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~大いに悩もう~ 第 5 号

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~大いに悩もう~ 第 5 号
佐賀県立鹿島高等学校通信
平成 24 年度
第5号
8 月 30 日発刊
企画研修部
〒849-1311
鹿島市大字高津原 462
TEL 0954-62-4136
FAX 0954-63-9006
題字 松尾 洋一
(本校書道科教諭)
~大いに悩もう~
進路指導主事 小 野
毅
私が、この夏休み中に出会い、印象に残った言葉をいくつか紹介します。
まず、
「初めの一歩を踏み出すことが大事。月6万円しか収入がないドラマーが、あるミュージシャン
が気になって、わずか10分の演奏のために、51万円もかけて、ニューヨークに行ったんだ。」これは、
関わった楽曲が現在14000曲にもなる村上ポンタ秀一という日本が誇る名ドラマーの言葉です。
人は、何になったらいいか。何のために生きるのか。これは青年期にしっかり悩んでおくべき問いだ
と思います。私の高校時代は、この悩みにとりつかれ、あがいていた三年間でもありました。その答え
を見つけるために、文学の道を志したようなものでした。学校の勉強では、誰も教えてくれないこの問
いの答えは、結局は各自が見つけるものです。
私が卒論にしたある作家は、エッセイの中で、人生の全てが虚しいと分かるために生きている、と言っています。そう言わしめた彼の人生は、
戦中戦後の大変な時代を生き抜き、病苦との苦闘の中から吐かれたものであったろうと推察されます。多少ロマンチストの私は、やはりそれで
も、誰かのために、世の中にたとえわずかであっても、希望の明かりを灯したい、そのために生きているのだ、と思っています。
そんな私ですが、去年最愛の妻を亡くしてしまいました。それから現在までの一年数ヶ月の間、妻のいないこの世にこれ以上生きていたって
何の甲斐があるのかという思いに再びとらわれることがあります。しかし、妻は亡くなったあとも、まるでキリストが復活するように、私の意
識や心の中で、はっきりとした存在感をもって、私の問いに、応えてきてくれるようになってきました。表情も声も当時のままに、です。もち
ろん、触ることは出来ませんが、感じることは出来るのです。呼びかければ、ちゃんと応えてくれるのです。
第二次世界大戦中に起こったユダヤ人の大量虐殺(ホロコースト)で、収容所に囚われて、自分もいつガス室に送られるかも知らない死の恐
怖と飢餓の中を生き抜いた経験を綴った『夜と霧』という作品の中で、 骸骨同然にやせ衰えたユダヤ人達が目の前に広がる夕焼けの景色にみと
れ、「自然は、どうしてこんなにも美しいのだろう」と、つぶやきます。極限状況の中でも、人間は美に感動する心を持っており、その感動の体
験は、どんなものでも奪えないと、感動する体験の尊厳を確信します。また、作者の目の前に、同じように囚われ、いまはどこの収容所にいる
のか分からず離ればなれになっている妻(実はもうその時、亡くなっていたのですが)が現れるシーンがあります。そして「彼女の眼差しは、
今そこにある太陽よりも、私を照らすのだった。」と書かれています。このフランクルという作者は、この時のことを振り返って、心から愛した
という思いがあれば、その人を一生支え続けるものだ、とも言っています。戦後、読者との対話の中で、同じように先立たれ、生きる意味を失
いかけた人に、「もし、あなたが、奥さんより先立っていたら、奥さんはどう思ったでしょう。その悲しみを、奥さんがせずに済んだ。それが、
あなたがこれから生きていく意味です」とフランクルは答え、どんな状況であっても、人生には生きる意味がある、人生はどんな時も、生きる
意味を失わないとも言っています。愛する人間が生きているかどうかはもはや関係ない、愛は死のごとく、強ければなり、と。苦悩や死があっ
て、人間は成長するものであり、苦悩から逃げずに生きるとき、過去は自分のものになる、すべてのことを永遠に保管してくれる金庫のような
ものだから。生き抜かれた時間は、時間軸の中に永遠に刻み続けられる、とも。 また、仕事は大小に関わらず、どんな仕事も人を喜ばせる価値
がある、とも。
学生時代までの第一の人生、就職して職業人として生きる第二の人生、一旦退職した後、晩年を生きる第三の人生。実はその後の世界もある、
と私は考えているのですが、いずれにせよ、遅かれ早かれ愛するものとの別れの時が来て、自分にも死ぬときが訪れる、それは避けようがない
現実。苦悩から逃げずに、まっとうに生き、まっとうに悩むことが、精神性を高みに導いてくれるらしいのです。鹿城生諸君、生きる意味を問
い、虚しさを問い、そして、大いに悩みなさい。そしてそれは成長の証だと考えてみては、いかがでしょうか。
総合テーマ【
文化祭テーマ【
創
魂(ソウル)
体育祭テーマ【
】
破
オープニングセレモニー
入場行進
吹奏楽部演奏
100m走
芸能披露
1500m走
竹取物語
美術部・書道部発表
大玉転がし
百足リレー
クラスステージ発表
クラス対抗リレー
のど自慢
初デート 5 分前
ETC(ステージ発表)
フォークダンス
FRC(コンサート)
騎馬戦
団別合唱
応援合戦
今年の赤門祭について
】
】
綱引き
応援合戦
TUBE
部活対抗リレー
団別対抗リレー
生徒会長 中 島
和 也
今年の赤門祭のテーマは、
「魂・創・破」です。3 年生は最後の赤門祭となります。
これまで積み重ねてきた努力を惜しみなく発揮し、最高の思い出にしてください。1・
2年生は 3 年生の背中を見て、来年・再来年の自分たちをイメージしながら、精一杯 3
年生のサポートをしてください。
生徒会としては、最近みんなが忘れかけている「鹿城魂」をこの赤門祭を通して思い
出し、今後の学校生活にいかせるよう精一杯サポートしていきたいと考えています。
みんなの「魂」を結束させて、自らの壁を打「破」し、新しい鹿島高校を「創」りましょう。
体育祭各団の意気込み
赤軍
団長・副団長から一言
白軍
紫軍
団 長:末光 勇輝
団 長:新郷 和晃
団 長:髙栁
副団長:森﨑 亮介・植松明日香
副団長:中島 達也・針﨑あかり
副団長:井手 奨大・横田 瑞稀
テーマの「紅蓮炎舞」のように赤軍
今まで支えて下さった方々への感謝
私たち紫軍は今までの赤門祭にな
全員が力強く、明るい一つの炎とな
の気持ちを胸に、一瞬一瞬を全力で
い、新しい風を吹かすことをテーマ
るところを目に焼き付けて下さい。
楽しみ、最高の笑顔でプレーします。
として頑張っています。ぜひご覧下
さい。
佑
佐賀大学ジョイントセミナー(2 年生)
7 月 27 日(金)
今年度も佐賀大学より本校に先生方をお招きし、セミナーを開催しました。昨年度までは 10 名の先生方でし
たが、今年度は 11 名の先生方にご来校いただき、より専門的なお話を伺うことができました。
日頃、直接聞くことのできない大学の講義や、学科の説明を約70 分間にわたり、熱心にご講義いただきまし
た。どの学科もパワーポイントや資料を準備していただいていたので、生徒たちにとってもわかりやすく、集中
して聞くことができていました。
進路決定の参考として、また、学習意欲の高揚にもつながる有意義な時間となりました。
学部・学科
講義名
講義者氏名
教育学と教育心理学
撫尾 知信
国際文化課程
欧米の文化
相原 征代
人間環境課程
健康とスポーツの科学
文化教育学部 学校教育課程
経済学部 経済システム課程
栗原
淳
経済学の紹介
松尾 陽好
法学の紹介
中山 泰道
医学について
永田 正喜
看護学科
看護学について
明時由理子
理工学部 知能情報システム学科
情報の仕事
中山 功一
未来を支える電気電子
西山 英輔
応用生物科学科
新しい動植物の創造
野瀬 昭博
生命機能科学科
食品の科学
経営・法律課程
医学部
医学科
電気電子工学科
農学部
宗
伸明
「先輩に学ぶ」講演会(1 年生)
7 月 28 日(土)
社会の第一線で活躍されている本校の先輩を講師
鹿島市立古枝小学校 教諭
井上 浩幸 様
として招き、様々な仕事の内容、社会人としての心構
佐賀県立病院好生館 医師
中尾 美咲 様
え、求められる資質、在学中に取り組むべきことを学
新武雄病院 薬剤師
西村 朋華 様
ぼうと、1 年生を対象に講演会を実施しました。
志田病院 作業療法士
松尾名津子 様
松尾建設 鹿島営業所長
森田 正信 様
にご講義くださいました。
講義を聞いた 1 年生たちも、 東亜工機
鹿島市役所 保険健康課
いずれ先輩となって、後輩たちに社会人として話がで
佐賀銀行 鹿島支店
きるような人材へと成長してくれるものと期待して
祐徳薬品 信頼性保証部
います。
佐賀新聞社
副島 孝平 様
当日は 10 名の先輩方をお招きし、後輩たちへ熱心
中学生体験入学
坂口 実夏 様
中村 圭志 様
山浦 史子 様
樋渡 光憲 様
8 月 3 日(金)
今年度も本校に興味を持つ中学生、保護者、中学校の先生方を本
校に招き、体験入学を実施しました。当日は、350 名を超える参加
者が吹奏楽部のオープニングコンサートから、学校紹介、部活動紹
介、模擬授業、そして最後の部活動見学まで、たっぷりと鹿島高校
を楽しんでもらいました。
生徒を代表して
1 年生の川崎真実
さん(白石中出身)と中島準矢さん(西部中出身)が本校
での生活を詳しく紹介してくれました。
この日来校した中学 3 年生が来年度には“鹿城生”と
して活躍してくれることを願います。
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