
・検針業務委託費
及び検針関連社
員等の効率化(約
16億)
・契約の開始・廃止時の工
事不要
・変圧器容量の最適化等の
設備投資抑制 (計約19億)
東京電力
(H24~H45年平均)
関西電力
(H20~H45年平均)
・電力使用量の「見える化」による需要抑制効果(約3億)
<全数導入完了時の効果>
需要抑制効果(kW)
=需要抑制率×節電定着率×低圧ピーク最大電力
約5万kW = 3.4% × 80% × 194万kW
38
(参考) 電気料金審査専門委員会(関西電力・九州電力)における検討結果
(1)ユニット式計器について
• 関西電力及び九州電力が導入を進めているスマートメーターは、計量部と通信部が異なるユニットから構
成されるものであるが、その単価は東京電力の料金原価に織り込まれるスマートメーター単価(1台約1万
円)よりも高いものとなっているが、ユニット式計器については、取替時に要する費用が主に工費に限られ
るため、長期的なコストでみれば一体型メーターと遜色がないと考えられる。
(2)スマートメーターの単価について
• 関西電力及び九州電力のスマートメーターは、計量ユニット等については両者共通の仕様となっているも
のの、通信については両者で異なる方式を採用する予定となっている。これが両社のメーター価格差の主
な理由である。九州電力は直接無線方式を採用する方が通信ユニット単価が高いものの、ネットワーク関
係費用が不要となることでトータルコストを抑えることが可能と考えられ、両社の通信ユニットコストの差異
は妥当であると考えられる。
• ただし、計量及び通信両ユニットの織り込み単価については、両者とも指名競争入札を前提としているこ
とから、競争発注効果を踏まえた単価とすべきである。
• その上で、計量ユニットについては、単純な計測のみをおこなっていること、電子式計器が普及しているこ
とに鑑みれば、今後の価格低下が限定的と考えるのは妥当であるが 、計量部の織り込み単価について
は、両社で同一とすべきである。 また、通信ユニットについては、従来より研究開発が継続していることや、
電力会社が行う一般的な調達と異なり、従来と比べものにならない導入規模であることを踏まえれば、今
後、漸次かつ大幅にコストダウンが期待される。これを踏まえ、各年度毎に単価の削減を織り込み、原価算
定期間最終年度には、計量及び通信両ユニットをあわせた単価で、約1.4万円/台程度の織り込みとす
べきである。
39
(参考)スマートメーター制度検討会 報告書概要
平成23年2月
資源エネルギー庁 電力・ガス事業部
<検討の背景>
 エネルギー基本計画における目標「費用対効果等を十分考慮しつつ、2020年代の可能な限り早い時期に、原則全て
の需要家にスマートメーターの導入」
 省エネ・低炭素社会の実現のため、需要家が自らのエネルギー情報を把握、利用し、各々の行動変化を促す必要
 エネルギー使用情報を活用した新しいサービスの創出による国民の生活の質の向上、関連産業創出による経済活性化
<スマートメーターの要件及び情報の取扱>
○ スマートメーターが満たすべき要件
・機能:遠隔検針、遠隔開閉
・情報(=電力等使用情報):電力使用量、逆潮流値、
時刻情報、粒度(測定間隔)は30分値
(概念図)スマートメーターから需要家への情報提供ルート
(ガスは使用量、時刻情報、粒度は1時間値)
各社で導入が進む
スマートメーター
(Home Area Network)
HAN
・提供先:需要家及び電力・ガス会社双方
・提供のタイミング:現時点では原則翌日まで
○ 電力等使用情報の取扱について
・電力等使用情報は、電力会社から需要家に対して適正に提供
されるべきものであり、需要家による情報利用のために早期
の提供が重要
・メーターから需要家への情報提供ルートは限定しないが、リ
アルタイムでの情報提供についても早期の検討を期待
・プライバシー・セキュリティーの観点から個人情報保護制度
に則った対応が必要
<今後の対応について>
<普及に向けた課題>
官民一体となった取組
○ 電力・ガス会社 … エネルギー基本計画における目標の達成に向けた取組を明示
○ 国 … 電力・ガス会社で個別対応が困難なものに対応、必要に応じて適切な政策的
支援及び措置を検討
○ 需要家及びサービス事業者等 … 情報活用用途の検討、アプリケーションや機器の
開発促進
※ 今後も本検討会において、1年に1回程度でフォローアップを実施
 HANとのインターフェースについて、国及び関係者
による検討の継続
 第三者への効率的な情報提供のあり方について、
ニーズ等も踏まえて検討
 情報の活用用途の発展、関連サービスの創出等
 共通化や標準化等によるコストダウンの取組の継続
 情報通信ネットワークの整備・活用
等
40
(参考)エネルギー・環境会議における決定(抜粋)
1)見える化の徹底と市場メカニズムの活用
(節電目標の共有・電力消費の見える化・節電を促す料金メニューの拡充)
③スマートメーターの導入促進
・スマートメーターは、電力消費の見える化を実現し、需要家によるピークカットを促す
料金契約(例えば、需給調整契約、時間帯別料金契約、ネガワット取引契約など)を
可能とするインフラである。今後5年間で、総需要の8割をカバーすることを目標に電
力会社が集中整備を行うよう、政府として制度的な枠組みを構築する。
・また、スマートメーターの導入加速化に資するため、①スマートメーターとHEMSと
の情報連携に必要なインタフェースの標準化、②その前提となる電力各社等から提供さ
れるデータフォーマットの統一について、今年度中に行う。
⑤柔軟な電気料金メニューの創設・拡充
・需給調整契約の普及に加えて、電力会社において、スマートメーターも活用しつつ、需
給動向を踏まえて時間帯区分を見直すなど、柔軟な料金メニューの創設・拡充を図る。
・スマートメーターの普及に伴い、節電を促す料金メニューの普及を見込む。
年々その効果は拡大し、電力需給構造の大きな変革につなげる。
・併せて、高圧小口の需要家を対象に、契約電力の引き下げによる節電を促す取組を行う。
出所:エネルギー需給安定行動計画(平成23年11月1日エネルギー・環境会議資料より)
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(参考)インタフェースの標準化(スマートハウス標準化検討会における議論)
1. スマートメーターの導入加速化に資するべく、平成23年11月に「スマートハウス標準化検討会」及び「ス
マートメータータスクフォース」を設置し、検討を開始。スマートメーターとHEMSとのインタフェースの標準化
に向けた検討を行った。
2. 平成24年2月にとりまとめを行い、①スマートメーターとHEMSとの情報連携に必要なインターフェース
の標準化、②その前提となる電力会社等から提供されるデータフォーマットの統一について、結論を得た。
<インターフェースの標準化に向けた検討体制図>
スマートハウス標準化検討会での検討対象
スマートコミュニティーアライアンス※
国際標準化WG
電力会社
需要家
次世代自動車
SWG
主な標準化対象
インタフェース
蓄電池
SWG
通信I/F
SWG
送配電網管理
SWG
EMS
SWG
CEMSチーム
データセンター
スマートハウス標準化検討会
スマート
メーター
HEMSタスクフォース
スマートメータータスクフォース
BEMS(FEMS)チーム
※スマートコミュニティの国際展開、国内普及の推進を目的として平成22年2月に
設立された官民合同のコンソーシアム(会長会社:㈱東芝、事務局:NEDO)
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