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Departmental Bulletin Paper / 紀要論文
大学生主導による英語活動
荒尾, 浩子
三重大学教育学部附属教育実践総合センター紀要. 2010, 30, p. 8994.
http://hdl.handle.net/10076/12018
2010,
三 重大学教 育学部附属教 育実践総合 セ ンター紀 要
第 30号 ,89-94頁
大学生主 導 によ る英語活動
荒
尾
浩
子
平成 23年 度施行の小学校新学習指導要領では、外国語活動 は、学級担任 の教師、又 は外国語活動 を専門に担
当する教師が指導計画 を作成 し、授業 を実施す ることになっている。三重大学教育学部英語教育 コースの学生 は
全員、中・高 の英語科教員免許 と小学校教諭免許 を取得 し卒業 をす ることか ら、将来、小学校教員 になった際 は、
外国語活動での活躍、貢献が期待 される。 また中学校の英語教員 になった場合 も、小学校 での英語活動 との連結
を意識 した英語科教育 を実施す ることは必須である。平成 16年 度か ら開始 した三重大学英語教育 コースの フレ
ン ドシップ事 業 は、毎年 2年 生の学生が中心 とな り、地域 の小学生 を三重大学に招 き、大学生が主導 となる英語
活動 を計画 し実施 して きた。平成 20年 度 は 5回 目の取 り組みを迎 え、テーマ は「季節行事」 と設定 し、他の文
化 の人々が どのような季節行事 を大切 に し、楽 しんでい るのかを英語 を通 して児童 に体験 し、理解 させる ことを
目的 とした英語活動 を実施 した。
キーワー ド :フ レン ドシップ事業、英語活動、地域連携
1.学 生 主導 の 英 語 活 動 の 意 義 :過 去 の 取 り組
みか ら
る。
第 二 に、学 生が主 体 でや る上 で、 当然 しな くて はな ら
ない のは 、活動 に適 したオ リジナルの教 材 、教具 の準備
学生にとって、彼 らが主導で英語活動を計画し実施す
ることは、多 くの労力 と時間を費やさなくてはならなら
で あ る。 学生 主 体 の フ レン ドシ ップ事 業 で は基 本 的 に、
ず、決 して容易 な課題ではない。 しか し同時に、 自分達
は、 ほ とん ど用 い ない 。例 えば活動 内 に使 う絵 カ ー ドー
が主導 して英語活動 を実施す ることか ら、彼 らが学ぶ こ
枚 を作 成す るに して も、手 間 のかか る作業 であ る。 これ
とも多数あるとい うことが過去の 4回 の取 り組みで明 ら
かになってい る。
までの フ レン ドシ ップで は約 30人 か ら 40人 の児童 を対
象 に行 って きた。伸 び伸 び と活動 で きる よ うに会場 も通
第一 に、指導者 (教 師)が 活動案に時間をかける重要
常 の小学校 の教室 よ りは大 きめの部屋 を使用す る故、児
性 を学生 は実感す ることがで きる。英語活動 に限 らず、
童 に彼 らの英語 の理解 の助 け となる絵 や写 真 を提示す る
どの科 目の授業にも言える ことであるが、活動案 (授 業
案)の 作 'こ とい うのはある意味、実施その もの よ り重要
には小 さな もので は い けない 。児童 の理解 を高 め るため
には、 イラス トは 自分達で大 き くカラフルに描 き、的確
である。 つ ま りどの よ うな英語教授 ス キル、英語力 を
にその意 味す る ところ を伝 えな くてはな らない 。その絵
持 っていようとも活動案が良質でなければ、外 国語活動
カー ドをホ ワイ トボ ー ドに貼 る場合 はマ グネ ッ トにす る
を成功 させる ことはで きない。児童の興味、関心 を理解
のか、テ ー プで貼 るのか それ とも複 数 の学 生 で四 隅 を支
し、彼 らの知的 レベ ルにあった活動 である と同時に英語
えるのか等 に よって も、準備物 も変 わ って くる。 ス キ ッ
オ リジナ ルの活動 に こだ わ って きた。 よって市販 の教材
の理解度 も把握 した上で、活動内容 を組 まな くてはいけ
トを見せ て、児童 に状 況 と共 に言 語 の機 能 を示 した い 時
ない。その活動 の順序、流れ も重要 である。 また児童が
も、小道具 、 セ ッ トの準備 は不可欠 で あ る。 ただ単 にス
活動中、 どのような反応 を示 し、それにどう対応 してい
キ ッ トを見せ て楽 しませ るので はな く、的確 に状況 を描
くか、学級集団内の一人ひと りの児童 をどの ように活動
写 し、理 解 の助 け となる小 道具 、 セ ッ トが必 要 とな る。
に引 き込んでい くかな ど、様 々な要因を念頭 に置 いて活
ここで学 生が あれ これ議 論 を重 ね、完成度 の 高 い小道具
動案 を作成 しな くてはならない。作成後、実際に自分達
で リハーサ ル をする ことで さらに活動案 の問題が浮 き彫
や セ ツ トが生 み出 され る。 これ らの細 か な教材 、教具 の
準備 を してお い て も、 い ざ活動 を実施 してみ る と予期 せ
りにな り、その解決 のために再度、案 を練 る。 この作業
の繰 り返 しにより活動案 はよ り具体化 され洗練 されてい
ぬ 問題 に直面す る こ ともあ る。 後 の 反省 にお い て「 もっ
く。そ して学生 も活動案 に自信 を持ち、
活動実施 の最中、
もっ とた くさん用意 してお くべ きだ った 」「 もっ と厚 手
様 々な場面でスムーズ に対応 し、児童 を導 くことがで き
の紙 を使 えば よか った 」 な ど細 か な点 が色 々で て くる。
三重 大学教育学部英語教育 コー ス
と絵 をす っ き りさせ てお くべ きだ った」、「 マ グネ ッ トを
これ らは、児童 を 目の前 に実 践 して初 めて出て くる、授
業準備 の「重箱 の 隅」 の よ うな ものだが、そ こで さ らに
一-89-一
荒尾
浩子
学生 の学 びは深 まる。過去 の学 生 の事業後 の レポ ー トに
生が 活動後 の 反省会 や レポー ト内で報告 した ことの一 部
も「 これ まで 中学 、高校 で先生が授業 に色 々持 って くる
にす ぎない 。 そ して これ らの経験 が学生時代 にあ った と
の を当た り前 の よ うに見 て い た け ど本 当 にああ い った教
して も、実際 に一 教員 と して、 自立 して英語活動 を実施
材 を準備 す るの は 大 変 だ と思 った 」 とい う内容 が 多 く
す る場合 は、 活動案、実施 、 クラス運 営 の上 で さ らなる
あ った。特 に教育実 習 を経験 す る前 の 2年 生 に とっては
現 実的 な困難 に直面す る こ とは確 かであ ろ う。そ の 時 は、
授 業 を作 りあ げ る大 変 さを実感 す る最初 の機会 で あ る。
同僚 に相談 し、 自 ら教 材研 究 を し、試行錯誤 しなが ら乗
と りわけ英語活動 は、 言葉 に よる理 解 が 限 られて い るた
り越 えな くて は い けない 。現 時点 で は、仲 間 と一 つ の活
め、それ を補 う教材 の使用 は要 となる。
動 を作 り上 げる過程 の 中で、学生 自身 の協調性 も高 く求
第 三 に、英語活動 が児童 に もた らす効果 を実感で きる
め られ る。 将 来、学校組織 に勤務 す る教 員 を 目指す者 に
機会 の一 つ となる とい う こ とで あ る。 英語活動 につい て
は、英語活動 に関わる意 見や アイデ ィアを出 し合 い なが
は、必 修化 が公 表 され る前 か ら、 様 々 な問題 や不安 の声
ら、 一 か ら何 か を作 り上 げる協働作業 をす る こと 自体 も
が 現 場 の 教 員 か らあが って い た。 や や見 切 り発 車 的 で
必 要 な経験 で あ る。
あ る とい う見 方が あ る 中 で、「総合 学 習」 の 時 間内 で こ
こ 10年 、英語 活動 は 9割 以上 の小学校 で、 その頻 度 や
内容 には違 い は あれ ども何 らか形 で 実施 が され る よ うに
なった。 そ して現 場 の教 員 が 英語活動 を実施 す る中で、
2.平 成 20年 度 の立 案、準備
2日
1テ マ
か った英語活動が児童 に もた らす ポジテ ィブな効 果 も多
英語教育 コース として 5回 目となるフレン ドシップ事
業 はテーマ を設 定す ることか ら始 まった。平成 19年 度
く気 づ かれ る よ うになった。児童が他 の教科 や学校生活
は、
「エ コロジー」 をテーマ に英語活動 を通 してエ コロ
で は十分 にで きて い なか った 自己表現 の機会 を増 や して
ジー を推進す るとい う取 り組みであ った。現場 の先生方
い る。 クラス内の児童が互 い をよ り理解 し尊重 し合 う よ
の声 は当然 のこと、 これ までのフレン ドシップ事業 を年
うにな り、新 た な児童 間 の つ なが りを生 み出 し、 クラス
度 ごとに振 り返 った場合、単 なるゲーム、遊びで終わ ら
メ ー トの関係 を良 好 にす る とい った英語活動 の副次的 な
せたのでは、三重大学 まで出向いてまで英語活動 をする
さ らな る 問題 も指摘 され る一 方 で 従 来、予期 して い な
効果が聞かれ る よ うにな った。 また他教 科 で は学力不足
意義が薄れる。1時 間 15分 を使 って、英語活動 を組み
か ら決 して授業 内 で 活躍 で きる存在 で なか った児童 の 中
立てるのに、一貫 したテーマ を設定す ることで、「初 め
には、英語活動 につい て は適 性が見受 け られ る者がお り、
に英語あ りき」 の英語 のための英語活動 にならないこと
積極 的 な態度で活動 を し、 クラスの中で輝 くこ とがで き
を主眼 とした。そ こで学生 間で話 し合 った結果、児童 ら
る機会 とな りうる とい う こ とも報告 されて い る。「 こ う
が英語活動 を通 して異文化 を学ぶ ことを目標 としたい と
い った こ とは」実 際 に児童 を前 に英語活動 を行 わな くて
い うことになった。異文化 といって も非常に幅広 い。話
は実感 で きる もので はない 。学生 の場合 は、担任教員 や
し合 いの 中で、「祭 り」 を取 り上 げたい、 また「異文化
英語活動専任教員 とは違 い 、常 に学校 生 活 の 中で児童 を
の子供達 のホ リデー シーズ ンに行 う遊 び」 を伝 えたい、
間近 でみて い るわ け で はないので 、彼 らの実態 を完全 に
とい う意見がでた。そこでテーマ をしぼ り、子供が楽 し
把握す るの は難 しい 。 しか しなが ら限 られた活動 時間内
めて、題材 も豊富である季節行事 を紹介す ることに決
で も様 々 な児童 の個性 を観 察す る ことがで きるのが 英語
まった。そこで設定 されたテーマ は「季節行事」である。
このテーマの下、英語活動 を行 う目的 は、英語活動 を通
活動 であ る。一生 懸命 に、不 自由な外 国語 で あ る英語 を
使用 して伝 え よ う と し、他 の人の話 に耳 を傾 け理解 しよ
して①異文化 の人々が どのように季節行事 を楽 しんでい
う とす る児童 、 同 じ言葉 をい うの に も声 や動作 で 表現力
るか知 る、②季節行事 にはどのような意味があるのか知
豊 か に発す る児童 、恥 ずか しが ってい る仲 間 を励 ます児
る、③季節行事 に関係する英語表現、語彙 を学ぶ、④ ゲー
ムや歌、 コ ミュニケー シ ョン活動 で英語 の音声 に慣 れ親
童 、何 か言 い た い の だ け どわか らな くて 口 ご もる児童 、
それ をなん とか助 け よ う とす る児童 ・・ 0と 各児童 の個
しみ、英語表現 を学 び、それを使 う楽 しさを経験 す るこ
性 やそれ を取 り巻 く児童 の つ なが り方、協力す る集 団 の
ととした。
様子 を 目の 当た りにす る。 学生 の多 くは 自分 自身 も小学
生 時代 に英語活動 を経験 したわけで はない ので この様子
2
を 目にす るのは英語活動 の あ る種 、醍醐 味 の よ うな もの
準備
ーマ
テ
が設定 された後、学生は 5グ ループに別れ、各
を体験 す る こ ととなる。学級担任 となった場合 、学級作
グルー プが約 25分 のパー トを担 当 し、そ こで実際に行
りの一 環 と して も英 語 活動 が一 役 か う こ とを理 解 で き
う活動内容 を話 し合 った。活動の初めの部分 を 1月 か ら
ス ター トし 12月 で終 わるとい う流れ の 中で、色 々な文
る。
ここで は以上 の 3つ のみ を挙 げて きたが、 これ らは学
2口
化 をとりあげ、子供 に理解がで き、興味が持てる内容の
―-90-一
大学生主導 による英語活動
季節行事 を選択 し、英語活動 にのせてい く方法 を話 し合
学 生 B:I'm a reindcen I'm OOOO(学 生 の 名前 )
うことか ら始 まった。活動内容が決 まり次第、順次それ
学 生 A:Hi,○ ○○〇
に必要 となる教材作 りを始 めると同時に、 どの ような指
この流 れで他 3人 も自己紹介 を した。
示、声かけ、説明をしてい くのか、 どの ような動 き方 で
「hat arc you doingP
学軽LB:、 へ
児童 を支援するのか といったことを試行錯誤の中で決め
学 生 C:wt arc playing a gamc.
ていった。
.I'm OOOO
学 生 D:Why don't youjoin usP
これ らの話 し合 い を含 めた準備期間である約 6週 間の
学 生 B:of cOursco Lct's pla7y togethcn
後、すべ ての活動 を一通 り簡単 にリハーサル した。
ここで他 のグルー プの学生は、児童役 として活動 に参
学 生 E:What gamc do you play on Ncw Ycar's DayP
加 し、お互 い に助 言 し合 う。実際 の活動時 を想 定 して、
学 生 全 員 :That's a good idca。
立ち位 置やそれぞれの役割、教材 の提示 の仕方な ど確認
こ こで デ モ ンス トレー シ ョンが始 ま った。 まず は 顔 の
していった。 また活動の始めの挨拶、一つひとつの活動
パ ー ツ の 英 語 で の 言 い 方 を確 認 す る。 児 童 に “
What's
の繋 ぎ方、活動 の終 わ り方な どどうす るのか も打 ち合わ
thisP“
せた。
す ぐに リ ピー トさせ る。 そ の 後、学 生 の一 人が 目隠 し
学 生 B:F切 %物 知り〃
と呼 びか けなが ら、“
Ycs,this is an eycbrow"と 言 い 、
を し、他 の学 生が、 “
up,Up"“ No,down,downo A little bit
right"“ O.K."“ Lc食 !Lct!"と
指示 の 仕 方 を見せ なが ら、 一
つ の福 笑 い を完成 させ た。
リハーサルの様子
3.活 動内容
デモンス トレーションを見せる学生
3.1導 入
初 め に、
簡単 に学 生全員か ら同時 に児童 に挨 拶 を した。
そ の 後 、児童 は 4、 5人 の グル ー プに分 か れて、学生
ここで例年 は、一 人ず つ 、名前 を言 って 自己紹介 をす る
が作成 した様 々 な人種 の人 と思 われ る各 グル ー プ違 う顔
パ ター ンで あ るが、 20年 度 の 学 生 は、 自己紹 介 はそ れ
の福 笑 い を行 った。 ここで一 グル ー プに
ぞれ の 活動 の 中で取 り入 れ る ことに した。
が加 わ り、順番 を決めた り、補助 を した りして 活動 を進
学 生全員 :Hcllo,cvcryOne.ヽ blcome to Mic Universiげ
∼
学 生 A TOday9 we'11 lcarn scasonal evcntso Let's hⅣ c fun.
行 させ た。 グル ー プ内で一人の児童が 目隠 しを し、他 の
1、
2人 の 学 生
学 生 も児 童 も共 にや や 緊張 ぎみ の ため、 少 しぎ ご ち な
児童 は、それ に指示 を与 える。 目隠 しを した子供 はパ ー
ツ を手 に取 り “
This is an cyc。 "と パ ー ッの 名 前 を確 認 し
い 雰 囲気 であ った。加 えて ここで唐 突 に用 い た “
scasOnal
た。 そ の後 、周 りの仲 間がデ モ と同様 に英 語 で 指示 を出
events"と う言 葉 が難 しす ぎた た め、 児 童 の理 解 の 範 囲
した。 これ を繰 り返 し、各 グル ー プの福 笑 い を完成 させ
を超 えて しまった よ うだ。
た。その後、
各 グル ー プをサ ポ ー トした学 生 が 出来上が っ
3.2 FUKUWARA::正 月
た、福 笑 い を全体 に見せ 、そ の 成果 を楽 しんだ。非常 に
季節行事 の一 番 は、 1月 の正 月か ら始 まった。 日本 の
単純 なゲ ームで あ ったが、単純 さゆえに学生 も児童 も共
正 月 も一つ の文化 と して英語活動 の 中で 意識 し、慣 れ親
に説 明か ら進行 まです べ て英語 で 実施 で きた のが よい点
しんで い る 自文化 の遊 び を英語 を使 って 改 めて 楽 しませ
で あ った。
る意 図 で あ る。正 月に は似 つ かわ しくな い トナ カイ (の
着 グル ミを着 た学 生 )が 登場 した。 トナ カイは世 界 をめ
ぐり季節 ご との 行事 を楽 しんで い る設 定 で あ った。
学生 A:Look atthatP Whatis thatP
-91-
荒尾
浩子
学 生 C:sure,but yOu havc tO try Egg RoⅡ
.Itis a simplc
gamc.DO you knOw c016rsin EnglishP
学 生 A:No,I don't。
学軽LC:Lct's lcarn colors.
パ ワ ー ポ イ ン トで色 の 画面 を見 なが ら、red,yello、
bluc,
grecn,purplc,brown,black,Orange・ … と代表 的 な色 を学 生
が発音 し、それ を児童 が繰 り返す。児童 は色 につい ては
英語活動 の初期段 階です で に馴染 みが あるためやや簡単
す ぎる くらい であ るが、 ここで は きちん と発音 させ る こ
とを重視 した。そ して Egg R011の デ モ が見せ られた。ゲ ー
ムの方法 は次 の よ うで あ った。児童 はグル ー プに分 かれ
晨スυ Z〃 И ノをする児童 と学生
る。 各 グルー プの児童 一 人が ス プ ー ンを持 って 5メ ー ト
ルほ ど先 に立 ってい る学 生 の ほ うへ 歩 い て い く。そ こで
学 生 は "what
c010r is thisP“
と折 り紙 の色 を見せ なが ら尋
ね る。 そ こで ス プ ー ン を もって 歩 い て きた児 童 が正 し
It
く“
is bluc."と
Thaピ s right.It is bluc.Hcrc
応答 で きる と “
you arc."と 袋 の 中か らきれ い にデザ イ ン された ピンポ ン
球 を一 つ 取 って 手 渡 され る。 そ こで 受 け取 った ほ うは、
“
Thank you."と 言 い 、 ス プ ー ン に球 をのせ て、反 対 側 に
い る 自分 の グ ルー プメ ンバ ー の ところに行 き、 ス プ ー ン
を渡 す。綺麗 な ピンポ ン球 は今 回 の児童 へ の プ レゼ ン ト
となる。 ス プ ー ン を受 け取 った らリレー方式 に また学生
の ところにい き、 同 じや りと りをす る。
で きあが った FL//4川 И馴 ノ
3.3 Egg Ro‖ :Easter
季節 は春 であ る。 アメ リカの イース ター を紹介 し、子
供が楽 しむゲ ーム を英 語 で 実施 した。 トナ カイが 再 び登
場 し、担 当 の学 生 らに迎 え られ る。
学 生 A:恥 ucOme to Amcrica.
学 生 B:wご re celebrating Eastcn
学 生 C:Eastcr is Christian HOliday.DO you knowJcSus christP
児童 :Ycs,of
coursc.
Egg Rollをを楽
と字l生
楽 しむ児童 と学生
間髪入れずにこの応答がで きる ところにこれまでの小学
校 にお ける英語活動 の成果が うかがえる。その後、イー
スターがキ リス トの復活 を祝 うものであるといった内容
こ れ らの 児 童 と学 生 の や り と りの 中 で 大 切 に した の は、
が 日本語で簡単 に説明された。 ここで 日本語 を使用 しな
くてはならないのが英語活動 で異文化知識 を詳細 に伝達
単 純 に ス ピー ドや球 を落 とさない こ とを重 視 す るの で は
す る際 のジレンマであった。 しか し工夫次第では、イラ
ス トなどを用 いて、すべ て英語 で理解 させ ることもで き
たと思われる。その後 tピ ンポ ン球 に柄や色 をつ けて作
リタマゴに見立てた ものを使用 して Egg R011と い うイー
正 しく応答がで きる こと、またちゃんと球 をもらっ
な く、
た ら“
Thank you."と お礼 を言 える ことであ った。 これを
しない限 り子供 はプレゼ ン トであるピンポン球 をもらっ
て次 の人にスプー ンを渡 さない よう、各地点で学生が確
認 し、
言 い忘れていた場合 はきちんと言 うように促 した。
ス ターの遊 びをした。
学生 A:what's insidcP
3.4ク イズ :Spanish Summer Festival
学生 B::Thcse eggs arc prcscnts for children.
学生 A:oh,I wantit。
季節 は夏である。活動 に一息 いれる意味 も含めて、静
的な活動 を取 り入れた6パ ワーポイ ン ト上 に出された 3
一-92-一
大学生主導 による英語活動
つ のお祭 りの写真 を見せ クイズ を出 した。一 つ 目は、 ブ
ラジ ルの Carnival、 二 つ 目は ベ ル ギ ー の Cat
Fcstival、
三
つ 目は、スペ イ ンの TOmato Festivalで あ る。30秒 与 えて、
どれが ス ペ イ ンの祭 りか考 える時 間 を与 えた。 そ の 後 、
どれが正 解 で ある と思 った か 一つ ず つ 、手 を挙 げ させ た。
その児童がわからない時は、同じグループの仲間は教え
てもよい。答えることができたら、今度は答えた児童が
ジェスチャーを見せる番 とな り、
次の児童が英語を言う、
とい う過程を繰 り返す。学生は正 しく児童が言うことが
できているかを各 グルニプに付 き添 って確認する。
児童 は選択肢 で あ る三 っ の写真 それぞれ に、 ほぼ均等 に
手 を挙 げ、正解 で あ る三 つ 目に手 を挙 げ た児童 は、正 解
が伝 え られ る と「や った あ」 と喜 びの声 を上 げて い た。
その後 、TomatO Festivalの 説 明 を行 った。学 生 自身 も知
識 にな く調 べ た末、 イラス トと共 に、祭 りの 由来や、祭
りで禁止 されて い る事項 な どの 内容 を、児童 に も大 人 に
も興味深 い 内容 で あ った 。
ジ ェスチ ャー を見 せ る学生
このゲーム を実際 に児童 にや らせた後 の反省点 として、
2つ の点で少 し難易度が高 いこ とが発覚 した。一つ 目は、
一気 に 8個 の 日常的に使用 されない英語 の言葉 を提示 し
た点である。絵 と字に よ り理解 はで きるが即座 にその言
パ ワーポイン トでの説明
3口
5ジ ェスチャーゲ ーム :Halloween
季節 は秋 の設定である。アメリカのハ ロウイー ンを紹
介す る。ハロウイー ンで子供達 は、何かに扮装 し、大人
に "Trick
Or Tre滋 "と
葉 を出力 す るのは児童 によっては難 しい様子 であつた。
二つ 目としてジェスチャー をす る児童 は絵 ではな くアル
ファベ ッ トで書かれたフラッシュカー ドを認識 し、理解
しな くてはならなかった。馴染みのある単語 であれば問
題はないが、初めて聞いたばか りの単語 を文字 で認識す
言 つて、お菓子 をもらうとい う内容
るのは、文字 と音 の一致が不完全 な児童 にとっては容易
を英語 で伝 えた。 この説明 を、児童 は一言一句理解 をし
たわけで │ょ ない と思われるが、 日本でのハ ロウイー ンの
ではなかった。そ こで児童が文字 を認識で きずに困 つて
い る様子 の際 は学生が横 でサポー トす ることになった。
浸透度 も助 け となって、 ほぼ概要 は理解 がで きて い る
様子 であつた。その後、ハ ロ ウイー ンに関す る 8個 の
3.6ク リスマスソング :Chttstmas
言葉 である bat,ghOst,wand,wizard,mummyp Witch,broom,
vampircを 絵 カー ドとフラッシュカー ドで提示 し、児童
に正 しい発音 と意味 をリピー トして覚 えさせた。そ して
最後 の活動 は冬 で ある。活動 の 中で、学 生の ス トー
リー展開 として トナカイは正月か ら様 々な季節行事 に参
同時に、その言葉にあったジェスチ ャー を見せ、児童 に
加 して きた ことになっていた。つい にサ ンタと出会 えた
トナ カイが、ハ イタッチでサ ンタと喜 び合 うとい う設定
も真似 させた。その後、児童 を立たせて、学生が絵 カー
であ った。 これを見 て、初めて児童は季節行事の案内役
ドを指 し発音 をし、それにあったジェスチ ャー を児童 に
をして きた トナカイの意味 を理解 したようであった。そ
させて、 きちん とジェスチ ャー と言葉が頭 に入ってい る
してサ ンタ役 の学生がバ イォリンを取 り出 し、クリスマ
かを確認 した。その後ゲームの説明を行 った。グルー プ
に分かれ、先頭 の児童 は前 に出て、他 のメンバーの背後
ス ソングで ある “
I wish you tt Merry Christmas"を 歌お う
と提案 した。歌の歌 詞 はパ ワーポイ ン トで提示 された。
に示 される字で書 かれたフラッシュカー ドにあったジェ
バ イオリン演奏 と共に全員で元気 に歌 い、活動 の しめ と
スチ ャー をす る。それを見てグルー プの次 の列 の児童が、
英語 でその言葉 を言 う。絵 カー ドは前 のホワイ トボー ド
なった。計画の段階で この事業 の実施 は 1月 後半である
ことか ら、クリスマス ソングを用 い るのは季節 はず れで
に掲示 されたままなのでそれをみて、何があ ったか思 い
はないか とい う意見 もあったが、季節 ごとの行事 を取 り
出す ことがで きる。 しか し振 り返 ってジェスチ ャー して
上 げたい とい う趣 旨を優先 して、全体の流れか らやは り
い る人が見てい るフラッシユ カー ドを見てはい けない。
歌 うことになった。 12月 の実施 であれば、 尚いっそ う
荒尾
活 きる活動 で あ った。
浩子
であった。
指導者 としてさらに欲 を言 うな ら15年 生 とい う高学
3.7 Good‐ bye
年 の児童が、単 に季節行事 についての知識 を与 え られ、
すべ ての活動 を終 え、最 後 に学生 一 人 ひ と りが 一 日の
I had a very
活動 や英語 につ い て、 わか りやす い 英語 で “
事実 を伝 えられ、英語 に触れ るだけでな く、 自分 自身で
テーマ について考え、新 しい世界観や意見 を持 つ ことを
good timc.Thank you."や “
Your English was vcry good."と
促す活動 を組み込むことがで きればより充実 した ものに
い った感想 を述 べ た。 また一 人の学生が代表 して、 自分
なっていただろ う。今 回の活動 は、低学年、中学年 を対
と英語 につい て話 を した。 その内容 は実 は、 英語 が嫌 い
象 とする英語活動 として も、英語 による説明や語彙のイ
な時期 もあ ったが 、英語 を用 い たゲ ーム や歌 を楽 しむ経
ンプッ トの量 さえ調節すれば、そのまま使 うことがで き
験 を持 ってか らは、英 語 が好 きにな って今 は英語 を楽 し
る内容 で あ った。その意味で今回の英語活動 は、5年 生
めてい るとい うものであ った。 こういった実際に英語 を
にとって知的好奇心 を充分に満 たす ことがで きたか とい
学習 して きた人の ヒス トリー を児童 に伝 える ことは、今
後英語活動 を続け、その後、英語が学習対象 となってい
う疑間 は残 る。今後 は、テーマ設定時に、学生 に対 して、
これまで以上に児童 の発達 レベ ルを意識 した思考 を促す
く過程 においての刺激 として重要 となるであろう。
活動 を意識す る必要性 を説 き、常 に念頭 に置いて、活動
を組み立ててい くことを心が けるように指導す ることに
努めたい。
握手で送 り出す学生 と会場 を去 る児童
4E終 わ り に
20年 度 の学 生主導 の英語活動 は、無事終了 した。毎
年度、同様、終了 した直後 は、客観的に自分達 の活動 を
見ることがで きない。 しか し後 日の報告 で児童 たちや引
率 された先生方にも好評であったことが知 らされ、学生
らは達成感 を覚 えることがで きた。学生か らの活動内容
に関 しての大 まかな反省点 は以下である。
①文字 を手がか りとす る一部 の活動が、児童の理解の負
担 となったおそれが あ ったこと。
②会場 の大 きさが児童 の人数に対 して小 さか ったこと。
③異文化 の季節行事 を取 り上 げる中で、結果的にスペ イ
ンと日本以外 はアメ リカ文化 に偏 って しまったこと。
④季節行事 の流れ と話 の展開を重視 したため季節 はずれ
な歌 を歌 うことになった。
その他、細かな点 を指摘すれば枚挙 にい とまがないのが
事実であるが、全体的には、テーマ に基づ き関連 した活
動 をスムーズ に進行 で き、教材、教具 の準備が良 く整 い、
演出の点で も工夫が凝 らされていた。 また児童が英語 を
聞 くだけでな く、話す機会 を多 く設け参加 しやす い活動
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